JP2013227988A - トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

トルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Seiichi Moriyama
誠一 森山
Hiroshi Shibazaki
弘 柴崎
Takeshi Yamamoto
武士 山本
Toru Segawa
徹 瀬川
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Abstract

【課題】成形性を向上できると共に外部からの視認性を向上できる緩衝部材18aを備えたトルク伝達用継手15aを実現する。
【解決手段】前記緩衝部材18aを、ゴム等の弾性材を射出成形する事により造り、全体形状を円輪板状とする。又、緩衝部材18aを挟んで軸方向両側に配置される駆動側、被駆動側両伝達部材16a、17aのうちで、駆動側伝達部材16aに設けられた駆動側腕部21a、21aをがたつきなく挿入可能な駆動側挿入孔29、29と、被駆動側伝達部材17aに設けられた被駆動側腕部23a、23aをがたつきなく挿入可能な被駆動側挿入孔30、30とを、緩衝部材18aの径方向中間部に、それぞれ軸方向に貫通する状態で、円周方向に関して交互に形成する。
【選択図】図2

Description

この発明に係るトルク伝達用継手は、各種機械装置に組み込んで、駆動軸と被駆動軸との間でトルクを伝達する為に利用する。又、本発明の電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。この様な電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、前記電動モータにより回転駆動されるウォームと、前記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、前記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、前記ウォームと前記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、前記回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜3に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する事が考えられている。図10〜11は、このうちの特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の軸方向両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、前記ハウジング3内に回転自在に支持されている。更に、前記ウォーム軸6の先端部で前記転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒10を外嵌し、この押圧駒10と前記ハウジング3との間に、コイルばね11等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね11により、前記押圧駒10を介して、前記ウォーム軸6に設けたウォーム歯5を、前記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、前記歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な従来構造の場合、前記ウォーム歯5と前記ウォームホイール4との噛合部で前記歯打ち音が発生する事を抑えられるが、前記電動モータ7の出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部との結合部分で発生する歯打ち音を抑える事はできない。この点に就いて、以下に説明する。図示の構造の場合、前記電動モータ7の出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部とをトルクの伝達を可能に結合する為に、このウォーム軸6の基端部にスプライン孔13を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。一方、前記出力軸12の先端部に、スプライン軸部14を形成している。そして、このスプライン軸部14と前記スプライン孔13とをスプライン係合させる事で、前記出力軸12と前記ウォーム軸6とをトルクの伝達を可能に結合している。
前記スプライン軸部14と前記スプライン孔13とが円周方向の隙間なく(バックラッシュ無しで)スプライン係合していれば、前記出力軸12の先端部と前記ウォーム軸6の基端部との結合部(スプライン係合部)で、歯打ち音が発生する事はない。但し、実際の場合には、このスプライン係合部にはバックラッシュが存在している。特に、上述の図11に示す様な構造により、前記ウォーム歯5と前記ウォームホイール4との間のバックラッシュを抑える構造の場合には、前記ウォーム軸6を揺動変位させる必要上、前記スプライン係合部のバックラッシュを完全になくす事はできない。この為、このスプライン係合部での歯打ち音の発生を防止する事は難しい。
この様な歯打ち音の発生を防止できる構造として、例えば特許文献4、5には、駆動軸の端部と被駆動軸の端部とを、弾性材製の緩衝部材を備えたトルク伝達用継手(カップリング、軸継手)を介して結合する構造が記載されている。図12〜13は、このうちの特許文献4に記載された、従来構造のトルク伝達用継手15を示している。このトルク伝達用継手15は、駆動軸である電動モータの出力軸12の先端部にこの先端部と同心に支持される、金属製の駆動側伝達部材16と、被駆動軸であるウォーム軸6の基端部にこの基端部と同心に支持される、金属製の被駆動側伝達部材17と、これら駆動側伝達部材16と被駆動側伝達部材17との間に設けられる、ゴム製の緩衝部材18と、鋼球19とを備えている。
