JP6276116B2 - 熱可塑性樹脂組成物、およびそれを用いた車両用ランプハウジング - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、およびそれを用いた車両用ランプハウジングに関する。
テールランプ、ストップランプ等の自動車用ランプは、ポリメチルメタクリレート(PMMA樹脂)やポリカーボネート(PC樹脂)等のレンズと、該レンズを支持するランプハウジングと、該ランプハウジングに収納されたランプとから概略構成されている。ランプハウジングには、軽量で生産性が高い等の理由から、ゴム強化スチレン系樹脂が選択されることが多い。
代表的なゴム強化スチレン系樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が知られている。
しかし、ABS樹脂はゴム成分として共役ジエン系ゴムであるポリブタジエンを使用しており、これが紫外線により分解されやすいことから、ABS樹脂より得られる成形品は耐候性に劣るという欠点があった。
そこで、ABS樹脂の耐候性を改良した樹脂として、アクリル酸エステル系ゴムをゴム成分とするアクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(ASA樹脂)が知られている。しかし、ASA樹脂より得られる成形品は、ABS樹脂より得られる成形品に比べ、耐衝撃性や発色性に劣る傾向にあった。
通常、自動車用のランプハウジングは、その機能性や意匠性を高めるために、熱可塑性樹脂の成形品の表面に塗装、メッキ、金属蒸着等の二次加工を施して製造されることが多い。近年、低コストや生産性の観点から、二次加工としては成形品表面に直接金属蒸着を施す、いわゆる「ダイレクト(直接)蒸着法」が一般的に用いられている。このダイレクト蒸着法により得られる成形品の外観は、蒸着前の成形品表面の平滑性によって変動しやすく、美麗な光輝外観を安定して得るためには、成形品表面の平滑性を高レベルで制御することが重要な課題の一つであった。
また、上述した成形品表面の平滑性に対する要求に加え、近年では自動車用のランプハウジング製品の形状の複雑化、薄肉化、計量化や、成形サイクルの短縮等の理由から、ランプハウジングとして必要な耐衝撃性、耐熱性を保持しつつ、成形加工時の溶融流動性の高い熱可塑性樹脂組成物が求められている。
特許文献1には、耐衝撃性、耐薬品性、成形加工性、成形外観性に優れた樹脂として、ジエン系グラフト共重合体と、アクリルゴム系グラフト共重合体と、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)とを含む熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、耐衝撃性、耐熱性、成形外観性、および振動溶着性に優れた熱可塑性樹脂組成物として、アクリルゴム系グラフト共重合体と、アクリルゴムおよびポリオルガノシロキサンゴムで構成された複合ゴムからなるグラフト共重合体と、マレイミド系共重合体とを含む熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
特開平6−256619号公報 特開2012−25941号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱可塑性樹脂組成物より得られる成形品は、耐衝撃性の改良効果は得られるものの、近年のランプハウジングに要求される高いレベルの成形加工性、耐熱性、表面平滑性、耐候性の全てを満足するものではなかった。
特許文献2に記載の熱可塑性樹脂組成物より得られる成形品も、表面平滑性、耐衝撃性、耐熱性、耐候性は良好なものが得られるが、近年のランプハウジングに要求される高いレベルの成形加工性を満足するものではなかった。
本発明は、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、耐候性、発色性のバランスが良好な成形品を得ることができ、かつ成形加工性に優れる熱可塑性樹脂組成物、およびそれを用いた車両用ランプハウジングを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定構造を有する2種類のグラフト共重合体、および特定構造を有する2種類の共重合体の合計4種類の共重合体を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 下記グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)を含む熱可塑性樹脂組成物であって、グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の質量比率((A):(B))が50:50〜80:20であり、熱可塑性樹脂組成物中に含まれる、グラフト共重合体(A)およびグラフト共重合体(B)由来のゴム含有量の合計が10〜30質量%であり、共役ジエン系ゴム由来の構造単位が2質量%未満であり、かつ、共重合体(C)を10〜30質量部(ただし、グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)の合計を100質量部とする。)含む、熱可塑性樹脂組成物。
グラフト共重合体(A):ポリオルガノシロキサン0〜20質量%と、アルキル(メタ)アクリレート単量体80〜100質量%(ただし、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート単量体の合計を100質量%とする。)とを重合して得られる、体積平均粒子径が70〜200nmであるアクリル系ゴム質重合体(rs)に、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分をグラフト重合して得られるアクリルゴム系グラフト共重合体。
グラフト共重合体(B):共役ジエン系ゴム質重合体0〜30質量%と、アルキル(メタ)アクリレート単量体70〜100質量%(ただし、共役ジエン系ゴム質重合体とアルキル(メタ)アクリレート単量体の合計を100質量%とする。)とを重合して得られる、体積平均粒子径が300〜600nmであるアクリル系ゴム質重合体(rl)に、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分をグラフト重合して得られるアクリルゴム系グラフト共重合体。
共重合体(C):共重合体(C)を構成する全単量体単位100質量%中、マレイミド系単量体単位を10〜65質量%含み、かつ25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度が0.4〜0.7dl/gである共重合体。
共重合体(D):芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分(ただし、マレイミド系単量体を含まない。)を重合して得られ、25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度が0.4〜0.7dl/gである共重合体。
[2] [1]に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる、車両用ランプハウジング。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、耐候性、発色性のバランスが良好な成形品を得ることができ、かつ成形加工性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「成形品」とは、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られるものである。
「熱可塑性樹脂組成物」
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以下に示すグラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)を含む。
<グラフト共重合体(A)>
グラフト共重合体(A)は、体積平均粒子径が70〜200nmであるアクリル系ゴム質重合体(rs)に、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分(f1)(以下、「(f1)成分」ともいう。)をグラフト重合して得られるアクリルゴム系グラフト共重合体である。
(アクリル系ゴム質重合体(rs))
アクリル系ゴム質重合体(rs)は、アルキル(メタ)アクリレート単量体(e1)(以下、「単量体(e1)」ともいう。)を重合して、またはポリオルガノシロキサン(s)(以下、「(s)成分」ともいう。)と単量体(e1)とを重合して得られる。単量体(e1)を重合して得られるアクリル系ゴム質重合体(rs)は、単量体(e1)が重合したポリアルキル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸エステル系ゴムである。一方、(s)成分と単量体(e1)とを重合して得られるアクリル系ゴム質重合体(rs)は、ポリアルキル(メタ)アクリレートと(s)成分とが複合した複合ゴムである。
単量体(e1)の重合、および(s)成分と単量体(e1)との重合は、架橋剤およびグラフト交叉剤の少なくとも一方(以下、これらを総称して「(e2)成分」ともいう。)の存在下で行うことが好ましい。(e2)成分の存在下で重合を行えば、成形品の発色性がより向上する。
なお、(e2)成分の存在下で単量体(e1)の重合を行う場合、単量体(e1)に由来する単位と、架橋剤に由来する単位およびグラフト交叉剤に由来する単位の少なくとも一方とを有するポリアルキル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸エステル系ゴムが得られる。また、(e2)成分の存在下で(s)成分と単量体(e1)との重合を行う場合、単量体(e1)に由来する単位と、架橋剤に由来する単位およびグラフト交叉剤に由来する単位の少なくとも一方とを有するポリアルキル(メタ)アクリレートと、(s)成分とが複合した複合ゴムが得られる。
単量体(e1)としては、重合性不飽和基を1つ含むアルキル(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート;ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、n−ブチルアクリレートが好ましい。
これら単量体(e1)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤は、重合性不飽和基を2つ以上含むアルキル(メタ)アクリレートであり、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
グラフト交叉剤は、重合性不飽和基を2つ以上含むアルキル(メタ)アクリレートであり、具体的には、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどが挙げられる。
これら架橋剤およびグラフト交叉剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(s)成分としては、ビニル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサンが好ましく、ビニル重合性官能基含有シロキサン単位と、ジメチルシロキサン単位とを有するポリオルガノシロキサンがより好ましく、その中でも、3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポリジメチルシロキサン中の全ケイ素原子に対し1モル%以下からなるポリオルガノシロキサンが特に好ましい。ビニル重合性官能基含有シロキサン単位の割合は0.3〜3モル%が好ましく、ジメチルシロキサン単位の割合は97〜99.7モル%(ただし、ビニル重合性官能基含有シロキサン単位とジメチルシロキサン単位の合計を100モル%とする。)が好ましい。
