JP6270644B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、二輪車や四輪自動車等の車両を制動するためのディスクブレーキに関する。
キャリパ本体に、そのパッド組付用空間をロータ軸線方向に跨ぐように連結部を架設し、この連結部とブレーキパッドとの間にパッドスプリングを組み付け、このパッドスプリングでブレーキパッドをロータ径方向内方とロータ回転方向とに付勢するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−68593号公報
上記のパッドスプリングは、ブレーキパッドのロータ径方向外方に配置される部分でブレーキパッドをロータ径方向内方とロータ回転方向とに付勢するようになっている。このため、パッドスプリングのバネ定数が高くなってしまい、その結果、パッドスプリングのキャリパ本体への組み付けがしづらくなり、ディスクブレーキの製造効率が低下してしまう。
したがって、本発明は、製造効率を向上させることが可能となるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、キャリパ本体のパッド組付用空間をロータ軸方向に跨ぐ連結部と一対のブレーキパッドとの間を通って前記パッド組付用空間のロータ径方向外側の開口を覆うようにパッドスプリングが配置され、該パッドスプリングは、前記一対のブレーキパッドをロータ径方向内方に押圧するカバー部と、該カバー部のロータ回転方向の両端側からそれぞれロータ径方向内方へ延びて前記パッド組付用空間と前記ブレーキパッドとの間に配置されロータ回入側の部位が前記一対のブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する延出部と、が一体で形成され、前記カバー部に、該カバー部のパッド当接部位の移動を可能にするストローク調整部が形成される構成とした。
本発明のディスクブレーキによれば、製造効率を向上させることが可能となる。
本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。 本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す図1のX−X断面図である。 本発明に係る一実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングを示すもので、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。 本発明に係る一実施形態のディスクブレーキにおけるパッドスプリングのキャリパ本体への組み付け途中の状態を概略的に示す断面図である。
本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを図面に基づいて説明する。本実施形態のディスクブレーキ1は、自動二輪車の前輪制動用のディスクブレーキである。なお、これに限らず、例えば自動二輪車の後輪制動用や四輪自動車の制動用のディスクブレーキにも勿論適用可能である。
このディスクブレーキ1は、図1および図2に示すように、制動対象となる車輪とともに回転するディスクロータ2と、車体側に取り付けられてこのディスクロータ2に摩擦抵抗を付与するキャリパ3とを備えている。なお、以下においては、ディスクロータ2の径方向をロータ径方向と称し、ディスクロータ2の軸線方向をロータ軸方向と称し、ディスクロータ2の回転方向(円周方向)をロータ回転方向と称す。
キャリパ3は、ディスクロータ2の外周側を跨いで配置されて車体側に取り付けられるキャリパ本体5と、図1に示すようにディスクロータ2に対向するようにキャリパ本体5に収容される一対のピストン6,6と、ディスクロータ2に対向するようにキャリパ本体5に収容される、ピストン6,6より小径の一対のピストン7,7とを有している。つまり、キャリパ3は、二対のピストン6,6およびピストン7,7を有している。
具体的には、共通部品である二つのピストン6,6がロータ径方向およびロータ回転方向の位置を合わせてディスクロータ2に対しロータ軸方向の両側に対をなして設けられている。また、共通部品である二つのピストン7,7がロータ径方向およびロータ回転方向の位置を合わせてディスクロータ2に対しロータ軸方向の両側に対をなして設けられている。言い換えれば、ディスクロータ2のロータ軸方向の片側において一つのピストン6と一つのピストン7とがロータ回転方向に所定の間隔をあけて並んで設けられ、このような構成がロータ軸方向の両側に設けられている。よって、キャリパ3は、対向ピストン型の4ポットキャリパとなっている。
キャリパ本体5は、ディスクロータ2のアウタ側(ディスクロータ2に対して車輪の反対側)に配置されるシリンダ部10と、ディスクロータ2のインナ側(ディスクロータ2に対して車輪側)に配置されるシリンダ部11と、これら一対のシリンダ部10,11をロータ回転方向両端位置で連結する一対の端側連結部12および端側連結部13とを有している。なお、本実施形態においては、キャリパ本体5が、一対のシリンダ部10,11および一対の端側連結部12,13を一体物で形成したモノブロックキャリパとなっている。勿論、キャリパ本体5のシリンダ部10,11を二体として、ボルトや溶着等で連結してもよい。
シリンダ部10,11は、それぞれ、複数のピストン6,7をロータ回転方向に並べて収容するためロータ回転方向に沿って長い形状をなしている。端側連結部12および端側連結部13は、一対のシリンダ部10,11のロータ回転方向における両端部においてディスクロータ2を跨いでこれらシリンダ部10,11を連結している。なお、ピストンは、少なくともディスクロータ2を挟んで一対あればよく、上記の二対以外にも三対あるいは四対としても良い。さらには、一つと二つ、二つと三つというように、ディスクロータ2のロータ軸方向の両側でピストンの数を異ならせてもよい。
図2に示すように、端側連結部12には、ロータ径方向の内側から外側に向けて凹む形状のディスクパス部14が形成されており、端側連結部13にもロータ径方向の内側から外側に向けて凹む形状のディスクパス部15が形成されている。ディスクパス部14は端側連結部12におけるロータ軸方向の略中央位置に形成されており、ディスクパス部15は端側連結部13におけるロータ軸方向の略中央位置に形成されている。これらディスクパス部14,15は、ディスクロータ2の外周側が面するように配置されることになり、これらディスクパス部14,15を通過して回転するようにディスクロータ2が配置されている。