このうちの駆動側伝達部材16は、前記出力軸12の先端部に相対回転不能に支持された円板状の駆動側基部20と、この駆動側基部20のうちで前記被駆動側伝達部材17に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた3本の駆動側腕部21、21とを備える。一方、前記被駆動側伝達部材17は、前記ウォーム軸6の基端部に相対回転不能に支持された円板状の被駆動側基部22と、この被駆動側基部22のうちで前記駆動側伝達部材16に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた3本の被駆動側腕部23、23とを備える。又、前記緩衝部材18は、円筒部24と、この円筒部24の外周面から放射方向(半径方向)にそれぞれ延出した、6本の被挟持部25、25とを備えている。
そして、前記トルク伝達用継手15の組立状態では、前記各駆動側腕部21、21と前記各被駆動側腕部23、23とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との間部分に、前記各被挟持部25、25をそれぞれ介在させる。更に、前記鋼球19を、前記出力軸12の先端面と前記ウォーム軸6の基端面との間で挟持する。
以上の様な構成を有する従来構造のトルク伝達用継手15の場合、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との間部分に、ゴム製の被挟持部25、25がそれぞれ介在している(挟持されている)。この為、金属製の駆動側腕部21と被駆動側腕部23とが直接接触する事を防止でき、前述した様な歯打ち音が発生する事を有効に防止できる。又、運転時に、前記出力軸12と前記ウォーム軸6との間で伝達されるスラスト力を、前記鋼球19を介して伝達する事ができ、このスラスト力が前記緩衝部材18に伝達されずに済む。この為、この緩衝部材18の耐久性を長期間に亙り確保し易くできる。
但し、上述した様な従来構造のトルク伝達用継手15の場合、次の様な面で、未だ改良の余地がある。
即ち、従来構造のトルク伝達用継手15の場合には、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との間部分に設けられる前記各被挟持部25、25同士を、内径側の円筒部24でのみ連続している。この為、この様な形状を有する緩衝部材18を射出成形により造る場合には、射出成形用の金型のキャビティのうちで、前記各被挟持部25、25を形成する部分での材料の流動性が悪くなり、前記緩衝部材18の成形性が悪くなり易い。又、前記トルク伝達用継手15の組立状態で、この緩衝部材18は、円周方向に隣り合う駆動側腕部21と被駆動側腕部23との間部分でのみ、外部に露出する。この為、前記緩衝部材18を目視確認しにくく、この緩衝部材18の組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率が低下し易くなる。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、上述した特許文献1〜5の他に、特許文献6がある。この特許文献6には、緩衝部材を、3つの部材を軸方向に重ね合わせる事により構成する発明が記載されている。但し、この様な特許文献6に記載された発明の場合にも、上述した様な問題を解決する事はできない。
特開2000−43739号公報 特開2004−306898号公報 特表2006−513906号公報 実開平3−73745号公報 特許第4523721号公報 特許第4779358号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、緩衝部材の成形性を向上できると共に、この緩衝部材の組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率を向上できるトルク伝達用継手、及び、このトルク伝達用継手を備えた電動式パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項1に記載したトルク伝達用継手の発明は、軸方向に関して互いに直列に配置された駆動軸と被駆動軸との端部同士の間でトルクを伝達するものであり、前記駆動軸の端部にこの駆動軸と同心に支持される駆動側伝達部材と、前記被駆動軸の端部にこの被駆動軸と同心に支持される被駆動側伝達部材と、これら駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間に設けられる弾性材製の緩衝部材とを備える。
このうちの駆動側伝達部材は、前記駆動軸の端部に支持される駆動側基部と、この駆動側基部のうちで前記被駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本(例えば2〜5本)の駆動側腕部とを備える。
又、前記被駆動側伝達部材は、前記被駆動軸の端部に支持される被駆動側基部と、この被駆動側基部のうちで前記駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本(例えば2〜5本)の被駆動側腕部とを備える。
そして、前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部と被駆動側腕部との間部分に、前記緩衝部材の一部をそれぞれ介在させている。
