JP5034788B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。本発明は、この様な電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータの出力軸と、減速機のウォーム軸とのスプライン係合部で、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する事を抑えられる構造の実現を意図して発明したものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。
例えば特許文献1には、図7〜8に示す様な電動式パワーステアリング装置が記載されている。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持されている。
上記ウォーム8を上記電動モータ7の出力軸10により回転駆動する為に、上記ウォーム軸6の基端部にスプライン孔11を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。又、上記出力軸10の先端部にスプライン軸部12を形成している。そして、このスプライン軸部12と上記スプライン孔11とをスプライン係合させる事で、上記出力軸10と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に結合している。
更に、図8に示した従来構造の場合、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部のバックラッシュをなくす為に、上記ウォーム軸6の先端部(図8の右端部)を上記ウォームホイール4に向け弾性的に押圧する様にしている。即ち、上記ウォーム軸6の先端部で先端側の転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒13を外嵌し、この押圧駒13と上記ハウジング3との間にコイルばね14等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね14により、上記押圧駒13を介して、上記ウォーム歯5を上記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、上記電動モータ7の起動時や回転方向の変換時に、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部での歯打ち音の発生を抑えている。尚、上記バックラッシュ解消の為の構造を設ける場合、上記ウォーム軸6の中心軸と上記出力軸10の中心軸とはずれるが、このずれは極く僅かであり、これら両軸6、10は、実質的には同心である。
上述の様な電動式パワーステアリング装置では、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部での歯打ち音の発生を抑えられるが、上記スプライン軸部12と上記スプライン孔11とのスプライン係合部での歯打ち音の発生は抑えられない。特に、このスプライン係合部には、或る程度隙間を設ける必要がある。この理由は、上記スプライン孔11と上記スプライン軸部12とをスプライン係合させる作業を容易に行なえる様にする必要上、更には上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との間のバックラッシュを抑えるべく、上記ウォーム軸6の先端部を上記ウォームホイール4に向け揺動変位させる必要上である。この様な必要上設けられる、上記スプライン係合部の隙間に基づいて、上記電動モータ7の起動時や回転方向の変換時に、このスプライン係合部で、雄スプライン歯の側面と雌スプライン歯の側面との衝突に基づく、騒音や振動が発生する。
電動モータの出力軸とウォーム減速機のウォーム軸との間でトルクを伝達する為のトルク継手部で、歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を防止する為の構造として従来から、特許文献2〜6に記載された構造が知られている。このうちの特許文献2に記載された構造は、互いにトルク伝達可能に結合する1対の軸の端面同士の間に弾性体を挟持して成る。この様な構造の場合には、軸方向のがたつきを防止できても、回転方向のがたつきを防止できず、従って、上記電動モータ7の起動時や回転方向の変換時に発生する騒音や振動を抑える事はできない。
又、特許文献3には、図9に示す様に、1対の連結部材15a、15bを、弾性部材16を介して、凹凸係合させる構造が記載されている。この従来構造では、上記両連結部材15a、15bと弾性部材16とを、トルク伝達方向に関し凹凸係合させる。この様な特許文献3に記載された構造によれば、上記電動モータ7の起動時や回転方向の変換時に発生する騒音や振動を抑える事はできる。但し、構造が複雑で、部品製作、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩むだけでなく、継手部の径方向寸法及び軸方向寸法が嵩み、限られた設置空間への組み付けが難しくなる。又、回転方向の衝撃を緩和する緩衝性能を調節する為には、全部の部品15a、15b、16を交換する必要があり、仕様が異なる電動式パワーステアリング装置同士の間で部品の共通化を図りにくい等の問題も生じる。この様な問題は、特許文献4〜6に記載された発明の構造の場合も生じる。
