JP2009190589A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型・軽量な構造で、且つ、組立作業を容易にでき、しかも電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を防止できると共に、安価に構成できる電動式パワーステアリング装置を実現する。
【解決手段】ウォーム軸の基端部にスプライン孔を形成する。又、上記電動モータの出力軸12aの先端部に、第一、第二各スプライン軸部15a、16を設ける。そして、このうちの第一スプライン軸部15aを構成する剛体製の第一スリーブ23と、上記第二スプライン軸部16を構成する弾性材製の第二スリーブ24とを、上記出力軸12aの先端部に設けた支持軸部20aに外嵌する事により構成する。この様に第一、第二各スプライン軸部15a、16を、上記出力軸12aと別体の第一、第二両スリーブ23、24によりそれぞれ構成している為、これら第一、第二各スプライン軸部15a、16を容易且つ安価に造れる。
【選択図】図2

Description

この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。本発明は、この様な電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータの出力軸と、減速機のウォーム軸との係合部で、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する事を抑えられる構造を、安価に構成する事を意図して発明したものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。この様な電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、上記ウォームと上記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、上記回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜3に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する事が考えられている。図5〜6は、このうちの特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持されている。更に、上記ウォーム軸6の先端部で上記転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒10を外嵌し、この押圧駒10と上記ハウジング3との間に、コイルばね11等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね11により、上記押圧駒10を介して、上記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を、上記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、上記歯打ち音の発生を抑えている。尚、このバックラッシュを抑える事に伴って、上記ウォーム軸6と次述する電動モータの出力軸12とは、厳密には同心でなくなるが、そのずれは僅かであり、実質的には同心である。
上述の様な従来構造の場合、上記ウォーム歯5と上記ウォームホイール4との噛合部で上記歯打ち音が発生する事を抑えられるが、上記電動モータ7の出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との結合部で発生する歯打ち音を抑える事はできない。この点に就いて、以下に説明する。上記電動モータ7の出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部とを回転力の伝達を自在に結合する為に、このウォーム軸6の基端部にスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。又、上記出力軸12の先端部にスプライン軸部14を形成している。そして、このスプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に結合している。尚、本明細書及び特許請求の範囲に於ける「スプライン」には、ピッチの細かい、所謂「セレーション」と呼ばれるものも含む。
