JP6270736B2 - 保護膜形成用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハや半導体チップに保護膜を形成でき、かつ、半導体チップの製造効率の向上が可能な保護膜形成用フィルムに関する。特にいわゆるフェースダウン(face down)方式で実装される半導体チップの製造に用いられる保護膜形成用フィルムに関する。
近年、いわゆるフェースダウン(face down)方式と呼ばれる実装法を用いた半導体装置の製造が行われている。フェースダウン方式においては、回路面上にバンプなどの電極を有する半導体チップ(以下、単に「チップ」ともいう。)が用いられ、該電極が基板と接合される。このため、チップの回路面とは反対側の面(チップ裏面)は剥き出しとなることがある。
この剥き出しとなったチップ裏面は、有機膜により保護されることがある。従来、この有機膜からなる保護膜を有するチップは、液状の樹脂をスピンコート法によりウエハ裏面に塗布し、乾燥し、硬化してウエハとともに保護膜を切断して得られる。しかしながら、このようにして形成される保護膜の厚み精度は充分でないため、製品の歩留まりが低下することがあった。
上記問題を解決するため、剥離シート上に形成されたエネルギー線硬化型チップ保護用フィルムが開示されている(特許文献1)。
従来、チップ自体が充分に厚く、破損のおそれがない場合には、特許文献1に開示されたチップ保護用フィルムは用いられておらず、チップ裏面に直接レーザー印字していた。チップ裏面は平滑であるため、レーザー印字された文字等の視認性に優れていた。
近年、チップが薄くなり、破損防止等の目的でチップ裏面にチップ保護用フィルムを貼付し、硬化して保護膜を形成する際には、チップ保護用フィルムの一方の面は剥き出しの状態で硬化される。そのため、硬化後の表面の平滑性が必ずしも保たれず、外観が粗く見えることがあった。チップ保護用フィルムの硬化後における表面の平滑性が低下すると、レーザー印字された文字等の視認性が低下することがある。また、ウエハやチップが薄くなることにより、チップ保護用フィルムを硬化する際の反りが懸念されつつある。
特開2009−138026号公報
硬化後における表面の平滑なチップ保護用フィルムは、ウエハまたはチップに貼付されたチップ保護用フィルムの剥き出しの面に、表面が平滑な支持体を仮固定し、硬化後に支持体を剥離することで得られる。つまり、チップ保護用フィルムを表面が平滑な支持体に仮固定した状態でチップ保護用フィルムを硬化することで、硬化反応に起因したチップ保護用フィルムの表面における変形を抑制することができる。硬化後のチップ保護用フィルムを支持体から剥離すれば、支持体の平滑性が硬化後のチップ保護用フィルムに転写され、従来のチップ保護用フィルムを用いていないチップ裏面と同程度の表面形状を、硬化後のチップ保護用フィルムに付与できる。その結果、硬化後のチップ保護用フィルムにレーザー印字された文字等の視認性が向上する。
しかしながら、硬化後のチップ保護用フィルムと支持体との接着力が高すぎると、支持体からチップ保護用フィルムを剥離する際に、ウエハまたはチップから硬化後のチップ保護用フィルムが剥離してしまうことがあった。
本発明の課題は、支持体に仮固定した保護膜形成用フィルムを硬化後において支持体から剥離することが容易であり、チップとの接着強度に優れる保護膜形成用フィルムを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、硬化後における保護膜形成用フィルムの各表面における接着力に差を持たせることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は以下の通りである。
〔1〕第1表面と第2表面とを有する硬化性の保護膜形成用フィルムであって、
硬化後における第1表面のシリコンウエハに対する接着力が、硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力よりも高い保護膜形成用フィルム。
〔2〕硬化後における第1表面のシリコンウエハに対する接着力と硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力との比(第1表面のシリコンウエハに対する接着力/第2表面のシリコンウエハに対する接着力)が、1.2〜100である〔1〕に記載の保護膜形成用フィルム。
〔3〕第1表面は保護膜を形成する被着体に貼付される〔1〕または〔2〕に記載の保護膜形成用フィルム。
〔4〕第2表面は支持体に仮固定される〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
〔5〕硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力が0.01〜100Nである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
〔6〕第2表面のプローブタック値が0.01〜3N/5mmΦである〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
〔7〕組成の異なる2層以上の樹脂層からなる〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
〔8〕少なくとも第2表面を含む樹脂層が剥離剤を含有し、第2表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量が、第1表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量よりも多い〔7〕に記載の保護膜形成用フィルム。
〔9〕第1表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量が、第1表面を含む樹脂層を構成する全固形分のうち剥離剤を除く固形分100質量部に対して0〜0.001質量部であり、
第2表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量が、第2表面を含む樹脂層を構成する全固形分のうち剥離剤を除く固形分100質量部に対して0.001〜20質量部である〔8〕に記載の保護膜形成用フィルム。
本発明によれば、支持体を仮固定した状態で保護膜形成用フィルムを硬化しても、支持体からの剥離が容易であり、ウエハまたはチップから硬化後の保護膜形成用フィルムが剥離することはない。そのため、硬化後の保護膜形成用フィルムの表面に所望の平滑性を付与することができる。その結果、硬化後の保護膜形成用フィルムにレーザー印字された文字等の視認性が向上する。
本発明に係る保護膜形成用フィルムの断面図を示す。 本発明に係る保護膜形成用フィルムを用いて形成される保護膜形成用複合シートの第1の態様を示す。 本発明に係る保護膜形成用フィルムを用いて形成される保護膜形成用複合シートの第2の態様を示す。 本発明に係る保護膜形成用フィルムを用いて形成される保護膜形成用複合シートの第3の態様を示す。 本発明に係る保護膜形成用フィルムを用いて形成される保護膜形成用複合シートの第4の態様を示す。 本発明に係る保護膜形成用フィルムの第2表面における再剥離性の評価方法の概略図を示す。 本発明に係る保護膜形成用フィルムの接着力の評価方法の概略図を示す。
以下、本発明の保護膜形成用フィルムの詳細を説明する。
[保護膜形成用フィルム]
図1に示すように、保護膜形成用フィルム10は第1表面aと第2表面bとを有し、硬化後における第1表面aのシリコンウエハに対する接着力が、硬化後における第2表面bのシリコンウエハに対する接着力よりも高い。
保護膜形成用フィルムは、その第1表面を、半導体ウエハまたは半導体チップ等の被着体に貼付した状態で硬化される。そのため、剥き出しとなった第2表面は、硬化反応に起因した変形により、その表面の平滑性を維持することが困難になる場合がある。硬化後の保護膜形成用フィルム(保護膜)における第2表面の平滑性が低下すると、その後に行われるレーザー印字工程において、保護膜の第2表面にレーザー印字された文字の視認性が低下することがあった。
そこで、保護膜形成用フィルム10を硬化する際に、その第2表面に平滑性を付与するための支持体として、例えばシリコンウエハ等を仮固定すれば、第2表面bにはシリコンウエハの表面形状が転写される。このため、チップ裏面と同程度の表面形状を、保護膜の第2表面bに付与できる。
また、保護膜形成用フィルム10の第1表面aには、保護膜を形成する被着体として、例えばシリコンウエハ等が貼付されることがあり、上記のように保護膜形成用フィルムの第2表面bにシリコンウエハ等を仮固定し、保護膜形成用フィルムを硬化する場合には、硬化後の保護膜形成用フィルムの第2表面bに仮固定されたシリコンウエハ等の剥離が容易である必要がある。
本発明に係る保護膜形成用フィルムによれば、硬化後における第1表面aのシリコンウエハに対する接着力が、硬化後における第2表面bのシリコンウエハに対する接着力よりも高いため、第1表面aにシリコンウエハ等の被着体を貼付し、第2表面bにシリコンウエハ等の支持体を仮固定して保護膜形成用フィルムを硬化した場合に、第2表面bにおいて硬化反応に起因した変形が抑制され、また、第2表面bから支持体を剥離することが容易となる。支持体上で保護膜形成用フィルムを硬化させることで、支持体表面の平滑性を第2表面bに転写することができるため、硬化後の第2表面bの平滑性が向上し、レーザー印字された文字の視認性に優れた保護膜を被着体に形成することができる。
硬化後における第1表面のシリコンウエハに対する接着力と硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力との比(第1表面のシリコンウエハに対する接着力/第2表面のシリコンウエハに対する接着力)は、好ましくは1.2〜100、より好ましくは1.3〜50、さらに好ましくは1.5〜30、特に好ましくは3〜20である。上記接着力の比が1.2よりも小さいと、硬化後における第1表面と第2表面の接着力差が小さいため、第2表面bから支持体を剥離する際に、第1表面aから被着体も剥離するおそれがある。一方、上記接着力の比が100より大きいと、支持体への接着力が足りず、保護膜形成用フィルムの硬化中に支持体から保護膜形成用フィルムが剥離するおそれがある。
硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力は、好ましくは0.01〜100N、より好ましくは0.05〜20N、さらに好ましくは0.1〜5Nであり、特に好ましくは0.4〜5Nである。硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力を上記範囲とすることにより、支持体への貼付性に優れ、硬化反応中や硬化後の搬送中に支持体から保護膜形成用フィルムが剥離することを抑制できる。なお、接着力は、後述する実施例における測定方法で測定する2mm×2mmのサイズの保護膜付チップの接着力である。
また、保護膜形成用フィルムの第2表面のプローブタック値は、好ましくは0.01〜3N/5mmΦ、より好ましくは0.1〜1.5N/5mmΦであり、さらに好ましくは0.3〜1.5N/5mmΦである。第2表面のプローブタック値を上記範囲とすることで、硬化反応中に、保護膜形成用フィルムが貼付された被着体が支持体から脱離することを防止できる。そして、支持体の平滑性を硬化後の保護膜形成用フィルムに付与することが容易となるため、硬化後の保護膜形成用フィルムにレーザー印字された文字等の視認性が向上する。なお、第2表面のプローブタック値は、70℃のプローブで測定される硬化前の保護膜形成用フィルムのプローブタック値であり、具体的には後述する実施例における測定方法により測定される。
上記のような物性を有する保護膜形成用フィルムの製造方法としては、保護膜形成用フィルムを構成する各成分の配合を変えて組成の異なる2層以上の樹脂層を得、該樹脂層を積層する方法;単層の保護膜形成用フィルムにおいて、その厚み方向に組成を傾斜させる(濃度勾配を持たせる)方法;その第2表面のみを事前に加熱および/またはエネルギー照射を行い半硬化状態とし、第2表面における接着力を低下させて保護膜形成用フィルムを得る方法などが挙げられる。
なお、本発明の保護膜形成用フィルムが、組成の異なる2層以上の樹脂層を積層する構成の場合は、樹脂層間に接着層などの他の層を介在させてもよい。接着層は本発明の目的を損なわない範囲であれば特に限定されない。
保護膜形成用フィルムに少なくとも要求される機能は、(1)シート形状維持性、(2)初期接着性および(3)硬化性である。
保護膜形成用フィルムには、バインダー成分の添加により(1)シート形状維持性および(3)硬化性を付与することができ、バインダー成分としては、重合体成分(A)および硬化性成分(B)を含有する第1のバインダー成分または(A)成分および(B)成分の性質を兼ね備えた硬化性重合体成分(AB)を含有する第2のバインダー成分を用いることができる。
なお、保護膜形成用フィルムを硬化までの間被着体に仮着させておくための機能である(2)初期接着性は、感圧接着性であってもよく、熱により軟化して接着する性質であってもよい。(2)初期接着性は、通常バインダー成分の諸特性や、後述する無機フィラー(C)の配合量の調整などにより制御される。
(第1のバインダー成分)
第1のバインダー成分は、重合体成分(A)と硬化性成分(B)を含有することにより、保護膜形成用フィルムにシート形状維持性と硬化性を付与する。なお、第1のバインダー成分は、第2のバインダー成分と区別する便宜上、硬化性重合体成分(AB)を含有しない。
(A)重合体成分
重合体成分(A)は、保護膜形成用フィルムにシート形状維持性を付与することを主目的として保護膜形成用フィルムに添加される。
上記の目的を達成するため、重合体成分(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常20,000以上であり、20,000〜3,000,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により測定される場合の値である。このような方法による測定は、たとえば、東ソー社製の高速GPC装置「HLC−8120GPC」に、高速カラム「TSK gurd column HXL−H」、「TSK Gel GMHXL」、「TSK Gel G2000 HXL」(以上、全て東ソー社製)をこの順序で連結したものを用い、カラム温度:40℃、送液速度:1.0mL/分の条件で、検出器を示差屈折率計として行われる。
なお、後述する硬化性重合体(AB)と区別する便宜上、重合体成分(A)は後述する硬化機能官能基を有しない。
重合体成分(A)としては、アクリル系重合体、ポリエステル、フェノキシ樹脂(後述する硬化性重合体(AB)と区別する便宜上、エポキシ基を有しないものに限る。)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ゴム系重合体等を用いることができる。また、これらの2種以上が結合したもの、たとえば、水酸基を有するアクリル系重合体であるアクリルポリオールに、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを反応させることにより得られるアクリルウレタン樹脂等であってもよい。さらに、2種以上が結合した重合体を含め、これらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)アクリル系重合体
重合体成分(A)としては、アクリル系重合体(A1)が好ましく用いられる。アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜50℃、より好ましくは−50〜40℃、さらに好ましくは−40〜30℃の範囲にある。アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度が高いと保護膜形成用フィルムのプローブタック値は低下する傾向があり、また、硬化後における接着性が低下する傾向がある。このような傾向があることから、2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成する場合、第2表面bを含む樹脂層に用いられるアクリル系重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)は、−40〜−5℃の範囲にあることが特に好ましい。
アクリル系重合体(A1)の重量平均分子量は、100,000〜1,500,000であることが好ましい。アクリル系重合体(A1)の重量平均分子量が高いと保護膜形成用フィルムのプローブタック値は低下する傾向があり、また、硬化後における接着性が低下する傾向がある。このような傾向があることから、2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成する場合、第2表面bを含む樹脂層に用いられるアクリル系重合体(A1)の重量平均分子量は600,000〜1,200,000であることがより好ましい。
アクリル系重合体(A1)は、少なくとも構成する単量体に、(メタ)アクリル酸エステルを含む。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど;環状骨格を有する(メタ)アクリレート、具体的にはシクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、後述する水酸基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体、アミノ基を有する単量体として例示するもののうち、(メタ)アクリル酸エステルであるものを例示することができる。
なお、本明細書で(メタ)アクリルは、アクリルおよびメタクリルの両者を包含する意味で用いることがある。
アクリル系重合体(A1)を構成する単量体として、水酸基を有する単量体を用いてもよい。このような単量体を用いることで、アクリル系重合体(A1)に水酸基が導入され、保護膜形成用フィルムが別途エネルギー線硬化性成分(B2)を含有する場合に、これとアクリル系重合体(A1)との相溶性が向上する。水酸基を有する単量体としては、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アクリル系重合体(A1)を構成する単量体として、カルボキシル基を有する単量体を用いてもよい。このような単量体を用いることで、アクリル系重合体(A1)にカルボキシル基が導入され、保護膜形成用フィルムが、別途エネルギー線硬化性成分(B2)を含有する場合に、これとアクリル系重合体(A1)との相溶性が向上する。カルボキシル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。後述する硬化性成分(B)として、エポキシ系熱硬化性成分を用いる場合には、カルボキシル基とエポキシ系熱硬化性成分中のエポキシ基が反応してしまうため、カルボキシル基を有する単量体の使用量は少ないことが好ましい。
アクリル系重合体(A1)を構成する単量体として、アミノ基を有する単量体を用いてもよい。このような単量体としては、モノエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
アクリル系重合体(A1)を構成する単量体として、このほか酢酸ビニル、スチレン、エチレン、α−オレフィン等を用いてもよい。
アクリル系重合体(A1)は架橋されていてもよい。架橋は、架橋される前のアクリル系重合体(A1)が水酸基等の架橋性官能基を有しており、保護膜形成用フィルムを形成するための組成物中に架橋剤を添加することで架橋性官能基と架橋剤の有する官能基が反応することにより行われる。アクリル系重合体(A1)を架橋することにより、保護膜形成用フィルムの凝集力を調節することが可能となる。
架橋剤としては有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物などが挙げられる。
有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物およびこれらの有機多価イソシアネート化合物の三量体、ならびにこれら有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。
有機多価イソシアネート化合物として、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネート、およびこれらの多価アルコールアダクト体が挙げられる。
有機多価イミン化合物として、具体的には、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびN,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
