JP2007040315A - 動力伝達機構とこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転軸29とウォーム軸27との動力伝達部に設ける弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現する。
【解決手段】 回転軸29に形成した雄スプライン部47とウォーム軸27に形成した雌スプライン部48とに、上記弾性歯付リング49aをスプライン係合させる。上記雌スプライン部48のこの弾性歯付リング49aから外れた部分に、スペーサリング61の外歯67をスプライン係合させる。このスペーサリング61の内周面は単なる円筒面としており、上記雄スプライン部47とはスプライン係合しない。上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、上記スペーサリング61を介して、上記回転軸29の段差面59及びこの回転軸29に固定した内輪63の端面に、軸方向に対向させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 回転軸29に形成した雄スプライン部47とウォーム軸27に形成した雌スプライン部48とに、上記弾性歯付リング49aをスプライン係合させる。上記雌スプライン部48のこの弾性歯付リング49aから外れた部分に、スペーサリング61の外歯67をスプライン係合させる。このスペーサリング61の内周面は単なる円筒面としており、上記雄スプライン部47とはスプライン係合しない。上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、上記スペーサリング61を介して、上記回転軸29の段差面59及びこの回転軸29に固定した内輪63の端面に、軸方向に対向させる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、例えば自動車の操舵装置に組み込み、電動モータの出力を補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の電動式パワーステアリング装置等に組み込む動力伝達機構の改良に関する。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。図26は、この様な電動式パワーステアリング装置の、従来から知られている基本構成の1例を略示している。
ステアリングホイール1の操作に基づいて回転するステアリングシャフト2の中間部には、このステアリングホイール1からこのステアリングシャフト2に加えられるトルクの方向と大きさとを検出するトルクセンサ3と、減速機4とを設けている。この減速機4の出力側は上記ステアリングシャフト2の中間部に結合し、同じく入力側は電動モータ5の回転軸に結合している。又、上記トルクセンサ3の検出信号は、車速を表す信号と共に、上記電動モータ5への通電を制御する為の制御器6に入力している。又、上記減速機4として従来から、大きなリード角を有し、動力の伝達方向に関して可逆性を有するウォーム減速装置を、一般的に使用している。即ち、回転力受取部材であるウォームホイールを上記ステアリングシャフト2の中間部に固定すると共に、回転力付与部材であり上記電動モータ5の回転軸に結合固定したウォーム軸のウォームを、上記ウォームホイールと噛合させている。
操舵輪14に舵角を付与する為、上記ステアリングホイール1を操作し、上記ステアリングシャフト2が回転すると、上記トルクセンサ3がこのステアリングシャフト2の回転方向とトルクとを検出し、その検出値を表す信号を上記制御器6に送る。するとこの制御器6は、上記電動モータ5に通電して、上記減速機4を介して上記ステアリングシャフト2を、上記ステアリングホイール1に基づく回転方向と同方向に回転させる。この結果、上記ステアリングシャフト2の先端部(図26の下端部)は、上記ステアリングホイール1から付与された力に基づくトルクよりも大きなトルクで回転する。
この様なステアリングシャフト2の先端部の回転は、自在継手7、7及び中間シャフト8を介してステアリングギヤ9の入力軸10に伝達される。この入力軸10は、上記ステアリングギヤ9を構成するピニオン11を回転させ、ラック12を介してタイロッド13を押し引きし、操舵輪14に所望の舵角を付与する。上述した説明から明らかな通り、上記ステアリングシャフト2の先端部から自在継手7を介して中間シャフト8に伝達されるトルクは、上記ステアリングホイール1から上記ステアリングシャフト2の基端部(図26の上端部)に加えられるトルクよりも、上記電動モータ5から減速機4を介して加えられる補助動力分だけ大きい。従って、上記操舵輪14に舵角を付与する為に運転者が上記ステアリングホイール1を操作する為に要する力は、上記補助動力分だけ小さくて済む様になる。
上述した様な従来から一般的に使用されている電動式パワーステアリング装置の場合、電動モータ5とステアリングシャフト2との間に設ける減速機4として、ウォーム減速機を使用している。又、この電動モータ5の回転軸と減速機4を構成する入力軸とを、これら両軸のうちの一方に設けた雄スプライン部と、他方に設けた雌スプライン部とをスプライン係合させて成るスプライン係合部により連結する事が、一般的に行なわれている。但し、それぞれが金属製である上記回転軸と入力軸とをこのスプライン係合部により連結する場合で、これら両軸に設けた雄スプライン部と雌スプライン部とを負の隙間で嵌合させる(締り嵌めとする)場合には、組立作業が相当に面倒になる。この様な事情から、従来から、上記雄、雌両スプライン部同士を正の隙間で嵌合させる(隙間嵌めとする)事が行なわれている。但し、この正の隙間が大きくなった場合には、使用時に、これら雄、雌両スプライン部を構成する歯面同士が強く衝合して、耳障りな歯打ち音が発生し易くなる。従って、この隙間を正の値でできるだけ小さく規制する必要がある。但し、この為には、各部の寸法を厳密に管理する必要があり、電動式パワーステアリング装置のコストを著しく上昇させる原因となる。
一方、上記ウォーム減速機を構成するウォーム軸のウォームとウォームホイールとの歯面同士の間に存在する不可避なバックラッシュが大きくなると、これら歯面同士が強く衝合して、耳障りな歯打ち音が発生する可能性がある。例えば、路面が荒れている等により、車輪側からステアリングシャフト2に振動荷重が加わると、上記バックラッシュの存在により、耳障りな歯打ち音が発生する。この様な事情に鑑みて、近年は、ウォーム減速機を構成するギヤハウジングとウォーム軸との間に弾力付与手段を設けて、この弾力付与手段により、このウォーム軸に、ウォームホイールに向かう方向の弾力を付与する事が考えられている。この構成によれば、ウォーム軸のウォームとウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュを抑える(小さくするか0にする)事ができる為、上記歯打ち音の発生を抑える事ができる。
但し、この構成によりこの歯打ち音の発生を抑える場合には、上記ウォーム軸を上記電動モータ5の回転軸に対し傾斜させる為、これら両軸の間に設けたスプライン係合部を構成する各歯の一部が抉られる可能性がある。これに対して、これら各歯が抉られるのを防止すべく、このスプライン係合部を構成する雄、雌両スプライン部の剛性を高くした場合には、これら両スプライン部の歯面同士の間での歯打ち音が生じ易くなる。この為、上記電動モータ5の回転軸に対する上記ウォーム軸の傾斜を可能にしつつこの歯打ち音の発生を抑える為には、これら両スプライン部同士の間の隙間を更に厳密に規制すると言った、困難な作業を行なわなければならず、電動式パワーステアリング装置のコストを更に上昇させる原因となる。
一方、上記ウォーム軸の端部と電動モータ5の回転軸の端部とを、スプライン係合部ではなく、弾性継手により連結する事も考えられているが、この構成を採用する場合には、これら両軸を大きく設計変更する必要があり、コストの上昇が大きくなる事が避けられない。
又、近年は、電動モータの回転力をボールねじ機構により軸方向の力に変換して、この力を補助動力としてラックに付与する、所謂ラックアシスト式の電動式パワーステアリング装置が考えられ、実際に使用されている。この様なラックアシスト式の電動式パワーステアリング装置の場合には、減速機の出力軸又は電動モータの回転軸と、ボールねじ機構を構成するボールナットとを、スプライン係合部により連結する。但し、このスプライン係合部を構成する雄スプライン部と雌スプライン部との歯面同士の間に存在する隙間が大きくなり、これら歯面同士が強く衝合する場合には、耳障りな歯打ち音が発生し易くなる。この為、この様なラックアシスト式の電動式パワーステアリング装置の場合も、上述したウォーム減速機を用いた電動式パワーステアリング装置での、電動モータの回転軸とウォーム軸とのスプライン係合部の場合と同様の不都合が生じる。
この様な事情に鑑みて、特許文献1に記載された動力伝達機構とこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合には、ウォーム軸の端部に設けた雌スプライン部と電動モータの回転軸の端部に設けた雄スプライン部との間に、弾性材製で内外両周面に織布を貼着した弾性歯付リングを設けて、この弾性歯付リングを介して上記両軸同士の間での動力の伝達を可能としている。図27〜34は、この特許文献1に記載された動力伝達機構を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の従来構造を示している。
電動式パワーステアリング装置は、後端部にステアリングホイール1を固定したステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2を挿通するステアリングコラム15と、このステアリングシャフト2に補助トルクを付与する為のアシスト装置16とを備える。
上記ステアリングシャフト2は、車両の後端側に設けるアウターシャフト17と、同じく前端側に設けるインナーシャフト18とを、回転力の伝達を可能に組み合わせて成る。このうちのインナーシャフト18は、車両の後端側に設ける第一のインナーシャフト22と、前端側に設ける第二のインナーシャフト23とを、トーションバー24(図28)により連結している。又、上記ステアリングコラム15の前端部を、車体19の一部に支持したギヤハウジング21の後端面に結合固定している。上記インナーシャフト18の前端部をこのギヤハウジング21に挿通させると共に、このこのギヤハウジング21の前端面から突出させている。そしてこのインナーシャフト18のこの前端面から突出させた前端部に、自在継手7、7、中間シャフト8を介して、ステアリングギヤ9の入力軸10を、動力の伝達を可能に結合している。この入力軸10にはピニオン11(図26参照)を固定しており、このピニオン11をラック12(図26参照)と噛合させている。従って、上記ステアリングシャフト2の回転に伴い、上記ラック12を介してタイロッド13、13が押し引きされ、操舵輪14(図26参照)に所望の舵角が付与される。
又、前記アシスト装置16は、図28〜31に示す様に、上記第二のインナーシャフト23の中間部に外嵌固定するウォームホイール26と、請求項に記載した被駆動軸に対応するウォーム軸27と、このウォーム軸27に弾力を付与する弾力付与手段31と、電動モータ28と、動力伝達機構30と、トルクセンサ3(図26参照)と、制御器6(図26参照)とを備える。このうちの弾力付与手段31は、前記ギヤハウジング21の内側にそれぞれ設けた、段付円筒状の軸受ホルダ32と、第一、第二の玉軸受33、34と、揺動軸35と、コイルばね36とを備える。又、上記ウォームホイール26とウォーム軸27とは、上記ギヤハウジング21の内側に設けており、このウォーム軸27の中間部に設けたウォーム37に上記ウォームホイール26を噛合させている。これらウォーム軸27とウォームホイール26とが、ウォーム減速機20を構成する。
又、上記トルクセンサ3は、前記トーションバー24の捩れに基づく前記第一、第二の両インナーシャフト22、23の相対回転方向と相対回転量とから、前記ステアリングホイール1からステアリングシャフト2に加えられるトルクの方向と大きさとを検出し、検出値を表す信号(検出信号)を、前記制御器6に送る。そして、この制御器6は、上記検出信号に応じて、上記電動モータ28に駆動の為の信号を送り、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを発生させる。
又、上記電動モータ28の回転軸29の先端部(図28〜30の右端部)と、上記ウォーム軸27の基端部(図28〜30の左端部)とを、上記動力伝達機構30により、動力の伝達を可能に連結している。この動力伝達機構30は、上記回転軸29の先端部に設けた雄スプライン部47(図28〜30)と、上記ウォーム軸27の基端部に設けた雌スプライン部48(図28〜30)と、これら両スプライン部47、48の間に設けた弾性歯付リング49とから成る。上記回転軸29は、請求項に記載した駆動軸に対応するもので、両端寄り部分を上記電動モータ28を構成するケース38に、第三の玉軸受62(後述する本発明の実施例を表す図1、5等参照)及び図示しない第四の玉軸受により、回転自在に支持している。そして上記回転軸29の中間部に、図示しないステータと対向する、やはり図示しないロータを設けている。