図1に示すように、キャリパ本体5には、シリンダ部10、シリンダ部11、端側連結部12および端側連結部13で囲まれて、略中央にロータ径方向両側に開口するパッド組付用空間17が形成されている。図2に示すディスクパス部14,15は、このパッド組付用空間17よりもロータ回転方向の両外側にあって、それぞれのロータ回転方向内側の端部がこのパッド組付用空間17のロータ軸方向の中央位置に開口する。図1に示すようにシリンダ部10,11のパッド組付用空間17側の端部位置には、ロータ軸方向に直交するように広がる内面10a,11aが形成されている。
キャリパ本体5には、一対の端側連結部12,13の間に、ディスクロータ2をロータ径方向外側で跨いで一対のシリンダ部10,11を連結する中間連結部(連結部)16が設けられている。中間連結部16は、キャリパ本体5のロータ回転方向の中央位置に設けられており、図2に示すように、パッド組付用空間17をそのロータ径方向外側においてロータ軸方向に跨いで設けられている。よって、パッド組付用空間17のロータ径方向外側は、ロータ回転方向一側の端側連結部12および中間連結部16の間部分と、ロータ回転方向逆側の端側連結部13および中間連結部16の間部分とが開口している。なお、中間連結部16は、端側連結部12,13の両方から等距離の位置に設けた方が、剛性、各部品の左右共通性等の観点で望ましいが、必要に応じて、端側連結部12側あるいは端側連結部13側に偏った位置に設けてもよい。
図1に示すキャリパ本体5のアウタ側のシリンダ部10には、図示は略すが、ピストン6,7をロータ軸方向に移動可能となるように収容する二カ所のシリンダボアが形成されており、インナ側のシリンダ部11にも、ピストン6,7をロータ軸方向に移動可能となるように収容する二カ所のシリンダボアが形成されている。これらシリンダボアは、パッド組付用空間17に開口しており、言い換えればディスクロータ2に対向する側に開口している。これらシリンダボアには、アウタ側のシリンダ部10のロータ回転方向の中央位置に形成された給排口21を介してブレーキ液が給排される。給排口21は、ディスクロータ2の中心とキャリパ本体5のロータ回転方向の中心とを通ってロータ径方向に沿う線(以下、径方向基準線という)に対し平行に形成されている。
なお、キャリパ本体5は、シリンダ部10、シリンダ部11、端側連結部12、端側連結部13および中間連結部16が、インナ側のシリンダ部11の図示略のシリンダボアの底部を除いて鋳造により一体成形されている。そして、シリンダ部11のこれら二カ所のシリンダボアの底部の開口部を介してシリンダボアの内面が切削加工される。この後、シリンダ部11のシリンダボアの底部の開口部に別体の閉塞部材を摩擦攪拌接合で接合させて開口部を閉塞して底部を形成することにより、キャリパ本体5が形成される。なお、シリンダ部10、シリンダ部11、端側連結部12、端側連結部13および中間連結部16の全体を、鋳造により一体成形し、シリンダ部10,11の間のパッド組付用空間17からシリンダボアの内面を切削加工しても良い。
図1に示すように、アウタ側のシリンダ部10には、ロータ回転方向両側の二カ所に、マウント穴22,22がシリンダ部10をロータ径方向に貫通して形成されている。これらマウント穴22,22は、径方向基準線に平行をなしており、キャリパ本体5のロータ回転方向の中心から等距離の位置に、互いにロータ軸方向の位置を合わせて形成されている。キャリパ3は、これらのマウント穴22,22に挿通される図示略の取付ボルトで車両の車体側に固定される、いわゆるラジアルマウントタイプとなっている。
ここで、図1,図2に示すキャリパ3は、前輪の右側に配置されるものとなっている。つまり、この右配置のキャリパ3は、図1に示す給排口21およびマウント穴22,22が形成されたシリンダ部10を車幅方向外側(右側)に配置して、前輪の右側のディスクロータ2の車体前後方向後側に配置されることになる。その結果、端側連結部12が車両前進時のディスクロータ2の回転方向Fにおける出口側(以下、ロータ回出側という)に位置し、他方の端側連結部13が車両前進時のディスクロータ2の回転方向Fの入口側(以下、ロータ回入側という)に位置する。また、一対のピストン6,6は、キャリパ3におけるロータ回出側に設けられ、一対のピストン7,7は、キャリパ3におけるロータ回入側に設けられている。
キャリパ本体5には、パッドスプリング25が取り付けられており、このパッドスプリング25を介して一対のブレーキパッド31,31がキャリパ本体5に支持されている。これら一対のブレーキパッド31,31は、ディスクロータ2に対向配置されることになる。これにより、一方のブレーキパッド31がアウタ側のシリンダ部10とディスクロータ2との間に、他方のブレーキパッド31がインナ側のシリンダ部11とディスクロータ2との間に配置されている。ここで、キャリパ3は、ブレーキパッド31,31を支持するパッドピンを持たない、いわゆる、パッドピンレス構造となっている。
ここで、本実施形態におけるディスクブレーキ1の作動の概略を説明する。ディスクブレーキ1においては、図1に示す給排口21を介して、シリンダ部10,11の図示略のシリンダボア内にブレーキ液が導入されると、二対のピストン6,6およびピストン7,7がブレーキ液の液圧によってディスクロータ2の方向に移動する。すると、アウタ側のシリンダ部10に設けられた二つのピストン6,7が、シリンダ部10とディスクロータ2との間に設けられた一方のブレーキパッド31を押圧してこれをディスクロータ2に押し付ける。また、インナ側のシリンダ部11に設けられた二つのピストン6,7が、シリンダ部11とディスクロータ2との間に設けられた他方のブレーキパッド31を押圧してこれをディスクロータ2に押し付ける。これにより、車両に制動力を発生させることになる。このとき、一対のブレーキパッド31,31は、ロータ径方向内方への移動が規制されるようにキャリパ本体5に支持されてロータ軸方向に移動することになる。よって、キャリパ本体5は、一対のブレーキパッド31,31をディスクロータ2へ押圧可能に支持している。
つぎに、本実施形態におけるディスクブレーキ1の詳細構造を説明する。キャリパ本体5の上記した中間連結部16は、ディスクロータ2とともに一対のブレーキパッド31,31をロータ軸方向に跨いで配置される。中間連結部16は、図2に示すロータ径方向の内側つまりパッド組付用空間17側の天井面16aが、径方向基準線に対して直交している。
