JP6335027B2 - グラフト共重合体、および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、グラフト共重合体、および熱可塑性樹脂組成物に関する。
耐衝撃性に代表される樹脂材料の強度を向上させることは、自動車分野、電気・電子機器分野など工業的な有用性が非常に高く、これまで様々な手法が検討されてきた。耐衝撃性に優れた成形品が得られる熱可塑性樹脂として、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、HIPS(ハイインパクトポリスチレン)樹脂、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂などが知られている。これらはガラス転移温度(Tg)や弾性率の低いゴム成分を樹脂マトリック中に分散させることにより、優れた耐衝撃性が付与された樹脂材料の代表例として幅広く利用されている。
しかし、ABS樹脂は共役ジエン系ゴムであるポリブタジエンをゴム成分として使用しているため、紫外線により分解されやすく、得られる成形品は耐候性に劣るという欠点があった。
成形品の耐候性を改良するために、アクリロニトリル−スチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体(ASA樹脂)が使用されている。ASA樹脂は、ゴム成分としてアルキル(メタ)アクリレート系重合体のような飽和ゴムを用いているため耐候性に優れるという特長を有し、車両外装材や屋外電気機器などにも利用が可能となっている。
また、低温での耐衝撃性を向上させる手段として、ゴム成分としてポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート系重合体との複合ゴムを用いた樹脂(以下、「SAS樹脂」とも言う。)も提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
ところで、熱可塑性樹脂より得られる成形品は、通常、顔料によって着色された状態(着色成形品)で利用されることが多く、製品意匠性の観点から表面外観が非常に重要視される。意匠性に影響を及ぼす表面外観の一例としては、直射日光下において、着色した色相以外の色目が重なって見えるブロンズ現象や、成形品表面の微細な凹凸に由来する表面平滑性などが挙げられる。
このような表面外観の重要性は、ASA樹脂やSAS樹脂などのゴム強化熱可塑性樹脂においても非常に高い。そこで、耐衝撃性と表面外観とを両立させるためのいくつかの手法が提案されている(例えば特許文献3〜5参照)。
特開平6−25492号公報 特開平11−199642号公報 特開2003−26890号公報 特開2003−335827号公報 特開2003−128868号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載の熱可塑性樹脂は、耐衝撃性の点では改良効果があるものの、ブロンズ現象の抑制や表面平滑性については、その両方もしくはいずれかが不十分となっており、近年の熱可塑性樹脂に対する高い要求レベルを十分に満足するものではなかった。
本発明は、耐衝撃性に優れ、ブロンズ現象が抑制され、しかも表面平滑性にも優れた成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物の材料として好適なグラフト共重合体、および熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート系重合体とが複合した複合ゴム状重合体を用いたグラフト共重合体において、複合ゴム状重合体の体積平均粒子径と粒子径分布を特定することによって、このグラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物であれば上記の課題を解消できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1] ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート系重合体とが複合した複合ゴム状重合体に、1種以上のビニル系単量体がグラフト重合したグラフト共重合体であって、前記複合ゴム状重合体の体積平均粒子径が100〜200nmであり、かつ前記複合ゴム状重合体の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合が5〜25体積%である、グラフト共重合体。
[2] 前記ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート系重合体との合計を100質量%としたときに、ポリオルガノシロキサンの割合が4〜14質量%である、[1]に記載のグラフト共重合体。
[3] [1]または[2]に記載のグラフト共重合体を含有する、熱可塑性樹脂組成物。
本発明のグラフト共重合体は、耐衝撃性に優れ、ブロンズ現象が抑制され、しかも表面平滑性にも優れた成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物の材料として好適である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、ブロンズ現象が抑制され、しかも表面平滑性にも優れた成形品を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「成形品」とは、本発明のグラフト共重合体を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。また、以下の説明において特に断りがない限り、「表面外観が良好となる」とは、成形品のブロンズ現象が抑制されること、および成形品の表面平滑性が向上することの両方を意味する。
「グラフト共重合体」
本発明のグラフト共重合体(E)は、ポリオルガノシロキサン(A)と、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)とが複合した複合ゴム状重合体(C)に、1種以上のビニル系単量体(d)がグラフト重合した共重合体である。
<ポリオルガノシロキサン(A)>
複合ゴム状重合体(C)を構成するポリオルガノシロキサン(A)としては特に制限されないが、ビニル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサン(ビニル重合性官能基含有ポリオルガノシロキサン)が好ましく、ビニル重合性官能基含有シロキサン単位と、ジメチルシロキサン単位とを有するポリオルガノシロキサンがより好ましい。
ビニル重合性官能基含有シロキサン単位の割合は0.3〜3モル%が好ましい。ビニル重合性官能基含有シロキサン単位の割合が上記範囲内であれば、ポリオルガノシロキサン(A)とアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)とが十分に複合化し、成形品の表面においてポリオルガノシロキサン(A)がブリードアウトしにくくなる。よって、成形品の表面外観がより良好となり、成形品の耐衝撃性もより向上する。
