JP6268472B2 - インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6268472B2
JP6268472B2 JP2014035188A JP2014035188A JP6268472B2 JP 6268472 B2 JP6268472 B2 JP 6268472B2 JP 2014035188 A JP2014035188 A JP 2014035188A JP 2014035188 A JP2014035188 A JP 2014035188A JP 6268472 B2 JP6268472 B2 JP 6268472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
water
ink composition
resin
pigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014035188A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015160860A (ja
Inventor
佳孝 宮島
佳孝 宮島
憲司 北田
憲司 北田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2014035188A priority Critical patent/JP6268472B2/ja
Publication of JP2015160860A publication Critical patent/JP2015160860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6268472B2 publication Critical patent/JP6268472B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、インク組成物およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインクの小滴を吐出して飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。
近年、インクジェットの用途が拡大している捺染用途では、印刷された画像に対して、高い洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が要求されている。また、高度な耐光性や、染料のように布帛種を選ばず、色材除去工程が不要である等の利点から、色材として顔料が好まれるようになってきた。しかしながら、顔料は布帛への定着性に難があるため、一般的にはインク中にバインダーとなる樹脂エマルジョンを添加することによって、顔料と布帛との定着性を高めている。
例えば特許文献1〜2には、顔料、水分散性樹脂、及び水を含む捺染インクジェット用インクが開示されている。特許文献1〜2には、特定の皮膜伸度、特定の抗張力を有する水分散性樹脂を用いることにより、洗濯堅牢性及び摩擦堅牢性が良好となることが記載されている。
特開2009−30014号公報 特開2009−215506号公報
しかしながら、樹脂エマルジョンには、樹脂合成時の不純物や樹脂の原料となるモノマーが含まれており、これらの成分がインク中において異物となって発生することがあった。特に、捺染用途では、洗濯堅牢性や摩擦堅牢性を高める観点から、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂エマルジョンを使用することが多い。このようなガラス転移温度が0℃以下の樹脂エマルジョンは、インク中で疎水性部位が絡み合いやすく、その結果異物が発生しやすかった。このように、顔料の定着性を向上させるために樹脂エマルジョンを添加したインクでは、総じて異物が発生しやすいという課題があった。
また、インクを収容するカートリッジやインクパック、インクジェット記録装置の部材等から溶け出した樹脂成分や、顔料等のインク材料に含まれる不純物により異物が発生することもあった。
上記のような異物は、インクの保存安定性を低下させるだけでなく、ノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性の低下を招く原因となっていた。
本発明に係る幾つかの態様は、上記課題の少なくとも一部を解決することで、顔料の記録媒体に対する定着性が良好で、かつ、インク中における異物の発生を抑制できると共に、インクの保存安定性及びノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となるインク組成物を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインク組成物の一態様は、
水と、顔料と、樹脂エマルジョンと、水溶性包接化合物と、を含み、
前記水溶性包接化合物の含有量と前記樹脂エマルジョン(固形分)の含有量との比(水溶性包接化合物/樹脂エマルジョン(固形分))が、質量基準で0.01以上5以下であることを特徴とする。
適用例1のインク組成物によれば、樹脂エマルジョンによりインク(顔料)の記録媒体に対する定着性が良好となり、水溶性包接化合物が樹脂エマルジョン等に由来する異物を内包することにより、インク中での異物の発生が抑制される。インク中での異物の発生が抑制された結果、インクの保存安定性及びノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となる。
[適用例2]
適用例1のインク組成物において、
前記水溶性包接化合物を2種以上含むことができる。
