JP4474474B2 - ピンスライド型車両用ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、ピンスライド型車両用ディスクブレーキに係り、詳しくは、前輪のみを作動させる単独系のブレーキ系統と、後輪と共に前輪を作動させる連動系のブレーキ系統とを備えた二系統式のピンスライド型車両用ディスクブレーキに関する。
従来、二系統式のピンスライド型車両用ディスクブレーキとして、作用部に3個以上のシリンダ孔を形成し、少なくとも両側部の2つを含む深底のシリンダ孔と、これよりも浅いその他の浅底のシリンダ孔とをキャリパボディのディスク半径方向の中心線に対して対称に配置し、浅底シリンダ孔の底壁部分に前記深底シリンダ孔の液通孔を穿設してキャリパボディの液圧経路を二系統に分けたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
実公平7−49085号公報
しかし、上述の特許文献1のものでは、摩擦パッドにバランス良く押圧力を掛けることができ、摩擦パッドの偏摩耗は抑制できるものの、ピストンの数が多くなり部品点数が増加し重量も増すとともに、液通孔の形成にも手間が掛かり、コストが嵩んでいた。
そこで本発明は、安定した制動力を確保しながら、部品点数を少なく抑え、軽量化とコストダウンを図ることができると共に、摩擦パッドの偏摩耗を極力抑制することのできる二系統式のピンスライド型のディスクブレーキを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキは、第1の発明では、ディスクロータの両側部にキャリパボディの作用部と反作用部とを対向配置し、前記作用部にピストンをそれぞれ収容する複数のシリンダ孔を、前記反作用部に複数の反力爪をそれぞれ備え、前記作用部をディスクロータの作用部側で車体に固設されるキャリパブラケットに一対のスライドピンを介してディスク軸方向にスライド可能に支持するとともに、ディスクロータを挟んで作用部側と反作用部側とに摩擦パッドをそれぞれ配置し、前記ピストンの少なくとも1つを第1ブレーキ操作子の操作によって前輪用ブレーキを作動させる単独系ピストンとし、他のピストンを第2ブレーキ操作子の操作によって後輪用ブレーキと共に前輪用ブレーキを作動させる連動系ピストンとしたピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前記反作用部側には、前記ディスクロータと複数の前記反力爪の前面との間に1枚の反作用部側摩擦パッドを備え、前記作用部側には、前記ディスクロータと前記単独系のピストンの前面との間に単独系摩擦パッドを、前記ディスクロータと前記連動系のピストンの前面との間に連動系摩擦パッドをそれぞれ備えていることを特徴としている。
第2の発明では、前記連動系摩擦パッドが車両前進時におけるディスク回入側に1枚配置され、前記単独系摩擦パッドが車両前進時におけるディスク回出側に1枚配置されることを特徴としている。
第3の発明では、前記連動系摩擦パッドは、前記単独系摩擦パッドよりも前記ディスクロータと当接する当接面積が小さく形成されることを特徴としている。
第4の発明では、前記反作用部側摩擦パッドは、前記単独系摩擦パッドに対向する部分の前記ディスクロータと当接する当接面積が、前記連動系摩擦パッドに対向する部分の前記ディスクロータと当接する当接面積より大きく形成されていることを特徴としている。
第5の発明では、前記作用部側に配置される前記単独系摩擦パッド及び連動系摩擦パッドは、1本のハンガーピンでそれぞれ吊持され、ディスク半径方向内側にディスク内周側に突出する突出部が設けられ、前記キャリパブラケットには各突出部を軸方向に移動可能に収容する凹溝部が設けられていることを特徴としている。
第6の発明では、前記作用部の車両前進時におけるディスク回入側に配置される摩擦パッドは、車両前進時における制動時及び車両後進時における制動時に、前記突出部が凹溝部側面に当接して制動トルクを受けることを特徴としている。
第7の発明では、前記作用部の車両前進時におけるディスク回出側に配置される摩擦パッドは、車両前進時における制動時には摩擦パッドのディスク回出側面が前記キャリパブラケットに設けられたトルク受部に当接して制動トルクを受け、車両後進時における制動時には、前記突出部が前記凹溝部のディスク回入側面に当接して制動トルクを受けることを特徴としている。
