JP2009135830A - 水晶振動片、水晶振動子、及び水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】肉厚の振動部14と肉薄の周縁部16とを有するバイメサ型の水晶振動片10であって、振動部14の外形形状を矩形とすると共に、励振電極20の中心と振動部14の中心を一致させ、励振電極20と周縁部16のうちの少なくとも一方を構成する縁辺のうち、少なくとも長手方向に沿った中心軸と交差する縁辺部分のうちの一箇所を円弧状に形成し、厚み滑り振動と共に励起される屈曲振動の波長をλとした場合に、振動部14における長手方向の寸法L2を
で示すことのできる寸法としたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このような問題を解決するための手段は種々提案されており、例えば水晶素板の外形形状により不要振動の抑圧を図るものや(特許文献1、2参照)、水晶素板の表面形状により不要振動の抑圧を図るもの(特許文献3参照)等を挙げる事ができる。
で示すことのできる寸法としたことを特徴とする水晶振動片。
このような構成とすることで、振動部により不要振動である屈曲振動の抑圧を図ることができる。また、励振電極の縁辺を円弧状とした場合には感度の向上を図ることができ、周縁部の縁辺を円弧状とした場合には輪郭滑り振動の抑圧を図ることができる。よって、不要振動の抑圧と感度の改善、または複数種類の不要振動を総合的に抑圧することを実現することができる。
さらに、メサ型の水晶振動片では、周波数感度の向上を図るためには、励振電極の形状を振動エネルギーが集中する範囲(振動分布)に沿ったものとすることが望ましく、振動分布は、振動部の形状が理想的な形状に近いほどその範囲が明確となるという発想より、励振電極を楕円形状とする場合には振動部のも楕円形状としていた。また、振動エネルギーを閉じ込めるという面から、振動部を矩形とした場合に、水晶振動片の外形寸法を定める周縁部の形状に円弧部を持たせるという発想自体が存在しなかった。よって、上記構成では、これら従来の発想を覆すことで、簡易な構成で不要振動の抑圧と感度の改善、または複数種類の不要振動を総合的に抑圧することのできる水晶振動片を提供することが可能となる。
このような特徴を有する水晶振動片であれば、矩形状の励振電極に比べて、励振電極の形状が振動分布の形状に近づくため、感度の向上を図ることができる。よって、不要振動の抑圧と感度の向上の双方を実現することができる。
このような特徴を有する水晶振動片であれば、励振電極の形状が振動分布の形状に沿うこととなるため、感度の向上を図ることができる。よって、不要振動の抑圧と感度の向上の双方を実現することができる。
このような特徴を有する水晶振動片であれば、周縁部の長手方向縁辺が円弧状となることより、不要振動である輪郭滑り振動の抑圧を図ることができる。また、励振電極における縁辺を円弧状に形成した場合、または励振電極を楕円状に形成した場合には、感度の向上も図ることができる。よって、この場合には、複数種類の不要振動の抑圧と感度の改善との双方を実現することができる。
このような特徴を有する水晶振動片であれば、周縁部の外形形状を楕円状に形成されていることより、不要振動である輪郭滑り振動の抑圧を図ることができる。また、励振電極における縁辺を円弧状に形成した場合、または励振電極を楕円状に形成した場合には、感度の向上も図ることができる。よって、この場合には、複数種類の不要振動の抑圧と感度の改善との双方を実現することができる。
このような特徴を有する水晶振動子であれば、上記いずれかの適用例に記載した水晶振動片の効果を奏することのできる水晶振動子とすることができる。例えば、周波数感度の向上を図った水晶振動片を搭載した場合には、温度変化に対する周波数調整幅を広くとることが可能となる。また、屈曲振動と輪郭滑り振動といった複数の不要振動を総合的に抑圧可能な水晶振動子を搭載した場合には、主振動に重畳する不要振動が少なく、スプリアスを小さくすることができる。
このような特徴を有する水晶発振器であれば、上記適用例に示した水晶振動子の効果を奏することができる。例えば、周波数感度の向上を図った水晶振動片を搭載した水晶振動子では、温度変化に対する発振周波数の調整幅が増加する。したがって、温度補償回路を有する水晶発振器とした場合には、設計の余裕度が増すこととなる。
このような特徴を有する水晶発振器であれば、上記適用例7に記載の水晶発振器と同様な効果を得ることができる。
本実施形態における水晶素板12は、ATカットと呼ばれるカット角で切り出されたものを用いている。ATカットとは、水晶の結晶軸であるX軸とZ軸とを含む平面(Y面)をX軸回りにZ軸から反時計方向に約35度15分回転させて得られる主面(X軸とZ´軸とを含む主面)を有するように切り出された水晶素板12である。このような構成の水晶素板12では、水晶素板12の長手方向をX軸、短手方向をZ´軸、さらに厚さ方向をY´軸と定めることができる。
本実施形態に係る水晶振動片における構成要素のほとんどは上述した第1の実施形態に係る水晶振動片と同様である。よって、その機能を同一とする箇所には、図1に付した符号に100を足した符号を付して詳細な説明は省略することとする。