ポリオルガノシロキサン(A)としては、成形品の表面外観がさらに良好となることから、3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポリオルガノシロキサン中の全ケイ素原子に対し0〜1モル%であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン(A)の好ましい態様としては、ビニル重合性官能基含有シロキサン単位0.3〜3モル%と、ジメチルシロキサン単位99.7〜97モル%(ただし、ビニル重合性官能基含有シロキサン単位とジメチルシロキサン単位の合計を100モル%とする。)とからなり、3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポリオルガノシロキサン中の全ケイ素原子に対し1モル%以下であるポリオルガノシロキサンが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン(A)の平均粒子径は特に制限されないが、成形品の表面外観がさらに良好となることから、400nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。下限値については、20nm以上が好ましい。
ここで、ポリオルガノシロキサン(A)の平均粒子径は、粒度分布測定器を用いて質量基準の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布より算出される値(質量平均粒子径)である。
(ポリオルガノシロキサン(A)の製造方法)
ポリオルガノシロキサン(A)は、例えばジメチルシロキサンと、ビニル重合性官能基含有シロキサンとを含むシロキサン混合物を重合することで得られる。重合の方法としては特に制限されないが、乳化重合が好ましい。
ジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が好ましく、3〜7員環のジメチルシロキサン系環状体がより好ましい。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。これらジメチルシロキサンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ビニル重合性官能基含有シロキサンとしては、ビニル重合性官能基を含有し、かつ、ジメチルシロキサンとシロキサン結合を介して結合し得るものであれば特に制限されないが、ジメチルシロキサンとの反応性を考慮すると、ビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシラン化合物が好適である。具体的には、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシロキサン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンなどが挙げられる。これらビニル重合性官能基含有シロキサンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シロキサン混合物の重合は、通常、乳化剤と水と酸触媒とを用いて行われる。
乳化剤としてはアニオン系乳化剤が好ましい。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸系の乳化剤が好ましい。これら乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化剤の使用量は、シロキサン混合物100質量部に対して0.05〜5質量部が好ましい。乳化剤の使用量が0.05質量部以上であれば、分散状態が安定しやすく、微小な粒子径の乳化状態を保持しやすくなる。一方、乳化剤の使用量が5質量部以下であれば、乳化剤に起因する成形品の着色を抑制できる。
酸触媒としては、スルホン酸類(例えば脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸など)等の有機酸触媒;鉱酸類(例えば硫酸、塩酸、硝酸など)等の無機酸触媒などが挙げられる。これら酸触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、後述するシロキサンラテックス(a)のラテックスの安定化作用にも優れている点で脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。また、n−ドデシルベンゼンスルホン酸と硫酸等の鉱酸とを併用すると、ポリオルガノシロキサン(A)の製造に用いた乳化剤の色が成形品の色に与える影響を小さく抑えることができる。
酸触媒の添加量は適宜決めればよいが、通常、シロキサン混合物100質量部に対して0.1〜20質量部程度である。
酸触媒の混合は、シロキサン混合物と乳化剤と水とを混合するタイミングで行ってもよいし、シロキサン混合物に乳化剤と水とを添加して乳化させラテックス(シロキサンラテックス(a))とし、これを微粒子化した後でもよい。得られるポリオルガノシロキサン(A)の粒子径を制御しやすいことから、シロキサンラテックス(a)を微粒子化した後に、シロキサンラテックス(a)と酸触媒とを混合することが好ましい。特に、微粒子化したシロキサンラテックス(a)を酸触媒水溶液中に一定速度で滴下することが好ましい。
なお、酸触媒をシロキサン混合物と乳化剤と水とを混合するタイミングで混合する場合は、これらを混合した後に微粒子化することが好ましい。
シロキサンラテックス(a)は、例えば高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用することで微粒子化できる。
シロキサン混合物と乳化剤と水と酸触媒とを混合する方法や、微粒子化したシロキサンラテックス(a)と酸触媒とを混合する方法としては、例えば高速攪拌による混合、ホモジナイザー等の高圧乳化装置による混合などが挙げられる。中でも、ホモジナイザーを使用した方法は、ポリオルガノシロキサン(A)の粒子径の分布を小さくできるので好適である。
重合温度は、50℃以上が好ましく、80℃以上が好ましい。
なお、微粒子化したシロキサンラテックス(a)を酸触媒水溶液中に滴下する場合、酸触媒水溶液の温度は50℃以上が好ましく、80℃以上が好ましい。
重合時間は、シロキサン混合物と乳化剤と水とを混合するタイミングで酸触媒を混合する場合は、2時間以上が好ましく、5時間以上がさらに好ましい。一方、微粒子化したシロキサンラテックス(a)と酸触媒とを混合する場合は、微粒子化したシロキサンラテックス(a)を酸触媒水溶液中に滴下した後、1時間程度保持することが好ましい。
重合の停止は、反応液を冷却した後、反応液の25℃におけるpHが6〜8程度になるように水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性物質で反応液を中和することによって行うことができる。
ポリオルガノシロキサン(A)の平均粒子径は、シロキサン混合物の組成、酸触媒の使用量(酸触媒水溶液中の酸触媒の含有量)、重合温度などを調整することで制御できる。例えば、酸触媒の使用量が少なくなるほど平均粒子径は大きくなる傾向にあり、重合温度が高くなるほど平均粒子径は小さくなる傾向にある。
<アルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)>
