JP6273767B2 - トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

この発明に係るトルク伝達用継手は、各種機械装置に組み込んで、駆動軸と被駆動軸との間でトルクを伝達する為に利用する。又、本発明の電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。この様な電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、前記電動モータにより回転駆動されるウォームと、前記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、前記電動モータの補助動力を、この回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、前記ウォームと前記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、前記回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜3に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向けて弾性的に押圧する事が考えられている。図25〜26は、このうちの特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持されており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の軸方向両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、前記ハウジング3内に回転自在に支持されている。更に、前記ウォーム軸6の先端部で前記転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒10を外嵌し、この押圧駒10と前記ハウジング3との間に、コイルばね11等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね11により、前記押圧駒10を介して、前記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を、前記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、前記歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な従来構造の場合、前記ウォーム歯5と前記ウォームホイール4との噛合部で前記歯打ち音が発生する事を抑えられるが、前記電動モータ7の出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部との結合部分で発生する歯打ち音を抑える事はできない。この点に就いて、以下に説明する。図示の構造の場合、前記電動モータ7の出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部とをトルクの伝達を可能に結合する為に、このウォーム軸6の基端部にスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。一方、前記出力軸12の先端部に、スプライン軸部14を形成している。そして、このスプライン軸部14と前記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、前記出力軸12と前記ウォーム軸6とをトルクの伝達を可能に結合している。
前記スプライン軸部14と前記スプライン孔13とが、円周方向の隙間なく(バックラッシュなしで)スプライン係合していれば、前記出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部との結合部(スプライン係合部)で、歯打ち音が発生する事はない。但し、実際の場合には、このスプライン係合部にはバックラッシュが存在している。特に、上述の図26に示す様な構造により、前記ウォーム歯5と前記ウォームホイール4との間のバックラッシュを抑える構造の場合には、前記ウォーム軸6を揺動変位させる必要上、前記スプライン係合部のバックラッシュを完全になくす事はできない。この為、このスプライン係合部での歯打ち音の発生を防止する事は難しい。
この様な歯打ち音の発生を防止できる構造として、例えば特許文献4、5には、駆動軸の端部と被駆動軸の端部とを、弾性材製の緩衝部材を備えたトルク伝達用継手(カップリング、軸継手)を介して結合する構造が記載されている。図27〜28は、このうちの特許文献4に記載された、従来構造のトルク伝達用継手15を示している。このトルク伝達用継手15は、駆動軸である電動モータの出力軸12の先端部にこの先端部と同心に支持される、金属製の駆動側伝達部材16と、被駆動軸であるウォーム軸6の基端部にこの基端部と同心に支持される、金属製の被駆動側伝達部材17と、これら駆動側伝達部材16と被駆動側伝達部材17との間に設けられる、ゴム製の緩衝部材18と、鋼球19とを備えている。
このうちの駆動側伝達部材16は、前記出力軸12の先端部に相対回転不能に支持された円板状の駆動側基部20と、この駆動側基部20のうちで前記被駆動側伝達部材17に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた3本の駆動側腕部21、21とを備える。一方、前記被駆動側伝達部材17は、前記ウォーム軸6の基端部に相対回転不能に支持された円板状の被駆動側基部22と、この被駆動側基部22のうちで前記駆動側伝達部材16に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた3本の被駆動側腕部23、23とを備える。又、前記緩衝部材18は、中空筒状の円筒部24と、この円筒部24の外周面から放射方向(半径方向であり、緩衝部材18の中心軸を通る仮想線上)にそれぞれ延出した、6本の被挟持部25、25とを備えている。
そして、前記トルク伝達用継手15の組立状態では、前記各駆動側腕部21、21と前記各被駆動側腕部23、23とを、円周方向に関して交互に配置する。又、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との円周方向側面同士の間部分に、前記各被挟持部25、25をそれぞれ介在させる。更に、前記鋼球19を、前記出力軸12の先端面と前記ウォーム軸6の基端面との間で挟持する。
以上の様な構成を有する従来構造のトルク伝達用継手15の場合、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との円周方向側面同士の間部分に、ゴム製の被挟持部25、25がそれぞれ介在している(挟持されている)。この為、金属製の駆動側腕部21と被駆動側腕部23とが直接接触する事を防止でき、前述した様な歯打ち音が発生する事を有効に防止できる。又、運転時に、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との間で伝達されるスラスト力を、前記鋼球19を介して伝達する事ができ、このスラスト力が前記緩衝部材18に伝達されずに済む。この為、この緩衝部材18の耐久性を長期間に亙り確保し易くできる。
但し、上述した様な従来構造のトルク伝達用継手15の場合、次の様な面で、未だ改良の余地がある。
即ち、従来構造のトルク伝達用継手15の場合には、前記鋼球19により、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との間でスラスト力を伝達する事ができて、このスラスト力が前記緩衝部材18に伝達されない様にする事はできるが、前記鋼球19によりスラスト力を低減(吸収)する事はできない。この為、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との間で伝達されるスラスト力が過大になる可能性がある。又、前記電動モータ7の正転時と逆転時とで、前記ウォーム軸6には軸方向に関して反対向きのスラスト力が作用する為、このウォーム軸6は軸方向に変位する(がたつく)傾向になるが、前記鋼球19によっては、この様なウォーム軸6のがたつきを抑制できない。この為、前記ウォーム軸6及び前記出力軸12と前記鋼球19とが勢いよく衝突して、異音を発生させる可能性がある。又、前記緩衝部材18と前記鋼球19とを、それぞれ別々に組み付ける必要がある為、組立作業効率が低くなるだけでなく、組み付け時に鋼球19が脱落する等して、トルク伝達用継手15から欠品し易くなる。