架橋剤は架橋する前のアクリル系重合体(A1)100質量部に対して通常0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の比率で用いられる。
本発明において、保護膜形成用フィルムを構成する成分の含有量の態様について、重合体成分(A)の含有量を基準として定める場合、重合体成分(A)が架橋されたアクリル系重合体であるときは、その基準とする含有量は、架橋される前のアクリル系重合体の含有量である。
(A2)非アクリル系樹脂
また、重合体成分(A)として、ポリエステル、フェノキシ樹脂(後述する硬化性重合体(AB)と区別する便宜上、エポキシ基を有しないものに限る。)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ゴム系重合体またはこれらの2種以上が結合したものから選ばれる非アクリル系樹脂(A2)の1種単独または2種以上の組み合わせを用いてもよい。このような樹脂としては、重量平均分子量が20,000〜100,000のものが好ましく、20,000〜80,000のものがさらに好ましい。
非アクリル系樹脂(A2)のガラス転移温度は、好ましくは−30〜150℃、さらに好ましくは−20〜120℃の範囲にある。
非アクリル系樹脂(A2)を、上述のアクリル系重合体(A1)と併用した場合には、後述する保護膜形成用複合シートを用いて被着体へ保護膜形成用フィルムを転写する際に、支持シートと保護膜形成用フィルムとの層間剥離を容易に行うことができ、さらに転写面に保護膜形成用フィルムが追従しボイドなどの発生を抑えることができる。
非アクリル系樹脂(A2)を、上述のアクリル系重合体(A1)と併用する場合には、非アクリル系樹脂(A2)の含有量は、非アクリル系樹脂(A2)とアクリル系重合体(A1)との質量比(A2:A1)において、通常1:99〜60:40、好ましくは1:99〜30:70の範囲にある。非アクリル系樹脂(A2)の含有量がこの範囲にあることにより、上記の効果を得ることができる。
(B)硬化性成分
硬化性成分(B)は、保護膜形成用フィルムに硬化性を付与することを主目的として保護膜形成用フィルムに添加される。硬化性成分(B)は、熱硬化性成分(B1)、またはエネルギー線硬化性成分(B2)を用いることができる。また、これらを組み合わせて用いてもよい。熱硬化性成分(B1)は、少なくとも加熱により反応する官能基を有する化合物を含有する。また、エネルギー線硬化性成分(B2)は、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)を含有し、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する。これらの硬化性成分が有する官能基同士が反応し、三次元網目構造が形成されることにより硬化が実現される。硬化性成分(B)は、重合体成分(A)と組み合わせて用いるため、保護膜形成用フィルムを形成するための塗工用組成物の粘度を抑制し、取り扱い性を向上させる等の観点から、通常その重量平均分子量(Mw)は、10,000以下であり、100〜10,000であることが好ましい。
(B1)熱硬化性成分
熱硬化性成分としては、たとえば、エポキシ系熱硬化性成分が好ましい。
エポキシ系熱硬化性成分は、エポキシ基を有する化合物(B11)を含有し、エポキシ基を有する化合物(B11)と熱硬化剤(B12)を組み合わせたものを用いることが好ましい。
(B11)エポキシ基を有する化合物
エポキシ基を有する化合物(B11)(以下、「エポキシ化合物(B11)」ということがある。)としては、従来公知のものを用いることができる。具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ化合物(B11)を用いる場合には、保護膜形成用フィルムには、重合体成分(A)100質量部に対して、エポキシ化合物(B11)が、好ましくは1〜1500質量部含まれ、より好ましくは3〜1200質量部含まれる。エポキシ化合物(B11)が少ないと、保護膜形成用フィルムの硬化後における接着性が低下する傾向がある。また、エポキシ化合物(B11)として、常温において固体であるもののみを用いた場合には、エポキシ化合物(B11)が少ない、すなわち、相対的に重合体成分(A)が多いと、保護膜形成用フィルムのプローブタック値が上昇する傾向がある。なお、常温は25℃を指し、以下同じである。
このような傾向があることから、2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成する場合は、第2表面bを含む樹脂層において、エポキシ化合物(B11)として、常温において固体であるもののみを用いるときは、重合体成分(A)100質量部に対して、エポキシ化合物(B11)が70〜150質量部含まれることが特に好ましい。
(B12)熱硬化剤
熱硬化剤(B12)は、エポキシ化合物(B11)に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
フェノール系硬化剤の具体的な例としては、多官能系フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂が挙げられる。アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
熱硬化剤(B12)の含有量は、エポキシ化合物(B11)100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましい。熱硬化剤の含有量が少ないと、硬化後における接着性が低下する傾向がある。
(B13)硬化促進剤
硬化促進剤(B13)を、保護膜形成用フィルムの熱硬化の速度を調整するために用いてもよい。硬化促進剤(B13)は、特に、熱硬化性成分(B1)として、エポキシ系熱硬化性成分を用いるときに好ましく用いられる。
好ましい硬化促進剤としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化促進剤(B13)は、エポキシ化合物(B11)および熱硬化剤(B12)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜5質量部の量で含まれる。硬化促進剤(B13)を上記範囲の量で含有することにより、高温度高湿度下に曝されても優れた接着性を有し、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高い信頼性を達成することができる。硬化促進剤(B13)を添加することで、保護膜形成用フィルムの硬化後の接着性を向上させることができる。このような作用は硬化促進剤(B13)の含有量が多いほど強まる。
(B2)エネルギー線硬化性成分
保護膜形成用フィルムがエネルギー線硬化性成分を含有することで、多量のエネルギーと長い時間を要する熱硬化工程を行うことなく保護膜形成用フィルムの硬化を行うことができる。これにより、製造コストの低減を図ることができる。
エネルギー線硬化性成分は、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)を単独で用いてもよいが、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)と光重合開始剤(B22)を組み合わせたものを用いることが好ましい。
(B21)エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物
エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)(以下「エネルギー線反応性化合物(B21)」ということがある。)としては、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリレート系化合物が挙げられ、また、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物等の重合構造を有するアクリレート化合物であって、比較的低分子量のものが挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有する。
エネルギー線反応性化合物(B21)を用いる場合、保護膜形成用フィルムには、重合体成分(A)100質量部に対して、エネルギー線反応性化合物(B21)が、好ましくは1〜1500質量部含まれ、より好ましくは3〜1200質量部含まれる。
(B22)光重合開始剤
エネルギー線反応性化合物(B21)に光重合開始剤(B22)を組み合わせることで、重合硬化時間を短くし、ならびに光線照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤(B22)として具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、1,2−ジフェニルメタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドおよびβ−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤(B22)は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(B22)の配合割合は、エネルギー線反応性化合物(B21)100質量部に対して0.1〜10質量部含まれることが好ましく、1〜5質量部含まれることがより好ましい。
光重合開始剤(B22)の配合割合が0.1質量部未満であると光重合の不足で満足な硬化性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、不具合の原因となることがある。
(第2のバインダー成分)
第2のバインダー成分は、硬化性重合体成分(AB)を含有することにより、保護膜形成用フィルムにシート形状維持性と硬化性を付与する。
(AB)硬化性重合体成分
硬化性重合体成分は、硬化機能官能基を有する重合体である。硬化機能官能基は、互いに反応して三次元網目構造を構成しうる官能基であり、加熱により反応する官能基や、エネルギー線により反応する官能基が挙げられる。