上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とが円周方向の隙間なく(バックラッシュ無しで)スプライン係合していれば、上記出力軸12の先端部と上記ウォーム軸6の基端部との結合部(スプライン係合部)で歯打ち音が発生する事はない。但し、実際の場合には、このスプライン係合部にはバックラッシュが存在する。このスプライン係合部のバックラッシュは、上記スプライン軸部14と上記スプライン孔13とをスプライン係合させる作業を容易に行なえる様にする為に必要である。又、上記出力軸12の中心軸と上記ウォーム軸6の中心軸とが僅かにずれた程度では、上記スプライン係合部にコジリが発生しない様にして、上記出力軸12を回転させる為に要するトルクが上昇する事を防止する為にも、上記バックラッシュは必要である。特に、前記コイルばね11等の弾性部材により上記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を前記ウォームホイール4に向け押圧して、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを解消する構造の場合には、上記スプライン係合部のバックラッシュを設ける事は必須となる。
ところが、このスプライン係合部にバックラッシュが存在すると、上記電動モータ7が起動する瞬間や、その回転方向が変換される瞬間に、上記スプライン軸部14の外周面に設けられた雄スプライン歯の円周方向側面と、上記スプライン孔13の内周面に設けられた雌スプライン歯の円周方向側面とが勢い良く衝突し、上記歯打ち音が発生する。この様な歯打ち音は、上記スプライン係合部のバックラッシュが大きくなる程著しくなるので、従来は、このバックラッシュを、このスプライン係合部の組立が可能な範囲で、更には、上記ウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを解消できる範囲で、小さく抑える様にしていた。但し、上記スプライン係合部のバックラッシュを小さくすると、その分、上記スプライン軸部14を上記スプライン孔13に挿入しにくくなり、組立作業性が低下し、電動式パワーステアリング装置の製造コスト上昇の原因となる。又、上記出力軸12と上記ウォーム軸6との組み付け精度を高くしないと、上記コジリによるトルク上昇の問題が発生し易くなるので、やはり電動式パワーステアリング装置の製造コスト上昇の原因となる。
一方、特許文献4には、スプライン軸部の外周面とスプライン孔の内周面との間にOリング等の弾性体を設けて、スプライン歯の歯先と歯底とが勢い良く衝突する事を防止する発明が記載されている。但し、上記特許文献4に記載された発明の構造では、上述した様な、電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を抑える事はできない。更に、特許文献5には、電動式パワーステアリング装置に適用可能な、バックラッシュを解消できる継手の構造が記載されている。但し、上記特許文献5に記載された構造は、部品点数が多く、コストが嵩むだけでなく、外径が大きく、重量が嵩む等の不利益がある。
又、特許文献6には、電動モータの出力軸と減速機を構成するウォーム軸とを弾性体を介して結合した構造が記載されている。但し、この特許文献6に記載された構造は、トルクの伝達を常に弾性体を介して行なう為、大きなトルクが負荷された場合に、この弾性体がへたり易く、この弾性体の耐久性の確保を図りにくい。尚、耐久性を確保すべく、上記弾性体の圧縮率を下げる事が考えられるが、この弾性体の寸法が大きくなり、レイアウト(配置)の自由度が低下する等、好ましくない。
特開2000−43739号公報 特開2004−306898号公報 特表2006−513906号公報 特開2004−122852号公報 特開2006−183676号公報 特開2006−177505号公報
[先発明の説明]
上述の様な事情に鑑みて本願出願人は先に、小型・軽量な構造で、且つ、組立作業を容易にでき、しかも電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を抑えられる電動式パワーステアリング装置に関する発明を出願した(先発明:特願2007−90680)。図7〜12は、この先発明の電動式パワーステアリング装置を示している。この先発明の構造の場合は、図7〜8に示す様に、ウォーム軸6の基端部に、特許請求の範囲に記載した受孔に相当するスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で、このウォーム軸6と同心に形成している。又、図7、8、10に示す様に、電動モータ7の出力軸12の先端部に、特許請求の範囲に記載した軸部に相当するスプライン軸部14aを、この出力軸12と同心に形成している。そして、このスプライン軸部14aと上記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、上記出力軸12と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を可能に結合している。
上記スプライン軸部14aは、特許請求の範囲に記載した第一軸部に相当する第一スプライン軸部15と、同じく第二軸部に相当する第二スプライン軸部16とを、図7、8及び図10の(B)に示す様に、軸方向に関して互いに直列に配置して成る。このうちの第一スプライン軸部15は、上記出力軸12の先端部のうちの中間寄り(図7〜8の右寄り)部分に、この出力軸12と一体に設けている。従って、上記第一スプライン軸部15は、剛体である金属製(一般的には、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄系合金製)であり、上記出力軸12と同期して回転する。上記第一スプライン軸部15の外周面に設けた第一雄スプライン歯17のピッチ円直径は、上記スプライン孔13の内周面に設けた雌スプライン歯18のピッチ円直径よりも少しだけ小さくしている。この為、上記第一スプライン軸部15は上記スプライン孔13に、緩く(隙間嵌で)挿入可能である。