以上に説明した様な問題を解決する為に、例えば、前記緩衝部材18の一部に、この緩衝部材18と一体的に、前記出力軸12の先端面と前記ウォーム軸6の基端面との間で挟持される、前記鋼球19に相当する部分を設ける事も考えられる。但し、単にこの様な構成を採用した場合には、新たに次の様な問題を生じてしまう。
即ち、前記緩衝部材18のうちで、円周方向に隣り合う前記各駆動側腕部21と前記各被駆動側腕部23との円周方向側面同士の間部分に介在される前記各被挟持部25、25と、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との間に挟持される前記鋼球19に相当する部分とでは、それぞれが発揮する機能が異なる事に基づき、要求される特性が異なる。この為、前記緩衝部材18を構成する材料として、例えば前記各被挟持部25、25に適した材料をそのまま使用した場合に、前記鋼球19に相当する部分で十分な機能を発揮できなくなる可能性がある。例えば、前記各被挟持部25、25は、円周方向に隣り合う前記各駆動側腕部21と前記各被駆動側腕部23との円周方向側面同士の間で、円周方向に弾性変形させられて、歯打ち音の発生を防止するといった機能を発揮するが、この様な機能を発揮する面からは、温度に応じて剛性(捻り方向の剛性)が変化し易い材料を使用しても、大きな問題になる事はない。この為、前記緩衝部材18を、この様な材料から造る事も考えられる。但し、前記鋼球19に相当する部分は、温度に応じて剛性(軸方向の剛性)が大きく変化してしまうと、前記出力軸12と前記ウォーム軸6とに適正な予圧を付与するといった機能を十分に発揮できなくなる。この様に、前記緩衝部材18の一部に、前記鋼球19に相当する部分を単に設けただけでは、温度変化に拘わらず、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との相対変位に基づく異音の発生を防止する事は難しくなる。
又、従来構造のトルク伝達用継手15の場合には、各部材の寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収できるとは言い難い。例えば、各部材の組み付け誤差等に基づき、電動モータの出力軸12とウォーム軸6とが偏心した場合、この偏心は、前記緩衝部材18を構成する円筒部24及び被挟持部25、25の一部が弾性変形する事により吸収(許容)する必要がある。この為、前記緩衝部材18(主として円筒部24)が弾性変形し易い程、大きな偏心を吸収できる事になる。但し、従来構造の場合には、前記各被挟持部25、25を放射方向に配置して、前記各駆動側腕部21、21及び前記各被駆動側腕部23、23の円周方向側面をそれぞれ放射方向に配置している(駆動側、被駆動側各腕部21、23の円周方向側面を含むそれぞれの仮想平面が、駆動側、被駆動側各伝達部材16、17の中心軸を含んでいる)。この為、前記出力軸12が回転駆動され、トルクの伝達が開始されると、前記各駆動側腕部21、21のうちの回転方向前方側の円周方向側面と前記各被駆動側腕部23、23のうちの回転方向後方側の円周方向側面との間に存在する前記各被挟持部25、25に、基端部から先端部に亙り均一に、円周方向に弾性的に収縮させる力が作用する。これにより、前記円筒部24には引っ張り方向の力が作用する事になり、この円筒部24が径方向に弾性変形しにくくなる。この結果、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との偏心を吸収しにくくなり、各部材の寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を十分に吸収する事が難しくなる。又、前記円筒部24の外周面と前記駆動側、被駆動側各腕部21、23の内周側面との当接部の一部で面圧が過大になり、当該部分での摩擦抵抗が増大する事により、電動式パワーステアリング装置のシステム全体としての伝達効率を低下させる可能性がある。
更に、前記緩衝部材18を構成する被挟持部25、25をそれぞれ放射方向に配置している為、前記トルク伝達用継手15の組立状態で、前記緩衝部材18が、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との間部分からしか外部に露出しない。この為、前記緩衝部材18を目視確認しにくく、この緩衝部材18の組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率が低くなり易いと言った問題も生じる。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、上述した特許文献1〜5の他に、特許文献6がある。この特許文献6には、緩衝部材を、軸方向に重ね合わせた3つの部材から構成する発明が記載されているが、この様な特許文献6に記載された発明の場合にも、緩衝部材を構成する被挟持部を放射方向に配置しており、上述した様な問題を解決する事はできない。
特開2000−43739号公報 特開2004−306898号公報 特表2006−513906号公報 実開平3−73745号公報 特許第4523721号公報 特許第4779358号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、駆動軸と被駆動軸との間で伝達されるスラスト力を吸収できるだけでなく、組立作業効率の低下を抑えられ、しかも、温度変化に拘わらず、駆動軸と被駆動軸との相対変位に基づく異音の発生を防止できるトルク伝達用継手、及び、このトルク伝達用継手を備えた電動式パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
又、必要に応じて、駆動軸と被駆動軸との偏心を十分に吸収できる構造や、緩衝部材の外部からの視認性を高められる構造を実現するものである。
本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項1に記載したトルク伝達用継手の発明は、軸方向に関して互いに直列に配置された駆動軸と被駆動軸との端部同士の間でトルクを伝達するものであり、前記駆動軸の端部にこの駆動軸と同心に支持される駆動側伝達部材と、前記被駆動軸の端部にこの被駆動軸と同心に支持される被駆動側伝達部材と、これら駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間に設けられる弾性材製の緩衝部材とを備える。
このうちの駆動側伝達部材は、前記駆動軸の端部に支持される駆動側基部と、この駆動側基部のうちで前記被駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の駆動側腕部とを備える。
又、前記被駆動側伝達部材は、前記被駆動軸の端部に支持される被駆動側基部と、この被駆動側基部のうちで前記駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の被駆動側腕部とを備える。
更に、前記緩衝部材は、複数本の被挟持部を備える。
そして、前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部と被駆動側腕部との円周方向側面同士の間部分に、前記各被挟持部をそれぞれ介在させている。
特に本発明のトルク伝達用継手の場合には、前記駆動軸と前記被駆動軸との端面同士の間に、軸方向に圧縮した状態で挟持され、これら駆動軸と被駆動軸とに予圧を付与する、弾性材製(例えばゴム製)の軸方向予圧部材を、前記緩衝部材とは別体に設けている。
そして、この軸方向予圧部材を、前記緩衝部材の例えば中央部に設けられた支持筒部の内側に、軸方向に関する抜け止めを図った状態で挿入している。