硬化機能官能基は、硬化性重合体(AB)の骨格となる連続構造の単位中に付加していてもよいし、末端に付加していてもよい。硬化機能官能基が硬化性重合体成分(AB)の骨格となる連続構造の単位中に付加している場合、硬化機能官能基は側鎖に付加していてもよいし、主鎖に直接付加していてもよい。硬化性重合体成分(AB)の重量平均分子量(Mw)は、保護膜形成用フィルムにシート形状維持性を付与する目的を達成する観点から、通常20,000以上である。
加熱により反応する官能基としてはエポキシ基が挙げられる。エポキシ基を有する硬化性重合体成分(AB)としては、高分子量のエポキシ基含有化合物や、エポキシ基を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。
また、上述のアクリル系重合体(A1)と同様の重合体であって、単量体として、エポキシ基を有する単量体を用いて重合したもの(エポキシ基含有アクリル系重合体)であってもよい。このような単量体としては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
エポキシ基含有アクリル系重合体を用いる場合、その好ましい態様はアクリル系重合体(A1)と同様である。
エポキシ基を有する硬化性重合体成分(AB)を用いる場合には、硬化性成分(B)としてエポキシ系熱硬化性成分を用いる場合と同様、熱硬化剤(B12)や、硬化促進剤(B13)を併用してもよい。
エネルギー線により反応する官能基としては、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。エネルギー線により反応する官能基を有する硬化性重合体成分(AB)としては、ポリエーテルアクリレートなどの重合構造を有するアクリレート系化合物等であって、高分子量のものを用いることができる。
また、たとえば側鎖に水酸基等の官能基Xを有する原料重合体に、官能基Xと反応しうる官能基Y(たとえば、官能基Xが水酸基である場合にはイソシアネート基等)およびエネルギー線照射により反応する官能基を有する低分子化合物を反応させて調製した重合体を用いてもよい。
この場合において、原料重合体が上述のアクリル系重合体(A1)に該当するときは、その原料重合体の好ましい態様は、アクリル系重合体(A1)と同様である。
エネルギー線により反応する官能基を有する硬化性重合体成分(AB)を用いる場合には、エネルギー線硬化性成分(B2)を用いる場合と同様、光重合開始剤(B22)を併用してもよい。
第2のバインダー成分は、硬化性重合体成分(AB)と併せて、上述の重合体成分(A)や硬化性成分(B)を含有していてもよい。
2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成する場合、各樹脂層において、バインダー成分を構成する重合体成分(A)、硬化性成分(B)や硬化性重合体成分(AB)の種類(特性)や含有割合を変えることで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整できる。また、各樹脂層において、熱硬化剤(B12)または硬化促進剤(B13)の含有量を変えることで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整できる。
また、この場合において、第1表面aを含む樹脂層および第2表面bを含む樹脂層が含有するバインダー成分を構成する重合体成分(A)、硬化性成分(B)や硬化性重合体成分(AB)の種類(特性)や含有割合または熱硬化剤(B12)もしくは硬化促進剤(B13)の含有量(以下「バインダー成分主要組成」ともいう。)によっては保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力に実質的に差異が生じないようにする一方、後述する無機フィラー(C)、カップリング剤(E)、剥離剤(F)などの配合により保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力に差異が生じるようにしてもよい。
たとえば、まず、第2表面bを含む樹脂層のバインダー成分主要組成を調整し、かつ剥離剤(F)の添加により、保護膜形成用フィルムの第2表面における接着力やプローブタック値を所定の範囲に制御する。一方で、第1表面aを含む樹脂層のバインダー成分主要組成を、第2表面bを含む樹脂層のバインダー成分主要組成と近似したものとしつつ、第1表面aを含む樹脂層には剥離剤(F)を添加せず、または第2表面bを含む樹脂層に添加したよりも少ない量添加する。これにより、保護膜形成用フィルムの第2表面における接着力と保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力とは、バインダー成分主要組成によっては実質的に差異が生じないことになる。しかし、第2表面bを含む樹脂層には、第1表面aを含む樹脂層よりも剥離剤(F)が多く添加されているために、保護膜形成用フィルムの第2表面における接着力が保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力よりも低くなるように制御することができる。
このように、バインダー成分主要組成によっては保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力に実質的に差異が生じないようにする場合には、第1表面aを含む樹脂層について次のことが言える。
第1表面aを含む樹脂層にアクリル系重合体(A1)を用いる場合、第2表面bを含む樹脂層におけるアクリル系重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)と同様に、そのガラス転移温度(Tg)は、−40〜−5℃の範囲にあることが好ましい。
第1表面aを含む樹脂層にアクリル系重合体(A1)を用いる場合、第2表面bを含む樹脂層におけるアクリル系重合体(A1)の重量平均分子量と同様に、その重量平均分子量は600,000〜1,200,000であることが好ましい。
第1表面aを含む樹脂層において、エポキシ化合物(B11)として、常温において固体であるもののみを用いるときは、第2表面bを含む樹脂層におけるエポキシ化合物(B11)の含有量と同様に、重合体成分(A)100質量部に対して、エポキシ化合物(B11)が70〜150質量部含まれることが好ましい。
バインダー成分主要組成によって保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力に実質的に差異が生じないようにする場合において、第1表面aを含む樹脂層のバインダー成分主要組成と第2表面bを含む樹脂層のバインダー成分主要組成が近似していると、両層の硬化時の体積収縮の差が小さくなる傾向がある。このため、硬化時の保護膜形成用フィルムの反りが抑制されるという効果が得られることがある。
保護膜形成用フィルムには、バインダー成分のほか、以下の成分を含有させてもよい。
(C)無機フィラー
保護膜形成用フィルムは、無機フィラー(C)を含有していてもよい。無機フィラー(C)を保護膜形成用フィルムに配合することにより、硬化後の保護膜における熱膨張係数を調整することが可能となり、被着体に対して硬化後の保護膜の熱膨張係数を最適化することで半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、硬化後の保護膜の吸湿性を低減させることも可能となる。
さらに、保護膜にレーザーマーキングを施すことにより、レーザー光により削り取られた部分に無機フィラー(C)が露出して、反射光が拡散するために白色に近い色を呈する。これにより、保護膜形成用フィルムが後述する着色剤(D)を含有する場合、レーザーマーキング部分と他の部分にコントラスト差が得られ、印字が明瞭になるという効果がある。
好ましい無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維およびガラス繊維等が挙げられる。これらのなかでも、シリカフィラーおよびアルミナフィラーが好ましい。上記無機フィラー(C)は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成する場合、無機フィラー(C)の含有量は、第1表面aを含む樹脂層を構成する全固形分の質量に占める割合が、好ましくは0〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%であり、第2表面bを含む樹脂層を構成する全固形分の質量に占める割合が、好ましくは40〜80質量%、より好ましくは50〜75質量%である。上記のように、組成の異なる2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成することで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整できる。
また、保護膜形成用フィルムを単層で形成する場合、その厚み方向に無機フィラー(C)の濃度勾配を持たせることで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整してもよい。この場合、保護膜形成用フィルムの第1表面側は、第2表面側と比較して無機フィラー(C)の濃度が低いため、半導体ウエハやチップ等の被着体に対して優れた濡れ性および接着性を示す。また、第2表面側は、第1表面側と比較して無機フィラー(C)の濃度が高いため、レーザー印字の視認性が向上する。無機フィラー(C)の含有量が、さらに、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分の質量に占める割合が、50〜80質量%であれば、このような効果が顕著になる傾向があるため好ましく、より好ましくは60〜80質量%である。保護膜形成用フィルムにおいて、その厚み方向に対して無機フィラー(C)の濃度勾配を形成する方法は特に限定されないが、以下の方法が挙げられる。まず、剥離シート上に無機フィラー(C)を含有する保護膜形成用組成物を塗布し、一定時間放置することで、保護膜形成用フィルム中において無機フィラー(C)の沈降が起こる。その後、乾燥することで無機フィラー(C)の濃度が傾斜勾配となった保護膜形成用フィルムが得られる。
(D)着色剤
