JP6268629B2 - 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子 - Google Patents

水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子 Download PDF

Info

Publication number
JP6268629B2
JP6268629B2 JP2017519950A JP2017519950A JP6268629B2 JP 6268629 B2 JP6268629 B2 JP 6268629B2 JP 2017519950 A JP2017519950 A JP 2017519950A JP 2017519950 A JP2017519950 A JP 2017519950A JP 6268629 B2 JP6268629 B2 JP 6268629B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
crystal
crystal piece
thickness
piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017519950A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017061591A1 (ja
Inventor
徹 木津
徹 木津
貴志 長谷
貴志 長谷
威 鎌田
威 鎌田
開田 弘明
弘明 開田
茂昭 杉村
茂昭 杉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2017061591A1 publication Critical patent/JPWO2017061591A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6268629B2 publication Critical patent/JP6268629B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/05Holders; Supports
    • H03H9/10Mounting in enclosures
    • H03H9/1007Mounting in enclosures for bulk acoustic wave [BAW] devices
    • H03H9/1035Mounting in enclosures for bulk acoustic wave [BAW] devices the enclosure being defined by two sealing substrates sandwiching the piezoelectric layer of the BAW device
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02007Details of bulk acoustic wave devices
    • H03H9/02062Details relating to the vibration mode
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/05Holders; Supports
    • H03H9/0595Holders; Supports the holder support and resonator being formed in one body
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/05Holders; Supports
    • H03H9/10Mounting in enclosures
    • H03H9/1007Mounting in enclosures for bulk acoustic wave [BAW] devices
    • H03H9/1014Mounting in enclosures for bulk acoustic wave [BAW] devices the enclosure being defined by a frame built on a substrate and a cap, the frame having no mechanical contact with the BAW device
    • H03H9/1021Mounting in enclosures for bulk acoustic wave [BAW] devices the enclosure being defined by a frame built on a substrate and a cap, the frame having no mechanical contact with the BAW device the BAW device being of the cantilever type
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/13Driving means, e.g. electrodes, coils for networks consisting of piezoelectric or electrostrictive materials
    • H03H9/131Driving means, e.g. electrodes, coils for networks consisting of piezoelectric or electrostrictive materials consisting of a multilayered structure
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/15Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material
    • H03H9/17Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material having a single resonator
    • H03H9/19Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material having a single resonator consisting of quartz
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/08Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies
    • H10N30/085Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies by machining
    • H10N30/088Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies by machining by cutting or dicing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/20Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)

Description

本発明は、水晶振動素子、及び水晶振動子に関する。
発振装置や帯域フィルタなどに用いられる基準信号の信号源に、厚みすべり振動を主振動とする水晶振動子が広く用いられている。
例えば特許文献1には、保持器の封止空間内部に保持され、圧電板の中央部付近に励振電極が設けられた圧電振動素子が開示されている。このような圧電振動素子における厚みすべり振動の振動分布は、圧電板の中央部から外側へ略同心円状に広がり、圧電板の外側にいくほど振動の変位が小さくなる。特許文献2には、メサ型圧電振動片の寸法を所定の関係式を満たす構成とすることによって、接着剤などの固定部材の流出に伴う振動部の振動が阻害されることによるクリスタルインピーダンス(CrystalImpedance、以下「CI」と呼ぶ。)値などの特性劣化を抑制する構成が開示されている。さらに、特許文献3及び4には、細長い形状を有する水晶片の主面において、当該水晶片の長辺側の縁に至るまで励振電極が形成される構成が開示されている。
特許第4458203号公報 特開2013−102472号公報 特公昭56−36814号公報 特開2001−7677号公報
しかしながら、特許文献1のような略同心円状の振動分布を有する圧電振動素子の場合、圧電板の略同心円状の外側には振動による変位が小さい又は全くない領域が隣接することになるため、励振レベル依存性(DriveLevel Dependence、以下「DLD」と呼ぶ。)特性が悪化したり、また、振動領域の幅が水晶片の幅に比べて狭いためCI値が高いことや容量比γの値が大きくなったりなど、良好な振動特性が得られない場合があった。
また、特許文献3及び4のような構成において、主振動へ振動漏れの防止が十分でないことがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、良好な振動特性を得ることができる水晶振動子を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る水晶振動素子は、所定の結晶方位を有しかつ平面視において第1方向及び第2方向を有する水晶片と、交番電界を印加したとき水晶片に第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動を励振するように水晶片の表面及び裏面にそれぞれ設けられた励振電極とを備え、水晶片における厚みすべり振動を主要振動とする振動分布が、水晶片の第2方向に帯状に延在する振動領域と、水晶片の第1方向において振動領域の両側にそれぞれ隣接する非振動領域とを有する。
本発明の他の態様に係る水晶振動素子は、平面視において第1方向及び第2方向を有するATカットされた水晶片と、水晶片の表面及び裏面に対向して設けられた励振電極と、を備え、水晶片における励振電極で励振された第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動の振動分布が、第2方向で対向する水晶片の2つの辺を横切るように延在しかつ第1方向に距離をあけて対向して設けられた2つの振幅の節と、2つの節で挟まれた位置に設けられた振動領域の振幅の腹とを有する。
本発明の他の態様に係る水晶振動素子は、所定の結晶方位を有しかつ平面視において第1方向及び第2方向を有する水晶片と、第1方向の中央部に位置し少なくとも厚みすべり振動で振動する振動領域と、第1方向において振動領域の両側を挟む非振動領域とを有するように水晶片の表面及び裏面にそれぞれ設けられた励振電極と、を有し、振動領域と非振動領域との境界が、水晶片の第2方向で対向する第1方向に延びる2つ辺を結び、第2方向に波状に延びる。
本発明の他の態様に係る水晶振動素子は、厚みすべり振動を主振動とする水晶振動素子であって、長方形状の主面を表裏に有する水晶片と、水晶片の各主面にそれぞれ形成された長方形状の励振電極とを備え、励振電極の長辺縁は、対応する水晶片の長辺縁と平行であり、励振電極の長辺縁と、対応する水晶片の長辺縁との間の距離をGとし、水晶片におけるそれぞれの励振電極の間の厚さをTとすると、0<G/T≦0.5の関係を有する。
本発明によれば、良好な振動特性を得ることができる水晶振動素子、及び水晶振動子を提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子の分解斜視図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、図1の水晶振動子における水晶振動素子の斜視図である。 図4Aは、図3の水晶振動素子の厚みすべり振動の振動分布を示す図である。 図4Bは、図3の水晶振動素子における振動分布のシミュレーション結果を示す図である。 図4Cは、第1変形例に係る水晶振動素子における振動分布のX方向成分(結晶方位のX方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図4Dは、第1変形例に係る水晶振動素子における振動分布のZ方向成分(結晶方位のY´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図4Eは、第1変形例に係る水晶振動子における振動分布のY方向成分(結晶方位のZ´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図5は、第2変形例に係る水晶振動素子の側面図である。 図6は、図5で示した水晶振動素子が、第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動で振動した場合であって、波数n=4とした本発明の実施形態に係る水晶振動素子の振動状態を示す側面図である。 図7は、図5で示した水晶振動素子が、第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動で振動した場合であって、波数n=5とした本発明の実施形態に係る水晶振動素子の振動状態を示す側面図である。 図8は、図5で示した水晶振動素子が、第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動で振動した場合であって、波数n=4.5とした本発明との比較形態に係る水晶振動素子の振動状態を示す側面図である。 図9Aは、第3変形例に係る水晶振動素子における振動分布のX方向成分(結晶方位のX方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図9Bは、第3変形例に係る水晶振動素子における振動分布のZ方向成分(結晶方位のY´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図10は、第4変形例に係る水晶振動素子を示す図である。 図11Aは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果を示す図である。 図11Bは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向裏面側のシミュレーション結果を示す図である。 図11Cは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のX方向成分(結晶方位のX方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図11Dは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向裏面側のX方向成分(結晶方位のX方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図11Eは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のZ方向成分(結晶方位のY´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図11Fは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向裏面側のZ方向成分(結晶方位のY´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図11Gは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のY方向成分(結晶方位のZ´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図11Hは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向裏面側のY方向成分(結晶方位のZ´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図11Iは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって位相0°である場合の図である。 図11Jは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって位相略45°とした場合の図である。 