ビニル重合性官能基としては、ポリアルキル(メタ)アクリレートと交叉結合可能なものであれば特に限定されるものではないが、ポリアルキル(メタ)アクリレートとの反応性を考慮すると、メタクリル基、ビニル基、芳香族アルケニル基、メルカプト基、アゾ基などが好ましく、さらに好ましくはメタクリル基である。
(s)成分は、例えばビニル重合性官能基含有シロキサンと、ジメチルシロキサンと、必要に応じてシロキサン系架橋剤とを含むシロキサン混合物を重合することで得られる。重合の方法としては特に制限されないが、乳化重合により製造することが好ましい。具体的には、乳化剤と酸触媒を用い、水中でシロキサン混合物をホモミキサーまたは超音波混合機などを用いて混合してエマルジョン化し、縮合させることによって製造することが好ましい。
ビニル重合性官能基含有シロキサンは、ビニル重合性官能基を含有し、かつジメチルシロキサンとシロキサン結合を介して結合しうるものである。ジメチルシロキサンとの反応性を考慮すると、ビニル重合性官能基含有シロキサンとしてはビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシラン化合物が好ましい。具体的には、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシロキサン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン;γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンなどが挙げられる。これらビニル重合性官能基含有シロキサンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シロキサン混合物中のビニル重合性官能基含有シロキサンの含有量は、ジメチルシロキサンとの合計を100質量%としたときに、0.3〜3質量%が好ましい。
ジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のジメチルシロキサン系環状体が好ましい。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらジメチルシロキサンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シロキサン混合物中のジメチルシロキサンの含有量は、ビニル重合性官能基含有シロキサンとの合計を100質量%としたときに、97〜99.7質量%が好ましい。
シロキサン系架橋剤としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤が挙げられる。具体的には、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらシロキサン系架橋剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シロキサン混合物中のシロキサン系架橋剤の含有量は、ビニル重合性官能基含有シロキサンとジメチルシロキサンの合計100質量部に対して、0〜3質量部が好ましい。
乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等のアニオン系活性剤が挙げられ、具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムオクチルサルフェート、ナトリウムラウリルサルフェートなどが挙げられる。これら乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化剤の配合量は、エマルジョンの安定性および成形品の着色を抑制する点で、ビニル重合性官能基含有シロキサンとジメチルシロキサンの合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
酸触媒としては、スルホン酸類(例えば脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸など)等の有機酸触媒;鉱酸類(例えば硫酸、塩酸、硝酸など)等の無機酸触媒などが挙げられる。これら酸触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、後述するシロキサンラテックスの安定化作用にも優れている点で脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましい。脂肪族置換ベンゼンスルホン酸における脂肪族置換基としては炭素数9〜20のアルキル基が好ましく、特に炭素数12のn−ドデシルベンゼンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒の混合は、シロキサン混合物と乳化剤と水とを混合するタイミングで行ってもよいし、シロキサン混合物を乳化剤と水によって乳化させたラテックス(シロキサンラテックス)とし、これを微粒子化した後でもよい。(s)成分の粒子径の制御のしやすさを考慮すると、シロキサンラテックスを微粒子化した後に、該微粒子化したシロキサンラテックスと酸触媒とを混合することが好ましい。特に、微粒子化したシロキサンラテックスを酸触媒水溶液中に一定速度で滴下することが好ましい。
なお、酸触媒をシロキサン混合物と乳化剤と水とを混合するタイミングで混合する場合は、これらを混合した後に微粒子化することが好ましい。
(s)成分の体積平均粒子径は、成形品の耐衝撃性、表面平滑性および発色性を向上させる観点から30〜100nmが好ましく、30〜60nmがより好ましい。
(s)成分の体積平均粒子径は、シロキサン混合物の組成、酸触媒の使用量(酸触媒水溶液中の酸触媒の含有量)、重合温度などを調整することで制御できる。
ここで、(s)成分の体積平均粒子径は、レーザ回折・光散乱法により測定される体積基準の平均粒子径である。
(アクリル系ゴム質重合体(rs)の製造方法)
アクリル系ゴム質重合体(rs)は、例えば単量体(e1)に、通常のラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させてラジカル重合することによって得られる。(e2)成分の存在下でラジカル重合を行う場合は、単量体(e1)と(e2)成分とを混合し、ラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させて重合すればよい。
また、(s)成分と単量体(e1)とを重合させてアクリル系ゴム質重合体(rs)を製造する場合、アクリル系ゴム質重合体(rs)は、例えば(s)成分のラテックスに単量体(e1)を添加し、通常のラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させてラジカル重合することによって得られる。(e2)成分の存在下でラジカル重合を行う場合は、(s)成分のラテックスに単量体(e1)と(e2)成分とを添加し、ラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させて重合すればよい。
単量体(e1)や(e2)成分の添加方法としては、(s)成分のラテックスに単量体(e1)や(e2)成分を一括で添加する方法、(s)成分のラテックスに単量体(e1)や(e2)成分を一定速度で滴下する方法などが挙げられる。成形品の耐衝撃性を考慮すると、(s)成分のラテックスに単量体(e1)や(e2)成分を一括で添加する方法が好ましい。
なお、(e2)成分の存在下でラジカル重合を行う場合、単量体(e1)と(e2)成分は個別に添加してもよいし、これらを予め混合して混合物とした後に、該混合物を(s)成分のラテックスに一括または一定速度で添加してもよい。
ラジカル重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などが挙げられる。これらの中では、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄とピロリン酸ナトリウムとブドウ糖とハイドロパーオキサイドとを組み合わせたレドックス系開始剤や、硫酸第一鉄とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩とロンガリットとハイドロパーオキサイドとを組み合わせたレドックス系開始剤が好ましい。
ラジカル重合に用いる乳化剤としては特に制限されないが、重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高められることから、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩;アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のアニオン系乳化剤などが好ましく、これらは目的に応じて使い分けられる。
乳化剤の使用量は、(s)成分の製造に用いる乳化剤との合計が、(s)成分と単量体(e1)との合計100質量部に対して、0.2〜10質量部となる量が、粒子径制御および成形品の耐衝撃性、表面平滑性、発色性の観点から好ましい。
(s)成分の使用量は0〜20質量%であり、単量体(e1)の使用量は80〜100質量%(ただし、(s)成分と単量体(e1)の合計を100質量%とする。)である。(s)成分の使用量が20質量%を超え、単量体(e1)の使用量が80質量%未満になると、成形品の表面平滑性および発色性が低下する。
成形品の表面平滑性および発色性を考慮すると、(s)成分の使用量は0〜15質量%が好ましく、単量体(e1)の使用量は85〜100質量%が好ましい。
また、(e2)成分の存在下で重合を行う場合、(e2)成分の使用量は、単量体(e1)100質量部に対して、0.1〜4質量部が好ましく、0.4〜3質量部がより好ましい。
アクリル系ゴム質重合体(rs)の体積平均粒子径は、70〜200nmである。体積平均粒子径が70nm未満であると、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が低下し、成形品の耐衝撃性、表面平滑性が低下する。一方、体積平均粒子径が200nmを超えると、成形品の表面平滑性、発色性が低下する。熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性、発色性のバランスを考慮すると、体積平均粒子径は90〜160nmが好ましい。
ここで、アクリル系ゴム質重合体(rs)の体積平均粒子径は、レーザ回折・光散乱法により測定される体積基準の平均粒子径である。
(グラフト共重合体(A)の製造方法)
グラフト共重合体(A)は、上述のアクリル系ゴム質重合体(rs)に(f1)成分をグラフト重合して得られる。
(f1)成分は、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分である。
芳香族ビニル系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、マレオニトリル、フマロニトリルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリルが好ましい。
これら芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(f1)成分は、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の少なくとも一方と共重合可能な他のビニル系単量体を含んでいてもよい。
