JP5942569B2 - トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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この発明に係るトルク伝達用継手は、各種機械装置に組み込んで、駆動軸と被駆動軸との間でトルクを伝達する為に利用する。又、本発明の電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。この様な電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、前記電動モータにより回転駆動されるウォームと、前記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、前記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、前記ウォームと前記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、前記回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜3に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する事が考えられている。図6〜7は、このうちの特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の軸方向両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、前記ハウジング3内に回転自在に支持されている。更に、前記ウォーム軸6の先端部で前記転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒10を外嵌し、この押圧駒10と前記ハウジング3との間に、コイルばね11等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね11により、前記押圧駒10を介して、前記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を、前記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、前記歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な従来構造の場合、前記ウォーム歯5と前記ウォームホイール4との噛合部で前記歯打ち音が発生する事を抑えられるが、前記電動モータ7の出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部との結合部分で発生する歯打ち音を抑える事はできない。この点に就いて、以下に説明する。図示の構造の場合、前記電動モータ7の出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部とをトルクの伝達を可能に結合する為に、このウォーム軸6の基端部にスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。一方、前記出力軸12の先端部に、スプライン軸部14を形成している。そして、このスプライン軸部14と前記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、前記出力軸12と前記ウォーム軸6とをトルクの伝達を可能に結合している。
前記スプライン軸部14と前記スプライン孔13とが円周方向の隙間なく(バックラッシュ無しで)スプライン係合していれば、前記出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部との結合部(スプライン係合部)で、歯打ち音が発生する事はない。但し、実際の場合には、このスプライン係合部にはバックラッシュが存在している。特に、上述の図7に示す様な構造により、前記ウォーム歯5と前記ウォームホイール4との間のバックラッシュを抑える構造の場合には、前記ウォーム軸6を揺動変位させる必要上、前記スプライン係合部のバックラッシュを完全になくす事はできない。この為、このスプライン係合部での歯打ち音の発生を防止する事は難しい。
この様な歯打ち音の発生を防止できる構造として、例えば特許文献4、5には、駆動軸の端部と被駆動軸の端部とを、弾性材製の緩衝部材を備えたトルク伝達用継手(カップリング、軸継手)を介して結合する構造が記載されている。図8〜9は、このうちの特許文献4に記載された、従来構造のトルク伝達用継手15を示している。このトルク伝達用継手15は、駆動軸である電動モータの出力軸12の先端部にこの先端部と同心に支持される、金属製の駆動側伝達部材16と、被駆動軸であるウォーム軸6の基端部にこの基端部と同心に支持される、金属製の被駆動側伝達部材17と、これら駆動側伝達部材16と被駆動側伝達部材17との間に設けられる、ゴム製の緩衝部材18と、鋼球19とを備えている。
このうちの駆動側伝達部材16は、前記出力軸12の先端部に相対回転不能に支持された円板状の駆動側基部20と、この駆動側基部20のうちで前記被駆動側伝達部材17に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた3本の駆動側腕部21、21とを備える。一方、前記被駆動側伝達部材17は、前記ウォーム軸6の基端部に相対回転不能に支持された円板状の被駆動側基部22と、この被駆動側基部22のうちで前記駆動側伝達部材16に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた3本の被駆動側腕部23、23とを備える。又、前記緩衝部材18は、円筒部24と、この円筒部24の外周面から放射方向(直径方向)にそれぞれ延出した、6本の被挟持部25、25とを備えている。