図11Kは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって位相略90°とした場合の図である。 図11Lは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって位相略135°とした場合の図である。 図11Mは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって位相略180°とした場合の図である。 図11Nは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって位相略225°とした場合の図である。 図11Oは、第4変形例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって位相略270°とした場合の図である。 図12Aは、比較例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果を示す図である。 図12Bは、比較例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向裏面側のシミュレーション結果を示す図である。 図12Cは、比較例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のZ方向成分(結晶方位のY´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図12Dは、比較例に係る水晶振動素子における振動分布の厚さ方向表面側のY方向成分(結晶方位のZ´方向成分に相当)のシミュレーション結果を示す図である。 図13は、第1変形例、第3変形例、第4変形例及び比較例について振動状態を比較したグラフである。 図14は、本発明の第5変形例に係る水晶振動素子を示す図である。 図15は、本発明の第2実施形態に係る水晶振動子の分解斜視図である。 図16は、図15のXVI−XVI線断面図である。 図17は、本発明の第3実施形態に係る水晶振動子の分解斜視図である。 図18は、図17のXVIII−XIVIII線断面図である。 図19は、図14に示した水晶振動素子の斜視図である。 図20Aは、本発明の第3実施形態に係る水晶振動素子の特性を説明するためのグラフである。 図20Bは、本発明の第3実施形態に係る水晶振動素子の特性を説明するためのグラフである。 図21は、水晶振動素子の等価回路を示す図である。 図22Aは、本発明の第3実施形態に係る水晶振動素子の特性を説明するためのグラフであり、水晶振動素子の短辺の幅Wが小さい場合を示したものである。 図22Bは、本発明の第3実施形態に係る水晶振動素子の特性を説明するためのグラフであり、水晶振動素子の短辺の幅Wが大きい場合を示したものである。 図23は、本発明の第3実施形態に係る水晶振動素子の特性を説明するためのグラフである。 図24は、本発明の第3実施形態の第1変形例に係る水晶振動素子の斜視図である。 図25は、本発明の第3実施形態の第2変形例に係る水晶振動素子の斜視図である。 図26は、本発明の第3実施形態の第3変形例に係る水晶振動素子の斜視図である。 図28は、従来技術の水晶振動子における水晶振動素子の斜視図である。 図29は、図27の従来技術の水晶振動素子の厚みすべり振動の振動分布を示す図である。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の構成要素は同一又は類似の符号で表している。図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
<第1実施形態>
図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子1を説明する。ここで、図1は、水晶振動子の分解斜視図であり、図2は図1のII−II線断面図である。なお、図2において、水晶振動素子10の各種電極の図示は省略されている。
図1に示すように、本実施形態に係る水晶振動子1は、水晶振動素子10と、蓋部材の一例であるキャップ20と、水晶振動素子10を支持する支持体の一例である基板30とを備える。キャップ20及び基板30は、水晶振動素子10を収容するための保持器(ケース又はパッケージ)である。
水晶振動素子10は、水晶片11と、水晶片11の表面及び裏面にそれぞれ設けられた励振電極14a,14b(以下では、「第1励振電極14a及び第2励振電極14b」ともいう。)とを含む。第1励振電極14aは、水晶片11の主面である第1面12a(表面)に設けられ、また、第2励振電極14bは、水晶片11の第1面12aと対向する主面である第2面12b(裏面)に設けられている。
水晶片11は、圧電セラミックのような立方晶系と異なる三方晶系の結晶構造を有し、所定の結晶方位を有する水晶材料から形成されている。水晶振動素子10は、例えば、ATカットの水晶片11を有する。ATカットの水晶片11は、人工水晶の結晶軸であるX軸、Y軸、Z軸のうち、Y軸及びZ軸をX軸の周りにY軸からZ軸の方向に35度15分±1分30秒回転させた軸をそれぞれY´軸及びZ´軸とした場合、X軸及びZ´軸によって特定される面と平行な面(以下、「XZ´面」と呼ぶ。他の軸によって特定される面についても同様である。)を主面として切り出されたものである。図1に示す例では、ATカット水晶片である水晶片11は、第1方向としてX軸と平行な長辺と、第1方向と直交する第2方向としてZ´軸と平行な短辺とを有し、さらに、第1方向と第2方向と直交する第3方向としてY´軸と平行な厚さを有している。なお、以下においては、長辺に沿う方向を長手方向、短辺に沿う方向を短手方向及び厚さを厚さ方向と呼ぶこともある。水晶片11は、XZ´面を平面視したとき長方形状に形成されている。ATカット水晶片を用いた水晶振動素子は、広い温度範囲で極めて高い周波数安定性を有し、また、経時変化特性にも優れている。また、ATカット水晶振動素子は、厚みすべり振動モード(Thickness Shear Mode)を主要振動とする。以下、ATカットの軸方向を基準として水晶振動子1の各構成を説明する。
本実施形態に係る水晶片11は上記構成に限定されるものではなく、例えば、Z´軸と平行な長辺と、X軸と平行な短辺とを有するATカット水晶片を適用してもよい。あるいは、主要振動が厚みすべり振動モードであれば、例えばBTカットなどのATカット以外の異なるカットの水晶片であってもよい。ただし、広い温度範囲で極めて高い周波数安定性が得られるATカット水晶片が最も好ましい。
第1励振電極14aは、水晶片11の第1面12aに形成され、また、第2励振電極14bは、水晶片11の第2面12bに形成されている。第1及び第2励振電極14a,14bは、水晶片11を介して一対の電極としてXZ´面を平面視した場合に略全体が重なり合うように配置されている。第1及び第2励振電極14a,14bはXZ´面を平面視した場合に矩形形状をなしている。例えば、図1に示すように、励振電極の長辺が水晶片11の短辺と平行になるとともに、励振電極の短辺が水晶片11の長辺と平行になるように設けられている。
なお、水晶振動素子の態様は上記に限定されるものではなく、後述する第1変形例として、図4C〜図4Eに示すような結晶方位のX方向に細長い板状の水晶素振動素子の構成で実施できる。すなわち、励振電極の長辺が水晶片11の長辺と平行になるとともに、励振電極の短辺が水晶片11の短辺と平行になるように設けられることもできる。
水晶片11には、第1励振電極14aに引出電極15aを介して電気的に接続された接続電極16aと、第2励振電極14bに引出電極15bを介して電気的に接続された接続電極16bとが形成されている。具体的には、引出電極15aは、第1面12aにおいて第1励振電極14aからX軸負方向側短辺に向かって引き出され、さらに水晶片11のX軸負方向側の側面を通って、第2面12bに形成された接続電極16aに接続されている。他方、引出電極15bは、第2面12bにおいて第2励振電極14bからX軸負方向側短辺に向かって引き出され、第2面12bに形成された接続電極16bに接続されている。接続電極16a,16bは、X軸負方向側の短辺に沿って配置され、これらの接続電極16a,16bは、導電性接着剤を塗布して硬化した導電性保持部材36a,36bを介して基板30に電気的導通を図るとともに機械的に保持される。なお、接続電極16a,16b及び引出電極15a,15bの配置やパターン形状は限定されるものではなく、他の部材との電気的接続を考慮して適宜変更することができる。なお、平面視して第1励振電極14aと第2励振電極14bとが重なる電極重なり領域は、水晶片11の短辺から所定の距離を有して設けられている。水晶片11の短辺から電極重なり領域までの距離は、水晶片11の長辺から電極重なり領域までの距離よりも大きい。
第1及び第2励振電極14a,14b、引出電極15a,15b、接続電極16a,16bは、例えば、水晶片11の表面に接合力を高めるためクロム(Cr)層が形成されており、クロム層の下地の表面上に金(Au)層が形成されている。なお、その材料は限定されるものではない。
図2に示すように、キャップ20は、基板30の第1面32aに対向して開口した凹部24を有する。凹部24には、開口の全周に亘って、凹部24の底面から立ち上がるように形成された側壁部22が設けられている。また、キャップ20は、側壁部22からさらに開口外方向へ突出するフランジ部28を有している。この場合、フランジ部28は基板30の第1面32aに対向する対向面26を有している。対向面26の横幅の長さは、キャップ20の側壁部22の厚さよりも大きい。これによれば、フランジ部28と基板30を接合することによって、両者の接合面積を大きくできるため、両者の接合強度の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においてキャップ20の形状は特に限定されるものではなく、例えば、フランジ部28を有しておらず、凹部24の底面から略直角に立ち上げて形成された側壁部22の先端が基板30と接合されてもよい。
キャップ20の材質は特に限定されるものではないが、例えば金属などの導電材料で構成されていてもよい。これによれば、キャップ20を接地電位に電気的に接続させることによりシールド機能を付加することができる。あるいは、キャップ20は、絶縁材料又は導電材料・絶縁材料の複合構造であってもよい。
基板30は水晶振動素子10を励振可能に支持するものである。図1に示す例では、水晶振動素子10が導電性保持部材36a,36bを介して基板30の第1面32aに励振可能に支持されている。
図1に示す例では、基板30は、X軸方向に平行な長辺と、Z´軸方向に平行な短辺と、Y´軸方向に平行な厚さを有しており、XZ´面において長方形状をなしている。基板30は、例えば絶縁性セラミックで形成されてもよく、例えば複数の絶縁性セラミックシートを積層して焼成することによって形成されてもよい。あるいは、基板30は、ガラス材料(例えばケイ酸塩ガラス、又はケイ酸塩以外を主成分とする材料であって、昇温によりガラス転移現象を有する材料)、水晶材料(例えばATカット水晶)又はガラスエポキシ樹脂などで形成してもよい。基板30は耐熱性材料から構成されることが好ましい。基板30は、単層であっても複数層であってもよく、複数層である場合、第1面32aの最表層に絶縁層を形成してもよい。また、基板30は、平板な板状をなしてもよいし、あるいは、キャップ20に対向する向きに開口した凹状をなしてもよい。図2に示すように、キャップ20及び基板30の両者が接合材70を介して接合されることによって、水晶振動素子10が、キャップ20の凹部24と基板30とによって囲まれた内部空間(キャビティ)23に密封封止される。この場合、内部空間の圧力は大気圧力よりも低圧な真空状態であることが好ましく、これにより第1及び第2励振電極14a,14bの酸化による経時変化などが低減できるため好ましい。
接合材70は、キャップ20及び基板30の各全周に亘って設けられており、キャップ20の側壁部22の対向面26と、基板30の第1面32aとの間に介在している。接合材70は絶縁性材料からなる。絶縁性材料としては、低融点ガラス(例えば鉛ホウ酸系や錫リン酸系等)などのガラス接着材料であってもよいし、あるいは、樹脂接着剤を用いてもよい。これらの絶縁性材料によれば、金属接合に比べて低コストであり、また加熱温度を抑えることができ、製造プロセスの簡易化を図ることができる。なお、金属接合を用いれば、樹脂接着剤による接合に比べ高い接合強度が得ることができる。
図2に示す例では、水晶振動素子10は、その一方端が導電性保持部材36a,36bにより固定されており、その他方端が自由となっている。なお、変形例として、水晶振動素子10は、長辺及び短辺のいずれかの方向の両端において基板30に固定されていてもよい。
図1に示すように、基板30は、第1面32aに形成された接続電極33a,33bと、接続電極33a,33bから第1面32aの外縁に向かって引き出される引出電極34a,34bとを含む。
接続電極33aには、導電性保持部材36aを介して、水晶振動素子10の接続電極16aが接続され、他方、接続電極33bには、導電性保持部材36bを介して、水晶振動素子10の接続電極16bが接続される。
引出電極34aは、接続電極33aから基板30のいずれか1つのコーナー部に向かって引き出され、他方、引出電極34bは、接続電極33bから基板30の他の1つのコーナー部に向かって引き出されている。また、基板30の各コーナー部には、複数の外部電極35a,35b,35c,35dが形成されている。図1に示す例では、引出電極34aがZ´軸正方向及びX軸負方向側のコーナー部に形成された外部電極35aに接続され、他方、引出電極34bがZ´軸負方向及びX軸正方向側のコーナー部に形成された外部電極35bに接続されている。また図1に示すように、残りのコーナー部にも、外部電極35c,35dが形成されていてもよく、これらの外部電極は水晶振動素子10とは電気的に接続されないダミー電極であってもよい。すなわち、ダミー電極は、第1及び第2励振電極14a,14bのいずれとも電気的に接続されていなくてもよい。またダミー電極は、水晶振動子1が実装される実装基板(図示しない)に設けられた端子(他のいずれの電子素子とも接続されない端子)に接続されてもよい。このようなダミー電極を形成することにより、外部電極を形成するための導電材料の付与が容易になり、また、全てのコーナー部に外部電極を形成することができるため、水晶振動子を他の部材に電気的に接続する処理工程も容易となる。さらに、ダミー電極に代えて外部電極35c,35dは、接地電位が供給される接地用電極であってもよい。キャップ20が導電性材料からなる場合、キャップ20を接地用電極である外部電極35c,35dに接続することによって、キャップ20にシールド機能を付加することができる。
図1に示す例では、基板30のコーナー部は、その一部が円筒曲面状(キャスタレーション形状とも呼ばれる。)に切断して形成された切り欠き側面を有しており、外部電極35a〜35dは、第1面32a、切り欠き側面及び第2面32bにかけて連続的に形成されている。なお、基板30のコーナー部の形状はこれに限定されるものではなく、切り欠きの形状は平面状であってもよいし、切り欠きがなく、平面視して、四隅が直角な矩形形状であってもよい。
なお、基板30の接続電極33a,33b、引出電極34a,34b及び外部電極35a〜dの各構成は上記の例に限定されるものではなく、様々に変形して適用することができる。例えば、接続電極33a,33bは、一方がX軸正方向側に形成され、他方がX軸負方向側に形成されるなど、基板30の第1面32a上において互いに異なる側に配置されていてもよい。このような構成においては、水晶振動素子10が、長辺の一方端及び他方端の両方において基板30に支持されることになる。また、外部電極の個数は4つに限るものではなく、例えば対角上に配置された2つであってもよい。また、外部電極はコーナー部に配置されたものに限らず、コーナー部を除く基板30のいずれかの側面に形成されてもよい。この場合、既に説明したとおり、側面の一部を円筒曲面状に切断した切り欠き側面を形成し、コーナー部を除く当該側面に外部電極を形成してもよい。さらに、ダミー電極である他の外部電極35c,35dは形成しなくてもよい。また、基板30に第1面32aから第2面32bへ貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔内に設けてビア導体によって第1面32aに形成した接続電極から第2面32bへ電気的導通を図ってもよい。