上記弾性歯付リング49は、図32〜34に詳示する様に、外周面に上記雌スプライン部48とスプライン係合する外歯50を、内周面に上記雄スプライン部47とスプライン係合する内歯51を、それぞれ有する。この様な弾性歯付リング49は、弾性材である合成ゴムにより円筒状に形成した本体部52の内部に、それぞれが芯材である、複数本の芯線53、53を、軸方向複数個所に包埋している。これら各芯線53、53は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の強化繊維により円環状に形成している。これら各芯線53、53を構成する強化繊維は、上記本体部52を構成する合成ゴムよりも高い弾性率を有する。そして、この本体部52の外周面の円周方向等間隔複数個所に、外径側に突出する外歯素子部54、54を、それぞれ軸方向全長に亙り形成している。又、上記本体部52の内周面の円周方向等間隔複数個所に、内径側に突出する内歯素子部55、55を、それぞれ軸方向全長に亙り形成している。
又、上記各外歯素子部54、54の外径側表面と、上記本体部52の外周面でこれら各外歯素子部54、54の間部分とにナイロン帆布等の織布56aを、この外周面の全周に亙り連続する状態で貼着する事により、これら各外歯素子部54、54及び上記本体部52の外径側部分をこの織布56aにより覆っている。そして、これら各外歯素子部54、54と、上記織布56aでこれら各外歯素子部54、54の外径側表面を覆った部分とにより、上記外歯50を構成している。又、上記各内歯素子部55、55の内径側表面と、上記本体部52の内周面でこれら各内歯素子部55、55の間部分とにナイロン帆布等の織布56bを、この内周面の全周に亙り連続する状態で貼着する事により、これら本体部52及び各内歯素子部55、55の内径側部分をこの織布56bにより覆っている。そして、上記各内歯素子部55、55と、この織布56bでこれら各内歯素子部55、55の内径側表面を覆った部分とにより、上記内歯51を構成している。この構成により、上記複数の芯線53、53の外径側と内径側とに、上記外歯50と内歯51とが、それぞれ設けられる。
上述の様に構成する弾性歯付リング49は、上記外歯50を前記雌スプライン部48に、上記内歯51を前記雄スプライン部47に、それぞれスプライン係合させる事により、前記電動モータ28の回転軸29の先端部とウォーム軸27の基端部とを、これら両軸29、27の相対回転を不能に連結している。この構成により、このウォーム軸27は、上記回転軸29と共に回転する。
又、上記回転軸29の先端寄り部分で、上記雄スプライン部47をその外周面に形成した円柱部57(図29、30)よりも基端側に外れた部分に、この円柱部57の基端部の外径よりも直径が小さくなった小径柱部92と、この小径柱部92の外径よりも直径が大きくなった大径部58(図29、30)とを設けている。又、この大径部58の直径を、上記弾性歯付リング49を構成する内歯51の歯先円の直径よりも大きくしている。そして、上記大径部58の外周面と上記小径柱部92の外周面との連続部である段差面59(図29、30)に、上記弾性歯付リング49の一端面(図28〜30の左端面)を対向させている。又、上記ウォーム軸27の基端部に設けた雌スプライン部48の一端部(図28〜30の右端部)に、歯底を一端側に向かう程浅くなる方向に傾斜させた不完全部60(図30)を設けている。そして、この不完全部60に、上記弾性歯付リング49の他端面(図28〜30の右端面)を対向させている。この構成により、この弾性歯付リング49の軸方向の変位は、上記段差面59と不完全部60とにより規制される。
更に、前記ギヤハウジング21の内側に前記軸受ホルダ32を設けると共に、この軸受ホルダ32の内側に上記ウォーム軸27を、回転自在に支持している。この軸受ホルダ32は、互いに同心の大径筒部39と小径筒部40とを段部41により連結している。そして、この軸受ホルダ32を、上記ギヤハウジング21の内側に、このギヤハウジング21に支持した揺動軸35により、この揺動軸35を中心とする揺動変位を自在に支持している。又、上記軸受ホルダ32の大径筒部39の内側に上記ウォーム軸27の基端部(図28〜30の左端部)を、前記第一の玉軸受33により、回転自在に支持している。又、上記ウォーム軸27の先端部(図28〜30の右端部)を、上記軸受ホルダ32の小径筒部40の内側に、前記第二の玉軸受34により、回転自在に支持している。
更に、上記小径筒部40の先端部外周面と上記ギヤハウジング21の内面に設けた凹孔42の内周面との間に、弾性リング43を設けている。又、上記小径筒部40の長さ方向中間部の円周方向一部に、内外両周面を貫通する透孔44を形成しており、この透孔44を通じて前記ウォームホイール26と上記ウォーム軸27のウォーム37とを噛合させている。
又、上記軸受ホルダ32を構成する大径筒部39の外周面の円周方向一部に凹孔45を形成すると共に、この凹孔45の底面とギヤハウジング21の内面との間に、前記コイルばね36を設けている。そして、このコイルばね36により、上記ウォーム軸27の基端部に、上記軸受ホルダ32及び第一の玉軸受33を介して、径方向の弾力を付与している。この構成により、上記ウォーム軸27は、前記揺動軸35を中心として、上記ウォームホイール26に向かう方向に弾性的に揺動変位する。そして、このウォームホイール26を外嵌固定した前記第二のインナーシャフト23と上記ウォーム軸27との、中心軸同士の間の距離が弾性的に縮まって、上記ウォーム37とウォームホイール26との歯面同士が、予圧を付与された状態で当接する。この構成により、これら両部材37、26の噛合部での歯打ち音の発生を抑える事ができる。
上述の様な、特許文献1に記載された動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合には、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48と、電動モータ28の回転軸29に設けた雄スプライン部47との間に弾性歯付リング49を設けている。この為、これら雄、雌両スプライン部47、48の歯面同士が直接衝合する事を防止でき、これら歯面同士が衝合する事による異音の発生を防止できる。又、上記弾性歯付リング49の外径側に、複数の合成ゴム製の外歯素子部54、54と織布56aの一部とから成る外歯50を設けると共に、上記弾性歯付リング49の内径側に、複数の合成ゴム製の内歯素子部55、55と織布56bの一部とから成る内歯51を設けている。この為、上記雄、雌両スプライン部47、48の歯面と上記弾性歯付リング49の内歯51及び外歯50の歯面とが衝合する事による異音を小さくできるか、又はなくせる。
しかも、上記各内歯素子部55、55と各外歯素子部54、54とが弾性材である、合成ゴム製である為、上記雄、雌両スプライン部47、48に存在する不可避な寸法誤差を上記内歯51及び外歯50により吸収し易くできて、寸法管理及び組立作業を容易に行なえる。この為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置のコストの上昇を抑える事ができる。更に、上記雄、雌両スプライン部47、48に偏心誤差や偏角誤差が存在する場合でも、これらの誤差を吸収しつつ、電動モータ28の回転軸29とウォーム軸27とを、動力の伝達を可能に連結する事が可能になる。
更に、上記各外歯素子部54、54の外径側表面と上記弾性歯付リング49の本体部52の外周面でこれら各外歯素子部54、54の間部分とに織布56aを貼着すると共に、上記各内歯素子部55、55の内径側表面と上記本体部52の内周面でこれら各内歯素子部55、55とに織布56bを貼着している。この為、合成ゴム製である、これら各外歯素子部54、54及び各内歯素子部55、55の歯元のちぎれや、歯面のむしれを防止できる。しかも、弾性歯付リング49の外周面と内周面とに、それぞれ1枚ずつの織布56a、56bを、全周に亙り連続する状態で貼着している為、これら各外歯素子部54、54及び各内歯素子部55、55が変形しにくくなる。この為、上記電動モータ28の回転軸29とウォーム軸27との間で伝達可能な動力を大きくできると共に、耐久性の向上を図れる。この結果、上述の図27〜34に示した従来構造によれば、徒にコストを上昇させる事なく、耳障りな異音の発生を抑える事ができる。尚、上述の図27〜34に示した構造の場合には、上記弾性歯付リング49の本体部52を構成する弾性材として、合成ゴムを使用しているが、この合成ゴムの代わりに、合成ゴム以外のエラストマー、合成樹脂等を使用する事もできる。
更に、上記弾性歯付リング49は、上記本体部52を構成する合成ゴムよりも高い弾性率を有する材料から成る芯線53、53を備えている。この為、弾性歯付リング49の剛性をより向上させる事ができ、上記電動モータ28の回転軸29とウォーム軸27との間で伝達可能な動力をより大きくできると共に、耐久性をより向上させる事ができる。
上述の図27〜34に示した動力伝達機構及び電動式パワーステアリング装置の従来構造によれば、この様な作用・効果を得られるが、この従来構造の場合には、弾性歯付リング49の損傷を有効に防止する面から改良の余地がある。
即ち、上述の従来構造の場合、駆動軸である、電動モータ28の回転軸29に設けた雄スプライン部47と、被駆動軸である、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48との間に、弾性歯付リング49を設けている。又、この弾性歯付リング49の軸方向一端面(図28〜30の左端面)を、上記回転軸29の先端寄り部分に設けた段差面59に直接対向させている。又、上記弾性歯付リング49の軸方向他端面(図28〜30の右端面)を、上記雌スプライン部48の不完全部60に対向させている。そして、この構成により、上記弾性歯付リング49の軸方向の両方向の変位を規制している。この様にして弾性歯付リング49の軸方向の変位を規制する従来構造の場合には、この弾性歯付リング49の軸方向の全長が、上記回転軸29の先端部に設けた雄スプライン部47の軸方向長さよりもかなり大きくなってしまう。
即ち、上述の従来構造の場合、駆動軸である、電動モータ28の回転軸29に設けた雄スプライン部47と、被駆動軸である、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48との間に、弾性歯付リング49を設けている。又、この弾性歯付リング49の軸方向一端面(図28〜30の左端面)を、上記回転軸29の先端寄り部分に設けた段差面59に直接対向させている。又、上記弾性歯付リング49の軸方向他端面(図28〜30の右端面)を、上記雌スプライン部48の不完全部60に対向させている。そして、この構成により、上記弾性歯付リング49の軸方向の両方向の変位を規制している。この様にして弾性歯付リング49の軸方向の変位を規制する従来構造の場合には、この弾性歯付リング49の軸方向の全長が、上記回転軸29の先端部に設けた雄スプライン部47の軸方向長さよりもかなり大きくなってしまう。
この様な従来構造の場合には、上記弾性歯付リング49の内歯51の軸方向一部のみが、上記雄スプライン部47とスプライン係合する。上記内歯51の軸方向に関して電動モータ28寄り部分(図28〜30の左端寄り部分)は、上記雄スプライン部47と係合せず、雄スプライン部47を有する円柱部57と上記段差面59との連続部である小径柱部92の外周面に対向する。これに対して、上記弾性歯付リング49の外歯50は、軸方向の総ての部分が、上記雌スプライン部48とスプライン係合する。この結果、電動モータ28の動力(トルク)をウォーム軸27に上記弾性歯付リング49を介して伝達する場合に、この弾性歯付リング49の内歯51のうち、上記雄スプライン部47とスプライン係合している部分と、スプライン係合していない部分との境界部に、大きな剪断力が加わる可能性がある。この様に上記弾性歯付リング49の一部に大きな剪断力が加わる場合には、この弾性歯付リング49の一部に過大な応力が集中して、亀裂等の損傷が生じ、この損傷が生じた部分を起点として、弾性歯付リング49の全体にまで損傷が及ぶ可能性がある。
又、上述の従来構造の場合、弾性歯付リング49が上記電動モータ28の回転軸29の基端側へ変位するのを規制する為に、この弾性歯付リング49の全長を、上記回転軸29に設けた雄スプライン部47の軸方向長さよりも大きくしている。この様に弾性歯付リング49の全長を大きくする事は、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の製造コストが嵩む原因となる。