複合ゴム状重合体(C)を構成する(メタ)アクリレート系重合体(B)は、アルキル(メタ)アクリレート単量体を1種以上含む単量体成分を重合して得られるものである。この単量体成分には、アルキル(メタ)アクリレート単量体以外の単量体(他の単量体)が含まれていてもよい。
アルキル(メタ)アクリレート単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ラウリル等のメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらアルキル(メタ)アクリレート単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、成形品の耐衝撃性がより向上する点で、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
単量体成分100質量%中のアルキル(メタ)アクリレート単量体の割合は、80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましい。
他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート単量体と共重合可能であれば特に制限されないが、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等)、シアン化ビニル化合物(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)などが挙げられる。これら他の単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)の製造方法は特に制限されず、公知の方法に従って行うことができる。
<複合ゴム状重合体(C)>
複合ゴム状重合体(C)は、ポリオルガノシロキサン(A)とアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)とが複合した複合ゴムである。
複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径は100〜200nmであり、120〜180nmが好ましい。体積平均粒子径が100nm未満であると成形品の耐衝撃性と表面平滑性が低下し、体積平均粒子径が200nmを超えると成形品の表面平滑性が低下する。
ここで、複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径は、粒度分布測定器を用いて体積基準の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布より算出される値である。
また、複合ゴム状重合体(C)中の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合は5〜25体積%である。すなわち、複合ゴム状重合体(C)は、粒子径が300〜500nmである粒子が全粒子中に5〜25体積%の割合を占める粒子径分布を有する。粒子径が300〜500nmである粒子の割合が5体積%未満であると成形品のブロンズ現象の抑制効果が低下し、25体積%を超えると成形品の表面平滑性が低下する。成形品の耐衝撃性と表面外観のバランスがより良好なものとなることから、粒子径が300〜500nmである粒子の割合は5〜15体積%が好ましい。
また、複合ゴム状重合体(C)中の全粒子中に占める、粒子径が500nm超である粒子の割合は、1体積%未満が好ましく、0.1体積%未満がより好ましい。
(複合ゴム状重合体(C)の製造方法)
複合ゴム状重合体(C)の製造方法は特に制限されないが、ポリオルガノシロキサン(A)とアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)を各々含む複数のラテックスをヘテロ凝集もしくは共肥大化する方法;ポリオルガノシロキサン(A)およびアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)のいずれか一方を含むラテックス存在下で、他の一方の重合体を形成する単量体成分を重合させて複合化させる方法などが挙げられる。
特に複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径および粒子径分布を上述した範囲内となるように容易に調整できることから、ラテックス状のポリオルガノシロキサン(A)の存在下で、アルキル(メタ)アクリレート単量体を1種以上含む単量体成分をラジカル重合させて共重合体ラテックスを得た後(ラジカル重合工程)、該共重合体ラテックスと酸基含有共重合体ラテックスとを混合することにより、共重合体ラテックスを肥大化させる(肥大化工程)方法が好ましい。さらに、共重合体ラテックスと酸基含有共重合体ラテックスとを混合する前に、共重合体ラテックスに縮合酸塩を添加することが好ましい。
ラジカル重合工程:
ラジカル重合工程は、ラテックス状のポリオルガノシロキサン(A)の存在下で、アルキル(メタ)アクリレート単量体を1種以上含む単量体成分をラジカル重合する工程である。
アルキル(メタ)アクリレート単量体を1種以上含む単量体成分は、ラテックス状のポリオルガノシロキサン(A)に一括して添加してもよいし、連続的に、あるいは断続的に添加してもよい。
アルキル(メタ)アクリレート単量体を1種以上含む単量体成分をラジカル重合させる際には、必要に応じてグラフト交叉剤や架橋剤を用いてもよい。
グラフト交叉剤、架橋剤としては、例えば、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,4−ブチレングリコールジエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合には、通常、ラジカル重合剤および乳化剤を用いる。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などが挙げられる。これらの中では、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩とナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートとハイドロパーオキサイドとを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好ましい。
乳化剤としては特に制限されないが、ラジカル重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高められることから、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩が好ましい。これらの中では、得られるグラフト共重合体(E)およびこれを含む熱可塑性樹脂組成物を高温成形した際にガス発生を抑制できることから、アルケニルコハク酸ジカリウムが好ましい。
複合ゴム状重合体(C)におけるポリオルガノシロキサン(A)とアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)との比率は特に制限されないが、成形品の耐衝撃性と表面外観がより優れたものとなることから、ポリオルガノシロキサン(A)とアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)との合計を100質量%としたときに、ポリオルガノシロキサン(A)の割合が4〜14質量%であることが好ましい。