図1に示すような水晶振動子1においては、基板30の外部電極35a,35bを介して、水晶振動素子10における一対の第1及び第2励振電極14a,14bの間に交番電界を印加する。これにより、厚みすべりを主振動モードとして水晶片11が振動し、該振動に伴う共振特性が得られる。
次に、図3〜図14を参照しつつ、水晶振動素子についてさらに詳述する。図3は水晶振動素子10の斜視図であり、図4A及び図4Bは水晶振動素子10の厚みすべり振動の振動分布を示したものであり、具体的には、図4Aが模式図であり、図4Bがシミュレーション結果を示す図である。ここで、図4A及び図4Bにおいては説明の便宜上、第1励振電極14a及び第2励振電極14bに対応する振動分布のみを示している。なお、図4C〜図14は本実施形態の変形例及び比較例に係る水晶振動素子を説明するための図である。
図3は、本実施形態に係る水晶振動素子10における水晶片11と第1励振電極14a及び第2励振電極14bの一例を示したものである。この例では、XZ´面を平面視したとき、Z´軸正方向側の励振電極14aの短辺は、Z´軸正方向側の水晶片11の長辺と重なり、Z´軸負方向側の励振電極14aの短辺は、Z´軸負方向側の水晶片11の長辺と重なっている。また、励振電極14bも同様に、XZ´面を平面視したとき、Z´軸正方向側の励振電極14bの短辺は、Z´軸正方向側の水晶片11の長辺と重なり、Z´軸負方向側の励振電極14bの短辺は、Z´軸負方向側の水晶片11の長辺と重なっている。すなわち、励振電極14aが水晶片11の第1面12a上で、Z´軸方向における水晶片11の主面の両端に至るまで設けられ、他方、励振電極14bが水晶片11の第2面12b上で、Z´軸方向における水晶片11の主面の両端に至るまで形成されている。
また、水晶片11の長辺の長さL、水晶片11の短辺の長さW、水晶片11のY´軸方向の厚さT、及び、励振電極14aのX軸方向の短辺の長さELとすると、水晶振動素子10は例えばL=1.322mm、W=0.895mm、T=0.0426mm、EL=0.640mm、G=0の寸法から構成されている。G/T=0,W/T=21.0、L/T=31.0である。ここで、Gは、励振電極の短辺と水晶片の長辺との距離であり、図3では両者は一致しているためG=0である。なお、上記寸法は一例にすぎず、本実施形態に係る水晶振動素子は、以下に説明する振動分布を有する形態(水晶片及び励振電極のそれぞれの形状及び寸法並びに両者の位置関係を含む。)を含む。
図4Bは、図3の水晶振動素子10に、所定の発振周波数、例えばATカット基本発振周波数の交番電界を印加したときの厚みすべり振動についての村田製作所製のソフトウェアFemtet(登録商標)を使用し、メッシュサイズ0.02mmの条件で、圧電解析ソルバにて実施したシミュレーション結果であり、図4Aはその模式図である。材料定数は、化学便覧 基礎編II改訂4版 日本化学学会編 丸善(1993)、理科年表 平成8年国立天文台編 丸善(1996)、弾性波素子技術ハンドブック 日本学術振興会 弾性波素子技術 第150委員会編 オーム社、および表面弾性波素子材料データブック 日本電子工業振興会から引用した。なお、上記説明は他のシミュレーション結果を示す図面についても同様に当てはまる。
なお、図4Bに示すように、振動分布の振動方向のX方向は結晶方位のX方向に相当し、振動分布の振動方向のY方向は結晶方位のZ´方向に相当し、振動分布の振動方向のZ方向は結晶方位のY´方向に相当する。このような振動方向と結晶方位との関係は他のシミュレーション結果を示す図も同様に当てはまる。以下においては、特に明記しない限り、結晶方位の方向を基準に説明する。
図4A及び図4Bに示すように、水晶振動素子10のX方向に主に振動する厚みすべり振動を主要振動とする振動分布は、水晶片11のZ´軸方向(短手方向)に帯状に延在する振動領域40と、水晶片11のX軸方向(長手方向)において振動領域40の両側にそれぞれ隣接する非振動領域50a,50bとを有する。すなわち、非振動領域50aと50bは、互いに隣接していない。ここで、本発明において、振動領域とは、所定の発振周波数(例えばATカット基本発振周波数)の交番電界を印加したときに厚みすべり振動である主要振動により水晶片に実質的な変位が生じる領域を指す。また、本発明において、非振動領域とは、当該主要振動により水晶片の振動領域が振動しているときに、水晶片に実質的な変位が生じない領域を指し、振動による変位が全くない領域に限らず、振動領域よりも振動による変位が小さい領域も含むものとする。なお、非振動領域として、変位量が最大変位量の20~25%未満の領域であることが好ましい。また、XZ´面を平面視したとき、振動領域40は、水晶片11のX軸と平行な一方の長辺から、同じくX軸と平行な他方の辺まで連続する帯状の形状を有している。なお、この振動領域40は、水晶片11のZ´軸と平行な二つの短辺のいずれにも至っていない。そして、XZ´面を平面視したとき、振動領域40と非振動領域50a,50bが隣接する境界は、直線ではなく、山と谷が交互に繰り返す波形状を有している。この波状の境界は例えば山の高さと谷の深さが略等しく、略一定の周期である略正弦波状を有している。このとき、山と谷との中央部を基準にしたとき、山の高さの大きさに対する谷の深さの大きさの差は±25%以内であることが好ましい。振動領域40が帯状に延在するとはある幅をもってある方向に延在していればよく、延在方向に細長いものに限定されず、例えば延在方向の長さがその幅よりも小さい態様も含む。
ここで、振動領域40の領域は、XZ´面を平面視したとき、図3の励振電極14a,14bの領域と実質的に一致していてもよい。この場合は、振動領域40は、励振電極14a,14bのX軸と平行な一方の短辺から、同じくX軸と平行な他方の短辺まで連続する帯状の形状を有することになる。また、振動領域40と非振動領域50a,50bが隣接する境界は、上記の通り波形状を有しているが、励振電極14a,14bのZ´軸と平行な長辺と概ね一致することになる。
図4Aは、図3の構成において、主面の振動が最大変位を示した瞬間の変位分布を示す。振動領域40は、最大変位の値を基準に、4つに等分割して、3つの振動領域と1つの非振動領域に区分し、振動領域について異なるハッチングを用いて示す。すなわち、振動領域40は、第1振動強度領域42と、第1振動強度領域42よりも振動の変位量が小さい第2振動強度領域44a,44bと、第2振動強度領域44a,44bよりも振動の変位量が小さい第3振動強度領域46a,46bとを有する。XZ´面を平面視したとき、第2振動強度領域44a,44bは、水晶片11のX軸方向(長手方向)において第1振動強度領域42の両側にそれぞれ隣接している。また、第3振動強度領域46a,46bは、水晶片11のX軸方向(長手方向)において第2振動強度領域44a,44bの第1振動強度領域42とは隣接していない側にそれぞれ隣接している。言い換えれば、振動領域40は、第1振動強度領域42の中央にZ´軸に平行な中央線を引いたときに、この中央線を基準として線対称な振動分布を有している。そして、図4Aで示す最大変位量の0%〜25%であって0nm〜85nmである非振動領域50は、水晶片11のX軸方向(長手方向)において第3振動強度領域46a,46bの第2振動強度領域44a,44bとは隣接していない側にそれぞれ隣接している。図4に示す例では、第1振動強度領域42の変位量は最大変位量の75%〜100%であって約255nm〜340nmであり、第2振動強度領域44a,44bの変位量は最大変位量の50%〜75%であって170nm〜255nmであり、第3振動強度領域46a,46bは最大変位量の25%〜50%であって85nm〜170nmである。各振動強度領域は、XZ´面を平面視したとき、いずれも水晶片11のX軸と平行な一方の長辺から、同じくX軸と平行な他方の長辺まで連続する帯状の形状を有している。なお、各振動強度領域は、水晶片11のZ´軸と平行な二つの短辺のいずれにも至っていない。また、各振動強度領域が互いに隣接する境界は、直線ではなく、波状に蛇行している。波状の境界は例えば略正弦波状をなしている。
さらに、振動領域40は、最大変位量の90%以上の変位量を示す強振動領域(振動の頂点を含む)を有している。例えば、図4A及び図4Bに示すように、振動領域40における第1振動強度領域42は強振動領域を有する。図4Bに示すように、強振動領域は、水晶片11の表面(第1主面12a)におけるX軸方向に延びる一方の長辺と、当該長辺からZ´軸方向に離れて対向する水晶片11の裏面(第2主面12b)のX軸方向に延びる他方の長辺とに位置する互いに逆位相である第1分布を有している。この第1分布は、水晶片11のX軸方向(長手方向)に沿った長軸を有する楕円を縦半分に割った半楕円状の分布である。さらに、強振動領域は、水晶片11の表面(第1主面12a)及び裏面(第2主面12b)にそれぞれ位置するZ´軸方向に並んで配置されている第2分布を有している。この第2分布は、図4Bに示すように水晶片11のX軸方向に沿った長軸を有する略楕円状の分布である。このように、図4Aの第1振動強度領域42は、Z´軸方向(短手方向)に沿って複数の強振動領域を有している。なお、図4Aでは、複数の強振動領域を含む第1振動強度領域42の外縁を図示している。
さらに、図4Dに示すように、シミュレーションモデルに基づくZ軸方向(結晶方位のY´軸方向)の変位成分の強振動領域は、結晶方位のX軸方向の一方側半分と他方側半分とが互いに逆位相である第3分布を有している。より具体的には、この強振動領域は、水晶片の結晶方位のX軸方向の中点で結晶方位のZ´軸方向に延びる中間線を基準に、当該中間線のX軸方向の一方側にあってX軸方向に沿って並ぶ複数の一方の分布と、当該中間線のX軸方向の他方側にあってX軸方向に沿って並び、かつ前記一方の分布と互いに逆位相である複数の他方の分布とを含む第3分布をさらに有している。
ここで、本実施形態では、所定の結晶方位を有する三方晶系の圧電結晶である水晶材料をATカットした水晶片において、厚みすべりを主振動モードとする図4A及び図4Bで示した本発明で得られる非振動領域との境界が波状となる第2方向に帯状に分布する新たな厚みすべり振動モードであって、表裏面の対角位置の辺上に振動が互いに逆位相となる強振動領域(振動の頂点または腹を含む)を有する厚みすべり振動モードを発生させる。以下、本発明が包含するこのような厚みすべり振動モードを全幅厚みすべり振動モードという。全幅厚みすべり振動モードにおいて、裏面の対角位置の辺上に振動が互いに逆位相となる強振動領域が、X方向に長く延びた楕円を縦半分に割った半楕円状の分布であることが好ましい(図4A〜図4E参照)。
ここで図27及び図28を参照しつつ、従来例との対比について説明する。図27は、従来の水晶片の中央部に厚みすべり振動が閉じ込められた水晶振動素子である。この従来例は、図4Aとは短手方向の励振電極を長さEWが0.554mmであり、図4Aとは長さEWが小さく設けられている点、及び、水晶片の端面からのギャップがG/T=4となるよう設けられている点が相違する。すなわち、図27に示す水晶振動素子は、水晶片の外周に環状に設けられた励振電極の非形成領域と、環状に設けられた励振電極の非形成領域の内側にあって水晶片の中央部に設けられた励振電極の形成領域とを備えている。図28は、図27で示した従来の水晶振動素子の厚みすべり振動モードにおける振動分布を模式図である。図27は、水晶片の中央部に存在する振幅の腹と、振幅の腹の全周を囲う連続してのびる振幅の節とを備える振動分布を示している。また、水晶片の表面を平面視したとき、表裏面に存在する振幅の腹が互いに重なる位置ある。図28に示すように、従来例の水晶振動素子においては、XZ´面を平面視したとき、水晶片の中央部から外側に向かって略同心円状に、振動による変位が最も大きい第1振動強度領域と、第1振動強度領域の周囲に第1振動強度領域よりも振動による変位が小さい第2振動強度領域、さらに第2振動強度領域の周囲に第1振動強度領域よりも振動による変位が小さい第3振動強度領域とがある。
これに対して、本実施形態に係る全幅厚みすべり振動モードは、図27に示す従来の厚みすべり振動モードのような水晶片の中央部を環状に囲うような厚みすべり振幅の節、あるいは非振動領域が存在しない。さらに、図4Aに示すように、第2方向で対向する水晶片の両端部間を横切って帯状に分布する振動領域内に少なくとも1つの振幅の腹が存在する。また、水晶片の表面を平面視したとき、表裏面に存在する振幅の腹が互いに重ならない位置にある。このため、本実施形態では、図28に示す従来の中央部の表裏で重なる位置に1つの腹がある厚みすべり振動モードに比べて、図4Aで示した振動分布を有するため、水晶片のZ´軸方向に沿ってより大きな振動領域を確保することができる。さらに、励振電極で挟まれた水晶片の厚みTに依存する厚みすべり振動において、水晶片のX軸方向の長さLを励振電極のX軸方向の長さELより所定の比率で大きくすることで、図4Aに示した第1方向に存在する全幅厚みすべり振動モードだけでなく、第1方向において振動領域内に第3方向に変位する振動が複数の波数で分布している振動状態を含むような全幅厚みすべり振動モードも励起させることができる。またさらに、長さELに対する水晶片の第1方向の長さLの比率が所定の範囲に設定されれば、全幅厚みすべり振動モードのZ´軸方向に連続して延びる振幅の節を第1方向の水晶片の端部に配置できる。そのため、全幅厚みすべり振動モードにおける振幅の節の位置で水晶片が保持部材によって支持されれば、振動の漏れおよび振動の阻害などの支持による全幅すべり振動モードへの影響が小さくできる。
以上のとおり、本実施形態においては、水晶振動素子10のZ´軸方向(短手方向)にわたって、厚みすべり振動の振動分布のなかで特定の本発明で呼ぶ全幅厚みすべり振動が選択して発生できるため、均一な振動を得ることができる。したがって、DLD特性を向上させることができ、また、振動領域40を広く確保することによってCI値を低くかつ容量比γの値を小さくできることから、良好な振動特性を得ることができる。
次に、図4C〜図4Eを参照しつつ第1変形例について説明する。以下の説明では上記内容と異なる点について説明する。この変形例では、水晶振動素子は、X方向に細長い板状をなしている点で図3と同じ構成であるが、励振電極の長手方向が水晶片11の長手方向と一致するとともに、励振電極の短手方向が水晶片11の短手方向と一致する点で図3とは異なっている。具体的には、この変形例では、W=0.277mm、T=0.033mm、L=0.77mm、EL=0.44mm、Tex=0.267μmであって、G/T=0,W/T=8.39、L/T=23.7,EL/T=12.8とした。図4Cは、振動分布のX方向成分(結晶方位のX方向成分に相当)の変位分布、図4Dは、振動分布のZ方向成分(結晶方位のY´方向成分に相当)の変位分布、図4Eは、振動分布のY方向成分(結晶方位のZ´方向成分に相当)の変位分布をそれぞれシミュレーションで求めたものである。図4Cから、振動の主要振動を示すX方向成分の変位分布は、水晶振動素子のX方向の両端に位置する非振動領域に挟まれ、対向する長辺を結ぶ振動領域を有する全幅厚みすべり振動の変位分布を示すことがわかる。また、正の最大値と負の最小値との間の変位の10段階に区分したとき、最も大きな変位を示す負の変位の最大絶対値の80%以上を示す負の変位側の強振動領域の分布状態は、X方向に長く延びる2つの楕円状の分布と楕円を縦半分に割った半楕円状の分布とが幅方向に並んでいる。半楕円状の分布は、長辺上に中心が位置して、長辺に沿って長く延びるように分布している。このとき、X方向成分の変位の最大値は5.668μmであり、振動分布のZ(厚み)方向成分の変位の最大値は0.603μmであり、振動分布のY方向(幅)成分の変位の最大値は0.966μmである。
次に、図5〜図8を参照しつつ第2変形例について説明する。
この水晶振動素子210は、第1部分240及び第2部分250を有するメサ形状の水晶片を備えている。第1部分240は、図3〜図4Bで説明した振動領域と同じように、Z´軸方向に沿って帯状に延在する振動領域を有している。第2部分250は、XZ´面を平面視したとき、振動領域である第1部分240のZ´軸と平行な一方の辺と、同じくZ´軸と平行な他方の辺のそれぞれに接する位置に設けられている。水晶振動素子210は、XY´面から水晶振動素子を見た側面において、厚さTex1である第1励振電極214aと厚みTex2である第2励振電極214bとに挟まれた水晶片の第1部分240を有している。第1部分240は、XY´面の平面視において厚さTである振動領域を有している。また、第2部分250の厚さTpeは、第1部分240の厚さTよりも薄い。図5に示されるように一対の励振電極214a,214bは、それぞれ、水晶片のX軸方向の中央部に位置する第1部分240の振動領域のX軸方向の長さL1の全て覆うようにX軸方向に長さELで設けられ、L1=ELと定めている。
