JP2012249099A - 圧電振動片 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化に対する周波数やCI値の変動を抑えて温度特性を良好にする。
【解決手段】水晶振動片2は、厚みすべり振動にて動作するものであり、基板21の一主面22の一端部26に、ベース6の電極パッド67に接合する接合部28が設けられている。また、基板21の一主面22に、第1の励振電極41が形成された第1のメサ31が成形され、基板21の他主面23に、第2の励振電極42が形成された第2のメサ32が成形されている。第1のメサ31と第2のメサ32とは非対応関係にあって異なる形状からなり、第1の励振電極41と第2の励振電極42とは対応関係にあって同形状からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電振動片に関する。
圧電振動子に搭載したATカット水晶振動片などの圧電振動片には、一般にその両主面に一対の励振電極が正対向して形成され、当該励振電極に交流電圧を印加する。
現在、圧電振動片を搭載する圧電振動子の小型化が進んでおり、それに伴って圧電振動片のサイズを小さくする必要があるが、圧電振動片を小さくすると、直列共振抵抗値(CI値)が大きくなったり、圧電振動子のベースに接合する際のベースへの接合保持の影響を受けてヒステリシスが大きくなるといった問題が生じる。
そこで、この従来の問題を解決したものに、両主面にメサが形成された圧電振動片があり(例えば、特許文献1参照)、両主面のメサにより、圧電振動片の振動エネルギーを閉じ込めて、CI値を抑えることができる。
特開2008−263387号公報
ところで、従来の技術では、圧電振動片をベースに接合保持する際、導電性接着剤を用いた接合が用いられている。特に、圧電振動片の超小型化が進んだ場合、接合の応力の影響が顕著になり、この応力が圧電振動片の諸特性に影響を及ぼす。具体的には、圧電振動片の温度変化(例えば、−40℃〜90℃)に対する周波数やCI値の変動が多くなる。また、上記のバイメサ構造の圧電振動片の場合、製造ばらつきによって、両主面に形成されたメサが対向せずに形成位置がズレた場合、特性悪化が顕著になる。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、温度変化に対する周波数やCI値の変動を抑えて温度特性を良好にする圧電振動片を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる圧電振動片は、厚みすべり振動にて動作する圧電振動片において、基板の一主面の一端部に、外部に接合する接合部が設けられ、前記基板の一主面に、第1の励振電極が形成された第1のメサが成形され、前記基板の他主面に、第2の励振電極が形成された第2のメサが成形され、前記第1のメサと前記第2のメサとは非対応関係にあって異なる形状からなり、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とは対応関係にあって同形状からなることを特徴とする。
本発明によれば、前記基板の一主面の一端部に前記接合部が設けられ、前記基板の一主面に、前記第1の励振電極が形成された前記第1のメサが成形され、前記基板の他主面に、前記第2の励振電極が形成された前記第2のメサが成形され、前記第1のメサと前記第2のメサとは非対応関係にあって異なる形状からなり、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とは対応関係にあって同形状からなるので、前記第1のメサと前記第2のメサとの非対応関係が周波数やCI値の変動を抑えるのに寄与して、当該圧電振動片の温度特性が良好となる。具体的には、温度変化に対する周波数変動の温度係数を大きく改善させて、温度を変数とした周波数変動量の傾きを抑えることが可能となり、その結果、温度変化に対する周波数変動(Δf)を少なくすることが可能となる。また、温度変化に対するCI値変動の温度係数を大きく改善させて、温度を変数としたCI値の傾きを抑えることが可能となり、温度変化に対するCI値の変動を少なくすることが可能となる。また、本発明によれば、前記第1のメサと前記第2のメサとが、非対応関係にあたる非対称メサ構成になるので、製造ばらつきにより前記第1のメサと前記第2のメサとが前記基板の両面の所望の形成位置からズレた位置に形成されたとしても、前記第1のメサと前記第2のメサの重なる対応領域の面積の変動量を少なくすることが可能となり、その結果、当該圧電振動片の諸特性の変動を抑えることが可能となる。