図1に示すように、キャリパ本体5のロータ回出側の端側連結部12の中間連結部16側には、ロータ回転方向において中間連結部16に対し反対方向に凹む凹壁部38が形成されている。端側連結部12には、凹壁部38のロータ径方向内側に、凹壁部38よりも中間連結部16側に突出する段状のパッド支持部40が形成されている。このパッド支持部40は、端側連結部12のパッド組付用空間17側の端部位置に形成されている。パッド支持部40は、ロータ軸方向における図2に示すディスクパス部14の位置に形成される中間延在部41と、図1に示すように中間延在部41のロータ軸方向の両側に形成されるパッドガイド部42,42とを有している。よって、パッドガイド部42,42は、図2に示すディスクパス部14のロータ軸方向における両側に形成されている。
図1に示すように、パッド支持部40は、ロータ径方向の外端位置に、ロータ径方向外方に向く平坦なパッド係合面40aを有している。このパッド係合面40aが、中間延在部41およびパッドガイド部42,42のそれぞれのロータ径方向外側の端面を構成している。言い換えれば、中間延在部41およびパッドガイド部42,42のロータ径方向外側は、図2に示すディスクパス部14よりもロータ径方向外側にある同一平面のパッド係合面40aとなっている。パッド係合面40aは、その延長面が径方向基準線に対して垂直をなすように形成されている。パッド係合面40aは、端側連結部12の全体、言い換えればキャリパ本体5と同一部材で形成されている。
パッドガイド部42,42には、パッド組付用空間17に面するトルク受面42a,42aが形成されている。トルク受面42a,42aは、径方向基準線に対して平行をなしており、ロータ軸方向に平行をなしている。中間延在部41は、パッド組付用空間17側の端部がトルク受面42a,42aよりもロータ回出側に凹んでいる。
図1に示すように、キャリパ本体5のロータ回入側の端側連結部13の中間連結部16側には、ロータ回転方向において中間連結部16に対し反対方向に凹む凹壁部48が形成されている。端側連結部13には、凹壁部48のロータ径方向内側に、凹壁部48よりも中間連結部16側に突出する段状のパッド支持部50が形成されている。このパッド支持部50は、パッド支持部40との間のロータ回転方向の中央を基準にパッド支持部40と鏡面対称形状をなしている。パッド支持部50は、端側連結部13のパッド組付用空間17側の端部位置に形成されている。パッド支持部50は、ロータ軸方向における図2に示すディスクパス部15の位置に形成される中間延在部51と、図1に示すように中間延在部51のロータ軸方向の両側に形成されるパッドガイド部52,52とを有している。よって、パッドガイド部52,52は、図2に示すディスクパス部15のロータ軸方向における両側に形成されている。
パッド支持部50は、ロータ径方向の外端位置に、ロータ径方向外方に向く平坦なパッド係合面50aを有している。このパッド係合面50aが、中間延在部51およびパッドガイド部52,52のそれぞれのロータ径方向外側の端面を構成している。言い換えれば、中間延在部51およびパッドガイド部52,52のロータ径方向外側は、ディスクパス部15よりもロータ径方向外側にある同一平面のパッド係合面50aとなっている。パッド係合面50aは、その延長面が径方向基準線に対して垂直をなすように形成されており、パッド係合面40aと同一平面に配置されている。パッド係合面50aは、端側連結部13の全体、言い換えればキャリパ本体5と同一部材で形成されている。
パッドガイド部52,52には、パッド組付用空間17に面するトルク受面52a,52aが形成されている。トルク受面52a,52aは、径方向基準線に対して平行をなしており、ロータ軸方向に平行となっている。トルク受面52a,52aは、トルク受面42a,42aとロータ軸方向およびロータ径方向の位置を合わせている。中間延在部51は、パッド組付用空間17側の端部がトルク受面52a,52aよりもロータ回入側に凹んでいる。
パッドスプリング25は、図2に示すようにキャリパ本体5に取り付けられた状態で、中間連結部16と一対のブレーキパッド31,31(図2では断面とした関係上一方のみを図示)との間を通って配置されるカバー部61と、カバー部61のロータ回出側の端部からロータ径方向内方へ延びてパッド組付用空間17と一対のブレーキパッド31,31との間に配置される一対の延出部62,62(図2では断面とした関係上一方のみを図示。図3(d)参照。)と、カバー部61のロータ回入側の端部からロータ径方向内方へ延びてパッド組付用空間17と一対のブレーキパッド31,31との間に配置される一対の延出部63,63(図2では断面とした関係上一方のみを図示。図3(a)参照。)とを有している。
図2に示すように、パッドスプリング25は、カバー部61が、パッド組付用空間17のロータ径方向外側の開口を覆うように配置されて一対のブレーキパッド31,31をロータ径方向内方に押圧する。また、パッドスプリング25は、ロータ回転方向両側の延出部62,62および延出部63,63のうちの、ロータ回入側の部位となる延出部63,63が一対のブレーキパッド31,31をロータ回出方向に付勢する。
パッドスプリング25は、一定板厚の板材からプレス成形により打ち抜かれ折り曲げられて形成されるものであり、カバー部61と、一対の延出部62,62と、一対の延出部63,63とが一体に形成されている。パッドスプリング25は、上記のように一対のブレーキパッド31,31をロータ回出方向およびロータ径方向内方に付勢する。
カバー部61は、180度回転させた際の形状が同一となる回転対称の形状をなしており、具体的には、ロータ回転方向(長手方向)の中央を基準に鏡面対称形状をなしロータ軸方向(幅方向)の中央を基準に鏡面対称形状をなしている。カバー部61は、ロータ回転方向の中央に設けられた基板部65と、ロータ回出側の一対の腕板部66,66と、ロータ回入側の一対の腕板部67,67とを有している。
基板部65は、ロータ回転方向中央の平板部71と、平板部71のロータ回転方向両側から平板部71に対して若干傾斜してロータ回出方向およびロータ回入方向に延出する一対の平板状の傾斜板部72,73とを有している。基板部65は、その平板部71が径方向基準線に対して直交するように広がっており、その全体が中間連結部16と一対のブレーキパッド31,31との間に配置されている。ロータ回出側の傾斜板部72およびロータ回入側の傾斜板部73は、いずれも平板部71から離れるほど径方向基準線の方向においてディスクロータ2の中心側に位置するように傾斜している。