特開2004−306898号公報 特開2002−255047号公報 特開2006−177505号公報 特表2002−518242号公報 特開2005−306141号公報 特開2006−183676号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、出力軸の先端部とウォーム軸の基端部との間に設けるトルク継手部への弾性部材の組み付け状態を工夫する事により、上記両軸同士の間で歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止でき、しかも小型で且つ緩衝性能の調節が容易な構造を、低コストで実現すべく発明したものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置は、従来から知られている電動式パワーステアリング装置と同様に、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、トルク継手部とを備える。
このうちのハウジングは、固定の部分に支持されて回転する事がない。
又、上記回転軸は、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。尚、この様な回転軸としては、前述の図7に示したステアリングシャフト2の他、中間シャフト17、ステアリングギヤユニット18の入力軸(ピニオン軸)等が採用可能である。勿論、上記回転軸が何れであるかにより、上記ハウジングを支持する為の固定の部分は異なる。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されており、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成る。そして、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向端部を、軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持している。
又、上記電動モータは、上記ウォームを回転駆動する為、その出力軸を上記ウォーム軸と同心に配置している。
又、上記トルク継手部は、上記出力軸の先端部と上記ウォームの基端部との間に設けられて、この出力軸からこのウォームへのトルクの伝達を自在としている。そして、上記トルク継手部は、この出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの一方の端部に、当該端部の端面に開口する状態で設けられた、内周面に雌スプライン歯が形成された有底のスプライン孔と、上記出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの他方の端部に設けられた、上記スプライン孔とトルク伝達可能にスプライン係合する雄スプライン歯を外周面に形成したスプライン軸部とから成る。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置に於いては、上記スプライン軸部の先端部で上記雄スプライン歯を形成した部分よりも軸方向に突出した部分に、弾性材製のスリーブを外嵌している。このスリーブは、円筒部と、塞ぎ部と、突片とを備える。このうちの円筒部は、上記スプライン軸部の先端部外周面と上記雌スプライン歯の歯先との間で径方向に押圧される。又、上記塞ぎ部は、上記円筒部の軸方向一端開口を塞ぐ。更に、上記突片は、この塞ぎ部の軸方向両側面のうちでこの円筒部と軸方向反対側面に、この円筒部と反対側に突出する状態で設ける。そして、上記スリーブを、上記雌スプライン歯の歯先により径方向内方に向け、弾性的に押圧している。更に、上記円筒部の端縁を上記スプライン部のうちで上記雄スプライン歯を形成した部分の軸方向先端面に突き当てると共に、上記突片の先端部を上記スプライン孔の奥端面に突き当てて、上記スプライン軸部のうちで上記雄スプライン歯を形成した部分の軸方向先端面と上記スプライン孔の奥端面との間で、上記スリーブを軸方向に弾性的に圧縮する。
上述の様に上記スリーブを弾性的に押圧する為に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記スプライン軸部に外嵌し、上記スプライン孔に押し込む以前の状態での上記スリーブの外径を、上記雄スプライン歯の歯先円の直径以下で、上記雌スプライン歯の歯先円の直径よりも大きくする。且つ、上記スリーブの内径を、この雌スプライン歯の歯先円の直径よりも小さくする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記スプライン軸部の先端部でスリーブを外嵌する部分に、雄スプライン状の凹凸部を形成する。この凹凸部は、上記雄スプライン歯よりも小径で、この雄スプライン歯と等ピッチ且つ同位相とする。
上述の様な構成を有する本発明の電動式パワーステアリング装置によれば、出力軸の先端部とウォーム軸の基端部との間に設けたトルク継手部で、歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止でき、しかも小型で且つ緩衝性能の調節が容易な構造を、低コストで実現できる。
先ず、上記騒音や振動は、雌スプライン歯の歯先により径方向内方に向け弾性的に押圧されるスリーブが、この雌スプライン歯と雄スプライン歯とが回転方向に対し相対変位する事に対する抵抗力を生じる事により図られる。即ち、上記雌スプライン歯の歯先は、上記スリーブを径方向内方に押圧する事に伴って、このスリーブの外周面に食い込む。従って、このスリーブに対し上記雌スプライン歯が回転方向に対し変位する事に対する抵抗を生じる。又、このスリーブの内周面は、スプライン軸部の先端部で上記雄スプライン歯を形成した部分よりも軸方向に突出した部分の外周面に摩擦係合等する。この為、この部分が上記スリーブに対し回転する事に対する抵抗も生じる。この結果、このスリーブにより、上記両スプライン歯同士が回転方向に相対変位する事に対する抵抗が生じ、これら両スプライン歯の円周方向側面同士が勢い良く衝突する事が防止されて、上記騒音や振動の発生を抑えられる。
