JP6278794B2 - フロントフォーク - Google Patents

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Description

本発明は、フロントフォークに関し、特に、空気ばね式のフロントフォークに関する。
従来、二輪車の緩衝装置には、特許文献1で開示される空気ばね式のものが知られている。これは、ケーシングをピストンにより上下2つの緩衝室に区画するものである。これによれば、ピストンによる押圧力により、一方の緩衝室側の空気を圧縮し、このとき他方の緩衝室側の空気が負圧状態となるので、結果として緩衝力を得るものである。
しかし、一方の緩衝室側の空気が圧縮されたときに、この緩衝室側に大きな内圧が繰り返し発生し、ピストン外周に通常設けられるエアパッキン等の封止部材にこの内圧が繰り返しかかるので、この封止部材の耐久性劣化を招く可能性を有し、緩衝性能劣化の要因となる可能性を有していた。また、圧側行程で単にピストンにより一方の所定容積の緩衝室側の空気を押圧することにより反力を得る構成の為に、反力特性が一義的となり、車体の重量の大、小の二輪車の走行性能に対応した反力特性を得るのが容易ではないという欠点を有していた。
特公平4−27413号公報
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、緩衝室に過度な圧力がかからないようにしてピストン性能の劣化を抑制し、加えて圧側行程での反力特性を調整可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るフロントフォークの構成として、車輪側に設けられるホルダ部材と、上記ホルダ部材より突出するとともに緩衝室を形成する長手状の内シリンダと、上記内シリンダの上端に設けられたロッドガイドと、ロッドに取り付けられ、かつ上記内シリンダ内に収容されるピストンと、上記内シリンダの外周とで間隙を形成するように上記ホルダ部材より突出する外シリンダと、上記外シリンダの外周とで一定間隔のスペースよりなる外緩衝室を形成するようにホルダ部材より突出するとともに、上記内シリンダ及び外シリンダよりも長さの長い最外シリンダと、上記最外シリンダの外周を被うとともに車体側より上記ホルダ部材方向に突出し、かつ上記最外シリンダの外周に摺動する摺動筒と、上記摺動筒の一端開口を封止するとともに上記ロッドの一端を保持する車体側のキャップ部材と、上記キャップ部材より突出し、かつ上記最外シリンダの内周と外シリンダの外周との間に位置する保持筒と、上記保持筒の先端側で保持されたリングピストン部材とを備えたフロントフォークであって、リングピストン部材を上記外緩衝室の外周又は内周、又はその両方に気密を保って摺動するリング体より形成し、このリング体により上記外緩衝室を上部空間と下部空間とに区画し、上記上部空間と下部空間とを連通する空気流路を上記リング体に設けるとともに、上記下部空間の内周及び外周に密接されるリング状の摺動部材と、この摺動部材で加圧される加圧室を設け、上記摺動部材の上記ロッドガイドまでの距離を一定位置に規制する規制手段を設け、上記リング体により上記摺動部材を加圧室方向に押圧可能にする構成とした。この構成により、圧側行程において、リング体が一定長さ分摺動した時点から摺動部材が押圧されて加圧室内が加圧され、反力が生じるようにしたので、上記規制手段の長さ調整、加圧室の圧力調整等により所望の反力特性を得ることができる。
また、本発明に係るフロントフォークの他の構成として、上記空気流路は、リング体の内周に形成され、かつ上記上部空間、下部空間方向に延長する凹溝より成る構成としたので、簡単な構成で空気流路による空気の通気により、リング体を圧側方向に支障なく下降でき、また伸側行程も容易に行なわれる。
また、他の構成として、上記摺動部材は、この摺動部材の内外周に設けた凹溝に嵌合されるシール部材を有するので、摺動部材で空気漏れを生じることなく、加圧室を加圧できる。
