JP7012605B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキに関する。
ディスクブレーキにおいて、パッドを弾性的に支持するパッドスプリングを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8-200409号公報
ディスクブレーキにおいて、異音の発生を抑制することが望まれている。
本発明の目的は、異音の発生を抑制することが可能なディスクブレーキを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、パッドスプリングが、パッドの耳部のディスク回転方向外側の端部に当接するパッド当接部を有し、該パッド当接部は、ディスク回転方向内側に向けて立ち上がる立上部と、該立上部からディスク軸方向のディスクに近い側に向け曲げられる曲部と、該曲部から前記ディスクに近づく方向に前記ディスク側ほどディスク回転方向外側に位置するように延出して前記端部に当接する当接部本体と、を備える、構成とした。
本発明によれば、異音の発生を抑制することが可能となる。
実施形態のディスクブレーキを示す斜視図。 実施形態のディスクブレーキを示す平面図。 実施形態のディスクブレーキの取付部材、パッドスプリングおよびパッドを示す正面図。 実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングを示す正面図。 実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングを示す側面図。 実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングを示す斜視図。 実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングを示す斜視図。 実施形態のディスクブレーキの取付部材およびパッドスプリングの要部を示す部分断面図。 実施形態のディスクブレーキの取付部材、パッドスプリングおよびパッドの非制動時の状態を示す部分断面図。 実施形態のディスクブレーキの取付部材、パッドスプリングおよびパッドの制動時の状態を示す部分断面図。 実施形態のディスクブレーキの取付部材、パッドスプリングおよびパッドの要部の変形例を示す部分断面図。
本発明に係る実施形態を図面を参照して以下に説明する。
図1に示す本実施形態のディスクブレーキ10は、自動車等の車両用であって車両に制動力を付与するものであり、具体的には四輪自動車用のものである。ディスクブレーキ10は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク1の回転を止めることで車両を制動する。
以下、ディスク1の中心軸線の方向をディスク軸方向、ディスク1の径方向をディスク径方向、ディスク1の回転方向すなわち周方向をディスク回転方向と称す。また、ディスク径方向におけるディスク1の中心側をディスク径方向の内側、ディスク径方向におけるディスク1の中心とは反対側をディスク径方向の外側と称す。さらに、ディスク回転方向の入口側をディスク回入側、ディスク回転方向の出口側をディスク回出側と称す。
ディスクブレーキ10は、ディスク1の外周側を跨いで配置される取付部材2と、取付部材2に摺動可能に設けられるキャリパ3と、図2に示すように取付部材2に取り付けられる一対のパッドスプリング5と、一対のパッドスプリング5に支持されてディスク1の両面に対向配置される一対のパッド6と、を有している。取付部材2は、車両の非回転部分に取り付けられることでディスク1の外周側を跨いで配置される。
取付部材2は、図1,図3に示すインナビーム部11と、図3に示す一対のインナ側トルク受部12と、図2に示す一対のピン挿嵌部13と、図1,図3に示す一対のアウタ側トルク受部14およびアウタビーム部15と、を有している。取付部材2は、鋳造により一体成形された鋳物であり、ディスク回転方向の中央を基準とする鏡面対称の形状となっている。取付部材2は、例えば鋳鉄製である。
図1に示すように、インナビーム部11は、ディスク1に対しディスク軸方向の一側に配置されて車両の非回転部分に取り付けられる。ここで、取付部材2が取り付けられる車両の非回転部分は、ディスク1に対し車両の車幅方向内側すなわちインナ側に配置されており、この非回転部分に取り付けられるインナビーム部11も、ディスク1に対しインナ側に配置される。
図3に示すように、インナビーム部11は、ディスク回転方向に延びるように配置されており、ディスク回転方向両側、すなわちディスク回転方向一側とディスク回転方向他側とに、それぞれ取付穴17が形成されている。インナビーム部11は、図示略のボルト等の締結部材が、両側の取付穴17にそれぞれ螺合されることになり、これらの締結部材によって車両の非回転部分に取り付けられる。
一対のインナ側トルク受部12は、図1に示すように一方のインナ側トルク受部12が、インナビーム部11のディスク回転方向一側の端部から、ディスク径方向の外側に延出する。図3に示す他方のインナ側トルク受部12は、インナビーム部11のディスク回転方向他側の端部から、ディスク径方向の外側に延出する。一対のインナ側トルク受部12は、インナビーム部11と同様、ディスク1に対しインナ側に配置されている。
一対のピン挿嵌部13は、図1に示すように一方のピン挿嵌部13がディスク回転方向一側のインナ側トルク受部12のディスク径方向の外側の端部からディスク軸方向にディスク1の外周側を跨いで延出する。また、図3に示す他方のピン挿嵌部13は、ディスク回転方向他側のインナ側トルク受部12のディスク径方向の外側の端部からディスク軸方向にディスク1の外周側を跨いで延出する。
一対のアウタ側トルク受部14は、図1に示すように一方のディスク回転方向一側のアウタ側トルク受部14が、ディスク回転方向一側のピン挿嵌部13のインナ側トルク受部12とは反対側すなわちアウタ側の端部から、ディスク径方向の内側に延出する。また、図3に示す他方のディスク回転方向他側のアウタ側トルク受部14が、ディスク回転方向他側のピン挿嵌部13のアウタ側の端部から、ディスク径方向の内側に延出する。一対のアウタ側トルク受部14は、ディスク1に対し車両の車幅方向外側すなわちアウタ側に配置されている。