そして、前記トルク伝達用継手15の組立状態では、前記各駆動側腕部21、21と前記各被駆動側腕部23、23とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との間部分に、前記各被挟持部25、25をそれぞれ介在させる。更に、前記鋼球19を、前記出力軸12の先端面と前記ウォーム軸6の基端面との間で挟持する。
以上の様な構成を有する従来構造のトルク伝達用継手15の場合、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との間部分に、ゴム製の被挟持部25、25がそれぞれ介在している(挟持されている)。この為、金属製の駆動側腕部21と被駆動側腕部23とが直接接触する事を防止でき、前述した様な歯打ち音が発生する事を有効に防止できる。又、運転時に、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との間で伝達されるスラスト力を、前記鋼球19を介して伝達する事ができ、このスラスト力が前記緩衝部材18に伝達されずに済む。この為、この緩衝部材18の耐久性を長期間に亙り確保し易くできる。
但し、上述した様な従来構造のトルク伝達用継手15の場合、次の様な面で、未だ改良の余地がある。
即ち、従来構造のトルク伝達用継手15の場合には、前記各被挟持部25、25を放射方向に配置して、前記各駆動側腕部21、21及び前記各被駆動側腕部23、23の円周方向側面をそれぞれ放射方向に配置している(駆動側、被駆動側各腕部21、23の円周方向側面を含むそれぞれの仮想平面が、駆動側、被駆動側各伝達部材16、17の中心軸を通る)。この為、前記出力軸12が回転駆動すると、前記各被挟持部25、25には、円周方向に弾性的に圧縮させる力のみが作用して、前記出力軸12の回転開始直後に、大きなトルク伝達が開始される可能性がある。即ち、従来構造のトルク伝達用継手15は、出力軸12の回転量とトルク伝達とのヒステリシス(不感帯)が小さくなる。この様なヒステリシスの小さいトルク伝達用継手(電動式パワーステアリング装置)は、例えばスポーツカー等の一部の車種では好ましく使用される場合もある。但し、車種や条件によっては、ヒステリシスを大きくしたいとの要望もあり、従来構造のトルク伝達用継手15では、この様な要望に応える事はできない。又、従来構造のトルク伝達用継手15の場合には、トルク伝達時に、前記緩衝部材18を径方向に撓ませる様な力を作用させられない為、電動モータの出力軸12の中心軸とウォーム軸6の中心軸との位置関係が不一致になる様な、所謂アライメント誤差を十分に吸収する事も難しくなる。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、上述した特許文献1〜5の他に、特許文献6がある。
特開2000−43739号公報 特開2004−306898号公報 特表2006−513906号公報 実開平3−73745号公報 特許第4523721号公報 特許第4779358号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、トルク伝達開始時やトルク変動時のヒステリシスを大きくできると共に、寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収できるトルク伝達用継手、及び、このトルク伝達用継手を備えた電動式パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項1に記載したトルク伝達用継手の発明は、軸方向に関して互いに直列に配置された駆動軸と被駆動軸との端部同士の間でトルクを伝達するものであり、前記駆動軸の端部にこの駆動軸と同心に支持される駆動側伝達部材と、前記被駆動軸の端部にこの被駆動軸と同心に支持される被駆動側伝達部材と、これら駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間に設けられる弾性材製の緩衝部材とを備える。
このうちの駆動側伝達部材は、前記駆動軸の端部に支持される駆動側基部と、この駆動側基部のうちで前記被駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本(例えば2〜5本)の駆動側腕部とを備える。
又、前記被駆動側伝達部材は、前記被駆動軸の端部に支持される被駆動側基部と、この被駆動側基部のうちで前記駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本(例えば2〜5本)の被駆動側腕部とを備える。
そして、前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部と被駆動側腕部との間部分に、前記緩衝部材の一部をそれぞれ介在させている。
特に、本発明のトルク伝達用継手の場合には、前記緩衝部材を、円輪板状として、その径方向中間部に、前記各駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な駆動側挿入孔と、前記各被駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な被駆動側挿入孔とを、それぞれ軸方向に貫通する状態で、円周方向に関して交互に設ける。