これに対して、上記第二スプライン軸部16は、上記出力軸12の先端部で上記第一スプライン軸部15よりも先端面寄り部分に、ニトリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等のゴム、或いはポリウレタンの如きエラストマー、合成樹脂等の弾性材製のスリーブ19を、図10の(A)→(B)に示す様に外嵌する事で構成している。このスリーブ19を外嵌する為に、上記出力軸12の先端部で上記第一スプライン軸部15よりも先端面寄り部分に、外周面の断面形状が非円形(図示の場合には正方形)の支持軸部20を設けている。そして、この支持軸部20に上記スリーブ19を、締り嵌めで外嵌している。即ち、このスリーブ19の中心孔21の内周面の輪郭は、自由状態で上記支持軸部20の外周面の輪郭よりも少し小さく、上記スリーブ19は、上記中心孔21を弾性的に押し広げつつ、上記支持軸部20に外嵌している。従って上記スリーブ19は、上記出力軸12の回転に伴って回転する。又、このスリーブ19の外周面に設けた第二雄スプライン歯22のピッチ円直径は、このスリーブ19の自由状態で、上記雌スプライン歯18のピッチ円直径と同じか、この雌スプライン歯18のピッチ円直径よりも少しだけ大きくしている。
従って、上記出力軸12の先端部を上記スプライン孔13内に挿入する以前の状態では、図11に示す様に、上記第二スプライン軸部16の外周面が上記第一スプライン軸部15の外周面よりも径方向外方にはみ出した状態となる。上記スプライン孔13の内周面の輪郭は、上記図11に表れた、上記第二スプライン軸部16の外周面の輪郭と上記第一スプライン軸部15の外周面の輪郭との間の大きさとなる。この為、上記出力軸12の先端部を上記スプライン孔13内に挿入した状態では、上記第二スプライン軸部16がこのスプライン孔13に、上記スリーブ19を弾性的に圧縮しつつ(締り嵌めで)押し込まれる。そして、押し込み後の状態では、図9に示す様に、上記スリーブ19の内外両周面が、上記支持軸部20の外周面と上記スプライン孔13の内周面とに、全周に亙り隙間なく当接する。これに対して、上記第一スプライン軸部15は、上記スプライン孔13内に緩く挿入される。従って、上記出力軸12と前記ウォーム軸6との間でトルクを伝達しない、中立状態では、上記第一スプライン軸部15の外周面と上記スプライン孔13の内周面との間(雄、雌両スプライン歯17、18の側面同士の間)に微小隙間が、全周に亙って存在する。尚、上記スリーブ19は、特許請求の範囲に記載した第二スリーブに相当する。
上述の様な先発明の電動式パワーステアリング装置の作動時には、電動モータ7からステアリングシャフト2(図5参照)に補助動力を付与すべく、この電動モータ7の出力軸12により、上記ウォーム軸6を回転駆動する。この際、上記補助動力の大きさに応じ、上記第一スプライン軸部15と上記第二スプライン軸部16とのうちの一方又は双方のスプライン軸部を介して、上記ウォーム軸6を回転駆動する。
先ず、上記補助動力が小さい場合には、上記スリーブ19により構成される上記第二スプライン軸部16と、上記スプライン孔13とのスプライン係合部を介して、上記出力軸12により上記ウォーム軸6を回転駆動する。この際、上記第一スプライン軸部15と上記スプライン孔13との間には隙間が存在する。これに対して、上記補助動力が大きくなると、上記スリーブ19の円周方向に関する弾性変形量が増大し、上記第一スプライン軸部15の外周面と上記スプライン孔13の内周面と(雄、雌両スプライン歯17、18の側面同士)が当接する。この状態では、上記第一スプライン軸部15と上記スプライン孔13とのスプライン係合部が、上記第二スプライン軸部16と上記スプライン孔13とのスプライン係合部により伝達し切れないトルクを伝達する。
従って上記ウォーム軸6は上記出力軸12により、十分に大きなトルクにより回転駆動される。上記補助動力が大きくなる過程で、前記第一雄スプライン歯17と前記雌スプライン歯18とが衝突するが、この衝突は、上記スリーブ19の弾性に抗しつつ(このスリーブ19が上記両スプライン歯17、18同士の動きを或る程度緩衝した後に)行なわれるので、前述した従来構造の場合に比べて緩徐に行なわれる。従って、上記補助動力の伝達方向が逆転する様な場合、或いは悪路走行等に伴って振動が加わる様な場合にも、上記第一雄スプライン歯17と上記雌スプライン歯18とのスプライン係合部で、歯打ち音等の耳障りな騒音や振動が発生する事はない。又、大きな補助動力を伝達する場合にも、上記スリーブ19を介して伝達する補助動力は限られた値である為、このスリーブ19が過度に弾性変形する事はなく、このスリーブ19の耐久性が損なわれる事はない。
