JP6279957B2 - フロントフォーク - Google Patents
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Description
しかし、このばねを採用するものにあっては、ばね自体の固有振動によって、自励振動や高周波領域での振動吸収性能があまり良いとは言えず、またこのばねによる反力調整に際してばね自体を他の固有振動のものと取り替えなければならない手間を有している。
第1下部開口42は、ホルダ部材1の内周においてシリンダ4の下端よりも下側にリング状に形成されたリング溝42aの一部より延長する孔44を介して減衰力発生機構70の一端45側に接続され、第2下部開口43はリング溝43aから孔47を介して減衰力発生機構70の他端48側に接続される。
調整ボルト12bの筒体12cの上部外周には、調整ボルト12bの回転とともに回転する円筒状の筒体12sが取り付けられる。筒体12sの外周には、筒体12sの軸線方向に沿って延長する図示しない溝が形成される。また、筒体12sの外周には、前述の溝の延長方向に沿って移動可能に形成された凸部を内周側に有する円環状のリング体12tが設けられる。リング体12tの外周には、筒部12fの内周に形成されたねじ溝と螺合するねじ溝が形成されている。
また、この調整ボルト12bの筒体12cの下部外周の螺合部には、仕切り片12dを有する吊り筒体12eの上部内周が螺着される。吊り筒体12eの仕切り片12dより下部筒体12gの内周にロッド2の上端外周がねじ部12kを介して螺着される。吊り筒体12eの外周には、この吊り筒体12eの外周を軸線方向に沿って移動するリング状の鍔部12iを備える。この鍔部12iの下面側には、ハット状の保持体12jが設けられ、この保持体12jの外周に保持筒13の上端内周が螺着される。保持筒13はスペース8方向に延長し、その先端側にリングピストン部材14が設けられる。なお、13mは保持筒13に形成された軽量化及び空気の流通を図る長孔である。
これにより、調整ボルト12bを回転することで、リング体12tが筒部12f内周のねじに沿って回転し、上下方向に移動することにより、保持筒押圧体12p及び押圧体支持リング12qが上下動することで、鍔部12i及び保持体12jを介して保持筒13の上下位置が調整される。
リング体15は、基部15cを保持筒13の先端側15w内周のねじ部15xを介して螺入されて取り付けられ、基部15cより下端側が上記保持筒13の下端より突出し、その外周側に最外シリンダ9の内周9bに摺接する外シール15eを備えている。これにより保持筒13の上下動にともなって、リング体15はピストン3と同じ位置関係を保って最外シリンダ9の内周を上下に摺動する。
上記減衰力発生機構70は、圧側行程では一端45側からの作動油に減衰力を与えて他端48側から流出させ、伸側行程で他端48側からの作動油に減衰力を与えて一端45側より流出させることで圧側及び伸側行程におけるフロントフォーク本体Sの動作に減衰力を付与する。
また、伸側行程時では、他端48側からの作動油L2は、貫通孔70gから流入し、伸側減衰バルブ70hを押し開いて中間室70iに供給されるとともに大径孔80fに連通する孔93から中央孔80dの貫通孔80cを介して中間室70iに供給される。中間室70iの作動油は、貫通孔70mからチェック弁91aを押し開いて一端45方向に供給され、下部油室F2に導かれる。
[圧側行程]
車体側と車軸側に取り付けられたフロントフォーク本体Sが収縮する圧側行程では、キャップ部材12がホルダ部材1方向に移動することで、リング体15がホルダ部材1方向に移動し、リング体15の下端が規制手段49の下端から突出すると、摺動部材41がリング体15で下部方向に押圧されてホルダ部材1方向に移動し、下部空間17の摺動部材41の下方の圧力室17Aの空気が圧縮されて空気圧が高くなる。一方、圧力室17Aの空気圧は所定の圧力に設定されているので、摺動部材41の移動を阻止するように動作し、このようにしてキャップ部材12、ロッド2、ピストン3等のホルダ部材1方向への動きに反力が与えられる。したがって、下部空間17の圧力室17Aの空気圧を調整すれば、所望の減衰力の緩衝性能を得ることができる。