他のビニル系単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体などが挙げられ、これら他のビニル系単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレート単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、(ジ)ブロモフェニル(メタ)アクリレート、クロルフェニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
マレイミド系単量体としては、例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
アミド系単量体としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
グラフト重合は、アクリル系ゴム質重合体(rs)のラテックスに(f1)成分を加え、通常のラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させて一段であるいは多段で行うことができる。
アクリル系ゴム質重合体(rs)の使用量は10〜70質量%であることが好ましく、(f1)成分の使用量は30〜90質量%(ただし、アクリル系ゴム質重合体(rs)と(f1)成分との合計を100質量%とする。)であることが好ましい。アクリル系ゴム質重合体(rs)と(f1)成分の使用量が上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性がより向上する。
熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性のバランスを考慮すると、アクリル系ゴム質重合体(rs)の使用量は30〜60質量%がより好ましく、(f1)成分の使用量は40〜70質量%がより好ましい。
また、グラフト重合に使用される(f1)成分の組成比率は特に制限されないが、成形品の物性バランスの観点から、芳香族ビニル系単量体の割合が5〜95質量%であり、シアン化ビニル系単量体の割合が0〜50質量%であり、他のビニル系単量体の割合が0〜95質量%(ただし、各単量体の合計を100質量%とする。)であることが好ましい。
グラフト重合に用いるラジカル重合開始剤および乳化剤としては、アクリル系ゴム質重合体(rs)の製造方法の説明において先に例示したラジカル重合開始剤および乳化剤などが挙げられる。
なお、グラフト共重合体(A)の製造においては、アクリル系ゴム質重合体(rs)の製造に用いた乳化剤をそのまま利用することができ、グラフト重合時に乳化剤を改めて添加しなくてもよい。
また、グラフト重合を行う際には、得られるグラフト共重合体(A)の分子量やグラフト率を制御するため、各種公知の連鎖移動剤(例えばメルカプタン系化合物、テルペン系化合物、α−メチルスチレン二量体等)を添加してもよい。
重合条件は特に限定されない。
グラフト共重合体(A)は、通常、ラテックスの状態で得られる。グラフト共重合体(A)のラテックスからグラフト共重合体(A)を回収する方法としては、凝固剤を溶解させた熱水中にラテックスを投入して、スラリー状態に凝析することによって回収する方法(湿式法);加熱雰囲気中にラテックスを噴霧することによって、半直接的にグラフト共重合体を回収する方法(スプレードライ法)などが挙げられる。
凝固剤としては、例えば硫酸、塩酸、リン酸および硝酸等の無機酸;塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩などが挙げられる。
グラフト共重合体(A)のグラフト率は、30〜100質量%が好ましい。グラフト共重合体(A)のグラフト率が上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性がより向上する。
熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性のバランスを考慮すると、グラフト共重合体(A)のグラフト率は40〜100質量%がより好ましい。
ここで、グラフト共重合体(A)の「グラフト率」とは、アクリル系ゴム質重合体(rs)に対し、ゴムに直接グラフト結合している(f1)成分の割合のことである。
グラフト共重合体(A)のグラフト率は、以下のようにして測定できる。
グラフト共重合体1gを80mLのアセトンに添加し、65〜70℃にて3時間加熱還流し、得られた懸濁アセトン溶液を遠心分離機にて14,000rpm、30分間遠心分離して、沈殿成分(アセトン不溶成分)とアセトン溶液(アセトン可溶成分)を分取する。そして、沈殿成分(アセトン不溶成分)を乾燥させてその質量(Y(g))を測定し、下記式(1)によりグラフト率を算出する。なお、式(1)におけるYは、グラフト共重合体のアセトン不溶成分の質量(g)、XはYを求める際に使用したグラフト共重合体の全質量(g)、ゴム分率はグラフト共重合体のアクリル系ゴム質重合体の固形分換算での含有割合である。
グラフト率(質量%)={(Y−X×ゴム分率)/X×ゴム分率}×100 ・・・(1)
<グラフト共重合体(B)>
グラフト共重合体(B)は、体積平均粒子径が300〜600nmであるアクリル系ゴム質重合体(rl)に、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分(f2)(以下、「(f2)成分」ともいう。)をグラフト重合して得られるアクリルゴム系グラフト共重合体である。
(アクリル系ゴム質重合体(rl))
アクリル系ゴム質重合体(rl)は、アルキル(メタ)アクリレート単量体(e3)(以下、「単量体(e3)」ともいう。)を重合して、または共役ジエン系ゴム質重合体(g)(以下、「(g)成分」ともいう。)と単量体(e3)とを重合して得られる。単量体(e3)を重合して得られるアクリル系ゴム質重合体(rl)は、単量体(e3)が重合したポリアルキル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸エステル系ゴムである。一方、(g)成分と単量体(e3)とを重合して得られるアクリル系ゴム質重合体(rl)は、ポリアルキル(メタ)アクリレートと(g)成分とが複合した複合ゴムである。
単量体(e3)の重合、および(g)成分と単量体(e3)との重合は、上述した(e2)成分の存在下で行うことが好ましい。(e2)成分の存在下で重合を行えば、成形品の発色性がより向上する。
なお、(e2)成分の存在下で単量体(e3)の重合を行う場合、単量体(e3)に由来する単位と、架橋剤に由来する単位およびグラフト交叉剤に由来する単位の少なくとも一方とを有するポリアルキル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸エステル系ゴムが得られる。また、(e2)成分の存在下で(g)成分と単量体(e3)との重合を行う場合、単量体(e3)に由来する単位と、架橋剤に由来する単位およびグラフト交叉剤に由来する単位の少なくとも一方とを有するポリアルキル(メタ)アクリレートと、(g)成分とが複合した複合ゴムが得られる。
単量体(e3)としては、グラフト共重合体(A)の説明において先に例示した単量体(e1)が挙げられる。
(g)成分としては、ポリブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メチルメタクリレートーブタジエンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、ポリブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴムが好ましい。
(g)成分は、乳化剤を用いた公知の乳化重合法により得られる。
(g)成分の体積平均粒子径は、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性、発色性を向上させる観点から200〜500nmが好ましく、200〜450nmがより好ましい。
体積平均粒子径が上記範囲内である(g)成分は、何段かのシード重合により長時間を要して得たものでもよいが、30〜100nm程度の比較的小粒子径の共役ジエン系ゴムラテックスを予め製造し、肥大化操作によって目的の大きさに肥大化させたゴムラテックスを使用することが好ましい。肥大化操作の方法としては特に制限されないが、酢酸等の酸性水溶液を添加することによる方法、酸基含有共重合体ラテックスを添加することによる方法などが挙げられる。
ここで、(g)成分の体積平均粒子径は、レーザ回折・光散乱法により測定される体積基準の平均粒子径である。
(アクリル系ゴム質重合体(rl)の製造方法)
アクリル系ゴム質重合体(rl)は、例えば単量体(e3)に、通常のラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させてラジカル重合することによって得られる。(e2)成分の存在下でラジカル重合を行う場合は、単量体(e3)と(e2)成分とを混合し、ラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させて重合すればよい。
また、(g)成分と単量体(e3)とを重合させてアクリル系ゴム質重合体(rl)を製造する場合、アクリル系ゴム質重合体(rl)は、例えば(g)成分のラテックスに単量体(e3)を添加し、通常のラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させてラジカル重合することによって得られる。(e2)成分の存在下でラジカル重合を行う場合は、(g)成分のラテックスに単量体(e3)と(e2)成分とを添加し、ラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させて重合すればよい。
単量体(e3)や(e2)成分の添加方法としては、アクリル系ゴム質重合体(rs)の製造方法において先に例示した方法が挙げられる。成形品の耐衝撃性、耐候性を考慮すると、(g)成分のラテックスに単量体(e3)や(e2)成分を一括で添加する方法が好ましい。
なお、(e2)成分の存在下でラジカル重合を行う場合も、アクリル系ゴム質重合体(rs)と同様の方法が使用できる。
ラジカル重合に用いるラジカル重合開始剤としては、アクリル系ゴム質重合体(rs)の製造方法において先に例示したラジカル重合開始剤を使用できる。特に硫酸第一鉄とピロリン酸ナトリウムとブドウ糖とハイドロパーオキサイドとを組み合わせたレドックス系開始剤や、硫酸第一鉄とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩とロンガリットとハイドロパーオキサイドとを組み合わせたレドックス系開始剤が好ましい。
ラジカル重合に用いる乳化剤としては、アクリル系ゴム質重合体(rs)の製造方法において先に例示した乳化剤を使用できる。重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高められることから、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩;アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のアニオン系乳化剤などが好ましく、これらは目的に応じて使い分けられる。
乳化剤の使用量は、(g)成分のラテックスの製造に用いる乳化剤との合計が、(g)成分と単量体(e3)との合計100質量部に対して、0.2〜10質量部となる量が、粒子径制御および成形品の耐衝撃性、耐候性、表面平滑性、発色性の観点から好ましい。
(g)成分の使用量は0〜30質量%であり、単量体(e3)の使用量は70〜100質量%(ただし、(g)成分と単量体(e3)の合計を100質量%とする。)である。(g)成分の使用量が30質量%を超え、単量体(e3)の使用量が70質量%未満になると、成形品の表面平滑性および発色性が低下する。
成形品の耐候性を考慮すると、(g)成分の使用量は0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましく、単量体(e3)の使用量は80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましい。