又、図示の構造の場合は、上記ウォーム軸6の基端部をハウジング3に対し回転自在に支持する為の転がり軸受9bの内径側に設置できる等、小型且つ軽量に構成できる。又、上記ウォーム軸6の基端部と上記出力軸12の先端部とを結合する作業は、上記スリーブ19を弾性変形させつつ、容易に行なえる。この為、組立作業性を向上させて、電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。更に、上記ウォーム軸6の基端部と上記出力軸12の先端部とは、上記スリーブ19により、これらウォーム軸6と出力軸12との相対変位を可能に結合している。従って、これらウォーム軸6と出力軸12との位置関係が、トルク伝達に基づく弾性変形、摩耗、温度変化、吸水等により多少変化した場合でも、上記スリーブ19の弾性変形に基づいてこの変化を吸収(補償)できる。この為、上記位置関係が多少変化しても、上記結合部で、コジリが発生する事はなく、コジリに基づく伝達効率の低下や耐久性の低下を招く事はない。又、上記出力軸12と上記ウォーム軸6との組み付け精度を高くしなくても、上記コジリによるトルク上昇の問題が発生しにくくなるので、この面からも、電動式パワーステアリング装置の製造コストを抑えられる。
上述の様な先発明の構造の場合、上述した様な優れた作用・効果を奏する事ができるが、更なる改良の余地がある。即ち、上述した先発明の構造の場合、出力軸12の先端部のうちの中間寄り部分に第一スプライン軸部15を、この出力軸12と一体に設けている。この様な構造の場合、この出力軸12の先端部で、上記第一スプライン軸部15よりも先端面寄り部分に設けた支持軸部20とこの第一スプライン軸部15との円周方向に関する位置関係を、精度良く規制する必要がある。この理由は、この位置関係がずれると、上記支持軸部20に外嵌したスリーブ19の外周面に設けた第二雄スプライン歯22と上記第一スプライン軸部15の第一雄スプライン歯17との円周方向に関する位置関係(位相、ピッチ)がずれ、所期の性能を発揮できなくなる可能性がある為である。しかしながら、上記出力軸12となるべき円柱状の素材に、互いに異なる外周面の形状を有する、上記第一スプライン軸部15と上記支持軸部20とを高精度に(位相精度良く)形成する為には、高価な加工装置や面倒な加工作業を必要とする等、加工コスト並びに加工時間が増大し、低コストで量産する事が難しくなる可能性がある。
本発明は、上述の様な事情に鑑み、小型・軽量な構造で、且つ、組立作業を容易にでき、しかも電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を防止できると共に、安価に構成できる電動式パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置は、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータとを備える。
このうちのハウジングは、ステアリングコラム、ステアリングギヤユニットのケース等の固定の部分に支持されて、回転する事はない。
又、上記回転軸は、上記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。この様な回転軸としては、上記固定の部分が上記ステアリングコラムの場合には、ステアリングシャフト若しくはこのステアリングシャフトと同軸に設けられたシャフトが、上記固定の部分がステアリングギヤユニットのケースである場合にはピニオン軸が、それぞれ相当する。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持している。
又、上記電動モータは、上記ウォームを回転駆動する為のものである。
更に、本発明の対象となる電動式パワーステアリング装置は、上記電動モータの出力軸と上記ウォーム軸とを、回転力の伝達を可能に結合している。
この為に、これら出力軸の先端部とウォーム軸の基端部とのうちの一方の端部に、当該軸の端面に開口する状態で、内周面の断面形状が非円形である受孔を形成している。
又、上記出力軸の先端部とウォーム軸の基端部とのうちの他方の端部に、外周面の断面形状が非円形である軸部を形成している。
そして、この軸部と上記受孔とを係合させている。
尚、これら受孔並びに軸部の断面形状は、欠円状、楕円状、小判形、多角形等、非円形であれば、各種形状を採用できるが、好ましくは、例えばこれら受孔と軸部とをそれぞれ、スプライン孔とスプライン軸部とする。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置に於いては、上記軸部は、第一軸部と、第二軸部とを、軸方向に関して互いに直列に配置して成るものとする。このうちの第一軸部は、金属等の剛体(使用状態での弾性変形が無視できる程度に小さい材料)製で、上記他方の端部を備えた軸と同期して回転する。又、上記第二軸部は、少なくとも表面層部分が、ニトリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等のゴム、或いはポリウレタンの如きエラストマー、合成樹脂等の弾性材製で、上記他方の端部を備えた軸の回転に伴って回転する。