保護膜形成用フィルムには、着色剤(D)を配合することができる。着色剤を配合することで、半導体装置を機器に組み込んだ際に、周囲の装置から発生する赤外線等による半導体装置の誤作動を防止することができる。また、レーザーマーキング等の手段により保護膜に刻印を行った場合に、文字、記号等のマークが認識しやすくなるという効果がある。すなわち、保護膜が形成された半導体装置や半導体チップでは、保護膜の表面に品番等が通常レーザーマーキング法(レーザー光により保護膜表面を削り取り印字を行う方法)により印字されるが、保護膜が着色剤(D)を含有することで、保護膜のレーザー光により削り取られた部分とそうでない部分のコントラスト差が充分に得られ、視認性が向上する。
着色剤としては、有機または無機の顔料および染料が用いられる。これらの中でも電磁波や赤外線遮蔽性の点から黒色顔料が好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が用いられるが、これらに限定されることはない。半導体装置の信頼性を高める観点からは、カーボンブラックが特に好ましい。着色剤(D)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤(D)の配合量は、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜35質量部、さらに好ましくは0.5〜25質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
(E)カップリング剤
無機物と反応する官能基および有機官能基と反応する官能基を有するカップリング剤(E)を、保護膜形成用フィルムの被着体に対する接着性、密着性および/または保護膜の凝集性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤(E)を使用することで、保護膜形成用フィルムを硬化して得られる保護膜の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上させることができる。このようなカップリング剤としては、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。これらのうちでも、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、その有機官能基と反応する官能基が、重合体成分(A)、硬化性成分(B)や硬化性重合体成分(AB)などが有する官能基と反応する基であるシランカップリング剤が好ましく使用される。
このようなシランカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
シランカップリング剤は、重合体成分(A)、硬化性成分(B)および硬化性重合体成分(AB)の合計100質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部の割合で含まれる。シランカップリング剤の含有量が0.1質量部未満だと上記の効果が得られない可能性があり、20質量部を超えるとアウトガスの原因となる可能性がある。
2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成する場合、カップリング剤(E)の含有量は、第1表面aを含む樹脂層を構成する全固形分の質量に占める割合が、好ましくは0.03〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%であり、第2表面bを含む樹脂層を構成する全固形分の質量に占める割合が、好ましくは0〜1.5質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。上記のように、組成の異なる2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成することで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整できる。
また、保護膜形成用フィルムを単層で形成する場合、その厚み方向にカップリング剤(E)の濃度勾配を持たせることで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整してもよい。保護膜形成用フィルムの第1表面側は、第2表面側と比較してカップリング剤(E)の濃度が高いため、半導体ウエハやチップ等の被着体に対して優れた接着性を示す。このような場合におけるカップリング剤(E)の含有量は、保護膜形成用フィルムを構成する全固形分の質量に占める割合が、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。保護膜形成用フィルムにおいて、その厚み方向に対してカップリング剤(E)の濃度勾配を形成する方法は特に限定されず、上述した無機フィラー(C)の濃度勾配を形成する方法と同様である。
(F)剥離剤
保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整するために、剥離剤を添加することもできる。剥離剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどのシリコーン化合物やフッ素化合物が挙げられる。
これらの中でも、シリコーン化合物が好ましく、側鎖として芳香環含有基を有するオルガノポリシロキサンであって、かつ、25℃における動粘度が50〜100,000mm/sであるものがより好ましい。ポリシロキサンとは、−Si(X)2−O−で表される単位構造(Xは側鎖を表す)が複数連結した化合物であり、この単位構造の数は特に限定されないが、通常3以上である。単位構造の数の増減により、上記の動粘度の値を制御することができる。
シリコーン化合物は、オルガノポリシロキサンのシロキサン部分により支持体との密着力を下げると共に、上記の芳香環含有基を側鎖に有することにより脂溶性が高く、保護膜形成用組成物中の他の成分との相溶性が高い。また、保護膜形成用組成物中の硬化成分(B)は、構成成分が芳香環を有する場合が多く、そのような場合にはシリコーン化合物の前記芳香環含有基により互いの相溶性がさらに高まる。
前記芳香環含有基の例としては、フェニル基、アラルキル基が挙げられる。ここでいうアラルキル基とは、アルキル部が直鎖状または分岐鎖状であり、アルキル部の炭素数が好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3であり、アリール部の炭素数が好ましくは6〜10、より好ましくは6であるアラルキル基である。アラルキル基の好ましい例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルイソプロピル基が挙げられる。前記芳香環含有基としては、アラルキル基が好ましい。
2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成する場合、少なくとも第2表面bを含む樹脂層が剥離剤を含有し、第2表面bを含む樹脂層における剥離剤(F)の含有量が、第1表面aを含む樹脂層における剥離剤(F)の含有量よりも多いことが好ましい。かかる構成とすることで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整することができる。具体的には、剥離剤(F)の含有量は、第1表面aを含む樹脂層を構成する全固形分のうち剥離剤を除く固形分100質量部に対して、好ましくは0〜0.001質量部、より好ましくは0〜0.0005質量部であり、第2表面bを含む樹脂層を構成する全固形分のうち剥離剤を除く固形分100質量部に対して、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.05〜5質量部である。上記のように、組成の異なる2層以上の樹脂層から保護膜形成用フィルムを形成することで、保護膜形成用フィルムの第1表面における接着力と第2表面における接着力を調整できる。第2表面bを含む樹脂層において、剥離剤(F)の含有量を上記範囲とすることで、支持体への再剥離性能と支持体との接着力のバランスに優れ、保護膜形成用フィルムの硬化中に保護膜形成用フィルムが支持体から剥離することを防止できる。
(G)汎用添加剤
保護膜形成用フィルムには、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤などが挙げられる。
保護膜形成用フィルムは、初期接着性と硬化性とを有し、未硬化状態では半導体ウエハやチップ等に押圧することで容易に接着する。また押圧する際に保護膜形成用フィルムを加熱してもよい。そして硬化を経て最終的には耐衝撃性の高い保護膜を与えることができ、接着強度にも優れ、厳しい高温度高湿度条件下においても十分な保護機能を保持し得る。なお、保護膜形成用フィルムは単層構造であってもよく、また多層構造であってもよい。
保護膜形成用フィルムは、たとえば上記各成分を適宜の割合で混合して得られる組成物(保護膜形成用組成物)を用いて得られる。保護膜形成用組成物は予め溶媒で希釈しておいてもよく、また混合時に溶媒に加えてもよい。また、保護膜形成用組成物の使用時に、溶媒で希釈してもよい。
かかる溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ヘプタンなどが挙げられる。
保護膜形成用フィルムの厚さは特に限定されないが、好ましくは3〜300μm、より好ましくは5〜250μm、特に好ましくは7〜200μmである。
保護膜形成用フィルムにおける可視光線および/または赤外線と紫外線の透過性を示す尺度である、波長300〜1200nmにおける最大透過率は20%以下であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましく、0%を超え10%以下であることがさらに好ましく、0.001〜8%であることが特に好ましい。波長300〜1200nmにおける保護膜形成用フィルムの最大透過率を上記範囲とすることで、可視光波長領域および/または赤外波長領域の透過性の低下が生じ、半導体装置の赤外線起因の誤作動の防止や、印字の視認性向上といった効果が得られる。波長300〜1200nmにおける保護膜形成用フィルムの最大透過率は、上記着色剤(D)により調整できる。なお、保護膜形成用フィルムの最大透過率は、UV−visスペクトル検査装置((株)島津製作所製)を用いて、硬化後の保護膜形成用フィルム(厚み25μm)の300〜1200nmでの全光線透過率を測定し、透過率の最も高い値(最大透過率)とする。
本発明の保護膜形成用フィルムは、シリコンやガリウム−砒素等を材料とする半導体ウエハやチップを被着体として、それらの保護膜として使用される。