また、(e2)成分の存在下で重合を行う場合、(e2)成分の使用量は、単量体(e3)100質量部に対して、0.1〜4質量部が好ましく、0.4〜3質量部がより好ましい。
アクリル系ゴム質重合体(rl)の体積平均粒子径は、300〜600nmである。体積平均粒子径が300nm未満であると、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が低下し、成形品の耐衝撃性が低下する。一方、体積平均粒子径が600nmを超えると、成形品の表面平滑性、発色性が低下する。熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性、発色性のバランスを考慮すると、体積平均粒子径は350〜500nmが好ましい。
ここで、アクリル系ゴム質重合体(rl)の体積平均粒子径は、レーザ回折・光散乱法により測定される体積基準の平均粒子径である。
(グラフト共重合体(B)の製造方法)
グラフト共重合体(B)は、上述のアクリル系ゴム質重合体(rl)に(f2)成分をグラフト重合して得られる。
(f2)成分は、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分である。また、(f2)成分は、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の少なくとも一方と共重合可能な他のビニル系単量体を含んでいてもよい。
芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、および他のビニル系単量体としては、グラフト共重合体(A)の説明において先に例示した芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、および他のビニル系単量体が挙げられる。
グラフト重合は、アクリル系ゴム質重合体(rl)のラテックスに(f2)成分を加え、通常のラジカル重合開始剤および乳化剤を作用させて一段であるいは多段で行うことができる。グラフト共重合体(B)は、通常、ラテックスの状態で得られる。
グラフト重合に用いるラジカル重合開始剤および乳化剤、ラテックスからのグラフト共重合体(B)の回収方法は、グラフト共重合体(A)の製造方法と同じである。
アクリル系ゴム質重合体(rl)の使用量は10〜70質量%であることが好ましく、(f2)成分の使用量は30〜90質量%(ただし、アクリル系ゴム質重合体(rl)と(f2)成分との合計を100質量%とする。)であることが好ましい。アクリル系ゴム質重合体(rl)と(f2)成分の使用量が上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性がより向上する。
熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性のバランスを考慮すると、アクリル系ゴム質重合体(rl)の使用量は30〜60質量%がより好ましく、(f2)成分の使用量は40〜70質量%がより好ましい。
また、グラフト重合に使用される(f2)成分の組成比率は特に制限されないが、成形品の物性バランスの観点から、芳香族ビニル系単量体の割合が5〜95質量%であり、シアン化ビニル系単量体の割合が0〜50質量%であり、他のビニル系単量体の割合が0〜95質量%(ただし、各単量体の合計を100質量%とする。)であることが好ましい。
グラフト共重合体(B)のグラフト率は、30〜100質量%が好ましい。グラフト共重合体(B)のグラフト率が上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性がより向上する。
熱可塑性樹脂の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性のバランスを考慮すると、グラフト共重合体(B)のグラフト率は30〜80質量%がより好ましい。
ここで、グラフト共重合体(B)の「グラフト率」とは、アクリル系ゴム質重合体(rl)に対し、ゴムに直接グラフト結合している(f3)成分の割合のことである。グラフト共重合体(B)のグラフト率は、グラフト共重合体(A)のグラフト率と同様にして求められる。
<共重合体(C)>
共重合体(C)は、マレイミド系単量体単位を含有する共重合体である。
共重合体(C)を構成するマレイミド系単量体としては、例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドなどが挙げられる。これらの中でも、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドが好ましく、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドがより好ましい。
これらマレイミド系単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
共重合体(C)は、芳香族ビニル系単量体単位、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の少なくとも一方と共重合可能な他のビニル系単量体単位を含有してもよい。
芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、および他のビニル系単量体としては、グラフト共重合体(A)の説明において先に例示した芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、および他のビニル系単量体が挙げられる。
共重合体(C)を構成する全単量体単位100質量%中、マレイミド系単量体単位の含有量は10〜65質量%である。マレイミド系単量体単位の含有量が10質量%未満であると、共重合体(C)の耐熱性が低くなるため、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性と得られる成形品の耐熱性のバランスが低下する。マレイミド系単量体単位の含有量が65質量%を超えると、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、発色性、表面平滑性が低下する。
熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、耐熱性、発色性、表面平滑性のバランスを考慮すると、マレイミド系単量体単位の含有量は25〜60質量%が好ましい。
共重合体(C)が芳香族ビニル系単量体単位を含有する場合、その含有量は、共重合体(C)を構成する全単量体単位100質量%中、15〜90質量%が好ましく、20〜77質量%がより好ましい。芳香族ビニル系単量体単位の含有量が上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐熱性がより向上する。
また、共重合体(C)がシアン化ビニル系単量体単位を含有する場合、その含有量は、共重合体(C)を構成する全単量体単位100質量%中、30質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましい。シアン化ビニル系単量体単位の含有量が上記範囲内であれば、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、耐熱性がより向上する。
共重合体(C)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液中での還元粘度は0.4〜0.7dl/gである。共重合体(C)の還元粘度が0.4dl/g未満であると成形品の耐衝撃性が低下し、0.7dl/gを超えると熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が低下する。
ここでいう還元粘度は、共重合体(C)0.2gをN,N−ジメチルホルムアミド100mLに溶解してN,N−ジメチルホルムアミド溶液とし、25℃にてウベローデ型粘度計で求めた値である。
共重合体(C)は、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、および溶液重合法などにより得られる。また、共重合体(C)としては、これらの重合法の複合化した技術により得られたものを用いることもできるが、溶液重合法により得られたものを用いるのが好ましい。
<共重合体(D)>
共重合体(D)は、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分(ただし、マレイミド系単量体を含まない。)を重合して得られる共重合体である。共重合体(D)を構成する単量体成分は、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の少なくとも一方と共重合可能な他のビニル系単量体を含んでいてもよい。
芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、および他のビニル系単量体としては、グラフト共重合体(A)の説明において先に例示した芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、および他のビニル系単量体(ただし、マレイミド系単量体を除く。)が挙げられる。
共重合体(D)の組成としては特に制限されないが、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性、表面平滑性、発色性のバランスの観点から、共重合体(D)を構成する全単量体単位100質量%中、芳香族ビニル系単量体単位が60〜80質量%、シアン化ビニル系単量体単位が20〜40質量%、他のビニル系単量体単位が0〜20質量%であることが好ましい。
共重合体(D)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液中での還元粘度は0.4〜0.7dl/gである。共重合体(D)の還元粘度が0.4dl/g未満であると成形品の耐衝撃性が低下し、0.7dl/gを超えると熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の表面平滑性が低下する。
ここでいう還元粘度は、共重合体(D)0.2gをN,N−ジメチルホルムアミド100mLに溶解してN,N−ジメチルホルムアミド溶液とし、25℃にてウベローデ型粘度計で求めた値である。
共重合体(D)は、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、および溶液重合法などにより得られる。また、共重合体(D)としては、これらの重合法の複合化した技術により得られたものを用いることもできるが、溶液重合法により得られたものを用いるのが好ましい。
<割合>
グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の質量比率((A):(B))は、50:50〜80:20である。グラフト共重合体(A)の割合が少なすぎる(グラフト共重合体(B)の割合が多すぎる)と、得られる成形品の表面平滑性、発色性が低下する。一方、グラフト共重合体(A)の割合が多すぎる(グラフト共重合体(B)の割合が少なすぎる)と、得られる熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐衝撃性が低下する。
熱可塑性樹脂組成物中に含まれる、グラフト共重合体(A)およびグラフト共重合体(B)由来のゴム含有量の合計は10〜30質量%である。熱可塑性樹脂組成物中のゴム含有量が10質量%未満であると成形品の耐衝撃性が低下し、30質量%を超えると樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐熱性、表面平滑性、発色性が低下する。