この様に弾性歯付リング49の全長が大きくなる事により製造コストが嵩む理由は、次の通りである。即ち、弾性歯付リング49を造る方法として、従来から、成形用の軸状の金型(型軸)の外周面と筒状の金型の内周面との間のキャビティ内に固化前の合成ゴム(原料ゴム)を送り込んで、弾性歯付リング49を造る事が考えられている。又、この場合、上記型軸として、外周面の円周方向複数個所に軸方向の内歯用溝部を形成したものを使用し、上記筒状の金型として、内周面の円周方向複数個所に軸方向の外歯用溝部を形成したものを使用する。そして、上記型軸に織布56b(図32〜34参照)を被せ(セットし)、その上から複数本の芯線53、53(図32〜34参照)を巻き付け、更にその周囲に、筒状の金型の内側に織布56a(図32〜34参照)を嵌め込んだ(セットした)ものを被せた状態で、上記キャビティ内に上記原料ゴムを送り込む。加硫により合成ゴムを固化させた後、上記キャビティ内から上記弾性歯付リング49の完成品を取り出す。
この様にして弾性歯付リング49を造る場合、この弾性歯付リング49の直径に対して、この弾性歯付リング49の全長が過度に大きくなると、上記金型の材料を工夫したり、この金型の厚さを大きくしない限り、この金型の曲げ剛性が低下する。そしてこの曲げ剛性を十分に高くできない場合には、この金型を製造する際の加工精度を十分に確保する事が難しくなる。これに対して、この金型の材料を工夫したり、厚さを大きくする事は、製造コストが嵩む原因となる。
又、上記金型の全長が大きくなると、上記弾性歯付リング49の製造時にこの金型が撓み易くなる原因ともなる。この為、金型の材料を工夫したり、この金型の厚さを大きくしない限り、上記弾性歯付リング49の加工精度も低下してしまう。これに対して、上記金型の材料を工夫したり、この金型の厚さを大きくする事は、製造コストが嵩む原因となる。この様な理由により、上記弾性歯付リング49の全長が大きくなる事は、製造コストが嵩む原因となる。勿論、内歯51及び外歯50を設けた弾性歯付リング49の全長が大きくなる事も、この弾性歯付リング49の材料費が嵩み、製造コストが嵩む原因となる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、駆動軸と被駆動軸との動力伝達部に設ける弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現すべく発明したものである。
本発明の動力伝達機構とこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置のうち、動力伝達機構は、何れも前述の図27〜34に示した従来構造と同様に、
駆動軸と被駆動軸との間に設けられて、これら両軸の間で動力を伝達する為のものであって、雌スプライン部と、雄スプライン部と、弾性歯付リングとを備える。
このうちの雌スプライン部は、上記両軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられている。
又、上記雄スプライン部は、上記両軸のうちの他方の軸の端部外周面に設けられている。
又、上記弾性歯付リングは、上記雌スプライン部とスプライン係合する外歯をその外周面に、上記雄スプライン部とスプライン係合する内歯をその内周面に、それぞれ有する。 又、上記弾性歯付リングは、外径側及び内径側にそれぞれが弾性材製で径方向に突出する複数ずつの外歯素子部と内歯素子部とを一体的に設けると共に、その外周面でこれら各外歯素子部の外径側表面及びこれら各外歯素子部の間部分と、その内周面で上記各内歯素子部の内径側表面及びこれら各内歯素子部の間部分とに、それぞれ織布を貼着する事により、上記外歯と内歯とを構成したものである。尚、上記弾性歯付リングは、全体を円筒状としているものの他、全体を欠円筒状としているものも含む。
駆動軸と被駆動軸との間に設けられて、これら両軸の間で動力を伝達する為のものであって、雌スプライン部と、雄スプライン部と、弾性歯付リングとを備える。
このうちの雌スプライン部は、上記両軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられている。
又、上記雄スプライン部は、上記両軸のうちの他方の軸の端部外周面に設けられている。
又、上記弾性歯付リングは、上記雌スプライン部とスプライン係合する外歯をその外周面に、上記雄スプライン部とスプライン係合する内歯をその内周面に、それぞれ有する。 又、上記弾性歯付リングは、外径側及び内径側にそれぞれが弾性材製で径方向に突出する複数ずつの外歯素子部と内歯素子部とを一体的に設けると共に、その外周面でこれら各外歯素子部の外径側表面及びこれら各外歯素子部の間部分と、その内周面で上記各内歯素子部の内径側表面及びこれら各内歯素子部の間部分とに、それぞれ織布を貼着する事により、上記外歯と内歯とを構成したものである。尚、上記弾性歯付リングは、全体を円筒状としているものの他、全体を欠円筒状としているものも含む。
特に、本発明の動力伝達機構のうち、請求項1に記載した動力伝達機構に於いては、
上記弾性歯付リングを上記雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、上記一方の軸若しくはこの一方の軸に固定の部材、又は上記他方の軸若しくはこの他方の軸に固定の部材に、上記弾性歯付リングの軸方向端面をスペーサリングを介して軸方向に対向させている。
又、このスペーサリングは、上記雄、雌両スプライン部のうちの少なくとも一方のスプライン部とはスプライン係合しないものである。尚、上記スペーサリングは、全体を円筒状又は円環状としているものの他、全体を欠円筒状又は欠円環状としているものも含む。
上記弾性歯付リングを上記雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、上記一方の軸若しくはこの一方の軸に固定の部材、又は上記他方の軸若しくはこの他方の軸に固定の部材に、上記弾性歯付リングの軸方向端面をスペーサリングを介して軸方向に対向させている。
又、このスペーサリングは、上記雄、雌両スプライン部のうちの少なくとも一方のスプライン部とはスプライン係合しないものである。尚、上記スペーサリングは、全体を円筒状又は円環状としているものの他、全体を欠円筒状又は欠円環状としているものも含む。
又、請求項6に記載した動力伝達機構に於いては、
上記弾性歯付リングを上記雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、この雄スプライン部又は雌スプライン部の歯のうち、軸方向に関して上記弾性歯付リングから外れた部分の歯の径方向寸法を他の部分の歯の径方向寸法よりも大きくする事により、上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制している。
上記弾性歯付リングを上記雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、この雄スプライン部又は雌スプライン部の歯のうち、軸方向に関して上記弾性歯付リングから外れた部分の歯の径方向寸法を他の部分の歯の径方向寸法よりも大きくする事により、上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制している。
更に、請求項9に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置は、
電動モータの回転軸と減速機を構成する入力軸とを、上述の様な動力伝達機構により、動力の伝達を可能に結合している。
電動モータの回転軸と減速機を構成する入力軸とを、上述の様な動力伝達機構により、動力の伝達を可能に結合している。
更に、請求項10に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置は、
減速機の出力軸又は電動モータの回転軸と、ボールナットとを、上述の様な動力伝達機構により、動力の伝達を可能に結合している。
減速機の出力軸又は電動モータの回転軸と、ボールナットとを、上述の様な動力伝達機構により、動力の伝達を可能に結合している。
上述の様な本発明の動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合には、雌スプライン部と雄スプライン部との間に弾性歯付リングを設けている。この為、前述の図27〜34に示した従来構造と同様に、これら雄、雌両スプライン部の歯面同士が直接衝合する事を防止でき、これら歯面同士が衝合する事による異音の発生を防止できる。又、上記弾性歯付リングの外径側に、複数の弾性材製の外歯素子部を備えた外歯を設けると共に、この弾性歯付リングの内径側に、複数の弾性材製の内歯素子部を備えた内歯を設けている。この為、上記雄、雌両スプライン部の歯面と上記弾性歯付リングの内歯及び外歯の歯面とが衝合する事による異音を小さくできるか、又はなくせる。
しかも、上記各内歯素子部と各外歯素子部とが弾性材製である為、上記雄、雌両スプライン部に存在する不可避な寸法誤差を上記内歯及び外歯により吸収し易くできて、寸法管理及び組立作業を容易に行なえる。この為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置のコストの上昇を抑える事ができる。
更に、上記雄、雌両スプライン部に偏心誤差や偏角誤差が存在する場合でも、これらの誤差を吸収しつつ、上記駆動軸と被駆動軸とを、動力の伝達を可能に連結する事が可能になる。更に、上記弾性歯付リングの外周面と内周面とに、それぞれ織布を貼着している為、弾性材製である各外歯素子部及び各内歯素子部の歯元のちぎれや、歯面のむしれを防止できる。しかも、それぞれの織布を全周に亙り連続する状態で貼着した場合には、上記各外歯素子部及び各内歯素子部を変形しにくくできる。この為、駆動軸と被駆動軸との間で伝達可能な動力を大きくできると共に、耐久性の向上を図れる。
特に、本発明の動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合には、駆動軸と被駆動軸との間の動力伝達部に設ける弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現できる。
即ち、請求項1に記載した動力伝達機構は、上記弾性歯付リングを雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、駆動軸と被駆動軸とのうちの、一方の軸若しくはこの一方の軸に固定の部材、又は駆動軸と被駆動軸とのうちの、他方の軸若しくはこの他方の軸に固定の部材に、上記弾性歯付リングの軸方向端面を、スペーサリングを介して軸方向に対向させている。又、このスペーサリングは、雄、雌両スプライン部のうちの少なくとも一方のスプライン部とスプライン係合しないものである。
この為、上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できる構造であるにも拘らず、この弾性歯付リングの内歯及び外歯を、軸方向のほぼ総ての部分で、雄、雌両スプライン部にスプライン係合させる事ができる。従って、上記駆動軸から上記被駆動軸に上記弾性歯付リングを介して動力を伝達する場合に、この弾性歯付リングの一部に過大な剪断力が加わる事を防止でき、一部に過大な応力が集中して生じる事を防止できる。従って、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる。又、上記スペーサリングは、トルク伝達を行なうものではなく、単に上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できる機能を有するものであれば良い。この為、スペーサリングは、上記弾性歯付リングの場合と異なり、高強度を持たせる必要がなく、単一の合成ゴムのみ、又は合成樹脂等の、比較的強度が低い安価な材料により安価に造れる。しかも、弾性歯付リングは、それぞれを弾性材と織布とにより構成した、外歯及び内歯を備えるが、この弾性歯付リングの全長を短くできる請求項1に記載した構成によれば、この弾性歯付リングを比較的低コストで造れる。この結果、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置のコストの低減を図れる。
即ち、請求項1に記載した動力伝達機構は、上記弾性歯付リングを雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、駆動軸と被駆動軸とのうちの、一方の軸若しくはこの一方の軸に固定の部材、又は駆動軸と被駆動軸とのうちの、他方の軸若しくはこの他方の軸に固定の部材に、上記弾性歯付リングの軸方向端面を、スペーサリングを介して軸方向に対向させている。又、このスペーサリングは、雄、雌両スプライン部のうちの少なくとも一方のスプライン部とスプライン係合しないものである。
この為、上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できる構造であるにも拘らず、この弾性歯付リングの内歯及び外歯を、軸方向のほぼ総ての部分で、雄、雌両スプライン部にスプライン係合させる事ができる。従って、上記駆動軸から上記被駆動軸に上記弾性歯付リングを介して動力を伝達する場合に、この弾性歯付リングの一部に過大な剪断力が加わる事を防止でき、一部に過大な応力が集中して生じる事を防止できる。従って、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる。又、上記スペーサリングは、トルク伝達を行なうものではなく、単に上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できる機能を有するものであれば良い。この為、スペーサリングは、上記弾性歯付リングの場合と異なり、高強度を持たせる必要がなく、単一の合成ゴムのみ、又は合成樹脂等の、比較的強度が低い安価な材料により安価に造れる。しかも、弾性歯付リングは、それぞれを弾性材と織布とにより構成した、外歯及び内歯を備えるが、この弾性歯付リングの全長を短くできる請求項1に記載した構成によれば、この弾性歯付リングを比較的低コストで造れる。この結果、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置のコストの低減を図れる。