また、他の構成として、上記規制手段は、一端側がロッドガイドに取付けられ、他端側が上記リング体を越えて摺動部材方向に延長する所定長さの筒体より成るので、簡単な構成で摺動部材の位置を規制できる。
フロントフォークの断面図である。 フロントフォークの要部拡大断面図である。 フロントフォークの要部斜視図である。
図1は本発明に係るフロントフォークの一実施形態を示す断面図である。同図において、1は車軸側に取付けられるホルダ部材であり、このホルダ部材1は、車軸取付孔1aに貫通される車軸を締め付ける締付けボルト1bを有し、ホルダ部材1の側部側に、所定容量の円柱状の空気室1c及びこの空気室1cを封止する栓部1dを有する。栓部1dには、空気室1cへの空気の出し入れを可能にするバルブ1kを備える。バルブ1kを介して出入りする空気は、栓部1dに取り付けられたチューブ保持部1fに接続されたチューブ1jを介して空気室1cとともに後述するフロントフォーク本体Sの内部への空気の出し入れを可能に構成される。
また、側部側にはブレーキキャリパ取付部1i及び車速センサ取付部1t、27は、ホルダ部材1の側部において突出するように上下一対に形成され、車輪外周の一部を被い保護するフェンダーを固定するためのフェンダー取付部などを備える。なお、1yは割部である。
このホルダ部材1と車体との間に、伸縮自在な長手状のフロントフォーク本体Sが保持される。
上記フロントフォーク本体Sの内部中央には、細筒体よりなるロッド2が位置される。このロッド2の先端側は、後述のシリンダ4の開口より挿通される。このロッド2の先端にはピストン3が固定される。シリンダ4は、下部がホルダ部材1に封止状態で固定され、先端側が上方向に突出するものでピストン3を収容する空間を形成する。上記ピストン3は、シリンダ4の内周を上下に摺動するように上部に設けられたロッド2で操作される。
上記ピストン3は、図2に示すように、下部にホルダ部材1方向(車軸方向)に開口する穴3aを有し、外周には上下に隣接して設けられたリング溝3b,3cを有し、このリング溝3b,3cにリングシール3dが嵌着されて、これによりピストン3の外周はシリンダ4の内周との間で気密性を保持しつつ上下方向に摺動する。
ピストン3の天部3eの上面には、外周が上側に向けて先細りとなるテーパー状の凸部3hが形成される。凸部3hの天部3e側には、当該凸部3hの直径方向に貫通して凸部3hの側部に開口する開口孔3fが十字状に設けられる。また、凸部3hには、上端から中途部にかけて上下方向に延長し、ロッド2の下端側にピストン3を取付けるためのロッド取付穴3kを備える。ロッド取付穴3kの内周は、上述のロッド2の下端側外周が螺入し、ピストン3を固定するためのねじ穴として形成される。ロッド取付穴3kの底部には、開口孔3fに連通する孔3gを備える。したがって、ピストン3が取付けられた状態においてロッド2の貫通孔2aは、孔3g、凸部3hの側部より開口する開口孔3fから後述のばね25外周のスペース2b及びシリンダ4の上端の孔4bを介してシリンダ4の外周4aと後述の外シリンダ7の内周7bとの間隙5に連通する。凸部3hの外周は、後述のばね25が着座するばね座3mとして機能する。
上記シリンダ4の底部、すなわちホルダ部材1側は、リング状のシリンダ取付枠1gにより気密を有して固定される。また、空気室1cは、ホルダ部材1の一部を加工してシリンダ4と平行するように形成され、シリンダ取付枠1gよりも下側に形成された連通路1hを介してシリンダ4の内部と連通する。空気室1c及びピストン3よりも下側のシリンダ4内のホルダ部材1との間で囲まれた空間31により緩衝室Bが形成される。上述の連通路1hには、空間31内に油の注入出を可能にする例えばワンタッチカプラからなる油入出バルブ1uがホルダ部材1の外部に露出するように取り付けられる。この油入出バルブ1uを介して緩衝室B内に非圧縮性の油を注入することで緩衝室Bの容積を調節可能となっている。