又、本発明では、前記緩衝部材を、複数の緩衝片を軸方向に重ね合わせて構成し、このうちの何れかの緩衝片(例えば軸方向中間部に配置された緩衝片)に、この緩衝片よりも厚さ寸法が大きい(すなわち、緩衝片の軸方向端面よりもその軸方向端部が軸方向に突出した)前記支持筒部を設ける事ができる。
この様な本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記軸方向予圧部材を、前記支持筒部の内側に圧入(軽圧入)する。
又、本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記軸方向予圧部材の軸方向中間部を、前記支持筒部の内側に配置する。又、この軸方向予圧部材のうちで前記支持筒部からそれぞれ軸方向に突出した軸方向両端部に、この支持筒部の内径寸法よりも外径寸法が大きい抜け止め部をそれぞれ設ける。
又、本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記支持筒部の軸方向端部を、前記緩衝部材の軸方向端面よりも軸方向に突出させない様にする事ができる。
又、上述の様な本発明を実施する場合には、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記軸方向予圧部材を、前記複数の緩衝片のうち少なくとも支持筒部が設けられた緩衝片よりも、耐熱性に関する指標であるJISK 6257に規定される空気熱老化試験による評価、及び耐寒性に関する指標であるJIS K 6261に規定される低温衝撃ぜい化試験による評価の優れた材料{例えばシリコーンゴム(VMQ)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、四フッ化エチレンゴム(PTFE)}から造る。
更には、上述した様な本発明を実施する場合には、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記緩衝部材を構成する複数の緩衝片を、これら緩衝片にそれぞれ設けられた係合部と被係合部との係合(例えばスナップフィット)により互いに結合する。
又、本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項7に記載した発明の様に、前記緩衝部材を、非円形の筒状に構成する。この為に、それぞれが前記被駆動側腕部の円周方向両側に配置される平板状で且つ径方向外方に向かう程円周方向に関して互いに近づく方向に傾斜した1対の被挟持部より成る被挟持組み合わせ部を、円周方向等間隔複数個所(好ましくは4個所或いは3個所)に配置し、円周方向に隣り合う被挟持部同士の間で、それぞれの外径側端部同士を外径側覆い部を介して連続させた部分と、それぞれの内径側端部同士を内径側連続部を介して連続させた部分とを、円周方向に関して交互に配置する。又、前記支持筒部を、これら内径側連続部に連結した状態で設ける。
尚、前記被挟持組み合わせ部を構成する1対の被挟持部は、上述の様な関係を有する事で、放射方向に対する傾斜角度の大きさは互いに同じになるが、傾斜方向は逆向きになる。
又、上述の様な請求項7に記載した発明を実施する場合には、例えば前記各被挟持組み合わせ部を円周方向等間隔4個所に設け、前記緩衝部材を十字筒状とする事ができる。
又、上述の様な請求項7に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項8に記載した発明の様に、前記各駆動側腕部を構成する1対の円周方向側面のうちで、前記駆動軸の回転方向に関して前方に位置する円周方向側面を、放射方向に対して径方向外側に向かう程回転方向前方に向かう方向に傾斜させる。そして、前記各被挟持組み合わせ部を構成する1対の被挟持部同士の間部分に、前記各被駆動側腕部を配置すると共に、円周方向に隣り合う被挟持組み合わせ部同士の間部分に、前記各駆動側腕部を配置して、これら各駆動側腕部とこれら各被駆動側腕部とのうちの何れか片方の腕部の外周側面を前記各外径側覆い部によりそれぞれ覆う。
一方、本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項9に記載した電動式パワーステアリング装置の発明は、ハウジングと、操舵用回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、トルク伝達用継手とを備える。
このうちのハウジングは、固定の部分に支持されて回転する事がない。
又、前記操舵用回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
又、前記ウォームホイールは、前記ハウジングの内部で前記操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転する。
又、前記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
又、前記電動モータは、前記ウォームを回転駆動する為のものである。
更に、前記トルク伝達用継手は、前記電動モータの出力軸と前記ウォーム軸との間に設けられて、これら両軸同士の間でトルクを伝達するもので、上述の様な、本発明のトルク伝達用継手である。
以上の様な構成を有する本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置によれば、駆動軸と被駆動軸との間で伝達されるスラスト力を吸収できるだけでなく、組立作業効率の低下を抑えられ、しかも、温度変化に拘わらず、駆動軸と被駆動軸との相対変位に基づく異音の発生を防止する事が可能になる。
即ち、本発明の場合には、弾性材製の軸方向予圧部材を、駆動軸と被駆動軸との端面同士の間で挟持している為、これら両軸同士の間で伝達されるスラスト力の一部を吸収(低減)できる。又、前記軸方向予圧部材を、緩衝部材に設けた支持筒部に対して軸方向に関する抜け止めを図った状態で挿入している為、トルク伝達用継手の組立作業時に、前記軸方向予圧部材と前記緩衝部材とを一体的に取り扱う事が可能になると共に、この軸方向予圧部材の脱落防止も図れる。この為、組立作業効率の低下及び欠品の発生を有効に防止できる。更に、この軸方向予圧部材を、前記緩衝部材とは別体に構成している為、この軸方向予圧部材をこの緩衝部材とは異なる材料から造る事が可能になる。この為、この軸方向予圧部材を耐熱性や耐寒性に優れた材料(温度変化によって軸方向の剛性が変化しにくい材料)から造る事が可能になる。従って、温度変化に拘わらず、前記駆動軸と前記被駆動軸とに適正な予圧を付与し続ける事が可能になり、これら両軸の相対変位に基づく異音の発生を有効に防止できる。
又、請求項2に記載した発明によれば、簡易な構成により、前記支持筒部に対する前記軸方向予圧部材の抜け止めを図れる。
又、請求項3に記載した発明によれば、前記支持筒部に対する前記軸方向予圧部材の抜け止めをより有効に図れる。
又、請求項6に記載した発明の場合には、前記緩衝部材を容易に組み立てる事が可能になると共に、この緩衝部材の取り扱い性を良好にできる。
又、請求項7に記載した発明によれば、緩衝部材を構成する被挟持部の外径側端部同士を連続する外径側覆い部が、駆動側腕部と被駆動側腕部とのうちの何れか片方の腕部の外周側面を覆う。この為、トルク伝達用継手の組立状態で外部に露出している部分の面積が十分に大きくなり、緩衝部材の外部からの視認性を高くできる。従って、この緩衝部材を目視確認し易くなり(緩衝部材が目立ち)、この緩衝部材の組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率の向上を図れる。
又、請求項8に記載した発明によれば、駆動軸を回転駆動させて、トルクの伝達を開始すると、駆動側腕部の回転方向前方側の円周方向側面と、被駆動側腕部の回転方向後方側の円周方向側面との間で挟持する被挟持部に対し、緩衝部材の径方向内方に向いた力を作用させられる。この為、前記緩衝部材を径方向に弾性変形させ易い状態にできる。従って、駆動軸と被駆動軸との偏心(径方向に関するずれ)を効果的に吸収できる。
更に、請求項9に記載した発明の場合には、トルク伝達用継手を介して接続される、前記電動モータの出力軸と前記ウォーム軸とを調心させ易くなる。