また、熱可塑性樹脂組成物中に含まれる、共役ジエン系ゴム由来の構造単位は2質量%未満である。共役ジエン系ゴム由来の構造単位が2質量%未満であれば、成形品の耐光性が向上する。共役ジエン系ゴム由来の構造単位は1質量%未満が好ましい。
熱可塑性樹脂組成物中の共重合体(C)の含有量は、10〜30質量部(ただし、グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)の合計を100質量部とする。)である。共重合体(C)の含有量が10質量部未満であると成形品の耐熱性が低下し、30質量部を超えると熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が低下する。熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐熱性のバランスを考慮すると、共重合体(C)の含有量は10〜20質量部が好ましい。
また、熱可塑性樹脂組成物中の共重合体(D)の含有量は、30〜70質量部(ただし、グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)の合計を100質量部とする。)が好ましい。共重合体(D)の含有量が30質量部未満であると熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が低下し、70質量部を超えると成形品の耐熱性、耐衝撃性が低下する。熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、および成形品の耐熱性、耐衝撃性のバランスを考慮すると、共重合体(D)の含有量は40〜60質量部がより好ましい。
<他の成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述したグラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、共重合体(D)を含有する。熱可塑性樹脂組成物はグラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、共重合体(D)のみで構成されていてもよいが、これら以外の熱可塑性樹脂(他の熱可塑性樹脂(H))を含有してもよい。また、熱可塑性樹脂組成物は添加剤を含有してもよい。
他の熱可塑性樹脂(H)としては、例えばアクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン共重合体(AES樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン(SBR)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種オレフィン系エラストマー、各種ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、PPS樹脂、PES樹脂、PEEK樹脂、ポリアリレート、液晶ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂(ナイロン)などが挙げられる。
これら他の熱可塑性樹脂(H)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、酸化防止剤や光安定剤等の各種安定剤、染料や顔料等の着色剤、滑剤、可塑剤、離型剤、帯電防止剤、無機充填剤などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、共重合体(D)と、必要に応じて他の熱可塑性樹脂(H)や添加剤とをV型ブレンダやヘンシェルミキサー等により混合分散させ、これにより得られた混合物をスクリュー式押出機、バンバリーミキサ、加圧ニーダ、ミキシングロール等の溶融混練機等を用いて溶融混練することにより製造される。また、必要に応じてペレタイザー等を用いて溶融混練物をペレット化してもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述した特定構造を有する2種類のグラフト共重合体(A)、(B)、および上述した特定構造を有する2種類の共重合体(C)、(D)を含有するので、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、耐候性、発色性のバランスが良好な成形品を得ることができ、かつ成形加工性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、車両用ランプハウジング用材料として好適である。
「成形品」
本発明により得られる成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を公知の成形方法によって成形してなるものであり、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、耐候性、発色性のバランスが良好である。
しかも、本発明により得られる成形品は、アンダーコート等の特殊な前処理を施さずに、ダイレクト蒸着法により金属膜を形成でき、多数の工程と専用の装置、高コストの処理剤を使用しなくても容易に得られる。
成形品の工業的な用途例としては、車両部品、特にヘッドランプやテールランプ、指示灯、フォグランプ等の車両用ランプハウジング、照明機器ハウジング等の家電部品、OA機器ハウジング、インテリア部材等が挙げられる。これらの中でも、成形加工性、耐衝撃性、耐熱性に加え、ダイレクト蒸着後の光輝性が優れるという効果が特に活かされる点から、車両用ランプハウジングが好適である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中の「%」および「部」は明記しない限りは質量基準である。
以下の実施例および比較例における各種測定および評価方法は、以下の通りである。
なお、実施例2、4、6、10は参考例である。
「測定・評価」
<体積平均粒子径の測定>
ナノトラック粒度分布計(日機装株式会社製、「UPA−EX150」)を用い、測定溶媒としてイオン交換水を用いて、ポリオルガノシロキサン(s)、共役ジエン系ゴム質重合体(g)、アクリル系ゴム質重合体(rs)、およびアクリル系ゴム質重合体(rl)の体積基準の平均粒子径を測定した。
<成形加工性の評価>
熱可塑性樹脂組成物のメルトボリュームレート(MVR)をISO 1133に準拠して、メルトインデクサー(株式会社東洋精機製作所製、「F−F01」)を用い、220℃、10kg荷重の条件で測定した。MVRの値が高いほど流動性が高く、成形加工性に優れることを意味する。
<耐衝撃性の評価>
ISO 3167に準拠してペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械株式会社製、「IS55FP−1.5A」)によって試験片を作製した。この試験片のシャルピー衝撃強度をISO 179に準拠して、23℃雰囲気下で測定した。
<耐熱性の評価>
ISO 3167に準拠してペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械株式会社製、「IS55FP−1.5A」)によって試験片を作製した。この試験片の荷重たわみ温度(HDT)をISO 75に準拠して、HDT試験機(株式会社東洋精機製作所製、「6A−2」)を用い、荷重1.80MPa、フラットワイズ(4mm厚み)の条件で測定した。HDTの値が高いほど耐熱性に優れることを意味する。
<表面平滑性の評価>
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、4オンス射出成形機(株式会社日本製鋼所製、)を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度60℃、射出率が20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み2mmの板状の試験片を作製した。
次いで、得られた試験片上に、真空蒸着機(アルバック機工株式会社製、「VPC−1100」)により、真空度6.0×10−3Pa、成膜速度1nm/秒の条件で膜厚50nmのアルミニウム蒸着膜を形成した。このようにしてダイレクト蒸着を行った成形品について、反射率計(有限会社東京電色製、「TR−1100AD」)を用いて拡散反射率を測定した。拡散反射率が小さいほど、表面平滑性に優れることを意味する。
<発色性の評価>
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、4オンス射出成形機(株式会社日本製鋼所製、)を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度60℃、射出率が20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み2mmの板状の試験片を作製した。
得られた試験片について、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製「CM−508D」)を用いて明度(L)を、SCE方式にて測定した。Lが低いほど黒色となり、発色性(顔料着色性)に優れることを意味する。
<耐候性の評価>
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、4オンス射出成形機(株式会社日本製鋼所製、)を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度60℃、射出率が40g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み2mmの板状の試験片を作製した。
得られた試験片について、サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、「WEL−SUN−DCH型」)を用いて、63℃雨あり(60分サイクル雨12分)の条件下で1000時間暴露した。1000時間の暴露前後の成形品の変色の度合(ΔE)を分光測色計で測定した。ΔEの値が小さいほど耐候性に優れることを意味する。
「ポリオルガノシロキサン(s)の製造」
<製造例1:ポリオルガノシロキサン(s−1)の製造>
オクタメチルシクロテトラシロキサン98部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部を混合してシロキサン混合物100部を得た。これに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部、イオン交換水300部からなる水溶液を添加し、ホモミキサーにて10000回転/分で2分間撹拌した後、ホモジナイザーに300kg/cmの圧力で2回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
別途、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベンゼンスルホン酸10部と、イオン交換水90部とを投入し、10%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液(酸触媒水溶液)を調製した。
この酸触媒水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間にわたって滴下し、滴下終了後3時間その温度を維持した後、40℃以下に冷却した。次いで、この反応物を10%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、ポリオルガノシロキサン(s−1)のラテックスを得た。
得られたポリオルガノシロキサン(s−1)のラテックス固形分は18.2%であり、体積平均粒子径は40nmであった。
「共役ジエン系ゴム質重合体(g)の製造」
<製造例2:小粒子径共役ジエン系ゴム質重合体(g−1)の製造>