前記構成において、前記基板には、前記第1の励振電極および前記第2の励振電極を囲む環状の電極外周部が設けられ、前記電極外周部は、前記基板の前記両主面の前記第1の励振電極および前記第2の励振電極の外方に位置し、前記電極外周部は、前記一主面に凸部が形成され前記他主面が平坦面に形成された第1の非対応領域と、前記一主面が平坦面に形成され前記他主面に凸部が形成された第2の非対応領域とを含み、前記第1非の対応領域と前記第2の非対応領域とが交互に並んで配されてもよい。
この場合、前記基板の前記両主面の前記第1の励振電極および前記第2の励振電極の外方に位置する前記電極外周部が設けられ、前記電極外周部は前記第1の非対応領域と前記第2の非対応領域とを含み、前記第1の非対応領域と前記第2の非対応領域とが交互に並んで配されているので、前記第1の非対応領域と前記第2の非対応領域とにより不要な振動を抑えることが可能となり、その結果、前記励振電極の中心付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げずに、環状の前記電極外周部におけるスプリアス振動(厚み系のインハーモニックオーバートーンモードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モード)などを抑えることが可能となる。
前記構成において、前記第1のメサは、平面視多角形に成形され、前記第2のメサは、平面視多角形に成形され、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とは、平面視多角形または円形に形成されてもよい。
また、前記構成において、前記第1のメサが平面視多角形に成形され、かつ、前記第2のメサが平面視円形に成形され、もしくは、前記第1のメサが平面視円形に成形され、かつ、前記第2のメサが平面視多角形に成形され、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とは、平面視多角形に形成されてもよい。
前記構成において、当該圧電振動片は、ATカット水晶振動片であり、前記第1の励振電極および前記第2の励振電極と、前記接合部とは、前記基板にX軸方向に沿って配されてもよい。
この場合、前記第1の励振電極および前記第2の励振電極と、前記接合部とが、前記基板にX軸方向に沿って配されるので、振動漏れを減少させることが可能となり、CI等の特性を向上させることが可能となる。
本発明によれば、温度変化に対する周波数の変動量やCI値の変動量を抑えて温度特性を良好にする。
図1は、本実施の形態にかかる、内部空間を公開した水晶振動子の概略断面図である。 図2は、本実施の形態にかかる水晶振動片の概略平面図である。 図3は、本実施の形態にかかる水晶振動片の概略裏面図である。 図4は、本実施の形態にかかる水晶振動片の概略側面図である。 図5は、本実施の形態にかかる水晶振動片の温度変化に対する周波数やCI値の変動を示したグラフである。 図6は、比較例の水晶振動片の温度変化に対する周波数やCI値の変動を示したグラフである。 図7は、本実施の他の形態にかかる水晶振動片の概略平面図である。 図8は、本実施の他の形態にかかる水晶振動片の概略裏面図である。
以下、本発明にかかる実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の本実施の形態では、厚みすべり振動にて動作する圧電振動片として、ATカット水晶振動片に本発明を適用した場合を示す。
本実施の形態にかかる水晶振動子1には、図1に示すように、ATカット水晶振動片2(以下、水晶振動片という)と、この水晶振動片2を保持し、水晶振動片2を気密封止するための封止部材であるベース6と、ベース6に保持した水晶振動片2を気密封止するための封止部材である蓋7と、が設けられている。
この水晶振動子1では、ベース6と蓋7とからパッケージが構成され、ベース6と蓋7とが接合材8により接合されて、気密封止された内部空間11が形成される。この内部空間11では、水晶振動片2が、ベース6に、非流動性部材のメッキバンプからなる導電性バンプ(図示省略)を用いてFCB法(Flip Chip Bonding)により電気機械的に超音波接合されている。
次に、水晶振動子1の各構成について図1〜4を用いて説明する。
−ベース6−
ベース6は、図1に示すように、底部61と、ベース6の一主面62の主面外周に沿って底部61から上方に延出した壁部63と、から構成された箱状体に成形されている。このベース6は、セラミックの一枚板上にセラミックの枠体を積層し断面が凹状に一体焼成してなる。
ベース6の壁部63の天面は、蓋7との接合面であり、この接合面には、蓋7と接合するためのベース接合層(図示省略)が設けられている。