また、空気室1cの栓部1dに一端が接続されたチューブ1jの他端が、空気室1c、連通路1hを経由してシリンダ4の内部の所定高さに位置するように挿入される。このチューブ1jは、緩衝室B内の容積を変化させるために油入出バルブ1uから緩衝室B内に注入された油が、緩衝室B内の空気圧の調整時に、排出されないようにするために設けられている。
なお、1mはOリングである。上記シリンダ4はホルダ部材1側から伸側行程で最長となったフロントフォーク本体Sの全長のほぼ中央付近まで先端側が延長する長さの寸法となっている。
ホルダ部材1には内周が上方向において徐々に大径となるような傾斜面1oとなって上方に突出する保持筒1nが設けられ、この保持筒1nの内周下部に外シリンダ7の根元側外周が嵌着される。この外シリンダ7は、シリンダ4と同軸を保って、かつ内周7bがシリンダ4の外周4aとで間隙5を保持しつつ上方に延長する。つまり、シリンダ4は、外シリンダ7の内周側に位置する内シリンダである。
外シリンダ7の下端よりも下側のホルダ部材1の内周には、リング状に形成されたリング溝43の一部より孔1wがホルダ部材1の側部表面に延長する。孔1wには、ホルダ部材1の外部に露出するように例えばワンタッチカプラからなる油入出バルブ1vが取り付けられる。これにより、油入出バルブ1vから孔1w及びリング溝43を介して間隙5、後述の内緩衝室Z内に油の注入出が可能となり、内緩衝室Z内に非圧縮性の油を注入することで内緩衝室Zの容積が調節可能となっている。
また、保持筒1nの外周には、外シリンダ7の外周7aとで一定間隙のスペース8を形成するように最外シリンダ9の根元側内周が嵌着される。上記スペース8は、本願の外緩衝室Mを形成する。なお、1qはOリング、1zはねじ部である。この場合、外シリンダ7はシリンダ4より上方が僅かだけ延長しているが、最外シリンダ9はシリンダ4及び外シリンダ7よりも相当程度長く設定されている。
11は最外シリンダ9よりも大径の摺動筒であり、この摺動筒11は、最外シリンダ9の外周9aを囲むように車体側のキャップ部材12側からホルダ部材1方向に延長する。摺動筒11の内周には、最外シリンダ9との封止状態を維持しつつ摺動可能に互いを支持する軸受11a;11bが上部側及び下部側のそれぞれに設けられる。これによりホルダ部材1に取り付けられる車軸側チューブとしての最外シリンダ9、車体側に取り付けられる車体側チューブとしての摺動筒11とが互いに摺動自在に構成される。また、摺動筒11の先端側内周には、最外シリンダ9の外周9aとで気密を保持する封止部材10を有している。
上記摺動筒11の上端開口が上記キャップ部材12で封止されている。このキャップ部材12の上部側の筒状基部12aの外周側には、摺動筒11の上部内周に螺合するねじ部12b及び封止部材としてのOリング12cを有する。この基部12aの下部側は小径に絞られて、この小径筒12dの内周にロッド保持体12eの上部外周が螺合される。このロッド保持体12eの下部の内周にロッド2の上端外周がねじ部12yを介して螺着されて、ロッド2はキャップ部材12側からホルダ部材1方向に延長している。また、小径筒12dの下端と、ロッド保持体12eのフランジ12xとの間には、ハット状の保持体12fが取り付けられ、この保持体12fの外周に保持筒13の上端側内周が螺着される。これにより、保持筒13は、ロッド2と同軸を保ってキャップ部材12側からホルダ部材1方向に延長する。なお、保持筒13には、軽量化のための長孔13mが形成され、その下端は、ピストン3とほぼ同一位置まで延長するように寸法設定される。
また、キャップ部材12には、ロッド2の内周側空間(貫通孔2a)と連通し、後述の内緩衝室Zに空気を注入するためのバルブ12vと、後述の外緩衝室Mに空気を注入するためのバルブ12wが設けられて、内緩衝室Zの空気圧及び外緩衝室Mの空気圧が調整可能に構成される。