上記スリーブは小さな部品で済み、このスリーブを組み付ける為のスペースも嵩張らない為、上記騒音や振動を抑える為の緩衝機構を設けても、上記トルク継手部を小型に構成できる。更に、この緩衝機構により上記騒音や振動を抑える程度である、上記緩衝性能は、上記スリーブの厚さやこのスリーブの材質(弾性)により調節できる。言い換えれば、上記緩衝性能を調節する為に、上記雌スプライン歯の歯先円の直径や、スプライン軸部の先端部で上記雄スプライン歯を形成した部分よりも軸方向に突出した部分の外径を変える必要はない。この為、仕様の異なる電動式パワーステアリング装置同士の間で部品の共通化を図り易く、上記緩衝機構を備えた電動式パワーステアリング装置の低コスト化を図り易くなる。
更に、上記スプライン軸部と上記ウォーム軸とが軸方向にがたつく事も防止できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜5は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、電動モータ7の出力軸10の先端部とウォーム8のウォーム軸6の基端部との間に設けたトルク継手部19で、歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止できる、小型でしかも緩衝性能の調節が容易な構造を実現すべく、スプライン孔11aの内周面とスプライン軸部12aの外周面との間に組み付ける緩衝機構20の構造を工夫した点にある。その他、電動式パワーステアリング装置全体の構造及び作用に就いては、前述した従来構造と同様であるから、この従来構造と同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、前述の図7〜8と図1(及び後述する図6)とで、ハウジング3に対する電動モータ7の取付方向が異なっているが、この点は、設置する自動車に応じ適宜設計的に変更するものであって、本発明の特徴部分とは関係がない。
本例の構造の場合には、図1〜3に示す様に、ウォーム軸6の基端部にスプライン孔11aを、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で、このウォーム軸6と同心に形成している。又、上記電動モータ7の出力軸10の先端部にスプライン軸部12aを、この出力軸10と同心に形成している。そして、このスプライン軸部12aの外周面に形成した雄スプライン歯21と、上記スプライン孔11aの内周面に形成した雌スプライン歯22とをスプライン係合させる事で、上記出力軸10と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を可能に結合している。以上の構成は、従来から知られている電動式パワーステアリング装置に於ける、電動モータの出力軸の先端部とウォーム軸の基端部とを回転力の伝達を自在に結合する、トルク継手部の構造と同じである。
特に、本例の場合には、上記スプライン軸部12aの先端部で、上記雄スプライン歯21を形成した部分よりも軸方向に突出した部分に、雄スプライン状(或いは外歯歯車状)の凹凸部23を形成している。この凹凸部23は、上記雄スプライン歯21よりも小径で、この雄スプライン歯21と等ピッチ且つ同位相に形成している。尚、この凹凸部23の最大外径(歯先円の直径)D23は、上記雄スプライン歯21の歯底円の直径d21よりも小さく(D23<d21)している。
そして、上記凹凸部23に、ゴム、ビニルの如きエラストマー等の弾性材製のスリーブ24を外嵌している。このスリーブ24は、円筒部25と塞ぎ部26とを備えた丸鉢状である。この様なスリーブ24は、この円筒部25を上記凹凸部23に外嵌する事により、図1〜2に示す様に、上記スプライン軸部12aの先端部に装着している。上記円筒部25の自由状態での内径は、上記凹凸部23の最大外径D23と同じか僅かに小さい程度として、上記円筒部25をこの凹凸部23に、がたつきなく外嵌できる様にしている。又、この様に、この円筒部25をこの凹凸部23に外嵌した(上記スプライン孔11aに押し込む以前の)状態で、上記円筒部25の外径D25を、次の様に規制している。即ち、この円筒部25の外径D25を、上記雄スプライン歯21の歯先円の直径D21以下で、前記雌スプライン歯22の歯先円の直径d22よりも大きく(D21≧D25>d22)している。且つ、上記円筒部25の内径R25を、上記雌スプライン歯22の歯先円の直径d22よりも小さく(R25<d22)している。
各部の寸法を上述の様に規制する事により、上記凹凸部23に外嵌した上記スリーブ24の円筒部25を上記スプライン孔11a内に押し込むのに伴って、この円筒部25が、上記雌スプライン歯22の歯先により径方向内方に向け弾性的に押圧される。又、この雌スプライン歯22の(突部の)位相と、上記凹凸部23の突部の位相とは、それぞれの反ピッチ分ずつずれている。そして、上記円筒部25は、上記雌スプライン歯22の突部により径方向内方に、上記凹凸部23の突部により径方向外方に、それぞれ押圧される。この結果、上記スプライン孔11aの凹部に押し込まれた状態で上記円筒部25の、中心軸に対し直交する仮想平面に関する断面形状は、図5に示す様に波形になる。この様な図5に示した状態から、上記雌スプライン歯22と上記凹凸部23とを回転方向に相対変位させようとした場合には、上記円筒部25の一部が弾性的に圧縮される。従って、上記雌スプライン歯22と上記凹凸部23とを相対回転させる事に対する抵抗が働く。この為、この雌スプライン歯22の円周方向側面と、上記凹凸部23と共に回転する上記雄スプライン歯21の円周方向側面とが勢い良く衝突する事がなくなる。この結果、前記電動モータ7の出力軸10が起動する瞬間や、回転方向が変換される瞬間に、前記スプライン軸部12aと上記スプライン孔11aとのスプライン係合部での、騒音や振動の発生を抑えられる。