図6は、厚みすべり振動を主振動とする振動モードを有する図5に示す水晶振動素子210について、下式1、下式2を満足し、かつ、X軸方向の長さL1の振動領域に、波数n=4となる振動モードを励振させた場合の振動の変位分布を示している。
なお、振動領域の水晶片の厚さT、第1部分のX軸方向における長さL1、第1励振電極の厚さTex1及び第2励振電極の厚さTex2の合計の厚さTex、励振電極の材料の比重γex、水晶片の材料の比重γxtとする。下式1により、水晶片の厚さTの値に加えて、励振電極の厚さTeに励振電極の材料の比重γexの水晶片の材料の比重γxtに対する比率を乗じた値で算出される水晶振動素子の振動領域の実効厚さTeが与えられる。X軸方向の振動領域における波数をn(nは自然数)とする。なお、下式1、下式2では、励振電極214aと励振電極214bとが、同じ材料で、同じ厚さで設けられているとした。
Te=T+Tex・γex/γxt ・・・式1
L1/Te=1.603・n−0.292 ・・・式2
図6の振動の変位分布から、水晶振動素子210において、振動の変位は第1部分240の振動領域内で閉じ込められており、第2部分250の振動の変位は、第1部分240に比べて十分に小さいことが分かる。
図7は、n=5のとき、式1及び式2を満足するように形成した水晶振動素子212における振動の変位分布を示している。図7の振動の変位分布から、n=5においても、振動の変位は第1部分241の振動領域内で閉じ込められており、第2部分251の振動の変位は、第1部分241に比べて十分に小さいことが分かる。
図8は、比較例であって、n=4.5のとき(すなわちnが自然数ではないとき)、式1及び式2を満足するように形成した水晶振動素子214における振動の変位分布を示している。図8の振動の変位分布から、水晶振動素子において、振動の変位は第1部分242の振動領域内で閉じ込められていないため、第2部分252の振動の変位は、図6の第2部分250又は図7の第2部分251に比べて大きいことが分かる。
ここで、水晶振動素子は保持器の封止空間内部に保持されて用いられている(例えば図2参照)。一般的に、水晶振動素子は、保持器の構成要素である基板上に設けられた導電性保持部材によって保持されている。したがって、水晶振動素子の振動エネルギーが導電性保持部材を介して基板への振動漏れが発生しやすくなる。そのため、振動の変位が実質的に小さい部分で導電性保持部材によって水晶振動素子を支持することができれば、基板への振動の漏れを低減できる。また、振動の変位が実質的に小さい部分の面積が小さければ導電性保持部材の保持面積に確保できなくなり、水晶振動素子の保持強度が低下する。その結果、落下衝撃又は経時変化によって水晶振動素子と導電性保持部材との間に応力が生じて亀裂や剥離が発生しやすくなる。この点について、図6及び図7に示した本発明の実施形態は、図8に示す比較例と比べ、第2部分のほぼ全域に非振動領域を配置することができる。よって、図6及び図7に示した本発明の実施形態は、振動漏れを低減し、かつ水晶振動素子と導電性保持部材との間に発生する亀裂、剥離を低減する効果を有する。
図5には、第2部分250の全域の厚さが、振動領域の第1部分240の厚さより薄い例を示した。
なお、水晶振動素子の態様は上記に限定されるものではなく、後述する第4変形例として、図10に示すような、厚さTを有する第1部分243と、X軸方向における第1部分243の両端において第1部分243に隣接した第2部分253と、第2部分253における第1部分243とは反対側に隣接した第3部分263とを有し、第2部分253の厚さTpeが第1部分243の厚さTよりも薄い構成を適用してもよい。この場合、第1部分243の厚さTと第3部分263の厚さTrmは同じであってもよい。言い換えれば、側面からみて、振動領域のX軸方向の両端に接する部分に他の部分よりも厚さが薄い第2方向に延びる溝部(第2部分253)を有する構成を適用してもよい。この場合であっても、第2部分253を非振動領域とすることができる。なお、図10では、水晶片の寸法を理解しやすくするため、水晶片の振動領域に厚みTexで設けられた一対の励振電極の一方であるY´軸正側の主面に設けられた励振電極の表示が省略されている。
特許文献2には、メサ形状の周辺部の厚さを、振動領域の厚さに対して薄くすると、厚みすべり振動に加え屈曲振動が励振されやすくなり、その結果、エネルギー閉じ込め効果が低下し小型化が困難であるという問題が開示されている。具体的には、周辺部の厚さTpeと振動領域の厚さTの比率が0.9である場合、図8の比較例と同じように、振動エネルギーが振動領域から第2部分に漏洩する。しかしながら、本発明の実施形態の変形例に係る構成を用いることにより、周辺部と振動領域の各厚さの比率Tpe/Tが0.9以上であっても、エネルギー閉じ込め効果の低下を防ぐことができる。
さらに別の変形例として、図5では水晶片の形状がメサ形状である構成を示したが、振動領域を有する第1部分と、X軸方向における第1部分の両端に隣接する、第1部分と略同じ厚さの第2部分とを備える構成を採用してもよい。言い換えれば、図3に示したように、水晶片の形状が直方体形状の構成でも実施することができる。この構成の場合、上式1を満たした上で、振動領域を発生させる励振電極のX軸方向の長さELと実効厚みTeとが、下式3を満足するように定められればよい。
EL/Te=1.603・n−0.292 ・・・式3
この場合の構成によっても、図5で示す構成に相当する効果が得られると考えられる。
図9A及び図9Bは、第3変形例を示した図であり、図5と同様のメサ形状についてシミュレーション結果を示したものである。第3変形例における条件は、W=0.277mm、T=0.033mm、L=0.77mm、EL=0.44mm、D=0.0012mm、Lt=0.165mm、Tex=0.267μmであって、G/T=0、W/T=8.39、L/T=23.7、EL/T=12.8、Tpe/T=0.927である。
図10〜図11Oは、第4変形例を示した図である。図10に示す水晶振動素子216は、厚さTを有する第1部分243と、X軸方向における第1部分243の両端において第1部分243に隣接した第2部分253と、第2部分253における第1部分243とは反対側に隣接した第3部分263とを有し、第2部分253が第1部分243よりも薄い。また、第1部分243と第3部分263の厚さは同じである。このような水晶振動素子216は、例えば一方側の第3部分263において導電性保持部材によって基板上に保持される。第4変形例における条件は、W=0.277mm、T=0.033mm、L=0.77mm、EL=0.44mm、D=0.0012mm、Lt=0.11mm、Lh=約0.055mm、Tex=0.267μmであって、G/T=0、W/T=8.39、L/T=23.7、EL/T=12.8である。なお、Lhは、Lh≒(L−EL−2Lt)/2の関係式により算出した。
ここで、図11I〜図11Oを参照しつつ、第4変形例に係る水晶振動素子の振動状態を説明する。図11I〜図11Oは、振動分布の厚さ方向表面側のシミュレーション結果であって、位相0°から略225°まで略45°単位で位相をずらしたときの振動状態を示したものである。各図では、図11Aと同様に、変位の大きさを10段階に区分して示しており、グレースケールの明るい色ほど変位量が大きいことを示している。各図の位相は近似値である。なお、モデルの各点の位置は振動分布の変位に比例して変位させている。
図11Iは、シミュレーション結果のX方向の負側(画面左側)に変位が最大となる場合の振動状態を位相0°として示した図である。図11Iに示すように、変位最大領域(図11Iのグレースケールが最も明るい領域)は3つ存在し、具体的には、X方向の略中央部に位置する第1領域、第2領域及び第3領域が存在する。第1領域は、Y方向の負側の長辺の位置にあり、第2領域は、第1領域からY方向の正側に離れた位置にあり、第3領域は、第2領域からY方向の正側に離れた位置にある。第1領域は、X軸方向に長軸を有する楕円を縦半分に割った半楕円状をなしている。また、第2領域及び第3領域は、X軸方向に長軸を有する楕円状をなしている。図11Iに示す変位最大領域は、最大変位量90%以上の変位量を示す強振動領域である。
図11Jは、位相略45°のシミュレーション結果を示す図である。図11Jでは、変位の最大値が減少しており、この減少に応じて変位最大領域の位置がX方向の正側に移動しているが、モデルの点(メッシュ)は位相0°と同じである。振動の分布傾向は位相0°と類似している。また、振動領域と非振動領域との境界の位置は位相0°と略同じである。
図11Kは、位相略90°のシミュレーション結果を示す図である。位相が進むにつれて、さらに、変位の最大値が減少するとともに変位最大領域の位置がX方向の正側に移動する。また、振動領域におけるX方向の長さは、位相0°から位相が進むにつれて徐々に小さくなり、位相略90°では表面全体の変位が現れなくなる。
図11Lは、位相略135°のシミュレーション結果を示す図である。位相略90°から位相が進むと、再び振動領域が現れ、位相が進むにつれて振動領域のX方向長さが大きくなる。位相略135°では、変位最大領域の位置は位相45°のX方向とは逆向きに現れる。
図11Mは、位相略180°のシミュレーション結果を示す図である。位相略135°から位相が進むと、変位の最大値が増加し、位相略180°では、変位最大領域の位置は位相0°のX方向とは逆向きに現れる。図11Mにおける変位最大領域は、最大変位量90%以上の変位量を示す強振動領域である。
図11Nは、位相略225°のシミュレーション結果を示す図である。位相略180°から位相が進むと、変位の最大値が減少するとともに変位最大領域の位置がX方向負側に移動する。なお、変位最大領域の位置は、位相0°、位相略45°、位相略135°、位相略180°、位相略225°のそれぞれにおいて略同じである。
図11Oは、位相略270°のシミュレーション結果を示す図である。位相が進むにつれて、さらに、変位の最大値が減少するとともに変位最大領域の位置がX方向の負側に移動する。また、振動領域におけるX方向の長さは、位相略180°から位相が進むにつれて徐々に小さくなり、位相略270°では表面全体の変位が現れなくなる。
以上のとおり、振動の変位分布の推移から、本実施例の振動は、特定の位置が常に変位極大点となる腹と、腹近傍の変位が半楕円状または楕円状となる振動分布と、X方向の両端に常に最小変位点となる節とを持つ、定常波を有して水晶振動素子が振動していることが分かる。なお、最大変位点の位置が、位相0°と略180°とで、腹の位置が異なるように見えるのは、発生した各方向の変位に正負応じてモデルの各部の位置を各方向の正負変位させたためである。
図12A〜図12Dは、比較例を示した図である。この比較例は、第4変形例に対して水晶片の短辺の長さWの数値を変更したものである。すなわち、比較例における条件は、W=0.260mm、T=0.033mm、L=0.77mm、EL=0.44mm、D=0.0012mm、Lt=0.11mm、Lh=約0.055mm、Tex=0.267μmであって、G/T=0、W/T=7.88、L/T=23.7、EL/T=12.8である。
<評価>
次に、第1変形例、第3変形例、第4変形例及び比較例を評価する。図13は、第1変形例、第3変形例、第4変形例及び比較例について振動状態を比較したグラフである。以下の評価の説明では、シミュレーションモデルのXYZ軸(結晶方位のXZ´Y´軸に相当する。)を基準とする。
図13は、第1変形例である平板(メサなし)のX方向成分(厚みすべりの主振動方向)の最大振幅強度を基準として、Z方向成分の成分を比率で表し、また、X成分に対するZ成分の比率をパーセントで示したものである。図13では、平板での全幅厚みすべり振動モードの振動分布(第1変形例)、メサでの全幅厚みすべり振動モードの振動分布(第3変形例)、支持付きメサでの全幅厚みすべり振動モードの振動分布(第4変形例)、支持付きメサでの非全幅厚みすべり振動モードの振動分布を表している。第1変形例、第3変形例及び第4変形例に係る水晶振動素子においては、X方向成分の振幅成分の最大強度の絶対値の80%以上の強度を示す強振動領域が、Y方向(結晶方位のZ´方向)に並び、かつX方向に長い楕円状の分布しており、水晶片の主面を平面視したとき、強振動領域が表裏の主面とで重ならず、位相が反転している。
図13によれば、第3変形例であるメサ形状により、振動領域(メサ凸部)の閉じ込め状態が改善し、平板に比べてX方向成分の振幅強度が9%増加した。一方で、Z(厚み)方向成分が、0.11から0.14に増加した。この要因としては、シミュレーションのモデルが、水晶片をエッチング加工することを想定して、段差部を直角でなく、結晶方位によるエッチングの異方性を考慮して、傾斜を、表の主面の段差のX方向の正側で55度、負側で33度とX方向において対称形状でない形状したため、振動の非対称性により、X方向の厚みすべり振動の副振動としてZ(厚み)方向の振動を励起したと考えられる。
また、第4変形例である支持付きメサにより、振動領域(メサ凸部)の閉じ込め状態が改善し、平板に比べてX方向成分の振幅強度が8%増加した。また、第3部分263(図10参照)である支持部(非振動部)の厚みを厚くして、段差部の形状の対称性の高めることで、Z方向成分の振動強度が減少したと考えられる。その一方で、支持部の厚みを厚くなり質量が増加したが、X方向成分の振動強度は、平板に比べて1.08と8%増加し、質量の小さいメサのX方向成分の振動強度、1.09から、わずかに0.01減少にとどまった。
また、比較例である支持付きメサでは、振動領域(メサ凸部)の閉じ込め状態が低下し、平板に比べてX方向成分の振幅強度が6%低減した。さらに、X方向の厚みすべり振動の副振動としてZ(厚み)方向成分の振動を励起し、また、Z(厚み)方向成分の振動強度は、0.45と大幅に増加し、X方向成分に対するZ(厚み)方向成分の比率が、47.6%と増加した。これは、X方向の屈曲振動が厚みすべりの振動領域に閉じ込められず、X方向成分に主要振動を有する厚みすべり振動の他に、Z方向(厚み)成分に主要振動を有する屈曲振動がメサ突起部に閉じ込められず、厚みすべり振動へのエネルギーの集中度が低下したためと考えられる。
さらに、支持付きメサについて支持部への振動漏れを評価するため、水晶片の第1方向の両端に設けた厚肉部支持部(つば部)の最大変位の振動領域内の最大変位に対する比率を求めた(図示しない)。第4変形例の場合0.03となり、比較例である全幅厚みすべり振動でない単なる厚みすべり振動(W/T=7.88)の場合0.17となった。これより、全幅厚みすべり振動を実施することで、単なる厚みすべり振動に比べて、水晶片の励振電極の幅方向の両側に非振動領域を設けず、かつ振動領域からの振動漏れが低減できる効果が得られる。
次に、図14を参照して水晶振動素子60の第5変形例について説明する。以下、上記内容と異なる点について説明する。
この水晶振動素子60は、水晶片61と、水晶片61の主面である第1面62a(表面)に設けられた第1励振電極64aと、水晶片61の第1面62aと対向する主面である第2面62b(裏面)に設けられた第2励振電極64bとを有する。
この例では、XZ´面を平面視したとき、Z´軸正方向側の第1励振電極64aの短辺は、Z´軸正方向側の水晶片61の長辺から隙間を有して設けられている。また、Z´軸負方向側の第1励振電極64aの短辺は、Z´軸負方向側の水晶片61の長辺から隙間を有して設けられている。
また、第2励振電極64bも同様に、XZ´面を平面視したとき、Z´軸正方向側の第2励振電極64bの短辺は、Z´軸正方向側の水晶片61の長辺から隙間を有して設けられている。また、Z´軸負方向側の第2励振電極64bの短辺は、Z´軸負方向側の水晶片61の長辺から隙間を有して設けられている。
すなわち、第1励振電極64aの両側の短辺が、水晶片61の第1面62a上で、水晶片61の両側の長辺からそれぞれ隙間を有して設けられている。そして、他方で、第2励振電極64bの両側の短辺が、水晶片61の第2面62b上で、水晶片61の両側の長辺からそれぞれ隙間を有して設けられている。これらの隙間の大きさGは、例えば0<G≦20μmである。なお、X方向の側面の稜線からの隙間の大きさGは、第1励振電極64aと第2励振電極64b間の交番電界によって水晶片61のZ´軸方向の側面に電界が印加される範囲内であることが好ましい。
隙間の大きさGは、励振電極の一辺において略一様あることが好ましい。また、第1励振電極64aの一方の辺と他方の辺とで、隙間の大きさGは略同じであることが好ましく、第2励振電極64bについても一方の辺と他方の辺とで、隙間の大きさGは略同じであることが好ましい。なお、変形例として、隙間の大きさGは、励振電極の一辺において部分的に異なっていてもよい。また、第1励振電極64a及び第2励振電極64bのいずれかの励振電極の一方の辺と他方の辺とで互いに異なっていてもよい。