6はロッドガイドであり、これは筒状の上側基部6aの外周側より下方に突出する筒体6bを有する。このロッドガイド6は、筒体6bの外周が外シリンダ7の上端内周に螺着して外シリンダ7に取り付けられ、外周に設けられた封止部材により外シリンダ7との気密が保たれる。ロッドガイド6が外シリンダ7に取り付けられたときに、筒体6bの下端がシリンダ4の上端と当接してシリンダ4を上端側から支持をする。また、筒体6bの内周側には、ロッド2が貫通するリング状の仕切り片6cを内周中央に有するシール保持筒6dが装着される。このシール保持筒6dの内周側の仕切り片6cの上下のリング状溝にリング状のシール材6sがそれぞれ封止方向を逆向きにして嵌装される。これによりロッド2は、シール材6sにより気密を保った状態で上下方向に摺動自在になっている。このようにロッドガイド6が外シリンダ7及びロッド2と気密状態を維持するように取り付けられたことにより、外シリンダ7の内周とシリンダ4の外周とで形成される間隙5からなる空間と、ロッド2の貫通孔2aからなる空間と、ばね25が収容されるスペース2bからなる空間とにより1つの空気室を構成し、フロントフォーク本体Sの緩衝動作における内緩衝室Zとして形成される。
なお、シール保持筒6dの下部の開口端面には、下方のシール材6sを保持するシール止め片6eが設けられ。このシール止め片6eの下面側には、ピストン3の凸部3hの外周に形成されたばね座3mと対をなすばね座6fが設けられる。
ばね座6fとばね座3mとの間には、2つのばね25;25が上下に設けられる。上側のばね25と、下側のばね25との間にはリング状の台部6mが設けられ、これにより上下のばね25の内周を保持して上下のばね25の型崩れを防止する。
上記ばね座6fには上側のばね25の上端が取り付けられ、ばね座3mには下側のばね25の下端が取り付けられる。これにより、ピストン3がキャップ部材12方向(上方向)に移動するのに伴いばね25は次第に圧縮されてピストン3を下方に押し戻す方向に力を付勢するリバウンドスプリングとして機能する。ロッド2の所定位置の外周にはストッパ2gが位置される。このストッパ2gは、固定具2nの外周にねじ止めされた止め具2mの下面に保持される。上記ストッパ2gは、ロッド2が下方に摺動する場合に、ピストン3が一定位置まで移動したときにロッドガイド6の上端に当接してピストン3及びロッド2及び保持筒13の下方への移動を規制する働きを有する。
図2,図3において、保持筒13の下端側にリングピストン部材14が設けられる。上記リングピストン部材14は、上記外シリンダ7の外周7aと、最外シリンダ9の内周9bとの間のスペース8を上部空間16と下部空間17とに区画するリング体15を備える。上記リング体15は、保持筒13の先端側内周に螺合するねじ部15xを有し、このリング体15は、下端側が上記保持筒13の下端より突出し、この突出部分の外周にシール部材15eを備えている。これにより、保持筒13の上下動により、リング体15は、ピストン3と同じ位置関係を保って最外シリンダ9の内周に沿って上下に摺動する。
上記リングピストン部材14のリング体15には、上部空間16と下部空間17とを連通する空気流路40が設けられる。この空気流路40は、例えば、リング体15の内周に上部空間16から、下部空間17方向に延長する凹溝40aを形成して成る。
また、下部空間17には、下部空間17内の内周及び外周に密接されるリング状の摺動部材41が設けられる。この摺動部材41は、内、外周に設けたリング状の凹溝41a、41bに嵌合されるシール部材41cを有し、下部空間17を上下に区画するとともに下部空間17内を上下方向に移動可能に設けられたフリーピストンとして機能する。
摺動部材41は、筒体より成る規制手段42の先端に当接することにより、ロッドガイド6の下端までの寸法が距離Lとなるように規制される。上記規制手段42は、一端側がロッドガイド6に取り付けられ、他端側が上記リング体15を越えて摺動部材41まで外シリンダ7の外側を外シリンダ7の軸線に沿うようにホルダ部材1に向けて延長する筒体より成る。上記下部空間17の下部は、摺動部材41により、圧力室17Aとして区画される。この圧力室17Aにはホルダ部材1側に設けた空気バルブ1Aからの空気が保持筒1nの内周側の連通路1Nを介して送られて、内圧が所定の大きさに設定される。空気バルブ1Aは開閉栓を有し、図外の空気注入具より開閉栓を押圧して開栓しつつ空気を注入することで、空気を連通路1Nを介して圧力室17Aに送り、圧力室17Aの圧力を所定に設定できる。この圧力(空気バネ力)で摺動部材41は常に上方に押圧されている。この圧力室17A内の空気の圧力は、例えば、摺動部材41が規制手段42の先端に当接するように設定される。