又、上記円筒部25を含むスリーブ24は小さな部品で済み、このスリーブ24を組み付ける為のスペースも嵩張らない為、上記騒音や振動を抑える為の緩衝機構を設けても、上記スプライン軸部12aと上記スプライン孔11aとから成る前記トルク継手部19を小型に構成できる。更に、上記緩衝機構により上記騒音や振動を抑える程度である、上記緩衝性能は、上記スリーブ24を構成する円筒部25の径方向厚さや、このスリーブ24の材質(弾性)により調節できる。言い換えれば、上記緩衝性能を調節する為に、上記雌スプライン歯22の歯先円の直径や、上記スプライン軸部12aの先端部で上記雄スプライン歯21を形成した部分よりも軸方向に突出した部分の外径を変える必要はない。この為、仕様の異なる電動式パワーステアリング装置同士の間で部品の共通化を図り易く、上記緩衝機構を備えた電動式パワーステアリング装置の低コスト化を図り易くなる。
更に本例の場合には、図4に鎖線で示す様に、塞ぎ部26の軸方向両側面のうちで円筒部25と軸方向反対側面に突片28を、この円筒部25と反対側に突出する状態で設けている。そして、この円筒部25の端縁を上記段差面27に突き当てると共に、上記突片28の先端部をスプライン孔11aの奥端面29に突き当てる。
これらの構成を採用しているので、上記スプライン軸部12aと前記ウォーム軸6とが軸方向にがたつく事も防止できる。
[実施の形態の第2例]
図6は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、電動モータ7の出力軸10aの側にスプライン孔11bを、ウォーム軸6aの基端部にスプライン軸部12bを、それぞれ形成している。スプライン孔とスプライン軸部とを設ける部材が上述した実施の形態の第1例と逆になった点以外の構成及び作用は、この第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図7の拡大A−A断面に相当する図。 図1のB部拡大図。 同じく組み合わせ前の状態で示す断面図。 同じくスプライン軸及びスリーブを取り出して示す斜視図。 図2のC−C断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 従来構造の第1例を示す、電動式パワーステアリング装置の全体構成の部分切断側面図。 図7の拡大A−A断面図。 従来構造の第2例を示す、継手部の分解斜視図。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6、6a ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10、10a 出力軸
11、11a、11b スプライン孔
12、12a、12b スプライン軸部
13 押圧駒
14 コイルばね
15a、15b 連結部材
16 弾性部材
17 中間シャフト
18 ステアリングギヤユニット
19 トルク継手部
20 緩衝機構
21 雄スプライン歯
22 雌スプライン歯
23 凹凸部
24 スリーブ
25 円筒部
26 塞ぎ部
27 段差面
28 突片
29 奥端面

Claims (3)

  1. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向端部を軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為、その出力軸を上記ウォーム軸と同心に配置した電動モータと、これら出力軸の先端部とウォーム軸の基端部との間に設けられて、この出力軸からこのウォーム軸へのトルクの伝達を自在としたトルク継手部とを備え、このトルク継手部は、上記出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの一方の端部に、当該端部の端面に開口する状態で設けられた、内周面に雌スプライン歯を形成したスプライン孔と、上記出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの他方の端部に設けられた、上記スプライン孔とトルク伝達可能にスプライン係合する雄スプライン歯を外周面に形成したスプライン軸部とから成るものである電動式パワーステアリング装置に於いて、このスプライン軸部の先端部で上記雄スプライン歯を形成した部分よりも軸方向に突出した部分に、弾性材製で、上記スプライン軸部の先端部外周面と上記雌スプライン歯の歯先との間で径方向に押圧される円筒部と、この円筒部の軸方向一端開口を塞ぐ塞ぎ部と、この塞ぎ部の軸方向両側面のうちでこの円筒部と軸方向反対側面に、この円筒部と反対側に突出した突片とを備えたスリーブを外嵌すると共に、このスリーブの円筒部を、上記雌スプライン歯の歯先により径方向内方に向け弾性的に押圧し、更にこの円筒部の端縁を上記スプライン軸部のうちで上記雄スプライン歯を形成した部分の軸方向先端面に突き当てると共に、上記突片の先端部を上記スプライン孔の奥端面に突き当てて、上記スプライン軸部のうちで上記雄スプライン歯を形成した部分の軸方向先端面と上記スプライン孔の奥端面との間で、上記スリーブを軸方向に弾性的に圧縮している事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. スプライン軸部に外嵌し、スプライン孔に押し込む以前の状態でのスリーブの外径が、雄スプライン歯の歯先円の直径以下であると共に、雌スプライン歯の歯先円の直径よりも大きく、且つ、上記スリーブの内径が、この雌スプライン歯の歯先円の直径よりも小さい、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
  3. スプライン軸部の先端部でスリーブを外嵌する部分に、雄スプライン歯よりも小径で、この雄スプライン歯と等ピッチ且つ同位相である、雄スプライン状の凹凸部を形成している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
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