更には、上記第一、第二両軸部をそれぞれ、上記他方の端部を備えた軸の先端部に設けた、外周面の断面形状が非円形(欠円状、楕円状、小判形、矩形、正方向、多角形等)の支持軸部に、内外両周面の断面形状をそれぞれ非円形とした(内周面を支持軸部の外周面に対応する非円形とすると共に、外周面を受孔の内周面に対応する非円形とした)、剛体製の第一スリーブと少なくとも表面層部分が弾性材製の第二スリーブとを、それぞれ外嵌する事で設ける。
この様な本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合に好ましくは、例えば請求項2に記載した様に、上記第一スリーブを、この第一スリーブ全体としての軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、円輪状の複数の第一スリーブ素子を、軸方向に関して直列に配置して成るものとする事ができる。又、例えば、上記第二スリーブを、この第二スリーブ全体としての軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、円輪状の複数の第二スリーブ素子を、軸方向に関して直列に配置して成るものとする事もできる。そして、この場合に、請求項3に記載した様に、上記第二スリーブ素子と第一スリーブ素子とを、軸方向に関して交互に配置する事もできる。
又、上述の様な本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合に好ましくは、上記第一軸部(を構成する第一スリーブ)の外周面と受孔の内周面の一部との間に存在する回転方向に関する隙間よりも、第二軸部(を構成する第二スリーブ)の外周面とこの受孔の内周面の残部との間に存在する回転方向に関する隙間を小さくする。この為に、例えば、上記第一軸部(を構成する第一スリーブ)を受孔に緩く挿入すると共に、第二軸部(を構成する第二スリーブ)をこの受孔に、この第二軸部(を構成する第二スリーブ)を弾性的に縮めた状態で押し込む{圧入により、第二軸部(を構成する第二スリーブ)の外周面と受孔の内周面の残部との間に存在する回転方向に関する隙間を零にする}。
尚、例えば、上記受孔は、上記ウォーム軸の基端面に開口する状態で設け、上記軸部は、上記電動モータの出力軸の先端部に設ける事ができる。
又、上述の様な本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合、必要に応じて、上記電動モータの出力軸の先端部とウォーム軸の基端部とを揺動変位を可能に係合させると共に、弾性部材により、このウォーム軸の先端部をウォームホイールに向けて弾性的に押圧する。
上述の様な構成を有する本発明の電動式パワーステアリング装置によれば、小型・軽量な構造で、且つ、組立作業を容易にでき、しかも電動モータの回転方向が変換される瞬間に生じる歯打ち音を防止できると共に、安価に構成できる。
先ず、上記電動モータの出力軸の先端部とウォーム軸の基端部とを、これら両軸のうちの一方に形成した受孔と他方に形成した軸部との係合により、回転力の伝達を自在に結合しているので、前述した先発明と同様に、結合部の外径を大きくせずに、小型且つ軽量に構成できる。
又、剛体製の第一軸部(を構成する第一スリーブ)を、上記受孔に緩く挿入できる構造で済む為、やはり先発明と同様に、上記受孔と上記軸部との組み合わせ作業を容易に行なえる。
更に、少なくとも表面層部分が弾性材製である第二軸部(を構成する第二スリーブ)の外周面と上記受孔との係合部の、回転方向に関する隙間を小さくできるので、やはり先発明と同様に、上記歯打ち音及び振動を抑える事が可能になる。即ち、上記第二軸部の外周面と上記受孔との係合部の回転方向に関する隙間を小さくする事で、上記第一軸部の外周面と上記受孔の内周面とが衝突するのに先立って、上記第二軸部の外周面と上記受孔の内周面とを係合(当接)させられる。この第二軸部の外周面は弾性材により覆われている(第二の軸部を弾性材製の第二スリーブにより構成している)為、上記係合部に中立状態で正の隙間が存在する場合にも、上記弾性材が上記第二軸部の外周面と上記受孔の内周面との衝突を緩和し、上記歯打ち音及び振動を抑える。又、上記係合部に元々隙間が存在しない(上記第二軸部と上記受孔とを締り嵌めで係合している)場合には、上記係合部で歯打ち音及び振動が発生する事はない。又、上記電動モータの出力軸と上記ウォーム軸との間で伝達すべきトルクが大きくなり、上記弾性材の弾性変形量が増した場合には、上記第一軸部の外周面と上記受孔の内周面とが衝突するが、この衝突の速度は、上記弾性材の弾性変形に基づいて遅くなっている為、上記第一軸部の外周面と上記受孔の内周面との係合部でも、不快な歯打ち音及び振動が発生する事は抑えられる。