特に、本発明のトルク伝達用継手の場合には、前記緩衝部材を、円輪板状として、その径方向中間部に、前記各駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な駆動側挿入孔と、前記各被駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な被駆動側挿入孔とを、それぞれ軸方向に貫通する状態で、円周方向に関して交互に設ける。
上述した様な本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記緩衝部材を、例えばゴムを射出成形する事により、全体を一体に形成する。
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば、前記緩衝部材の内部に、この緩衝部材を構成する材料に比べて弾性変形し難い材料から造られた環状部材(例えば金属製若しくはポリアミド樹脂製の環状ワイヤ)を、或る程度撓みを持たせた状態で、円周方向に隣り合う1組の駆動側挿入孔と被駆動側挿入孔とを取り囲む様に配置する事もできる。
或いは、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記緩衝部材を、複数の緩衝片を軸方向に積層する事により構成する。
又、本発明のトルク伝達用継手を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記駆動側伝達部材と前記被駆動側伝達部材との間部分で、前記緩衝部材の内径側に、前記駆動軸と前記被駆動軸との間に作用するスラスト力の一部を吸収しつつ、残りのスラスト力を伝達する為のダンパ部材を設ける。
又、請求項4に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記緩衝部材を、複数の緩衝片を軸方向に積層する事により構成し、前記ダンパ部材を、この緩衝部材を構成する軸方向に積層された複数の緩衝片のうちで、軸方向中間部に配置された緩衝片と一体的に(例えば射出成形により同時に)形成する。
尚、本発明のトルク伝達用継手を実施する場合に、前記各駆動側腕部及び前記各被駆動側腕部の断面形状、並びに、前記各駆動側挿入孔及び前記各被駆動側挿入孔の形状は、それぞれ特に問わない。例えば円形、1対の直線部を備えた長円形、楕円形の他、三角形や四角形(例えば台形や長方形)等の多角形を採用できる。
但し、製造コストを低く抑える面からは、前記各駆動側腕部及び前記各被駆動側腕部の断面形状を円形(全体を円柱状)とし、前記各駆動側挿入孔及び前記各被駆動側挿入孔を円孔とする事が好ましい。
又、前記緩衝部材に作用する面圧を低く抑える面からは、前記各駆動側腕部及び前記各被駆動側腕部の断面形状を長円形若しくは楕円形とし、前記各駆動側挿入孔及び前記各被駆動側挿入孔を長円形若しくは楕円形の孔とする事が好ましい(この場合に長軸方向の中心線は直径方向に配置する)。
一方、本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置の発明は、ハウジングと、被操舵用回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、トルク伝達用継手とを備える。
このうちのハウジングは、固定の部分に支持されて回転しない。
又、前記被操舵用回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
又、前記ウォームホイールは、前記ハウジングの内部で前記操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転する。
又、前記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
又、前記電動モータは、前記ウォームを回転駆動する為のものである。
更に、前記トルク伝達用継手は、前記電動モータの出力軸と前記ウォーム軸との間に設けられて、これら両軸同士の間でトルクを伝達するもので、上述の様な、本発明のトルク伝達用継手である。
以上の様な構成を有する本発明のトルク伝達用継手及び電動式パワーステアリング装置によれば、緩衝部材の成形性を向上できると共に、この緩衝部材の組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率を向上できる。
即ち、本発明の場合には、円輪板状の緩衝部材のうちの径方向中間部に、駆動側挿入孔及び被駆動側挿入孔をそれぞれ設けている。この為、緩衝部材のうちで、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔と被駆動側挿入孔との間に存在する部分(被挟持部)を、これら駆動側、被駆動側各挿入孔よりも径方向内側に存在する部分だけでなく、径方向外側に存在する部分によっても連続した状態にできる。従って、前記緩衝部材を、例えば射出成形により造る場合に、射出成形用金型のキャビティ内での材料の流動性を良好にできる為、前記緩衝部材の成形性を向上できる。
又、本発明の場合には、トルク伝達用継手の組立状態で、前記緩衝部材が、駆動側、被駆動側各腕部によって外側から覆われる事なく、この緩衝部材の外周面全体が外部に露出する。この為、この緩衝部材のうちで外部に露出している部分の面積を十分に大きくできる。従って、この緩衝部材が目視確認し易くなり、この緩衝部材の組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率の向上を図れる。
又、請求項2に記載した発明の様に、前記緩衝部材を一体に形成すれば、この緩衝部材を設ける事による部品点数の増大を最小限に抑えられると共に、駆動側伝達部材及び被駆動側伝達部材に対する組み付け性を良好にできる。