ベース6には、底部61と壁部63とによって囲まれたキャビティ64が形成され、このキャビティ64は、平面視矩形状に形成されている。本実施の形態では、キャビティ64は、平面視長方形に形成されている。また、ベース6の筐体裏面(他主面65)の四隅にキャスタレーション66が形成されている。
また、ベース6には、水晶振動片2の励振電極(以下、第1の励振電極41,第2の励振電極42という)それぞれと電気機械的に接合する電極パッド67と、外部部品や外部機器と電気的に接続する外部端子電極68と、電極パッド67と外部端子電極68とを電気的に接続させる配線パターン69とが、形成されている。
−蓋7−
蓋7は、金属材料からなり、平面視矩形状の直方体の一枚板に成形されている。この蓋7の下面には、ベース6と接合するための蓋接合層(図示省略)とろう材(図示省略)とが形成されている。この蓋7は、シーム溶接やビーム溶接等の局所加熱法、または金属やガラスのろう材を全体加熱法によりベース6に接合されて、蓋7とベース6とによる水晶振動子1のパッケージが構成される。なお、図1に示す符号8は、ベース接合層と蓋接合層とろう材とからなる接合材を示す。
−水晶振動片2−
水晶振動片2は、ATカット水晶片の基板21からなり、その外形は、図2〜4に示すように、両主面22,23(一主面22と他主面23)が略矩形状に形成された一枚板の直方体となっている。この基板21の長辺方向(平面視)がX軸に沿って成形され、短辺方向(平面視)がZ‘軸に沿って成形され、厚さ方向がY軸方向に沿って成形されている。この水晶振動片2は、100MHz未満の低周波帯域(本実施の形態では、24MHz)に対応した水晶振動片2である。
この水晶振動片2は、振動領域を構成する振動領域24と、外部電極であるベース6の電極パッド67と接合する接合領域25を有し、少なくとも振動領域24と接合領域25とが一体成形されて水晶振動片2の基板21が構成される。振動領域24は、基板中央領域に位置し、接合領域25は、基板21の一端部26に位置し、振動領域24と接合領域25とはX軸方向に沿って配されている。ここでいう一端部26とは、基板21の一方の短辺27およびその近傍の領域のことをいう。
また、水晶振動片2の基板21の一主面22に第1のメサ31が成形され、他主面23に第2のメサ32が成形されている。また、基板21の一主面22の一端部26には、外部(本実施の形態では、水晶振動片2を搭載するベース6)と接合する接合部28が設けられている。
第1のメサ31と、第2のメサ32とは非対応関係にあって異なる形状からなり、本実施の形態では、第1のメサ31は、一主面22に平面視多角形(本実施の形態では一対の対向角部33を切り欠いた六角形)に形成され、第1のメサ31の中心点は、基板21の中心点29と平面視同一位置にある。第2のメサ32は、他主面23に平面視多角形(本実施の形態では矩形状)に形成され、第2のメサ32の中心点は、基板21の中心点29と、平面視同一位置にある。なお、本実施の形態では、第1のメサ31の厚さと、第2のメサ32の厚さと、第1のメサ31および第2のメサ32を除く両主面の他の部位の厚さとの比率は、1:1:18に設定される。図4では、便宜上、第1のメサ31の厚さと、第2のメサ32の厚さと、第1のメサ31および第2のメサ32を除く両主面の他の部位の厚さとの厚さを略一定としている。
また、水晶振動片2には、図2〜4に示すように、その両主面22,23に、励振を行う一対の第1の励振電極41および第2の励振電極42と、ベース6の電極パッド67と電気機械的に接合する一対の端子電極43,44とが形成されている。また、これら第1の励振電極41,第2の励振電極42や、端子電極43,44以外に、両主面22,23や側面210に、第1の励振電極41,第2の励振電極42を端子電極43,44に引き出す引出電極45,46が形成されている。第1の励振電極41,第2の励振電極42は、引出電極45,46により引回されて端子電極43,44にそれぞれ電気的に接続されている。
第1の励振電極41,第2の励振電極42は、基板21の両主面22,23であって振動領域24の平面視中央に対向して形成されている。第1の励振電極41,第2の励振電極42は、例えば、基板21側からCr、Auの順に積層して形成されたCr−Au膜により構成される。
端子電極43,44は、接合部28であり、接合領域25であって基板21の一端部26の一主面22に形成されている。端子電極43,44のうち一方の端子電極43は、基板21の一方の長辺211を含むその近傍に形成され、他方の端子電極44は、他方の長辺212を含むその近傍に形成されている。これら端子電極43,44は、例えば、第1の励振電極41,第2の励振電極42と同様に、基板21側からCr、Auの順に積層して形成されたCr−Au膜により構成される。