水溶性包接化合物は、その種類によって内包できる異物のサイズや種類が異なっている。そのため、適用例2のインク組成物のように、水溶性包接化合物を2種以上含むことにより、様々な異物を内包することができるため、インク中での異物の発生を効果的に抑制することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2のインク組成物において、
前記水溶性包接化合物が、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であることができる。
シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体は、異物を内包する効果がとりわけ高い。そのため、適用例3のインク組成物によれば、インク中での異物の発生を効果的に抑制することができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例のインク組成物において、
前記樹脂エマルジョンに含まれる樹脂のガラス転移温度が0℃以下であることができる。
適用例4のインク組成物によれば、顔料の記録媒体への定着性、特に捺染用途における洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が良好となる。また、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂エマルジョンは、インク中で疎水性部位が絡み合いやすく、その結果異物が発生しやすいが、適用例4のインク組成物によれば、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂エマルジョンを使用した場合であっても、インク中での異物の発生を効果的に抑制することができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例のインク組成物において、
前記樹脂エマルジョンが、ウレタン樹脂、スチレンアクリル樹脂、およびアクリル樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例のインク組成物において、
前記樹脂エマルジョンが、自己反応型のウレタン樹脂を含むことができる。
適用例5または適用例6のインク組成物によれば、インク(顔料)の記録媒体への定着性、特に捺染用途における洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が良好となる。これらの中でも、樹脂エマルジョンに含まれる樹脂がウレタン樹脂である場合に特に異物が発生しやすいが、適用例5または適用例6のインク組成物によれば、インク中での異物の発生を効果的に抑制することができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインク組成物において、
前記水溶性包接化合物の含有量と前記顔料(固形分)の含有量との比(水溶性包接化合物/顔料(固形分))が、質量基準で0.1以上5以下であることができる。
適用例7のインク組成物によれば、顔料の記録媒体への良好な定着性とインク中での異物の発生の抑制とをバランス良く両立させることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例のインク組成物は、布帛へ記録を行う捺染用インクであることができる。
本発明に係るインク組成物は、布帛に対するインク(顔料)の定着性が良好であり、その結果洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が良好となるため、布帛への記録を行う捺染用途に特に好適となる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例のインク組成物は、インクジェットインクであることができる。
本発明に係るインク組成物は、インク中での異物の発生が抑制される結果、インクの保存安定性及びノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となるため、インクジェットインクとして特に好適となる。
[適用例10]
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、適用例9のインクジェットインクを用いてインクジェット記録を行うことを特徴とする。
適用例10のインクジェット記録方法によれば、インク中での異物の発生が効果的に抑制される結果、ノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となるため、良好な記録を行うことができる。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
以下、インク組成物、インクジェット記録方法に大別してこの順に説明する。本明細書において、「インクジェット捺染」とは、インクジェット方式を利用して被記録媒体の一
種である布帛(の表面)にインクを記録することをいい、インクジェット記録の一種である。「印捺物」とは、被記録媒体の一種である布帛(の表面)にインクが記録されて画像が形成されたものをいう。
1.インク組成物
本実施の形態に係るインク組成物は、水と、顔料と、樹脂エマルジョンと、水溶性包接化合物と、を含み、前記水溶性包接化合物の含有量と前記樹脂エマルジョン(固形分)の含有量との比(水溶性包接化合物/樹脂エマルジョン(固形分))が、質量基準で0.01以上5以下であることを特徴とする。
本実施の形態に係るインク組成物によれば、樹脂エマルジョンにより顔料の記録媒体に対する定着性が良好となり、水溶性包接化合物が樹脂エマルジョン等に由来する異物を内包することにより、インク中での異物の発生が抑制される。インク中での異物の発生が抑制されることで、インクの保存安定性及びノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となる。
以下、本実施の形態に係るインクジェット組成物に含まれる各成分について説明する。