ロータ回出側の一対の腕板部66,66は、ロータ回出側の傾斜板部72の平板部71に対し反対側に設けられている。一対の腕板部66,66は、ロータ回出側の傾斜板部72の平板部71に対し反対側からロータ回出方向に延出する一対の平板状の基端板部75,75を有している。これら一対の基端板部75,75は、ロータ回出側の傾斜板部72と同一平面をなしてこの傾斜板部72の平板部71に対し反対側の端縁部のロータ軸方向の両側位置からロータ回出方向に延出している。
一対の腕板部66,66は、基端板部75,75の基板部65に対し反対側に設けられた一対のパッド押圧板部76,76と、パッド押圧板部76,76の基端板部75,75に対し反対側に設けられた一対のストローク調整部77,77と、ストローク調整部77,77のパッド押圧板部76,76に対し反対側に設けられた一対の当接板部78,78と、当接板部78,78のストローク調整部77,77に対し反対側に設けられた一対のリテーナ板部79,79と、リテーナ板部79,79から延出する一対の係止部80,80とを有している。
一対のパッド押圧板部76,76は、基端板部75,75の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回出方向に延出している。パッド押圧板部76,76は、ロータ径方向外側に中心を有して湾曲するC字状をなしており、基端板部75,75よりもロータ径方向内方に突出している。
一対のストローク調整部77,77は、それぞれが、平板状の第1板部85と湾曲板部86と平板状の第2板部87とを有している。一対の第1板部85,85は、パッド押圧板部76,76の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回出方向に延出しており、ロータ回出側ほどロータ径方向外側に位置するように傾斜している。一対の湾曲板部86,86は、第1板部85,85の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回出側に突出しており、そのロータ径方向内側に中心を有して湾曲するC字状をなし、第1板部85,85よりもロータ径方向外方に突出している。一対の第2板部87,87は、湾曲板部86,86の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回出方向に延出しており、ロータ回出側ほどロータ径方向内側に位置するように傾斜している。
一対の当接板部78,78は、平板状をなしており、ストローク調整部77,77の第2板部87,87の基板部65に対し反対側の端縁部(つまりストローク調整部77,77のロータ回出側の端縁部)からロータ径方向内方に延出している。
一対のリテーナ板部79,79は、平板状をなしており、当接板部78,78のストローク調整部77,77に対し反対側の端縁部(つまり当接板部78,78のロータ径方向の内端縁部)からロータ回入方向に延出している。リテーナ板部79,79は、径方向基準線に対して直交する面と同一平面に配置されるように広がっている。リテーナ板部79,79は、ブレーキパッド31,31のロータ回出側に当接する部位であり、ブレーキパッド31,31のロータ回出側を支持する部位となっている。ロータ回出側の一対の延出部62,62は、リテーナ板部79,79の当接板部78,78に対し反対側に設けられている。
一対の係止部80,80は、一対のリテーナ板部79,79の相互近接側に設けられている。一対の係止部80,80は、それぞれが基端板部91と係止板部92とを有している。一対の基端板部91,91は、リテーナ板部79,79のロータ回転方向の中間位置からロータ径方向内方に延出しており、一対の係止板部92,92は、基端板部91,91のリテーナ板部79,79に対し反対側の端縁部(つまり基端板部91,91のロータ径方向の内端縁部)からロータ回出方向に延出している。
ロータ回入側の一対の腕板部67,67は、ロータ回入側の傾斜板部73の平板部71に対し反対側に設けられている。一対の腕板部67,67は、ロータ回入側の傾斜板部72の平板部71に対し反対側からロータ回入方向に延出する一対の平板状の基端板部95,95を有している。これら一対の基端板部95,95は、ロータ回入側の傾斜板部73と同一平面をなしてこの傾斜板部73の平板部71に対し反対側の端縁部のロータ軸方向の両側位置からロータ回入方向に延出する。
一対の腕板部67,67は、基端板部95,95の基板部65に対し反対側に設けられた一対のパッド押圧板部96,96と、パッド押圧板部96,96の基端板部95,95に対し反対側に設けられた一対のストローク調整部97,97と、ストローク調整部97,97のパッド押圧板部96,96に対し反対側に設けられた一対の当接板部98,98と、当接板部98,98のストローク調整部97,97に対し反対側に設けられた一対のリテーナ板部99,99と、リテーナ板部99,99から延出する一対の係止部80,80とを有している。
一対のパッド押圧板部96,96は、基端板部95,95の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回入方向に延出している。パッド押圧板部96,96は、ロータ径方向外側に中心を有して湾曲するC字状をなしており、基端板部95,95よりもロータ径方向内方に突出している。
一対のストローク調整部97,97は、それぞれが、平板状の第1板部105と湾曲板部106と平板状の第2板部107とを有している。一対の第1板部105,105は、パッド押圧板部96,96の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回入方向に延出しており、ロータ回入側ほどロータ径方向外側に位置するように傾斜している。一対の湾曲板部106,106は、第1板部105,105の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回入側に突出しており、そのロータ径方向内側に中心を有して湾曲するC字状をなし、第1板部105,105よりもロータ径方向外方に突出している。一対の第2板部107,107は、湾曲板部106,106の基板部65に対し反対側の端縁部からロータ回入方向に延出しており、ロータ回入側ほどロータ径方向内側に位置するように傾斜している。