一方、請求項3に記載した発明の様に、前記緩衝部材を複数の緩衝片を軸方向に積層する事により構成すれば、これら複数の緩衝片同士の間で、弾性の大きさや駆動側、被駆動側各挿入孔の内径寸法等を異ならせる事ができる。この為、トルクの伝達開始時に、駆動側腕部と被駆動側腕部との間で前記各緩衝片が弾性変形させられるタイミングを、これら複数の緩衝片同士の間で意図的にずらす(例えば弾性変形し易い緩衝片から先に弾性変形させられる様にする)事ができる。従って、トルク伝達開始時やトルク変動時の過渡特性を良好にできると共に、過渡特性に関するチューニングの自由度を向上できる。
又、請求項4に記載した発明によれば、駆動軸と被駆動軸との間で伝達されるスラスト力を小さくできる。又、このスラスト力が、前記緩衝部材に伝達される事を有効に防止できる為、この緩衝部材の耐久性を長期間に亙り確保する上で有利になる。
更に、請求項5に記載した発明の場合には、ダンパ部材を緩衝部材とは別個独立して設ける場合に比べて、部品点数の削減に伴うコスト低減を図れると共に、製造作業及び組付作業の作業工数の低減に伴うコスト低減を図れる。又、ダンパ部材の設置位置を、緩衝部材を介して規制できる為、このダンパ部材により発揮されるスラスト力の吸収機能を安定して得る事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、トルク伝達用継手を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の要部断面図。 同じくトルク伝達用継手を取り出して模式的に示す分解斜視図。 同じく図1の拡大A−A断面図。 同じく緩衝部材を取り出して示す端面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図4に相当する図。 同第3例を示す、図3に相当する図。 同第4例を示す、図3に相当する図。 本発明の実施の形態の第5例の電動式パワーステアリング装置に組み込むトルク伝達用継手を取り出して模式的に示す分解斜視図。 同じく緩衝部材を構成する3つの緩衝片を上下に並べて示す部分端面図。 自動車用操舵装置の1例を示す部分縦断側面図。 電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を示す、図10の拡大B−B断面図。 従来構造のトルク伝達用継手を示す分解斜視図。 同じく図3に相当する断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1、2、4、6に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合には、電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータ7の出力軸12aの先端部と、ウォーム式減速機を構成するウォーム軸6aの基端部との間に、本例のトルク伝達用継手15aを設けて、前記出力軸12aから前記ウォーム軸6aにトルクを伝達可能としている。このトルク伝達用継手15aを除く、電動式パワーステアリング装置の構成及び作用は、前述の図10〜11に示した構造を含め、従来から広く知られている電動式パワーステアリング装置と同様であるから説明を省略し、以下、前記トルク伝達用継手15aの構成及び作用に就いて説明する。
前記トルク伝達用継手15aは、駆動軸である前記出力軸12aの先端部にこの先端部と同心に支持される駆動側伝達部材16aと、被駆動軸である前記ウォーム軸6aの基端部にこの基端部と同心に支持される被駆動側伝達部材17aと、これら駆動側伝達部材16aと被駆動側伝達部材17aとの間に設けられる緩衝部材18aと、ダンパ部材26とを備える。
このうちの駆動側伝達部材16aは、金属製で、駆動側基部20aと、4本の駆動側腕部21a、21aとを備える。この駆動側基部20aは、円板状で、その中心部に、前記出力軸12aの先端部外周面に形成された雄セレーションとセレーション係合する、駆動側セレーション孔27が形成されている。又、前記各駆動側腕部21a、21aは、円柱状で、前記駆動側基部20aのうちで前記被駆動側伝達部材17aに対向する面の外径寄り部分に、円周方向に関して間欠的に(位相を90度ずつずらして)、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられている。又、前記各駆動側腕部21a、21aの軸方向寸法は、後述する被駆動側腕部23a、23aの軸方向寸法と等しい。
一方、前記被駆動側伝達部材17aは、金属製で、被駆動側基部22aと、4本の被駆動側腕部23a、23aとを備える。このうちの被駆動側基部22aは、円板状で、その中心部に、前記ウォーム軸6aの基端部外周面に形成された雄セレーションとセレーション係合する、被駆動側セレーション孔28が形成されている。又、前記各被駆動側腕部23a、23aは、円柱状で、前記被駆動側基部22aのうちで前記駆動側伝達部材16aに対向する面の外径寄り部分に、円周方向に関して間欠的に(位相を90度ずつずらして)、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられている。
又、本例の場合には、それぞれが円柱状(断面形状が円形)である、前記各駆動側腕部21a、21a及び前記各被駆動側腕部23a、23aを、ニードル軸受用の汎用のニードルにより構成している。即ち、各ニードルの軸方向端面を、前記駆動側、被駆動側各基部20a、22aに対し溶接等により接合して、前記駆動側、被駆動側各腕部21a、23aとしている。又、本例の場合には、前記各駆動側腕部21a、21aの外径寸法と、前記各被駆動側腕部23a、23aの外径寸法とを同じにすると共に、互いのピッチ円直径を同じとしている。