本変形例においても、所定の発振周波数、例えばATカット基本発振周波数の交番電界を印加したときの厚みすべり振動を主要振動とする振動モードが発生し、その振動分布は、図4Aに基づいて説明した内容と本質的に同様である。また、本変形例においても、図4Aで示した振動領域40と同じように、XZ´面を平面視したとき、水晶片61のZ´軸方向に沿って帯状に延在しており、図14で示した第1励振電極64a及び第2励振電極64bの両側の短辺よりもさらに外側まで延在する。すなわち、図14の第1励振電極64a及び第2励振電極64bによる振動領域は、水晶片61のX軸方向と平行な一方の長辺から、同じくX軸方向と平行な他方の長辺にまで連続する帯状の形状を有している。ただし、本変形例においても、水晶片61のX軸方向に沿って振動領域の両側には、図4Aで示した非振動領域50a,50bが隣接している
なお、水晶片61において、第1励振電極64aに引出電極65aを介して電気的に接続された接続電極66aと、第2励振電極64bに引出電極65bを介して電気的に接続された接続電極66bとが形成されていることは既に説明したとおりである。
以上のとおり、本実施形態に係る変形例においても、水晶片61のZ´軸方向に沿って全幅厚みすべり振動モードが発生することから良好な振動特性を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、図15及び図16を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る水晶振動子2を説明する。ここで、図15は、水晶振動子2の分解斜視図であり、図16は図15のXVI−XVI線断面図である。本実施形態においては、水晶振動子2のパッケージングの態様が第1実施形態と異なっており、水晶振動素子110における水晶片102、第1励振電極114a及び第2励振電極114bの形状、寸法及び両者の位置関係は第1実施形態と同様の構成を適用することができる。以下、第1実施形態の内容と異なる点を説明する。
図15に示すように、本実施形態に係る水晶振動子2は、水晶振動素子110と、第1基板120と、第2基板130とを備える。
本変形例では、第1及び第2基板120,130が水晶振動素子110の水晶片102を収容するためのケース又はパッケージである。水晶振動素子110、第1基板120及び第2基板130は、XZ´平面においてそれぞれ略同一の寸法及び形状(矩形形状)を有している。ウエハレベルチップサイズパッケージ(Wafer LeveChip Size Package、以下「WLCSP」と呼ぶ。)などのウエハ状態のまま水晶片のパッケージングまでを行う製法を採用した場合は、第1基板120に相当するウエハ、水晶振動素子110に相当するウエハ及び第2基板130に相当するウエハからなる3層構造を一括して加工し、ダイシングソーを用いて個々の水晶振動子1に分割して製造する。したがって、水晶振動素子110、第1基板120及び第2基板130は、実質的に同一の寸法及び形状を有する。
水晶振動素子110は、水晶片102と、水晶片102の外周を囲む枠体104と、水晶片102と枠体104を連結する連結部材118a,118bとを備える。枠体104は水晶片102を支持するための支持体の一例である。水晶片102、枠体104及び連結部材118a,118bはいずれも所定の結晶方位を有する水晶材料から形成されており、例えばATカットの水晶材料から形成される。
水晶振動素子110のY´軸方向における厚さは特に限定されるものではないが、例えば図16に示すように、水晶片102、枠体104及び連結部材118a,110bの厚さは全て同じであってもよい。あるいは、メサ構造に類似の構成として、振動エネルギーの閉じ込め性の向上を図るために、連結部材118a,118bの厚さを水晶片102よりも薄くしてもよい。
水晶振動素子110は、X軸方向の長辺と、Z´軸方向の短辺と、Y´軸方向の厚さとを有している。図15に示す例においては、連結部材118a,118bは、いずれも、水晶片102のX軸方向側の長辺の一方端に配置されている。水晶片102は、枠体104から離れて設けられており、両者は連結部材118a,118bによって連結されている。なお、図1に示す例では長辺の一方端側に配置された2個の連結部材が示されているが、連結部材の個数やその配置等は特に限定されない。例えば、連結部材は、長辺の一方端側に配置された1個の連結部材を適用してもよいし、あるいは、2個の連結部材の一方を長辺の一方端側に配置し、他方を長辺の他方端側に配置してもよい。
水晶振動素子110は、コーナーの一部が円筒曲面状に切断して形成された切り欠き側面108a,108b,108c,108dを有する。また、同様に、第1基板120においても切り欠き側面122a,122b,122c,122dが形成され、第2基板130においても切り欠き側面132a,132b,132c,132dが形成されている。このような切り欠き側面は、WLCSPなどのウエハ状態のままパッケージングまでを行う製法を採用したことに伴って形成される。この場合、水晶振動素子110、第1基板120及び第2基板130の切り欠き側面のうち、例えば切り欠き側面108a,122a,132aはそれぞれY´軸方向に一致して形成されている。なお、切り欠き側面の形状は円筒曲面状以外の形状であってもよいし、あるいはこのような切り欠きはなくてもよい。
水晶片102の表裏面にはそれぞれ第1及び第2励振電極114a,114bが形成されている。第1励振電極114aは、水晶片102の第1面112a(表面)に設けられ、他方、第2励振電極114bは、水晶片102の第1面112aに対向する第2面112b(裏面)に設けられている。第1及び第2励振電極114a,114bは一対の電極としてXZ´平面を平面視した場合に水晶片102を介して略全体が重なり合うように配置されている。各励振電極114a,114bはXZ´平面において矩形形状をなしており、例えば、図15に示すように、励振電極の長辺が水晶片102の短辺と平行であるとともに、励振電極の短辺が水晶片102の長辺と平行であるように設けられていてもよい。
枠体104の第1面111aには、第1励振電極114aに電気的に接続された引出電極115aが形成されている。引出電極115aは、第1励振電極114aから一方の連結部材118aを通って引き出された後、枠体104の第1面111a上を通って、切り欠き側面108aに向かって引き出され、枠体104の第2面111bに形成された接続電極116aに電気的に接続されている。他方、枠体104の第2面111bには、第2励振電極114bに電気的に接続された引出電極115bが形成されている。引出電極115bは、第2励振電極114bから他方の連結部材118bを通って引き出された後、枠体104の第2面111bを通って、コーナーにおける切り欠き側面108bに向かって延出され、枠体104の第2面111bに形成された接続電極116bに電気的に接続されている。このように、図10に示す例では、第1及び第2励振電極114a,114bに電気的に接続された接続電極116a,116bが、枠体104の対向するコーナーに配置されている。
なお、第1及び第2励振電極114a,114bに電気的に接続される接続電極116a,116bの配置は特に限定されるものではなく、例えば、枠体104のX軸負方向側の2つのコーナー、すなわち切り欠き側面108d,108bに配置されてもよい。
第1及び第2励振電極114a,114b、引出電極115a,115b、接続電極116a,116bは、例えば、下地をクロム(Cr)層で形成し、クロム層の表面に金(Au)層を形成してもよく、その材料は限定されるものではない。
第1基板120は、水晶片102の第1面112a側に配置される。また、第2基板130は、水晶片102の第2面112b側に配置される。すなわち、第1基板120、水晶振動素子110及び第2基板130はこの順番で積層され、3層構造をなしている。第2基板130は、水晶振動素子110が搭載される搭載面と、搭載面に対向し、外部と電気的に接続される実装面を有する。
第2基板130の実装面には、各コーナーに外部電極134a,134b,134c,134dが形成されている。水晶振動素子110が第2基板130に搭載されると、外部電極134aが接続電極116a及び引出電極115aを介して第1励振電極114aに電気的に接続される。これにより、外部電極134bが接続電極116b及び引出電極115bを介して第2励振電極114bに電気的に接続されることになる。残りの外部電極134c,134dは、第1及び第2励振電極114a,114bのいずれとも電気的に接続されないダミー電極であってもよい。ダミー電極の詳細は既に説明したとおりである。
なお、図15に示す例では、第1及び第2励振電極114a,114bに電気的に接続される外部電極134a,134bは、第2基板130における対向するコーナーに配置されているが、これに限定されるものではなく他のコーナーに配置してもよい。また、第2基板130の各コーナーに円筒曲面状の切り欠き側面が形成される場合、各外部電極は対応する各コーナーにおいて、第2基板130の実装面から切り欠き側面に至るように延出されていてもよい。
外部電極134a〜134dは、例えば、クロム(Cr)や金(Au)などで形成される。その形成方法はスパッタ法又はメッキ法を用いた。なお、本実施形態においては4つの外部電極からなる4端子構造を示すが、外部電極の数は特に限定されるものではなく、例えば2つの外部電極からなる2端子構造を適用してもよい。
第1及び第2基板120,130は、平板な基板である。また、第1及び第2基板120,130の材質は、ガラス(例えばケイ酸塩ガラス、又はケイ酸塩以外を主成分とする材料であって、昇温によりガラス転移現象を有する材料)から構成されていてもよいし、あるいは水晶振動素子110と同一材質である水晶(例えばATカット水晶)から構成されていてもよい。
図15及び図16に示すように、第1基板120は枠体104の第1面111aの全周に第1接合材140を介して接合され、他方、第2基板130は、枠体104の111bの全周に第2接合材142を介して接合される。第1及び第2接合材140,142が枠体104の各面の全周に設けられることにより、水晶片102が内部空間(キャビティ)123に密封封止される。第1及び第2接合材140,142は、各部材の接合面同士を接合するとともに内部空間を形成するように密封封止できればよく、その材料は限定されるものではない。第1及び第2接合材140,142は、例えば、低融点ガラス(例えば鉛ホウ酸系や錫リン酸系等)などのガラス接着材料であってもよいし、あるいは、樹脂接着剤を用いてもよい。
本実施形態に係る水晶振動素子110における水晶片102と第1励振電極114a及び第2励振電極114bの構成は上記第1実施形態で説明した内容を適用することができる(図1〜図14参照)。本実施形態に係る水晶振動子2によれば、水晶片102のZ´軸方向に沿って全幅厚みすべり振動モードが発生することから良好な振動特性を得ることができる。
<第3実施形態>
図17及び図18を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る水晶振動子を説明する。ここで、図17は、水晶振動子の分解斜視図であり、図18は図17のXVIII−XVIII線断面図である。なお、図18において、水晶振動素子の各種電極の図示は省略されている。
以下、本実施形態に係る水晶振動子の構成について説明する。以下においては、第1及び第2実施形態において説明した内容と矛盾しない限り、これらで説明した内容を適宜選択的に適用することができる。
図17に示すように、本実施形態に係る水晶振動子1001は、水晶振動素子1100と、キャップ1200と、基板1300とを備える。キャップ1200及び基板1300は、水晶振動素子1100を収容するための保持器(ケース又はパッケージ)である。
水晶振動素子1100は、水晶片1110と、水晶片1110の表裏面にそれぞれ設けられた励振電極1120,1130(以下では、「第1及び第2励振電極1120,1130」ともいう。)とを含む。第1励振電極1120は、水晶片1110の主面である第1面1112(表面)に設けられている。第2励振電極1130は、水晶片1110の第1面1112と対向する主面である第2面1114(裏面)に設けられている。
水晶片1110の結晶構造やカット角等の構成については、第1実施形態において説明した水晶片11の内容を適用することができる。図17に示す例では、水晶片1110はATカットの水晶片である。ATカットの水晶片1110は、X軸と平行な長辺と、Z´軸と平行な短辺と、Y´軸と平行な厚さを有する。なお、以下においては、長辺を長手方向、短辺を短手方向及び厚さを厚さ方向と呼ぶこともある。また、ATカットの水晶片1110は、XZ´面における平面視において長方形状をなしている。
本実施形態に係る水晶片は上記構成に限定されるものではなく、例えば、Z´軸と平行な長辺と、X軸方向と平行な短辺とを有するATカット水晶片を適用してもよい。あるいは、主要振動が厚みすべり振動モードであれば、例えばBTカットなどのATカット以外の異なるカットの水晶片であってもよい。
第1励振電極1120は、水晶片1110の第1面1112(Y´軸正方向側のXZ´面)に形成され、また、第2励振電極1130は、水晶片1110の第1面1112とは反対の第2面1114(Y´軸負方向側のXZ´面)に形成されている。第1及び第2励振電極1120,1130は、水晶片1110を介して一対の電極としてXZ´面を平面視した場合に略全体が重なり合うように配置されている。第1及び第2励振電極1120,1130はXZ´面において長方形状をなしている。また、励振電極の長辺は水晶片1110の長辺と平行になるとともに、励振電極の短辺は水晶片1110の短辺と平行になりように設けられている。なお、水晶片1110及び各励振電極1120,1130の各構成の詳細は後述する。
水晶片1110には、第1励振電極1120に引出電極1122を介して電気的に接続された接続電極1124と、第2励振電極1130に引出電極1132を介して電気的に接続された接続電極1134とが形成されている。具体的には、引出電極1122は、第1面1112において第1励振電極1120からX軸負方向側短辺に向かって引き出され、さらに水晶片1110のX軸負方向側の側面を通って、第2面1114に形成された接続電極1124に接続されている。他方、引出電極1132は、第2面1114において第2励振電極1130からX軸負方向側短辺に向かって引き出され、第2面1114に形成された接続電極1134に接続されている。接続電極1124,1134は、X軸負方向側の短辺に沿って配置され、これらの接続電極1124,1134は、後述する導電性保持部材1340,1342を介して基板1300に電気的導通を図るとともに機械的に保持される。なお、本実施形態において、接続電極1124,1134及び引出電極1122,1132の配置やパターン形状は限定されるものではなく、他の部材との電気的接続を考慮して適宜変更することができる。
第1及び第2励振電極1120,1130、引出電極1122,1132、接続電極1124,1134は、例えば、下地をクロム(Cr)層で形成し、クロム層の表面に金(Au)層を形成してもよく、その材料は限定されるものではない。
図18に示すように、キャップ1200は、基板1300の第1面1302に対向して開口した凹部1204を有する。凹部1204には、開口の全周に亘って、凹部1204の底面から立ち上がるように形成された側壁部1202が設けられており、側壁部1202は、基板1300の第1面1302に対向する端面1205を有する。
キャップ1200の材質は特に限定されるものではないが、例えば金属で構成されていてもよい。これによれば、キャップ1200を接地電位に電気的に接続させることによりシールド機能を付加することができる。あるいは、キャップ1200は、絶縁材料又は金属・絶縁材料の複合構造であってもよい。
なお、変形例として、キャップ1200は、側壁部1202からさらに開口外方向へ突出するフランジ部を有してもよい。これによれば、フランジ部と基板1300を接合することによって、両者の接合面積を大きくすることができるため、両者の接合強度の向上を図ることができる。