引出電極45,46は、振動領域24および接合領域25に形成され、振動領域24から接合領域25に亘り、両主面22,23や側面210に形成されている。これら引出電極45,46は、例えば、第1の励振電極41,第2の励振電極42と同様に、基板21側からCr、Auの順に積層して形成されたCr−Au膜により構成される。
また、第1の励振電極41,第2の励振電極42についてさらに詳説すると、第1のメサ31上に第1の励振電極41が形成され、第2のメサ32上に第2の励振電極42が形成されている。これら第1の励振電極41と第2の励振電極42とは、対応関係にあって同形状からなり、六角形以上の平面視多角形に形成されている。本実施の形態では、図2,3に示すように八角形に形成され、同一面積からなり、基板21を介して対応(正対向)して形成されている。第1の励振電極41は一主面22の中央領域に形成され、第1の励振電極41の中心点と基板21の中心点29とは平面視同一位置にある。また、第2の励振電極42は他主面23の中央領域に形成され、第2の励振電極42の中心点と基板21の中心点29とは平面視同一位置にある。なお、これら第1の励振電極41および第2の励振電極42と、接合部28とは、図2〜4に示すように、基板21にX軸方向に沿って並んで配される。
また、基板21には、図2〜4に示すように、第1の励振電極41および第2の励振電極42を囲む環状(図2に示す矢印の軌跡に沿う領域)の電極外周部5が設けられている。この電極外周部5は、基板21上(両主面22,23上)において第1の励振電極41および第2の励振電極42の外方(平面視外方)にある。
電極外周部5では、一主面22に凸部が形成され他主面23が平坦面に形成された第1の非対応領域51と、一主面22が平坦面に形成され他主面23に凸部が形成された第2の非対応領域52と、両主面22,23が平坦面に形成された第3の対応領域53から構成されている。この電極外周部5では、第1の非対応領域51と第2の非対応領域52とが交互に並んで配され、第1の非対応領域51と第2の非対応領域52との間に第3の対応領域53が介在して配置される。なお、ここでいう一主面22に形成された凸部は、第1のメサ31の一部であり、他主面23に形成された凸部は、第2のメサ32の一部である。
上記のように、第1のメサ31と第2のメサ32とは、電極外周部5において正対向しない領域(水晶振動片2の平面視上、両主面22,23に形成された第1のメサ31と第2のメサ32とが重なりあわない第1の非対応領域51と第2の非対応領域52)が、図2に示す矢印に沿って交互に存在する。すなわち、第1のメサ31と第2のメサ32とが、非対応関係にあたる非対称メサ構成からなる。
具体的には、電極外周部5において第1の非対応領域51と第2の非対応領域52とが第3の対応領域53を介して交互に配されるので、厚み系のインハーモニックオーバートーンモードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モードなどについては、振動変位に影響して最も効率的に抑制される。
また、基板21に関して、第1のメサ31と第2のメサ32とが両方存在する部分の基板21の厚さ(第1の厚さ)と、第1のメサ31と第2のメサ32とのいずれか一方が存在する部分の基板21の厚さ(第2の厚さ)と、第1のメサ31と第2のメサ32とが両方存在しない部分の基板21の厚さ(第3の厚さ)との関係は、第1の厚さ>第2の厚さ>第3の厚さになる。
そして、上記構成からなる水晶振動子1では、図1に示すように、ベース6と水晶振動片2とが、導電性バンプを介してFCB法により電気機械的に超音波接合される。この接合により、水晶振動片2の第1の励振電極41および第2の励振電極42が、引出電極45,46、端子電極43,44、導電性バンプを介してベース6の電極パッド67に電気機械的に接合され、ベース6に水晶振動片2が搭載される。そして、水晶振動片2が搭載されたベース6に、蓋7が接合材8を介してFCB法により電気機械的に超音波接合されて、水晶振動片を気密封止した水晶振動子1が製造される。なお、導電性バンプを用いたFCB法の接合は強固な固定であり、第1のメサ31および第2のメサ32への影響が大きいが、本実施の形態のように、第1のメサ31と第2のメサ32とが非対称メサ構成からなるので、このような影響を緩和する効果が期待できる。また、ベース6と水晶振動片2の接合は、シリコーン樹脂等の樹脂材を用いた導電接着剤により行ってもよい。
