JP6278181B2 - 車両用サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
車両用のサイドエアバッグ装置の多くは、特許文献1,2にも開示されているようにシートを構成するシートバックのドア側の側部に、インフレータとサイドエアバッグを収納したケースを収めた構造が用いられる。これにより、側面衝突が生ずると、折り畳んだサイドエアバッグが、インフレータから発生するガスにより膨張して、ケースに形成されたリッド部を押し拡げながらシート前方へ導出するようにしている。つまり、サイドエアバッグは、展開しながら、乗員とドア内面(車室内の側部)との間へ向かう。これにより、サイドエアバッグは、乗員の側部で展開され、乗員を衝撃から保護する。
このためには、サイドエアバッグは、側面衝突が発生した際に乗員の側部に、適切に展開されることが望ましい。
ところが、従来のサイドエアバッグ装置のリッド部は、サイドエアバッグ展開方向に課題があった。
好ましくは、シート部材は、一端部が固定部材によりケースの外壁部に固定されるとともに、固定部材の車両前方で後方に向かい折り返され、他端部がケースの後壁部に固定されることで、固定部材を覆うようにケースに取り付けられるものとした(請求項2)。
好ましくは、ケースは、該ケースの車幅方向内側面を形成する内壁部を有し、規制部は、内壁部と前壁部とを掛け渡すように内壁部及び前壁部に連結され、前壁部が押し開かれるにしたがい緊張状態となるとともに、当該緊張状態がサイドエアバッグの展開のガイドをなすシート状部材を有するものとした(請求項4)。
図1は、本発明を適用した車両(例えば自動車)の一部を示している。
図1において、1は、内部に車室内1aを有する車体、3は同車体1の車幅方向側部に設けたフロント側(ここでは運転席側)の乗降口である。フロント側の乗降口3は、フロントピラー5、サイドルーフレール(図示しない)、センタピラー(図示しない)、サイドシル7などで囲まれる開口で形成される。乗降口3にはフロントドア9が設けられる。これら各部分から車室内1aの側部(車幅方向)を構成している。
このフロントシート11のシートバック11bのドア側の側部には、サイドエアバッグ装置15が内蔵されている。サイドエアバッグ装置15は、図2に示されるように例えば上下方向に延びる細長のケース17内に、折り畳んだサイドエアバッグ25、同サイドエアバッグ25を発生ガスにより展開させるインフレータ26などを収めて構成される。
つまり、サイドエアバッグ装置15は、インフレータ26の作動で、折り畳んだサイドエアバッグ25が膨張すると、同サイドエアバッグ25が、リッド部35を構成する外壁部19eと前壁部19f間を外側へ押し拡げながら、フロントシート11の前方へ展開する(図5、図6)。なお、サイドエアバッグ25には、例えばフロントシート11に着座した乗員αの肩部や胸部とフロントドア9の内面(車室内1aの側部に相当)との間で展開する上側チャンバ部25aと、乗員αの腰部とフロントドア9の内面(車室内1aの側部に相当)との間で展開する下側チャンバ部25bとを有した折畳み式バッグが用いられる(図1)。
ここでは、規制部40は、容易に実現されるよう、外側へ押し開かれる外壁部19eと、前壁部19fの変位を所定以下に抑える構造が用いられている。具体的には規制部40は、図3および図4に示されるように例えば外壁部19eの内面の上下部と、他の壁部である、ヒンジ部(薄肉部27)を挟んで隣接した後壁部19dの内面の上下部との間を、例えば紐部材やワイヤー部材などの可撓性の索状部材42でインフレータ26及びサイドエアバッグ25よりも上下方向で上方及び下方の位置でそれぞれ連結して、同間に索状部材42を掛け渡す構造と、例えば前壁部19fの内面の上下部と、他の壁部である、ヒンジ部(薄肉部29)を挟んで隣接した内壁部19aの内面の上下部との間を、例えば紐部材やワイヤー部材などの可撓性の索状部材43でインフレータ26及びサイドエアバッグ25よりも上下方向で上方及び下方の位置でそれぞれ連結して、同間に索状部材43を掛け渡す構造が用いられている。44は、各索状部材42、43端を各壁部の内面に固定する固定部材(ねじなど)を示している。
この側面衝突により、フロントドア9などは、加わる衝撃力Fにより変形を生じ、車室内1aへ侵入する。