基板1300の第1面1302(上面)には、水晶振動素子1100が搭載される。図17に示す例では、基板1300は、X軸と平行な長辺と、Z´軸と平行な短辺と、Y´軸と平行な厚さを有しており、XZ´面において長方形状をなしている。基板1300は、例えば絶縁性セラミックで形成されてもよく、例えば複数の絶縁性セラミックシートを積層して焼成することによって形成されてもよい。あるいは、基板1300は、ガラス材料、水晶材料又はガラスエポキシ樹脂などで形成してもよい。基板1300は耐熱性材料から構成されることが好ましい。基板1300は、単層であっても複数層であってもよく、複数層である場合、第1面1302の最表層に絶縁層が形成されてもよい。また、基板1300は、平板状をなしてもよいし、あるいは、キャップ1200に対向する向きに開口した凹状をなしてもよい。図15に示すように、キャップ1200及び基板1300の両者が接合材1350を介して接合されることによって、水晶振動素子1100が、キャップ1200の凹部1204と基板1300とによって囲まれた内部空間(キャビティ)1206内に封止される。
接合材1350は、キャップ1200及び基板1300の各全周に亘って設けられており、キャップ1200の側壁部1202の端面1205と、基板1300の第1面1302との間に介在している。接合材1350は絶縁性材料からなる。絶縁性材料としては、例えばガラス材料(例えば低融点ガラス)であってもよく、あるいは、樹脂材料(例えばエポキシ系樹脂)であってもよい。これらの絶縁性材料は、金属材料に比べて融点が低く、また低コストである。そのため、これらの絶縁性材料を接合材1350に用いることによりキャップ1200と基板1300との接合工程における加熱温度を抑えることができ、また水晶振動子の低コスト化を図ることができる。
図18に示す例では、水晶振動素子1100は、その一方端(導電性保持部材1340,1342側の端部)が固定端であり、その他方端が自由端となっている。なお、変形例として、水晶振動素子1100は、長手方向の両端において基板1300に固定されていてもよい。
図17に示すように、基板1300は、第1面1302に形成された接続電極1320,1322と、接続電極1320,1322から第1面1302の外縁に向かって引き出される引出電極1320a,1322aとを含む。接続電極1320,1322は、水晶振動素子1100が基板1300の第1面1302の略中央に配置することができるように、基板1300の外縁よりも内側に配置されている。
接続電極1320には、導電性保持部材1340を介して、水晶振動素子1100の接続電極1124が接続され、他方、接続電極1322には、導電性保持部材1342を介して、水晶振動素子1100の接続電極1134が接続される。
引出電極1320aは、接続電極1320から基板1300のいずれか1つのコーナー部に向かって引き出され、他方、引出電極1322aは、接続電極1322から基板1300の他の1つのコーナー部に向かって引き出されている。また、基板1300の各コーナー部には、複数の外部電極1330,1332,1334,1336が形成されている。図17に示す例では、引出電極1320aがZ´軸負方向及びX軸負方向側のコーナー部に形成された外部電極1330に接続され、他方、引出電極1322aがZ´軸正方向及びX軸正方向側のコーナー部に形成された外部電極1332に接続されている。また図17に示すように、残りのコーナー部にも、外部電極1334,1336が形成されていてもよい。これらの外部電極は、既に説明したダミー電極として用いてもよい。この場合、ダミー電極としての外部電極1334,1336に、導電性材料からなるキャップ1200を電気的に接続することによって、キャップ1200にシールド機能を付加してもよい。
図17に示す例では、基板1300のコーナー部は、その一部が円筒曲面状に切断して形成された切り欠き側面を有しており、外部電極1330,1332,1334,1336は、第1面1302、切り欠き側面及び第2面1304にかけて連続的に形成されている。なお、基板1300のコーナー部の形状はこれに限定されるものではなく、切り欠きの形状は平面状であってもよいし、切り欠きがなく、平面視して、四隅が直角な矩形形状であってもよい。
なお、基板1300の接続電極、引出電極及び外部電極の各構成は上述の例に限定されるものではなく、様々に変形して適用することができる。例えば、接続電極1320,1322は、一方がX軸正方向側に形成され、他方がX軸負方向側に形成されるなど、基板1300の第1面1302上において互いに異なる側に配置されていてもよい。このような構成においては、水晶振動素子1100が、長手方向の一方端及び他方端の両方において基板1300に支持されることになる。また、外部電極の個数や配置、ダミー電極の有無、外部電極と接続電極との電気的な接続態様については既に説明した内容を適用することができる。
図17に示すような水晶振動子1001においては、外部電極1330,1332を介して、水晶振動素子1100における一対の第1及び第2励振電極1120,1130の間に交流電圧を印加することにより、厚みすべりを主振動モードとして水晶片1110が振動し、該振動に伴う共振特性が得られる。
次に、図19〜図21を参照しつつ、図17に示される水晶振動素子についてさらに詳述する。図19は、図17に示される水晶振動素子のうち、水晶片及びその第1面上の励振電極を示したものである(説明の便宜上、引出電極及び接続電極の図示を省略している)。図20A及び図20Bは、水晶振動素子の特性を説明するためのグラフである。図21は、水晶振動素子の等価回路を示す図である。
図19に示すように、Z´軸正方向側において、励振電極1120の長辺縁1120aは、水晶片1110のZ´軸正方向側の長辺縁1112aと平行となっており、また、励振電極1120の長辺縁1120aと水晶片1110の長辺縁1112aとの間の距離をGとし、水晶片1110におけるそれぞれの励振電極1120,1130の間の厚さTとした場合、
0.0002≦G/T≦0.5
の関係を有している。言い換えれば、励振電極1120の長辺縁1120aは、水晶片1110の長辺縁1112aよりも距離Gだけ内側に離間しており、その距離Gは水晶片1110の厚さTに対して上記関係式を備えている。
これによれば、水晶片1110の各主面の縁は、製造プロセスにおいてダメージを受けやすく材質が変化するおそれがあるため、上記関係式の下限を設定することによって、このようなダメージに起因する振動特性の劣化を抑制することができる。他方、距離Gを大きくし過ぎると、振動に寄与しない無駄な面積を拡げることになるため、上記関係式の上限を設定することによって、水晶振動素子の小型化を図りつつ、励振電極の実効面積の確保が図れる。
また、水晶振動素子は、その等価回路の容量比が小さければ、良好な振動特性が得られることがわかっている。すなわち、図21に示すように、等価直列抵抗R1、等価直列容量C1、等価インダクタンスL1が直列に接続され、かつ、等価並列容量C0が並列に接続された、水晶振動素子の等価回路において、この容量比C0/C1=γが小さければ、水晶振動素子の周波数感度を大きくすることができることが知られている。
この点について、図20A及び図20Bを用いてG/Tと容量比γとの関係を見てみると、図20Aに示されるとおり、G/T=0.5付近において容量比γの増加率が大きくなる臨界点があることがわかり、他方、図20B(図20AのうちG/Tがゼロ付近のレンジを示した図である。)に示されるとおり、G/Tが0.0002未満となり0.0001に近づいた付近でも、容量比γが大きくなるように変動していることがわかる。すなわち、G/Tが上記関係式を有することによって、容量比γを小さくすることができることがわかる。そして、容量比γを小さくすることによって、水晶振動素子の周波数感度を大きくすることができ、こうして水晶振動素子の周波数制御性を向上して良好な振動特性を得ることができる。さらに、水晶片の端面からG/Tが0.0002未満の範囲に励振電極が設けられれば、容量比γの変動の影響に加えて、水晶片の端面形状が不安定である影響を受ける。そのため、G/Tが0.0002以上となるように励振電極を水晶片に設けることが好ましい。
また、図20Aに示されるとおり、G/T=0.2付近(0.2と0.3の間)にも容量比γの増加率が大きくなる臨界点があることから、さらに、
G/T≦0.2
の関係を有するとより好ましい。
またさらに、0.0002≦G/T≦0.2の関係を有すると、容量比γが小さく、かつ安定に設定できるため、最も好ましい。
なお、以上に説明したG/Tについての関係式は、Z´軸負方向側における、励振電極1120の長辺縁1120bと水晶片1110のZ´軸負方向側の長辺縁1112bとの関係についても同様に当てはまるものである。また、上記においては、水晶片1110の第1面1112の励振電極1120について説明したが、水晶片1110の第2面1114側の長辺についても、同様に当てはまるものである。なお、水晶片1110の長辺側に上記関係式を適用するのは、相対的に距離が長い長辺のほうが短辺に比べて水晶振動素子の振動特性に及ぼす影響が大きいためである。
また、水晶片1110の短辺の幅Wとすると、
W/T≦10.2
の関係をさらに有していてもよい。以下、この関係式の技術的意義について説明する。
水晶振動素子では、主振動の他に、形状、寸法に起因するスプリアス(不要振動)による共振が発生する。このスプリアスによる共振は、インピーダンスカーブに大なり小なりのディップ(くぼみ)として現れる。主振動付近にディップがあると、発振周波数がズレたり、共振抵抗が増えることによって発振に対する余裕度が低下したりなど、水晶振動素子に悪影響を及ぼす可能性がある。ここで、本実施形態のような矩形状の水晶振動素子では、短辺の幅W、水晶片の厚さTとした場合、スプリアスはW/Tに関連した幅振動であり、複数次モードとして多数存在する。このようなスプリアスを幅スプリアスと呼ぶ。幅スプリアスを主振動付近について見てみると、Wが小さい場合は、図22Aのように、幅スプリアスの周波数間隔が大きくなり、他方、Wが大きい場合は、図22Bのように、幅スプリアスの周波数間隔が小さくなる。さらに、温度変化に対する変動を見てみると、ATカットの水晶片において、主振動は例えば、0℃から50℃の温度変化に伴い3次関数的に変化し、より具体的には10ppm程度のレンジで変動するが、他方、幅スプリアスは、値が小さくなるように1次関数的に変化し、より具体的には約1.0%変動する。このように温度変化に対する幅スプリアスから見ると、主振動の変動は相対的に無視できる。
図23を参照して、温度変化に対するスプリアス振動の影響が少ないW/Tについて説明する。ここで、図23は、横軸をW/Tとし、縦軸をΔF/ΔP(スプリアス密度)としたグラフである。なお、温度変化の条件は、電子機器の主要な使用温度である0℃から50℃とする。
図23について具体的に説明する。まず、有限要素法解析により、常温において、W/Tを変動させて、主振動前後の周波数での幅スプリアスの発生周波数及び個数を調査し、隣接するスプリアス間の平均周波数間隔ΔP(MHz)を算出した。また、一つの条件として、周波数37.4MHzで、W=430(W/T=10.35)のものを抜き出して周波数温度を0℃から50℃に変化させた解析を行った。この解析結果から、主振動前後の幅スプリアス10個について、0℃から50℃変化したときのスプリアスの変動量を計算し、その平均値ΔF(MHz)を算出した。すなわち、各W/Tにおいて、幅スプリアスの周波数は、温度変化により、ΔFの変動幅を持つ。そして、主振動を挟む2つの幅スプリアスの周波数間隔ΔPが、ΔFより小さいと、温度変化に対し、隣接する幅スプリアスの少なくとも一方が主振動を横切る可能性があることになる。このように、各W/Tにおいて、隣接する幅スプリアスの周波数間隔ΔPがΔFに対して小さいと、主振動を横切る幅スプリアスが避けられない可能性が大きくなり、場合によっては、幅スプリアスが複数横切ることになり、急激に特性を劣化させる可能性がある。そこで、図23に示すように、ΔF/ΔP≦1、つまり主振動に隣接する2つ幅スプリアスの間隔が、0℃から50℃変化した変動幅と一致するW/Tよりも小さい領域(すなわち、図23に示されるとおり、W/T≦10.2)では、幅スプリアスが主振動を横切らない設計、詳細には主振動の励振周波数と幅スプリアスの周波数とが一致しない設計とできる可能性が高くなり、より小さいほうが横切るリスクが少なくなる。なお、幅スプリアスの位置は、水晶片にべベル又はコンベックス加工を施すことによっても多少変動可能である。そこで、W/T≦10.2において、さらにべベル又はコンベックス加工を施すことによって幅寸法を疑似的に小さくし、これによって幅スプリアスが主振動を横切るリスクをさらに少なくすることもできる。
なお、水晶片1110の各長辺の長さLは、所望の振動特性などに鑑みて適宜選択すればよい。
本実施形態によれば、水晶片1110の長辺縁1112aと励振電極1120の長辺縁1120aとの間の距離Gと、水晶片1110におけるそれぞれの励振電極1120,1130の間の厚さTとの関係が上記関係式を満たしているので、既に説明したとおり、良好な振動特性を得ることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。なお、以下の説明においては上記内容と異なる点を説明することとし、上記内容と同じ構成については図中において同一の符号を付している。
図24〜図26を参照しつつ、本実施形態の変形例に係る水晶振動素子について説明する。以下の各変形例ではいずれも水晶片の構成が上記内容と異なっている。
図24は、第1変形例に係る水晶振動素子を説明するための図であり、この例ではいわゆる長手方向にメサ構造を採用した水晶片を備えている。
本変形例に係る水晶振動素子1400の水晶片1410は、励振電極1420,1430が互いに重なる振動部1402と、振動部1402に接続されており振動部1402よりも薄く形成された薄肉端部1404,1406とを有している。水晶片1410は、図17に示す例と同様に、X軸と平行な長辺とZ´軸と平行な短辺とを有し、薄肉端部1404,1406は、水晶片1410の長辺が延在する方向の両端に設けられている。また、励振電極1420は、振動部1402の一方の主面である第1面1412に形成され、他方、励振電極1430は、振動部1402の他方の主面である第2面1414に形成されている。振動部1402の第1及び第2面1412,1414はいずれもX軸方向に平行方向に長い長方形状に形成されている。
本変形例においても、Z´軸正方向側において、励振電極1420の長辺縁1420aは、水晶片1410のZ´軸正方向側の長辺縁1412aと平行となっており、また、励振電極1420の長辺縁1420aと水晶片1410の長辺縁1412aとの間の距離をGとし、水晶片1410におけるそれぞれの励振電極1420,1430の間の厚さTとした場合、既に説明したG/Tの関係式を有している。なお、G/Tについての関係式は、Z´軸負方向側における、励振電極1420の長辺縁1420bと水晶片1410のX軸負方向側の長辺縁1412bとの関係についても同様に当てはまるものである。また、G/Tの関係式は、水晶片1410の励振電極1430側の長辺についても、同様に当てはまるものである。
本変形例によれば、水晶片1410が長手方向の両端に振動部1402よりも厚さが薄く形成された薄肉端部1404,1406を有しているので、既に説明したとおり良好な振動特性を得ることができることに加えて、振動エネルギー閉じ込め性に優れるなどメサ型構造特有の作用効果も有する。
図25は、第2変形例に係る水晶振動素子を説明するための図であり、この例ではいわゆる短手方向にメサ構造を採用した水晶片を備えている。
本変形例に係る水晶振動素子1500の水晶片1510は、励振電極1520と図示しないY´軸負方向側の励振電極とが互いに重なる振動部1502と、振動部1502に接続されており振動部1502よりも薄く形成された薄肉端部1504,1506とを有している。水晶片1510は、図17に示す例と同様に、X軸と平行な長辺とZ´軸と平行な短辺とを有し、薄肉端部1504,1506は、水晶片1510の短辺が延在する方向の両端に設けられている。また、励振電極1520は、振動部1502の一方の主面である第1面1512に形成され、他方、図示されていないY´軸負方向側の励振電極は、振動部1502の他方の主面である第2面1514に形成されている。振動部1502の第1及び第2面1512,1514はいずれもX軸方向に平行な方向に長い長方形状に形成されている。
本変形例においても、Z´軸正方向側において、励振電極1520の長辺縁1520aは、水晶片1510のZ´軸正方向側の長辺縁1512aと平行となっており、また、励振電極1520の長辺縁1520aと水晶片1510の長辺縁1512aとの間の距離をGとし、水晶片1510におけるそれぞれの励振電極の間の厚さTとした場合、既に説明したG/Tの関係式を有している。なお、G/Tについての関係式は、Z´軸負方向側における、励振電極1520の長辺縁1520bと水晶片1510のZ´軸負方向側の長辺縁1512bとの関係についても同様に当てはまるものである。また、G/Tの関係式は、水晶片1510の励振電極1530側の長辺についても、同様に当てはまるものである。