又、請求項6に記載した動力伝達機構は、雄スプライン部又は雌スプライン部の歯のうち、軸方向に関して弾性歯付リングから外れた部分の歯の径方向寸法を他の部分の歯の径方向寸法よりも大きくする事により、上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制している。この為、この弾性歯付リングの内歯及び外歯を、軸方向のほぼ総ての部分で、雄、雌両スプライン部にスプライン係合させる事ができる。従って、上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できる構造であるにも拘らず、この弾性歯付リングの一部に過大な剪断力が加わる事を防止でき、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる。しかも、この弾性歯付リングの軸方向長さを短くできる。又、一部の歯の寸法を他の部分の歯の寸法と異ならせた上記雄スプライン部又は雌スプライン部は、従来から行なわれているプレス加工、転造等により成形する事が可能である。この為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置を低コストで得られる。
この様に、本発明の動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置によれば、駆動軸と被駆動軸との間で動力を伝達する為に設ける弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現できる。
この様に、本発明の動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置によれば、駆動軸と被駆動軸との間で動力を伝達する為に設ける弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現できる。
上述の請求項1に記載した動力伝達機構を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、上記スペーサリングを、上記雄、雌両スプライン部のうちの一方のスプライン部のみとスプライン係合するものとし、上記スペーサリングの外周面に設けられた外歯又は内周面に設けられた内歯を、上記弾性歯付リングに設けられた外歯又は内歯と同形状とする。
又、より好ましくは、請求項3に記載した様に、上記スペーサリングを、上記雄、雌両スプライン部のうちの一方のスプライン部のみとスプライン係合するものとし、上記スペーサリングの外周面に設けられた外歯又は内周面に設けられた内歯の歯数を、上記弾性歯付リングに設けられた外歯又は内歯の歯数よりも少なくする。
このより好ましい構成によれば、スペーサリングのコストをより低減できる。
このより好ましい構成によれば、スペーサリングのコストをより低減できる。
更に、上述の請求項1に記載した構成を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、上記スペーサリングを、円環状又は欠円環状に形成したリング状部材とすると共に、このリング状部材を、駆動軸と被駆動軸とのうちの一方の軸又は他方の軸の周面に形成した周方向の溝部に係止する。
この好ましい構成の場合には、リング状部材を低コストで造れるのにも拘らず、弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できると共に、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる。
この好ましい構成の場合には、リング状部材を低コストで造れるのにも拘らず、弾性歯付リングの軸方向の変位を規制できると共に、この弾性歯付リングの損傷を有効に防止できる。
又、上述の請求項1〜4に記載した構成を実施する場合により好ましくは、請求項5に記載した様に、スペーサリング又はリング状部材を、単一のゴムのみにより、又は、弾性歯付リングを構成する弾性材とは異なる材料により構成する。
又、上述の請求項6に記載した動力伝達機構を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した様に、上記弾性歯付リングを上記雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、この雄スプライン部又は雌スプライン部の歯のうち、軸方向に関して上記弾性歯付リングから外れた部分の歯の周方向の幅を他の部分の歯の周方向の幅よりも大きくする。
この好ましい構成によれば、弾性歯付リングの軸方向の変位を、より有効に規制できる。更に、この好ましい構成を採用しないと仮定した場合に上記弾性歯付リングに永久変形歪みが発生する様な、過大なトルクがこの弾性歯付リングに入力された場合に、上記雄スプライン部又は雌スプライン部の周方向の幅を大きくした一部の歯と、相手スプライン部の歯とを、直接金属接触させる事ができる。この為、弾性歯付リングの永久変形歪みの発生と、破損等の損傷の発生とをより有効に防止できる。
この好ましい構成によれば、弾性歯付リングの軸方向の変位を、より有効に規制できる。更に、この好ましい構成を採用しないと仮定した場合に上記弾性歯付リングに永久変形歪みが発生する様な、過大なトルクがこの弾性歯付リングに入力された場合に、上記雄スプライン部又は雌スプライン部の周方向の幅を大きくした一部の歯と、相手スプライン部の歯とを、直接金属接触させる事ができる。この為、弾性歯付リングの永久変形歪みの発生と、破損等の損傷の発生とをより有効に防止できる。
又、上述の請求項1〜7の構成を実施する場合により好ましくは、請求項8に記載した様に、上記被駆動軸を上記駆動軸に対し軸方向に変位可能とすると共に、この被駆動軸とこの駆動軸とが軸方向に相対変位可能な総ての範囲で、上記弾性歯付リングの径方向両側が上記雄、雌両スプライン部とスプライン係合している部分の軸方向長さである、有効歯部長さが変化しない様に、上記被駆動軸の上記駆動軸に対する軸方向変位を規制する規制手段を設ける。
図1〜3は、請求項1、2、5、9に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例の動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の特徴は、駆動軸である、電動モータ28の回転軸29と、被駆動軸であるウォーム軸27との動力伝達部の構造を工夫した点にある。本実施例に於いて、動力伝達機構30aを除く、電動式パワーステアリング装置の構造及び作用は、前述の図27〜34に示した従来構造と同様である。この為、この従来構造と同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合、駆動軸である、電動モータ28の回転軸29の先端部外周面に設けた雄スプライン部47と、被駆動軸である、ウォーム軸27の基端部内周面に設けた雌スプライン部48と、これら雄、雌両スプライン部47、48同士の間に設けた弾性歯付リング49aと、スペーサリング61とにより、動力伝達機構30aを構成している。このうちの回転軸29は、電動モータ28のケース38の内側にそれぞれ支持した第三の玉軸受62及び第四の玉軸受(図示せず)により、両端寄り部分を回転自在に支持している。又、上記弾性歯付リング49aは、その外周面に上記雌スプライン部48とスプライン係合する外歯50aを、その内周面に上記雄スプライン部47とスプライン係合する内歯51aを、それぞれ有する。
この様な弾性歯付リング49aは、前述の図32〜34に示した従来構造の場合と同様に、弾性材である合成ゴムにより円筒状に形成した本体部52の内部に、複数本の円環状の芯線53を、軸方向(図1、2の左右方向、図3の表裏方向)複数個所に包埋している。又、この本体部52の外周面の円周方向等間隔複数個所に、外径側に突出する外歯素子部54、54を、それぞれ軸方向全長に亙り形成している。又、上記本体部52の内周面の円周方向等間隔複数個所に、内径側に突出する内歯素子部55、55を、それぞれ軸方向全長に亙り形成している。上記各外歯素子部54、54及び各内歯素子部55、55の、上記本体部52の中心軸に対し直交する方向に関するそれぞれの断面形状を、略矩形としている。尚、図示の例の場合には、上記各外歯素子部54、54及び各内歯素子部55、55の数を、前述した従来構造の場合(図32〜33参照)よりも少なくしている。そして、各外歯素子部54、54同士及び各内歯素子部55、55同士の円周方向の間隔(ピッチ)を、前述の図32〜33に示した従来構造の場合よりも大きくしている。
又、上記各外歯素子部54、54の外径側表面及び上記本体部52の外周面と、上記各内歯素子部55、55の内径側表面及びこの本体部52の内周面とに、それぞれナイロン帆布等の織布56a、56bを、それぞれこの外周面及び内周面の全周に亙り連続する状態で貼着している。そして、上記各外歯素子部54、54と、上記織布56aでこれら各外歯素子部54、54の外径側表面を覆った部分とにより外歯50aを、上記各内歯素子部55、55と、上記織布56bでこれら各内歯素子部55、55の内径側表面を覆った部分とにより内歯51aを、それぞれ構成している。又、上記各外歯素子部54、54と各内歯素子部55、55との円周方向に関する位置を、これら各外歯素子部54、54及び各内歯素子部55、55同士で互いに1/2ピッチ分ずつずらせている。この為、これら各外歯素子部54、54の頂部は各内歯素子部55、55の歯底部に、各内歯素子部55、55の頂部は各外歯素子部54、54の歯底部に、それぞれ径方向に対向している。
更に、上記外歯50aの歯厚(円周方向両側の織布56aの厚みも含むもの)T1 を、前記雌スプライン部48の歯厚t1 よりも大きくしている(T1 >t1 )。又、上記内歯51aの歯厚(円周方向両側の織布56bの厚みも含むもの)T2 を、前記雄スプライン部47の歯厚t2 よりも大きくしている(T2 >t2 )。
この様な弾性歯付リング49aは、上記外歯50aを上記雌スプライン部48の先端寄り(図1の右端寄り)から中央寄りに亙る部分に、上記内歯51aを上記雄スプライン部47の軸方向のほぼ総ての部分に、それぞれスプライン係合させている。上記外歯50aと内歯51aとは、それぞれ軸方向の総ての部分で、上記雌スプライン部48と雄スプライン部47とにスプライン係合している。そして、前記電動モータ28の回転軸29の先端部とウォーム軸27の基端部とを、上記弾性歯付リング49aにより、これら両軸29、27の相対回転を不能に連結している。この為、このウォーム軸27は、上記回転軸29と共に回転する。
特に、本実施例の場合には、上記弾性歯付リング49aの軸方向の全長を、前述の図28〜34に示した従来構造の場合よりも小さく(短く)している。又、上記弾性歯付リング49aを上記雄、雌両スプライン部47、48にスプライン係合させた状態で、上記回転軸29の先端寄り部分で円柱部57よりも基端側に外れた部分に設けた大径部58の段差面59、及び、この大径部59に外嵌固定した第三の玉軸受62を構成する内輪63の端面に、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面(図1、2の左端面)を、前記スペーサリング61を介して軸方向に対向させている。
このスペーサリング61は、図2に詳示する様に、上記弾性歯付リング49aを構成する合成ゴムとは異なる材料である、合成樹脂等の安価な材料により円筒状に形成した本体部64を備える。又、この本体部64の外周面で、弾性歯付リング49aの各外歯素子部54、54と軸方向に対向する、円周方向等間隔位置に、外径側に突出する外歯素子部65、65を、それぞれ軸方向全長に亙り形成している。これら各外歯素子部65、65は、上記本体部64と同じ材料により、この本体部64と一体成形している。又、上記各外歯素子部65、65の外径側表面と、上記本体部64の外周面でこれら各外歯素子部65、65の間部分とにナイロン帆布等の織布66aを、この外周面の全周に亙り連続する状態で貼着する事により、上記各外歯素子部65、65及び上記本体部64の外径側部分を上記織布66aにより覆っている。そして、これら各外歯素子部65、65と、上記織布66aでこれら各外歯素子部65、65の外径側表面を覆った部分とにより、外歯67を構成している。本実施例の場合、この外歯67の歯数を、前記弾性歯付リング49aに設けた外歯50aの歯数と同数とし、上記外歯67の形状をこの外歯50aと同形状としている。又、上記本体部64の内周面にナイロン帆布等の織布66bを、この内周面の全周に亙り、円筒状に貼着している。又、上記スペーサリング61の内径は、前記雄スプライン部47の歯先円の直径とほぼ同じか、又はこれよりも少し大きくしている。