1.1.樹脂エマルジョン
本実施の形態に係るインク組成物は、樹脂エマルジョンを含む。インク組成物が樹脂エマルジョンを含むことにより、印捺物の柔軟性が優れたものとなり、かつ、インク(顔料)の定着性が優れたものとなる。これにより、印捺物の洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が良好となる。
樹脂エマルジョンは、後述する加熱処理により布帛上に樹脂皮膜を形成することができる。この樹脂皮膜が、布帛上にインク(顔料)を強固に定着させるので、印捺物の洗濯堅牢性や摩擦堅牢性を優れたものとすることができる。このような観点から、樹脂エマルジョンは熱可塑性樹脂であることが好ましい。
このような樹脂エマルジョンに含まれる樹脂成分としては、これらに限定されないが、ウレタン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。本実施の形態に係るインク組成物では、これらの樹脂成分のうち1種以上を含む樹脂エマルジョンを使用することができる。これらの中でも、印捺物の洗濯堅牢性や摩擦堅牢性の点では、ウレタン樹脂エマルジョンが特に好ましいが、ウレタン樹脂エマルジョンは樹脂合成時の不純物や樹脂の原料となるモノマー等に由来する異物が発生しやすい。しかしながら、本実施の形態に係るインク組成物によれば、ウレタン樹脂エマルジョンを使用した場合であっても、後述する水溶性包接化合物が異物を内包することによって、インク中での異物の発生を効果的に抑制することができる。
ウレタン樹脂としては、分子中にウレタン結合を有するものであれば特に制限されないが、ウレタン結合に加えて、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂等も使用することができる。
樹脂エマルジョンに含まれる樹脂成分は、自己反応型の、ウレタン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂を使用してもよい。このような自己反応型の樹脂としては、親水性基を有するブロック剤でブロック化したウレタン樹脂、親水性セグメントを付与したブロック化ウレタン樹脂、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メチロール基等の官能基を有するアクリルモノマーを共重合して得られるアクリル樹脂等が挙げられる。
樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、印捺物の洗濯堅牢性や摩擦堅牢性を優れたものとする観点から、0℃以下であることが好ましく、−10℃以下であることがより好ましく、−15℃以下であることが特に好ましい。樹脂エマルジョンのTgが上記範囲内である場合、印捺物に付着したインクの定着性が一層優れたものとなり、その結果印捺物の洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が一層優れたものとなる。なお、Tgの下限は特に限定されないが、−50℃以上であることが好ましい。
また、樹脂エマルジョンの酸価は、10〜100mgKOH/gであることが好ましく、15〜50mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が100mgKOH/g以下であると、印捺物の洗濯堅牢性や摩擦堅牢性を良好に維持することができる。また、酸価が10mgKOH/g以上であると、インクの保存安定性や、布帛上でのインクの発色性及び定着性が優れたものとなる。
なお、本明細書における酸価は、京都電子工業株式会社製のAT610を用いて測定を行い、以下の数式に数値をあてはめて算出した値を採用するものとする。
酸価(mg/g)=(EP1−BL1)×FA1×C1×K1/SIZE
上記の数式中、EP1は滴定量(mL)、BL1はブランク値(0.0mL)、FA1は滴定液のファクター(1.00)、C1は濃度換算値(5.611mg/mL)(0.1mo1/L KOH 1mLの水酸化カリウム相当量)、K1は係数(1)、SIZEは試料採取量(g)をそれぞれ表す。
また、樹脂エマルジョンは、破断点伸度が200〜500%、弾性率が20〜400MPaであることが好ましい。このような樹脂エマルジョンを使用することで、記録媒体の中でも伸縮しやすい布帛に対して、画像、すなわちインク層の破断やひび割れを防ぎ、印捺物の柔軟性及び耐擦性が優れたものとなる。
ここで、本明細書における破断点伸度は、約60μmの厚さのフィルムを作成し、引張試験ゲージ長20mm及び引っ張り速度100mm/分の条件下で測定することができる。また、本明細書における弾性率は、約60μmの厚さのフィルムを作成し、平行部幅10mm及び長さ40mmの引張試験ダンベルに成形し、JIS K7161:1994に準拠して引張試験を行い、引っ張り弾性率を測定することができる。
樹脂エマルジョンのD50は、30〜300nmが好ましく、80〜300nmがより好ましい。D50が上記範囲内であると、インク組成物中で樹脂エマルジョン粒子を均一に分散させることができる。また、印捺物の耐擦性が一層優れたものとなるため、D50の下限値は100nmであるとさらに好ましい。
ウレタン樹脂エマルジョンの市販品としては、例えばサンキュアー2710(日本ルーブリゾール社製)、パーマリンUA−150(三洋化成工業株式会社製)、スーパーフレックス150、420、460、470、610、700(以上、第一工業製薬株式会社製)、NeoRez R−9660、R−9637、R−940(以上、楠本化成株式会社製)、アデカボンタイター HUX−380,290K(以上、株式会社ADEKA製)、タケラック(R) W−605、W−635、WS−6021(以上、三井化学株式会社製)等が挙げられる。