このとき、サイドエアバッグ装置15のインフレータ26は、側面衝突の発生に伴い作動する(衝突センサでの検出による)と、折り畳んであるサイドエアバッグ25が、発生ガスにより膨張される。これにより、サイドエアバッグ25(上側チャンバ部25a,下側チャンバ部25b)は、リッド部35を構成する外壁部19eと前壁部19f間を、外側に押し拡げながら、フロントシート11の前方へ展開し始める。
また、車室内1aへ侵入するフロントドア9(車体側部)の侵入量が少ないとき、例えば図6に示されるようにフロントドア9が、外壁部19eの届かない手前の地点までしか侵入しない場合(フロントシート11とフロントドア9の内面との隙間が大)であるとする。
ここで、リッド部35には、開き具合を規制する規制部40、ここでは、サイドエアバッグ25を挟んで互いに対向する位置に索状部材42,43が設けられている。このため、リッド部35が、図3(b)および図4(b)に示されるように索状部材42,43が緊張するまで押し開かれると、リッド部35はそれ以上開かなくなり、シート側方へ向かう展開は規制される。
それ故、側面衝突が発生した際、より適切にサイドエアバッグ25を展開することができる。
図7および図8は、本発明の一実施形態を示す。
本実施形態は、規制部40をシート状部材51、52で構成したものである。
なお、上述した実施形態における各構成およびそれの組合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。
9 フロントドア(車室内の側部)
11 フロントシート(シート)
11b シートバック
15 サイドエアバッグ装置
17 ケース
25 サイドエアバッグ
26 インフレータ
35 リッド部
40 規制部
Claims (5)
- シートを構成するシートバックの側部に設けられ、サイドエアバッグおよび同サイドエアバッグにガスを供給するインフレータを収容するケースと、
前記ケースに設けられ、展開する前記サイドエアバッグに押し拡げられて開口するリッド部と、
前記リッド部に設けられ、当該リッド部の開口量を規制する規制部と、を備え、
前記ケースは、該ケースの前面を形成する前壁部と、前記前壁部と隣接し前記ケースの車幅方向外側面を形成する外壁部と、前記外壁部の後端部と隣接し前記ケースの後面を形成する後壁部と、を含む複数の壁部からなり、
前記リッド部は、前記外壁部が前記サイドエアバッグの展開で外側へ押され、前記前壁部と前記外壁部の間隔が広がることにより開口し、
前記規制部は、前記外壁部と前記後壁部とを掛け渡すように前記外壁部及び前記後壁部に連結されることで、前記外壁部が押し開かれるにしたがい緊張状態となり、当該緊張状態で前記外壁部の変位を規制するとともに前記サイドエアバッグの展開のガイドをなすシート状部材を有する
ことを特徴とする車両用サイドエアバッグ装置。 - 前記シート部材は、一端部が固定部材により前記ケースの外壁部に固定されるとともに、前記固定部材の車両前方で後方に向かい折り返され、他端部が前記ケースの後壁部に固定されることで、前記固定部材を覆うように前記ケースに取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用サイドエアバッグ装置。 - 前記リッド部は、前壁部が前記サイドエアバッグの展開で前方に押されることにより、前記前壁部と前記外壁部の間隔が拡大されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
- 前記ケースは、該ケースの車幅方向内側面を形成する内壁部を有し、
前記規制部は、前記内壁部と前記前壁部とを掛け渡すように前記内壁部及び前記前壁部に連結され、前記前壁部が押し開かれるにしたがい緊張状態となるとともに、当該緊張状態が前記サイドエアバッグの展開のガイドをなすシート状部材を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置。 - 前記シート状部材は、常態時は前記壁部に沿って畳まれた状態で収容されることを特徴
とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
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