本変形例によれば、水晶片1510が短手方向の両端に振動部1502よりも厚さが薄く形成された薄肉端部1504,1506を有しているので、既に説明したとおり良好な振動特性を得ることができることに加えて、振動エネルギー閉じ込め性に優れるなどメサ型構造特有の作用効果も有する。
なお、上記メサ構造の態様は図24及び図25に限定されるものではなく、例えば図24及び図25に示す各構成を組み合わせたメサ構造を採用してもよい。これによれば、水晶片が長手方向及び短手方向のそれぞれにおいて薄肉端部を有し、図24及び図25の各態様について説明した作用効果を備えることができる。
図26は、第3変形例に係る水晶振動素子を説明するための図であり、この例では水晶片の端部と振動部との間に溝が形成されている。
本変形例に係る水晶振動素子1600の水晶片1610は、第1面1612に励振電極1620が設けられ、第2面1614に励振電極1630が設けられている。第1及び第2励振電極1620,1630は、水晶片1610を挟んで互いに重なって設けられている。水晶片1610は、第1及び第2励振電極1620,1630が互いに重なる振動部1602を有する。水晶片1610は、図17に示す例と同様にX軸と平行な長辺とZ´軸と平行な短辺とを有する。そして、水晶片1610の長辺が延在する方向のX軸正方向側に第1端部1604が設けられ、反対のX軸負方向側に第2端部1606が設けられている。すなわち、振動部1602は、これらの第1端部1604及び第2端部1606の間に設けられている。
そして、図26に示す例では、第1端部1604と振動部1602との間、及び、第2端部1606と振動部1602との間に、それぞれ溝1608,1609が形成されている。これらの溝1608,1609は、水晶片1610の一方の長辺縁1612aから他方の長辺縁1612bに延在している。各溝1608,1609は、水晶片1610のY´正方向側に形成されている。なお、図26に示すように、水晶片1610のY´負方向側にも同様に溝がそれぞれ形成されていてもよい。溝1608,1609の深さは特に限定されるものではなく、所望の振動特性が得られるよう適宜設定すればよい。溝1608,1609の延在方向に直交する断面形状は特に限定されるものではなく、図26に示すように底面が設けられた凹状であってもよいし、あるいは傾斜した2つの側面によって構成されるV字状であってもよい。また、溝1608,1609は図26に示すようにそれぞれ延在方向に同一の断面形状を有していてもよいし、例えば溝幅が異なるなど、異なる断面形状を有していてもよい。
励振電極1620は、振動部1602の一方の主面である第1面1612に形成され、他方、励振電極1630は、振動部1602の他方の主面である第2面1614に形成されている。振動部1602の第1及び第2面1612,1614はいずれもX軸と平行な長辺と、Z´軸と平行な短辺とを有する長方形状に形成されている。
本変形例においても、Z´軸正方向側において、励振電極1620の長辺縁1620aは、水晶片1610のZ´軸正方向側の長辺縁1612aと平行となっており、また、励振電極1620の長辺縁1620aと水晶片1610の長辺縁1612aとの間の距離をGとし、水晶片1610におけるそれぞれの励振電極1620,1630の間の厚さTとした場合、既に説明したG/Tの関係式を有している。なお、G/Tについての関係式は、Z´軸負方向側における、励振電極1620の長辺縁1620bと水晶片1610のZ´軸負方向側の長辺縁1612bとの関係についても同様に当てはまるものである。また、G/Tの関係式は、水晶片1610の励振電極1630側の長辺についても、同様に当てはまるものである。
本変形例によれば、第1端部1604と振動部1602との間、及び、第2端部1606と振動部1602との間に、それぞれ溝1608,1609が形成されているため、いわゆるメサ型構造特有の作用効果を備えている。すなわち、既に説明したとおり良好な振動特性を得ることができることに加えて、振動エネルギー閉じ込め性に優れるなどメサ型構造特有の作用効果も有する。
なお、図26に示す例では、例えばY´軸正方向側において溝が2列形成された構成を説明した。しかしながら溝の態様はこれに限定されるものではなく、溝は、水晶片の短辺の方向に延在する1つであってもよい。あるいは、水晶片の短辺の方向に延在する溝が、水晶片の長辺の方向に3列以上配列されていてもよい。さらに別の態様として、例えば、水晶片の第1端部及び第2端部との間に、一つの幅広の溝が形成され、当該溝の底面に励振電極が形成されていてもよい。この場合、励振電極が形成される溝の底面は、振動部の主面となる。
本実施形態に係る構成は、第1実施形態で説明した全幅厚みすべり振動モードによる振動特性を備えていてもよい。この場合、本実施形態で説明した作用効果に加え、第1実施形態において説明したとおり、全幅厚みすべり振動が発生によって、均一な振動を得ることができる。したがって、さらに良好な振動特性を得ることができる。
以上の説明においては、水晶片の全体又は各構成が略直方体の態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばべベル構造又はコンベックス構造のような、中央部から端部に向かって徐々に厚さを小さくした形状に適用することも可能である。この場合、上記厚さTは、それぞれの励振電極の間のうち最も厚い部分(例えば励振電極の中央部)に適用することができる。
各実施形態において水晶片における全幅厚みすべり振動モードの振動分布は、水晶片の表裏面の両方に発生する。
上記した各部の寸法、形状及び方向等は厳密である必要はなく、当業者にとって同等であると理解し得るものを含む。
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 水晶振動子
2 水晶振動子
10 水晶振動素子
11 水晶片
14a 励振電極
14b 励振電極
20 蓋部材
23 内部空間
30 基板
36a 導電性保持部材
36b 導電性保持部材
40 振動領域
50 非振動領域

Claims (20)

  1. 所定の結晶方位を有しかつ平面視において第1方向及び第2方向を有する水晶片と、
    交番電界を印加したとき前記水晶片に前記第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動を励振するように前記水晶片の表面及び裏面にそれぞれ設けられた励振電極と、
    を備え、
    前記水晶片における厚みすべり振動を主要振動とする振動分布が、前記水晶片の前記第2方向に帯状に延在する振動領域と、前記水晶片の前記第1方向において前記振動領域の両側にそれぞれ隣接する非振動領域とを有し、
    前記励振電極が、前記水晶片の前記第2方向の両端からそれぞれ距離Gの隙間を有して設けられ、
    前記水晶片におけるそれぞれの前記励振電極の間の厚さTとすると、
    0<G/T≦0.5
    の関係を有する、水晶振動素子。
  2. 平面視において第1方向及び第2方向を有するATカットされた水晶片と、
    前記水晶片の表面及び裏面に対向して設けられた励振電極と、
    を備え、
    前記水晶片における前記励振電極で励振された前記第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動の振動分布が、前記第2方向で対向する前記水晶片の2つの辺を横切るように延在しかつ前記第1方向に距離をあけて対向して設けられた2つの振幅の節と、前記2つの節で挟まれた位置に設けられた振動領域の振幅の腹とを有し、
    前記励振電極が、前記水晶片の前記第2方向の両端からそれぞれ距離Gの隙間を有して設けられ、
    前記水晶片におけるそれぞれの前記励振電極の間の厚さTとすると、
    0<G/T≦0.5
    の関係を有する、水晶振動素子。
  3. 所定の結晶方位を有しかつ平面視において第1方向及び第2方向を有する水晶片と、
    前記第1方向の中央部に位置し少なくとも厚みすべり振動で振動する振動領域と、前記第1方向において前記振動領域の両側を挟む非振動領域とを有するように前記水晶片の表面及び裏面にそれぞれ設けられた励振電極と、
    を有し、
    前記振動領域と前記非振動領域との境界が、前記水晶片の前記第2方向で対向する前記第1方向に延びる2つ辺を結び、前記第2方向に波状に延びており、
    前記励振電極が、前記水晶片の前記第2方向の両端からそれぞれ距離Gの隙間を有して設けられ、
    前記水晶片におけるそれぞれの前記励振電極の間の厚さTとすると、
    0<G/T≦0.5
    の関係を有する、水晶振動素子。
  4. G/T≦0.2
    の関係をさらに有する、請求項からのいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  5. 0.0002≦G/T
    の関係をさらに有する、請求項からのいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  6. 前記水晶片の前記第2方向の幅Wとすると、
    W/T≦10.2の関係をさらに有する、請求項からのいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  7. 前記振動領域が、一つ又は複数の強振動領域を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  8. 所定の結晶方位を有しかつ平面視において第1方向及び第2方向を有する水晶片と、
    交番電界を印加したとき前記水晶片に前記第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動を励振するように前記水晶片の表面及び裏面にそれぞれ設けられた励振電極と、
    を備え、
    前記水晶片における厚みすべり振動を主要振動とする振動分布が、前記水晶片の前記第2方向に帯状に延在する振動領域と、前記水晶片の前記第1方向において前記振動領域の両側にそれぞれ隣接する非振動領域とを有し、
    前記水晶片は、前記振動領域を有する第1部分と、前記第1方向における前記第1部分の両端に隣接する第2部分とを備え、
    前記励振電極は、前記第1方向において、前記振動領域の前記第1方向に複数の波数を有するように設けられ、
    前記水晶片の前記表面及び前記裏面の前記励振電極の厚さTex、前記励振電極で挟まれた前記水晶片の厚さT、前記第1部分の前記第1方向における長さL1、前記励振電極の材料の比重γex、前記水晶片の材料の比重γxtとしたとき、式1から求められる実効厚さTeが、波数n(nは自然数)としたとき、式2の関係を満足する、水晶振動素子。
    Te=T+Tex・γex/γxt ・・・式1
    L1/Te=1.603・n−0.292 ・・・式2
  9. 平面視において第1方向及び第2方向を有するATカットされた水晶片と、
    前記水晶片の表面及び裏面に対向して設けられた励振電極と、
    を備え、
    前記水晶片における前記励振電極で励振された前記第1方向に主要振動を有する厚みすべり振動の振動分布が、前記第2方向で対向する前記水晶片の2つの辺を横切るように延在しかつ前記第1方向に距離をあけて対向して設けられた2つの振幅の節と、前記2つの節で挟まれた位置に設けられた振動領域の振幅の腹とを有し、
    前記水晶片は、前記振動領域を有する第1部分と、前記第1方向における前記第1部分の両端に隣接する第2部分とを備え、
    前記励振電極は、前記第1方向において、前記振動領域の前記第1方向に複数の波数を有するように設けられ、
    前記水晶片の前記表面及び前記裏面の前記励振電極の厚さTex、前記励振電極で挟まれた前記水晶片の厚さT、前記第1部分の前記第1方向における長さL1、前記励振電極の材料の比重γex、前記水晶片の材料の比重γxtとしたとき、式1から求められる実効厚さTeが、波数n(nは自然数)としたとき、式2の関係を満足する、水晶振動素子。
    Te=T+Tex・γex/γxt ・・・式1
    L1/Te=1.603・n−0.292 ・・・式2
  10. 所定の結晶方位を有しかつ平面視において第1方向及び第2方向を有する水晶片と、
    前記第1方向の中央部に位置し少なくとも厚みすべり振動で振動する振動領域と、前記第1方向において前記振動領域の両側を挟む非振動領域とを有するように前記水晶片の表面及び裏面にそれぞれ設けられた励振電極と、
    を有し、
    前記振動領域と前記非振動領域との境界が、前記水晶片の前記第2方向で対向する前記第1方向に延びる2つ辺を結び、前記第2方向に波状に延びており、
    前記水晶片は、前記振動領域を有する第1部分と、前記第1方向における前記第1部分の両端に隣接する第2部分とを備え、
    前記励振電極は、前記第1方向において、前記振動領域の前記第1方向に複数の波数を有するように設けられ、
    前記水晶片の前記表面及び前記裏面の前記励振電極の厚さTex、前記励振電極で挟まれた前記水晶片の厚さT、前記第1部分の前記第1方向における長さL1、前記励振電極の材料の比重γex、前記水晶片の材料の比重γxtとしたとき、式1から求められる実効厚さTeが、波数n(nは自然数)としたとき、式2の関係を満足する、水晶振動素子。
    Te=T+Tex・γex/γxt ・・・式1
    L1/Te=1.603・n−0.292 ・・・式2
  11. 前記第2部分の厚さは前記第1部分の厚さより薄い、請求項から10のいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  12. 前記水晶片は、前記第1方向における前記第2部分の両端に隣接する第3部分をさらに備え、前記第3部分は前記第2部分の厚さよりも厚い、請求項11記載の水晶振動素子。
  13. 前記水晶片の前記第3部分は、前記第1部分と同じ厚さである、請求項12記載の水晶振動素子。
  14. 前記第1方向において、前記振動領域の長さL1の全域を覆うように前記励振電極が設けられている、請求項から13のいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  15. 前記水晶片を平面視したとき、前記第1方向と前記第2方向とに直交する辺を有する長方形状である、請求項1から14のいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  16. 前記第1方向は、前記水晶片の結晶方位のX軸方向である、請求項1から15のいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  17. 前記水晶片の外周を囲む枠体と、
    前記水晶片と前記枠体とを連結する連結部材と
    をさらに備えた、請求項1から16のいずれか一項に記載の水晶振動素子。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の水晶振動素子と、
    前記水晶片を励振可能に支持する基板と、
    を備え、
    前記水晶片が、前記基板上に導電性保持部材を介して励振可能に支持された、水晶振動子。
  19. 前記基板に接合材を介して接合された蓋部材をさらに備え、
    前記水晶片が前記基板と前記蓋部材との内部空間に設けられた、請求項18に記載の水晶振動子。
  20. 請求項17に記載の水晶振動素子と、
    前記水晶片を励振可能に内部空間に収容するように前記水晶片の表裏側においてそれぞれ前記枠体に接合された第1及び第2基板と、
    を備えた、水晶振動子。
JP2017519950A 2015-10-08 2016-10-07 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子 Active JP6268629B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015200232 2015-10-08
JP2015200232 2015-10-08
JP2016059077 2016-03-23
JP2016059077 2016-03-23
JP2016089765 2016-04-27
JP2016089765 2016-04-27