第8の発明では、前記連動系のピストンが車両前進時におけるディスク回入側に1個配置され、前記単独系のピストンが車両前進時におけるディスク回出側に1個配置されることを特徴としている。
本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキによれば、第1の発明では、偏摩耗し易い作用部側の摩擦パッドを単独系のピストンが当接する単独系摩擦パッドと連動系のピストンが当接する連動系摩擦パッドとに分割し、各摩擦パッド単位で個別にディスクロータに摺接させることにより、部品の点数を極力削減して低コスト化及び小型化を図りながら、摩擦パッド単体の偏摩耗を抑制することができる。さらに、それぞれの系統毎に、摩耗特性の異なる摩擦パッドを使用することができる。また、キャリパボディの反作用部側は、スライドピンの案内によってディスクロータの側面に対して平行に移動することから、反作用部側摩擦パッドは、反力爪によって略均等にディスクロータに押圧され、1枚の摩擦パッドであっても偏摩耗し難い。
第2の発明では、摩擦パッドの偏摩耗を抑制しながら、摩擦パッドの枚数を最小必要数とすることから、部品点数の削減を図ることができる。
第3の発明では、連動系摩擦パッドは、単独系摩擦パッドよりもディスクロータと当接する当接面積が小さく形成されることから、簡単な構造で良好な制動力を確保しながら摩擦パッドの偏摩耗を抑制することができる。
第4の発明では、反作用部側摩擦パッドは、単独系摩擦パッドに対向する部分のディスクロータとの当接面積が、連動系摩擦パッドに対向する部分のディスクロータとの当接面積より大きく形成されていることから、簡単な構造で、良好な制動力を確保しながら反作用部側の摩擦パッドの偏摩耗を抑制することができる。
第5の発明では、前記単独系摩擦パッド及び連動系摩擦パッドを1本のハンガーピンでそれぞれ吊持するとともに、突出部を凹溝部に収容することから、キャリパボディのディスク周方向の長さを極力短くしながら、単独系摩擦パッドと連動系摩擦パッドとをそれぞれ独立して良好に移動させることができる。さらに、キャリパボディを車体に取り付けた際に、摩擦パッドが鉛直方向に向けて配置されなくても、前記突出部が凹溝部と当接し、摩擦パッドのガタつきを抑制することができる。
第6の発明では、ディスク回入側に配置される摩擦パッドは、車両前進時における制動時及び車両後進時における制動時に、突出部が凹溝部側面に当接して制動トルクを受けることから、キャリパボディのディスク周方向の長さを極力短くしながら、ディスク回入側に配置される摩擦パッドの制動トルクを凹溝で良好に受けることができる。
第7の発明では、ディスク回出側に配置される摩擦パッドは、車両前進時における制動時には摩擦パッドのディスク回出側面が前記キャリパブラケットに設けられたトルク受部に当接して制動トルクを受けることから、制動トルクをキャリパブラケットで確実に受けることができる。また、車両後進時における制動時には、前記突出部が前記凹溝部のディスク回入側面に当接して制動トルクを受けることから、車両後進時における制動トルクも凹溝部で良好に受けることができるとともに、摩擦パッドのガタつきも抑えることができる。
第8の発明では、ディスク回入側に押圧力及び制動トルクの小さい連動系ピストンを1個配置し、ディスク回出側に押圧力及び制動トルクの大きい単独系ピストンを1個配置することから、2ポットのピンスライド型ディスクブレーキであっても、良好な制動力を確保しながら摩擦パッドの偏摩耗を抑制することができる。
図1乃至図8は本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキの一形例を示す図で、図1は図3のI-I断面図、図2は図4のII-II断面図、図3はディスクブレーキの側面図、図4はディスクブレーキの平面図、図5は図4のV-V断面図、図6は図8のVI−VI断面図、図7は図8のVII-VII断面図、図8は本発明のディスクブレーキを適用したディスクブレーキ装置の系統図である。なお、図中の矢印Aは、車両前進走行時のディスクロータの回転方向を示し、以下の説明で用いるディスク回入側と回出側とは、車両前進時の場合とする。
本形態例のバーハンドル用のブレーキ装置1は、図8に示されるように、第1ブレーキ操作子2の操作にて、前輪用のディスクブレーキ3を単独で作動する単独系ブレーキ系統4と、第2ブレーキ操作子5の操作にて、上記前輪用のディスクブレーキ3と後輪用のディスクブレーキ6とを作動する連動系ブレーキ系統7とを有している。