肥大化工程:
肥大化工程は、ラジカル重合工程にて得られる共重合体ラテックスと、酸基含有共重合体ラテックスとを混合することにより、共重合体ラテックスを肥大化させる工程である。
肥大化に用いる酸基含有共重合体ラテックスは、水中にて、酸基含有単量体、アルキル(メタ)アクリレート単量体、および必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を含む単量体成分を重合して得られる酸基含有共重合体のラテックスである。
酸基含有単量体としては、カルボキシ基を有する不飽和化合物が好ましく、該化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。酸基含有単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレート単量体としては、アクリル酸および/またはメタクリル酸と、炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基を有するアルコールとのエステルが挙げられ、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。アルキル(メタ)アクリレート単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の単量体は、酸基含有単量体およびアルキル(メタ)アクリレート単量体と共重合可能な単量体であり、かつ酸基含有単量体およびアルキル(メタ)アクリレート単量体以外の単量体である。他の単量体としては、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等)、シアン化ビニル化合物(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、2つ以上の重合性官能基を有する化合物(例えば、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸ポリエチレングリコールエステル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメリット酸トリアリル等)などが挙げられる。他の単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これら単量体の使用量としては、酸基含有共重合体ラテックスの固形分100質量%中の割合として、酸基含有単量体単位が5〜40質量%となる量、アルキル(メタ)アクリレート単量体単位が60〜95質量%となる量、他の単量体単位が0〜48質量%となる量が好ましく、酸基含有単量体単位が8〜30質量%となる量、アルキル(メタ)アクリレート単量体単位が70〜92質量%となる量、他の単量体単位が0〜30質量%となる量がより好ましい。酸基含有単量体単位の割合が5質量%以上、アルキル(メタ)アクリレート単量体単位の割合が95質量%以下であれば、十分な肥大化能力が得られる。また、酸基含有単量体単位の割合が40質量%以下、アルキル(メタ)アクリレート単量体単位の割合が60質量%以上であれば、酸基含有共重合体ラテックス製造の際に多量の凝塊物が生成するのを抑制できる。また、他の単量体単位が48質量%以下であれば、得られる酸基含有共重合体ラテックスが十分な肥大化能力を有することができる。
酸基含有共重合体ラテックスは一般的な乳化重合法により製造することができる。
乳化重合で使用される乳化剤としては、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ロジン酸のアルカリ金属塩、アルケニルコハク酸のアルカリ金属塩等で例示されるカルボン酸系の乳化剤;アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等の中から選ばれたアニオン系乳化剤など、公知の乳化剤が挙げられる。これら乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化剤の使用方法としては、重合初期に全量を一括して添加してもよいし、連続的に、あるいは断続的に添加してもよい。乳化剤量やその使用方法によっては、酸基含有共重合体ラテックスの粒子径を、ひいては粒径肥大化された複合ゴム状重合体(C)ラテックスの粒子径に影響を及ぼす場合があるため、適正な量および使用方法を選択することが好ましい。
乳化重合に用いる重合開始剤としては、熱分解型開始剤やレドックス型開始剤等が使用できる。熱分解型開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられ、レドックス型開始剤としては、クメンハイドロパーオキシドに代表される有機過酸化物−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート−鉄塩等の組み合わせが例示される。これら重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化重合の際には、分子量を調整するためにメルカプタン類(例えばt−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等)、テルピノレン、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用したり、pHを調節するためにアルカリや酸、減粘剤として電解質を添加したりすることもできる。
肥大化工程における酸基含有共重合体ラテックスの添加量(固形分換算量)は、複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径および粒子径分布が上述した範囲内となるように調整すればよいが、通常は、ラジカル重合工程にて得られる共重合体ラテックスの固形分100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましく、0.3〜3質量部がより好ましい。酸基含有共重合体ラテックスの添加量が0.1質量部以上であれば、肥大化が十分に進行する。また、凝塊物が多量に発生するのを抑制できる。一方、酸基含有共重合体ラテックスの添加量が5質量部以下であれば、肥大化ラテックスのpHが低下するのを抑制でき、ラテックスが不安定になりにくい。
酸基含有共重合体ラテックスは、共重合体ラテックスに一括して添加してもよいし、滴下により連続的または断続的に添加してもよい。
なお、肥大化工程に先立ち、共重合体ラテックスに縮合酸塩を添加することがさらに好ましい。酸基含有共重合体ラテックスを添加する前に共重合体ラテックスに縮合酸塩を添加しておけば、肥大化が進行し易くなることで酸基含有共重合体ラテックスの添加量を減らすことが可能となり、複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径および粒子径分布を上述した範囲内に調整することが容易になる。