アウタビーム部15は、ディスク回転方向に延びて一対のアウタ側トルク受部14のディスク径方向の内側同士を連結する。アウタビーム部15は、一対のアウタ側トルク受部14と同様、ディスク1に対しアウタ側に配置されている。
以上により、取付部材2は、ディスク1の外周側を跨いで設けられて車両の非回転部分に取り付けられる。インナビーム部11および一対のインナ側トルク受部12は、取付部材2において、車両の非回転部分への取り付け側となるインナ側に配置されており、一対のアウタ側トルク受部14およびアウタビーム部15は、取付部材2において、インナ側とは反対となるアウタ側に配置されている。
図3に示すように、一対のアウタ側トルク受部14には、同様の凹形状のガイド部20がそれぞれ形成されており、一対のインナ側トルク受部12にも、図1に一方のみを図示するが、同様の凹形状のガイド部20がそれぞれ形成されている。すなわち、取付部材2には、同様の凹形状のガイド部20が合計で4カ所形成されている。これら4カ所のガイド部20はディスク径方向の位置を合わせている。また、ディスク回転方向一側のインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14に設けられた2カ所のガイド部20は、ディスク回転方向の位置を合わせており、ディスク回転方向他側のインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14に設けられた2カ所のガイド部20は、ディスク回転方向の位置を合わせている。
図3に示すように、ディスク回転方向一側のアウタ側トルク受部14には、そのディスク回転方向の内側(取付部材2のディスク回転方向の中央側)の面からディスク回転方向の外側(取付部材2のディスク回転方向の中央とは反対側)に向かって凹む凹形状をなしてガイド部20が形成されている。ディスク回転方向他側のアウタ側トルク受部14にも、そのディスク回転方向の内側の面からディスク回転方向の外側に向かって凹む形状のガイド部20が形成されている。よって、一対のアウタ側トルク受部14には、相互対向側に、互いにディスク回転方向に沿って離れる方向に凹む凹形状をなしてガイド部20が形成されている。
図1に示すように、ディスク回転方向一側のインナ側トルク受部12には、そのディスク回転方向の内側の面からディスク回転方向の外側に向かって凹む凹形状をなしてガイド部20が形成されている。図示は略すが、ディスク回転方向他側のインナ側トルク受部12にも、そのディスク回転方向の内側の面からディスク回転方向の外側に向かって凹む凹形状をなしてガイド部20が形成されている。よって、一対のインナ側トルク受部12にも、相互対向側に、互いにディスク回転方向に沿って離れる方向に凹む凹形状のガイド部20が形成されている。
図3に示すように、ガイド部20は、その凹み方向の奥側にある底部21と、ディスク径方向外側にある外側壁部22(壁部)と、ディスク径方向内側にある内側壁部23(壁部)と、を有している。外側壁部22は、底部21のディスク径方向外側の端縁部から、ディスク回転方向内側に向かって延出している。内側壁部23は、底部21のディスク径方向内側の端縁部から、ディスク回転方向内側に向かって延出している。言い換えれば、ガイド部20は、底部21と、底部21の両側に設けられた一対の外側壁部22および内側壁部23とからなっている。
これら底部21、外側壁部22および内側壁部23は、いずれもディスク軸方向に広がっている。また、底部21は、取付部材2のディスク回転方向の中央とディスク1の中心とを通るディスク径方向の線に沿っており、外側壁部22および内側壁部23は、この線に直交する面に沿っている。よって、外側壁部22および内側壁部23は、いずれも底部21に対して垂直に延出し、互いに平行をなしている。
図1に示すように、取付部材2には、ディスク回転方向両側の一対のピン挿嵌部13のそれぞれに図示略のピン挿入穴が形成されており、これらのピン挿入穴に、キャリパ3のディスク回転方向両側の一対のスライドピン31が摺動可能に嵌合している。これにより、取付部材2は、その一対のピン挿嵌部13において、キャリパ3をディスク軸方向に摺動可能に支持する。言い換えれば、キャリパ3は、ディスク回転方向両側に設けられた一対のスライドピン31が、それぞれ、取付部材2の一対のピン挿嵌部13の図示略のピン挿入穴に摺動可能に嵌合されることになり、これにより、取付部材2にディスク軸方向に摺動可能となるように支持される。
ディスク回転方向の位置が合う一側のインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14には、これらに共通の一つのパッドスプリング5が取り付けられている。また、ディスク回転方向の位置が合う他側のインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14にも、これらに共通の一つのパッドスプリング5が取り付けられている。つまり、一つの取付部材2に、2つのパッドスプリング5が取り付けられている。これらのパッドスプリング5は、同形状の共通部品となっている。
パッドスプリング5は、図4~図7に示す形状であり、鏡面対称の形状をなしている。パッドスプリング5は、一定厚さの一枚の板材からプレス成形により形成される。パッドスプリング5は、一対のパッド支持部41と、一対のパッド支持部41を接続する接続部42と、を有している。パッドスプリング5は、一対のパッド支持部41がディスク1に対しディスク軸方向の両側に配置され、接続部42がディスク1に対しディスク径方向の外側に配置される。言い換えれば、パッドスプリング5は、一対のパッド支持部41の間にディスク1が配置される。
一つのパッドスプリング5において、一対のパッド支持部41は、鏡面対称の形状をなしているため、一方のパッド支持部41について説明する。