スチレンアクリル樹脂やアクリル樹脂の市販品としては、例えばモビニール966A、モビニール7320(日本合成化学株式会社製)、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上、株式会社DIC製)、SAE1014(日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(サイデン化学株式会社製)、ジョンクリル7100、ジョン
クリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上、BASF社製)、NKバインダー R−5HN(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
インク組成物中の樹脂エマルジョンの固形分換算での含有量は、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%である。樹脂エマルジョンの固形分換算での含有量が前記範囲であると、印捺物の柔軟性が優れたものとなり、印捺物の洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が良好なものとなる。また、インク組成物の長期安定性にも優れたものとなる。
1.2.水溶性包接化合物
本実施の形態に係るインク組成物は、水溶性包接化合物を含む。インク組成物が水溶性包接化合物を含むことにより、水溶性包接化合物が樹脂エマルジョン等に由来する異物を内包し、インク中での異物の発生が抑制される。インク中での異物の発生が抑制された結果、インクの保存安定性及びノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となる。
本発明における「水溶性」とは、25℃の水100gに対して溶質が0.5g以上溶解することができる性質のことをいう。水溶性包接化合物は、水に溶解することによって異物の内包効果が発現するため、25℃の水100gにおける溶解度が0.5g以上50g以下であることが好ましく、1g以上25g以下であることがより好ましい。
水溶性包接化合物としては、例えばシクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、シクロファン誘導体、カリックスアレーン誘導体、クラウンエーテル誘導体、カーボンナノチューブ誘導体、シクロトリフォスファゼン誘導体、クリプタンド誘導体、ポタンド誘導体等が挙げられる。これらの中でも、異物を内包する効果が高いことから、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
以下、本発明において好ましく用いられるシクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体について説明する。
シクロデキストリンは、グルコピラノース単位からなるα−1,4結合によって繋がれた環状オリゴ糖である。シクロデキストリン1分子中に含まれるグルコピラノース単位の数により、6量体のα−シクロデキストリン、7量体のβ−シクロデキストリン、8量体のγ−シクロデキストリンに分類することができる。シクロデキストリンの環状構造の内部には、疎水的環境にある空孔が形成されており、疎水性の物質を包接させることで水中に可溶化させることができる。本実施の形態に係るインク組成物では、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンのいずれも用いることができる。
なお、25℃の水100gにおける各シクロデキストリンの溶解度は、α−シクロデキストリン:14.5g、β−シクロデキストリン:1.8g、γ−シクロデキストリン:23.2gである。β−シクロデキストリンの溶解度が他のシクロデキストリンに比べて
低い理由は、以下のように考えられる。すなわち、シクロデキストリン中のヒドロキシ基は、環状構造のため隣接するヒドロキシ基と分子内で水素結合を形成し安定化するという特徴を有している。β−シクロデキストリン中のヒドロキシ基は、構造上、この安定化効果が高く、周囲の水分子と水素結合しにくいため、水に対する溶解度が低くなる。
シクロデキストリン誘導体としては、シクロデキストリン環の少なくとも一つのヒドロキシ基全体またはヒドロキシ基の水素原子が置換基によって置換された化合物が挙げられる。置換基としては、シクロデキストリン誘導体の水溶性を高めることのできる置換基であることが好ましい。置換基の具体例としては、例えば1個以上のヒドロキシル基を、−CHOH、−CHCHOH等で置換するヒドロキシアルキル基;1個以上のヒドロキシル基を−OAc,−OC(O)CHCH,−OC(O)(CHCH、−OC(O)(CHCH、−OC(O)CF、−OC(O)Ph等のような基で置換するアシル基;1個以上のヒドロキシル基を−OCH、−OCHCH、−O(CHCH、−OC(CH,−OPh等のようなアルコキシル基あるいはアリールオキシ基で置換するアルキル基及びアリール基;1個以上のヒドロキシル基を−OTs等で置換するトシル(4−メチルベンゼンスルホニル)又はその関連基;1個以上のヒドロキシル基を−OMs又は同種の基で置換するメシル(メタンスルホニル、Ms)又はその関連基;1個以上のヒドロキシル基を環式アミン及び芳香族アミンを含む第一、第二又は、第三アミン基のような基で置換するアミノ基;1個以上のヒドロキシル基を−N又は同種の基で置換するアジド基;1個以上のヒドロキシル基を−F,−Cl,−Br又は−Iで置換するハロ置換基;1個以上のヒドロキシル基を−ONOで置換するニトロ基;1個以上のヒドロキシル基を−OPO、−OPO(ここでRはアルキル又はアリールである)、−OPOHRのような基で置換するか、または2個の隣接するヒドロキシル基が−OP(O)(CH)O−又は同種の基で置換するリン含有基;イミダゾール基及びその誘導体;ピリジン基及びその誘導体;1個以上のヒドロキシル基が−SCH、−SCHCH、−S(CHCH、−SC(CH、−OSO Na、−OCHSO Na、−OCHCHSO Na、−O(CHSO Na等のような基で置換する含硫官能基;アルコール、アルデヒド、ケトン、又はオキシム基;カルボン酸基及びその誘導体;カーボネート及びカルバメート基;1個以上のヒドロキシル基が−OSi(CH、−OSi(CHH、−CHOSi(CH、−CHOSi(CHH、−OB(CHCH、−CHOB(CHCH、−CHOSn((CHCH等のような基で置換するケイ素、ホウ素又はスズ含有基;ヒドロキシルエチル基、ヒドロキシルプロピル基等のようなヒドロキシルアルキル基;または任意の適当な置換基を挙げることができる。