一対の当接板部98,98は、ストローク調整部97,97の第2板部107,107の基板部65に対し反対側の端縁部(つまりストローク調整部97,97のロータ回入側の端縁部)からロータ径方向内方に延出している。
一対のリテーナ板部99,99は、平板状をなしており、当接板部98,98のストローク調整部97,97に対し反対側の端縁部(つまり当接板部98,98のロータ径方向の内端縁部)からロータ回出方向に延出している。リテーナ板部99,99,は、径方向基準線に対して直交する面と同一平面に配置されるように広がっている。リテーナ板部99,99は、ブレーキパッド31,31のロータ回入側に当接する部位であり、ブレーキパッド31,31のロータ回入側を支持する部位となっている。ロータ回入側の一対の延出部63,63は、リテーナ板部99,99の当接板部98,98に対し反対側に設けられている。
一対の係止部100,100は、一対のリテーナ板部99,99の相互近接側に設けられている。一対の係止部100,100は、それぞれが基端板部111と係止板部112とを有している。一対の基端板部111,111は、リテーナ板部99,99のロータ回転方向の中間位置からロータ径方向内方に延出しており、一対の係止板部112,112は、基端板部111,111のリテーナ板部99,99に対し反対側の端縁部(つまり基端板部111,111のロータ径方向の内端縁部)からロータ回入方向に延出している。
ロータ回出側の一対の延出部62,62は、それぞれが、リテーナ板部79,79の当接板部78,78に対し反対側に設けられた一対の介装板部121,121と、介装板部121,121のリテーナ板部79,79に対し反対側に設けられた先端板部122,122とを有している。介装板部121,121は、リテーナ板部79,79の当接板部78,78に対し反対側の端縁部からロータ径方向内方に延出しており、径方向基準線に平行をなしロータ軸方向に平行をなす平板状をなしている。先端板部122,122は、介装板部121,121のリテーナ板部79,79に対し反対側の端縁部からロータ径方向内方に延出しており、ロータ径方向内側ほどロータ回出側に位置するように傾斜している。
ロータ回入側の一対の延出部63,63は、それぞれが、リテーナ板部99,99の当接板部98,98に対し反対側に設けられた介装板部131,131と、介装板部131,131のリテーナ板部99,99に対し反対側に設けられた先端板部132,132とを有している。介装板部131,131は、リテーナ板部99,99の当接板部98,98に対し反対側の端縁部からロータ径方向内方に延出している。介装板部131,131は、ロータ径方向の中間位置がロータ径方向の両端側よりもロータ回出側に位置するように湾曲している。先端板部132,132は、介装板部131,131のリテーナ板部99,99に対し反対側の端縁部からロータ径方向内方に延出しており、ロータ径方向内側ほどロータ回入側に位置するように傾斜している。
このようなパッドスプリング25は、図2に示すようにキャリパ本体5に組み込まれた状態で、ロータ回出側の当接板部78,78がキャリパ本体5のロータ回出側の凹壁部38に当接し、ロータ回入側の当接板部98,98がキャリパ本体5のロータ回入側の凹壁部48に当接する。これにより、パッドスプリング25は、キャリパ本体5に対してロータ回転方向に位置決めされる。
また、パッドスプリング25は、ロータ回出側のリテーナ板部79,79がキャリパ本体5のロータ回出側のパッド支持部40のパッド係合面40aに当接し、ロータ回入側のリテーナ板部99,99がキャリパ本体5のロータ回入側のパッド支持部50のパッド係合面50aに当接する。加えて、ロータ回出側の係止部80,80の係止板部92,92がロータ回出側のパッド支持部40の中間延在部41のロータ径方向内側の内面41bに当接し、ロータ回入側の係止部100,100の係止板部112,112がロータ回入側のパッド支持部50の中間延在部51のロータ径方向内側の内面51bに当接する。よって、ロータ回出側の係止部80,80の係止板部92,92とリテーナ板部79,79とがパッド支持部40の中間延在部41をロータ径方向両側から挟持することになり、ロータ回入側の係止部100,100の係止板部112,112とリテーナ板部99,99とがパッド支持部50の中間延在部51をロータ径方向両側から挟持することになる。これにより、パッドスプリング25は、キャリパ本体5に対してロータ径方向に位置決めされる。
加えて、パッドスプリング25は、ロータ回出側の係止部80,80の係止板部92,92がロータ回出側のディスクパス部14のロータ軸方向両側の壁面に当接し、ロータ回入側の係止部100,100の係止板部112,112がロータ回入側のディスクパス部15のロータ軸方向両側の壁面に当接する。これにより、パッドスプリング25は、キャリパ本体5に対してロータ軸方向に位置決めされる。
また、パッドスプリング25は、キャリパ本体5に組み込まれた状態で、ロータ回出側の延出部62,62の介装板部121,121が、パッド組付用空間17内に配置されてキャリパ本体5のトルク受面42a,42aを覆い、ロータ回入側の延出部63,63の介装板部131,131が、パッド組付用空間17内に配置されてキャリパ本体5のトルク受面52a,52aを覆う。
上記のようにキャリパ本体5に組み込まれることから、パッドスプリング25は、ロータ回転方向の長さ、つまり当接板部78,78と当接板部98,98との最大距離が、キャリパ本体5のパッド支持部40とパッド支持部50との最小距離よりも長くなっている。
ここで、キャリパ本体5には、パッド組付用空間17のロータ径方向外側にパッド組付用空間17をロータ軸方向に跨いで中間連結部16が形成されているため、パッドスプリング25をロータ径方向外側からキャリパ本体5に取り付けることは困難になっている。このため、キャリパ本体5のパッド組付用空間17に、ロータ径方向内方からパッドスプリング25を取り付けることになる。
このとき、パッドスプリング25は、ロータ回転方向の最大長さつまりカバー部61の長さが、キャリパ本体5のパッド支持部40とパッド支持部50との最小距離よりも長くなっていることから、カバー部61がロータ回転方向に長さを短くするように変形させられながらパッド支持部40,50間を通る必要がある。その際に、パッドスプリング25のカバー部61には、ストローク調整部77,77,97,97が形成されているため、図4に示すように、これらが主体となって変形することで、ロータ回出側の当接板部78,78およびリテーナ板部79,79と、ロータ回入側の当接板部98,98およびリテーナ板部99,99とが距離を容易に縮めてパッド支持部40,50間を通過することになる。