そして、上記弾性歯付リング49aを上記雄、雌両スプライン部47、48にスプライン係合させた状態で、上記スペーサリング61の外歯67の一端寄り部分(図1、2の右端寄り部分)を、上記雌スプライン部48の開口端寄り(図1の左端寄り)にスプライン係合させている。又、上記スペーサリング61の内周面は円筒面としており、上記雄スプライン部47とはスプライン係合しない。そして、このスペーサリング61の軸方向一端面(図1、2の右端面)を、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面(図1、2の左端面)の外径寄り部分に突き当てると共に、上記スペーサリング61の軸方向他端面(図1、2の左端面)を、前記回転軸29の段差面59及び第三の玉軸受62の内輪63の端面に、小さな隙間68を介して軸方向に対向させている。一方、上記弾性歯付リング49aの外歯50aの頂部で軸方向他端縁(図1、2の右端縁)は、上記雌スプライン部48の歯底を一端側に向かう程浅くなる方向に傾斜させた不完全部60の端縁に突き当てている。この構成により、上記弾性歯付リング49aがウォーム軸27の先端側へ変位する事を阻止している。
上述の様に構成する本実施例の動力伝達機構30aと、この動力伝達機構30aを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合には、前述の図27〜34に示した従来構造の場合と同様に、徒にコストを上昇させる事なく、耳障りな異音の発生を抑える事ができる。
特に、本実施例の場合には、上記回転軸29とウォーム軸27との間で動力を伝達する為の弾性歯付リング49aを、雄、雌両スプライン部47、48にスプライン係合させた状態で、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、上記回転軸29の段差面59及びこの回転軸29に外嵌固定した内輪63の端面に、スペーサリング61を介して軸方向に対向させている。又、このスペーサリング61は、上記雄、雌両スプライン部47、48のうちの雌スプライン部48のみとスプライン係合し、雄スプライン部47とはスプライン係合しない。この様な本実施例の場合には、前述の図27〜34に示した従来構造の場合と異なり、弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制する為に、この弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、回転軸29又はこの回転軸29に固定の内輪63に、(スペーサリング61等、他の部材を介さずに)直接小さな隙間を介して対向させる必要がない。この為、弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できる構造であるにも拘らず、この弾性歯付リング49aの全長を小さくでき、内歯51a及び外歯50aを、軸方向の総ての部分で、上記雄、雌両スプライン部47、48とスプライン係合させる事ができる。
従って、本実施例の場合には、上記回転軸29から上記ウォーム軸27に上記弾性歯付リング49aを介して動力を伝達する場合に、弾性歯付リング49aの一部に過大な剪断力が加わる事を防止でき、一部に過大な応力が集中する事を防止できる。この為、この弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる。又、上記スペーサリング61は、トルク伝達を行なうものではなく、単に上記弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できる機能を有するものであれば良い。この為、上記スペーサリング61の内周面に内歯を設ける必要がない。従って、上記スペーサリング61を、比較的強度が低い安価な材料である、合成樹脂等により、安価に造れる。しかも、弾性歯付リング49aは、それぞれを弾性材と織布56a、56bとにより構成した、外歯50a及び内歯51aを備えるが、この弾性歯付リング49aの全長を短くできる本実施例の場合には、この弾性歯付リング49aを比較的低コストで造れる。この結果、電動モータ28の回転軸29とウォーム軸27との間で動力を伝達する為に設ける、弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現できる。
又、本実施例の場合には、弾性歯付リング49aに設けた外歯50aの歯厚T1 を前記雌スプライン部48の歯厚t1 よりも大きくする(T1 >t1 )と共に、この弾性歯付リング49aに設けた内歯51aの歯厚T2 を前記雄スプライン部47の歯厚t2 よりも大きくしている(T2 >t2 )。この為、上記弾性歯付リング49aの各歯50a、51aの剪断強度を高くし易くできる。従って、使用時に、上記雄、雌各スプライン部47、48から上記弾性歯付リング49aに繰り返し負荷が加わる事に伴い、この弾性歯付リング49aの各歯50a、51aの剪断が生じ易くなる傾向となるのにも拘らず、この剪断を生じにくくできる。又、この様に構成するのに伴い、上記雄、雌各スプライン部47、48の歯厚t2 、t1 が小さくはなるが、これら各スプライン部47、48を強度の高い材料により構成する事により、これら各スプライン部47、48の剪断強度を十分に確保できる構造は容易に実現できる。尚、前記スペーサリング61は、合成樹脂により構成する以外に、単一の合成ゴムのみにより構成しても良い。即ち、スペーサリング61は、内、外両周面に織布を貼着したものでなくても良い。又、このスペーサリング61を、合成樹脂により構成する場合でも、織布66a、66bの少なくとも何れかを省略した構造としても良い。
次に、図4は、請求項1、3、5、9に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、上述した実施例1の場合と異なり、スペーサリング61aの外歯67aの歯数を弾性歯付リング49aの外歯50aの歯数の1/2と少なくしている。そして、上記スペーサリング61aの各外歯素子部65、65を、弾性歯付リング49aの各外歯素子部54、54のうち、1つ置きの外歯素子部54、54に軸方向に対向させている。又、上記弾性歯付リング49aを、ウォーム軸27の雌スプライン部48と電動モータ28の回転軸29の雄スプライン部47(図1参照)とにスプライン係合させた状態で、この回転軸29の先端寄り部分に設けた大径部58の段差面59と、この大径部58に外嵌固定した内輪63(図1参照)とのうちの少なくとも一方に、上記弾性歯付リング49aの軸方向端面を、上記スペーサリング61aを介して軸方向に対向させている。
本実施の構造によれば、スペーサリング61aのコストをより低減できる為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の更なるコスト低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
本実施の構造によれば、スペーサリング61aのコストをより低減できる為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の更なるコスト低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
次に、図5〜6は、請求項1、2、5、9に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、上述した各実施例の場合と異なり、スペーサリング61bの内径側に内歯69を設ける代わりに、外径側の外歯をなくしている。即ち、上記スペーサリング61bは、図6に詳示する様に、弾性歯付リング49aを構成する合成ゴムとは異なる材料である、合成樹脂等の安価な材料により、円筒状に形成した本体部64を備え、この本体部64の内周面で、弾性歯付リング49aの各内歯素子部55、55と軸方向に対向する、円周方向等間隔位置に、内径側に突出する内歯素子部70、70を、それぞれ軸方向全長に亙り形成している。これら各内歯素子部70、70は、上記本体部64と同じ材料により、この本体部64と一体成形している。又、上記各内歯素子部70、70の内径側表面と、上記本体部64の内周面でこれら各内歯素子部70、70の間部分とにナイロン帆布等の織布66aを、この内周面の全周に亙り連続する状態で貼着する事により、上記各内歯素子部70、70及び上記本体部64の内径側部分を上記織布66aにより覆っている。そして、これら各内歯素子部70、70と、上記織布66aでこれら各内歯素子部70、70の内径側表面を覆った部分とにより、上記内歯69を構成している。本実施例の場合、この内歯69の歯数を、前記弾性歯付リング49aに設けた内歯51aの歯数と同数とし、上記内歯69の形状をこの内歯51aと同形状としている。又、上記本体部64の外周面にナイロン帆布等の織布66bを、この外周面の全周に亙り、円筒状に貼着している。又、上記スペーサリング61bの外径を、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48の歯先円の直径とほぼ同じか、又はこれよりも少し小さくしている。
そして、上記弾性歯付リング49aを雄、雌両スプライン部47、48にスプライン係合させた状態で、上記スペーサリング61bの内歯69の一端寄り部分(図5、6の右端寄り部分)を、上記雄スプライン部47の基端側(図5の左端側)にスプライン係合させている。又、上記スペーサリング61bの外周面は円筒面としており、上記雌スプライン部48とはスプライン係合しない。そして、このスペーサリング61bの軸方向一端面(図5、6の右端面)を、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面(図5、6の左端面)の内径寄り部分に突き当てると共に、上記スペーサリング61bの軸方向他端面(図5、6の左端面)を、回転軸29の段差面59に、小さな隙間68を介して軸方向に対向させている。
上述の様に構成する本実施例の場合も、電動モータ28の回転軸29とウォーム軸27との間で動力を伝達する為に設ける、弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
次に、図7は、請求項1、3、5、9に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、上述の図5〜6に示した実施例3の構造で、スペーサリング61cの内歯69aの歯数を弾性歯付リング49aの内歯51aの歯数の1/2と少なくしている。そして、上記スペーサリング61cの各内歯素子部70、70を、弾性歯付リング49aの各内歯素子部55、55のうち、1つ置きの内歯素子部55、55に軸方向に対向させている。そして、上記弾性歯付リング49aを、ウォーム軸27の雌スプライン部48と電動モータ28の回転軸29の雄スプライン部47(図5参照)とにスプライン係合させた状態で、この回転軸29の先端寄り部分に設けた大径部58の段差面59(図5参照)に、上記弾性歯付リング49aの軸方向端面を、上記スペーサリング61cを介して、軸方向に対向させている。
本実施の構成によれば、スペーサリング61cのコストをより低減できる為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の更なるコスト低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図5〜6に示した実施例3の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
本実施の構成によれば、スペーサリング61cのコストをより低減できる為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の更なるコスト低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図5〜6に示した実施例3の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
次に、図8〜9は、請求項1、5、9に対応する、本発明の実施例5を示している。本実施例の場合には、上述の各実施例の場合と異なり、スペーサリング61dの内径側及び外径側の両側に、内歯及び外歯の何れも設けていない。即ち、このスペーサリング61dは、合成樹脂等の安価な材料により単なる円筒状に形成している。この様なスペーサリング61dは、電動モータ28の回転軸29に形成した雄スプライン部47の基端寄り部分と、ウォーム軸27に形成した雌スプライン部48の開口端寄り部分との間に挟み込む様にして配置している。そして、上記雄、雌両スプライン部47、48に弾性歯付リング49aをスプライン係合させた状態で、上記回転軸29の先端寄り部分に設けた段差面59に、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面(図8、9の左端面)を、上記スペーサリング61dを介して、軸方向に対向させている。このスペーサリング61dの端面と、上記段差面59とは、小さな隙間68を介して軸方向に対向させている。