置換基によるシクロデキストリン環のヒドロキシル基あるいは水素原子の置換量(置換基モル数/グルコース1モル)は、特に制限されないが、1モル以上2.5モル以下であることが好ましい。
また、本実施の形態に係るインク組成物は、2種以上の水溶性包接化合物を含むことが好ましい。水溶性包接化合物は、その種類によって内包できる異物のサイズや種類が異なっている。そのため、水溶性包接化合物を2種以上含むことにより、様々な異物を内包することができるため、インク中での異物の発生を効果的に抑制することができる。また、2種以上の水溶性包接化合物を添加することで、様々な異物を効果的に内包することができるので、水溶性包接化合物全体の量を少量とすることができる。好ましい具体例としては、α−シクロデキストリンとβ−シクロデキストリンとの組合せ、α−シクロデキストリンとγ−シクロデキストリンとの組合せ、β−シクロデキストリンとγ−シクロデキストリンとの組合せ、α−シクロデキストリンとβ−シクロデキストリンとγ−シクロデキストリンの組合せ等が挙げられる。
インク組成物中の水溶性包接化合物の含有量は、水溶性包接化合物がインク組成物中で析出しない範囲とすることができるが、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.05〜25質量%である。水溶性包接化合物の含有量が前記範囲であると、樹脂エマルジョン等に由来する異物を内包する効果を十分に発現でき、その結果インク中での異物の発生が抑制される。
本実施の形態に係るインク組成物では、水溶性包接化合物の含有量と樹脂エマルジョン(固形分)の含有量との比(水溶性包接化合物/樹脂エマルジョン(固形分))は、質量基準で0.01以上5以下であり、0.05以上3以下であることが好ましい。水溶性包接化合物の含有量と樹脂エマルジョン(固形分)の含有量との比が前記範囲にあると、インク(顔料)の記録媒体に対する定着性が良好となると共に、インク中での異物の発生が抑制される。そして、インク中での異物の発生が抑制された結果、インクの保存安定性及びノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となる。水溶性包接化合物の含有量と樹脂エマルジョン(固形分)の含有量との比が前記範囲未満の場合、インク中での異物の内包効果が不十分となり、異物が発生しやすくなる。一方、水溶性包接化合物の含有量と樹脂エマルジョン(固形分)の含有量との比が前記範囲を超えると、インクの増粘が起こりやすく、ノズルヘッドからの吐出も不安定となりやすい。また、乾燥状態からの再分散性が悪化する傾向があり、目詰まり回復性も悪化しやすい。
1.3.顔料
本実施の形態に係るインク組成物は、色材としての顔料を含む。顔料としては、特に制限されず、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用可能である。
顔料としては、例えばアゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系、中空樹脂粒子、及び高分子粒子などの有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、及びニッケル等の金属類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫化亜鉛、及び酸化ジルコニウム等の金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学株式会社製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社製)、Color
Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ社製)等が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 1(塩基性炭酸鉛)、4(酸化亜鉛)、5(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、6(酸化チタン),6:1(他の金属酸化物を含有する酸化チタン)、7(硫化亜鉛)、18(炭酸カルシウム),19(クレー)、20(雲母チタン)、21(硫酸バリウム)、22(天然硫酸バリウム)、23(グロスホワイト)、24(アルミナホワイト)、25(石膏)、26(酸化マグネシウム・酸化ケイ素)、27(シリカ)、28(無水ケイ酸カルシウム)等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメント ヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60等が挙げられる。
ブラック、ホワイト、イエロー、マゼンタ及びシアン以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、及びC.I.ピグメントブラウン 3、5、25、26、及びC.I.ピグメントオレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等が挙げられる。