しかも、本発明の場合には、上記第一、第二両軸部をそれぞれ、支持軸部に剛体製の第一スリーブと弾性材製の第二スリーブとを外嵌する事で設ける為、上述した様な所期の性能を得られる構造を、安価に構成できる。即ち、上記支持軸部の外周面を、上記第一スリーブを外嵌する部分と上記第二スリーブを外嵌する部分とで、それぞれ同一形状にできる(支持軸部を単一形状の外周面にできる)。この様な支持軸部の形成は、高価な加工装置や面倒な加工作業を必要とする事なく、容易且つ安価に、しかも精度良く行なえる。一方、上述した様な所期の性能を得る為に、上記第一、第二両スリーブを、上記支持軸部にそれぞれ外嵌させた状態で、これら第一、第二両スリーブの外周面の円周方向に関する位置関係(位相、ピッチ)を規制する必要がある。この為には、これら第一、第二両スリーブの内外両周面を精度良く形成する必要があるが、この様な加工は、例えば素材の外周面に、互いに外周面の形状が異なる第一スプライン軸部と支持軸部とを精度良く形成する場合に比べ、容易に行なえる。この為、上述した様な所期の性能を得られる構造を、加工コスト並びに加工時間が増大する事なく得られる(低コストで量産を行なえる)。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、電動モータ7(図7〜8参照)の出力軸12aの先端部(図1〜2の左端部)に設けたスプライン軸部14aと、ウォーム軸6の基端部に設けたスプライン孔13(図7〜9参照)との結合部の構造にある。その他、電動式パワーステアリング装置全体の構造及び作用に就いては、広く実施されている従来構造(例えば図5、6参照)、並びに、前述した先発明の構造(図7〜12参照)と同様であるから、これら従来構造並びに先発明の構造と同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の構造の場合も、前述の図7〜12に示した先発明の構造の場合と同様に、特許請求の範囲に記載した軸部に相当する上記スプライン軸部14aを、同じく第一軸部に相当する第一スプライン軸部15aと同じく第二軸部に相当する第二スプライン軸部16とにより構成している。但し、前述した先発明の構造の場合が、第一スプライン軸部15を出力軸12と一体に設けている(例えば図10参照)のに対して、本例の場合には、図2に示す様に、上記第一スプライン軸部15aを出力軸12aと別体に設けている。この為に、本例の場合は、剛体である金属製(一般的には、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄系合金製)の第一スリーブ23を、外周面の断面形状が非円形(図示の場合には正方形)の支持軸部20aに外嵌する事により、上記第一スプライン軸15aを設けている。この様な本例の場合には、上記電動モータ7の出力軸12aの先端部に設けた上記支持軸部20aの軸方向寸法を、前述した先発明の構造の場合の支持軸部20(例えば図10参照)よりも長くしている。
具体的には、上記支持軸部20aの軸方向寸法を、上記第一スプライン軸部15aを構成する上記第一スリーブ23、並びに、上記第二スプライン軸部16を構成する第二スリーブ24を、軸方向に関して互いに直列に配置(外嵌)できる大きさにしている。尚、このうちの第二スリーブ24は、前述した先発明の構造のスリーブ19(例えば図10参照)と同様のもので、ニトリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等のゴム、或いはポリウレタンの如きエラストマー、合成樹脂等の弾性材製のものである。そして、上述の様な軸方向寸法を有する上記支持軸部20aに、内外両周面の断面形状をそれぞれ非円形、即ち、内周面をこの支持軸部20aの外周面に対応する非円形(図示の場合には正方形)とすると共に、外周面を前記スプライン孔13の内周面に対応する雄スプライン状とした、上記剛体製の第一スリーブ23と上記弾性材製の第二スリーブ24とを、それぞれ外嵌している。
尚、上記第一スプライン軸部15aを構成する上記第一スリーブ23は、上記支持軸部20aの基半部に締り嵌めにより圧入固定する。或は、上記第一スリーブ23を上記支持軸部20aに隙間嵌めにより外嵌すると共に、これら第一スリーブ23又は支持軸部20aの一部を相手部材にかしめ付けて、不離に結合する事もできる。何れにしても、上記第一スリーブ23と上記支持軸部20aとの嵌合部をがたつきなく構成して、この嵌合部で、金属同士の衝突音が発生するのを防止する。又、上記第二スプライン軸部16を構成する上記第二スリーブ24も、上記支持軸部20aの先半部に締り嵌めで外嵌する。そして、この様に支持軸部20aに第一、第二両スリーブ23、24を外嵌した状態で、このうちの第二スリーブ24により構成される第二スプライン軸部16の外径が、上記第一スリーブ23により構成される上記第一スプライン軸部15aの外径と同じ、乃至は、この第一スプライン軸部15aの外径よりも大きくなる。
又、上述の様に第一スリーブ23を支持軸部20aに外嵌固定した状態で、この第一スリーブ23により構成される上記第一スプライン軸部15aの外周面に設けた第一雄スプライン歯17のピッチ円直径は、上記スプライン孔13の内周面に設けた雌スプライン歯18(図7〜9参照)のピッチ円直径よりも少しだけ小さくしている。この為、上記第一スプライン軸部15aは上記スプライン孔13に、緩く(隙間嵌で)挿入可能である。一方、上記第二スリーブ24を支持軸部20aに外嵌した状態で、この第二スリーブ24により構成される第二スプライン軸部16の外周面に設けた第二雄スプライン歯22のピッチ円直径は、上記第二スリーブ24を上記スプライン孔13に内嵌する以前の状態で、上記雌スプライン歯18のピッチ円直径と同じか、この雌スプライン歯18のピッチ円直径よりも少しだけ大きくしている。