パッド支持部41は、接続部42側の外端板部51と、外端板部51の接続部42とは反対側の端部から外端板部51に垂直に延出する外側支持板部52と、外側支持板部52の外端板部51とは反対側の端部から外側支持板部52に垂直に外端板部51から離れる方向に延出する中間板部53(パッド対向部)と、中間板部53の外側支持板部52とは反対側の端部から中間板部53に垂直に外側支持板部52と同側に延出するベース板部54と、を有している。
外端板部51と中間板部53とは平行であり、外側支持板部52とベース板部54とは平行である。連続する外側支持板部52と中間板部53とベース板部54とが、全体として凹状に連結されてガイド板部55(ガイド対向部)を構成している。
一方のパッド支持部41は、中間板部53が、平板状の主板部201と、主板部201の内側に形成された当接板部202(パッド当接部)と、を有している。中間板部53は、外側支持板部52およびベース板部54よりも他方のパッド支持部41とは反対側に延出している。一方のパッド支持部41は、中間板部53の他方のパッド支持部41とは反対側の端縁部から、他方のパッド支持部41とは反対方向に、先端側ほど、中間板部53の板厚方向において外側支持板部52およびベース板部54から離れるように延出する延出板部61を有している。
一方のパッド支持部41は、ベース板部54の他方のパッド支持部41とは反対側の端部から外側支持板部52側に折り返されてベース板部54の外側支持板部52側に配置される付勢板部80(径方向付勢部)を有している。
一方のパッド支持部41は、その付勢板部80が、ベース板部54の他方のパッド支持部41とは反対側の端部から他方のパッド支持部41とは反対方向に延出する基端側延出板部81(第1延出部)と、基端側延出板部81のベース板部54とは反対側の端部から外側支持板部52側に円弧状に折り返されるカール板部82(カール部)と、このカール板部82の基端側延出板部81とは反対側の端部から他方のパッド支持部41の方向に、他方のパッド支持部41側ほど、ベース板部54の板厚方向においてベース板部54から離れるように延出する先端側延出板部83(第2延出部)と、を有している。
中間板部53は、主板部201が枠状であり、中央に板厚方向に貫通する内側開口部205を有している。内側開口部205は、当接板部202を形成するため打ち抜かれた部分である。
一方のパッド支持部41において、当接板部202は、内側開口部205の他方のパッド支持部41とは反対側の端縁部から外側支持板部52およびベース板部54と同側に立ち上がる立上部211と、立上部211の主板部201とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部41側に向け湾曲する湾曲部212(曲部)と、湾曲部212の立上部211とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部41側に向け、他方のパッド支持部41側ほど主板部201に近づくように延出する平板状の本体板部213(当接部本体)と、本体板部213の湾曲部212とは反対側の端縁部から他方のパッド支持部41側に向け、他方のパッド支持部41側ほど主板部201から離れるように突出する先端板部214と、を有している。当接板部202は、内側開口部205の範囲内に設けられている。図4に示すように、一方のパッド支持部41において、立上部211は、カール板部82よりも他方のパッド支持部41に近い位置に形成されている。
以上に述べた一方のパッド支持部41と、これと鏡面対称状をなす他方のパッド支持部41とを繋ぐ接続部42は、これら一対のパッド支持部41の外端板部51の外側支持板部52とは反対側同士を接続する接続板部91と、接続板部91における一対の外端板部51の間に設けられた位置決め部92と、を有している。
一方のパッドスプリング5は、取付部材2のいずれもディスク回転方向の同じ一側にあるインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14に取り付けられる。その際に、一方のパッドスプリング5は、図3に示すように、接続部42をパッド支持部41よりもディスク径方向外側に配置した状態で、一方のパッド支持部41の凹状のガイド板部55を、アウタ側トルク受部14のガイド部20に嵌合させると共に、他方のパッド支持部41の凹状のガイド板部55を、インナ側トルク受部12のガイド部20に嵌合させ、位置決め部92をインナ側トルク受部12とアウタ側トルク受部14との間に嵌合させる。
これにより、この一方のパッドスプリング5は、一対のパッド支持部41がディスク1の軸方向の両面側に配置される状態となり、一対のパッド支持部41のそれぞれのガイド板部55が取付部材2のディスク回転方向一側のインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14のガイド部20に配置される状態となる。
この一方のパッドスプリング5は、位置決め部92をインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14の間に嵌合させると、取付部材2にディスク軸方向の移動が規制されて設けられる。その結果、この一方のパッドスプリング5は、ディスク1に対してもディスク軸方向の移動が規制される。
このようにディスク回転方向一側に設けられたパッドスプリング5は、インナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14に取り付けられた状態で、図3に示すように一対のガイド部20に嵌合する一対のガイド板部55がディスク回転方向に凹む形状となる。具体的には、一対のガイド板部55がディスク回転方向の外側に向けて凹む形状となる。
一方のパッドスプリング5は、取付部材2に取り付けられた状態で、ガイド部20に嵌合するガイド板部55のベース板部54が、このガイド板部55におけるディスク径方向内側に配置されてガイド部20の内側壁部23に対向し当接することになる。また、この状態で、ガイド板部55の外側支持板部52は、このガイド板部55におけるディスク径方向外側に配置されてガイド部20の外側壁部22に対向し当接することになる。また、ガイド板部55の中間板部53は、このガイド板部55におけるディスク回転方向の外側に配置されてガイド部20の奥側の底部21に対向し当接することになる。このように、凹状のガイド板部55は、凹状のガイド部20に対向して当接する。