又、前記各駆動側挿入孔と前記各被駆動側挿入孔とを、前記緩衝部材の円周方向に比べて直径方向に長い、楕円形、長円形又は長方形のうちの何れかの形状を有する長孔を、それぞれの長軸方向の中心線を直径方向(放射方向)に対して90度未満だけ傾斜させて得られる如き形状とする。
尚、前記各駆動側腕部及び前記各被駆動側腕部のそれぞれの断面形状は、前記各駆動側挿入孔と前記各被駆動側挿入孔とに、それぞれがたつきなく挿入可能な断面形状である。
上述した様な本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記各駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさを、全ての駆動側挿入孔同士の間で同じとする。又、前記各被駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさを、全ての被駆動側挿入孔同士の間で同じとする。そして、前記各駆動側挿入孔と前記各被駆動側挿入孔とで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向を反対にすると共に、傾斜角度の大きさを同じとする。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記各駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさを、全ての駆動側挿入孔同士の間で同じとする。又、前記各被駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさを、全ての被駆動側挿入孔同士の間で同じとする。そして、前記各駆動側挿入孔と前記各被駆動側挿入孔とで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさを同じとする。
要するに、請求項3に記載した発明の場合には、前記各駆動側挿入孔と前記各被駆動側挿入孔とを、回転対称形に配置する。
又、本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記緩衝部材を、複数の緩衝片を軸方向に積層する事により構成する。
更に、上述した様な請求項4に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項5に記載した発明の様に、軸方向両側に配置される1対の緩衝片のうち、少なくとも一方の緩衝片に、軸方向に向けて突出した係止爪を設ける。又、少なくとも他方の緩衝片に、この係止爪と係合可能な係止凹部を設ける。そして、軸方向両側に配置される前記1対の緩衝片により、軸方向中間部に配置される1乃至複数の緩衝片を挟持した状態で、前記係止爪と前記係止凹部とを係合させる。
一方、本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置の発明は、ハウジングと、操舵用回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、トルク伝達用継手とを備える。
このうちのハウジングは、固定の部分に支持されて回転しない。
又、前記操舵用回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
又、前記ウォームホイールは、前記ハウジングの内部で前記操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転する。
又、前記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
又、前記電動モータは、前記ウォームを回転駆動する為のものである。
更に、前記トルク伝達用継手は、前記電動モータの出力軸と前記ウォーム軸との間に設けられて、これら両軸同士の間でトルクを伝達するもので、上述の様な、本発明のトルク伝達用継手である。
以上の様な構成を有する本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置によれば、トルク伝達開始時やトルク変動時のヒステリシスを大きくできると共に、寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収できる。
即ち、本発明の場合には、駆動軸を回転駆動した際に、緩衝部材のうちで円周方向に隣り合う駆動側挿入孔と被駆動側挿入孔との間に存在する部分(被挟持部)に、円周方向成分だけでなく、径方向成分を有する力を作用させる事ができる。従って、トルク伝達開始時やトルク変動時に於ける、前記駆動軸の回転量と伝達トルクとのヒステリシスを大きくできる。又、駆動側、被駆動側各挿入孔(及び駆動側、被駆動側各腕部)の傾斜角度の大きさを調整する事で、ヒステリシスの大きさを適宜調整する事もできる。更に、緩衝部材が径方向に撓み易くなる為、寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収する事も可能になる。
又、請求項2に記載した発明によれば、前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部との形状(断面形状)、数、及び大きさが同じであれば、前記緩衝部材を表裏関係なく組み付ける事が可能になる為、この緩衝部材の組み付け性の向上を図れる。