上述の様な構成を有する本例の電動式パワーステアリング装置の場合も、先発明の構造と同様に、作動時には、電動モータ7からステアリングシャフト2(図5参照)に補助動力を付与べく、この電動モータ7の出力軸12により、上記ウォーム軸6を回転駆動する。この際、上記補助動力の大きさに応じて、上記第一スプライン軸部15aと上記第二スプライン軸部16とのうちの一方又は双方のスプライン軸部15a、16を介して、上記ウォーム軸6を回転駆動する。又、上記補助動力が大きくなる過程で、第一雄スプライン歯17と雌スプライン歯18とが衝突するが、この衝突は、上記第二スリーブ24の弾性に抗しつつ(この第二スリーブ24が第一雄スプライン歯17と雌スプライン歯18との動きを或る程度緩衝した後に)行なわれる為、やはり先発明の構造と同様に緩徐に行なわれる。従って、上記補助動力の伝達方向が逆転する様な場合、或いは悪路走行等に伴って振動が加わる様な場合にも、上記第一雄スプライン歯17と上記雌スプライン歯18とのスプライン係合部で、歯打ち音等の耳障りな騒音や振動が発生する事はない。又、大きな補助動力を伝達する場合にも、上記第二スリーブ24を介して伝達する補助動力は限られた値である為、この第二スリーブ24が過度に弾性変形する事はなく、この第二スリーブ24の耐久性が損なわれる事はない。
しかも、本例の場合には、前述した様に、第一、第二両スプライン軸部15a、16をそれぞれ、支持軸部20aに剛体製の第一スリーブ23と弾性材製の第二スリーブ24とを外嵌する事で設ける為、上述した様な所期の性能を得られる構造を、安価に構成できる。即ち、上記支持軸部20aの外周面を、上記第一スリーブ23を外嵌する部分と上記第二スリーブ24を外嵌する部分とで、それぞれ同一形状にできる(支持軸部20aを単一形状の外周面にできる)。この様な支持軸部20aの形成は、高価な加工装置や面倒な加工作業を必要とする事なく、容易且つ安価に、しかも精度良く行なえる。一方、上述した様な所期の性能を得る為に、上記第一、第二両スリーブ23、24を、上記支持軸部20aにそれぞれ外嵌させた状態で、これら第一、第二両スリーブ23、24の外周面の円周方向に関する位置関係(位相、ピッチ)を規制する必要がある。この為には、これら第一、第二両スリーブ23、24の内外両周面を精度良く形成する必要があるが、この様な加工は、前述した先発明の構造の様な、素材の外周面に、互いに外周面の形状が異なる第一スプライン軸部15と支持軸部20(例えば図9参照)とを精度良く形成する場合に比べ、容易に行なえる。この為、上述した様な所期の性能を得られる構造を、加工コスト並びに加工時間が増大する事なく得られる(低コストで量産を行なえる)。
尚、図示は省略するが、剛体製の第一スリーブ23と弾性材製の第二スリーブ24との挿入順序を逆にする事もできる。即ち、弾性材製の第二スリーブ24を支持軸部20aの基半部に外嵌すると共に、剛体製の第一スリーブ23を上記支持軸部20aの先半部に外嵌する事もできる。又、図示の例では、これら第一、第二各スリーブ23、24をそれぞれ1個ずつ設けているが、何れか一方の部材を複数個設けたり、或は、それぞれの部材を複数個ずつ設ける事もできる。これら第一、第二各スリーブ23、24の数や位置は、例えば必要とされる性能や許容寸法等に応じて決定する事ができる。
[実施の形態の第2例]
図3は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合は、第一スリーブ23aを、この第一スリーブ23a全体としての軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、それぞれが円輪状である複数(図示の例では5個)の第一スリーブ素子25、25を、円周方向に関する位相を一致させた状態で、軸方向に関して直列に配置して成るものとしている。この様な本例の場合には、第一スリーブ素子25、25の数で、第一スリーブ23a全体としての軸方向寸法を設定(規制)できる為、この第一スリーブ23aの汎用性を確保できる(異なる軸方向寸法の第一スリーブ23aで部品を共用できる)。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図4は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合は、第一スリーブ23bを、この第一スリーブ23b全体としての軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、それぞれが円輪状である複数(図示の例では3個)の第一スリーブ素子25、25を、円周方向に関する位相を一致させた状態で、軸方向に関して直列に配置して成るものとしている。