本発明の実施の形態の1例を示す、トルク伝達用継手を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の要部断面図。 同じくトルク伝達用継手を取り出して示す斜視図。 同じく別の方向から見た状態で示すトルク伝達用継手の斜視図。 同じくトルク伝達用継手を取り出して示す分解斜視図。 同じく別の方向から見た状態で示すトルク伝達用継手の分解斜視図。 同じく図1の拡大A−A断面図。 同じくトルク伝達用継手を構成する駆動側伝達部材を取り出して、駆動側腕部の先端側から見た図。 同じくトルク伝達用継手を構成する被駆動側伝達部材を取り出して、被駆動側腕部の先端側から見た図。 同じく本発明に使用可能な被駆動側伝達部材の別例を示す、被駆動側腕部の先端側から見た斜視図(A)、及び、被駆動側腕部の基端側から見た斜視図(B)。 同じく軸方向予圧部材を組み付けた状態で示す緩衝部材の端面図。 同じく斜視図。 同じく別の方向から見た状態で示す斜視図。 同じく図10の左側から見た状態を示す側面図。 同じく軸方向予圧部材を組み付けた状態の内側緩衝片を取り出して示す、正面図(A)、右側面図(B)、背面図(C)。 同じく(A)は図14の(A)のB−B断面図であり、(B)は別例を示す断面図。 同じく軸方向予圧部材の別例を示す断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す図4に相当する斜視図。 同じく図5に相当する斜視図。 同じく図10に相当する端面図。 同じく図11に相当する斜視図 同じく図12に相当する斜視図。 同じく図13に相当する側面図。 同じく図14に相当する図。 同じく図15に相当する断面図。 自動車用操舵装置の1例を示す部分縦断側面図。 電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を示す、図25の拡大C−C断面図。 従来構造のトルク伝達用継手を示す分解斜視図。 同じく図6に相当する断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜16は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合には、電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータ7の出力軸12aの先端部と、ウォーム式減速機を構成するウォーム軸6aの基端部との間に、本例のトルク伝達用継手15aを設けて、前記出力軸12aから前記ウォーム軸6aにトルクを伝達可能としている。このトルク伝達用継手15aを除く、電動式パワーステアリング装置の構成及び作用は、前述の図25〜26に示した構造を含め、従来から広く知られている電動式パワーステアリング装置と同様であるから説明を省略し、以下、前記トルク伝達用継手15aの構成及び作用に就いて説明する。
前記トルク伝達用継手15aは、駆動軸である前記出力軸12aの先端部に、この先端部と同心に且つ相対回転不能に支持される駆動側伝達部材16aと、被駆動軸である前記ウォーム軸6aの基端部に、この基端部と同心に且つ相対回転不能に支持される被駆動側伝達部材17aと、これら駆動側伝達部材16aと被駆動側伝達部材17aとの間に設けられる弾性材製の緩衝部材18aと、この緩衝部材18aに支持されるこの緩衝部材18aとは別体の軸方向予圧部材26を備える。
このうちの駆動側伝達部材16aは、金属製で、駆動側基部20aと、4本の駆動側腕部21a、21aとを備える。この駆動側基部20aの中心部には、前記出力軸12aの先端部外周面に形成された雄セレーションとセレーション係合する、駆動側セレーション孔27が形成されている。又、前記各駆動側腕部21a、21aは、前記駆動側基部20aのうちで前記被駆動側伝達部材17aに対向する面の外径寄り部分に、円周方向に関して間欠的に(位相を90度ずつずらして)、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられている。又、前記各駆動側腕部21a、21aの軸方向寸法は、後述する被駆動側腕部23a、23aの軸方向寸法と等しい。
一方、前記被駆動側伝達部材17aは、金属製で、被駆動側基部22aと、4本の被駆動側腕部23a、23aとを備える。このうちの被駆動側基部22aの中心部には、前記ウォーム軸6aの基端部外周面に形成された雄セレーションとセレーション係合する、被駆動側セレーション孔28が形成されている。又、前記各被駆動側腕部23a、23aは、前記被駆動側基部22aのうちで前記駆動側伝達部材16aに対向する面の外径寄り部分に、円周方向に関して間欠的に(位相を90度ずつずらして)、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられている。尚、本例を実施する場合には、図9に示した様な、被駆動側腕部23b、23bの外径側部分が、被駆動側基部22bの外周縁よりも径方向外方に配置された、被駆動側伝達部材17bを使用する事もできる。
特に本例の場合、前記各駆動側腕部21a、21aを構成する1対の円周方向側面29a、29bを、従来構造の場合の様に放射方向には配置せず、放射方向に対してそれぞれ傾斜させている。具体的には、前記出力軸12aの回転方向が図6で時計回りである場合に回転方向前方側となる一方の円周方向側面29a、29aを、放射方向に対して径方向外側に向かう程回転方向前方に向かう方向(径方向内側に向かう程回転方向後方に向かう方向)に傾斜させている。これに対し、前記出力軸12aの回転方向が図6で反時計回りである場合に回転方向前方側となる他方の円周方向側面29b、29bを、放射方向に対して径方向外側に向かう程回転方向前方に向かう方向(径方向内側に向かう程回転方向後方に向かう方向)に傾斜させている。従って、本例の場合には、前記各駆動側腕部21a、21aが、特許請求の範囲に記載した一方の腕部に相当する。又、本例の場合には、前記各駆動側腕部21a、21aを構成する1対の円周方向側面29a、29bが為す角度を90度以上(図示の例ではおよそ110度)としている。
又、本例の場合には、前記各被駆動側腕部23a、23aを構成する1対の円周方向側面30a、30bに関しても、従来構造の場合の様に放射方向には配置せず、放射方向に対してそれぞれ傾斜させている。具体的には、前記出力軸12aの回転方向が図6で時計回りである場合に回転方向前方側となる一方の円周方向側面30a、30aを、放射方向に対して径方向外側に向かう程、回転方向後方に向かう方向に傾斜させている。これに対し、前記出力軸12aの回転方向が図6で反時計回りである場合に回転方向前方側となる他方の円周方向側面30b、30bを、放射方向に対して径方向外側に向かう程、回転方向後方に向かう方向に傾斜させている。従って、本例の場合には、前記各被駆動側腕部23a、23aが、特許請求の範囲に記載した他方の腕部に相当する。又、本例の場合には、前記各被駆動側腕部23a、23aを構成する1対の円周方向側面30a、30bの円周方向に関する間隔を、径方向外側に向かう程小さくしている(先細にしている)。
前記緩衝部材18aは、それぞれが略十字筒状である3つの緩衝片31、32(1つの内側緩衝片31と2つの外側緩衝片32)を軸方向に重ね合わせる事により構成されており、合計8つの被挟持部33a、33bと、4つの外径側覆い部34、34と、4つの内径側連続部41、41を備えている。
前記各被挟持部33a、33bは、それぞれ平板状であり、円周方向に隣り合う前記各駆動側腕部21aと前記各被駆動側腕部23aとの円周方向側面同士の間部分にそれぞれ介在されている。特に本例の場合には、円周方向に隣り合う1対の被挟持部33a、33b同士の間に、前記緩衝部材18aの中心軸を含む仮想平面(図10中の鎖線α、β、γ、δ上の平面)に関して鏡面対称で、且つ、径方向外側に向かう程、互いに近づくと共に放射方向に対してこの仮想平面に近づく方向に傾斜していると言った関係を持たせる事で、前記各被挟持部33a、33bを、従来構造の場合の様に放射方向には配置せずに、放射方向に対してそれぞれ傾斜させている(1対の被挟持部33a、33b同士の間では、傾斜方向が逆向きで、傾斜角度が等しい)。そして、上述の様な構成を有する1対の被挟持部33a、33bより成る被挟持組み合わせ部35を、円周方向等間隔4個所に配置している。