これに対し、請求項3に記載した発明によれば、前記緩衝部材のうちで、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔と被駆動側挿入孔との間に存在する部分(被挟持部)の剛性を全ての部分で同じにできる。この為、駆動軸を一方向に回転させた場合と他方向に回転させた場合との、前記緩衝部材の撓み量を容易に同じにする事ができて、前記駆動軸の制御等を容易にできる。
又、請求項4に記載した発明によれば、複数の緩衝片同士の間で、弾性の大きさや駆動側、被駆動側各挿入孔の寸法等を異ならせる事ができる。この為、トルクの伝達開始時に、駆動側腕部と被駆動側腕部との間で前記各緩衝片が弾性変形させられるタイミングを、これら複数の緩衝片同士の間で意図的にずらす(例えば弾性変形し易い緩衝片から先に弾性変形させられる様にする)事ができる。従って、トルク伝達開始時やトルク変動時のヒステリシスをより大きくする上で有利になる(チューニングの自由度を向上できる)。
更に、請求項5に記載した発明の場合には、緩衝部材の取り扱い性、並びに、組み付け性を向上できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、トルク伝達用継手を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の要部断面図。 同じくトルク伝達用継手を取り出して示す図1のA部拡大図。 同じくトルク伝達用継手を取り出して模式的に示す分解斜視図。 同じく緩衝部材を構成する3つの緩衝片のうち、(A)はウォーム軸側の緩衝片を、(B)は軸方向中央の緩衝片を、(C)は電動モータ側の緩衝片をそれぞれ示すもので、(a)はウォーム軸側から見た端面図であり、(b)は(a)の右側面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2のB−B断面に相当する図。 自動車用操舵装置の1例を示す部分縦断側面図。 電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を示す、図6の拡大C−C断面図。 従来構造のトルク伝達用継手を示す分解斜視図。 同じく従来構造のトルク伝達用継手の断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1、2、4〜6に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合には、電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータ7の出力軸12aの先端部と、ウォーム式減速機を構成するウォーム軸6aの基端部との間に、本例のトルク伝達用継手15aを設けて、前記出力軸12aから前記ウォーム軸6aにトルクを伝達可能としている。このトルク伝達用継手15aを除く、電動式パワーステアリング装置の構成及び作用は、前述の図6〜7に示した構造を含め、従来から広く知られている電動式パワーステアリング装置と同様であるから説明を省略し、以下、前記トルク伝達用継手15aの構成及び作用に就いて説明する。
前記トルク伝達用継手15aは、駆動軸である前記出力軸12aの先端部にこの先端部と同心に支持される駆動側伝達部材16aと、被駆動軸である前記ウォーム軸6aの基端部にこの基端部と同心に支持される被駆動側伝達部材17aと、これら駆動側伝達部材16aと被駆動側伝達部材17aとの間に設けられる緩衝部材18aとを備える。
このうちの駆動側伝達部材16aは、金属製で、駆動側基部20aと、3本の駆動側腕部21a、21aとを備える。この駆動側基部20aは、円板状で、その中心部に、前記出力軸12aの先端部外周面に形成された雄セレーションとセレーション係合する、駆動側セレーション孔26が形成されている。又、前記各駆動側腕部21a、21aは、楕円柱状で、前記駆動側基部20aのうちで前記被駆動側伝達部材17aに対向する面の外径寄り部分に、円周方向に関して間欠的に(位相を120度ずつずらして)、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられている。又、前記各駆動側腕部21a、21aの軸方向寸法は、後述する被駆動側腕部23a、23aの軸方向寸法と等しい。
一方、前記被駆動側伝達部材17aは、金属製で、被駆動側基部22aと、3本の被駆動側腕部23a、23aとを備える。このうちの被駆動側基部22aは、円板状で、その中心部に、前記ウォーム軸6aの基端部外周面に形成された雄セレーションとセレーション係合する、被駆動側セレーション孔27が形成されている。又、前記各被駆動側腕部23a、23aは、楕円柱状で、前記被駆動側基部22aのうちで前記駆動側伝達部材16aに対向する面の外径寄り部分に、円周方向に関して間欠的に(位相を120度ずつずらして)、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられている。
又、本例の場合、前記駆動側、被駆動側各腕部21a、23aの断面形状に関する長軸方向の中心線(長辺)を、直径方向(放射方向)に対して90度未満だけ傾斜させている。特に本例の場合には、前記各駆動側腕部21a、21aと前記各被駆動側腕部23a、23aとで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさを同じとしている。具合的には、前記駆動側、被駆動側各腕部21a、23aを、それぞれ先端側から見た場合に、それぞれの長軸方向の中心線を直径方向に対して反時計方向に、それぞれ40度ずつ傾斜させている。