前記緩衝部材18aは、円輪板状で、ゴム、ビニルの如きエラストマー、或いは、合成樹脂等の弾性材を射出成形する事により、全体を一体に形成している。又、前記緩衝部材18aの径方向中間部外径寄り部分には、前記各駆動側腕部21a、21aをがたつきなく挿入可能な駆動側挿入孔29、29と、前記被駆動側腕部23a、23aをがたつきなく挿入可能な被駆動側挿入孔30、30とを、それぞれ軸方向に貫通する状態で、同一ピッチ円上に円周方向に関して交互に設けている。これにより、本例の場合には、前記駆動側、被駆動側各挿入孔29、30が、前記緩衝部材18aの内外両周面にそれぞれ開口しない様にしている。又、前記駆動側、被駆動側各挿入孔29、30の形状は、それぞれ円孔であり、これら駆動側、被駆動側各挿入孔29、30の内径寸法は、前記駆動側、被駆動側各腕部21a、23aの外径寸法と同じか、これよりも僅かに(がたつかない程度に)大きい。又、前記緩衝部材18aのうちで、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔29と被駆動側挿入孔30との間部分が、トルクの伝達時に、前記各駆動側腕部21a、21aと前記各被駆動側腕部23a、23aとの間で弾性的に挟持される(弾性変形させられる)、被挟持部25a、25aとなる。
トルク伝達用継手15aを組み立てる際には、前記各駆動側挿入孔29、29に、前記各駆動側腕部21a、21aを軸方向片側(図1、2の右側)からそれぞれがたつきなく挿入すると共に、前記各被駆動側挿入孔30、30に、前記被駆動側腕部23a、23aを軸方向他側(図1、2の左側)からそれぞれがたつきなく挿入する。そして、この状態で、円周方向に隣り合う駆動側腕部21aと被駆動側腕部23aとの間部分に、弾性材製の被挟持部25a、25aをそれぞれ位置させる。
前記ダンパ部材26は、前記駆動側伝達部材16aと前記被駆動側伝達部材17aとの間で、前記緩衝部材18aの内径側に設けられており、円柱状の支柱部31と、この支柱部31の軸方向中間部周囲に外嵌(軸方向の変位を可能に外嵌)されたダンパ部本体32とから成る。このうちの支柱部31は、金属製で、それぞれの端部を前記駆動側、被駆動側各セレーション孔27、28内に遊嵌している。又、前記ダンパ部本体32は、ゴム或いは合成樹脂等の弾性材製で、その軸方向寸法は、前記緩衝部材18a及び前記駆動側、被駆動側各腕部21a、23aの軸方向寸法よりも大きい。この様なダンパ部本体32は、前記緩衝部材18aの内径側に、全周に亙り隙間を介した状態で挿入され、前記駆動側基部20aと前記被駆動側基部22aとの互いに対向する面同士の間で軸方向に挟持されている。又、本例の場合、前記支柱部31の両端面と、前記出力軸12aの先端面及び前記ウォーム軸6aの基端面との間には、前記ダンパ部本体32が軸方向に或る程度弾性変形した場合に消滅する程度の大きさの隙間を設けている。
以上の様な構成を有する本例のトルク伝達用継手15a及び電動式パワーステアリング装置の場合には、前記緩衝部材18aの成形性を向上できると共に、この緩衝部材18aの組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率を向上できる。
先ず、前記緩衝部材18aの成形性を向上できる理由に就いて説明する。本例の場合には、この緩衝部材18aの径方向中間部外径寄り部分に、前記各駆動側挿入孔29、29及び前記各被駆動側挿入孔30、30をそれぞれ設けている。この為、前記緩衝部材18aのうちの被挟持部25a、25aを、前記駆動側、被駆動側各挿入孔29、30よりも径方向内側に存在する部分だけでなく、径方向外側に存在する部分によっても連続した状態にできる。従って、前記緩衝部材18aを射出成形により造る場合に、射出成形用金型のキャビティ内での材料の流動性を良好にできる為、前記緩衝部材18aの成形性を向上できる(良好にできる)。
又、検査工程の作業効率を向上できる理由は、次の通りである。即ち、本例の場合には、前記緩衝部材18aの径方向中間部外径寄り部分に、前記駆動側、被駆動側各挿入孔29、30をそれぞれ設けている為、前記トルク伝達用継手15aの組立状態で、前記緩衝部材18aが、前記駆動側、被駆動側各腕部21a、23aによって外側から覆われる事なく、この緩衝部材18aの外周面全体が外部に露出する。この為、この緩衝部材18aのうちで外部に露出している部分の面積を十分に大きくできる。従って、この緩衝部材18aが目視確認し易くなり(緩衝部材18aを目立たせる事ができて)、この緩衝部材18aの組み付け忘れを防止する為の検査工程の作業効率の向上を図れる。
又、本例の場合にも、従来構造の場合と同様に、円周方向に隣り合う駆動側腕部21aと被駆動側腕部23aとの間部分に、弾性材製の前記各被挟持部25a、25aをそれぞれ介在させている為、歯打ち音の発生を有効に防止できる。更に、前記出力軸12aと前記ウォーム軸6aとの間でスラスト力が作用した場合に、前記駆動側基部20aと前記被駆動側基部22aとの互いに対向する面同士の間で、前記ダンパ部材26を構成するダンパ部本体31が軸方向に弾性変形(収縮)し、前記スラスト力の一部を吸収しつつ、残りのスラスト力を伝達する。従って、前記出力軸12aと前記ウォーム軸6aとの間で伝達されるスラスト力を小さくできる。又、このスラスト力が、前記緩衝部材18aに伝達される事を有効に防止できる為、この緩衝部材18aの耐久性を長期間に亙り確保する事もできる。
又、前記緩衝部材18aを、ゴム等の弾性材を射出成形する事により、一体に形成している為、この緩衝部材18aを設ける事による部品点数の増大を最小限に抑えられると共に、前記駆動側伝達部材16a及び前記被駆動側伝達部材17aに対する組み付け性を良好にできる。特に本例の場合には、前記各駆動側挿入孔29、29と前記各被駆動側挿入孔30、30とを、同一ピッチ円上に配置すると共に、内径寸法を全てで同じとしている為、前記緩衝部材18aを表裏なく組み付ける事が可能になる。更に、前記各駆動側腕部21a、21a及び前記各被駆動側腕部23a、23aを、それぞれ円柱状(丸棒状)として、これら駆動側、被駆動側腕部21a、23aを、ニードル軸受用の汎用のニードルにより構成している為、これら駆動側、被駆動側各腕部21a、23aを切削加工等により加工する必要がなくなり、加工作業を容易にできる。又、前記駆動側、被駆動側腕部21a、23aを、それぞれ円柱状としている為、各ニードルを溶接等により接合する場合に、各ニードルの中心軸回りの向きを特に規制しなくて済み、接合作業を容易に行う事も可能になる。