前輪用のディスクブレーキ3は、ディスクロータ10の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット11と、該キャリパブラケット11に一対のスライドピン12,13を介して支持されるキャリパボディ14と、ディスクロータ10の側部に配置される単独系摩擦パッド16及び連動系摩擦パッド15と反作用部側摩擦パッド17とを備えている。
キャリパボディ14は、2つのシリンダ孔18,19を前記2つの液圧系統4,7に分けた2ポット二系統式で、ディスクロータ10の両側部に配設される作用部14aと反作用部14bとを、ディスクロータ10の外周を跨ぐブリッジ部14cで連結した構成となっている。作用部14aには、ディスク回入側と回出側とに取付腕14d,14eが突設され、該取付腕14d,14eに挿通した前記スライドピン12,13によって、前記キャリパボディ14がキャリパブラケット11にディスク軸方向へ移動可能に支持される。ブリッジ部14cのディスク回出側には、基端のフランジ部分をキャリパブラケット11の反作用部側面に当接させた円筒状のトルク受ピン20が、ディスクロータ10の外周をディスク軸方向に跨いで反作用部方向に突設されている。
このトルク受ピン20は、ディスク回出側のスライドピン13の取り付けに用いられ、スライドピン13のねじ部をキャリパブラケット11に挿通して、スライドピン13のフランジ部13aをキャリパブラケット11の作用部側面に当接させ、キャリパブラケット11の反作用部側面に突出する雄ねじ部にトルク受ピン20が螺合されることにより、該トルク受ピン20と前記スライドピン13とが固着される。
作用部14aには、ディスク回入側に小径のシリンダ孔18が、ディスク回出側に大径のシリンダ孔19がそれぞれ形成され、シリンダ孔18には小径の連動系ピストン21が、シリンダ孔19には大径の単独系ピストン22がそれぞれ内挿され、これらピストン21,22とシリンダ孔18,19の底部との間には、液圧室23,24がそれぞれ画成されている。ディスク回入側に配置される小径の連動系ピストン21とシリンダ孔18の底部との間に形成された液圧室23には、連動系ブレーキ系統7の液圧配管7aを介して連動系ユニオン孔14fから作動液が供給され、ディスク回出側に配置される大径の単独系ピストン22とシリンダ孔19の間に形成された液圧室24には、単独系ブレーキ系統4の液圧配管4aを介して単独系ユニオン孔14gから作動液が供給される。また、各液圧室23,24にはブリーダ孔14h,14iがそれぞれ連通している。
連動系ピストン21の前面とディスクロータ10との間には連動系摩擦パッド15が、単独系ピストン22の前面とディスクロータ10との間には単独系摩擦パッド16がそれぞれ配置される。また、前記反作用部14bには、ディスク回入側とディスク回出側とディスク周方向略中央部に3つの反力爪14j,14k,14mが設けられ、これら反力爪14j,14k,14mの前面とディスクロータ10との間には、1枚の反作用部側摩擦パッド17が配置される。
連動系摩擦パッド15は、ディスクロータ10に摺接されるライニング15aと、ハンガーピン25に吊持される裏板15bとを接合して構成され、裏板15bのディスク半径方向外側には前記ハンガーピン25の挿通部15cが、ディスク半径方向内側にはディスク内周側に突出する突出部15dがそれぞれ突設されている。この連動系摩擦パッド15は、前記挿通部15cにハンガーピン25を挿通し、前記突出部15dをキャリパブラケット11に形成した凹溝部11aに挿入してディスク軸方向に移動可能に吊持される。この取り付けにより、突出部15dのディスク回出側面と凹溝部11aのディスク回出側面とが当接した状態となる。
単独系摩擦パッド16は、ディスクロータ10に摺接されるライニング16aと、ハンガーピン26に吊持される裏板16bとを接合して構成され、裏板16bのディスク半径方向外側には前記ハンガーピン26の挿通部16cが、ディスク半径方向内側にはディスク内周側に突出する突出部16dがそれぞれ突設されている。この単独系摩擦パッド16は、前記挿通部16cにハンガーピン26を挿通し、前記突出部16dをキャリパブラケット11に形成した凹溝部11bに挿入しディスク軸方向に移動可能に吊持される。この取り付けにより、裏板16bのディスク回出側面16eとキャリパブラケット11のトルク受部11cとが当接し、前記突出部16dのディスク回出側面と凹溝部11bとの間には隙間Eが形成され、突出部16dのディスク回入側面と凹溝部11bとは当接した状態となる。