前記緩衝部材18aは、薄板円輪状の3つの緩衝片28、28aを軸方向に積層並びに係合する事により構成されており、全体形状が円輪板状で、その径方向中間部に、前記各駆動側腕部21a、21aをがたつきなく挿入可能な駆動側挿入孔29、29と、前記被駆動側腕部23a、23aをがたつきなく挿入可能な被駆動側挿入孔30、30とを、それぞれ軸方向に貫通する状態で、同一ピッチ円上に円周方向に関して交互に設けている。
又、本例の場合、前記駆動側、被駆動側各挿入孔29、30を、前記緩衝部材18aの円周方向に比べて直径方向に長い楕円形の長孔をそれぞれの長軸方向の中心線(長辺)を直径方向(放射方向)に対して90度未満だけ傾斜させて得られる如き形状としている。特に本例の場合には、前記各駆動側挿入孔29、29の長軸方向の中心線O29が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさ(θ29)を、全ての駆動側挿入孔29、29同士の間で同じとすると共に、前記各被駆動側挿入孔30、30の長軸方向の中心線O30が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさ(θ30)を、全ての被駆動側挿入孔30、30同士の間で同じとしている。そして、前記各駆動側挿入孔29、29と前記各被駆動側挿入孔30、30とで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向を円周方向に関して反対にすると共に、傾斜角度の大きさを同じとしている(θ29=θ30)。具体的には、前記緩衝部材18aを図3の左側(ウォーム軸6側)から見た場合に、前記各駆動側挿入孔29、29の長軸方向の中心線O29を直径方向に対して反時計方向にそれぞれ40度ずつ傾斜させると共に、前記各被駆動側挿入孔30、30の長軸方向の中心線O30を直径方向に対して時計方向にそれぞれ40度ずつ傾斜させている。
又、前記緩衝部材18aのうちで、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔29と被駆動側挿入孔30との間部分が、トルクの伝達時に、前記各駆動側腕部21a、21aと前記各被駆動側腕部23a、23aとの間で弾性的に挟持される(弾性変形させられる)、被挟持部25a、25bとなる。本例の場合、前記出力軸12aが図4の矢印X方向に回転駆動される場合に、前記各駆動側挿入孔29、29とこれら各駆動側挿入孔29、29よりも回転方向前方側に隣接する前記各被駆動側挿入孔30、30との間に存在する部分を、前記各被挟持部25a、25aとしている。反対に、前記出力軸12aが図4の矢印Y方向に回転駆動される場合に、前記各駆動側挿入孔29、29とこれら各駆動側挿入孔29、29よりも回転方向前方側に隣接する前記各被駆動側挿入孔30、30との間に存在する部分を、前記各被挟持部25b、25bとしている。図面に表れる形状から明らかな通り、前記各被挟持部25a、25aと前記各被挟持部25b、25bとは、互いに異なる形状(容積)を有している。
又、前記緩衝部材18aを構成する3つの緩衝片28、28aのうちで、軸方向中央に配置された緩衝片28aを、軸方向両側に配置された1対の緩衝片28、28に比べて、弾性変形し易い材料から造っている。具体的には、前記緩衝片28aを、ゴムやエラストマー等の弾性変形し易い材料から造ると共に、前記両緩衝片28、28を、ゴムやエラストマーに比べて弾性変形し難い、ポリアセタール樹脂やポリアミド樹脂等の合成樹脂から造っている。又、本例のトルク伝達用継手15aの場合には、トルク伝達の際に、駆動側、被駆動側各腕部21a、23aと、駆動側、被駆動側各挿入孔29、30との間で、僅かに滑りが発生する為、前記両緩衝片28、28を構成する合成樹脂として、自己潤滑性に優れた含油樹脂(例えば含油ポリアセタール樹脂、含油ポリアミド樹脂等)を用いるとより好ましい。
前記各緩衝片28、28aには、軸方向に積層された状態で前記駆動側挿入孔29、29を構成する第一通孔31、31aと、軸方向に積層された状態で前記被駆動側挿入孔30、30を構成する第二通孔32、32aとをそれぞれ形成している。本例の場合には、軸方向中央に配置される緩衝片28aに形成する第一通孔31a、31a及び第二通孔32a、32a(の長辺及び短辺の長さ)を、軸方向両側に配置される緩衝片28、28に形成する第一通孔31、31及び第二通孔32、32(の長辺及び短辺の長さ)よりも、少しだけ小さくしている。更に、前記各緩衝片28、28aのうちで、円周方向に隣り合う第一通孔31(31a)と第二通孔32(32a)との間部分には、軸方向に積層された状態でそれぞれが前記各被挟持部25a、25bを構成する、素被挟持部33a(33c)、33b(33d)が設けられている。
又、本例の場合には、軸方向両側に配置される前記各緩衝片28、28に、それぞれ3本ずつ、係止爪34、34を設けている。これら各係止爪34、34は、前記各緩衝片28、28のうちで、軸方向中央の緩衝片28aに対向する面の外径側部分に、円周方向に関して間欠的に(位相を120度ずつずらして)、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられている。又、前記各緩衝片28、28の外周縁部のうちで、円周方向に関して前記各係止爪34、34同士の間部分には、一方の緩衝片28に形成された係止爪34、34と係合可能な係止凹部35、35が設けられている。一方、軸方向中央に配置される前記緩衝片28aの外周縁部には、軸方向両側に配置される前記両緩衝片28、28に形成された合計6本の係止爪34、34を軸方向に通過させる為の切り欠き36、36が、円周方向等間隔6個所に形成されている。