その他の構成及び作用・効果に就いては、前述した従来構造のトルク伝達用継手、及び、電動式パワーステアリング装置の場合と同様である。
[実施の形態の第2例]
図5は、同じく請求項1、2、4、6に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の特徴は、緩衝部材18bの内部に、複数本の環状ワイヤ33、33を埋め込む状態で設けた点にある。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する部分の説明並びに図示は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合には、前記緩衝部材18bを、ゴムを射出成形する事により造っている。そして、この緩衝部材18bを射出成形する際に、射出成形用金型のキャビティ内の所定位置に、複数本の環状ワイヤ33、33をセットしておく事で、これら環状ワイヤ33、33を、前記緩衝部材18bの内部に包埋している。具体的には、図5に示した様に、前記各環状ワイヤ33、33を、或る程度撓ませた(張力が加わっていない)状態で、円周方向に隣り合う1組の駆動側挿入孔29と被駆動側挿入孔30とを取り囲む様に配置している。この様な環状ワイヤ33、33は、例えばアルミニウム合金やポリアミド樹脂(ナイロン)等の、前記緩衝部材18bを構成する材料(ゴム)に比べて弾性変形し難い材料から造っている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、トルクの伝達開始時やトルクの変動時に、先ず、前記緩衝部材18bのうちで、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔29と被駆動側挿入孔30との間に存在するゴム製の被挟持部25a、25aが、円周方向に隣り合う駆動側腕部21aと被駆動側腕部23a(図2、3等参照)との間で押し潰されて(弾性変形させられて)、トルクを伝達する。その後、トルクが大きくなると、前記各駆動側腕部21a、21aと、これら各駆動側腕部21a、21aに対して回転方向後方側に位置する被駆動側腕部23a、23aとの間に掛け渡された前記各環状ワイヤ33、33に張力が加わって、これら各環状ワイヤ33、33がトルクを伝達する様になる。この様に、本例の場合には、小さなトルクの伝達をゴムにより行い、大きなトルクの伝達を前記各環状ワイヤ33、33により行える。従って、トルクの伝達特性を2段階に分ける事ができ、過渡現象を良好にできる。この結果、ステアリングホイールを操作する運転者に違和感を与えない様にする事ができる。
その他の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
図6は、同じく請求項1、2、4、6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の特徴は、駆動側、被駆動側各腕部21b、23bの形状、及び、駆動側、被駆動側各挿入孔29a、30aの形状を、前述した実施の形態の第1例の場合とはそれぞれ異ならせた点にある。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する部分の説明並びに図示は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合には、前記各駆動側腕部21b、21b及び前記各被駆動側腕部23b、23bを、それぞれ楕円柱状としている。そして、図6に示した様に、これら駆動側、被駆動側各腕部21b、23bの断面形状を楕円形としている。特に本例の場合には、これら駆動側、被駆動側各腕部21b、23bの自身の中心軸回りの向きを、それぞれの楕円の長辺が直径方向に向く様に配置している。又、同様に、前記各駆動側挿入孔29a、29a及び前記各被駆動側挿入孔30a、30aの形状を楕円形としている。そして、これら駆動側、被駆動側各挿入孔29a、30aに関しても同様に、自身の中心軸回りの向きを、それぞれの楕円の長辺が直径方向に向く様に配置している。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記駆動側、被駆動側各腕部21b、23bの外周面と前記駆動側、被駆動各挿入孔29a、30aの内周面とのトルク伝達時の接触面積を大きく確保できる。従って、緩衝部材18cに作用する面圧を低く抑える事ができて、この緩衝部材18cの耐久性を長期間に亙り確保し易くできる。
その他の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
図7は、同じく請求項1、2、4、6に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の特徴は、駆動側挿入孔29b、29bのピッチ円直径と、被駆動側挿入孔30b、30bのピッチ円直径とを互いに異ならせると共に、これら駆動側挿入孔29b、29b及び被駆動側挿入孔30b、30bの数を、前述した実施の形態の第1例の場合に比べて増やした点にある。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、この実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する部分の説明並びに図示は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の緩衝部材18dの場合には、前記各駆動側挿入孔29b、29bのピッチ円直径PCD29を、前記各被駆動側挿入孔30b、30bのピッチ円直径PCD30よりも大きくしている。又、前記各駆動側挿入孔29b、29b及び前記各駆動側挿入孔30b、30bの数を、前記実施の形態の第1例の場合よりも1つずつ増やして、それぞれ5つずつとしている。