前記各外径側覆い部34、34は、それぞれの外周面形状が部分円筒面状であり、円周方向に隣り合う1対の被挟持部33a、33b同士のうちで、前記各被挟持組み合わせ部35、35を構成する被挟持部33a、33bの外径側端部同士を連続している。これに対し、円周方向に隣り合う1対の被挟持部33a、33bのうちで、それぞれが別の被挟持組み合わせ部35、35を構成する被挟持部33a、33bの内径側端部同士は、直接連続させて、当該部分を前記各内径側連続部41、41としている。これにより、円周方向に隣り合う被挟持部33a、33b同士の間で、それぞれの外径側端部同士を前記各外径側覆い部34、34を介して連続させた部分と、それぞれの内径側端部同士を前記各内径側連続部41、41により連続させた部分とを、円周方向に関して交互に配置している。そして、この様な構成を採用する事で、前記緩衝部材18aを略十字筒状に構成している。
又、本例の場合、前記緩衝部材18aを構成する3つの緩衝片31、32のうちで、軸方向中央に配置された前記内側緩衝片31を、軸方向両側に配置された前記両外側緩衝片32、32に比べて、弾性変形し易い材料から造っている。具体的には、前記内側緩衝片31を、ポリウレタンエラストマーから造り、前記両外側緩衝片32、32を、ポリウレタンエラストマーに比べて弾性変形し難い、ポリアセタール樹脂から造っている。
又、前記内側緩衝片31は、前記緩衝部材18aの組立状態で、それぞれが前記各被挟持部33a、33bを構成する内側被挟持片36a、36bと、それぞれが前記各外径側覆い部34、34を構成する内側覆い片37、37と、それぞれが前記各内径側連続部41、41を構成する内側連続部42、42とを有している。前記各外側緩衝片32、32に就いても同様に、前記緩衝部材18aの組立状態で、それぞれが前記各被挟持部33a、33bを構成する外側被挟持片38a、38bと、それぞれが前記各外径側覆い部34、34を構成する外側覆い片39、39と、それぞれが前記各内径側連続部41、41を構成する外側連続部43、43とを有している。従って、前記緩衝部材18aのうちの被挟持部33a、33bは、前記各内側被挟持片36a、36bと前記各外側被挟持片38a、38bとを軸方向にそれぞれ積層する事により構成されており、同じく外径側覆い部34、34は、前記各内側覆い片37、37と前記各外側覆い片39、39とを軸方向にそれぞれ積層する事により構成されており、同じく内径側連続部41、41は、前記各内側連続部42、42と前記各外側連続部43、43とを軸方向にそれぞれ積層する事により構成されている。
又、前記内側緩衝片31を構成する内側被挟持片36a、36bの幅寸法(円周方向に関する幅寸法)を、前記各外側緩衝片32、32を構成する外側被挟持片38a、38bの幅寸法(円周方向に関する幅寸法)よりもそれぞれ大きくしている。これにより、前記緩衝部材18aの組立状態で、前記各内側被挟持片36a、36bの円周方向両側面を、前記各外側被挟持片38a、38bの円周方向両側面よりも円周方向に向け突出させて、当該部分に膨出部40a、40bを形成している。そして、前記緩衝部材18aと、前記各駆動側腕部21a、21a及び前記各被駆動側腕部23a、23aとの組立状態で、前記各膨出部40a、40bを、前記各駆動側腕部21a、21aの円周方向側面29a、29bと前記各被駆動側腕部23a、23aの円周方向側面30a、30bとの間で、弾性的に僅かに押し潰す様にしている。本例の場合には、前記各膨出部40a、40bの幅寸法(突出量)を、前記各被挟持部33a、33bの長さ方向に亙り一定としている。
特に本例の場合には、前記内側緩衝片31の中央部に、前記軸方向予圧部材26をその内側に支持する為の支持筒部44を一体的に設けている。この支持筒部44は、その中心部に軸方向に貫通した貫通孔45が形成されており、全体を中空円筒状に構成している。この貫通孔45の内径寸法は、軸方向に亙り一定である。この様な構成を有する支持筒部44は、その軸方向中間部外周面に内周縁部が結合された薄肉円輪状の環状連結部49の外周縁部の円周方向等間隔4個所位置を、積層状態で前記各内径側連続部41、41を構成する内側連続部42、42の内周縁部にそれぞれ連結する事で、前記内側緩衝片31の内側に、この内側緩衝片31と一体的に設けられている。尚、この様な一体構造の内側緩衝片31と支持筒部44(及び環状連結部49)は、射出成形により同時に形成している。
前記軸方向予圧部材26は、前記内側緩衝片31を構成する材料(ポリウレタンエラストマー)に比べて、耐熱性及び耐寒性に優れた材料{例えばシリコーンゴム(VMQ)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、四フッ化エチレンゴム(PTFE)}から造られており、全体を円柱状に構成している。又、前記軸方向予圧部材26は、その軸方向寸法(全長)が、前記支持筒部44(貫通孔45)の軸方向寸法よりも長く、自由状態での外径寸法は、この貫通孔45の内径寸法よりも僅かに大きい。尚、本例の場合には、この軸方向予圧部材26の軸方向両端面をそれぞれ平坦面としているが、軸方向端面の形状は、平坦面に限らず、図16に示す様に、凸曲面(断面凸円弧形)としても良い。又、この凸曲面は、半球状以外にも、部分球状や部分楕円球状としても良い。この様に、軸方向予圧部材26の端面を凸曲面とする事で、この軸方向予圧部材26の弾力の大きさ(付与する予圧の大きさ)を細かく設定する事が可能になる。尚、耐熱性に関しては、JISK 6257に規定される方法(空気熱老化試験)により評価する事ができ、耐寒性に関しては、JISK 6261に規定される方法(低温衝撃ぜい化試験)により評価する事ができる。
そして、本例の場合には、上述の様な構成を有する軸方向予圧部材26を、前記支持筒部44の貫通孔45内に、径方向に僅かに弾性変形させた状態で圧入(軽圧入)している。これにより、前記軸方向予圧部材26を、前記支持筒部44に対して、軸方向に関する抜け止めを図った状態で挿入している。尚、この状態での、前記支持筒部44に対する前記軸方向予圧部材26の軸方向位置は任意に決定する事ができる。例えば図15の(A)に示した様に、前記軸方向予圧部材26の軸方向一端部のみを、前記支持筒部44から突出させる(軸方向他端面は支持筒部44の軸方向端面と同一仮想平面上に存在させる)事もできるし、同図の(B)に示した様に、前記軸方向予圧部材26の軸方向両端部を、前記支持筒部44からそれぞれ突出させる事もできる。
又、上述の様に、3つの緩衝片31、32から構成される前記緩衝部材18aの組立性並びに取り扱い性を高めるべく、前記内側緩衝片31と前記両外側緩衝片32、32とを、スナップフィット式の結合構造により着脱可能に結合している。この為に、前記各外側緩衝片32、32を構成する4つの外側覆い片39、39に、フック状(鉤形)の係止爪片46、46と係合凹部47、47とを円周方向に関して交互に形成している。尚、係止爪片46、46が特許請求の範囲に記載した係合部に相当し、係合凹部47、47が同じく被係合部に相当する。
前記各係止爪片46、46は、前記各外側覆い片39、39の軸方向片側面のうちの内径側端部に、軸方向に突出する状態で形成されている。又、前記各係止爪片46、46の先端部は、それぞれ径方向外側に向けて折れ曲がっている。これに対し、前記各係合凹部47、47は、前記各外側覆い片39、39の軸方向他側面に、軸方向に凹んだ状態で、直径方向に亙り形成されている。又、これら各外側覆い片39、39のうち、その軸方向他側面に前記各係合凹部47、47が形成された外側覆い片39、39の内周面には、前記各係止爪片46、46を通過させる為の凹溝48、48が形成されている。