外側支持板部52は中間板部53のディスク径方向外側の端縁部から、ベース板部54は中間板部53のディスク径方向内側の端縁部から、それぞれ、ディスク回転方向内側に向かって延出している。外側支持板部52、中間板部53およびベース板部54は、いずれもディスク軸方向に沿って広がっている。また、中間板部53は、取付部材2のディスク回転方向の中央とディスク1の中心とを通るディスク径方向の線に沿っており、外側支持板部52およびベース板部54は、この線に直交する面に沿っている。よって、外側支持板部52およびベース板部54は、いずれも中間板部53に対して垂直に延出し、互いに平行をなしている。
付勢板部80は、基端側延出板部81が、ガイド部20に対向するガイド板部55からディスク軸方向へディスク1から離れる方向に延び、カール板部82が、基端側延出板部81の延出先端側でディスク径方向外方へ延びて折り返され、先端側延出板部83が、カール板部82の先端からディスク軸方向へディスク1に近付く方向に延出する。また、当接板部202の立上部211が、ディスク軸方向においてカール板部82よりもディスク1に近い位置に形成されている。
一方のパッドスプリング5は、取付部材2に取り付けられた状態で、当接板部202の立上部211が、内側開口部205のディスク1とは反対側にあって取付部材2のディスク回転方向の中央とディスク1の中心とを通るディスク径方向の線に沿って延在する端縁部から底部21とは反対側に立ち上がり、湾曲部212が、立上部211の底部21とは反対側の端縁部からディスク軸方向のディスク1側に向け湾曲し、本体板部213が、湾曲部212の立上部211とは反対側の端縁部からディスク軸方向のディスク1に近づく方向に、ディスク1側ほどディスク回転方向外側の底部21に近づくように延出し、先端板部214が本体板部213のディスク1側の端縁部からディスク軸方向のディスク1側に向け、ディスク1側ほど底部21からディスク回転方向に離れるように突出する。平板状の本体板部213は、取付部材2のディスク回転方向の中央とディスク1の中心とを通るディスク径方向の線に沿って広がっており、この線に沿って、湾曲部212と本体板部213との境界線と、本体板部213と先端板部214との境界線とが延在することになる。図8に示すように、当接板部202は、湾曲部212、本体板部213および先端板部214が、ディスク軸方向において底部21と重なる位置に配置されている。
他方のパッドスプリング5も、取付部材2のいずれもディスク回転方向他側にあるインナ側トルク受部12およびアウタ側トルク受部14に、一方側のパッドスプリング5と同様にして取り付けられる。このようにして、一対のパッドスプリング5が取付部材2に取り付けられる。
図3に示すように、一対のパッドスプリング5の互いに反対向きに凹んでディスク回転方向両側のアウタ側トルク受部14のガイド部20に嵌合された、それぞれのガイド板部55および付勢板部80に、アウタ側のパッド6が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。また、一対のパッドスプリング5の互いに反対向きに凹んでディスク回転方向両側のインナ側トルク受部12のガイド部20に嵌合された、それぞれのガイド板部55および付勢板部80に、インナ側のパッド6が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。
アウタ側のパッド6とインナ側のパッド6とは、同一の共通部品である。パッド6は、鏡面対象の形状をなしており、図2に示すように、裏板101と、裏板101の一面側に貼着されたライニング102と、を有している。裏板101は、図3に示すように、主体部105と、主体部105の幅方向の両端部からこの幅方向に沿って互いに反対向きに突出する一対の耳部106と、を有している。裏板101には、主体部105にライニング102が貼着されている。
そして、アウタ側のパッド6は、ディスク回転方向一側の耳部106が、ディスク回転方向一側のパッドスプリング5に対して、そのアウタ側の付勢板部80の先端側延出板部83をアウタ側のベース板部54に近づけるように弾性変形させて、アウタ側の外側支持板部52と先端側延出板部83とに挟持される。
このようにして、アウタ側のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106は、ディスク回転方向一側のパッドスプリング5のアウタ側のガイド板部55に挿入されて、付勢板部80の付勢力で外側支持板部52に押し付けられる。言い換えれば、ディスク回転方向一側のパッドスプリング5のアウタ側の付勢板部80が、アウタ側のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106をディスク径方向外方に向かって付勢する。このようにガイド板部55に挿入されたディスク回転方向一側の耳部106は、ディスク回転方向一側のアウタ側トルク受部14のガイド部20にも挿入された状態になる。
アウタ側のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106は、その嵌合先のガイド板部55および付勢板部80にガイドされてディスク軸方向に移動する。その際に、ガイド板部55は、耳部106のディスク回転方向の外側の端面を中間板部53で、耳部106のディスク径方向外側の端面を外側支持板部52で、それぞれガイドすることになり、付勢板部80が耳部106のディスク径方向内側の端面をガイドすることになる。
また、アウタ側のパッド6は、ディスク回転方向他側の耳部106が、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5に対して、そのアウタ側の付勢板部80の先端側延出板部83をアウタ側のベース板部54に近づけるように弾性変形させて、アウタ側の外側支持板部52と先端側延出板部83とに挟持される。