具体的には、本実施形態に係る水晶振動片110は、周縁部116を楕円形状としている。周縁部116の外形形状を楕円形状とすることにより、厚み滑り振動を主振動とした場合に不要振動の1つとなる輪郭滑り振動を抑圧するという効果を得ることができる。また、本実施形態に係る水晶振動片110は、励振電極120の形状を矩形としている。この場合、図6に示す励振電極120の長辺寸法L3は、振動部114の長辺寸法L2と不要振動の1つである屈曲振動の波長λとの関係において、数式5が成り立つように定めることが望ましい。
効果の多寡はあるが、輪郭滑り振動は、少なくともX軸と交差する縁辺の1つが直線から外れていれば抑圧することができるからである。
具体的には、振動部214の外形形状を矩形とし、励振電極220と周縁部216の外形形状をそれぞれ楕円形状としたことを特徴としている。ここで、振動部214の形成条件は、上述した第1の実施形態に係る水晶振動片10と同様である。また、振動部214と励振電極220との関係も、第1の実施形態に係る水晶振動片10と同様である。一方、周縁部216の形成条件は、第2の実施形態に係る水晶振動片110と同様である。
効果の大小はあるが、輪郭滑り振動は、少なくともX軸と交差する縁辺の1つが直線から外れていれば抑圧することができるからである。
本実施形態に係る水晶振動子30は、水晶振動片と、パッケージとから構成されている。前記水晶振動片は、上述した各実施形態に係る水晶振動片(例えば水晶振動片10)であれば良い。また、パッケージ32の構成は、特に限定されるものでは無いが、例えば次のような構成のものであれば良い。すなわち、前記パッケージ32は、パッケージベース36とリッド34とより構成されるものであれば良い。ここで、パッケージベース36は、水晶振動片10を収容するためのキャビティを有する箱体であり、セラミックス等の絶縁材料により構成されると良い。パッケージベース36の内部底面には、上記水晶振動片10における接続電極24を実装するための内部実装端子38が形成されている。また、パッケージベース36の外部底面には、外部実装端子40が設けられ、内部実装端子38と電気的に接続されている。
本実施形態に係る水晶発振器50は、図12に示した水晶振動子30をそのまま利用するもので、水晶振動子30の他、リードフレーム56と発振回路を備えたIC52を有する。
具体的な構成としては、リードフレーム56の上面にIC52を、リードフレーム56の下面に反転させた水晶振動子30をそれぞれ搭載し、リードフレーム56とIC52、IC52と水晶振動子30をそれぞれ金属ワイヤ64で接続するというものである。
本実施形態に係る水晶発振器50aは、図14に示すように、1つのパッケージ32aの中に、IC52と水晶振動片10を収容する形態を採るものである。図14に示す実施形態の場合、水晶発振器50aの小型化のために、IC52と水晶振動片10を縦方向に重ねるように配設することとしている。具体的には、パッケージベース36aのキャビティを階段状に形成し、最も下の段に位置する底板部にIC52を搭載する。IC52を搭載した段の上の段に、IC52とパッケージベース36aとを電気的に接続するための内部端子60を設け、IC52の能動面に設けられた端子54とパッケージベース36aに設けた内部端子60とを金属ワイヤ64により接続する。そして、前記内部端子60を設けた段の上の段に、水晶振動片10を実装するための内部実装端子38を設け、導電性接着剤42を介して水晶振動片10を実装する。水晶振動片10を実装した後、パッケージベース36aの上部開口部をリッド34aにより封止する。なお、内部端子60、内部実装端子38はそれぞれ、パッケージ32aの外部底面に設けた外部実装端子62に電気的に接続されている。このような構成の水晶発振器50aであっても、上記第1の実施形態に係る水晶発振器50と同様な効果を得ることができる。
Claims (8)
- 請求項1に記載の水晶振動片であって、
前記励振電極における前記縁辺を円弧状に形成したことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1に記載の水晶振動片であって、
前記励振電極の外形形状を楕円形状としたことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水晶振動片であって、
前記周縁部における前記縁辺を円弧状に形成したことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水晶振動片であって、
前記周縁部の外形形状を楕円形状としたことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の水晶振動片をパッケージに搭載したことを特徴とする水晶振動子。
- 請求項6に記載の水晶振動子に対して発振回路を搭載したことを特徴とする水晶発振器。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の水晶振動片と、発振回路とを単一のパッケージに搭載したことを特徴とする水晶発振器。
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