連動系摩擦パッド15と単独系摩擦パッド16とは、連動系摩擦パッド15が小径の連動系ピストン21に対応するディスク周方向の長さ寸法を有し、単独系摩擦パッド16が大径の単独系ピストン22に対応するディスク周方向の長さ寸法を有することから、単独系摩擦パッド16のライニング16aがディスクロータ10に当接する当接面積よりも、連動系摩擦パッド15のライニング15aがディスクロータ10に当接する当接面積の方が小さくなっている。
反作用部側摩擦パッド17は、ディスクロータ10に摺接されるライニング17aと、ハンガーピン25,26に吊持される裏板17bとを接合して構成されている。裏板17bは、ディスク半径方向外側に前記ハンガーピン25,26をそれぞれ挿通させる挿通部17c,17cが突設され、ディスク回出側にはトルク伝達腕17dが設けられている。トルク伝達腕17dは、ディスク回出側を開口させた二股状に形成され、前記トルク受ピン20を包持するガイド溝17eが形成されている。また、ライニング17aの前記連動系ピストン21と対向する部分は、ディスク回入側に向けて、漸次ディスク半径方向の寸法が短くなっている。
この反作用部側摩擦パッド17は、前記挿通部17c,17cにハンガーピン25,26をそれぞれ挿通し、前記トルク受ピン20にガイド溝17eを挿入することによりディスク軸方向に移動可能に吊持される。また、ライニング17aの単独系摩擦パッド16に対向するディスク回出側では、ディスクロータ10との当接面積が大きく、連動摩擦パッド15に対向するディスクロータ回入側では、ディスクロータ10との当接面積が小さくなっている。
本形態例のディスクブレーキ3は上述のように構成され、単独系ブレーキ系統4では、第1ブレーキ操作子2を操作することにより、第1液圧マスタシリンダ2aに発生した液圧が、液圧配管4aを通して前輪用のディスクブレーキ3に供給され、単独系ユニオン孔14gを介してキャリパボディ14のディスク回出側の液圧室24に供給される。これに伴って単独系ピストン22が単独系摩擦パッド16をディスクロータ10の一側面へ押圧する。次に、この反作用でキャリパボディ14が作用部方向へスライドし、反作用部14bの反力爪14j,14k,14mが反作用部側摩擦パッド17のライニング17aをディスクロータ10の他側面へ押圧して前輪が制動される。
さらに連動系ブレーキ系統7では、第2ブレーキ操作子5を操作することにより、第2液圧マスタシリンダ5aに発生した液圧が、液圧配管7a,7bを通して、前輪用のディスクブレーキ3と後輪用のディスクブレーキ6の双方に供給される。前輪用のディスクブレーキ3では、連動系ユニオン孔14fを介して、キャリパボディ14のディスク回入側の液圧室23に液圧が供給されると、連動系ピストン21がディスクロータ10の一側面へ押圧され、次に、この反作用でキャリパボディ14が作用部方向へスライドし、反作用部14bの反力爪14j,14k,14mが反作用部側摩擦パッド17のライニング17aをディスクロータ10の他側面へ押圧して前輪が制動される。
本形態例では、偏摩耗し難い反作用部側摩擦パッド17を単一の摩擦パッドとし、作用部側の摩擦パッドを単独系ピストン22が当接する単独系摩擦パッド16と連動系ピストン21が当接する連動系摩擦パッド15とに分割したことにより、安定した制動力を確保しながら、部品の点数を極力削減して、低コスト化及び小型化を図ることができるとともに、摩擦パッド15,16,17単体毎の偏摩耗を抑制することもできる。また、摩擦パッド15,16,17の偏摩耗を抑制しながら、摩擦パッドの枚数を最小必要数としていることから、部品点数の削減を図ることができる。さらに、従来のようにピストンの数を多くすることなく、単独系、連動系にピストンをそれぞれ1個ずつ設けたものであっても、各摩擦パッド15,16,17にバランス良く押圧力を掛けることができ、各摩擦パッド15,16,17の偏摩耗を防止できる。