具体的に、まず、例えばパッドスプリング25のロータ回入側の当接板部98,98をキャリパ本体5のパッド組付用空間17内にロータ径方向内側から挿入しロータ回入側のパッドガイド部52,52のトルク受面52a,52aに当接させる。この状態で、パッドスプリング25のロータ回出側をロータ回入側に近づけるように押圧操作する。すると、ストローク調整部77,77,97,97が主体的に弾性変形することになり、ロータ回出側の当接板部78,78、リテーナ板部79,79、係止部80,80および延出部62,62をロータ回入側に移動させてパッドスプリング25のロータ回転方向の長さを短くする。この状態で、パッドスプリング25のロータ回出側の当接板部78,78およびリテーナ板部79,79をパッド組付用空間17内に挿入し、ロータ回出側のパッドガイド部42,42のトルク受面42a,42aに当接させた状態とする。勿論、ロータ回出側の当接板部78,78等を先に、ロータ回入側の当接板部98,98等を後にパッド組付用空間17内に挿入しても良い。
上記の状態で、パッドスプリング25をロータ径方向外方に移動させる。そして、パッドスプリング25の例えばロータ回出側のリテーナ板部79の位置がパッド支持部40のパッド係合面40aの位置に合う状態になると、ストローク調整部77,77,97,97がロータ回転方向に広がり、当接板部78,78が凹壁部38に当接し、リテーナ板部79,79がパッド支持部40のパッド係合面40aに載置されるとともに、係止部80,80がディスクパス部14内に入り込んでパッド支持部40の中間延在部41のロータ径方向内側の内面41bに接触する。また、これと同時または前後してロータ回入側のリテーナ板部99,99の位置がパッド支持部50のパッド係合面50aの位置に合う状態になると、ストローク調整部77,77,97,97がロータ回転方向に広がり、当接板部98,98が凹壁部48に当接し、リテーナ板部99,99がパッド支持部50のパッド係合面50aに載置されるとともに、係止部100,100がディスクパス部15内に入り込んでパッド支持部50の中間延在部51のロータ径方向内側の内面51bに接触する。
このようにして、パッドスプリング25がキャリパ本体5に取り付けられる。勿論、上記とは反対に、パッドスプリング25のカバー部61のロータ回出側をロータ回入側よりも先にパッド支持部40に係止させてから、カバー部61のロータ回入側をパッド支持部50に係止させても良い。
また、治具を用いてロータ回転方向の長さを狭めた状態でパッドスプリング25をキャリパ本体5に取り付けても良い。この場合、パッドスプリング25の例えば両側の湾曲板部86,86と湾曲板部106,106とにそれぞれ係合し、湾曲板部86,86と湾曲板部106,106との距離を近づけてパッドスプリング25のロータ回転方向の長さを縮める治具を用いることができる。
一対のブレーキパッド31,31について、ディスクロータ2のインナ側に配置される一方のブレーキパッド31を例にとり説明する。他方のアウタ側のブレーキパッド31は、インナ側のブレーキパッド31と共通部品となっている。
ブレーキパッド31は、長手方向の中央を基準に鏡面対称形状をなす裏板140と、裏板140の厚さ方向一側の面の長手方向に離間した二カ所に接着される摩擦材151,152とを有している。
裏板140は、一定板厚となっており、基板部141と一対の突片部142,143とを有している。基板部141は、略長方形状をなしており、一対の突片部142,143は、基板部141のロータ径方向の外側のロータ回転方向の両端部からロータ径方向の外側に突出した後、ロータ回転方向の両外側に突出する形状をなしている。
ブレーキパッド31は、キャリパ本体5への組み付け時には、少なくともピストン6,6、ピストン7,7およびパッドスプリング25が取り付けられた状態のキャリパ本体5に対して、一対の突片部142,143がロータ径方向の外端側に配置された状態で、パッド組付用空間17内にロータ径方向内側から挿入されることになる。このときブレーキパッド31は、パッドスプリング25のリテーナ板部79,79に係止部80,80が形成されることにより生じる図示略のロータ軸方向中央側の切欠部と、リテーナ板部99,99に係止部100,100が形成されることにより生じる図示略のロータ軸方向中央側の切欠部とに、一対の突片部142,143を通過させることになり、その際に、基板部141の突片部142,143間のロータ径方向外方に向く外面141aでインナ側のパッド押圧板部76,96を押し上げる。その後、インナ側にスライドさせられてインナ側のリテーナ板部79,99上に載置される。
これにより、ブレーキパッド31は、ロータ径方向の外端側に配置された一対の突片部142,143において、パッドスプリング25のインナ側のリテーナ板部79,99を介してキャリパ本体5のパッド支持部40,50のインナ側のパッドガイド部42,52に支持される。このとき、ブレーキパッド31は、基板部141のロータ径方向外方に向く外面141aにおいて、パッドスプリング25のインナ側のパッド押圧板部76,96に当接し、このカバー部61を弾性変形させてその反力によりロータ径方向内方に押圧される。これにより、ブレーキパッド31は、一対の突片部142,143が、パッドスプリング25のインナ側のリテーナ板部79,99に押し付けられる。これにより、パッドスプリング25のカバー部61は、ブレーキパッド31をロータ径方向内方に付勢してそのガタツキを防止することになる。
以上により、ブレーキパッド31には、ロータ径方向における外端側となる位置に、ロータ回転方向においてブレーキパッド31の中央部から離れる方向へ突出する突片部142,143が形成されており、これら突片部142,143が、パッドスプリング25のカバー部61のロータ軸方向同側のリテーナ板部79,99に当接する。
上記のようにキャリパ本体5に組み付けられた状態で、インナ側のブレーキパッド31は、基板部141のロータ回出側にある面部141bが、パッドスプリング25のインナ側の延出部62のパッド組付用空間17内に配置されている介装板部121を、キャリパ本体5のインナ側のトルク受面42aとの間に配置することになる。言い換えれば、パッドスプリング25の延出部62の介装板部121が、ブレーキパッド31の面部141bとキャリパ本体5のトルク受面42aとの間に介装される。さらに言い換えれば、パッドスプリング25の延出部62の介装板部121が、パッド組付用空間17のブレーキパッド31との境界位置に配置され、パッド組付用空間17とブレーキパッド31との間に配置される。