前記内側緩衝片31と前記両外側緩衝片32、32とを結合するには、これら両外側緩衝片32、32を、前記内側緩衝片31の軸方向両側に、軸方向片側面同士を対向させ、且つ、これら両外側緩衝片32、32同士の位相を90度ずらした状態で配置する。これにより、円周方向4個所位置で、前記各係止爪片46、46と前記各係合凹部47、47(凹溝48、48)とを同一仮想線上に配置する。そして、前記両外側緩衝片32、32同士を互いに近づける事により、前記各係止爪片46、46を、径方向内方に弾性変形させつつ、前記内側緩衝片31を構成する内側覆い片37、37の径方向内側及び前記各凹溝48、48の内側を順次通過させる。そして、前記内側緩衝片31を軸方向に僅かに弾性変形させた状態で、前記各係止爪片46、46を径方向外方に弾性復帰させて、これら各係止爪片46、46の先端部を前記各係合凹部47、47に弾性的に係合させる。本例の場合には、この様なスナップフィット式の結合構造により、前記内側緩衝片31と前記両外側緩衝片32、32とを互いに結合して、前記緩衝部材18aを構成している。
又、上述の様に組み立てられる緩衝部材18aと、前記各駆動側腕部21a、21a、及び、前記各被駆動側腕部23a、23aとは、次の様に組み合わせる。即ち、図6に示す様に、前記各被挟持組み合わせ部35、35を構成する1対の被挟持部33a、33b同士の間部分で、前記軸方向予圧部材26及び前記環状連結部49の径方向外側部分に、前記各被駆動側腕部23a、23a(他方の腕部)を配置する。又、円周方向に隣り合う被挟持組み合わせ部35、35同士の間部分(円周方向に隣り合う1対の被挟持部33a、33bのうちで、それぞれが別の被挟持組み合わせ部35、35を構成する被挟持部33a、33b同士の間部分)に、前記各駆動側腕部21a、21a(一方の腕部)を配置する。これにより、前記各被駆動側腕部23a、23aの外周側面を、前記緩衝部材18aを構成する前記各外径側覆い部34、34により覆っている。又、この状態で、前記各駆動側腕部21a、21aを構成する1対の円周方向側面29a、29b、及び、前記各被駆動側腕部23a、23aを構成する1対の円周方向側面30a、30bを、円周方向に関してそれぞれ対向する前記各被挟持部33a、33bの円周方向側面に対し、全面に亙り当接させる。そして、前記各膨出部40a、40bを、弾性的に僅かに押し潰す。
又、図1に示す様に、本例のトルク伝達用継手15aを用いて、前記電動モータ7の出力軸12aと前記ウォーム軸6aとを接続した際に、これら出力軸12aの先端面とウォーム軸6aの基端面との間で、前記軸方向予圧部材26を軸方向に圧縮した(弾性変形させた)状態で直接挟持する。
以上の様な構成を有する本例のトルク伝達用継手15a及び電動式パワーステアリング装置の場合には、前記出力軸12aと前記ウォーム軸6aとの間で伝達されるスラスト力を吸収できるだけでなく、組立作業効率の低下を抑えられ、しかも、温度変化に拘わらず、前記出力軸12aと前記ウォーム軸6aとの相対変位に基づく異音の発生を防止できる。
先ず、本例の場合には、耐熱性及び耐寒性に優れた弾性材製の軸方向予圧部材26を、前記出力軸12aの先端面と前記ウォーム軸6aの基端面との間で挟持している為、前記電動モータ7の運転に伴い、このウォーム軸6aが前記出力軸12aに対して軸方向に変位した場合にも、衝突に基づく異音が発生する事を有効に防止できる。又、前記軸方向予圧部材26が弾性変形する事で、前記ウォーム軸6aと前記出力軸12aとの間で伝達されるスラスト力の一部を吸収(低減)する事ができ、残りのスラスト力を伝達できる。この為、前記ウォーム軸6aと前記出力軸12aとの間で伝達されるスラスト力が過大になる事を防止できる。又、前記軸方向予圧部材26が軸方向に弾性変形すると共に、前記環状連結部49が軸方向に弾性変形する(外周縁部と内周縁部との軸方向位置を変化させる)事で、前記緩衝部材18a(内側緩衝片31)にスラスト力が伝達される事を有効に防止できる為、この緩衝部材18aの耐久性を長期間に亙り確保する事もできる。又、前記軸方向予圧部材26の設置位置を、前記内側緩衝片31を介して規制できる為、この軸方向予圧部材26により発揮されるスラスト力の吸収機能を安定して得る事ができる。
又、本例の場合には、前記軸方向予圧部材26を、前記支持筒部44に対して軸方向に関する抜け止めを図った状態で設けている為、トルク伝達用継手15aの組立作業時に、前記軸方向予圧部材26と前記緩衝部材18a(内側緩衝片31)とを一体的に取り扱う事が可能になると共に、この軸方向予圧部材26の脱落防止も図れる。この為、組立作業効率の低下及び欠品の発生を有効に防止できる。又、円柱状の軸方向予圧部材26を、円筒状の支持筒部44の内側に挿入支持している為、この軸方向予圧部材26が、この支持筒部44に対して傾く事を有効に防止できて、この支持筒部44に対する前記軸方向予圧部材26の軸方向位置が変化する(抜け出る)事を有効に防止できる。
又、前記出力軸12aの先端面と前記ウォーム軸6aの基端面との間に、前記軸方向予圧部材26を軸方向に圧縮させた状態で挟持している為、前記ウォーム軸6aを前記出力軸12aとを軸方向に関して反対向きに付勢し、これら両軸6a、12aに予圧を付与できる。従って、前記電動モータ7の正転時と逆転時とで、前記ウォーム軸6aに軸方向に関して反対向きのスラスト力が作用する場合にも、このウォーム軸6aの軸方向への変位(がたつき)を有効に抑制できる。特に本例の場合には、前記軸方向予圧部材26を、前記内側緩衝片31とは別体に構成している為、この軸方向予圧部材26を、この内側緩衝片31とは異なる材料から造る事が可能になる。この為、この内側緩衝片31を、前記各内側被挟持部36a、36bに適した材料(ポリウレタンエラストマー)から造る場合にも、前記軸方向予圧部材26を、この軸方向予圧部材26に適した材料である、前記内側緩衝片31に比べて耐熱性や耐寒性に優れた材料{例えばシリコーンゴム(VMQ)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、四フッ化エチレンゴム(PTFE)}から造る事が可能になる。従って、温度変化に拘わらず、前記ウォーム軸6aと前記出力軸12aとに適正な予圧を付与し続ける事が可能になり、これら両軸6a、12aの相対変位に基づく異音の発生を防止できる。
又、本例の場合には、円周方向に隣り合う駆動側腕部21aと被駆動側腕部23aとの円周方向側面同士の間部分に、弾性材製の被挟持部33a、33bをそれぞれ介在させている為、歯打ち音の発生を有効に防止できる。
特に本例の構造の場合には、トルクの伝達に伴って、前記緩衝部材18aを、径方向に弾性変形させ易い状態にする事もできる。即ち、前記電動モータ7の出力軸12aを回転駆動させて、トルクの伝達を開始すると、前記各駆動側腕部21a、21aの円周方向側面29a、29bと前記各被駆動側腕部23a、23aの円周方向側面30b、30aとの間で挟持される、前記各被挟持部33a、33bに対し、次の様な力を作用させられる。
初めに、前記出力軸12aを図6の時計回りに回転駆動させて、トルクの伝達を開始する場合を考える。この場合、前記各駆動側腕部21a、21aのうちの回転方向前方側の円周方向側面29a、29aと、前記各被駆動側腕部23a、23aのうちの回転方向後方側の円周方向側面30b、30bとの間で、前記緩衝部材18aを構成する4本の被挟持部33a、33aが挟持される。そしてこの場合に、前記各駆動側腕部21a、21aを構成する円周方向側面29a、29aが、放射方向に対して径方向外側に向かう程回転方向前方に向かう方向に傾斜している事に起因して、前記各被挟持部33a、33a(膨出部40a、40a)は、外径側部分から内径側部分へと徐々に円周方向に弾性変形させられる(押し潰される)。そして、前記各被挟持部33a、33aには、前記緩衝部材18aの径方向内方に向いた力が作用する。
次に、前記出力軸12aを図6の反時計回りに回転駆動させて、トルクの伝達を開始する場合、前記各駆動側腕部21a、21aのうちの回転方向前方側の円周方向側面29b、29bと、前記各被駆動側腕部23a、23aのうちの回転方向後方側の円周方向側面30a、30aとの間で、前記緩衝部材18aを構成する4本の被挟持部33b、33bが挟持される。そしてこの場合に、前記各駆動側腕部21a、21aを構成する円周方向側面29b、29bが、放射方向に対して径方向外側に向かう程回転方向前方に向かう方向に傾斜している事に起因して、前記各被挟持部33b、33b(膨出部40b、40b)は、外径側部分から内径側部分へと徐々に円周方向に弾性変形させられる(押し潰される)。そして、前記各被挟持部33b、33bには、前記緩衝部材18aの径方向内方に向いた力が作用する。