このようにして、アウタ側のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106は、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5のアウタ側のガイド板部55に挿入されて、付勢板部80の付勢力で外側支持板部52に押し付けられる。言い換えれば、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5のアウタ側の付勢板部80が、アウタ側のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106をディスク径方向外方に向かって付勢する。このようにガイド板部55に挿入されたディスク回転方向他側の耳部106は、ディスク回転方向他側のアウタ側トルク受部14のガイド部20にも挿入された状態になる。
アウタ側のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106は、その嵌合先のガイド板部55および付勢板部80にガイドされてディスク軸方向に移動する。その際に、ガイド板部55は、耳部106のディスク回転方向の外側の端面を中間板部53で、耳部106のディスク径方向外側の端面を外側支持板部52で、それぞれガイドすることになり、付勢板部80が耳部106のディスク径方向内側の端面をガイドすることになる。
このように一対のパッドスプリング5を介して取付部材2に取り付けられた状態で、アウタ側のパッド6は、一対の耳部106がディスク回転方向に突出する状態となり、言い換えれば、ディスク回転方向両側に突設される耳部106を有する。アウタ側のパッド6のこれら耳部106と、取付部材2のアウタ側の一対のガイド部20とが、それぞれの間にパッドスプリング5のアウタ側のガイド板部55および付勢板部80を介在させて嵌合する。
取付部材2は、ディスク回転方向に凹んでアウタ側のパッド6の耳部106が挿入される一対のガイド部20をアウタ側に有し、これらガイド部20には、それぞれ、ディスク回転方向における耳部106の外側(ディスク回転方向においてアウタ側のパッド6の中央から離れる側)に底部21が設けられている。パッドスプリング5のアウタ側のガイド板部55の中間板部53は、嵌合先のガイド部20の底部21に沿うように配置され、挿入される耳部106のディスク回転方向外側の端部107に対向する。
一対のパッドスプリング5のアウタ側の中間板部53は、それぞれの主板部201が嵌合先のガイド部20の底部21に当接する。また、一対のパッドスプリング5のアウタ側の中間板部53のそれぞれの当接板部202が、アウタ側のパッド6の対応する耳部106の端部107に当接する。
アウタ側の各当接板部202は、その立上部211がディスク回転方向においてパッド6側に向けて立ち上がり、その湾曲部212が立上部211からディスク軸方向のディスク1に近い側すなわちインナ側に向け曲げられ、その本体板部213が湾曲部212のディスク1側の端縁部からディスク軸方向のディスク1に近づく方向に、ディスク1側ほどディスク回転方向においてアウタ側のパッド6から離れるように延出してアウタ側のパッド6の耳部106の端部107に当接する。
ここで、本体板部213は、アウタ側のパッド6に当接する当接面部221も、ディスク軸方向のディスク1側ほど、ディスク回転方向においてアウタ側のパッド6から離れるように傾斜している。よって、本体板部213は、当接するアウタ側のパッド6からディスク回転方向の力を受けて弾性変形すると、アウタ側のパッド6に対し、当接面部221に垂直な方向のバネ力を発生させる。このバネ力は、ディスク回転方向内側に向く成分と、ディスク軸方向のディスク1側に向く成分とに分解される。よって、当接板部202は、アウタ側のパッド6の当接する耳部106を、ディスク軸方向のディスク1側に向けて付勢することになり、その付勢力は、アウタ側のパッド6から受ける力が大きくなって変形が大きくなるほど大きくなる。
インナ側のパッド6も、アウタ側のパッド6と同様に、ディスク回転方向一側の耳部106が、ディスク回転方向一側のパッドスプリング5に対して、そのインナ側の付勢板部80の先端側延出板部83をインナ側のベース板部54に近づけるように弾性変形させて、インナ側の外側支持板部52と先端側延出板部83とに挟持される。
このようにして、インナ側のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106は、ディスク回転方向一側のパッドスプリング5のインナ側のガイド板部55に挿入されて、付勢板部80の付勢力で外側支持板部52に押し付けられる。言い換えれば、ディスク回転方向一側のパッドスプリング5のインナ側の付勢板部80が、インナ側のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106をディスク径方向外方に向かって付勢する。このようにガイド板部55に挿入されたディスク回転方向一側の耳部106は、ディスク回転方向一側のインナ側トルク受部12のガイド部20にも挿入された状態になる。
インナ側のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106は、その嵌合先のガイド板部55および付勢板部80にガイドされてディスク軸方向に移動する。その際に、ガイド板部55は、耳部106のディスク回転方向の外側の端面を中間板部53で、耳部106のディスク径方向外側の端面を外側支持板部52で、それぞれガイドすることになり、付勢板部80が耳部106のディスク径方向内側の端面をガイドすることになる。
また、インナ側のパッド6は、ディスク回転方向他側の耳部106が、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5に対して、そのインナ側の付勢板部80の先端側延出板部83をインナ側のベース板部54に近づけるように弾性変形させて、インナ側の外側支持板部52と先端側延出板部83とに挟持される。