縮合酸塩としては、例えばリン酸、ケイ酸等の縮合酸と、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属との塩が用いられる。これらの中でも、リン酸の縮合酸であるピロリン酸とアルカリ金属の塩が好ましく、ピロリン酸ナトリウムまたはピロリン酸カリウムが特に好ましい。
縮合酸塩の添加量は、複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径および粒子径分布が上述した範囲内となるように調整すればよいが、通常は、ラジカル重合工程にて得られる共重合体ラテックスの固形分100質量部に対し、0.1〜5質量部とすることが好ましく、0.3〜3質量部がより好ましい。縮合酸塩の添加量が0.1質量部以上であれば肥大化が十分に進行し、5質量部以下であれば肥大化が十分に進行する、あるいはゴムラテックスが安定化しやすく、多量の凝塊物が発生するのを抑制できる。
縮合酸塩は、共重合体ラテックスに一括して添加することが好ましい。
共重合体ラテックスと縮合酸塩との混合物の25℃におけるpHは7以上であることが好ましい。pHが7以上であれば肥大化が十分に進行しやすくなる。pHを7以上とするために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの一般的なアルカリ化合物を使用することができる。
肥大化時の攪拌は適度に制御することが好ましい。攪拌が不十分な場合には、局部的に肥大化が進行することにより未肥大のゴム状重合体が残留することがある。一方、過度に攪拌を行うと、肥大化ラテックスが不安定になり、凝塊物が多量に発生することがある。
肥大化を行う際の温度は特に制限されないが、20〜90℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。温度がこの範囲外であると、肥大化が十分に進行しない場合がある。
なお、複合ゴム状重合体(C)は、上記のように酸基含有共重合体ラテックスを用いて肥大化した後、アルキル(メタ)アクリレート単量体を1種以上含む単量体成分をさらに添加して重合させることにより製造してもよい。
<グラフト共重合体(E)>
グラフト共重合体(E)は、複合ゴム状重合体(C)に1種以上のビニル系単量体(d)がグラフト重合した共重合体である。
ビニル系単量体(d)としては特に制限されないが、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シアン化ビニル化合物などが好ましい。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル等が挙げられる。シアン化ビニル化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。中でも、成形品の耐衝撃性がより向上することから、スチレンとアクリロニトリルとを併用することが好ましい。
(グラフト共重合体(E)の製造方法)
グラフト共重合体(E)は、複合ゴム状重合体(C)に1種以上のビニル系単量体(d)をグラフト重合して得られる。
グラフト重合を行う方法としては特に制限されないが、反応が安定して進行するように制御可能であることから乳化重合が好ましい。具体的には、複合ゴム状重合体(C)に1種以上のビニル系単量体(d)を一括して仕込んだ後に重合する方法;複合ゴム状重合体(C)に1種以上のビニル系単量体(d)の一部を先に仕込み、随時重合させながら残りを重合系に滴下する方法;複合ゴム状重合体(C)に1種以上のビニル系単量体(d)の全量を滴下しながら随時重合する方法などが挙げられ、これらを1段ないしは2段以上に分けて行うことができる。また、各段における1種以上のビニル系単量体(d)の種類や組成比を変えて行うことも可能である。
複合ゴム状重合体(C)と1種以上のビニル系単量体(d)の質量比は特に制限されないが、成形品の耐衝撃性と表面外観とのバランスがより良好なものとなることから、複合ゴム状重合体(C)を10〜80質量%、1種以上のビニル系単量体(d)を20〜90質量%とすることが好ましく、複合ゴム状重合体(C)を30〜70質量%、1種以上のビニル系単量体(d)を30〜70質量%とすることが特に好ましい(ただし、複合ゴム状重合体(C)と1種以上のビニル系単量体(d)の合計を100質量%とする。)。かかる質量比でグラフト重合すると、熱可塑性樹脂組成物の流動性、および成形品の耐衝撃性と表面外観がより優れたものとなる。
グラフト重合には、通常、ラジカル重合開始剤および乳化剤を用いる。これらラジカル重合開始剤および乳化剤としては、複合ゴム状重合体(C)の製造方法の説明において先に例示したラジカル重合開始剤および乳化剤などが挙げられる。
また、ラジカル重合を行う際には、得られるグラフト共重合体(E)の分子量やグラフト率を制御するため、各種公知の連鎖移動剤を添加してもよい。
グラフト共重合体(E)は、通常、ラテックスの状態で得られる。グラフト共重合体(E)のラテックスからグラフト共重合体(E)を回収する方法としては、例えばグラフト共重合体(E)のラテックスを、凝固剤を溶解させた熱水中に投入することによってスラリー状に凝析する湿式法;加熱雰囲気中にグラフト共重合体(E)のラテックスを噴霧することによって半直接的にグラフト共重合体(E)を回収するスプレードライ法などが挙げられる。
湿式法に用いる凝固剤としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸;塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩などが挙げられ、重合で用いた乳化剤に応じて選定される。例えば、乳化剤として脂肪酸石鹸やロジン酸石鹸等のカルボン酸石鹸のみが使用されている場合には上述した凝固剤の1種以上を用いることができる。また、乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤を使用した場合には、凝固剤としては金属塩が好適である。
湿式法を用いると、スラリー状のグラフト共重合体(E)が得られる。このスラリー状のグラフト共重合体(E)から乾燥状態のグラフト共重合体(E)を得る方法としては、まず残存する乳化剤残渣を水中に溶出させて洗浄し、次いで、このスラリーを遠心またはプレス脱水機等で脱水した後に気流乾燥機等で乾燥する方法;圧搾脱水機や押出機等で脱水と乾燥とを同時に実施する方法などが挙げられる。かかる方法によって、粉体または粒子状の乾燥グラフト共重合体(E)が得られる。
洗浄条件としては特に制限されないが、乾燥後のグラフト共重合体(E)100質量%中に含まれる乳化剤残渣量が0.5〜2質量%の範囲となる条件で洗浄することが好ましい。グラフト共重合体(E)中の乳化剤残渣が0.5質量%以上であれば、得られるグラフト共重合体(E)およびこれを含む熱可塑性樹脂組成物の流動性がより向上する傾向にある。一方、グラフト共重合体(E)中の乳化剤残渣が2質量%以下であれば、熱可塑樹脂組成物を高温成形した際にガス発生を抑制できる。
なお、圧搾脱水機や押出機から排出されたグラフト共重合体(E)を回収せず、直接、樹脂組成物を製造する押出機や成形機に送って成形品とすることも可能である。
<作用効果>