以上の構成において、フロントフォーク本体S内には、ロッド2の貫通孔2aの内周で形成される空間、スペース2b及び間隙5により内緩衝室Zが形成され、ピストン3を収容するシリンダ4内部の空間31及び空気室1cにより緩衝室Bが形成され、外シリンダ7と最外シリンダ9との間のリング状のスペース8及び摺動筒11と外シリンダ7との間の空間により外緩衝室Mが形成される。さらに、外緩衝室Mは、摺動部材41の下側に区画された圧力室17Aと、圧力室上側室17Bとに形成される。
すなわち、フロントフォーク本体S内には、内緩衝室Z、緩衝室B、圧力室17A及び圧力室上側室17Bとの4室の空気ばね室が形成される。この4室のうち、緩衝室B、圧力室17A及び圧力室上側室17Bが主としてフロントフォーク本体Sの伸長方向に空気ばね力を作用させ、内緩衝室Zがフロントフォーク本体Sの圧縮方向に空気ばね力を作用させている。
このような構成におけるフロントフォーク本体Sの圧側行程及び伸側行程の動作は次のとおりである。
[圧側行程]
まず、車体,車軸間に取り付けられるフロントフォーク本体Sに圧縮方向の力が作用し相対的に、キャップ部材12側から下方向(ホルダ部材1方向)の押圧力が作用する場合について説明する。
この場合、車体側のキャップ部材12の下方向の移動によりロッド2、ピストン3が下方向(車軸方向)に移動し、同時に摺動筒11、保持筒13が下方向に移動する。これによりピストン3で空間31(緩衝室B)内の空気が圧縮され、ピストン3等の動きに反力が作用して制動が与えられる。
また、保持筒13もロッド2、ピストン3等と同方向に移動し、リングピストン部材14のリング体15が外緩衝室Mのスペース8内を降下する。このリング体15の下降により、下部空間17内の圧力室上側室17B内の空気をリング体15の空気流路40を通して上部空間16側に逃がしつつ圧縮する。さらに、リング体15が下降し、圧力室上側室17B内の空気が全て上部空間16に移動し、リング体15の下端が規制手段42の先端から突出すると、摺動部材41と接触して摺動部材41を下方に押圧する。
このリング体15の一定距離下降後の、リング体15の下端が摺動部材41の上面に突き当たる時が、圧力室17Aによる反力開始位置となり、リング体15の下降が継続され、リング体15は圧力室17Aの反力を受けつつ下降する。このように外緩衝室Mでは、圧側行程においてリング体15が摺動部材41に接触するまでの反力と、摺動部材41との接触後の上記反力開始位置からの新たな反力とを受けることにより、2段階の反力特性を得ることができる。
したがって、規制手段42の長さは、上述の距離Lの寸法、すなわち、リング体15が摺動部材41に接触するまでのリング体15の下端からの突き出し長さを調整することで、圧力室17Aを加圧する前の反力と、圧力室17Aを加圧した後の反力とが得られ、圧側行程での反力特性の設定が可能となる。なお、圧力室17Aから受ける反力は、圧力室17A内に注入される空気の注量により調整可能である。
また、内緩衝室Zの空気は、ピストン3の下降により緩衝室Bの空間31から受ける力が小さくなることで、膨張してピストン3の下降を促すように作用する。
よって、ピストン3及びリング体15がホルダ部材1方向に移動するフロントフォーク本体Sが圧縮される圧側行程において、緩衝室Bの圧縮力、リング体15が摺動部材41に衝接するまでの圧力室上側室17Bにおける空気の圧縮力と内緩衝室Zの空気の膨張力とが相まって、ロッド2等の下方向への動きに反力を与える緩衝性能と、緩衝室Bの圧縮力、リング体15が摺動部材41に衝接した後の圧力室17Aの空気による圧縮力と内緩衝室Zの空気の膨張力とが相まったロッド2等の下方向への動きに反力を与える緩衝性能との2段階の緩衝特性を得るように構成したことにより反力特性の調整が可能となる。