このようにして、インナ側のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106は、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5のインナ側のガイド板部55に挿入されて、付勢板部80の付勢力で外側支持板部52に押し付けられる。言い換えれば、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5のインナ側の付勢板部80が、インナ側のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106をディスク径方向外方に向かって付勢する。このようにガイド板部55に挿入されたディスク回転方向他側の耳部106は、ディスク回転方向他側のインナ側トルク受部12のガイド部20に挿入された状態になる。
インナ側のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106は、その嵌合先のガイド板部55および付勢板部80にガイドされてディスク軸方向に移動する。その際に、ガイド板部55は、耳部106のディスク回転方向の外側の端面を中間板部53で、耳部106のディスク径方向外側の端面を外側支持板部52で、それぞれガイドすることになり、付勢板部80が耳部106のディスク径方向内側の端面をガイドすることになる。
このように一対のパッドスプリング5を介して取付部材2に取り付けられた状態で、インナ側のパッド6は、一対の耳部106がディスク回転方向に突出する状態となり、言い換えれば、ディスク回転方向両側に突設される耳部106を有する。インナ側のパッド6のこれら耳部106と、取付部材2のインナ側の一対のガイド部20とが、それぞれの間にパッドスプリング5のインナ側のガイド板部55および付勢板部80を介在させて嵌合する。
取付部材2は、ディスク回転方向に凹んでインナ側のパッド6の耳部106が挿入される一対のガイド部20をインナ側に有し、これらガイド部20には、それぞれ、ディスク回転方向における耳部106の外側(ディスク回転方向においてインナ側のパッド6の中央から離れる側)に底部21が設けられている。パッドスプリング5のインナ側のガイド板部55の中間板部53は、嵌合先のガイド部20の底部21に沿うように配置され、挿入される耳部106のディスク回転方向外側の端部107に対向する。
一対のパッドスプリング5のインナ側の中間板部53は、それぞれの主板部201が嵌合先のガイド部20の底部21に当接する。また、一対のパッドスプリング5のインナ側の中間板部53のそれぞれの当接板部202が、インナ側のパッド6の対応する耳部106の端部107に当接する。
インナ側の各当接板部202は、その立上部211がディスク回転方向においてパッド6側に向けて立ち上がり、その湾曲部212が立上部211からディスク軸方向のディスク1に近い側すなわちアウタ側に向け曲げられ、その本体板部213が湾曲部212のディスク1側の端縁部からディスク軸方向のディスク1に近づく方向に、ディスク1側ほどディスク回転方向においてインナ側のパッド6から離れるように延出してインナ側のパッド6の耳部106の端部107に当接する。
ここで、本体板部213は、インナ側のパッド6に当接する当接面部221も、ディスク軸方向のディスク1側ほど、ディスク回転方向においてインナ側のパッド6から離れるように傾斜している。よって、本体板部213は、当接するインナ側のパッド6からディスク回転方向の力を受けて弾性変形すると、インナ側のパッド6に対し、当接面部221に垂直な方向のバネ力を発生させる。このバネ力は、ディスク回転方向内側に向く成分と、ディスク軸方向のディスク1側に向く成分とに分解される。よって、当接板部202は、インナ側のパッド6の当接する耳部106を、ディスク軸方向のディスク1側に向けて付勢することになり、その付勢力は、インナ側のパッド6から受ける力が大きくなって変形が大きくなるほど大きくなる。
以上により、一方のパッドスプリング5が、インナ側およびアウタ側の一対のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106を、付勢板部80と外側支持板部52とでディスク径方向に弾性的に支持することになり、他方のパッドスプリング5が、インナ側およびアウタ側の一対のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106を、付勢板部80と外側支持板部52とでディスク径方向に弾性的に支持することになる。
また、図9に示すように、ディスク回転方向一側のパッドスプリング5のディスク軸方向一側の当接板部202が一方のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106の端部107に当接して弾性変形し、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5のディスク軸方向一側の当接板部202がこの一方のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106の端部107に当接して弾性変形し、これにより、この一方のパッド6をディスク回転方向に弾性的に支持することになる。ディスク回転方向一側のパッドスプリング5のディスク軸方向他側の当接板部202が他方のパッド6のディスク回転方向一側の耳部106の端部107に当接して弾性変形し、ディスク回転方向他側のパッドスプリング5のディスク軸方向他側の当接板部202がこの他方のパッド6のディスク回転方向他側の耳部106の端部107に当接して弾性変形し、これにより、この他方のパッド6をディスク回転方向に弾性的に支持することになる。
図2に示すように、キャリパ3は、ほぼ鏡面対称の形状となっており、キャリパボディ120と、キャリパボディ120に摺動可能に設けられる図示略のピストンと、を有している。
キャリパボディ120は、図1に示すように、ディスク1に対しディスク軸方向のインナ側に配置されるシリンダ部126と、シリンダ部126のディスク径方向の外側からディスク1の外周を跨ぐようにディスク軸方向に沿ってアウタ側に延出するブリッジ部127と、ブリッジ部127のシリンダ部126とは反対側からディスク径方向の内側に延出してディスク1のディスク軸方向のアウタ側に配置される爪部128と、を有している。また、キャリパボディ120は、図2に示すように、シリンダ部126からディスク回転方向の両側に延出する一対のピン取付部131を有している。