インク組成物中の顔料(固形分)の含有量は、使用する顔料種により異なるが、良好な発色性を得る観点から、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜15質量%である。
本実施の形態に係るインク組成物では、水溶性包接化合物の含有量と顔料(固形分)の含有量との比(水溶性包接化合物/顔料(固形分))が、質量基準で0.1以上5以下であることが好ましく、0.5以上3以下であることがより好ましい。水溶性包接化合物の含有量と顔料(固形分)の含有量との比が前記範囲にあると、顔料の記録媒体への良好な定着性とインク中での異物の発生の抑制とを両立させやすくすることができる。
なお、インク組成物に調製する際には、あらかじめ顔料を分散させた顔料分散液を調製して、その顔料分散液をインク組成物に添加してもよい。このような顔料分散液を得る方法としては、分散剤を使用せずに自己分散顔料を分散媒中に分散させる方法、ポリマー分散剤を使用して顔料を分散媒に分散させる方法、表面処理した顔料を分散媒に分散させる方法などがある。
1.4.水
本実施の形態に係るインク組成物は、液状媒体としての水を含む。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。インク組成物中の水の含有量は、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、20〜80質量%である。ここで、水の含有量は、水を添加した量に限られず、他の添加剤中の水分も含むものである。
1.5.水溶性有機溶剤
本実施の形態に係るインク組成物は、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤としては、インク成分の布帛への浸透を促進させる浸透剤やインクの保湿性を高める保湿剤が挙げられる。
浸透剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類)及び1、2−アルキルジオールが好ましく挙げられる。当該グリコールエーテル類としては、以下に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。また、上記1、2−アルキルジオールとしては、以下に限定されないが、例えば、1、2−ペンタンジオール及び1、2−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの他に、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタンジオール、及び1、8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類も挙げることができる。浸透剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク組成物中の浸透剤の含有量は、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
保湿剤としては、一般にインクジェットインクに用いられるものであれば特に制限されることなく使用可能である。好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上の標準沸点を有する保湿剤を用いるとよい。標準沸点が前記範囲内である場合、インク組成物に良好な保水性及び湿潤性を付与することができる。
このような保湿剤の具体例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1、4−ジオール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、数平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−エチル−2−ピロリドン等が挙げられる。保湿剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク組成物が上記のような保湿剤を含むことにより、開放状態、すなわち室温で顔料インクが空気に触れている状態で放置しても、流動性及び再分散性を長時間維持できるインク組成物を得ることができる。さらに、このようなインク組成物は、インクジェット捺染装置を用いた捺染の途中又は中断後の再起動時に、ノズルの目詰まりが生じにくくなるため、インク組成物の吐出安定性が優れたものとなる。上記保湿剤の含有量は特に限定されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
1.6.界面活性剤
本実施の形態に係るインク組成物は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、及びポリシロキサン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、布帛に付着したインク組成物の乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。これらの中でも、インクへの溶解性に優れるため、ポリシロキサン系界面活性剤がより好ましい。
上記のアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤としては、以下に限定されないが、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。これらは、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社製)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業株式会社製)等の市販品として入手可能である。