撹拌装置および温度計付きステンレス製オートクレーブに、イオン交換水(以下、「水」と略す。)145部、不均化ロジン酸カリウム1.0部、オレイン酸カリウム1.0部、ロンガリット0.4部、無水硫酸ナトリウム0.1部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド0.5部、1,3−ブタジエン26.2部、スチレン1.4部を仕込んだ。オートクレーブの内温が50℃になるまで昇温した後、ピロリン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄七水和物0.005部、イオン交換水5部からなる水溶液を添加して重合を開始した。重合温度57℃で、1,3−ブタジエン68.6部、スチレン3.6部からなる混合物を圧力ポンプにて滴下供給した。次いで、重合転化率が40%に達した時点で、n−ドデシルメルカプタン0.3部を添加しさらに重合を継続した。8時間後、残存した1,3−ブタジエンを除去し、小粒子径共役ジエン系ゴム質重合体(g−1)のラテックスを得た。
得られた小粒子径共役ジエン系ゴム質重合体(g−1)のラテックス固形分は40.2%であり、重合転化率は97%であり、体積平均粒子径は70nmであった。
「酸基含有共重合体(i)の製造」
<製造例3:酸基含有共重合体(i−1)の製造>
試薬注入器、冷却管、ジャケット加熱器および攪拌装置を備えた反応器内に、オレイン酸カリウム2.2部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム2.5部、ロンガリット0.3部、硫酸第一鉄七水和物0.003部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.009部、イオン交換水200部を窒素気流下で仕込んだ。撹攪拌を行いながら反応器の内温が65℃になるまで昇温した後、n−ブチルアクリレート81.5部、メタクリレート18.5部、クメンヒドロパーオキシド0.5部からなる混合物を2時間かけて添加し、添加終了後も2時間そのままの温度で重合を継続し、酸基含有共重合体(i−1)のラテックスを得た。
得られた酸基含有共重合体(i−1)の重合転化率は98%であり、体積平均粒子径は150nmであった。
<製造例4:酸基含有共重合体(i−2)の製造>
製造例3において、オレイン酸カリウムを3.2部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを3.0部、n−ブチルアクリレートを88.5部、メタクリレートを11.5部に変更した以外は同様にして重合を行い、体積平均粒子径が60nmである酸基含有共重合体(i−2)のラテックスを製造した。
「グラフト共重合体(A)の製造」
<製造例5:グラフト共重合体(A−1)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、イオン交換水295部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.3部、n−ブチルアクリレート50部、アリルメタクリレート1.5部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.05部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.04部を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温55℃にて、ロンガリット0.18部、硫酸第一鉄七水和物0.00009部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.00027部、イオン交換水8部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持し、アクリル系ゴム質重合体(rs−1)のラテックスを得た。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rs−1)の重合転化率は99%であり、体積平均粒子径は155nmであった。
引き続き、アクリル系ゴム質重合体(rs−1)のラテックスに、硫酸第一鉄七水和物0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリット0.3部、イオン水10部からなる水溶液を添加した。次いで、アクリロニトリル15部、スチレン35部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.26部からなる混合液を100分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を30分保持した後、クメンヒドロパーオキシド0.05部を添加し、さらに温度75℃の状態を30分保持した後、冷却し、グラフト共重合体(A−1)のラテックスを得た。
次いで、0.6%硫酸水溶液100部を60℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(A−1)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(A−1)を得た。グラフト共重合体(A−1)の組成を表1に示す。
<製造例6:グラフト共重合体(A−2)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、製造例1にて製造したポリオルガノシロキサン(s−1)のラテックスを固形分換算で1.75部、イオン交換水295部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.6部、n−ブチルアクリレート48.25部、アリルメタクリレート0.5部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.1部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.04部を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温60℃にて、ロンガリット0.18部、硫酸第一鉄七水和物0.00009部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.00027部、イオン交換水8部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持し、ポリオルガノシロキサンを含むアクリル系ゴム質重合体を得た。
得られたアクリル系ゴム質重合体の1時間後の重合転化率は99%であり、体積平均粒子径は135nmであった。
続いて反応器内部の液温70℃にてピロリン酸ナトリウム0.6部を添加し、5分間保持後、製造例4にて製造した酸基含有共重合体(i―2)のラテックスを固形分換算で0.6部添加し、30分間撹拌を続け肥大化処理を行うことで、肥大化したアクリル系ゴム質重合体(rs−2)のラテックスを得た。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rs−2)の体積平均粒子径は155nmであった。
引き続き、アクリル系ゴム質重合体(rs−2)のラテックスに、硫酸第一鉄七水塩0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.3部、イオン交換水10部からなる水溶液を添加した。次いで、アクリロニトリル10部、スチレン30部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.18部からなる混合液を80分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を30分保持した後、アクリロニトリル2.5部、スチレン7.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.05部、n―オクチルメルカプタン0.02部からなる混合物を20分にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を30分保持した後、クメンヒドロパーオキシド0.05部を添加し、さらに温度75℃の状態を30分保持した後、冷却し、グラフト共重合体(A−2)のラテックスを得た。
次いで、1%酢酸カルシウム水溶液150部を60℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(A−2)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(A−2)を得た。グラフト共重合体(A−2)の組成を表1に示す。
<製造例7:グラフト共重合体(A−3)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、製造例1にて製造したポリオルガノシロキサン(s−1)のラテックスを固形分換算で7部、イオン交換水295部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.1部、n−ブチルアクリレート43部、アリルメタクリレート0.3部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.1部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.04部を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温60℃にて、ロンガリット0.18部、硫酸第一鉄七水和物0.00009部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.00027部、イオン交換水8部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持し、ポリオルガノシロキサンを含むアクリル系ゴム質重合体(rs−3)のラテックスを得た。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rs−3)の1時間後の重合転化率は99%であり、体積平均粒子径は100nmであった。
引き続き、アクリル系ゴム質重合体(rs−3)のラテックスに、硫酸第一鉄七水和物0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリット0.3部、イオン水10部からなる水溶液を添加した。反応器内部の液温が70℃に低下した後、硫酸第一鉄七水塩0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.3部、イオン交換水10部からなる水溶液をさらに添加した。次いで、アクリロニトリル2.5部、スチレン7.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.045部からなる混合液を20分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度70℃の状態を30分保持した後、アクリロニトリル10部、スチレン30部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.18部からなる混合物を80分にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を30分保持した後、クメンヒドロパーオキシド0.05部を添加し、さらに温度75℃の状態を30分保持した後、冷却し、グラフト共重合体(A−3)のラテックスを得た。
次いで、1.5%酢酸カルシウム水溶液150部を60℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(A−3)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(A−3)を得た。グラフト共重合体(A−3)の組成を表1に示す。