キャリパボディ120には、ディスク回転方向一側のピン取付部131にスライドピン31が取り付けられており、ディスク回転方向他側のピン取付部131にもスライドピン31が取り付けられている。取付部材2のディスク回転方向両側のピン挿嵌部13の図示略のピン挿入穴に、これらのスライドピン31が摺動可能に嵌合する。キャリパボディ120には、シリンダ部126に、図示略のピストンが、爪部128に対し近接および離間可能となるようにディスク軸方向に移動可能に配置されている。
ディスクブレーキ10には、図示略のブレーキ配管を介してシリンダ部126内に作動液が導入される。すると、図示略のピストンにブレーキ液圧が作用する。その結果、ピストンが、ディスク1側に前進し、ピストンとディスク1との間に配置されたインナ側のパッド6をディスク1に向かって押圧する。これにより、インナ側のパッド6が、一対のパッドスプリング5のインナ側のガイド板部55および付勢板部80でガイドされてディスク軸方向に移動してディスク1に接触する。
また、この押圧の反力で、キャリパボディ120が取付部材2に対しスライドピン31をスライドさせてディスク軸方向に移動し、爪部128が、爪部128とディスク1との間に配置されたアウタ側のパッド6をディスク1に向かって押圧する。これにより、アウタ側のパッド6が、一対のパッドスプリング5のアウタ側のガイド板部55および付勢板部80でガイドされてディスク軸方向に移動してディスク1に接触する。
このようにして、キャリパ3は、図示略のピストンの作動により、ピストンと爪部128とで一対のパッド6をディスク軸方向の両側から挟持してディスク1の両面に押圧する。その結果、キャリパ3は、ディスク1に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させる。キャリパ3は、フィスト型キャリパである。
以上の制動時に、パッド6は、アウタ側、インナ側ともに、図10に示すように、R方向に移動するディスク1に接触することから、ディスク回出側に移動することになり、ディスク回出側の耳部106がディスク回出側の当接板部202の弾性変形量を大きくしながら、底部21に当接する主板部201に当接して停止する。このとき、パッド6は、ディスク回入側の耳部106がディスク回入側の当接板部202の弾性変形量を小さくする。パッド6は、ディスク1に接触することによるクサビ効果により、ディスク回入側がディスク回出側よりも強い力F1でディスク1に押し付けられることになる。これに対し、上記のようにディスク回出側のパッドスプリング5の当接板部202が大きく弾性変形することにより発生するバネ力のディスク1側に向く成分F2で、パッド6のディスク回出側をディスク1側に押し付けることになる。他方、ディスク回入側の当接板部202は、弾性変形量が小さくなってパッド6のディスク回入側をディスク1側に押し付ける力は大幅に小さくなり、ディスク回入側は、ほぼクサビ効果による力F1となる。以上により、ディスク回入側のクサビ効果による力F1に合わせるように、ディスク回出側でバネ力のディスク1側に向く成分F2を発生させることになり、ディスク回入側とディスク回出側との面圧分布の偏りを抑制する。
特許文献1には、パッドスプリングがパッドをディスク軸方向におけるディスクから離れる方向に押圧する構成(戻しバネとして機能する構成)が開示されている。ところで、パッドは、制動時にクサビ効果によりディスク回入側の面圧がディスク回出側の面圧よりも高くなる。ディスク回入側とディスク回出側との面圧分布の偏りは、ブレーキ鳴き等の異音の発生を招いてしまう。
これに対し、本実施形態のディスクブレーキ10は、パッドスプリング5が、パッド6の耳部106のディスク回転方向外側の端部107に当接する当接板部202を有し、この当接板部202が、ディスク回転方向内側に向けて立ち上がる立上部211と、立上部211からディスク軸方向のディスク1に近い側に向け曲げられる湾曲部212と、湾曲部212からディスク1に近づく方向にディスク1側ほどディスク回転方向外側に位置するように延出して端部107に当接する本体板部213と、を備える。これにより、上記したように、ディスク回出側のパッドスプリング5の当接板部202がパッド6で押されて大きく変形することにより発生するバネ力のディスク1側に向く成分F2で、パッド6のディスク回出側をディスク1側に押し付けることになって、クサビ効果により面圧が高まるディスク回入側の面圧との差を小さくする。したがって、ディスク回入側とディスク回出側との面圧分布の偏りを小さくでき、ブレーキ制動時のエネルギー損失を最小限に抑制することができて、ブレーキ鳴き等の異音の発生を抑制することができる。
また、当接板部202のバネ力で、パッド6の耳部106の、ガイド部20の底部21への衝突を和らげることができるため、クロンク音の発生を抑制することができる。
また、湾曲部212が、ディスク軸方向において底部21と重なる位置に配置されているため、当接板部202の基端側を底部21で良好に支持することができる。したがって、当接板部202を主板部201に対し良好に変形させることができる。
また、立上部211は、ディスク軸方向においてカール板部82よりもディスク1に近い位置に形成されているため、付勢板部80においてカール板部82よりもディスク1側の先端側延出板部83に支持されるパッド6に当接する当接板部202の配置効率を向上させることができる。
ここで、実施形態において、図11に示すように、ガイド部20の底部21に、ディスク軸方向において本体板部213の先端側領域と重なる位置にディスク回転方向外側(取付部材2のディスク回転方向における中央から離れる方向)に向けて窪む凹部231を設けても良い。これにより、当接板部202が、変形時に凹部231内に入り込むことができ、よって、角度を小さくすることなく大きく変形できる。したがって、本体板部213の耳部106への当接角度が浅くなることを抑制することができ、当接角度が浅くなることで当接板部202がパッド6をディスク1に押し付ける力が小さくなることを抑制できる。