この様な本実施例の場合には、スペーサリング61dのコストを更に低減できる為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の更なるコスト低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
次に、図10は、請求項1、4、5、9に対応する、本発明の実施例6を示している。本実施例の場合には、上述した各実施例の場合と異なり、スペーサリング61、61a〜61d(図1等参照)の代わりに、合成ゴムにより全体を円環状に形成したリング状部材である、Oリング71を使用している。即ち、本実施例の場合には、電動モータ28の回転軸29の円柱部57の外周面で、雄スプライン部47の基端寄り部分(図10の左端寄り部分)に凹溝72を、全周に亙り形成すると共に、この凹溝72に上記Oリング71を係止している。そして、ウォーム軸27に形成した雌スプライン部48と回転軸29に形成した雄スプライン部47とに、弾性歯付リング49aをスプライン係合させた状態で、この弾性歯付リング49aの軸方向一端面(図10の左端面)の内径寄り部分を、上記凹溝71の基端側(図10の左端側)壁面に、上記Oリング71を介して軸方向に対向させている。又、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、上記凹溝72の先端側(図10の右端側)壁面と軸方向に関してほぼ同位置に位置させている。又、上記Oリング71の自由状態での軸方向寸法を、上記凹溝72の1対の壁面同士の幅W72とほぼ同じ大きさとしている。この構成により、上記弾性歯付リング49aが上記回転軸29の基端側(図10の左側)に変位する事が規制される。
又、上記Oリング71は、自由状態での内径を、上記凹溝72の底面の直径d72よりも小さくしている。上記Oリング71を組み付ける際には、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48の内側に回転軸29の先端部を挿入する以前に、上記凹溝72に上記Oリング71を係止しておく。そして、上記弾性歯付リング49aの内歯51a及び外歯50aを上記雄スプライン部47と雌スプライン部48とにスプライン係合させつつ、この雌スプライン部48の内側に上記回転軸29の先端部を挿入する。
上述の様に構成する本実施例の場合も、電動モータ28の回転軸29とウォーム軸27との間で動力を伝達する為に設ける、弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現できる。しかも本実施例の場合には、上述した各実施例で組み込んでいたスペーサリング61、61a〜61d(図1等参照)の代わりに単なるOリング71を使用している為、動力伝達機構及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の低コスト化を図り易くなる。
尚、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面は、必ずしも上記凹溝72の先端側壁面と軸方向に関して完全に一致した位置に設ける必要はない。この軸方向一端面は、この凹溝72の先端側壁面よりも少し回転軸29の先端側(図10の右端側)に位置させる事も、逆に、僅かに基端側(図10の左側)に位置させる、即ち上記凹溝72内に僅かに入り込んだ状態とする事もできる。この様に上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を上記凹溝72内に入り込ませた場合、この弾性歯付リング49aの内歯51aの一部が雄スプライン部47とスプライン係合しない可能性があるが、この場合でも、この内歯51aのほぼ総ての部分を上記雄スプライン部47とスプライン係合させる事ができる。この為、弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
尚、図示は省略するが、上述の図10に示した実施例6の構造で、合成ゴム製のOリング71の代わりに、鋼等の金属により全体を欠円環状(C字形状も含む。)に形成したリング状部材(Cリング)を使用する事もできる。この欠円環状のリング状部材によっても、弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる構造を、安価に実現できる。
次に、図11は、やはり請求項1、4、5、9に対応する、本発明の実施例7を示している。本実施例の場合には、上述の図10に示した実施例6の場合と異なり、雄、雌両スプライン部47、48のうち、雌スプライン部48の側にOリング71を設けている。即ち、ウォーム軸27に形成した雌スプライン部48の、このウォーム軸27の基端寄り部分(図11の左端寄り部分)に凹溝73を、全周に亙り形成すると共に、この凹溝73に上記Oリング71を係止している。そして、上記雌スプライン部48と回転軸29に形成した雄スプライン部47とに弾性歯付リング49aをスプライン係合させた状態で、この弾性歯付リング49aの軸方向一端面(図11の左端面)の外径寄り部分を、上記凹溝73の基端側(図11の左端側)壁面に、上記Oリング71を介して軸方向に対向させている。又、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、上記凹溝73の先端側(図11の右端側)壁面と軸方向に関してほぼ同位置に位置させている。又、上記Oリング71の自由状態での軸方向寸法を、上記凹溝73の1対の壁面同士の幅とほぼ同じ大きさとしている。この構成により、上記弾性歯付リング49aが上記回転軸29の基端側(図11の左側)に変位する事が規制される。
又、上記Oリング71は、自由状態での外径を、上記凹溝73の底面の直径d73よりも大きくしている。上記Oリング71を組み付ける際には、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48に弾性歯付リング49aの外歯50aをスプライン係合させた状態で、上記凹溝73に上記Oリング71を係止する。この状態で、上記弾性歯付リング49aの内歯51aに回転軸29の雄スプライン部47をスプライン係合させつつ、上記弾性歯付リング49aの内側に上記回転軸29を挿入する。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図10に示した実施例6の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図10に示した実施例6の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
次に、図12〜13は、請求項6、9に対応する、本発明の実施例8を示している。本実施例の場合には、上述した各実施例の場合と異なり、動力伝達機構30aにスペーサリング61、61a〜61d(図1等参照)とOリング71(図10、11参照)との何れも設けていない。即ち、本実施例の場合には、図13に詳示する様に、回転軸29に設けた雄スプライン部47aの各歯の、基端寄り部分(図13の左端寄り部分)に径方向外方に突出する突部74、74を設け、上記各歯のこれら各突部74、74部分の径方向寸法(高さ)h1 を、これら各突部74、74から外れた他の部分の歯の径方向寸法(高さ)h2 よりも大きくしている(h1 >h2 )。
又、上記各歯の上記各突部74、74部分での歯先円の直径d1 (図12)を、上記雄スプライン部47aとスプライン係合させる、弾性歯付リング49aの内歯51aの歯底円の直径d2 (図12)よりも大きくしている(d1 >d2 )。そして、ウォーム軸27に形成した雌スプライン部48と、上記雄スプライン部47aの軸方向に関して上記各突部74、74から外れた部分とに弾性歯付リング49aをスプライン係合させた状態で、この弾性歯付リング49aの軸方向一端面(図12の左端面)の径方向中央部を、上記突部74、74の側面に直接突き当てるか、軸方向の僅かな隙間を介して対向させている。この構成により、上記弾性歯付リング49aが上記突部74、74よりも回転軸29の基端側(図12〜13の左側)に変位する事は阻止される。
上述の様に構成する本実施例の場合も、弾性歯付リング49aの内歯51a及び外歯50aを軸方向に関して総ての部分で、雄、雌両スプライン部47a、48に、それぞれスプライン係合させる事ができる。この為、上記弾性歯付リング49aの軸方向の変位を規制できるのにも拘らず、この弾性歯付リング49aの一部に過大な剪断力が加わる事を防止でき、この弾性歯付リング49aの損傷を有効に防止できる。しかも、この弾性歯付リング49aの軸方向長さを短くできる。又、上述した各実施例の場合と異なり、動力伝達機構30aにスペーサリング61、61a〜61dとOリング71との何れも使用せずに済み、部品点数の削減によるコスト低減を図れる。又、本実施例の様に一部の歯の寸法を他の部分の歯の寸法と異ならせた雄スプライン部47aは、従来から行なわれているプレス加工及び転造等により、成形する事が可能である。この為、動力伝達機構30a及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置を低コストで得られる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示は省略する。
次に、図14は、請求項6、8、9に対応する、本発明の実施例9を示している。本実施例の場合には、上述の図12〜13に示した実施例8の構造で、ウォーム軸27を電動モータ28の回転軸29に対し、軸方向に所定の範囲で変位可能としている。この為に、例えば、ウォーム軸27の基端部(図14の左端部)外周面と第一の玉軸受33を構成する内輪75(図12等参照)の内周面との間、及び、上記ウォーム軸27の先端部外周面と第二の玉軸受34(図28参照)の内輪の内周面との間に、それぞれ径方向の僅かな隙間を設ける。そして、上記ウォーム軸27の基端寄り部分外周面に設けた鍔部76の片側面(図14の左側面)と、上記内輪75の変位を規制すべく上記ウォーム軸27の基端部外周面に固定した止め輪、ナット部材等の固定部材の側面との間隔を、上記第一の玉軸受33の内輪75の軸方向の寸法よりも所定の長さだけ大きくする。又、この場合に、ウォーム軸27の鍔部76の片側面と上記第一の玉軸受33の内輪75の軸方向一端面(図12の右端面)との間、及び、上記固定部材の側面と上記第一の玉軸受33の内輪75の軸方向他端面(図12の左端面)との間の、少なくとも一方に皿ばね等の弾性部材を設ける事もできる。そして、これにより、上記ウォーム軸27をギヤハウジング21(図28、29参照)に対し軸方向の所定の範囲で弾性的に変位可能とする事ができる。
更に、電動モータ28の回転軸29の両端寄り部分をケース38(図12等参照)に対し回転自在に支持している、第三の玉軸受62の内輪63及び第四の玉軸受の内輪(図示せず)の内周面と、上記回転軸29の両端寄り部分外周面との間に、それぞれ径方向の僅かな隙間を設けると共に、この回転軸29に設けた軸方向に向いた段差面と上記第三、第四の玉軸受62の内輪63の軸方向端面との間に、軸方向の隙間を設ける事により、上記回転軸29を上記ケース38に対し軸方向の所定の範囲で変位可能とする事もできる。この様に構成する場合、上記鍔部76及び固定部材と第一の玉軸受33、及び、上記第三、第四の玉軸受62と回転軸29に設けた段差面とが、請求項8に記載した規制手段を構成する。
又、上記回転軸29とウォーム軸27とが軸方向に相対変位可能な総ての範囲で、弾性歯付リング49aの径方向両側が雄、雌両スプライン部47a、48の双方とスプライン係合している部分の軸方向長さである、有効歯部長さL1 を変化させない(一定とする)。例えば、図14(a)は、回転軸29とウォーム軸27とを、互いに最も遠ざかる方向に相対変位させた場合、即ち、回転軸29の大径部58の段差面59とウォーム軸27の基端面(図14の左端面)との間の軸方向長さLa が最も大きくなった場合を示している。又、図14(b)は、回転軸29とウォーム軸27とを、互いに最も近付く方向に相対変位させた場合、即ち、回転軸29の大径部58の段差面59とウォーム軸27の基端面との間の軸方向長さLa ´が最も小さくなった場合を示している。この様な図14(a)(b)に示す何れの場合も、弾性歯付リング49aの内歯51a及び外歯50aを、軸方向の総ての部分で、雄、雌両スプライン部47a、48にスプライン係合させている。この為、上記図14(a)(b)に示す両方の場合も含めた、上記回転軸29とウォーム軸27とが軸方向に相対変位可能な総ての範囲で、上記有効歯部長さL1 が変化しない。
上述の様に構成する本実施例によれば、回転軸29とウォーム軸27とが軸方向の所定の範囲で相対変位可能な構造であるにも拘らず、弾性歯付リング49aの損傷をより有効に防止できる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図12〜13に示した実施例8の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図12〜13に示した実施例8の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