この為、前記出力軸12aを図6の時計回りに回転駆動させた場合には、前記各被挟持部33a、33aの内径側端部の近傍部分を径方向内方に撓ませる(拘束力の弱い状態にする)事ができ、前記出力軸12aを図6の反時計回りに回転駆動させた場合には、前記各被挟持部33b、33bの内径側端部の近傍部分を径方向内方に撓ませる(拘束力の弱い状態にする)事ができる。従って、何れの場合にも、前記緩衝部材18aを、前述した従来構造の場合に比べて、径方向に弾性変形させ易い状態にできる。この結果、前記出力軸12aと前記ウォーム軸6aとの大きな偏心を吸収する事が可能になる。これにより、前記緩衝部材18aにより、各部材の寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収する事が可能になる。又、電動式パワーステアリング装置のシステム全体としての伝達効率の向上も図れる。
又、本例の場合、トルクの伝達開始時に、先ず、前記各駆動側腕部21b、21bの円周方向側面29a、29bと前記各被駆動側腕部23a、23bの円周方向側面30a、30bとの間で、軸方向中央に配置された弾性変形し易い材料から造られた内側緩衝片31を構成する内側被挟持片36a、36bが挟持される。そして、この内側緩衝片31を構成する内側被挟持片36a、36b(膨出部40a、40b)を所定量だけ弾性変形させた後、軸方向両側に配置された外側緩衝片32、32を構成する外側被挟持片38a、38bが挟持される。この様に、本例の場合には、前記内側、外側各緩衝片31、32を構成する被挟持片36a、36b、38a、38bが挟持されるタイミングを、これら緩衝片31、32同士の間で意図的にずらし、弾性変形し易い内側緩衝片31の被挟持片36a、36bから先に挟持される様にする事ができる。従って、トルク伝達開始の瞬間から、過大なトルクが伝達される事を防止できる(緩やかに伝達トルクを大きくできる)。
又、トルク伝達用継手15aの組立状態で、前記各膨出部40a、40bを円周方向に僅かに弾性変形させる事により、前記緩衝部材18a(及び軸方向予圧部材26)を、前記駆動側伝達部材16a及び前記被駆動側伝達部材17aに対して締め代を持たせた状態で取り付ける事ができる。従って、前記緩衝部材18aが、これら駆動側伝達部材16a及び被駆動側伝達部材17aに対してがたつく事を有効に防止でき、運転開始時や回転方向の変換時にも、トルクの伝達を安定して行う事が可能になる。
又、前記内側緩衝片31と前記両外側緩衝片32、32とを、前記各係止爪片46、46と前記各係合凹部47、47とを用いたスナップフィット式の結合構造により結合している為、前記緩衝部材18aを容易に組み立てる事ができると共に、この緩衝部材18aの取り扱い性を良好にできる。
又、前記緩衝部材18aを構成する被挟持部33a、33bの外径側端部同士を連続する外径側覆い部34、34が、前記各被駆動側腕部23a、23aの外周側面を覆っている。この為、トルク伝達用継手15aの組立状態で外部に露出している部分の面積が十分に大きくなり、前記緩衝部材18aの外部からの視認性を高くできる。従って、この緩衝部材18aを目視確認し易くなり(緩衝部材18aが目立ち)、この緩衝部材18aの組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率の向上を図れる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した従来構造のトルク伝達用継手、及び、電動式パワーステアリング装置の場合と同様である。
[実施の形態の第2例]
図17〜24は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の特徴は、支持筒部44に対する軸方向予圧部材26aの抜け止め構造を工夫した点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明並びに図示は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のトルク伝達用継手15bの場合、前記軸方向予圧部材26aを、軸方向中間部に設けられた軸部50と、軸方向両端部にそれぞれ設けられた部分球状の抜け止め部51a、51bとから構成している。このうちの軸部50は、円柱状で、その軸方向寸法は、支持筒部44(貫通孔45)の軸方向寸法と同じかこれよりも僅かに大きく、自由状態での外径寸法は、この貫通孔45の内径寸法と同じかこれよりも僅かに小さい。一方、前記各抜け止め部51a、51bは、それぞれ部分球状であり、軸方向に関して互いに反対側の面を凸曲面(部分球面)としている。又、前記両抜け止め部51a、51bは、前記軸部50との連結部の外径寸法を、前記貫通孔45の内径寸法よりも十分に大きくしている。これにより、前記両抜け止め部51a、51bのうち、軸方向に関して互いに対向する面(軸部50よりも径方向外側に位置する面)を円輪状の平坦面としている。又、前記両抜け止め部51a、51bは、互いに形状が異なっており、前記軸方向予圧部材26aの軸方向一端部に設けられた抜け止め部51aの方が、軸方向他端部に設けられた抜け止め部51bよりも、外径寸法に対する軸方向寸法の比率(凸曲面の曲率)が大きくなっている。この様な構成を有する前記軸方向予圧部材26aは、耐熱性及び耐寒性に優れた材料{例えばシリコーンゴム(VMQ)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、四フッ化エチレンゴム(PTFE)}から、一体的に造られている。
前記軸方向予圧部材26aを前記支持筒部44に対して組み付けるには、前記抜け止め部51aを先頭にして、前記貫通孔45に弾性的に押し込む。そして、この抜け止め部51aを、径方向内方に弾性変形させつつ、前記貫通孔45の内側を通過させて、この貫通孔45の内側に前記軸部50のみを配置する。この状態で、前記支持筒部44の軸方向両端面に、前記抜け止め部45a、45bの円輪状の平坦面をそれぞれ当接乃至は近接対向させる。本例の場合には、この様な構成により、前記軸方向予圧部材26aを、前記支持筒部44の内側に、軸方向に関する抜け止めを図った状態で挿入している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、上述した実施の形態の第1例の場合に比べて、前記支持筒部44に対する前記軸方向予圧部材26aの抜け止めがより有効に図れる。この為、この軸方向予圧部材26aが、内側緩衝片31から脱落したり、欠品したりする事をより有効に防止できる。尚、この様な抜け止め効果を更に向上させる為に、前記軸部50の自由状態での外径寸法を、前記貫通孔45の内径寸法よりも僅かに大きくし、この軸部50をこの貫通孔45に圧入(軽圧入)する事もできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明を実施する場合には、緩衝部材を3つの緩衝片から構成する構造に限定されず、2つの緩衝片により構成しても良いし、3つ以上(例えば4つ若しくは5つ或いはそれ以上)の緩衝片により構成しても良い。又、この場合に、緩衝部材を構成する全ての緩衝片を同じ材料から造る事もできるし、全ての緩衝片を異なる材料から造っても良い。反対に、緩衝部材を複数の緩衝片から構成せずに、1つの部材から構成(一体的に構成)しても良い。
又、軸方向予圧部材の形状に関しても、全体を円柱状としたものや、円柱状の軸部の両端部に部分球状の抜け止め部を設けたものに限定されず、全体を角柱状(4角柱や6角柱、8角柱等)としたものや、角柱状の軸部の端部(片端部或いは両端部)に、各種形状の抜け止め部を設けたものを採用する事もできる。尚、軸方向予圧部材を角柱状とする場合には、支持筒部に設ける貫通孔に関しても、軸方向予圧部材の輪郭に整合する形状の孔とする。又、軸方向予圧部材の弾性変形量を調整する為に、軸方向端面に凸部や凹部を形成しても良い。