また、ポリシロキサン系界面活性剤としては、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社製)などが挙げられる。
インク組成物中の界面活性剤の含有量は、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、0.1〜3質量%であることが好ましい。
1.7.その他の成分
本実施の形態に係るインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインクの劣化を防止するため、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することができる。
本実施の形態に係るインク組成物は、洗濯堅牢性や摩擦堅牢性が良好となるため、布帛への記録を行う捺染用インクとして好適に使用することができる。
また、本実施の形態に係るインク組成物は、インク中での異物の発生が抑制された結果、ノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となるため、インクジェット記録用のインクとして好適に使用することができる。
2.インクジェット記録方法
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、上述のインクジェットインクを用いてインクジェット記録を行うことを特徴とする。インクジェットインクはインクジェット法により吐出して用いるインクでありインクジェット記録用インクとも言う。本実施の形態に係るインクジェット記録方法によれば、インク中での異物の発生が効果的に抑制される結果、ノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好となるため、良好
なインクジェット記録を行うことができる。
以下、本実施の形態に係るインクジェット記録方法を用いたインクジェット捺染方法について具体的に説明する。
上記インクジェット捺染方法は、インク組成物を布帛に付着させる付着工程と、当該インク組成物が付着した布帛を加熱する加熱工程と、を含むことが好ましく、当該付着工程の前に前処理剤を布帛に付与する前処理工程をさらに含むことがより好ましい。
上記インクジェット捺染方法に用いられる布帛としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。これらのうち、高温下でのインク組成物の定着に耐えられるため、綿が好ましい。
上記のインクジェット捺染では、上記のインク組成物をインクジェット捺染装置に装填して使用する。当該インクジェット捺染装置としては、特に限定されないが、例えばドロップオンデマンド型のインクジェット捺染装置が挙げられる。このドロップオンデマンド型のインクジェット捺染装置には、ヘッドに配設された圧電素子を用いたインクジェット捺染方法を採用した装置、及びヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いたインクジェット捺染方法を採用した装置などがあり、いずれのインクジェット捺染方法を採用したものでもよい。
<前処理工程>
布帛上でインクが滲むのを防止するため、上記のインク組成物を布帛上に付着させて画像を形成する前に、前処理剤を用いて布帛を前処理しておくこと、すなわち前処理工程を行うことが好ましい。当該前処理工程は、凝集剤を含む前処理剤を布帛に付与するというものであり、より具体的に言えば、布帛に前処理剤を付着させた後、布帛を乾燥するというものである。前処理の方法としては、以下に限定されないが、例えば前処理剤中に布帛を浸漬する手段、及び前処理剤を布帛に塗布又は噴霧する手段が挙げられる。
上記の凝集剤は、インク組成物中の顔料を凝集させるとともに、水分散性樹脂(樹脂エマルジョン)を析出させて、布帛上にインクの皮膜を形成させることができる。凝集剤として、有機酸及び多価金属化合物から選択される一種以上が好ましく挙げられる。当該有機酸としては、以下に限定されないが、例えば酢酸、プロピロン酸、及び乳酸が好ましく挙げられる。
また、上記の多価金属化合物としては、以下に限定されないが、例えばチタン化合物、クロム化合物、銅化合物、コバルト化合物、ストロンチウム化合物、バリウム化合物、鉄化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、及びマグネシウム化合物、並びにこれらの塩(多価金属塩)が挙げられる。これら多価金属化合物の中でも、顔料を効果的に凝集させることができるため、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、及びマグネシウム化合物からなる群より選択される一種以上が好ましく、カルシウム化合物及びマグネシウム化合物のうち少なくともいずれかがより好ましく、カルシウム化合物がさらに好ましい。上記の多価金属化合物の具体例としては、重質炭酸カルシウム及び軽質炭酸カルシウムといった炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、及びベントナイト等の無機顔料、並びにアクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、及び尿素高分子物質などの有機顔料が挙げられる。
上記の前処理剤は、上述の凝集剤以外に、例えば、上述の樹脂エマルジョン、保湿剤、浸透剤、及び水、並びに糊剤を含有してもよい。
また、上記のうち、糊剤としては、以下に限定されないが、例えばトウモロコシ及び小麦などのデンプン物質、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビヤゴム、ローカストビーンガム、トラントガム、グアーガム、及びタマリンド種子などの多糖類、ゼラチン及びカゼイン等のタンパク質、タンニン及びリグニン等の天然水溶性高分子、並びにポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アクリル酸系化合物、及び無水マレイン酸系化合物などの合成の水溶性高分子が挙げられる。糊剤の含有量は、前処理剤の総質量(100質量%)に対して、20質量%以下とするのが好ましい。当該含有量が上記範囲内であると、ローラー塗布やスプレー塗布を好適に行える程度までインクを低粘度化することができる。