又、本例の場合には、薄板円輪状の軸方向中央の緩衝片28aの内側に、軸部材37を、一体的に形成している。この軸部材37は、中空円筒状で、軸方向両端部の小径部38、38と軸方向中央部の大径部39とから成る。そして、このうちの大径部39の軸方向一端寄り部分を前記緩衝片28aの内周面に連続させる事で、この緩衝片28aの内側に、前記軸部材37を軸方向他側(電動モータ7側)に偏らせた状態で一体に形成している。このような一体構造の緩衝片28aと軸部材37とは、射出成形により同時に形成している。
本例のトルク伝達用継手15aを組み立てる際には、先ず、軸方向両側に配置される前記両緩衝片28、28により、軸方向中央に配置される前記緩衝片28aを挟持した状態で、前記各係止爪34、34と前記各係止凹部35、35とをそれぞれ係合させる。これにより、薄板円輪状の3つの緩衝片28、28aから1つの緩衝部材18aを組み立てる。そして、この緩衝部材18aのうちの前記各駆動側挿入孔29、29に、前記各駆動側腕部21a、21aを軸方向他側(図1、2、3の右側)からそれぞれがたつきなく挿入すると共に、同じく前記各被駆動側挿入孔30、30に、前記被駆動側腕部23a、23aを軸方向片側(図1、2、3の左側)からそれぞれがたつきなく挿入する。そして、この状態で、円周方向に隣り合う駆動側腕部21aと被駆動側腕部23aとの間部分に、弾性材製の被挟持部25a、25bをそれぞれ位置させる。又、前記緩衝片28aと一体に形成された軸部材37のそれぞれの端部(小径部38、38)を、前記駆動側、被駆動側各セレーション孔26、27内に挿入する。
以上の様な構成を有する本例のトルク伝達用継手15a及び電動式パワーステアリング装置の場合には、トルク伝達開始時やトルク変動時のヒステリシスを大きくできると共に、寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収できる。
即ち、本例の場合には、前記出力軸12aを回転駆動した際に、前記緩衝部材18aのうちで、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔29と被駆動側挿入孔30との間に存在する被挟持部25a、25bに、円周方向成分だけでなく、径方向成分を有する力を作用させる事ができる。より具体的には、前記出力軸12aを図4の矢印X方向に回転駆動させた場合に、前記各被挟持部25a、25aに、円周方向成分だけでなく、径方向内向の成分を有する力を作用させる事ができる。反対に、前記出力軸12aを図4の矢印Y方向に回転駆動させた場合には、前記各被挟持部25b、25bに、円周方向成分だけでなく、径方向外向の成分を有する力を作用させる事ができる。又、局部的に生じる滑りに基づく摩擦損失も大きくなる。従って、何れの方向に回転させた場合にも、トルク伝達開始時やトルク変動時に於ける、前記出力軸12aの回転量と伝達トルクとのヒステリシス(不感帯)を大きくできる(所望の過渡特性が得られる)。又、傾斜角度の大きさ(θ)を調整する事により、ヒステリシスの大きさを適宜調整する(チューニングする)事もできる。更に、前記緩衝部材18aが径方向に撓み易くなる為、寸法誤差や組み付け誤差等の誤差を効果的に吸収する事も可能になる。
又、本例の場合には、トルクの伝達開始時に、先ず、前記各駆動側腕部21a、21aと前記各被駆動側腕部23a、23aとの間で、軸方向中央に配置された弾性変形し易い材料から造られた緩衝片28aの素被挟持部33c(33d)が弾性変形させられる。そして、この緩衝片28aが所定量だけ弾性変形した後、軸方向両側に配置された緩衝片28、28の素被挟持部33a(33b)が弾性変形させられる。この様に、本例の場合には、前記各緩衝片28、28aが弾性変形するタイミングを、これら複数の緩衝片28、28a同士の間でずらす事ができる。従って、トルク伝達開始時やトルク変動時のヒステリシスをより大きくする上で有利になる(チューニングの自由度を向上できる)。
又、本例の場合には、前記緩衝部材18aを表裏関係なく組み付ける事ができる為、この緩衝部材18aの組み付け性が良好になる。又、この緩衝部材18aを、前記各係止爪34、34と前記各係止凹部35、35とを係合させて、3つの緩衝片28、28aを容易には分解(分離)できない様に組み立てる事により構成している為、この緩衝部材18aの取り扱い性、並びに、組み付け性を向上できる。
又、前記緩衝部材18aの径方向中間部に、前記各駆動側挿入孔29、29及び前記各被駆動側挿入孔30、30をそれぞれ設けている為、前記各緩衝片28、28aのうちの素被挟持部33a(33c)、33b(33d)を、前記第一、第二通孔31(31a)、32(32a)よりも径方向内側に存在する部分だけでなく、径方向外側に存在する部分によっても連続した状態にできる。従って、前記各緩衝片28、28aを射出成形により造る場合に、射出成形用金型のキャビティ内での材料の流動性を良好にできる為、前記各緩衝片28、28a、延いては前記緩衝部材18aの成形性を向上する事もできる(良好にできる)。又、前記トルク伝達用継手15aの組立状態で、前記緩衝部材18aが、前記駆動側、被駆動側各腕部21a、23aによって外側から覆われる事なく、この緩衝部材18aの外周面全体を外部に露出させる事ができる。この為、この緩衝部材18aのうちで外部に露出している部分の面積を十分に大きくできる。従って、この緩衝部材18aが目視確認し易くなり(緩衝部材18aを目立たせる事ができて)、この緩衝部材18aの組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率の向上を図れる。