以上説明した本発明のグラフト共重合体(E)は、上述した複合ゴム状重合体(C)に1種以上のビニル系単量体(d)をグラフト重合して得られるものである。複合ゴム状重合体(C)は、ポリオルガノシロキサン(A)と、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)とが複合したものである。また、複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径が100〜200nmであり、かつ複合ゴム状重合体(C)の全粒子中に占める300〜500nmの粒子の割合が5〜25体積%である。このような構成のグラフト共重合体(E)は、耐衝撃性に優れ、ブロンズ現象が抑制され、しかも表面平滑性にも優れた成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物の材料として好適である。
「熱可塑性樹脂組成物」
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述した本発明のグラフト共重合体(E)を含有する。熱可塑性樹脂組成物はグラフト共重合体(E)のみで構成されていてもよいが、グラフト共重合体(E)以外の熱可塑性樹脂(他の熱可塑性樹脂(F))を含有することが好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物は添加剤を含有していてもよい。
他の熱可塑性樹脂(F)としては特に制限されないが、例えばアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体(αSAN樹脂)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−スチレン−N−置換マレイミド三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸−N−置換マレイミド三元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン共重合体(AES樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン(SBR)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種オレフィン系エラストマー、各種ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、PPS樹脂、PES樹脂、PEEK樹脂、ポリアリレート、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン)などが挙げられる。
これら他の熱可塑性樹脂(F)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、酸化防止剤や光安定剤等の各種安定剤、滑剤、可塑剤、離型剤、染料、顔料、帯電防止剤、無機充填剤などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体(E)の含有量は20〜60質量%であることが好ましく、他の熱可塑性樹脂(F)の含有量は40〜80質量%(ただし、グラフト共重合体(E)と他の熱可塑性樹脂(F)の合計を100質量%とする。)であることが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(E)と、他の熱可塑性樹脂(F)と、必要に応じて添加剤とをV型ブレンダやヘンシェルミキサー等により混合分散させ、これにより得られた混合物をスクリュー式押出機、バンバリーミキサ、加圧ニーダ、ミキシングロール等の溶融混練機等を用いて溶融混練することにより製造される。また、必要に応じてペレタイザー等を用いて溶融混練物をペレット化してもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のグラフト共重合体(E)を含有するので、耐衝撃性に優れ、ブロンズ現象が抑制され、しかも表面平滑性にも優れた成形品を得ることができる。
「成形品」
本発明により得られる成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を公知の成形方法によって成形してなるものであり、耐衝撃性に優れ、ブロンズ現象が抑制され、しかも表面平滑性にも優れる。
成形方法としては、例えば射出成形法、プレス成形法、押出成形法、真空成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
成形品の用途としては、灯具・内装・外装等の車両用部品、OA機器や家電部品、壁材・窓枠等の建材部品、玩具、文房具等の雑貨などが挙げられ、車両用灯具が好適である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中の「%」および「部」は明記しない限りは質量基準である。
以下の実施例および比較例における各種測定および評価方法は、以下の通りである。
なお、実施例9、10は参考例である。
「測定・評価」
<複合ゴム状重合体(C)の粒子径分布および平均粒子径の測定>
ナノトラック粒度分布計(日機装株式会社製、「UPA−EX150」)を用い、測定溶媒として純水を用いて、複合ゴム状重合体ラテックス(C)の体積基準の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布より平均粒子径、および粒子径が300〜500nmの粒子の割合を求めた。
<耐衝撃性の評価>
ISO 3167に準拠してペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械株式会社製、「IS55FP−1.5A」)によって試験片(成形品)を作製した。この試験片のシャルピー衝撃強度をISO 179に準拠して、23℃雰囲気下で測定した。
<表面平滑性の評価>
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、4オンス射出成形機(株式会社日本製鋼所製、)を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度60℃、射出率が20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み2mmの板状の試験片(成形品)を作製した。
次いで、得られた試験片上に、真空蒸着機(アルバック機工株式会社製、「VPC−1100」)により、真空度6.0×10−3Pa、成膜速度1nm/秒の条件で膜厚50nmのアルミニウム蒸着膜を形成した。このようにしてダイレクト蒸着を行った成形品について、反射率計(有限会社東京電色製、「TR−1100AD」)を用いて拡散反射率を測定した。拡散反射率が小さいほど、表面平滑性に優れることを意味する。
<ブロンズ現象の評価>
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物から、4オンス射出成形機(株式会社日本製鋼所製、)を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度60℃、射出率が20g/秒の条件で、長さ100mm、幅100mm、厚み2mmの板状の試験片(成形品)を作製した。
得られた試験片にLED光源装置(株式会社ケンコー・トキナー製、「テクノライトKTL−100」)を用いて光を照射し、ブロンズ現象の発生の有無を目視にて確認し、以下の評価基準にて評価した。