又、これと共に、第二スリーブ24aを、この第二スリーブ24a全体としての軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、それぞれが円輪状である複数(図示の例では2個)の第二スリーブ素子26、26を、円周方向に関する位相を上記各第一スリーブ素子25、25と一致させた状態で、軸方向に関して直列に配置して成るものとしている。そして、これら第一、第二各スリーブ23b、24aを構成する、上記第一スリーブ素子25、25と第二スリーブ素子26、26とを、軸方向に関してそれぞれ交互に配置している。この様な本例の場合には、剛体製の第一スリーブ23bと弾性材製の第二スリーブ24aとが、支持軸部20aの軸方向に亙って重畳的に配置される為(軸方向前半部と後半部とで別々に配置されない為)、剛体製の第二スリーブ24aによる弾性力を軸方向全体に亙り均等に付与でき、所期の性能を長期間に亙り安定して発揮できる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図示の各例では、ウォーム軸6の側にスプライン孔13を、電動モータ7の出力軸12の側にスプライン軸部14aを、それぞれ形成した構造に就いて示した。これに対して、本発明を実施する場合に、ウォーム軸6の側にスプライン軸部14aを、出力軸12の側にスプライン孔13を、それぞれ形成する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図10の(B)と同様の斜視図。 同じく図10の(A)と同様の斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の斜視図。 同第3例を示す、図2と同様の斜視図。 従来構造の1例を示す、部分切断側面図。 図5の拡大a−a断面図。 先発明の構造の1例を示す部分断面図。 図7のb部拡大図。 一部を省略して示す、図8のc−c断面図。 出力軸の先端部とスリーブとを、組み合わせ前の状態(A)と組み合わせ後の状態(B)とで示す斜視図。 図10の(B)のd矢視図。 同じくe矢視図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6 ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駒
11 コイルばね
12、12a 出力軸
13 スプライン孔
14、14a スプライン軸部
15、15a 第一スプライン軸部
16 第二スプライン軸部
17 第一雄スプライン歯
18 雌スプライン歯
19 スリーブ
20、20a 支持軸部
21 中心孔
22 第二雄スプライン歯
23、23a、23b 第一スリーブ
24、24a 第二スリーブ
25 第一スリーブ素子
26 第二スリーブ素子

Claims (3)

  1. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータとを備え、この電動モータの出力軸と上記ウォーム軸とを回転力の伝達を可能に結合すべく、これら出力軸の先端部とウォーム軸の基端部とのうちの一方の端部に、当該軸の端面に開口する状態で形成した、内周面の断面形状が非円形である受孔と、上記出力軸の先端部とウォーム軸の基端部とのうちの他方の端部に形成した、外周面の断面形状が非円形である軸部とを係合させている電動式パワーステアリング装置に於いて、
    上記軸部は、剛体製で上記他方の端部を備えた軸と同期して回転する第一軸部と、少なくとも表面層部分が弾性材製でこの他方の端部を備えた軸の回転に伴って回転する第二軸部とを、軸方向に関して互いに直列に配置して成るものであり、
    これら第一、第二両軸部はそれぞれ、上記他方の端部を備えた軸の先端部に設けた、外周面の断面形状が非円形の支持軸部に、内外両周面の断面形状をそれぞれ非円形とした、剛体製の第一スリーブと少なくとも表面層部分が弾性材製の第二スリーブとを、それぞれ外嵌する事で設けたものである
    事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 第一スリーブが、この第一スリーブ全体としての軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、円輪状の複数の第一スリーブ素子を、軸方向に関して直列に配置して成るものである、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
  3. 第二スリーブも、この第二スリーブ全体としての軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、円輪状の複数の第二スリーブ素子を、軸方向に関して直列に配置して成るものであり、これら第二スリーブ素子と第一スリーブ素子とを、軸方向に関して交互に配置した、請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置。
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