又、これに伴って、駆動側腕部21c、21cのピッチ円直径(=PCD29)を、被駆動側腕部23c、23cのピッチ円直径(=PCD30)よりも大きくすると共に、これら駆動側、被駆動側各腕部21c、23cの数を、それぞれ5つずつとしている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記各駆動側挿入孔29b、29bのピッチ円直径PCD29と、前記各被駆動側挿入孔30b、30bのピッチ円直径PCD30とを互いに異ならせている為、前記各駆動側挿入孔29b、29b及び前記各被駆動側挿入孔30b、30bの数を増やした場合にも、円周方向に隣り合う駆動側挿入孔29bと被駆動側挿入孔30bとの間に設けられる被挟持部25b、25bの円周方向に関する幅寸法を徒に小さくしなくて済む。又、前記駆動側、被駆動側各挿入孔29b、30bの数を増やす事により、これら駆動側、被駆動側各挿入孔29b、30bの内径及び駆動側、被駆動側各腕部21c、23cの外径を小さくする事もできる。尚、図示は省略するが、被駆動側挿入孔及び被駆動側腕部のピッチ円直径を、駆動側挿入孔及び駆動側腕部のピッチ円直径よりも大きくする事もできる。
その他の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
図8、9は、請求項1、3〜6に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の特徴は、緩衝部材18eを、一体に形成するのではなく、複数の緩衝片34、34aを軸方向に積層する事により構成した点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する部分の説明並びに図示は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、前記緩衝部材18eを、前述した実施の形態の第1例で使用した緩衝部材18aを軸方向に3分割(3つにスライス)した如き形状を有する3つの緩衝片34、34aを、軸方向に積層する事により構成している。又、軸方向両側に配置された1対の緩衝片34、34に比べて、軸方向中央に配置された緩衝片34aを、弾性変形し易い材料から造っている。具体的には、この緩衝片34aを、ゴムやエラストマー等の弾性変形し易い材料から造ると共に、前記両緩衝片34、34を、ゴムやエラストマーに比べて弾性変形し難い、ポリアセタール樹脂やポリアミド樹脂等の合成樹脂から造っている。
前記各緩衝片34、34aには、軸方向に積層された状態で駆動側挿入孔29、29を構成する第一通孔35、35aと、軸方向に積層された状態で被駆動側挿入孔30、30を構成する第二通孔36、36aとをそれぞれ形成している。本例の場合には、軸方向中央に配置される緩衝片34aに形成する第一通孔35a、35a及び第二通孔36a、36aの内径を、軸方向両側に配置される緩衝片34、34に形成する第一通孔35、35及び第二通孔36、36の内径よりも、少しだけ小さくしている。更に、前記各緩衝片34、34aのうちで、円周方向に隣り合う第一通孔35(35a)と第二通孔36(36a)との間部分には、軸方向に積層された状態でそれぞれが被挟持部25a、25aを構成する素被挟持部37(37a)が存在する。
又、前記緩衝片34aと、ダンパ部材26a(ダンパ部本体32a)とを、一体的に構成している。具体的には、このダンパ部材26aは、金属製で円柱状の支柱部31aと、ゴムやエラストマー等の弾性材製で、この支柱部31aの軸方向中間部周囲に外嵌(軸方向の変位を可能に外嵌)された円筒状のダンパ部本体32aとから構成されている。そして、このうちのダンパ部本体32aを、その軸方向中間部外周面と前記緩衝片34aの内周面とを連続させた状態で、この緩衝片34aと一体的に形成している。このような一体構造の緩衝片34aとダンパ部本体32aとは、射出成形により同時に形成している。
又、前記ダンパ部本体32aの軸方向寸法は、前記緩衝部材18e及び駆動側、被駆動側各腕部21a、23aの軸方向寸法よりも大きく設定されている。この為、前記ダンパ部本体32aは、駆動側基部20aと被駆動側基部22aとの互いに対向する面同士の間で軸方向に挟持される。又、前記支柱部31aは、それぞれの端部が駆動側、被駆動側各セレーション孔27、28内に遊嵌される。
以上の様な構成を有する本例の場合、トルクの伝達開始時に、先ず、駆動側腕部21a、21aと被駆動側腕部23a、23aとの間で、軸方向中央に配置された弾性変形し易い材料から造られた緩衝片34aの素被挟持部37a、37aが弾性変形させられる。そして、この緩衝片34aが所定量だけ弾性変形した後、軸方向両側に配置された緩衝片34、34の素被挟持部37、37が弾性変形させられる。この様に、本例の場合には、前記各緩衝片34、34aが弾性変形するタイミングを、これら複数の緩衝片34、34a同士の間でずらす事ができる。従って、トルク伝達開始時やトルク変動時の過渡特性を良好にできる(急激に大きなトルクが伝達される事を防止するダンパ効果を大きくできる)。