また、ディスク回入側に配置された連動系摩擦パッド15は、車両前進時における制動時及び車両後進時における制動時に、裏板15bのディスク半径方向内側に形成した突出部15dが、凹溝部11aの側面に当接して制動トルクを受けることから、摩擦パッド15,16間に別途トルク受部材を設ける必要がないため、キャリパボディ14のディスク周方向の長さを極力短くしながら、制動トルクを良好に受けることができ、また、連動系摩擦パッド15のガタ付きも抑えることができる。
さらに、ディスク回出側に配置された単独系摩擦パッド16は、凹溝部11bと突出部16dのディスク回出側面との間には隙間Eが形成されていることから、車両前進時における制動時には単独系摩擦パッド16のディスク回出側面がキャリパブラケット11に設けられたトルク受部11cに当接して制動トルクを受ける。これにより、車両前進時における制動時に発生する大きな制動トルクを、大きな面積のトルク受部11cで確実に受けることができる。また、車両後進時における制動時には、突出部16dが凹溝部11bのディスク回入側面に当接して制動トルクを受けることから、車両後進時における制動トルクも凹溝部11bで良好受けることができるとともに、単独系摩擦パッド16のガタつきも抑えることができる。
また、反作用部側摩擦パッド17は、1枚の摩擦パッドであっても、キャリパボディ14の反作用部側は、スライドピン12,13の案内によってディスクロータ10の側面に対して平行に移動することから、反力爪14j,14k,14mによって略均等にディスクロータ10の側面に押圧され、偏摩耗し難い。
さらに、キャリパボディ14のディスク回入側に押圧力及び制動トルクの小さい連動系ピストン21を配置するとともに、ディスクロータ10との当接面積の小さい連動系摩擦パッド15を配置し、ディスク回出側に押圧力及び制動トルクの大きい単独系ピストン22を配置するとともに、ディスクロータ10との当接面積の大きい単独系摩擦パッド16を配置し、さらに、反作用部側摩擦パッド17はディスク回出側よりもディスク回入側の方が、ディスクロータ10と当接する当接面積が小さく形成されることにより、各摩擦パッド15,16,17の偏摩耗をより有効に抑制することができる。
また、キャリパボディ14の車体への取り付け方向により、摩擦パッド15,16が鉛直方向に向くように吊持されない場合でも、各摩擦パッド15,16の突出部15d,16dがキャリパブラケットの凹溝部11a,11bに収容されていることから、摩擦パッド15,16がガタ付く虞がなく、安定した制動力を確保することができる。
なお、本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキは、上述の形態例のように2ポットに限るものではなく、3ポット以上のものにも適用でき、作用部側の摩擦パッドの数も、ピストンの数によって適宜設定すれば良い。また、作用部側の複数の摩擦パッドの間に、トルク受部材を突設させたものでも良く、作用部側の各摩擦パッドを複数のハンガーピンで吊持するものでも良い。さらに、上述の形態例のように反作用部側摩擦パッドの制動トルクをトルク受ピンで受けるものに限らず、裏板のディスク回出側面がキャリパブラケットに設けたトルク受け面に当接してトルクを受けることもできる。また、摩擦パッドのライニングの形状は任意であり、各摩擦パッド毎にライニングの材質を変えることもできる。
図3のI-I断面図である。 図4のII-II断面図である。 本発明の一形態例を示す車両用ディスクブレーキの側面図である。 同じく車両用ディスクブレーキの平面図である。 図4のV-V断面図である。 図8のVI−VI断面図である。 図8のVII-VII断面図である。 本発明の車両用ディスクブレーキを適用したブレーキ装置の系統図である。
符号の説明
1…ブレーキ装置、2…第1ブレーキ操作子、2a…第1液圧マスタシリンダ、3…前輪用のディスクブレーキ、4…単独系ブレーキ系統、4a,4b,7a…液圧配管、5…第2ブレーキ操作子、5a…第2液圧マスタシリンダ、6…後輪用のディスクブレーキ、7…連動系ブレーキ系統、10…ディスクロータ、11…キャリパブラケット、11a,11b…凹溝部、11c…トルク受部、12,13…スライドピン、14…キャリパボディ、14a…作用部、14b…反作用部、14c…ブリッジ部、14d,14e…取付腕、14f…連動系ユニオン孔、14g…単独系ユニオン孔、14h,14i…ブリーダ孔、14j,14k,14m…反力爪、15…連動系摩擦パッド、15a…ライニング、15b…裏板、15c…挿通部、15d…突出部、16…単独系摩擦パッド、16a…ライニング、16b…裏板、16c…挿通部、16d…突出部、16e…ディスクロータ回出側面、17…反作用部側摩擦パッド、17a…ライニング、17b…裏板、17c…挿通部、17d…トルク伝達腕、17e…ガイド溝、18,19…シリンダ孔、20…トルク受ピン、21…連動系ピストン、22…単独系ピストン、23,24…液圧室、25,26…ハンガーピン