本実施の形態にかかる水晶振動子1に搭載した水晶振動片2によれば、基板21の一主面22の一端部26に、ベース6の電極パッド67に接合する接合部28が設けられ、基板21の一主面22に、第1の励振電極41が形成された第1のメサ31が成形され、基板21の他主面23に、第2の励振電極42が形成された第2のメサ32が成形され、第1のメサ31と第2のメサ32とは非対応関係にあって異なる形状からなり、第1の励振電極41と第2の励振電極42とは対応関係にあって同形状からなるので、第1のメサ31と第2のメサ32との非対応関係が周波数やCI値の変動を抑えるのに寄与して、水晶振動片2の温度特性が良好となる。具体的には、温度変化に対する周波数変動の温度係数を大きく改善させて、温度を変数とした周波数変動量の傾きを抑えることができ、その結果、温度変化に対する周波数変動(Δf)を少なくすることができる。また、温度変化に対するCI値変動の温度係数を大きく改善させて、温度を変数としたCI値の傾きを抑えることができ、温度変化に対するCI値の変動を少なくすることができる。
また、第1のメサ31と第2のメサ32とが、非対応関係にあたる非対称メサ構成になるので、製造ばらつきにより第1のメサ31と第2のメサ32とが基板21の両面22,23の所望の形成位置からズレた位置に形成されたとしても、第1のメサ31と第2のメサ32の重なる対応領域の面積の変動量を少なくすることができ、その結果、水晶振動片2の諸特性の変動を抑えることができる。
また、基板21には、第1の励振電極41および第2の励振電極42を囲む環状の電極外周部5が設けられ、電極外周部5は、基板21の両主面22,23において第1の励振電極41および第2の励振電極42の外方に位置し、第1の非対応領域51と第2の非対応領域52とが含まれ、第1の非対応領域51と第2の非対応領域52とが交互に並んで配されるので、第1の非対応領域51と第2の非対応領域52とにより不要な振動を抑えることができ、その結果、第1の励振電極41と第2の励振電極42の中心付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げずに、環状の電極外周部5におけるスプリアス振動(厚み系のインハーモニックオーバートーンモードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モード)などを抑えることができる。
また、第1の励振電極41および第2の励振電極42と、接合部28とが、基板21にX軸方向に沿って配されるので、振動漏れを減少させることができ、CI等の特性を向上させることができる。
次に、これらの本実施の形態にかかる水晶振動片2の効果を図5,6に示す。図5に示すデータは、本実施の形態にかかる水晶振動片2の温度変化に対する周波数変動(Δf)とCI値変動を示した図である。図5に示す水晶振動片2のサンプル周波数は24MHzであり、その寸法は、図1を参照して、基板21のX方向の長さLは、2.210mmであり、基板21のZ’方向の長さWは、1.605mmであり、第1のメサ32の一辺の長さM1は、1.200mmであり、第2のメサ32のX方向の長さM21は、1.200mmであり、第2のメサ32のZ’方向の長さM22は、1.465mmである。また、基板21の第1の厚さは、67.70μmであり、第2の厚さは、64.31μmであり、第3の厚さは、60.93μmである。
一方、図6に示すデータは、本実施の形態にかかる水晶振動片2の比較例として、第1のメサと第2のメサとが対応関係にあって同一の平面視矩形状からなり、第1の励振電極と第2の励振電極とが対応関係にあって同一の平面視矩形状からなる水晶振動片を用い、この比較例にかかる水晶振動片の温度変化に対する周波数変動(Δf)とCI値変動を示した図である。この比較例にかかる水晶振動片のサンプル周波数は24MHzであり、その寸法は、基板のX方向の長さは、2.210mmであり、基板21のZ’方向の長さは、1.605mmであり、第1のメサおよび第2のメサ32のX方向の長さは、1.200mmであり、第1のメサおよび第2のメサ32のZ’方向の長さは、1.465mmである。また、第1のメサと第2のメサとが両方存在する部分の基板の厚さは、67.70μmであり、第1のメサと第2のメサとが両方存在しない部分の基板の厚さは、60.93μmである。なお、本実施の形態にかかる水晶振動片2と比較例の水晶振動片の他の構成について、同一構成からなる。
これら図5,6に示すように、本実施の形態にかかる水晶振動片2によれば、温度変化に対する周波数変動(Δf)が少なく、温度変化に対するCI値の変動が少ない。なお、図5,6では、●印がΔfを示し、×印がCI値を示す。