また、インナ側のブレーキパッド31は、基板部141のロータ回入側にある面部141cが、パッドスプリング25のインナ側の延出部63のパッド組付用空間17内に配置されている介装板部131を、キャリパ本体5のインナ側のトルク受面52aとの間に配置することになる。言い換えれば、パッドスプリング25の延出部63の介装板部131が、ブレーキパッド31の面部141cとキャリパ本体5のトルク受面52aとの間に介装される。さらに言い換えれば、パッドスプリング25の延出部63の介装板部131は、パッド組付用空間17のブレーキパッド31との境界位置に配置され、パッド組付用空間17とブレーキパッド31との間に配置される。
また、インナ側のブレーキパッド31は、基板部141のロータ回転方向両側の面部141b,141cにおいて、パッドスプリング25のインナ側の延出部62,63およびキャリパ本体5のインナ側のトルク受面42a,52aに案内されてロータ軸方向に摺動することになる。
ここで、パッドスプリング25のインナ側の延出部63は、キャリパ本体5のインナ側のトルク受面52aとブレーキパッド31の面部141cとの間に介装される介装板部131がロータ回出側に膨出するように湾曲している。これにより、この介装板部131が、ブレーキパッド31をロータ回出方向に付勢することになる。すると、ブレーキパッド31は、面部141bがパッドスプリング25の延出部62の平板状の介装板部121に接触し、これを押圧して、介装板部121をキャリパ本体5のインナ側のパッドガイド部42のトルク受面42aに押し付ける。つまり、ブレーキパッド31はパッドスプリング25の延出部63の付勢力によってキャリパ本体5のロータ回出側のトルク受面42aに押し付けられる。
一対のブレーキパッド31,31が組み付けられた状態で、これらブレーキパッド31,31の間にディスクロータ2を配置するようにしてキャリパ3が車体側に取り付けられることになる。その結果、ディスクロータ2が存在することによってブレーキパッド31,31は、パッドスプリング25のロータ軸方向中央への移動が規制されキャリパ3からの脱落が規制される。
上記のようにして、ブレーキパッド31,31が、キャリパ本体5のパッド支持部40,50のパッドガイド部42,52およびパッドガイド部42,52に、パッドスプリング25を介して移動可能に支持されることになる。そして、アウタ側のシリンダ部10に設けられた二つのピストン6,7が、ディスクロータ2との間に設けられたブレーキパッド31を押圧し、インナ側のシリンダ部11に設けられた二つのピストン6,7が、ディスクロータ2との間に設けられたブレーキパッド31を押圧すると、ブレーキパッド31,31が、キャリパ本体5のパッドガイド部42,52およびパッドガイド部42,52に支持された状態でロータ軸方向に移動して、ディスクロータ2に押し付けられ、車両に制動力を発生させる。その際に、キャリパ本体5が、ロータ回出側のパッドガイド部42,42でブレーキパッド31,31のブレーキトルクを受けることになる。
以上に述べた本実施形態のディスクブレーキ1によれば、パッドスプリング25が、一対のブレーキパッド31,31をロータ回転方向両側でキャリパ本体5とともに支持するリテーナ板部79,79,99,99と、ブレーキパッド31,31のロータ軸方向の移動をロータ回転方向両側で案内する延出部62,62および延出部63,63と、ブレーキパッド31,31をロータ径方向内方に押圧するパッド押圧板部76,76およびパッド押圧板部96,96と、ブレーキパッド31,31をロータ回出方向に押圧する延出部63,63とを一体に設けた構成となっているため、部品点数を少なくすることができる。
また、パッドスプリング25が、キャリパ本体5の中間連結部16と一対のブレーキパッド31,31との間を通ってパッド組付用空間17のロータ径方向外側の開口を覆うように配置されるカバー部61によって一対のブレーキパッド31,31をロータ径方向内方に押圧することになる。一方で、パッドスプリング25は、カバー部61のロータ回転方向の両端側からそれぞれロータ径方向内方へ延びてパッド組付用空間17とブレーキパッド31,31との間に配置される延出部62,62および延出部63,63のうちのロータ回入側の延出部63,63が一対のブレーキパッド31,31をロータ回出方向に付勢する。よって、ブレーキパッド31,31を押圧する方向によって、押圧する部位を分散しているため、ブレーキパッドのロータ径方向外方に配置される部分でブレーキパッドをロータ径方向内方とロータ回出方向とに付勢するものと比べて、パッドスプリング25のバネ定数を低く抑えることができる。よって、パッドスプリング25のキャリパ本体5への組み付けが容易となり、ディスクブレーキ1の製造効率を向上させることが可能となる。加えて、パッドスプリング25のバネ定数を低く抑えることができることから、パッドスプリング25の荷重を安定させることができ、ブレーキパッド31,31の摺動を安定させることができる。
また、パッドスプリング25のパッド組付用空間17とブレーキパッド31,31との間に配置される延出部63,63でブレーキパッド31,31をロータ回出方向に付勢するため、確実にブレーキパッド31,31をロータ回出側のトルク受面42a,42aに押し付けることができる。よって、ブレーキ鳴き(特に低圧鳴き)を抑制することができる。
また、パッドスプリング25のカバー部61には、カバー部61のロータ回転方向両側のパッド当接部位となるリテーナ板部79,79,99,99の移動を可能にするストローク調整部77,77,97,97が形成されているため、パッドスプリング25のバネ定数をさらに低く抑えることができる。よって、パッドスプリング25のキャリパ本体5への組み付けがさらに容易となり、ディスクブレーキ1の製造効率を向上させることが可能となる。