<製造例8:グラフト共重合体(A−4)の製造>
製造例5において、アルケニルコハク酸ジカリウム0.3部をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部に変更した以外は同様にして重合を行い、体積平均粒子径が50nmであるアクリル系ゴム質重合体(rs−4)のラテックスを得た。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rs−4)のラテックスを用いた以外は、製造例5と同様にしてグラフト共重合体(A−4)を得た。グラフト共重合体(A−4)の組成を表1に示す。
「グラフト共重合体(B)の製造」
<製造例9:グラフト共重合体(B−1)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、製造例2で調製した小粒子径共役ジエン系ゴム質重合体(g−1)のラテックスを固形分換算で10部、製造例3で製造した酸基含有共重合体(i−1)のラテックスを固形分換算で2.1部、撹拌しながら室温にて添加し、さらに30分間撹拌を続け、体積平均粒子径400nmの肥大化共役ジエン系ゴム質重合体を得た。
次いで、この反応器に、アルケニルコハク酸ジカリウム0.3部、イオン交換水(肥大化共役ジエン系ゴム質重合体ラテックス中の水を含む)175部を仕込み、これに攪拌下で、n−ブチルアクリレート40部、アリルメタクリレート0.16部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.08部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.1部からなる混合物を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内部の液温が50℃となった時点で、硫酸第一鉄七水和物0.00015部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.00045部、ロンガリット0.24部、イオン交換水5部からなる水溶液を添加した後、内温を75℃に上昇させ、ラジカル重合を開始させた。1時間この状態を維持し、n−ブチルアクリレート成分の重合を完結させ、共役ジエン系ゴム質重合体を含むアクリル系ゴム質重合体(rl−1)のラテックスを得た。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rl−1)の体積平均粒子径は380nmであった。
引き続き、アクリル系ゴム質重合体(rl−1)のラテックスに、ロンガリット0.15部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.65部、イオン交換水10部からなる水溶液を添加し、次いで、アクリロニトリル6.3部、スチレン18.7部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.11部の混合液を1時間にわたって滴下し重合した。滴下終了から5分後、硫酸第一鉄七水塩0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.15部、イオン交換水5部からなる水溶液を添加し、次いで、アクリロニトリル6.3部、スチレン18.7部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.19部、n−オクチルメルカプタン0.014部からなる混合液を1時間にわたって滴下し重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を10分間保持した後冷却し、内温が60℃となった時点で、抗酸化剤(川口化学工業株式会社製、「アンテージW500」)0.2部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.2部、イオン交換水5部からなる分散液を添加し、グラフト共重合体(B−1)のラテックスを得た。
次いで、0.6%硫酸水溶液100部を60℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(B−1)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(B−1)を得た。グラフト共重合体(B−1)の組成を表1に示す。
<製造例10:グラフト共重合体(B−2)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、イオン交換水230部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.5部、n−ブチルアクリレート40部、アリルメタクリレート0.24部、トリアリルイソシアヌレート0.2部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.1部を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温55℃にて、ロンガリット0.15部、硫酸第一鉄七水和物0.00005部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.00015部、イオン交換水5部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持し、体積平均粒子径が100nmであるゴム質重合体を得た。
得られたゴム質重合体にピロリン酸ナトリウム0.5部を添加し、内温を70℃になるようにジャケット温度の制御を行った。次いで、内温70℃にて、製造例3で製造した酸基含有共重合体(i−1)のラテックスを固形分換算で1.5部添加し、内温70℃を保持したまま30分撹拌し、肥大化したアクリル系ゴム質重合体のラテックスを得た。
得られた、肥大化したアクリル系ゴム質重合体の体積平均粒子径は420nmであった。
引き続き、内温70℃にて、肥大化したアクリル系ゴム質重合体のラテックスに、ロンガリット0.015部、硫酸第一鉄七水和物0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、イオン交換水40部からなる水溶液を添加し、次いでn−ブチルアクリレート10部、アリルメタクリレート0.06部、トリアリルイソシアヌレート0.05部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.01部からなる混合液を1時間にわたって滴下した。滴下終了後、温度70℃の状態を1時間保持した後に冷却し、固形分が18%であり、体積平均粒子径が450nmであるアクリル系ゴム質重合体(rl−2)のラテックスを得た。
次いで、アクリル系ゴム質重合体(rl−2)のラテックスに、アクリロニトリル15部、スチレン35部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.5部からなる混合液を100分間にわたって滴下しながら、80℃まで昇温した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(B−2)のラテックスを得た。
次いで、1.5%硫酸水溶液100部を80℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(B−2)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(B−2)を得た。グラフト共重合体(B−2)の組成を表1に示す。
<製造例11:グラフト共重合体(B−3)の製造>
製造例10において、アルケニルコハク酸ジカリウムを0.8部、酸基含有共重合体(i−1)のラテックスを固形分換算で0.4部に変更した以外は同様にして重合を行い、肥大化したアクリル系ゴム質重合体(rl−3)のラテックスを得た。得られたアクリル系ゴム質重合体(rl−3)の体積平均粒子径は260nmであった。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rl−3)のラテックスを用いた以外は、製造例10と同様にしてグラフト共重合体(B−3)を得た。グラフト共重合体(B−3)の組成を表1に示す。
<製造例12:グラフト共重合体(B−4)の製造>
製造例10において、アルケニルコハク酸ジカリウムを1.2部、ピロリン酸ナトリウムを1部、酸基含有共重合体(i−1)のラテックスを固形分換算で2部に変更した以外は同様にして重合を行い、肥大化したアクリル系ゴム質重合体(rl−4)のラテックスを得た。得られたアクリル系ゴム質重合体(rl−4)の体積平均粒子径は700nmであった。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rl−4)のラテックスを用いた以外は、製造例10と同様にしてグラフト共重合体(B−4)を得た。グラフト共重合体(B−4)の組成を表1に示す。
<製造例13:グラフト共重合体(B−5)の製造>
製造例9において、小粒子径共役ジエン系ゴム質重合体(g−1)のラテックスを固形分換算で20部、酸基含有共重合体(i−1)のラテックスを固形分換算で3.0部に変更した以外は同様にして重合を行い、共役ジエン系ゴム質重合体を含むアクリル系ゴム質重合体(rl−5)のラテックスを得た。得られたアクリル系ゴム質重合体(rl−5)の体積平均粒子径は380nmであった。
得られたアクリル系ゴム質重合体(rl−5)のラテックスを用いた以外は、製造例9と同様にしてグラフト共重合体(B−5)を得た。グラフト共重合体(B−5)の組成を表1に示す。
Figure 0006276116
表1中の「s−1」は製造例1にて製造したポリオルガノシロキサン(s−1)であり、「n−BA」はn−ブチルアクリレートであり、「AN」はアクリロニトリルであり、「St」はスチレンである。
「共重合体(C)の製造」
<製造例14:共重合体(C−1)の製造>
公知の連続溶液重合により、アクリロニトリル単量体単位15%、スチレン単量体単位55%、N−フェニルマレイミド単量体単位30%からなる共重合体(C−1)を得た。この共重合体(C−1)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.61dl/gであった。共重合体(C−1)の組成を表2に示す。
<共重合体(C−2)>
電気化学工業株式会社製の「デンカIP MS−NI」(商品名)を共重合体(C−2)として用いた。
共重合体(C−2)は、N−フェニルマレイミド単量体単位52%、スチレン単量体単位48%からなり、25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.42dl/gであった。共重合体(C−2)の組成を表2に示す。
<製造例15:共重合体(C−3)の製造>
公知の連続溶液重合により、アクリロニトリル単量体単位20%、スチレン単量体単位58%、N−フェニルマレイミド単量体単位22%からなる共重合体(C−3)を得た。この共重合体(C−3)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.64dl/gであった。共重合体(C−3)の組成を表2に示す。
<製造例16:共重合体(C−4)の製造>
公知の連続溶液重合により、アクリロニトリル単量体単位28%、スチレン単量体単位24.5%、α―メチルスチレン単量体単位11%、N−フェニルマレイミド単量体単位36.5%からなる共重合体(C−4)を得た。この共重合体(C−4)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.47dl/gであった。共重合体(C−4)の組成を表2に示す。
<製造例17:共重合体(C−5)の製造>