また、緩衝室Bでの緩衝性能を外緩衝室Mにも分担できるので、ピストン3の外周の封止部材にかかる力を軽減でき、耐久性を向上できる。
[伸側行程]
フロントフォーク本体Sに伸び方向の力が作用し、相対的にホルダ部材1に対し、キャップ部材12側が上方向に、すなわちキャップ部材12が相対的にホルダ部材1より離れる方向に移動するフロントフォーク本体Sが伸長する場合について説明する。
圧力室17Aが摺動部材41により圧縮されている状態からフロントフォーク本体Sが伸長する場合には、圧力室17Aの圧力により摺動部材41を介してリング体15が上方に押し上げられる。また、ロッド2及びピストン3は、緩衝室B内の圧力によって上方に移動する。一方で内緩衝室Zの空気は、ピストン3の上昇により圧縮されるため、ピストン3の上昇を妨げる反力を作用させる。
そして、さらなるリング体15の上昇により規制手段42の先端からリング体15がキャップ部材12側へ没入すると、規制手段42の先端に摺動部材41が当接し、ロッドガイド6の下端から距離Lの位置に上昇が規制される。
この摺動部材41が規制手段42により上昇が規制された状態からさらにリング体15が上昇する場合、外緩衝室Mの圧力室上側室17Bでは、上部空間16の圧力と下部空間17の圧力との圧力差が小さくなるように上部空間16の空気がリング体15の空気流路40を介して下部空間17側へ空気抜きがなされるため、リング体15には上部空間16から下部空間17へと流れる空気流路40の抵抗分だけ上昇に抵抗力が作用する。
また、リング体15とともに上昇するピストン3には、この上昇により内緩衝室Zの空気の圧力が高くなり、緩衝室Bの空気の圧力との差が徐々に小さくなるように、ピストン3の上昇に制動力が付与される。
このように伸側行程においてピストン3及びリング体15の上昇がバランス良く行われるため、伸側行程での応答性も向上させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、緩衝室Bに対して外緩衝室Mを設けたことにより、緩衝室Bに作用するピストン3からの圧力をリングピストン部材14によって外緩衝室M側に振り分けることができるので、緩衝室B側の受ける負担、例えばピストン3の外周側に設けられる封止部材、シールなどの耐久性の低下を防止できる。加えて、外緩衝室M内に規制手段42により動作の開始位置が規制された摺動部材41を変位可能に設けたことにより、圧側行程における反力特性を2段階で変化させることが可能となり、フロントフォーク本体Sを車両に取り付けたときの走行状態に応じた反力特性の調整が可能となる。
また、本実施形態では、緩衝室B内及び内緩衝室Z内は単なる空洞として説明したが、上述の油入出バルブ1u及び油入出バルブ1vを介して緩衝室B内及び内緩衝室Z内にそれぞれ作動油を適量注入することで、外緩衝室Mの圧力室上側室17B、緩衝室B及び内緩衝室Zのストローク時における圧縮比が調整可能となり、圧力室上側室17B、緩衝室B及び内緩衝室Zにより得られる反力の相互の影響を自在に変更して最適な反力特性を得ることができる。
また、外緩衝室Mの圧力室17A、外緩衝室Mの圧力室上側室17B、緩衝室B及び内緩衝室Zのそれぞれの空気圧を調整することにより、外緩衝室Mの圧力室17A、外緩衝室Mの圧力室上側室17B、緩衝室B及び内緩衝室Zによる空気ばね力も自在に設定可能となり、圧側行程のみならず伸側行程での応答特性を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、リング体15に形成される上部空間16と下部空間17とに連通する空気流路40を上部空間16から下部空間17方向に延長する凹溝40aとして説明したが、これに限定されず凹溝40aをリング体15の外周に形成しても、あるいはリング体15を貫通する貫通孔により形成してもよい。空気流路40としての凹溝40aをリング体15の外周に形成する場合には、後述の規制手段42の外周にリング体15の内周がシール部材を介して摺接するように構成すれば良い。