本発明に係る保護膜形成用フィルムの製造方法は特に限定されない。
たとえば、保護膜形成用フィルムを工程フィルム上に製膜することができる。製膜は、工程フィルム上に保護膜形成用フィルムを形成するための組成物をロールナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど一般に公知の方法にしたがって塗工し、乾燥させることによって行う。
工程フィルムは、そのまま後述する支持シートやカバーフィルムとして用いることができる。また、保護膜形成用フィルムを、その製膜後に工程フィルムから支持シートやカバーフィルムに転写してもよい。工程フィルムが、支持シートまたはカバーフィルムのいずれか一方であり、かつ、転写される材料が、支持シートまたはカバーフィルムの他の一方であってもよい。
また、組成の異なる2層以上の樹脂層を積層して保護膜形成用フィルムを製造する場合には、まず、上記と同様の方法により工程フィルム上に樹脂層を製膜する。次に、別の工程フィルム上に組成の異なる樹脂層を製膜する。その後、得られた樹脂層同士を貼り合せることで保護膜形成用フィルムを製造することができる。
[保護膜形成用複合シート]
保護膜形成用複合シートは、保護膜形成用フィルムの第2表面側に支持シートを剥離可能に形成して得られる。保護膜形成用複合シートの形状は、枚葉のものに限られず、長尺の帯状のものであってもよく、これを巻収してもよい。支持シートとしては、剥離シートが挙げられ、また、後述する粘着シートを用いることができる。
保護膜形成用複合シートは、各種の被着体に貼付され、場合によっては、保護膜形成用複合シート上で被着体にダイシング等の所要の加工が施される。その後、保護膜形成用フィルムを被着体に固着残存させて支持シートを剥離する。すなわち、保護膜形成用フィルムを、支持シートから被着体に転写する工程を含むプロセスに使用される。
保護膜形成用フィルムは、支持シートと同形状とすることができる。また、保護膜形成用複合シートは、保護膜形成用フィルムが、ウエハと略同形状又はウエハの形状をそっくり含むことのできる形状に調製されたものであり、保護膜形成用フィルムよりも大きなサイズの支持シート上に積層されている、いわゆる事前成形構成をとっていてもよい。
剥離シートとしては、たとえばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレン テレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。
剥離シートの保護膜形成用フィルムに接する面の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下である。下限値は通常25mN/m程度である。このような表面張力が比較的低い剥離シートは、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また剥離シートの表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
剥離処理に用いられる剥離剤としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系などが用いられるが、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するので好ましい。
上記の剥離剤を用いて剥離シートの基体となるフィルム等の表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーターなどにより塗布して、剥離剤が塗布された剥離シートを常温下または加熱下に供するか、または電子線により硬化させて剥離剤層を形成させればよい。
また、ウェットラミネーションやドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などによりフィルムの積層を行うことにより剥離シートの表面張力を調整してもよい。すなわち、少なくとも一方の面の表面張力が、上述した剥離シートの保護膜形成用フィルムと接する面のものとして好ましい範囲内にあるフィルムを、当該面が保護膜形成用フィルムと接する面となるように、他のフィルムと積層した積層体を製造し、剥離シートとしてもよい。
保護膜形成用複合シート上で被着体にダイシング等の所要の加工が施される場合には、基材上に粘着剤層を形成した粘着シートを支持シートとして用いることが好ましい。この態様においては、保護膜形成用フィルムは、支持シートに設けられた粘着剤層上に積層される。粘着シートの基材としては、剥離シートとして例示した上記のフィルムが挙げられる。粘着剤層は、保護膜形成用フィルムを剥離できる程度の粘着力を有する弱粘着性のものを使用してもよいし、エネルギー線照射により粘着力が低下するエネルギー線硬化性のものを使用してもよい。
粘着剤層は、従来より公知の種々の粘着剤(例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系などの汎用粘着剤、表面凹凸のある粘着剤、エネルギー線硬化型粘着剤、熱膨張成分含有粘着剤等)により形成できる。
保護膜形成用複合シートの構成がかかる構成であると、保護膜形成用複合シートが、ダイシング工程において被着体を支持するためのダイシングシートとして機能する場合に支持シートと保護膜形成用フィルムの間の密着性が保たれ、ダイシング工程において保護膜形成用フィルム付チップが支持シートから剥がれることを抑制するという効果が得られる。保護膜形成用複合シートが、ダイシング工程において被着体を支持するためのダイシングシートとして機能する場合、ダイシング工程において保護膜形成用フィルム付ウエハに別途ダイシングシートを貼り合せてダイシングをする必要がなくなり、半導体装置の製造工程を簡略化できる。
保護膜形成用複合シートが事前成形構成をとる場合においては、保護膜形成用複合シートを次の第1、第2または第3の構成としてもよい。以下、保護膜形成用複合シート100の各構成について図2〜4を用いて説明する。
第1の構成は、図2に示すように、保護膜形成用フィルム10の第2表面側に、基材1上に粘着剤層2が形成された粘着シート3が剥離可能に形成された構成であり、該粘着剤層はエネルギー線硬化性であり、保護膜形成用フィルムが積層される領域に予めエネルギー線照射を行い、粘着性を低減させておく一方、他の領域はエネルギー線照射を行わず、粘着力を高いまま維持した構成である。他の領域のみにエネルギー線照射を行わないようにするには、たとえば支持シートの他の領域に対応する領域に印刷等によりエネルギー線遮蔽層を設け、支持シート側からエネルギー線照射を行えばよい。
第2の構成は、図3に示すように、保護膜形成用複合シート100の粘着剤層2上に、保護膜形成用フィルム10と重ならない領域に別途治具接着層4を設けた構成である。治具接着層としては、芯材を有する両面粘着シートや、粘着剤の単層からなる層を採用することができる。
第3の構成は、図4に示すように、保護膜形成用フィルム10と粘着剤層2の間に、さらに保護膜形成用フィルムの形状をそっくり含むことのできる形状の界面接着調整層5を設けた構成である。界面接着調整層は、所定のフィルムであってもよいし、界面接着調整粘着剤層であってもよい。界面接着調整粘着剤層は、エネルギー線硬化性の粘着剤に予めエネルギー線照射を行い硬化させたものであることが好ましい。
保護膜形成用複合シートを、これらの第1から第3の構成とすることで、保護膜形成用フィルムを取り囲む領域においては、粘着剤層または治具接着層の十分な接着性により、保護膜形成用複合シートを治具に接着することができる。それとともに、保護膜形成用フィルムと粘着剤層または界面接着調整層との界面における接着性を制御し、保護膜形成用フィルムまたは保護膜の固着したチップのピックアップを容易とすることができる。
保護膜形成用複合シートが事前成形構成をとらない場合、すなわち、図5に示すように、保護膜形成用フィルム10と支持シート(図5においては、基材1上に粘着剤層2が形成された粘着シート3)とを同形状とした場合において、保護膜形成用フィルム10の表面(第1表面)の外周部には、治具接着層4が設けられていてもよい。治具接着層としては、上述したものと同じものを用いることができる。
支持シートの厚さは、通常は10〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜250μmである。粘着剤層を設ける場合には、支持シート中3〜50μmが粘着剤層の厚さである。
保護膜形成用フィルムの第1表面には、カバーフィルムを仮着しておいてもよい。カバーフィルムは、支持シートが粘着シートである場合の粘着剤層や、治具接着層を覆っていてもよい。カバーフィルムは、上述の剥離シートと同じものを用いることができる。
カバーフィルムの膜厚は、通常は5〜300μm、好ましくは10〜200μm、特に好ましくは20〜150μm程度である。
このような保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムは、被着体の保護膜とすることができる。保護膜形成用フィルムはフェースダウン方式のチップ用半導体ウエハまたは半導体チップの裏面に貼付され、適当な手段により硬化されて封止樹脂の代替として半導体ウエハまたは半導体チップを保護する機能を有する。半導体ウエハに貼付した場合には、保護膜がウエハを補強する機能を有するためにウエハの破損等を防止しうる。
[半導体装置の製造方法]
次に、本発明の保護膜形成用フィルムの利用方法について、上述した保護膜形成用複合シートを半導体装置の製造に適用した場合を例にとって説明する。
本発明における半導体装置の製造方法は、上記保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムを半導体ウエハに貼付し、保護膜を有する半導体チップを得る工程を含むことが好ましい。具体的には、表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムを貼付し、その後、裏面に保護膜を有する半導体チップを得る。該保護膜は、半導体ウエハまたは半導体チップの保護膜であることが好ましい。また、本発明における半導体装置の製造方法は、好ましくは、以下の工程(1)〜(5)をさらに含み、工程(1)〜(4)をこの順で行い、工程(5)を任意の順で行うことを特徴としている。なお、上述したように支持シートとして粘着シートを用いる場合には、半導体装置の製造工程を簡略化する観点から、工程(5)を工程(1)の前に行うことが好ましい。