Claims (8)

  1. ディスクロータの両側部にキャリパボディの作用部と反作用部とを対向配置し、前記作用部にピストンをそれぞれ収容する複数のシリンダ孔を、前記反作用部に複数の反力爪をそれぞれ備え、前記作用部をディスクロータの作用部側で車体に固設されるキャリパブラケットに一対のスライドピンを介してディスク軸方向にスライド可能に支持するとともに、ディスクロータを挟んで作用部側と反作用部側とに摩擦パッドをそれぞれ配置し、前記ピストンの少なくとも1つを第1ブレーキ操作子の操作によって前輪用ブレーキを作動させる単独系ピストンとし、他のピストンを第2ブレーキ操作子の操作によって後輪用ブレーキと共に前輪用ブレーキを作動させる連動系ピストンとしたピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前記反作用部側には、前記ディスクロータと複数の前記反力爪の前面との間に1枚の反作用部側摩擦パッドを備え、前記作用部側には、前記ディスクロータと前記単独系のピストンの前面との間に単独系摩擦パッドを、前記ディスクロータと前記連動系のピストンの前面との間に連動系摩擦パッドをそれぞれ備えていることを特徴とするピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
  2. 前記連動系摩擦パッドが車両前進時におけるディスク回入側に1枚配置され、前記単独系摩擦パッドが車両前進時におけるディスク回出側に1枚配置されることを特徴とする請求項1記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
  3. 前記連動系摩擦パッドは、前記単独系摩擦パッドよりも前記ディスクロータと当接する当接面積が小さく形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
  4. 前記反作用部側摩擦パッドは、前記単独系摩擦パッドに対向する部分の前記ディスクロータと当接する当接面積が、前記連動系摩擦パッドに対向する部分の前記ディスクロータと当接する当接面積より大きく形成されていることを特徴とする請求項3記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
  5. 前記作用部側に配置される前記単独系摩擦パッド及び連動系摩擦パッドは、1本のハンガーピンでそれぞれ吊持され、ディスク半径方向内側にディスク内周側に突出する突出部が設けられ、前記キャリパブラケットには各突出部を軸方向に移動可能に収容する凹溝部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
  6. 前記作用部の車両前進時におけるディスク回入側に配置される摩擦パッドは、車両前進時における制動時及び車両後進時における制動時に、前記突出部が凹溝部側面に当接して制動トルクを受けることを特徴とする請求項5記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
  7. 前記作用部の車両前進時におけるディスク回出側に配置される摩擦パッドは、車両前進時における制動時には摩擦パッドのディスク回出側面が前記キャリパブラケットに設けられたトルク受部に当接して制動トルクを受け、車両後進時における制動時には、前記突出部が前記凹溝部のディスク回入側面に当接して制動トルクを受けることを特徴とする請求項5又は6記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
  8. 前記連動系のピストンが車両前進時におけるディスク回入側に1個配置され、前記単独系のピストンが車両前進時におけるディスク回出側に1個配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
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