また、空気流路40を貫通孔によって形成する場合には、リング体15の内周及び外周がそれぞれ後述の規制手段42の外周及び最外シリンダ9の内周とシール部材を介して摺接するように構成すれば良い。また、空気流路40は、凹溝や貫通孔に限定されず、リング体15がスペース8内を上下に移動するときに、所定の抵抗が得られるような環状の隙間を規制手段42の外周や最外シリンダ9の内周とで形成するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、外緩衝室M内に1つの圧力室17Aを形成するものとして説明したが、複数の圧力室17Aを上述の摺動部材41により下部空間17内に摺上述の摺動部材41を複数設けて、複数の圧力室を区画し、各圧力室間の空気圧を適当に調整することで、圧側行程における反力特性を細かく変更することも可能である。
なお、本実施形態は、減衰力を空気により得るタイプであるので、フロントフォーク本体Sを上下反転して用いることもできる。
1 ホルダ部材、2 ロッド、3 ピストン、4 シリンダ、7 外シリンダ、
9 最外シリンダ、11 摺動筒、12 キャップ部材、13 保持筒、
14 リングピストン部材、15 リング体、16 上部空間、17 下部空間、
18 絞り部材、40 空気流路、41 摺動部材、42 規制手段、B 緩衝室、
M 外緩衝室、S フロントフォーク本体。

Claims (4)

  1. 車輪側に設けられるホルダ部材と、
    上記ホルダ部材より突出するとともに緩衝室を形成する長手状の内シリンダと、
    上記内シリンダの上端に設けられたロッドガイドと、
    ロッドに取り付けられ、かつ上記内シリンダ内に収容されるピストンと、
    上記内シリンダの外周とで間隙を形成するように上記ホルダ部材より突出する外シリンダと、
    上記外シリンダの外周とで一定間隔のスペースよりなる外緩衝室を形成するようにホルダ部材より突出するとともに、上記内シリンダ及び外シリンダよりも長さの長い最外シリンダと、
    上記最外シリンダの外周を被うとともに車体側より上記ホルダ部材方向に突出し、かつ上記最外シリンダの外周に摺動する摺動筒と、
    上記摺動筒の一端開口を封止するとともに上記ロッドの一端を保持する車体側のキャップ部材と、
    上記キャップ部材より突出し、かつ上記最外シリンダの内周と外シリンダの外周との間に位置する保持筒と、
    上記保持筒の先端側で保持されたリングピストン部材とを備えたフロントフォークであって、
    上記リングピストン部材を上記外緩衝室の外周又は内周、又はその両方に気密を保って摺動するリング体より形成し、このリング体により上記外緩衝室を上部空間と下部空間とに区画し、上記上部空間と下部空間とに連通する空気流路を上記リング体に設けるとともに、上記下部空間の内周及び外周に密接されるリング状の摺動部材と、この摺動部材で加圧される加圧室を設け、上記摺動部材の上記ロッドガイドまでの距離を一定位置に規制する規制手段を設け、上記リング体により上記摺動部材を加圧室方向に押圧可能としたことを特徴とするフロントフォーク。
  2. 上記空気流路は、リング体の内周に形成され、かつ上記上部空間、下部空間方向に延長する凹溝より成ることを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 上記摺動部材は、この摺動部材の内外周に設けた凹溝に嵌合されるシール部材を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフロントフォーク。
  4. 上記規制手段は、一端側がロッドガイドに取り付けられ、他端側が上記リング体を越えて摺動部材方向に延長する所定長さの筒体より成る請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載のフロントフォーク。
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