工程(1):保護膜形成用フィルムと支持シートとを剥離、
工程(2):保護膜形成用フィルムを支持体に載置、
工程(3):保護膜形成用フィルムを硬化して保護膜を得る、
工程(4):保護膜と支持体とを剥離、
工程(5):半導体ウエハと、保護膜形成用フィルムまたは保護膜とをダイシング。
また、本発明における半導体装置の製造方法は、上記工程(1)〜(5)の他に、下記の工程(6)をさらに含んでいてもよく、上記工程(4)の後に、工程(6)を行うこともできる。
工程(6):保護膜にレーザー印字。
半導体ウエハはシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。次いで、半導体ウエハの回路面の反対面(裏面)を研削する。研削法は特に限定はされず、グラインダーなどを用いた公知の手段で研削してもよい。裏面研削時には、表面の回路を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハの回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。ウエハの研削後の厚みは特に限定はされないが、通常は50〜500μm程度である。
その後、必要に応じ、裏面研削時に生じた破砕層を除去する。破砕層の除去は、ケミカルエッチングや、プラズマエッチングなどにより行われる。
次いで、半導体ウエハの裏面に、上記保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムを貼付する。その後、工程(1)〜(4)をこの順で行い、工程(5)を任意の順で行う。一例として、工程(5)、(1)、(2)、(3)、(4)の順で行う場合について説明する。
まず、表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、上記保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルム(第1表面)を貼付する。
次いで、半導体ウエハと保護膜形成用フィルムを、ウエハ表面に形成された回路毎にダイシングする。ダイシングは、ウエハと保護膜形成用フィルムをともに切断するように行われる。保護膜形成用複合シート上で半導体ウエハをダイシングする場合(工程(5)を工程(1)よりも前に行う場合)には、保護膜形成用複合シートの支持シートとして粘着シートを用いることが好ましく、この粘着シートが保護膜形成用フィルムを介して半導体ウエハを支持するダイシングシートの役割を果たすことができる。この場合、保護膜形成用複合シートの内周部に保護膜形成用フィルムを介して半導体ウエハが貼付され、保護膜形成用複合シートの外周部がリングフレーム等の他の治具と接合することで、半導体ウエハに貼付された保護膜形成用複合シートが装置に固定され、ダイシングが行われる。保護膜形成用複合シート上での半導体ウエハのダイシングは、公知のダイシングシートを用いた常法と同様に行われる。
その後、ダイシングされたチップ(保護膜形成用フィルム付チップ)をコレット等の汎用手段によりピックアップすることで、保護膜形成用フィルムの第2表面から支持シートを剥離する。
次いで、保護膜形成用フィルム(第2表面)に支持体を仮固定し、チップ、保護膜形成用フィルム及び支持体の順に積層された積層体を得る。
支持体はその表面が平滑性を有する材質であれば特に限定されず、例えば、シリコンウエハ、ガラス板、ポリメチルメタクリレート板等の有機樹脂からなる板等が挙げられる。これらの支持体の表面粗さ(Ra)は、好ましくは200nm以下、より好ましくは0.01〜100nmである。本発明における表面粗さ(算術平均粗さRa)は、JIS B0601;2001に基づき、測定長さ10mm、走査速度0.1mm/秒、データサンプリングピッチ80μmとして、表面粗さ計((株)ミツトヨ製 SV−3000S4)により測定される値である。また、保護膜形成用フィルムが熱硬化性を有する場合には、支持体は耐熱性を有することが好ましい。耐熱性を有する支持体としては、例えば、シリコンウエハ、ガラス板が挙げられる。
その後、保護膜形成用フィルムを熱硬化またはエネルギー線硬化して、チップ裏面に保護膜を形成する。保護膜形成用フィルムに、熱硬化性成分(B1)または熱硬化性の硬化性重合性成分(AB)が配合され、あわせてエネルギー線硬化性成分(B2)またはエネルギー線硬化性の硬化性重合体成分(AB)が配合されている場合には、加熱およびエネルギー線照射による硬化を同時に行ってもよく、逐次的に行ってもよい。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)等が挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。この結果、チップ裏面に硬化樹脂からなる保護膜が形成され、チップ単独の場合と比べて強度が向上するので、薄くなったチップの取扱い時の破損を低減できる。また、チップの裏面に直接樹脂膜用の塗布液を塗布・被膜化するコーティング法と比較して、保護膜の厚さの均一性に優れる。
次いで、保護膜から支持体を剥離し、保護膜付チップを得る。このような本発明によれば、厚みの均一性の高い保護膜を、チップ裏面に簡便に形成でき、ダイシング工程やパッケージングの後のクラックが発生しにくくなる。また、支持体を保護膜形成用フィルム(第2表面)に仮固定し、その後硬化するため、第2表面において硬化反応に起因した変形が抑制され、支持体表面の平滑性を第2表面に転写することができる。その結果、硬化後の第2表面の平滑性が向上し、後述するレーザー印字工程において、保護膜の第2表面にレーザー印字された文字の視認性が向上する。
次いで、保護膜(第2表面)にレーザー印字することが好ましい。レーザー印字はレーザーマーキング法により行われ、レーザー光の照射により保護膜の表面を削り取ることで保護膜に品番等をマーキングする。本発明における半導体装置の製造方法によれば、保護膜の第2表面は支持体の平滑性が転写されているため、支持体と同程度の平滑性を有する。そのため、保護膜の第2表面に印字された品番等の視認性に優れる。
最後に、保護膜付チップをフェースダウン方式で所定の基台上に実装することで半導体装置を製造することができる。また、裏面に保護膜を有する半導体チップを、ダイパッド部または別の半導体チップなどの他の部材上(チップ搭載部上)に接着することで、半導体装置を製造することもできる。
本発明の保護膜形成用フィルムや該フィルムを用いた保護膜形成用複合シートは、上記のような使用方法の他、半導体化合物、ガラス、セラミックス、金属などの保護に使用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例または比較例において、<第2表面における再剥離性>、<第1表面および第2表面の接着力>、<プローブタック値>および<レーザーマーキング適性>は以下のように測定・評価した。
<第2表面における再剥離性>
粘着シート貼付装置(リンテック(株)製 Adwill RAD3600F12)を用いて、テーブル温度60℃で保護膜形成用フィルムの第1表面を、350μm厚に研磨したシリコンウエハの研磨面(2000番仕上げ)に貼付し、シリコンウエハと保護膜形成用フィルムの積層体を得た。
次いで、上記積層体の保護膜形成用フィルム側(第2表面)にダイシングテープ(リンテック(株)製 D−676H)を貼付し、上記積層体を2mm×2mmにダイシングし、ピックアップすることで保護膜形成用フィルム付チップを得た。
図6に示すように、上記チップの保護膜形成用フィルムの第2表面を支持体7(500μm厚シリコンウエハ)の研磨面(2000番仕上げ)上に、100℃、300g、10秒間で貼付した。次いで、130℃、2時間で保護膜形成用フィルムを熱硬化し、支持体7と保護膜11とチップ8の積層体を得た。
その後、せん断強度測定機(Dage社製 ボンドテスターDage series4000)のせん断強度測定ツール6を用い、上記積層体の支持体7を固定し、測定速度200μm/秒、測定温度23℃の条件で保護膜付チップ20に側面から荷重をかけて支持体7から剥離した。その際、保護膜11と支持体7との界面で剥離できた場合を「良好」と評価し、保護膜11とチップ8との界面で保護膜11が部分剥離を起こし、チップ8が剥き出しになった場合や、支持体7上に保護膜11が残っていた場合を「不良」と評価した。支持体7と保護膜11とチップ8の積層体10個について、上記の評価を行い、評価が「良好」であった個数を数えた。
<第1表面および第2表面の接着力>
粘着シート貼付装置(リンテック(株)製 Adwill RAD3600F12)を用いて、テーブル温度60℃で保護膜形成用フィルムの第1表面を、500μm厚に研磨したシリコンウエハの研磨面(2000番仕上げ)に貼付し、シリコンウエハと保護膜形成用フィルムの積層体を得た。
次いで、上記積層体の保護膜形成用フィルム側(第2表面)にダイシングテープ(リンテック(株)製 D−676H)を貼付し、上記積層体を2mm×2mmにダイシングし、ピックアップすることで保護膜形成用フィルムを有するチップを得た。
次いで、130℃、2時間で保護膜形成用フィルムを熱硬化し、保護膜付チップを得た。保護膜付チップの保護膜(第2表面)を金属板に接着剤で固定した。
その後、図7に示すように、せん断強度測定機(Dage社製 ボンドテスターDage series4000)のせん断強度測定ツール6を用い、金属板9を固定し、測定速度200μm/秒、測定温度23℃の条件で保護膜付チップ20の側面からチップ8に荷重をかけて、保護膜11の第1表面とチップ8との間の接着力(硬化後における第1表面のシリコンウエハに対する接着力)を測定した。なお、上記接着力は、チップ8が保護膜11から剥離した時(破壊時)における荷重の最大値とした。
また、保護膜形成用フィルムの第2表面をシリコンウエハに貼付し、第1表面側にダイシングテープを貼付したこと以外は上記と同様にして、保護膜の第2表面とチップとの間の接着力(硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力)を測定した。
上記で得られた接着力から、それらの比(第1表面のシリコンウエハに対する接着力/第2表面のシリコンウエハに対する接着力)を算出した。
<プローブタック値>