○:ブロンズ現象が発生していない。
△:ブロンズ現象が僅かに発生した。
×:ブロンズ現象が顕著に発生した。
「ポリオルガノシロキサンの製造」
<製造例1:ポリオルガノシロキサン(A)の製造>
オクタメチルシクロテトラシロキサン98部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部を混合してシロキサン混合物100部を得た。これに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部、イオン交換水300部からなる水溶液を添加し、ホモミキサーにて10000回転/分で2分間撹拌した後、ホモジナイザーに300kg/cmの圧力で2回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
別途、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベンゼンスルホン酸10部と、イオン交換水90部とを投入し、10%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液(酸触媒水溶液)を調製した。
この酸触媒水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間にわたって滴下し、滴下終了後3時間その温度を維持した後、40℃以下に冷却した。次いで、この反応物を10%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に中和して、ポリオルガノシロキサン(A)のラテックスを得た。
得られたポリオルガノシロキサン(A)のラテックスを180℃で30分乾燥して固形分を求めたところ18.2%であった。また、質量基準の平均粒子径は30nmであった。
「酸基含有共重合体ラテックスの製造」
<製造例2:酸基含有共重合体ラテックス(K−1)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、イオン交換水200部、オレイン酸カリウム2部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4部、硫酸第一鉄七水塩0.003部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.009部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を窒素気流下で仕込み、60℃に昇温した。60℃になった時点から、アクリル酸n−ブチル85部、メタクリル酸15部、クメンヒドロパーオキサイド0.5部からなる混合物を120分かけて連続的に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、60℃を維持した状態で熟成を行い、固形分が33%、重合転化率が96%、酸基含有共重合体の体積平均粒子径が120nmである酸基含有共重合体ラテックス(K−1)を得た。
<製造例3:酸基含有共重合体ラテックス(K−2)の製造>
オレイン酸カリウムを1.5部、アクリル酸n−ブチルを88部、メタクリル酸を12部に変更した以外は製造例2と同様にして、固形分が33%、重合転化率が97%、酸基含有共重合体の体積平均粒子径が60nmである酸基含有共重合体ラテックス(K−2)を得た。
「グラフト共重合体の製造」
<製造例4:グラフト共重合体(E−1)の製造>
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、ポリオルガノシロキサン(A)のラテックスを固形分換算で5.0部と、アルケニルコハク酸ジカリウム0.48部と、イオン交換水190部とを仕込んで混合した。次いで、アルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)を構成する単量体としてアクリル酸n−ブチル45.0部、アリルメタクリレート0.4部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.09部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.12部からなる混合物を添加した。この反応器に窒素気流を通じることによって雰囲気の窒素置換を行い、内温を60℃まで昇温した。内温が60℃に達した時点で、硫酸第一鉄七水塩0.000075部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.00023部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、イオン交換水10部からなる水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間この状態を維持し、ポリオルガノシロキサンとポリブチルアクリレートゴムとが複合した複合ゴムを得た(ラジカル重合工程)。得られた複合ゴムの体積平均粒子径は90nmであった。
反応器内部の液温が70℃に低下した後、5%ピロリン酸ナトリウム水溶液を固形分として0.20部添加した。内温70℃で制御した後、酸基含有共重合体ラテックス(K−1)を固形分として0.30部添加し、30分撹拌、肥大化を行い、複合ゴム状重合体(C)のラテックスを得た(肥大化工程)。
得られたラテックス状の複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径は159nmであった。また、複合ゴム状重合体(C)の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合は10体積%であった。測定結果を表1に示す。
この複合ゴム状重合体(C)のラテックスに、硫酸第一鉄七水塩0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.3部、イオン交換水10部からなる水溶液を添加した。次いで、アクリロニトリル10部、スチレン30部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.18部からなる混合液を80分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を30分保持した後、アクリロニトリル2.5部、スチレン7.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.05部、n―オクチルメルカプタン0.02部からなる混合物を20分にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を30分保持した後、クメンヒドロパーオキシド0.05部を添加し、さらに温度75℃の状態を30分保持した後、冷却し、複合ゴム状重合体(C)に、アクリロニトリルとスチレンをグラフト重合させたシリコーン/アクリル複合ゴム系のグラフト共重合体(E−1)のラテックスを得た。
次いで、1%酢酸カルシウム水溶液150部を60℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(E−1)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(E−1)を得た。