次に、図15〜16は、請求項6、9に対応する、本発明の実施例10を示している。本実施例の場合には、前述の図12〜13に示した実施例8の構造で、回転軸29に形成した雄スプライン部47bの各歯の突部74、74部分での径方向の寸法(高さ)を大きくするだけでなく、ウォーム軸27に形成した雌スプライン部48aの奥端寄り部分(図15の右端寄り部分)に、弾性歯付リング49bの軸方向の変位を規制する為の第二の突部77、77を設けている。又、本実施例の場合には、図16に詳示する様に、上記弾性歯付リング49bの内部に芯線53(図2、3等参照)を設けていない。即ち、本実施例の場合、この弾性歯付リング49bは、単なる(内部に芯線53を包埋しない)合成ゴム製の本体部52の外周面及び内周面の円周方向等間隔複数個所に、それぞれ外歯素子部54a、54aと内歯素子部55a、55aとを設け、内、外両周面に織布56a、56bを設けている。又、外歯50bの歯底部を、内歯51bの頂部(歯先面)に近付けている。又、この内歯51bの歯底部を、上記外歯50bの頂部(歯先面)に近付けている。そして、この内歯51bの歯底部を、上記外歯50bの歯底部よりも、上記弾性歯付リング49bの外径側に位置させている。又、電動モータ28の回転軸29に形成した雄スプライン部47bと、ウォーム軸27に形成した雌スプライン部48aとに上記弾性歯付リング49bをスプライン係合させた状態で、上記雄スプライン部47bの各歯の一部と上記雌スプライン部48aの各歯の一部とを、これら雄、雌両スプライン部47b、48aの円周方向に重畳させている。
又、上記雄スプライン部47bの各歯の基端部(図15の左端部)で、軸方向に関して各突部74、74を形成した部分の歯先円の直径d1 ´を、上記弾性歯付リング49bの内歯の歯底円の直径d2 ´よりも大きくしている(d1 ´>d2 ´)。更に、本実施例の場合には、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48aの各歯の奥端寄り部分に径方向内方に突出する第二の突部77、77を設け、これら各歯のうち、これら各第二の突部77、77部分の径方向寸法(高さ)h1 ´を、これら各第二の突部77、77から外れた他の部分の歯の径方向寸法(高さ)h2 ´よりも大きくしている(h1 ´>h2 ´)。又、上記雌スプライン部48aの、上記各第二の突部77、77を形成した奥端寄り部分の歯先円の直径d3 を、上記弾性歯付リング49bの外歯50bの歯底円の直径d4 よりも小さくしている(d3 <d4 )。そして、上記雌スプライン部48aと雄スプライン部47bとに弾性歯付リング49bをスプライン係合させた状態で、この弾性歯付リング49bの軸方向一端面(図15の左端面)を、上記雄スプライン部47bに設けた突部74、74の側面に突き当てるか、若しくは軸方向の僅かな隙間を介して対向させている。又、上記弾性歯付リング49bの軸方向他端面(図15の右端面)を、上記雌スプライン部48aに設けた第二の突部77、77の側面に突き当てるか、若しくは軸方向の僅かな隙間を介して対向させている。この構成により、上記弾性歯付リング49bの軸方向両側への変位が規制される。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図12〜13に示した実施例8の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図12〜13に示した実施例8の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
次に、図17は、請求項6、8、9に対応する、本発明の実施例11を示している。本実施例は、前述の図14に示した実施例9の構造と、上述の図15〜16に示した実施例10の構造とを組合せた如き構成を有する。即ち、本実施例の場合には、上述の実施例10の構造で、ウォーム軸27を回転軸29に対し、軸方向に所定の範囲で変位可能としている。又、回転軸29とウォーム軸27とが軸方向に相対変位可能な総ての範囲で、弾性歯付リング49bの径方向両側が雄、雌両スプライン部47b、48aの双方とスプライン係合している部分の軸方向長さである、有効歯部長さL1 が変化しない様に、上記回転軸29の上記ウォーム軸27に対する軸方向変位を規制する規制手段を設けている。この規制手段は、前述の図14に示した実施例9の場合と同様である。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図14に示した実施例9及び上述の図15〜16に示した実施例10の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図14に示した実施例9及び上述の図15〜16に示した実施例10の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
次に、図18〜19は、請求項6、9に対応する、本発明の実施例12を示している。本実施例の場合には、前述の図15〜16に示した実施例10の構造で、雌スプライン部48の奥端寄り部分(図18の右端寄り部分)に突部77(図15、16参照)を設けず、その代わりに、回転軸29に形成した雄スプライン部47cの各歯の先端寄り部分(図18、19の右端寄り部分)に径方向外方に突出する第三の突部78、78を設けている。そして、上記雄スプライン部47cの各歯のうち、第三の突部78、78部分での径方向の寸法(高さ)h3 と、突部74、74を設けた基端寄り部分(図18、19の左端寄り部分)の径方向の寸法h1 とを、上記突部74、74及び第三の突部78、78から外れた他の部分である、各歯の中間部の径方向の寸法h2 よりも大きくしている(h3 、h1 >h2 )。又、上記雄スプライン部47cの、突部74、74及び第三の突部78、78を形成した両端寄りの歯先円の直径d1 ´、d3 ´を、上記弾性歯付リング49bの内歯51bの歯底円の直径d2 ´よりも大きくしている(d1 ´、d3 ´>d2 ´)。そして、上記雄スプライン部47cの軸方向中間部に上記弾性歯付リング49bの内歯51bをスプライン係合させると共に、この弾性歯付リング49bの軸方向両端面の外径寄り部分を、上記各突部74、74及び各第三の突部78、78の側面に、軸方向に対向させている。この状態で、上記弾性歯付リング49bの上記雄スプライン部47cに対する軸方向両側への変位が規制される。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図15〜16に示した実施例10の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図15〜16に示した実施例10の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
次に、図20は、請求項6、8、9に対応する、本発明の実施例13を示している。本実施例の場合には、前述の図14に示した実施例9の構造と、上述の図18〜19に示した実施例12の構造とを組合せた如き構成を有する。即ち、本実施例の場合には、上述の実施例12の構造で、ウォーム軸27を電動モータ28の回転軸29に対し、軸方向に所定の範囲で変位可能としている。又、回転軸29とウォーム軸27とが軸方向に相対変位可能な総ての範囲で、弾性歯付リング49bの径方向両側が雄、雌両スプライン部47c、48の双方とスプライン係合している部分の軸方向長さである、有効歯部長さL1 が変化しない様に、上記回転軸29の上記ウォーム軸27に対する軸方向変位を規制する規制手段を設けている。この規制手段は、前述の図14に示した実施例9の場合と同様である。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図14に示した実施例9及び上述の図18〜19に示した実施例12の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図14に示した実施例9及び上述の図18〜19に示した実施例12の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
次に、図21は、請求項6、9に対応する、本発明の実施例14を示している。本実施例の場合には、前述の図18〜19に示した実施例12の構造で、雄スプライン部47dの各歯で、基端寄りに突部74、74を設けた歯と、先端寄りに第三の突部78、78を設けた歯とを、円周方向に関して交互に配置している。この様な構成の場合も、雄スプライン部47dの軸方向中間部にスプライン係合させた弾性歯付リング49b(図18参照)の軸方向両側への変位を規制できる。しかも、本実施例の場合には、前述の実施例12の場合と異なり、上記各歯には、突部74及び第三の突部78のうち、一方の突部74(又は78)のみを設ければ済む。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図18〜19に示した実施例12の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図18〜19に示した実施例12の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
次に、図22〜23は、請求項6、7、9に対応する、本発明の実施例15を示している。本実施例の場合には、前述の図18〜19に示した実施例12の構造で、雄スプライン部47eの各歯の基端寄り部分(図22の左端寄り部分)に、径方向外方に突出する突部74a、74aを設けている。又、上記各歯のこれら各突部74a、74aを設けた基端寄り部分の、周方向の幅(厚さ)W1 を、上記各歯のうち、これら各突部74a、74aから外れた他の部分の周方向の幅(厚さ)W2 よりも大きくし(W1 >W2 )、上記各歯の上記各突部74a、74aを設けた基端寄り部分を幅広部79、79としている。但し、これら各幅広部79、79の周方向の幅W1 は、ウォーム軸27に設けた雌スプライン部48の円周方向に隣り合う各歯の側面同士の間隔よりも小さくしている。
又、上記各幅広部79、79の径方向の寸法(高さ)h1 を、上記各歯の軸方向中間部の径方向の寸法h2 よりも大きくしている(h1 >h2 )。又、上記雄スプライン部47eの、各突部74a、74a及び各第三の突部78、78を設けた、両端寄りの歯先円の直径d1 ´、d3 ´を、弾性歯付リング49bの内歯51bの歯底円の直径d2 ´(図18参照)よりも大きくしている(d1 ´、d3 ´>d2 ´)。そして、上記雄スプライン部47eの軸方向中間部に上記弾性歯付リング49bの内歯51bをスプライン係合させると共に、この弾性歯付リング49bの軸方向両端面の外径寄り部分を、上記突部74a、74aの側面及び第三の突部78、78の側面に、軸方向に対向させている。又、上記各幅広部79、79の周方向両側面と、ウォーム軸27に形成した雌スプライン部48のうち、上記弾性歯付リング49bよりも開口端側(図23の裏側)に外れた部分の各歯の周方向両側面とを、それぞれ小さな周方向寸法d5 (図23)を有する隙間を介して、周方向に対向させている。
この様な本実施例によれば、弾性歯付リング49bの軸方向の変位を、より有効に規制できる。しかも、各幅広部79が存在しない、前述の図18〜19に示した実施例12の構造で弾性歯付リング49bに永久変形歪みが発生する様な、過大なトルクがこの弾性歯付リング49bに入力された場合でも、この弾性歯付リング49bの永久変形歪み及び破損等の損傷の発生を、有効に防止できる。即ち、上記過大なトルクが入力され、図23(B)に示す様に、回転軸29がウォーム軸27に対し所定の角度だけ相対回転した場合には、上記各幅広部79、79の周方向片側面が上記雌スプライン部48の各歯の開口端寄り部分の周方向片側面に、直接衝合する(金属同士が直接接触する)。この為、上記回転軸29が上記ウォーム軸27に対しそれ以上に回転する事が阻止されて、弾性歯付リング49cのそれ以上の変形を防止できる。この結果、弾性歯付リング49bの永久変形歪み及び破損等の損傷の発生を、有効に防止できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図18〜19に示した実施例12の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図18〜19に示した実施例12の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明は省略する。