実施例または比較例で作成した保護膜形成用フィルムの第2表面において、理学工業社製PROBETACKTESTERを用い、JIS Z0237:1991 参考5に準拠して、プローブタック値を測定した。具体的には、熱硬化前の保護膜形成用フィルムを25mm×25mmの試験片に切り取り、23℃の環境下、その試験片の第2表面に、70℃に加熱された直径5mmのステンレス製プローブを10秒間、接触荷重0.98N/cmで接触させた後、プローブを10mm/秒の速度で試験片から離し、その際の応力を測定した。
<レーザーマーキング適性>
第2表面における再剥離性の評価において得た保護膜形成用フィルム付チップを支持体に仮固定せずに、130℃、2時間で保護膜形成用フィルムを熱硬化し、支持体と保護膜とチップの積層体を得、試料とした。
また、第2表面における再剥離性の評価において、支持体上で熱硬化して得た保護膜とチップの積層体のうち、評価が「良好」であったものを試料とした。
それぞれの試料の保護膜に、レーザーマーカー(日立建機ファインテック(株)製 YAGレーザーマーカーLM5000)により縦400μm横200μmの文字を印字し、その文字を顕微鏡により主にコントラストと光の反射(90°直下光)による認識性について観察した。
認識性の評価は、顕微鏡搭載のCCDカメラを用いて行った。その評価基準は下記のとおりである。
良好:CCDカメラによるコントラスト値が70%超
可 :CCDカメラによるコントラスト値が30〜70%
不良:CCDカメラによるコントラスト値が30%未満
[保護膜形成用組成物(α)]
保護膜形成用組成物(α)を構成する各成分とその配合量を下記に示す。各成分の配合量は固形分換算の質量部を示し、本発明において固形分とは溶媒以外の全成分をいう。
(A)重合体成分:n−ブチルアクリレート55質量部、メチルメタクリレート15質量部、グリシジルメタクリレート20質量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート10質量部を共重合してなるアクリル系重合体(重量平均分子量:90万、ガラス転移温度:−28℃)/100質量部
(B)硬化性成分:
(B11)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180〜200g/eq、常温において固体である)50質量部、及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 エピクロンHP−7200HH、常温において固体である)50質量部からなる熱硬化性成分/100質量部
(B12)熱活性潜在性エポキシ樹脂硬化剤(ジシアンジアミド(旭電化製 アデカハ−ドナー3636AS))/2.8質量部
(B13)硬化促進剤(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製 キュアゾール2PHZ))/2.8質量部
(C)無機フィラー:シリカフィラー(溶融石英フィラー(平均粒径3μm))/300質量部
(D)着色剤:黒色顔料(カーボンブラック(三菱化学社製#MA650、平均粒径28nm))/10質量部
(E)カップリング剤:シランカップリング剤(日本ユニカー製 A−1110)/1質量部
(F)剥離剤:シリコーン化合物(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製 XF42−334)/(A)〜(F)の合計100質量部に対して0.1質量部
[保護膜形成用組成物(β)]
(F)成分の配合量を、(A)〜(F)の合計100質量部に対して0.5質量部としたこと以外は、保護膜形成用組成物(α)と同様である。
[保護膜形成用組成物(γ)]
(F)成分の配合量を、(A)〜(F)の合計100質量部に対して1.5質量部としたこと以外は、保護膜形成用組成物(α)と同様である。
[保護膜形成用組成物(δ)]
(F)成分の配合量を、(A)〜(F)の合計100質量部に対して3.0質量部としたこと以外は、保護膜形成用組成物(α)と同様である。
[保護膜形成用組成物(ε)]
重合体成分(A)の代わりに、下記の重合体成分(A’)を用いたこと以外は、保護膜形成用組成物(α)と同様である。
(A’)重合体成分:n−ブチルアクリレート15質量部、メチルメタクリレート50質量部、グリシジルメタクリレート20質量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部を共重合してなるアクリル系重合体(重量平均分子量:90万、ガラス転移温度:−1℃)
[保護膜形成用組成物(ζ)]
(F)成分の配合量を、(A)〜(F)の合計100質量部に対して0質量部としたこと以外は、保護膜形成用組成物(α)と同様である。
(実施例1)
剥離シートとして、片面に剥離処理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製 SP−P502010、厚さ50μm)を用意した。保護膜形成用組成物(α)のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度61重量%)を、上記剥離シートの剥離処理面上に乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて120℃、3分間)して、剥離シート上に樹脂層(α)を形成した。
また、別の剥離シートとして、片面に剥離処理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製 SP−P502010、厚さ50μm)を用意した。
次いで、保護膜形成用組成物(ζ)のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度61重量%)を上記剥離シートの剥離処理面上に乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて120℃、3分間)して、剥離シート上に樹脂層(ζ)を形成した。
その後、樹脂層(α)と樹脂層(ζ)とを貼り合せることで、その両面に剥離シートが仮着された保護膜形成用フィルムを得た。この保護膜形成用フィルムの樹脂層(α)側の表面が、本発明における第2表面であり、樹脂層(ζ)側の表面が本発明における第1表面である。各評価結果を表1に示す。
(実施例2)
保護膜形成用組成物(α)に代わりに、保護膜形成用組成物(β)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で保護膜形成用フィルムを得た。各評価結果を表1に示す。
(実施例3)
保護膜形成用組成物(α)に代わりに、保護膜形成用組成物(γ)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で保護膜形成用フィルムを得た。各評価結果を表1に示す。
(実施例4)
保護膜形成用組成物(α)に代わりに、保護膜形成用組成物(δ)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で保護膜形成用フィルムを得た。各評価結果を表1に示す。
(実施例5)
保護膜形成用組成物(α)に代わりに、保護膜形成用組成物(ε)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で保護膜形成用フィルムを得た。各評価結果を表1に示す。
(比較例1)
保護膜形成用組成物(α)に代わりに、保護膜形成用組成物(ζ)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で保護膜形成用フィルムを得た。各評価結果を表1に示す。
Figure 0006270736
10:保護膜形成用フィルム
a:第1表面
b:第2表面
100:保護膜形成用複合シート
1:基材
2:粘着剤層
3:粘着シート
4:治具接着層
5:界面接着調整層
6:せん断強度測定ツール
7:支持体
8:チップ
9:金属板
11:保護膜
20:保護膜付チップ

Claims (7)

  1. 第1表面と第2表面とを有し、第1表面は保護膜を形成する被着体に貼付され、第2表面は支持体に仮固定され、硬化後、第2表面から支持体を剥離する硬化性の保護膜形成用フィルムであって、
    硬化後における第1表面のシリコンウエハに対する接着力が、硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力よりも高く、
    前記支持体が、シリコンウエハ、ガラス板及びポリメチルメタクリレート板からなる群から選ばれる支持体である、保護膜形成用フィルム。
  2. 硬化後における第1表面のシリコンウエハに対する接着力と硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力との比(第1表面のシリコンウエハに対する接着力/第2表面のシリコンウエハに対する接着力)が、1.2〜100である請求項1に記載の保護膜形成用フィルム。
  3. 硬化後における第2表面のシリコンウエハに対する接着力が0.01〜100Nである請求項1または2に記載の保護膜形成用フィルム。
  4. 第2表面のプローブタック値が0.01〜3N/5mmΦである請求項1〜のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
  5. 組成の異なる2層以上の樹脂層からなる請求項1〜のいずれかに記載の保護膜形成用フィルム。
  6. 少なくとも第2表面を含む樹脂層が剥離剤を含有し、第2表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量が、第1表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量よりも多い請求項に記載の保護膜形成用フィルム。
  7. 第1表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量が、第1表面を含む樹脂層を構成する全固形分のうち剥離剤を除く固形分100質量部に対して0〜0.001質量部であり、
    第2表面を含む樹脂層における剥離剤の含有量が、第2表面を含む樹脂層を構成する全固形分のうち剥離剤を除く固形分100質量部に対して0.001〜20質量部である請求項に記載の保護膜形成用フィルム。
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