又、本例の場合には、運転時に、前記出力軸12aと前記ウォーム軸6aとの間でスラスト力が作用した場合に、前記軸部材37が軸方向に弾性変形(収縮)し、前記スラスト力の一部を吸収しつつ、残りのスラスト力を伝達する。従って、前記出力軸12aと前記ウォーム軸6aとの間で伝達されるスラスト力を小さくできる。又、このスラスト力が、前記緩衝部材18aに伝達される事を有効に防止できる為、この緩衝部材18aの耐久性を長期間に亙り確保する事もできる。
その他の構成及び作用・効果に就いては、前述した従来構造のトルク伝達用継手、及び、電動式パワーステアリング装置の場合と同様である。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1、3〜6に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の特徴は、緩衝部材18bに形成する駆動側挿入孔29a、29aと被駆動側挿入孔30a、30aとを回転対称形に配置すると共に、駆動側腕部21b、21b及び被駆動側腕部23b、23bの形状を、前記各駆動側挿入孔29a、29a及び前記各被駆動側挿入孔30a、30aにそれぞれがたつきなく挿入可能な形状とした点にある。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する部分の説明並びに図示は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合にも、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、前記各駆動側挿入孔29a、29aの長軸方向の中心線O29a が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさ(θ29a )を、全ての駆動側挿入孔29a、29a同士の間で同じとすると共に、前記各被駆動側挿入孔30a、30aの長軸方向の中心線O30a が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさ(θ30a )を、全ての被駆動側挿入孔30a、30a同士の間で同じとしている。特に本例の場合には、前記各駆動側挿入孔29a、29aと前記各被駆動側挿入孔30a、30aとで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向を円周方向に関して同じにすると共に、傾斜角度の大きさを同じとしている(θ29a =θ30a )。具体的には、図5に示す様に、前記各駆動側挿入孔29a、29a及び前記各被駆動側挿入孔30a、30aの長軸方向の中心線を、それぞれ直径方向に対して反時計方向にそれぞれ40度ずつ傾斜させている。
これに伴って、それぞれが楕円柱状である前記各駆動側腕部21b、21bと前記各被駆動側腕部23b、23bとで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向を反対にすると共に、傾斜角度の大きさを同じとしている。具合的には、前記各駆動側腕部21b、21bを先端側から見た場合に、それぞれの長軸方向の中心線を直径方向に対して反時計方向に40度ずつ傾斜させると共に、前記被駆動側腕部23b、23bを先端側から見た場合に、それぞれの長軸方向の中心線を直径方向に対して時計方向に40度ずつ傾斜させている。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記緩衝部材18bのうちで、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔29aと被駆動側挿入孔30aとの間に存在する被挟持部25c、25cの剛性を全ての部分で同じにできる。この為、出力軸12a(図1参照)を一方向に回転させた場合と他方向に回転させた場合との、前記緩衝部材18bの撓み量を容易に同じにする事ができて、電動モータ7(図1参照)の制御等を容易にできる。
その他の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の各例では、駆動側腕部及び被駆動側腕部の断面形状を楕円形にすると共に、駆動側挿入孔及び被駆動側挿入孔の形状を楕円形にした場合のみを示したが、本発明を実施する場合に、駆動側、被駆動側各腕部の断面形状及び駆動側、被駆動側各挿入孔の形状は、楕円形に限定されず、例えば長円形や長方形としても良い。
又、実施の形態の各例では、緩衝部材を3つの緩衝片から構成する場合に就いて説明したが、本発明を実施する場合に、緩衝部材は、全体を一体に形成しても良い。又、複数の緩衝片を軸方向に積層して構成する場合には、緩衝部材は、2つの緩衝片により構成しても良いし、3つ以上(例えば4つ若しくは5つ或いはそれ以上)の緩衝片により構成しても良い。又、緩衝部材を構成する全ての緩衝片を同じ材料から造る事もできるし、全ての緩衝片を異なる材料から造っても良い。
又、実施の形態の各例では、緩衝部材を構成する複数の緩衝片同士を係合する為の係止爪と係止凹部とを、緩衝片の外径側部分に設けた場合を示したが、これら係止爪と係止凹部とは緩衝片の内径側部分(内周縁部)に設けても良い。又、緩衝片と軸部材とは別体に構成する事もできるし、軸部材は省略する事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6、6a ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駒