次に、図24〜25は、請求項1、2、5、9、10に対応する、本発明の実施例16を示している。本実施例の電動式パワーステアリング装置の場合には、上述した各実施例の場合と異なり、電動モータ28の補助トルクを、ウォーム減速機を介してステアリングシャフト2(図26〜28参照)に付与していない。本実施例の場合には、電動モータ28の補助トルクを、はすば歯車型の減速機80とボールねじ機構81とを介してラック12に付与する、所謂ラックアシスト式の電動式パワーステアリング装置に本発明を適用している。即ち、本実施例の場合には、上記ラック12の側方に電動モータ28を設けている。又、この電動モータ28の回転軸29とはすば歯車型の減速機80の入力軸82とを連結すると共に、この減速機80の出力軸となる出力歯車83とボールナット84とを連結している。これら出力歯車83とボールナット84とは、上記ラック12の周囲に外嵌する状態で設けている。そして、このラック12の一部外周面に設けた内径側ボールスクリュー溝85と、上記ボールナット84の内周面に設けた外径側ボールスクリュー溝86との間に複数のボール87、87を転動自在に設けている。上記ボールナット84は、ハウジング88に対し回転のみ自在に支持している。又、上記ラック12は、このハウジング88に対し軸方向の変位のみを自在に支持している。
この様なラックアシスト式の電動式パワーステアリング装置で、ステアリングホイール1(図26、27参照)を操作すると、ステアリングシャフト2又はピニオン11の周囲に設けられたトルクセンサ(図示せず)がこのステアリングシャフト2又はピニオン11に加えられるトルクの方向と大きさとを検出する。すると、制御器6(図26参照)がこのトルクセンサから入力された信号に基づき電動モータ28に通電し、上記減速機80を介して上記ボールナット84を回転させる。そして、このボールナット84の回転により、上記ラック12が軸方向に変位する。
特に、本実施例の場合には、上記電動モータ28の回転軸29の先端部内周面に設けた雌スプライン部48と、上記減速機80の入力軸82の一端部(図24〜25の左端部)外周面に設けた雄スプライン部47との間に、前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様の弾性歯付リング49aを設けて、この弾性歯付リング49aにより、上記回転軸29と入力軸82とを、動力の伝達可能に結合している。又、この入力軸82の外周面と上記回転軸29の先端部(図24〜25の右端部)内周面との間に、上記実施例1の場合と同様のスペーサリング61を設けて、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、このスペーサリング61を介して、上記入力軸82に設けた軸方向に向いた段差面89に対向させている。
更に、上記減速機80の出力歯車83に設けた雌スプライン部48と、上記ボールナット84の一端部(図24〜25の左端部)に設けた小径筒部90に形成した雄スプライン部47との間に、やはり前述の図1〜3に示した実施例1の場合と同様の弾性歯付リング49aを設けている。そして、この弾性歯付リング49aにより、上記出力歯車83とボールナット84とを、動力の伝達可能に結合している。又、上記小径筒部90の基端部外周面と上記出力歯車83の一端部(図24〜25の右端部)内周面との間に、上記実施例1の場合と同様のスペーサリング61を設けて、上記弾性歯付リング49aの軸方向一端面を、このスペーサリング61を介して、上記ボールナット84に設けた軸方向に向いた段差面91に対向させている。この様な本実施例の場合も、一部の動力伝達部に弾性歯付リング49a、49aとスペーサリング61、61とを設けている為、これら各動力伝達部での異音の発生を安価に抑える事ができると共に、弾性歯付リング49a、49aの軸方向の変位を規制でき、しかもこれら弾性歯付リング49a、49aの損傷を有効に防止できる。尚、本発明の範囲で、上記スペーサリング61、61の代わりに、上述した実施例2〜5で使用したスペーサリング61a〜61d、実施例6〜7で使用したOリング71等を使用したり、実施例8〜15と同様に、雌スプライン部48や雄スプライン部47の一部の歯の径方向寸法を大きくした構造を採用する事ができるのは勿論である。
又、図示は省略するが、ラックアシスト式の電動式パワーステアリング装置で、上述の図24〜25に示した構造以外に、電動モータを、この電動モータの回転軸とボールナットの回転軸とが同軸上に位置する様にラックの周囲に設けると共に、この電動モータの回転軸とこのボールナットとを、減速機を介さず直接連結する場合もある。この様な構造の電動式パワーステアリング装置でも、上記電動モータの回転軸とボールナットとの間の動力伝達部に、上述した各実施例を構成する動力伝達機構と同様の構造を採用できる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 トルクセンサ
4 減速機
5 電動モータ
6 制御器
7 自在継手
8 中間シャフト
9 ステアリングギヤ
10 入力軸
11 ピニオン
12 ラック
13 タイロッド
14 操舵輪
15 ステアリングコラム
16 アシスト装置
17 アウターシャフト
18 インナーシャフト
19 車体
20 ウォーム減速機
21 ギヤハウジング
22 第一のインナーシャフト
23 第二のインナーシャフト
24 トーションバー
26 ウォームホイール
27 ウォーム軸
28 電動モータ
29 回転軸
30、30a 動力伝達機構
31 弾力付与手段
32 軸受ホルダ
33 第一の玉軸受
34 第二の玉軸受
35 揺動軸
36 コイルばね
37 ウォーム
38 ケース
39 大径筒部
40 小径筒部
41 段部
42 凹孔
43 弾性リング
44 透孔
45 凹孔
47、47a〜47e 雄スプライン部
48、48a 雌スプライン部
49、49a、49b 弾性歯付リング
50、50a、50b 外歯
51、51a、51b 内歯
52 本体部
53 芯線
54、54a 外歯素子部
55、55a 内歯素子部
56a、56b 織布
57 円柱部
58 大径部
59 段差面
60 不完全部
61、61a〜61d スペーサリング
62 第三の玉軸受
63 内輪
64 本体部
65 外歯素子部
66a、66b 織布
67、67a 外歯
68 隙間
69、69a 内歯
70 内歯素子部
71 Oリング
72 凹溝
73 凹溝
74、74a 突部
75 内輪
76 鍔部
77 第二の突部
78 第三の突部
79 幅広部
80 減速機
81 ボールねじ機構
82 入力軸
83 出力歯車
84 ボールナット
85 内径側ボールスクリュー溝
86 外径側ボールスクリュー溝
87 ボール
88 ハウジング
89 段差面
90 小径筒部
91 段差面
92 小径柱部
2 ステアリングシャフト
3 トルクセンサ
4 減速機
5 電動モータ
6 制御器
7 自在継手
8 中間シャフト
9 ステアリングギヤ
10 入力軸
11 ピニオン
12 ラック
13 タイロッド
14 操舵輪
15 ステアリングコラム
16 アシスト装置
17 アウターシャフト
18 インナーシャフト
19 車体
20 ウォーム減速機
21 ギヤハウジング
22 第一のインナーシャフト
23 第二のインナーシャフト
24 トーションバー
26 ウォームホイール
27 ウォーム軸
28 電動モータ
29 回転軸
30、30a 動力伝達機構
31 弾力付与手段
32 軸受ホルダ
33 第一の玉軸受
34 第二の玉軸受
35 揺動軸
36 コイルばね
37 ウォーム
38 ケース
39 大径筒部
40 小径筒部
41 段部
42 凹孔
43 弾性リング
44 透孔
45 凹孔
47、47a〜47e 雄スプライン部
48、48a 雌スプライン部
49、49a、49b 弾性歯付リング
50、50a、50b 外歯
51、51a、51b 内歯
52 本体部
53 芯線
54、54a 外歯素子部
55、55a 内歯素子部
56a、56b 織布
57 円柱部
58 大径部
59 段差面
60 不完全部
61、61a〜61d スペーサリング
62 第三の玉軸受
63 内輪
64 本体部
65 外歯素子部
66a、66b 織布
67、67a 外歯
68 隙間
69、69a 内歯
70 内歯素子部
71 Oリング
72 凹溝
73 凹溝
74、74a 突部
75 内輪
76 鍔部
77 第二の突部
78 第三の突部
79 幅広部
80 減速機
81 ボールねじ機構
82 入力軸
83 出力歯車
84 ボールナット
85 内径側ボールスクリュー溝
86 外径側ボールスクリュー溝
87 ボール
88 ハウジング
89 段差面
90 小径筒部
91 段差面
92 小径柱部
Claims (10)
- 駆動軸と被駆動軸との間に設けられて、これら両軸の間で動力を伝達する為の動力伝達機構であって、
これら両軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部と、この雌スプライン部とスプライン係合する外歯をその外周面に、この雄スプライン部とスプライン係合する内歯をその内周面に、それぞれ有する弾性歯付リングとを備え、この弾性歯付リングは、外径側及び内径側にそれぞれが弾性材製で径方向に突出する複数ずつの外歯素子部と内歯素子部とを一体的に設けると共に、その外周面でこれら各外歯素子部の外径側表面及びこれら各外歯素子部の間部分と、その内周面で上記各内歯素子部の内径側表面及びこれら各内歯素子部の間部分とに、それぞれ織布を貼着する事により、上記外歯と内歯とを構成したものである動力伝達機構に於いて、
上記弾性歯付リングを上記雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、上記一方の軸若しくはこの一方の軸に固定の部材、又は上記他方の軸若しくはこの他方の軸に固定の部材に、上記弾性歯付リングの軸方向端面をスペーサリングを介して軸方向に対向させており、このスペーサリングは、上記雄、雌両スプライン部のうちの少なくとも一方のスプライン部とはスプライン係合しないものである事を特徴とする動力伝達機構。 - スペーサリングが、雄、雌両スプライン部のうちの一方のスプライン部のみとスプライン係合するものであり、上記スペーサリングの外周面に設けられた外歯又は内周面に設けられた内歯を、弾性歯付リングに設けられた外歯又は内歯と同形状としている、請求項1に記載した動力伝達機構。
- スペーサリングが、雄、雌両スプライン部のうちの一方のスプライン部のみとスプライン係合するものであり、上記スペーサリングの外周面に設けられた外歯又は内周面に設けられた内歯の歯数を、弾性歯付リングに設けられた外歯又は内歯の歯数よりも少なくした、請求項1に記載した動力伝達機構。
- スペーサリングが、円環状又は欠円環状に形成したリング状部材であり、このリング状部材を、駆動軸と被駆動軸とのうちの一方の軸又は他方の軸の周面に形成した周方向の溝部に係止している、請求項1に記載した動力伝達機構。
- スペーサリング又はリング状部材を、単一のゴムのみにより、又は、弾性歯付リングを構成する弾性材とは異なる材料により構成している、請求項1〜4のうち、何れか1項に記載した動力伝達機構。
- 駆動軸と被駆動軸との間に設けられて、これら両軸の間で動力を伝達する為の動力伝達機構であって、
これら両軸のうちの一方の軸の端部内周面に設けられた雌スプライン部と、他方の軸の端部外周面に設けられた雄スプライン部と、この雌スプライン部とスプライン係合する外歯をその外周面に、この雄スプライン部とスプライン係合する内歯をその内周面に、それぞれ有する弾性歯付リングとを備え、この弾性歯付リングは、外径側及び内径側にそれぞれが弾性材製で径方向に突出する複数ずつの外歯素子部と内歯素子部とを一体的に設けると共に、その外周面でこれら各外歯素子部の外径側表面及びこれら各外歯素子部の間部分と、その内周面で上記各内歯素子部の内径側表面及びこれら各内歯素子部の間部分とに、それぞれ織布を貼着する事により、上記外歯と内歯とを構成したものである動力伝達機構に於いて、
上記弾性歯付リングを上記雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、この雄スプライン部又は雌スプライン部の歯のうち、軸方向に関して上記弾性歯付リングから外れた部分の歯の径方向寸法を他の部分の歯の径方向寸法よりも大きくする事により、上記弾性歯付リングの軸方向の変位を規制している事を特徴とする動力伝達機構。 - 弾性歯付リングを雄、雌両スプライン部にスプライン係合させた状態で、この雄スプライン部又は雌スプライン部の歯のうち、軸方向に関して上記弾性歯付リングから外れた部分の歯の周方向の幅を他の部分の歯の周方向の幅よりも大きくした、請求項6に記載した動力伝達機構。
- 被駆動軸を駆動軸に対し軸方向に変位可能としており、この被駆動軸とこの駆動軸とが軸方向に相対変位可能な総ての範囲で、弾性歯付リングの径方向両側が雄、雌両スプライン部とスプライン係合している部分の軸方向長さである、有効歯部長さが変化しない様に、上記被駆動軸の上記駆動軸に対する軸方向変位を規制する規制手段を設けた、請求項1〜7のうち、何れか1項に記載した動力伝達機構。
- 電動モータの回転軸と減速機を構成する入力軸とを、請求項1〜8のうち、何れか1項に記載した動力伝達機構により、動力の伝達を可能に結合した電動式パワーステアリング装置。
- 減速機の出力軸又は電動モータの回転軸と、ボールナットとを、請求項1〜8のうち、何れか1項に記載した動力伝達機構により、動力の伝達を可能に結合した電動式パワーステアリング装置。
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