以上の実施形態においては、パッド6がディスク回転方向両側に耳部106を有し、ディスク回転方向両側のパッドスプリング5が当接板部202を有しているため、車両の前進制動時および後進制動時のいずれにおいても、ディスク回入側とディスク回出側との面圧分布の偏りを抑制することができる。なお、パッド6が、例えば、車両の前進制動時のディスク回出側に耳部106を有し、車両の前進制動時のディスク回出側のパッドスプリング5のみが当接板部202を有していても良い。すなわち、パッド6がディスク回転方向の少なくとも一側に耳部106を有し、この耳部106を支持するパッドスプリング5に当接板部202を有していれば良い。
また、湾曲部212にかえて、立上部211からディスク軸方向のディスク1に近い側に向け折り曲げられる屈曲部としても良い。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、車両の非回転部分に取り付けられディスクの外周側を跨いで配置される取付部材と、該取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、前記ディスクの両面に押圧される一対のパッドと、前記取付部材に取り付けられ前記一対のパッドを弾性的に支持するパッドスプリングと、を備え、前記一対のパッドは、ディスク回転方向の少なくとも一側に突設される耳部を有し、前記取付部材は、ディスク回転方向における前記耳部の外側に設けられた底部と、該底部の両側に設けられた一対の壁部とからなるガイド部を有し、前記パッドスプリングは、前記底部に沿うように配置され、前記耳部のディスク回転方向外側の端部に対向するパッド対向部を有し、該パッド対向部は、前記端部に当接するパッド当接部を有し、該パッド当接部は、ディスク回転方向内側に向けて立ち上がる立上部と、該立上部からディスク軸方向の前記ディスクに近い側に向け曲げられる曲部と、該曲部から前記ディスクに近づく方向に前記ディスク側ほどディスク回転方向外側に位置するように延出して前記端部に当接する当接部本体と、を備える。これにより、異音の発生を抑制することができる。
また、第2の態様は、第1の態様において、前記曲部は、ディスク軸方向において前記底部と重なる位置に配置される。
また、第3の態様は、第1または第2の態様において、前記底部には、ディスク軸方向において前記当接部本体の先端側領域と重なる位置にディスク回転方向外側に向けて窪む凹部が形成されている。
また、第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一態様において、前記パッドスプリングは、前記ガイド部に対向するガイド対向部からディスク軸方向へ延びる第1延出部と、該第1延出部の先端側でディスク径方向外方へ延びて折り返されるカール部と、該カール部の先端から前記ディスクへ近付く方向に延出する第2延出部とを有して前記パッドをディスク径方向外方に向かって付勢する径方向付勢部を備え、前記立上部は、ディスク軸方向において前記カール部よりも前記ディスクに近い位置に形成されている。
1 ディスク
2 取付部材
3 キャリパ
5 パッドスプリング
6 パッド
10 ディスクブレーキ
20 ガイド部
21 底部
22 外側壁部(壁部)
23 内側壁部(壁部)
53 中間板部(パッド対向部)
80 付勢板部(径方向付勢部)
81 基端側延出板部(第1延出部)
82 カール板部(カール部)
83 先端側延出板部
106 耳部
202 当接板部(パッド当接部)
211 立上部
212 湾曲部(曲部)
213 本体板部(当接部本体)
231 凹部

Claims (3)

  1. 車両の非回転部分に取り付けられディスクの外周側を跨いで配置される取付部材と、
    該取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、
    前記ディスクの両面に押圧される一対のパッドと、
    前記取付部材に取り付けられ前記一対のパッドを弾性的に支持するパッドスプリングと、を備え、
    前記一対のパッドは、ディスク回転方向の少なくとも一側に突設される耳部を有し、
    前記取付部材は、ディスク回転方向における前記耳部の外側に設けられた底部と、該底部の両側に設けられた一対の壁部とからなるガイド部を有し、
    前記パッドスプリングは、前記底部に沿うように配置され、前記耳部のディスク回転方向外側の端部に対向するパッド対向部を有し、
    該パッド対向部は、前記端部に当接するパッド当接部を有し、
    該パッド当接部は、
    前記取付部材のディスク回転方向の中央側に向けて立ち上がる立上部と、
    該立上部からディスク軸方向の前記ディスクに近い側に向け曲げられる曲部と、
    該曲部から前記ディスクに近づく方向に前記ディスク側ほど前記取付部材のディスク回転方向の中央とは反対側に位置するように延出して前記端部に当接する当接部本体と、
    を備え
    前記底部には、ディスク軸方向において前記当接部本体の先端側領域と重なる位置に、前記取付部材のディスク回転方向の中央とは反対側に向けて窪む凹部が形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記曲部は、ディスク軸方向において前記底部と重なる位置に配置される請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記パッドスプリングは、前記ガイド部に対向するガイド対向部からディスク軸方向へ延びる第1延出部と、該第1延出部の先端側でディスク径方向外方へ延びて折り返されるカール部と、該カール部の先端から前記ディスクへ近付く方向に延出する第2延出部とを有して前記パッドをディスク径方向外方に向かって付勢する径方向付勢部を備え、前記立上部は、ディスク軸方向において前記カール部よりも前記ディスクに近い位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
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