11 コイルばね
12、12a 出力軸
13 スプライン孔
14 スプライン軸部
15、15a トルク伝達用継手
16、16a 駆動側伝達部材
17、17a 被駆動側伝達部材
18、18a、18b 緩衝部材
19 鋼球
20、20a 駆動側基部
21、21a、21b 駆動側腕部
22、22a 被駆動側基部
23、23a、23b 被駆動側腕部
24 円筒部
25、25a、25b、25c 被挟持部
26 駆動側セレーション孔
27 被駆動側セレーション孔
28、28a 緩衝片
29、29a、29b 駆動側挿入孔
30、30a、30b 被駆動側挿入孔
31、31a 第一通孔
32、32a 第二通孔
33a、33b、33c、33d 素被挟持部
34 係止爪
35 係止凹部
36 切り欠き
37 軸部材
38 小径部
39 大径部

Claims (6)

  1. 軸方向に関して互いに直列に配置された駆動軸と被駆動軸との端部同士の間でトルクを伝達するもので、
    前記駆動軸の端部にこの駆動軸と同心に支持される駆動側伝達部材と、前記被駆動軸の端部にこの被駆動軸と同心に支持される被駆動側伝達部材と、これら駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間に設けられる弾性材製の緩衝部材とを備え、
    このうちの駆動側伝達部材は、前記駆動軸の端部に支持される駆動側基部と、この駆動側基部のうちで前記被駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の駆動側腕部とを備えたものであり、
    前記被駆動側伝達部材は、前記被駆動軸の端部に支持される被駆動側基部と、この被駆動側基部のうちで前記駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の被駆動側腕部とを備えたものであり、
    前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部と被駆動側腕部との間部分に、前記緩衝部材の一部をそれぞれ介在させているトルク伝達用継手に於いて、
    前記緩衝部材が、円輪板状で、径方向中間部に、前記各駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な駆動側挿入孔と、前記各被駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な被駆動側挿入孔とが、それぞれ軸方向に貫通する状態で、円周方向に関して交互に設けられており、
    前記各駆動側挿入孔と前記各被駆動側挿入孔とが、前記緩衝部材の円周方向に比べて直径方向に長い、楕円形、長円形又は長方形のうちの何れかの形状を有する長孔をそれぞれの長軸方向の中心線を直径方向に対して90度未満だけ傾斜させて得られる如き形状を有している、
    事を特徴とするトルク伝達用継手。
  2. 駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさが、全ての駆動側挿入孔同士の間で同じであり、同じく被駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさが、全ての被駆動側挿入孔同士の間で同じであり、前記各駆動側挿入孔とこれら各被駆動側挿入孔とで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向が反対であり、傾斜角度の大きさが同じである、請求項1に記載したトルク伝達用継手。
  3. 駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさが、全ての駆動側挿入孔同士の間で同じであり、同じく被駆動側挿入孔の長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさが、全ての被駆動側挿入孔同士の間で同じであり、前記各駆動側挿入孔とこれら各被駆動側挿入孔とで、それぞれの長軸方向の中心線が直径方向に対して傾斜している方向及び傾斜角度の大きさが同じである、請求項1に記載したトルク伝達用継手。
  4. 緩衝部材が、複数の緩衝片を軸方向に積層する事により構成されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手。
  5. 軸方向両側に配置される1対の緩衝片のうち、少なくとも一方の緩衝片に軸方向に突出した係止爪が設けられており、少なくとも他方の緩衝片にこの係止爪と係合可能な係止凹部が設けられており、軸方向両側に配置される前記1対の緩衝片により軸方向中間部に配置される緩衝片を挟持した状態で、前記係止爪と前記係止凹部とを係合させている、請求項4に記載したトルク伝達用継手。
  6. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸と、前記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータとを備え、この電動モータの出力軸と前記ウォーム軸とをトルク伝達用継手により、トルクの伝達を可能に接続している電動式パワーステアリング装置に於いて、このトルク伝達用継手が、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手である、電動式パワーステアリング装置。
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