又、膨出部の形状に関しても、被挟持部の長さ方向に亙り幅寸法が変化しない構造に限定されず、被挟持部の外径側に向かう程大きくし、膨出部を略三角形状としたり、膨出部の幅寸法(突出量)を、被挟持部の長さ方向中央に向かう程大きくし、これら各膨出部を凸円弧形としても良い。この様な構成を採用した場合には、膨出部が発揮する弾力を次第に大きくできる為、伝達トルクをより緩やかに大きくできる。
又、複数の緩衝片同士を連結する構造に関しても、実施の形態の構造に限定されない。係合部と被係合部とを係合させる所謂スナップフィット式の連結構造を採用する場合には、例えば凸部と凹部とを凹凸係合(嵌合)させる形式など、従来から知られた各種構造を採用する事ができる。
又、実施の形態では、部品の共通化によるコスト低減を意図して、1対の外側緩衝片同士を同形状としているが、本発明を実施する場合には、例えば、片側の外側緩衝片に係止爪片を4つ形成し、他側の外側緩衝片に係合凹部を4つ形成するなど、1対の外側緩衝片同士で異なる形状のものを使用することもできる。
更に、本発明を実施する場合に、電動モータの出力軸の先端部に、前記実施の形態の各例で示した被駆動側伝達部材17a(17b)と同様の形状を有する駆動側伝達部材を取り付け、ウォーム軸の基端部に、同じく駆動側伝達部材16aと同様の形状を有する被駆動側伝達部材を取り付けても良い。要するに、これら駆動側伝達部材16aと被駆動側伝達部材17a(17b)とは、入れ替えて使用しても良い。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6、6a ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駒
11 コイルばね
12、12a 出力軸
13 スプライン孔
14 スプライン軸部
15、15a トルク伝達用継手
16、16a 駆動側伝達部材
17、17a、17b 被駆動側伝達部材
18、18a 緩衝部材
19 鋼球
20、20a 駆動側基部
21、21a 駆動側腕部
22、22a、22b 被駆動側基部
23、23a、23b 被駆動側腕部
24 円筒部
25 被挟持部
26、26a 軸方向予圧部材
27 駆動側セレーション孔
28 被駆動側セレーション孔
29a、29b 円周方向側面
30a、30b 円周方向側面
31 内側緩衝片
32 外側緩衝片
33a、33b 被挟持部
34 外径側覆い部
35 被挟持組み合わせ部
36a、36b 内側被挟持片
37 内側覆い片
38a、38b 外側被挟持片
39 外側覆い片
40a、40b 膨出部
41 内径側連続部
42 内側連続部
43 外側連続部
44 支持筒部
45 貫通孔
46 係止爪片
47 係合凹部
48 凹溝
49 環状連結部
50 軸部
51a、51b 抜け止め部

Claims (9)

  1. 軸方向に関して互いに直列に配置された駆動軸と被駆動軸との端部同士の間でトルクを伝達するもので、
    前記駆動軸の端部にこの駆動軸と同心に支持される駆動側伝達部材と、前記被駆動軸の端部にこの被駆動軸と同心に支持される被駆動側伝達部材と、これら駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間に設けられる弾性材製の緩衝部材とを備え、
    このうちの駆動側伝達部材は、前記駆動軸の端部に支持される駆動側基部と、この駆動側基部のうちで前記被駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の駆動側腕部とを備えたものであり、
    前記被駆動側伝達部材は、前記被駆動軸の端部に支持される被駆動側基部と、この被駆動側基部のうちで前記駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の被駆動側腕部とを備えたものであり、
    前記緩衝部材は、複数本の被挟持部を備えたものであり、
    前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部と被駆動側腕部との円周方向側面同士の間部分に、前記各被挟持部をそれぞれ介在させているトルク伝達用継手に於いて、
    前記緩衝部材が、複数の緩衝片を軸方向に重ね合わせて構成されており、
    これら複数の緩衝片のうちの何れかの緩衝片に、この緩衝片よりも厚さ寸法が大きい支持筒部が設けられており、
    前記駆動軸と前記被駆動軸との端面同士の間に軸方向に圧縮した状態で挟持され、これら駆動軸と被駆動軸とに予圧を付与する、弾性材製の軸方向予圧部材が、前記緩衝部材を構成する前記複数の緩衝片とは別体に設けられており、この軸方向予圧部材が、前記支持筒部の内側に、軸方向に関する抜け止めが図られた状態で挿入されている事を特徴とするトルク伝達用継手。
  2. 前記軸方向予圧部材が、前記支持筒部の内側に圧入されている、請求項1に記載したトルク伝達用継手。
  3. 前記軸方向予圧部材の軸方向中間部を前記支持筒部の内側に配置しており、この軸方向予圧部材のうちで前記支持筒部からそれぞれ軸方向に突出した軸方向両端部に、この支持筒部の内径寸法よりも外径寸法が大きい抜け止め部がそれぞれ設けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手。
  4. 前記支持筒部の軸方向端部が、前記緩衝部材の軸方向端面よりも軸方向に突出していない、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手。
  5. 前記軸方向予圧部材が、前記複数の緩衝片のうちで少なくとも支持筒部が設けられた緩衝片よりも、JISK 6257に規定される空気熱老化試験による評価、及び、JIS K 6261に規定される低温衝撃ぜい化試験による評価の優れた材料から造られている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手。
  6. 前記緩衝部材を構成する複数の緩衝片が、これら緩衝片にそれぞれ設けられた係合部と被係合部との係合により互いに結合されている、請求項〜5のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手。
  7. 前記緩衝部材が、全体が非円形の筒状に構成されており、それぞれが前記被駆動側腕部の円周方向両側に配置される平板状で且つ径方向外方に向かう程円周方向に関して互いに近づく方向に傾斜した1対の被挟持部より成る被挟持組み合わせ部を、円周方向等間隔複数個所に配置し、円周方向に隣り合う被挟持部同士の間で、それぞれの外径側端部同士を外径側覆い部を介して連続させた部分と、それぞれの内径側端部同士を内径側連続部を介して連続させた部分とを、円周方向に関して交互に配置して成るものであり、前記支持筒部が、これら内径側連続部に連結された状態で設けられている、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手。
  8. 前記各駆動側腕部を構成する1対の円周方向側面のうちで、前記駆動軸の回転方向に関して前方に位置する円周方向側面が、放射方向に対して径方向外側に向かう程回転方向前方に向かう方向に傾斜しており、
    前記各被挟持組み合わせ部を構成する1対の被挟持部同士の間部分に、前記各被駆動側腕部を配置すると共に、円周方向に隣り合う被挟持組み合わせ部同士の間部分に、前記各駆動側腕部を配置して、これら各駆動側腕部とこれら各被駆動側腕部とのうちの何れか片方の腕部の外周側面を前記各外径側覆い部によりそれぞれ覆っている、請求項7に記載したトルク伝達用継手。
  9. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸と、前記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータとを備え、この電動モータの出力軸と前記ウォーム軸とをトルク伝達用継手により、トルクの伝達を可能に接続している電動式パワーステアリング装置に於いて、このトルク伝達用継手が、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手である、電動式パワーステアリング装置。

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