更に、前記ダンパ部材26aを構成するダンパ部本体32aと、前記緩衝部材18eを構成する緩衝片34aとを一体的に形成している為、これらを別個独立に形成する場合に比べて、部品点数の削減に伴うコスト低減を図れると共に、製造作業及び組付作業の作業工数の低減に伴うコスト低減を図れる。又、前記ダンパ部本体32aの設置位置を、前記緩衝部材18e(緩衝片34a)を介して規制できる為、前記ダンパ部材26aにより発揮されるスラスト力の吸収機能を安定して得る事ができる。尚、本例の場合には、上述した様に、前記緩衝部材18eを利用して前記ダンパ部材26aの設置位置を規制できる為、このダンパ部材26aから前記支柱部31aを省略する事もできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の各例では、駆動側腕部及び被駆動側腕部の断面形状を円形或いは楕円形にすると共に、駆動側挿入孔及び被駆動側挿入孔の形状を円形或いは楕円形にした場合のみを示したが、本発明を実施する場合に、駆動側、被駆動側各腕部及び駆動側、被駆動側各挿入孔の形状は、円形や楕円形に限定されず、例えば長円形の他、三角形や四角形等の多角形としても良い。
又、前述した実施の形態の第4例では、緩衝部材を3つの緩衝片から構成する場合に就いて説明したが、緩衝部材を、複数の緩衝片を軸方向に積層して構成する場合には、この緩衝部材は、2つの緩衝片により構成しても良いし、3つ以上(例えば4つ若しくは5つ或いはそれ以上)の緩衝片により構成しても良い。又、緩衝部材を構成する全ての緩衝片を同じ材料から造る事もできるし、全ての緩衝片を異なる材料から造っても良い。又、本発明を実施する場合に、前述した実施の形態の各例の構造を適宜組み合わせて実施する事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6、6a ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 押圧駒
11 コイルばね
12、12a 出力軸
13 スプライン孔
14 スプライン軸部
15、15a、15b トルク伝達用継手
16、16a 駆動側伝達部材
17、17a 被駆動側伝達部材
18、18a、18b、18c、18d、18e 緩衝部材
19 鋼球
20、20a 駆動側基部
21、21a、21b、21c 駆動側腕部
22、22a 被駆動側基部
23、23a、23b、23c 被駆動側腕部
24 円筒部
25、25a、25b 被挟持部
26、26a ダンパ部材
27 駆動側セレーション孔
28 被駆動側セレーション孔
29、29a、29b 駆動側挿入孔
30、30a、30b 被駆動側挿入孔
31、31a 支柱部
32、32a ダンパ部本体
34、34a 緩衝片
35、35a 第一通孔
36、36a 第二通孔
37、37a 素被挟持部

Claims (6)

  1. 軸方向に関して互いに直列に配置された駆動軸と被駆動軸との端部同士の間でトルクを伝達するもので、
    前記駆動軸の端部にこの駆動軸と同心に支持される駆動側伝達部材と、前記被駆動軸の端部にこの被駆動軸と同心に支持される被駆動側伝達部材と、これら駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間に設けられる弾性材製の緩衝部材とを備え、
    このうちの駆動側伝達部材は、前記駆動軸の端部に支持される駆動側基部と、この駆動側基部のうちで前記被駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の駆動側腕部とを備えたものであり、
    前記被駆動側伝達部材は、前記被駆動軸の端部に支持される被駆動側基部と、この被駆動側基部のうちで前記駆動側伝達部材に対向する面に、円周方向に関して間欠的に、それぞれ軸方向に突出する状態で設けられた複数本の被駆動側腕部とを備えたものであり、
    前記各駆動側腕部と前記各被駆動側腕部とを円周方向に関して交互に配置すると共に、円周方向に隣り合う駆動側腕部と被駆動側腕部との間部分に、前記緩衝部材の一部をそれぞれ介在させているトルク伝達用継手に於いて、
    前記緩衝部材が、円輪板状で、径方向中間部に、前記各駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な駆動側挿入孔と、前記各被駆動側腕部をがたつきなく挿入可能な被駆動側挿入孔とが、それぞれ軸方向に貫通する状態で、円周方向に関して交互に設けられている事を特徴とするトルク伝達用継手。
  2. 緩衝部材が、全体を一体に形成されている、請求項1に記載したトルク伝達用継手。
  3. 緩衝部材が、複数の緩衝片を軸方向に積層する事により構成されている、請求項1に記載したトルク伝達用継手。
  4. 駆動側伝達部材と被駆動側伝達部材との間部分で、緩衝部材の内径側に、駆動軸と被駆動軸との間に作用するスラスト力の一部を吸収しつつ、残りのスラスト力を伝達する為のダンパ部材が設けられている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手。
  5. 緩衝部材が、複数の緩衝片を軸方向に積層する事により構成されており、ダンパ部材が、この緩衝部材を構成する軸方向に積層された複数の緩衝片のうちで、軸方向中間部に配置された緩衝片と一体的に形成されている、請求項4に記載したトルク伝達用継手。
  6. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸と、前記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為の電動モータとを備え、この電動モータの出力軸と前記ウォーム軸とをトルク伝達用継手により、トルクの伝達を可能に接続している電動式パワーステアリング装置に於いて、このトルク伝達用継手が、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したトルク伝達用継手である、電動式パワーステアリング装置。
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