PCT/JP2016/079920 WO2017061591A1 (ja) 2015-10-08 2016-10-07 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017182881A Division JP6819882B2 (ja) 2015-10-08 2017-09-22 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017061591A1 JPWO2017061591A1 (ja) 2017-10-19
JP6268629B2 true JP6268629B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=58487901

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017519950A Active JP6268629B2 (ja) 2015-10-08 2016-10-07 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子
JP2017182881A Active JP6819882B2 (ja) 2015-10-08 2017-09-22 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017182881A Active JP6819882B2 (ja) 2015-10-08 2017-09-22 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子

Country Status (5)

Country Link
US (4) US11139796B2 (ja)
JP (2) JP6268629B2 (ja)
CN (2) CN113472310A (ja)
TW (2) TWI718368B (ja)
WO (1) WO2017061591A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6701161B2 (ja) * 2015-02-18 2020-05-27 株式会社村田製作所 圧電振動デバイス及びその製造方法
CN113472310A (zh) * 2015-10-08 2021-10-01 株式会社村田制作所 水晶振动元件、以及具备该水晶振动元件的水晶振子
JP6797764B2 (ja) * 2017-08-09 2020-12-09 日本電波工業株式会社 水晶振動子およびその製造方法
WO2019167920A1 (ja) 2018-02-28 2019-09-06 株式会社村田製作所 振動基板、振動素子、及び振動子
US10840882B2 (en) * 2018-04-24 2020-11-17 Nihon Dempa Kogyo Co., Ltd. Crystal unit and manufacturing method thereof
JP2019193066A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 日本電波工業株式会社 水晶振動子
JP6760430B1 (ja) * 2019-03-27 2020-09-23 株式会社大真空 水晶振動デバイス
US11145726B2 (en) * 2019-10-16 2021-10-12 Applied Materials, Inc. Doped through-contact structures
JP7396858B2 (ja) * 2019-11-01 2023-12-12 日本電波工業株式会社 圧電デバイス及びその製造方法
TWI773193B (zh) * 2021-03-15 2022-08-01 台灣嘉碩科技股份有限公司 晶體裝置及諧振元件
CN113556099B (zh) * 2021-06-11 2022-10-14 成都泰美克晶体技术有限公司 压电石英晶体振荡片、谐振器和振荡器

Family Cites Families (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5186977U (ja) * 1974-12-28 1976-07-12
JPS5186977A (ja) * 1975-01-29 1976-07-30 Hitachi Ltd Denkaikokatoranjisutatosonoseizohoho
JPS5636814B2 (ja) 1975-02-21 1981-08-26
JPS542092A (en) * 1977-06-07 1979-01-09 Nippon Denpa Kogyo Kk Thickness slide piezooelectric vibrator holding structure
JPS5494173U (ja) * 1977-12-16 1979-07-03
JPS5677129U (ja) * 1979-11-16 1981-06-23
JPS5677129A (en) * 1979-11-29 1981-06-25 Yamashiro Seiki Seisakusho:Kk Small portable injection molding machine
JPS60160633U (ja) * 1984-03-31 1985-10-25 御代田精密株式会社 Atカツト小型矩形水晶振動子の電極構造
JPS61123211A (ja) * 1984-11-19 1986-06-11 Murata Mfg Co Ltd 圧電振動子および圧電振動子の振動周波数調整方法
JPS61147613A (ja) * 1984-12-21 1986-07-05 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 厚みすべり型圧電振動子
JPS61201512A (ja) * 1985-03-04 1986-09-06 Murata Mfg Co Ltd 圧電振動子
JPH07108039B2 (ja) * 1985-11-01 1995-11-15 耕司 戸田 正方形板振動子駆動方法
JPS63221706A (ja) * 1987-03-11 1988-09-14 Matsushima Kogyo Co Ltd 矩形状at振動子
JPH0748633B2 (ja) 1987-03-11 1995-05-24 日本ビクター株式会社 オ−デイオ用振幅及び群遅延の調整装置
JP2001007677A (ja) 1999-06-24 2001-01-12 Toyo Commun Equip Co Ltd 水晶振動子
US6621194B1 (en) 1999-11-15 2003-09-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Piezoelectric element having thickness shear vibration and mobile communication device using the same
JP2002340559A (ja) * 2001-05-11 2002-11-27 Piedekku Gijutsu Kenkyusho:Kk 水晶角速度センサ
JP4249502B2 (ja) 2003-02-04 2009-04-02 日本電波工業株式会社 圧電結晶材料及び圧電振動子
JP2006166390A (ja) * 2004-02-05 2006-06-22 Seiko Epson Corp 圧電振動片、圧電振動子及び圧電発振器
JP3838260B2 (ja) * 2004-10-14 2006-10-25 株式会社村田製作所 エネルギー閉じ込め型圧電共振子
JP4707021B2 (ja) 2005-08-22 2011-06-22 セイコーエプソン株式会社 圧電デバイス
JP4305542B2 (ja) * 2006-08-09 2009-07-29 エプソントヨコム株式会社 Atカット水晶振動片及びその製造方法
JP2008283665A (ja) * 2007-04-10 2008-11-20 Epson Toyocom Corp 輪郭振動子
JP5088613B2 (ja) * 2007-08-06 2012-12-05 セイコーエプソン株式会社 振動デバイスの周波数調整方法、並びに振動デバイスおよび電子デバイス
JP4458203B2 (ja) 2007-12-06 2010-04-28 株式会社村田製作所 圧電振動部品
JP4553047B2 (ja) * 2008-03-12 2010-09-29 セイコーエプソン株式会社 ラム波型共振子及び発振器
JP2010252303A (ja) * 2009-03-25 2010-11-04 Seiko Epson Corp 屈曲振動片およびそれを用いた発振器
JP5471303B2 (ja) * 2009-10-27 2014-04-16 セイコーエプソン株式会社 振動片及び振動子
JP5589403B2 (ja) * 2010-01-22 2014-09-17 株式会社村田製作所 圧電共振子
JP5589167B2 (ja) 2010-11-19 2014-09-17 セイコーエプソン株式会社 圧電振動片および圧電振動子
US8963402B2 (en) * 2010-11-30 2015-02-24 Seiko Epson Corporation Piezoelectric vibrator element, piezoelectric module, and electronic device
JP2012156978A (ja) * 2011-01-05 2012-08-16 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd Atカットの水晶振動片、水晶デバイス及び水晶振動片の製造方法
JP5708089B2 (ja) * 2011-03-18 2015-04-30 セイコーエプソン株式会社 圧電振動素子、圧電振動子、圧電発振器及び電子デバイス
JP5773418B2 (ja) * 2011-05-06 2015-09-02 日本電波工業株式会社 圧電振動片、圧電振動片を有する圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法
JP5804825B2 (ja) * 2011-07-29 2015-11-04 京セラクリスタルデバイス株式会社 水晶振動素子及び水晶デバイス
JP2013051512A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 水晶振動子
JP2013192052A (ja) 2012-03-14 2013-09-26 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 水晶デバイス及びその製造方法。
JP5943186B2 (ja) * 2012-03-19 2016-06-29 セイコーエプソン株式会社 振動片、振動子、電子デバイス、および電子機器
JP5943187B2 (ja) 2012-03-21 2016-06-29 セイコーエプソン株式会社 振動素子、振動子、電子デバイス、および電子機器
JP2013255051A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 Seiko Epson Corp 振動素子、振動子、電子デバイス、電子機器及び振動素子の製造方法
JP2014036426A (ja) 2012-08-10 2014-02-24 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電振動片及び圧電デバイス
JP5423870B2 (ja) 2012-12-25 2014-02-19 セイコーエプソン株式会社 メサ型圧電振動片及び圧電デバイス
CN104079251A (zh) * 2013-03-27 2014-10-01 日本电波工业株式会社 压电装置及压电装置的制造方法
JP6133697B2 (ja) 2013-06-12 2017-05-24 日本電波工業株式会社 圧電振動片、圧電デバイス、及び圧電デバイスの製造方法
JP6338367B2 (ja) 2013-12-24 2018-06-06 日本電波工業株式会社 水晶振動子
US9503045B2 (en) 2015-01-19 2016-11-22 Seiko Epson Corporation Resonator element, resonator, oscillator, electronic apparatus, and moving object
CN113472310A (zh) * 2015-10-08 2021-10-01 株式会社村田制作所 水晶振动元件、以及具备该水晶振动元件的水晶振子

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017061591A1 (ja) 2017-04-13
JPWO2017061591A1 (ja) 2017-10-19
TW201830741A (zh) 2018-08-16
JP6819882B2 (ja) 2021-01-27
CN113472310A (zh) 2021-10-01
US11038485B2 (en) 2021-06-15
TW201727955A (zh) 2017-08-01
CN108352821B (zh) 2021-11-23
US11277115B2 (en) 2022-03-15
US20180226944A1 (en) 2018-08-09
US20180226943A1 (en) 2018-08-09
US20180248536A1 (en) 2018-08-30
TWI630737B (zh) 2018-07-21
US11075615B2 (en) 2021-07-27
CN108352821A (zh) 2018-07-31
US20180241372A1 (en) 2018-08-23
US11139796B2 (en) 2021-10-05
JP2017220954A (ja) 2017-12-14
TWI718368B (zh) 2021-02-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6268629B2 (ja) 水晶振動素子、及びこの水晶振動素子を備える水晶振動子
JP4936221B2 (ja) メサ型圧電振動片、メサ型圧電振動デバイス、発振器、及び電子機器
US9948275B2 (en) Piezoelectric vibration element, piezoelectric vibrator, piezoelectric oscillator, and electronic device
JP5982898B2 (ja) 振動素子、振動子、電子デバイス、発振器、及び電子機器
US10205434B2 (en) Piezoelectric resonator unit and method of manufacturing the same
JP2009065270A (ja) メサ型振動片およびメサ型振動デバイス
JP5824967B2 (ja) 振動素子、振動子、電子デバイス、及び電子機器
JP5446941B2 (ja) 圧電振動片
JP6052651B1 (ja) 水晶振動子
JP2013042440A (ja) 圧電振動素子、圧電振動子、電子デバイス、及び電子機器
JP2012249099A (ja) 圧電振動片
WO2019167920A1 (ja) 振動基板、振動素子、及び振動子
JP5293852B2 (ja) メサ型圧電振動片、メサ型圧電振動デバイス、発振器、及び電子機器
JP4640511B2 (ja) 圧電振動素子、圧電振動子、及び圧電発振器
JP5413486B2 (ja) 振動片、振動デバイス、発振器、及び電子機器
US8212458B2 (en) Flexural-mode tuning-fork type quartz crystal resonator
JP5617983B2 (ja) 音叉型圧電振動片、および音叉型圧電振動デバイス
JP2018074343A (ja) 水晶素子および水晶デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6268629

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150