特に、キャリパ本体5のロータ径方向外側にパッド組付用空間17をロータ軸方向に跨ぐ中間連結部16が設けられていることから、パッドスプリング25のパッド組付用空間17へのロータ径方向外側からの組み付けが困難であり、パッドスプリング25をパッド組付用空間17へロータ径方向内側からの組み付けることが必要である。このような場合に、リテーナ板部79,79,99,99の移動を可能にするストローク調整部77,77,97,97が形成されていることにより、キャリパ本体5への組み付けが容易となる。加えて、ストローク調整部77,77,97,97によってパッドスプリング25のバネ定数をさらに低く抑えることができることから、パッドスプリング25の荷重をより安定させることができ、ブレーキパッド31,31の摺動をより安定させることができる。
また、パッドスプリング25は、キャリパ本体5に組み込まれた状態で、ロータ回出側の延出部62,62の介装板部121,121が、キャリパ本体5のトルク受面42a,42aを覆い、ロータ回入側の延出部63,63の介装板部131,131がキャリパ本体5のトルク受面52a,52aを覆うため、トルク受面42a,42a,52a,52aと、ブレーキパッド31,31とが直接接触することがない。よって、トルク受面42a,42a,52a,52aの摩耗を抑制することができ、また、ブレーキパッド31,31の摩擦熱のキャリパ本体5への伝熱を抑制することができる。
以上の実施形態においては、キャリパ3がディスクロータ2に対向配置される一対のブレーキパッド31,31を有する場合を例にとり説明したが、ブレーキパッドは、少なくとも一対あれば良く、よって二対以上であっても良い。例えば、四つのピストンがそれぞれ一枚ずつブレーキパッドを押圧する等、キャリパがブレーキパッドを二対以上有する場合に、各ブレーキパッドを上記と同様の構造でキャリパ3に支持することが可能である。
参考技術ではあるが、以上の実施形態に対して、キャリパ本体5から中間連結部16をなくした構造としても良い。
以上に述べた本実施形態は、ディスクロータを跨いで配置されるとともに略中央にロータ径方向に開口するパッド組付用空間が設けられ該パッド組付用空間をロータ軸方向に跨いで連結部が設けられてなるキャリパ本体と、前記ディスクロータに対向配置される一対のブレーキパッドと、前記キャリパ本体に取り付けられ、前記一対のブレーキパッドをロータ回出方向およびロータ径方向内方に付勢するパッドスプリングと、を有し、前記パッドスプリングは、前記連結部と前記一対のブレーキパッドとの間を通って前記パッド組付用空間のロータ径方向外側の開口を覆うように配置され前記一対のブレーキパッドをロータ径方向内方に押圧するカバー部と、該カバー部のロータ回転方向の両端側からそれぞれロータ径方向内方へ延びて前記パッド組付用空間と前記ブレーキパッドとの間に配置されロータ回入側の部位が前記一対のブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する延出部と、が一体で形成され、前記カバー部には、該カバー部のパッド当接部位の移動を可能にするストローク調整部が形成されている。
これにより、パッドスプリングが、キャリパ本体の連結部と一対のブレーキパッドとの間を通ってパッド組付用空間のロータ径方向外側の開口を覆うように配置されるカバー部によって一対のブレーキパッドをロータ径方向内方に押圧することになる。また、パッドスプリングは、カバー部のロータ回転方向の両端側からそれぞれロータ径方向内方へ延びてパッド組付用空間とブレーキパッドとの間に配置される延出部のうちのロータ回入側の部位が一対のブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する。よって、ブレーキパッドを押圧する方向によって、パッドスプリングの押圧する部位を分散しているため、ブレーキパッドのロータ径方向外方に配置される部分でブレーキパッドをロータ径方向内方とロータ回出方向とに付勢するものと比べて、パッドスプリングのバネ定数を低く抑えることができる。よって、パッドスプリングのキャリパ本体への組み付けが容易となり、ディスクブレーキの製造効率を向上させることが可能となる。
加えて、パッドスプリングのバネ定数を低く抑えることができることから、パッドスプリングの荷重を安定させることができ、ブレーキパッドの摺動を安定させることができる。また、パッドスプリングのパッド組付用空間とブレーキパッドとの間に配置される延出部でブレーキパッドをロータ回出方向に付勢するため、確実にブレーキパッドをキャリパ本体のロータ回出側の部位に押し付けることができる。よって、ブレーキ鳴きを抑制することができる。また、パッドスプリングのカバー部には、カバー部のロータ回転方向両側のパッド当接部位の移動を可能にするストローク調整部が形成されているため、パッドスプリングのバネ定数をさらに低く抑えることができる。よって、パッドスプリングのキャリパ本体への組み付けがさらに容易となり、ディスクブレーキの製造効率をより向上させることが可能となるとともに、ブレーキパッドの摺動をより安定させることができる。
1 ディスクブレーキ
2 ディスクロータ
5 キャリパ本体
16 中間連結部(連結部)
17 パッド組付用空間
25 パッドスプリング
31 ブレーキパッド
61 カバー部
62,63 延出部
77,97 ストローク調整部
79,99 リテーナ板部(カバー部のパッド当接部位)

Claims (1)

  1. ディスクロータを跨いで配置されるとともに略中央にロータ径方向に開口するパッド組付用空間が設けられ該パッド組付用空間をロータ軸方向に跨いで連結部が設けられてなるキャリパ本体と、
    前記ディスクロータに対向配置される一対のブレーキパッドと、
    前記キャリパ本体に取り付けられ、前記一対のブレーキパッドをロータ回出方向およびロータ径方向内方に付勢するパッドスプリングと、を有し、
    前記パッドスプリングは、
    前記連結部と前記一対のブレーキパッドとの間を通って前記パッド組付用空間のロータ径方向外側の開口を覆うように配置され前記一対のブレーキパッドをロータ径方向内方に押圧するカバー部と、
    該カバー部のロータ回転方向の両端側からそれぞれロータ径方向内方へ延びて前記パッド組付用空間と前記ブレーキパッドとの間に配置されロータ回入側の部位が前記一対のブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する延出部と、が一体で形成され、
    前記カバー部には、該カバー部のパッド当接部位の移動を可能にするストローク調整部が形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
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