<製造例5:グラフト共重合体(E−2)〜(E−14)の製造>
ラジカル重合工程で用いたポリオルガノシロキサン(A)、アルケニルコハク酸ジカリウム、およびアクリル酸n−ブチルの量と、肥大化工程で用いたピロリン酸ナトリウムの量、および酸基含有共重合体ラテックスの種類と量を表1に示すように変更した以外は、製造例4と同様にしてグラフト共重合体(E−2)〜(E−14)を得た。
各例で得られたグラフト共重合体(E−2)〜(E−14)を構成する複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径、および複合ゴム状重合体(C)の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合を表1に示す。
なお、グラフト共重合体(E−11)の製造において、ラジカル重合工程により得られた複合ゴムの体積平均粒子径は60nmであった。
Figure 0006335027
表1中の「(d)成分」は、複合ゴム状重合体(C)にグラフト重合するビニル系単量体であり、「AN」はアクリロニトリルであり、「St」はスチレンである。
「他の熱可塑性樹脂(F)」
<製造例6:他の熱可塑性樹脂(F−1)の製造>
アクリロニトリル27部およびスチレン73部を公知の懸濁重合により重合し、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25℃で測定した還元粘度が0.61dl/gであるアクリロニトリル−スチレン共重合体を得た。これを他の熱可塑性樹脂(F−1)として用いた。
<製造例7:他の熱可塑性樹脂(F−2)の製造>
アクリロニトリル19部、スチレン53部およびN−フェニルマレイミド28部を公知の連続溶液重合により重合し、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25℃で測定した還元粘度が0.65dl/gであるアクリロニトリル−スチレン−N−フェニルマレイミド三元共重合体を得た。これを他の熱可塑性樹脂(F−2)として用いた。
<他の熱可塑性樹脂(F−3)>
ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを構成単位とする、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製の「ユーピロンS2000F」を他の熱可塑性樹脂(F−3)として用いた。
<他の熱可塑性樹脂(F−4)>
三菱レイヨン株式会社製の「タフペットPBTN1100」を他の熱可塑性樹脂(F−4)として用いた。
「実施例1〜14、比較例1〜6」
表2〜5に示す量のグラフト共重合体(E)および他の熱可塑性樹脂(F)と、エチレンビスステアリルアミド1部と、シリコーンオイルSH200(東レ・ダウコーニング株式会社製)0.2部と、アデカスタブAO−60(株式会社ADEKA製)0.2部と、アデカスタブLA−57(株式会社ADEKA製)0.4部と、カーボンブラック0.8部とをヘンシェルミキサーを用いて混合した。スクリュー式押出機(株式会社日本製鋼所製、「TEX−30α型二軸押出機」)を用いて、得られた混合物を250℃にて溶融混練した後、ペレタイザーにてペレット化した熱可塑性樹脂組成物を得た。
得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて試験片(成形品)を作製し、耐衝撃性、表面平滑性、およびブロンズ現象を評価した。これらの結果を表2〜5に示す。
Figure 0006335027
Figure 0006335027
Figure 0006335027
Figure 0006335027
表2〜5中の「体積平均粒子径」は、グラフト共重合体(E)の製造に用いた複合ゴム状重合体(C)の体積平均粒子径(nm)である。
「300〜500nmの粒子割合」は、グラフト共重合体(E)の製造に用いた複合ゴム状重合体(C)の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合(体積%)である。
「(A)/((A)+(B))」は、グラフト共重合体(E)の製造に用いた複合ゴム状重合体(C)を構成する、ポリオルガノシロキサン(A)とアルキル(メタ)アクリレート系重合体(B)との合計を100質量%としたときの、ポリオルガノシロキサン(A)の使用割合(質量%)である。
表2〜5に示すように、各実施例で得られた熱可塑性樹脂組成物からは、耐衝撃性に優れ、ブロンズ現象が抑制され、しかも表面平滑性にも優れた成形品が得られた。
一方、各比較例の場合、成形品の耐衝撃性、表面平滑性の何れかの項目に劣るか、ブロンズ現象の発生を抑制できなかった。
具体的には、比較例1および比較例5の場合、複合ゴム状重合体(C)の平均粒子径が95nmであったため、耐衝撃性および表面平滑性に劣っていた。
比較例2および6の場合、複合ゴム状重合体(C)の平均粒子径が220nmであったため、表面平滑性に劣っていた。
比較例3の場合、複合ゴム状重合体(C)の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合が3体積%であったため、ブロンズ現象の抑制効果に劣っていた。
比較例4の場合、複合ゴム状重合体(C)の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合が34体積%であったため、表面平滑性に劣っていた。
本発明によれば、耐衝撃性および表面平滑性に優れ、ブロンズ現象が起こりにくい成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物の材料として好適なグラフト共重合体、および該グラフト共重合体を含有する熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。特に成形品の耐衝撃性と表面外観のバランスは、従来知られている熱可塑性樹脂組成物では得られない非常に高いレベルであり、灯具・内装・外装などの車両用部品、OA機器や家電部品、壁材・窓枠などの建材部品等、各種工業用材料としての利用価値は極めて高い。

Claims (2)

  1. ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート系重合体とが複合した複合ゴム状重合体に、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含むビニル系単量体混合物がグラフト重合したグラフト共重合体であって、
    前記ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレート系重合体との合計を100質量%としたときに、ポリオルガノシロキサンの割合が4〜14質量%であり、
    前記複合ゴム状重合体の体積平均粒子径が100〜200nmであり、かつ前記複合ゴム状重合体の全粒子中に占める、粒子径が300〜500nmである粒子の割合が5〜25体積%である、グラフト共重合体。
  2. 請求項1に記載のグラフト共重合体を含有する、熱可塑性樹脂組成物。
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