なお、本実施の形態では、一対の対向角部33を切り欠いた六角形の第1のメサ31と、矩形の第2のメサ32との形状に基づいて、第1の励振電極41と第2の励振電極42との形状を八角形としているが、これは、本実施の形態に最適な形状であるが、これに限定されるものではなく、第1のメサ31と第2のメサ32とは非対応関係にあって異なる形状からなり、第1の励振電極41と第2の励振電極42とは対応関係にあって同形状からなれば、他の形態であってもよい。例えば、図7,8に示すように、第1の励振電極41および第2の励振電極42の形状が、六角形であってもよい。
また、本実施の形態では、第1のメサ31が一対の対向角部33を切り欠いた六角形に形成され、第2のメサ32が矩形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、第1のメサ31と第2のメサ32とは非対応関係にあって異なる形状からなり、第1の励振電極41と第2の励振電極42とは対応関係にあって同形状からなれば、他の形態であってもよい。例えば、図7,8に示すように、第1のメサ31が平面視円形に形成され、第2のメサ32が平面視矩形状に形成されてもよい。なお、図7,8に示す第1のメサ31の円形は、正円形となっているが、これに限定されるものではなく、楕円形などの他の形状の円形であってもよい。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、特に水晶振動子に好適である。
1 水晶振動子
11 内部空間
2 ATカット水晶振動片
21 基板
22 一主面
23 他主面
24 振動領域
25 接合領域
26 一端部
27 一方の短辺
28 接合部
29 中心点
210 側面
211 一方の長辺
212 他方の長辺
31 第1のメサ
32 第2のメサ
33 対向角部
41 第1の励振電極
42 第2の励振電極
43,44 端子電極
45,46 引出電極
5 電極外周部
51 第1の対応領域
52 第2の対応領域
53 第3の対応領域
6 ベース
61 底部
62 一主面
63 壁部
64 キャビティ
65 他主面
66 キャスタレーション
67 電極パッド
68 外部端子電極
69 配線パターン
7 蓋
8 接合材

Claims (5)

  1. 厚みすべり振動にて動作する圧電振動片において、
    基板の一主面の一端部に、外部に接合する接合部が設けられ、
    前記基板の一主面に、第1の励振電極が形成された第1のメサが成形され、
    前記基板の他主面に、第2の励振電極が形成された第2のメサが成形され、
    前記第1のメサと前記第2のメサとは非対応関係にあって異なる形状からなり、
    前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とは対応関係にあって同形状からなることを特徴とする圧電振動片。
  2. 請求項1に記載の圧電振動片において、
    前記基板には、前記第1の励振電極および前記第2の励振電極を囲む環状の電極外周部が設けられ、前記電極外周部は、前記基板の前記両主面の前記第1の励振電極および前記第2の励振電極の外方に位置し、
    前記電極外周部は、前記一主面に凸部が形成され前記他主面が平坦面に形成された第1の非対応領域と、前記一主面が平坦面に形成され前記他主面に凸部が形成された第2の非対応領域とを含み、前記第1の非対応領域と前記第2の非対応領域とが交互に並んで配されたことを特徴とする圧電振動片。
  3. 請求項1または2に記載の圧電振動片において、
    前記第1のメサは、平面視多角形に成形され、
    前記第2のメサは、平面視多角形に成形され、
    前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とは、平面視多角形または円形に形成されたことを特徴とする圧電振動片。
  4. 請求項1または2に記載の圧電振動片において、
    前記第1のメサが平面視多角形に成形され、かつ、前記第2のメサが平面視円形に成形され、もしくは、前記第1のメサが平面視円形に成形され、かつ、前記第2のメサが平面視多角形に成形され、
    前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とは、平面視多角形に形成されたことを特徴とする圧電振動片。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の圧電振動片において、
    当該圧電振動片は、ATカット水晶振動片であり、
    前記第1の励振電極および前記第2の励振電極と、前記接合部とは、前記基板にX軸方向に沿って配されたことを特徴とする圧電振動片。
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