ロッド2、ピストン3、摺動部材41がキャップ部材12方向に移動しようとする力を小さく制限できるので、圧力室17Aの圧力を適宜設定することにより所望の緩衝性能を得ることができる。
また、摺動部材41は圧縮前では規制手段49の先端に当接して停止しており、圧側行程ではリング体15が下降して規制手段49の先端側でリング体15が摺動部材41を押圧し始めるので反力発生のタイミングを規制手段49の長さを調整することにより、リング体15が規制手段49の先端を下方に突き出る前と、下方に突き出た後とにおいて異なる反力が得られることになるため、反力調整が容易となる。
なお、減衰力発生機構70内の作動油は、フロントフォーク本体Sの動作状態における油温の変化に基づき、一部が温度補償機構130の油溜室132方向に流れることで、油温変化にともなう作動油の膨張分の容積変化が吸収され、作動油の温度補償がなされている。
フロントフォーク本体Sが伸長する伸側行程では、リング体15も上昇し、しかもロッド2の外周側空間Nの気圧が低くなり、摺動部材41も圧力室17Aの空気圧でリング体15に追随して上昇する。但し、摺動部材41は、規制手段49の先端に当接した時点で停止される。なお、この上昇に際し、空気流路40を介して空気抜きがなされるのでリング体の上昇がスムーズになされる。
9 最外シリンダ、11 摺動筒、12 キャップ部材、13 保持筒、
14 リングピストン部材、15 リング体、16 上部空間、17 下部空間、
17A 圧力室、40 空気流路、41 摺動部材、49 規制手段、
70 減衰力発生機構、130 温度補償機構、F シリンダ空間、
F1 第1油貯留室(上部油室)、F2 第2油貯留室(下部油室)、
J 連通孔、M 外緩衝室、R 油流路室、S フロントフォーク本体。
Claims (3)
- ピストン及びこのピストンを支持するロッドと、
上記ピストンが摺動自在に収容され、かつ上記ピストンで第1油貯留室と第2油貯留室とに区画された長手状のシリンダ空間と、
このシリンダ空間の外周に形成された油流路室と、
シリンダ上部に設けられ、かつ第1油貯留室と油流路室とを連通する連通孔と、
上記シリンダ空間と油流路室との下部を封止固定するホルダ部材と、
上記ロッドを支持するキャップ部材と、
上記第2油貯留室の第1下部開口と上記油流路室の第2下部開口に両側が接続された減衰力発生手段とを備え、
圧縮時に上記ピストンの押圧力で第1下部開口より押し出される作動油を上記減衰力発生手段を経由させ、減衰力を付与してから第2下部開口、油流路室から上記連通孔を介して第1油貯留室に循環させ、
伸長時に上記ピストンの引圧力で上記第1油貯留室内の作動油を上記連通孔を介して油流路室から第2下部開口より押し出される作動油を減衰力発生手段を経由させ、減衰力を付与してから上記第1下部開口より第2油貯留室に循環させ、
上記油流路室の外周側にリング状の外緩衝室を形成するとともに、この外緩衝室の内外周を摺動する筒状のリング体よりなるリングピストン部材を設け、かつ、上記キャップ部材側より上記外緩衝室方向に延長するとともに先端側で、上記リング体を保持する保持筒を設けるように構成したフロントフォークであって、
上記リング体により区画された上部空間と下部空間とを連通する空気流路を上記リング体に設けるとともに、上記下部空間内の内周及び外周に密接されるリング状の摺動部材を設け上記リング体により摺動部材を下部空間の底部方向に押圧可能としたことを特徴とするフロントフォーク。 - 上記空気流路は上記リング体の内周に形成され、かつ、上部空間から下部空間方向に延長する凹溝よりなることを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
- 上記摺動部材は内外周に設けた凹溝に嵌合されるシール材を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフロントフォーク。
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