公知の連続溶液重合により、アクリロニトリル単量体単位15%、スチレン単量体単位55%、N−フェニルマレイミド単量体単位30%からなる共重合体(C−5)を得た。この共重合体(C−5)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.21dl/gであった。共重合体(C−5)の組成を表2に示す。
<製造例18:共重合体(C−6)の製造>
公知の連続溶液重合により、アクリロニトリル単量体単位15%、スチレン単量体単位55%、N−フェニルマレイミド単量体単位30%からなる共重合体(C−6)を得た。この共重合体(C−6)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.82dl/gであった。共重合体(C−6)の組成を表2に示す。
<製造例19:共重合体(C−7)の製造>
公知の連続溶液重合により、スチレン単量体単位28.6%、N−フェニルマレイミド単量体単位71.4%からなる共重合体(C−7)を得た。この共重合体(C−7)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.55dl/gであった。共重合体(C−7)の組成を表2に示す。
Figure 0006276116
表2中の「AN」はアクリロニトリルであり、「St」はスチレンである。
「共重合体(D)の製造」
<製造例20:共重合体(D−1)の製造>
アクリロニトリル25部およびスチレン75部を公知の懸濁重合により重合し、共重合体(D−1)を得た。この共重合体(D−1)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.49dl/gであった。共重合体(D−1)の組成を表3に示す。
<製造例21:共重合体(D−2)の製造>
アクリロニトリル28部およびスチレン72部を公知の懸濁重合により重合し、共重合体(D−2)を得た。この共重合体(D−2)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.62dl/gであった。共重合体(D−2)の組成を表3に示す。
<製造例22:共重合体(D−3)の製造>
アクリロニトリル25部およびスチレン75部を公知の懸濁重合により重合し、共重合体(D−3)を得た。この共重合体(D−3)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.35dl/gであった。共重合体(D−3)の組成を表3に示す。
<製造例23:共重合体(D−4)の製造>
アクリロニトリル29部およびスチレン71部を公知の懸濁重合により重合し、共重合体(D−4)を得た。この共重合体(D−4)の25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度は0.88dl/gであった。共重合体(D−4)の組成を表3に示す。
Figure 0006276116
表3中の「AN」はアクリロニトリルであり、「St」はスチレンである。
「実施例1〜16、比較例1〜16」
表4〜7に示す種類と量のグラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)と、エチレンビスステアリルアミド0.8部と、シリコーンオイルSH200(東レ・ダウコーニング株式会社製)0.2部と、アデカスタブAO−60(株式会社ADEKA製)0.2部と、アデカスタブLA−57(株式会社ADEKA製)0.4部と、カーボンブラック0.8部とをヘンシェルミキサーを用いて混合した。スクリュー式押出機(株式会社日本製鋼所製、「TEX−30α型二軸押出機」)を用いて、得られた混合物を240℃にて溶融混練した後、ペレタイザーにてペレット化した熱可塑性樹脂組成物を得た。
得られた熱可塑性樹脂組成物について、成形加工性を評価した。また、得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて試験片を作製し、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、発色性、耐候性を評価した。これらの結果を表4〜7に示す。
Figure 0006276116
Figure 0006276116
Figure 0006276116
Figure 0006276116
表4〜7中の「(A):(B)」は熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の使用量の質量比率である。
「(rs)の体積平均粒子径」は、グラフト共重合体(A)の製造に用いたアクリル系ゴム質重合体(rs)の体積基準の平均粒子径である。また、「(rl)の体積平均粒子径」は、グラフト共重合体(B)の製造に用いたアクリル系ゴム質重合体(rl)の体積基準の平均粒子径である。
「樹脂組成物中のゴム含有量」は、熱可塑性樹脂組成物中に含まれるグラフト共重合体(A)およびグラフト共重合体(B)由来のゴム含有量の合計量(質量%)である。
「樹脂組成物中のジエン由来成分」は、熱可塑性樹脂組成物中に含まれる共役ジエン系ゴム由来の構造単位の含有量(質量%)である。
表4〜7に示すように、各実施例で得られた熱可塑性樹脂組成物は成形加工性に優れていた。また、各熱可塑性樹脂組成物からは、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、発色性、耐候性のバランスが良好な成形品が得られた。
一方、表4〜7に示すように、各比較例の場合、成形加工性、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、発色性、耐候性の何れかの項目に劣る結果であった。
具体的には、比較例1の場合、アクリル系ゴム質共重合体(rs)の体積平均粒子径が50nmであったため、成形加工性、耐衝撃性および表面平滑性に劣る結果であった。
比較例2の場合、アクリル系ゴム質共重合体(rl)の体積平均粒子径が260nmであったため、成形加工性および耐衝撃性に劣る結果であった。
比較例3の場合、アクリル系ゴム質共重合体(rl)の体積平均粒子径が700nmであったため、表面平滑性および発色性に劣る結果であった。
比較例4の場合、グラフト共重合体(A):グラフト共重合体(B)の質量比率が100:0であったため、成形加工性および耐衝撃性に劣る結果であった。
比較例5、6の場合、グラフト共重合体(A):グラフト共重合体(B)の質量比率が25:75、または0:100であったため、表面平滑性および発色性に劣る結果であった。
比較例7の場合、共重合体(C)の含有量が0質量部であったため、耐熱性に劣る結果であった。
比較例8の場合、共重合体(C)の含有量が35質量部であったため、成形加工性に劣る結果であった。
比較例9の場合、共重合体(C)の還元粘度が0.21dl/gであったため、耐衝撃性に劣る結果であった。
比較例10の場合、共重合体(C)の還元粘度が0.82dl/gであったため、成形加工性に劣る結果であった。
比較例11の場合、共重合体(C)中のマレイミド系単量体単位の割合が71.4質量%であっため、成形加工性、耐衝撃性、表面平滑性および発色性に劣る結果であった。
比較例12の場合、熱可塑性樹脂組成物中に含まれるグラフト共重合体(A)およびグラフト共重合体(B)由来のゴム含有量の割合が5質量%であったため、耐衝撃性に劣る結果であった。
比較例13の場合、熱可塑性樹脂組成物中に含まれるグラフト共重合体(A)およびグラフト共重合体(B)由来のゴム含有量の割合が40質量%であったため、成形加工性、耐熱性および発色性に劣る結果であった。また、拡散反射率が非常に大きかった。これは、成形品の表面平滑性が低く、かつ熱可塑性樹脂組成物の流動性が低いため、転写性が悪いことによるものと考えられる。
比較例14の場合、熱可塑性樹脂組成物中に含まれる共役ジエン系ゴム由来の構造単位の含有量が3質量%であったため、耐候性に劣る結果であった。
比較例15の場合、共重合体(D)の還元粘度が0.35dl/gであったため、耐衝撃性に劣る結果であった。
比較例16の場合、共重合体(D)の還元粘度が0.88dl/gであったため、成形加工性および表面平滑性に劣る結果であった。
本発明によれば、耐衝撃性、耐熱性、表面平滑性、耐候性、発色性のバランスが良好な成形品を得ることができ、かつ成形加工性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供できる。特に成形加工性、耐衝撃性、耐熱性、および発色性のバランスは、従来の熱可塑性樹脂組成物および該熱可塑性樹脂組成物を成形した成形品では得られない非常に高いレベルであり、車両用外装部品、OA機器、電気・電子機器等、各種工業用材料としての利用価値は高い。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、近年の形状の複雑化、薄肉化、計量化が要求されるランプハウジング用材料として好適である。

Claims (2)

  1. 下記グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)を含む熱可塑性樹脂組成物であって、
    グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の質量比率((A):(B))が50:50〜80:20であり、
    熱可塑性樹脂組成物中に含まれる、グラフト共重合体(A)およびグラフト共重合体(B)由来のゴム含有量の合計が10〜30質量%であり、共役ジエン系ゴム由来の構造単位が2質量%未満であり、
    かつ、共重合体(C)を10〜30質量部(ただし、グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、および共重合体(D)の合計を100質量部とする。)含む、熱可塑性樹脂組成物。
    グラフト共重合体(A):ポリオルガノシロキサン0〜20質量%と、アルキル(メタ)アクリレート単量体80〜100質量%(ただし、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート単量体の合計を100質量%とする。)とを重合して得られる、体積平均粒子径が70〜200nmであるアクリル系ゴム質重合体(rs)に、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分をグラフト重合して得られるアクリルゴム系グラフト共重合体。
    グラフト共重合体(B):共役ジエン系ゴム質重合体20〜30質量%と、アルキル(メタ)アクリレート単量体70〜80質量%(ただし、共役ジエン系ゴム質重合体とアルキル(メタ)アクリレート単量体の合計を100質量%とする。)とを重合して得られる、体積平均粒子径が300〜600nmであるアクリル系ゴム質重合体(rl)に、芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分をグラフト重合して得られるアクリルゴム系グラフト共重合体。
    共重合体(C):共重合体(C)を構成する全単量体単位100質量%中、マレイミド系単量体単位を10〜65質量%含み、かつ25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度が0.4〜0.7dl/gである共重合体。
    共重合体(D):芳香族ビニル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体を含む単量体成分(ただし、マレイミド系単量体を含まない。)を重合して得られ、25℃におけるN,N−ジメチルホルムアミド溶液中の還元粘度が0.4〜0.7dl/gである共重合体。
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる、車両用ランプハウジング。
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