なお、上記前処理剤には、必要に応じて、pH調整剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、及び消泡剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
布帛に前処理剤を付着させた後の乾燥は、好ましくは110〜200℃、より好ましくは120〜180℃で、2分間以内の加熱処理を行うとよい。加熱温度が110℃以上であると、前処理剤の定着性が良好となる。また、加熱温度が200℃以下であると、布帛の劣化及びポリマー等の前処理剤成分の劣化を効果的に防止することができる。
<付着工程>
上記の付着工程では、まず、布帛(上記前処理がなされたものを含む。)の面に向けて、上記インク組成物を吐出し付着させて、画像を形成する。なお、吐出条件は、吐出されるインク組成物の物性によって適宜決定すればよい。
<加熱工程>
上記の加熱工程では、インク組成物が付着した布帛を加熱処理する。当該加熱処理により、インク組成物に含まれるウレタン樹脂エマルジョン等の樹脂(ポリマー)を布帛の表面に融着させ、かつ、水分を蒸発させることができる。その結果、印捺物の耐擦性を一層優れたものとすることができる。
上記加熱処理としては、以下に限定されないが、例えばヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げられる。また、加熱の熱源としては、以下に限定されないが、例えば赤外線(ランプ)が挙げられる。また、加熱処理時の温度は、インク組成物に含まれるウレタン樹脂エマルジョン等の樹脂(ポリマー)を融着し、かつ、水分を蒸発させることができればよく、150〜200℃程度であるとよい。
上記加熱工程後は、印捺物を水洗し、乾燥してもよい。このとき、必要に応じてソーピング処理、即ち未固着の顔料を熱石鹸液などで洗い落とす処理を行ってもよい。
このようにして、布帛などの記録媒体上に、上記実施形態のインク組成物に由来する画像が形成された、印捺物などの記録物を得ることができる。
3.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.インク組成物の調製
表1〜表2に示す材料を、表1〜表2に示す含有量(単位:質量%)で、それぞれ混合し、十分に撹拌した。この混合液を孔径5μmの金属フィルターで濾過した後、真空ポンプを用いて脱気処理して、実施例及び比較例で用いる各インク組成物を得た。
3.2.前処理剤の調製
硝酸カルシウム・四水和物(カルシウムイオン濃度17質量%)20質量%、アクリル樹脂エマルジョン(新中村化学工業株式会社製、商品名「NKバインダー R−5HN、固形分44%」)10質量%、ポリシロキサン系界面活性剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−348」)0.1質量%、及びイオン交換水(残部)を、総質量が100質量%となるように混合し、十分に撹拌して均一とすることにより、前処理剤を調製した。得られた前処理剤において、カルシウムイオン濃度は3.4質量%であり、アクリル樹脂の固形分濃度は4.4質量%であった。
3.3.印捺物の製造
3.3.1.前処理工程
布帛として綿100%のTシャツ(HANES社製のヘビーウェイト、黒色生地)を用い、これに上記で調製した前処理剤をA4サイズあたり18〜20gとなるようにローラーを用いて均一に塗布した。塗布後、ヒートプレス機を用いて160℃で1分間加熱処理を行った。
3.3.2.付着工程
前処理工程を経た布帛に対して、インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、上記で調製したインク組成物を布帛に付着させた。記録条件としては、記録解像度を1440dpi×1440dpiとし、ベタパターン画像を4層重ね塗りした。このようにして、インクジェット捺染を行った。
なお、本明細書における「ベタパターン画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素のすべての画素に対してドットを記録した画像を意味する。
3.3.3.熱処理工程
インクが付着した布帛を、ヒートプレス機を用いて160℃で1分間加熱処理を行い、該インクを布帛に定着させた。このようにして、布帛に画像が形成された印捺物を製造した。
3.4.評価方法
3.4.1.洗濯堅牢性評価
全自動洗濯機(株式会社東芝製、型式「AW−424V6型」)を用い、各印捺物を10回ずつ洗濯し、JIS L0804:2004(ISO 105−A02:1993)の変退色グレースケール(染色堅ろう度試験の結果、試験片に生じた変退色の程度を視感によって判定する場合、その基準として用いる変退色用グレースケールについて規定)に従って、退色の程度を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:4−5級(中間等級)〜5級
B:3−4級(中間等級)〜4級
C:2−3級(中間等級)〜3級
D:2級以下
3.4.2.異物評価
上記で調製した各インク組成物40gを50cc容のガラス瓶に入れ密栓した後に、こ
れらのガラス瓶を60℃の恒温槽内に入れ、7日間放置した。7日後に取り出し、室温に戻した後、そのインク組成物を孔径1.2μmのメンブランフィルター(商品名、日本ミリポア・リミテッド製)で全量ろ過し、下記評価基準に従って、異物の有無を確認した。
有:全量メンブランフィルターを通過しない。
無:全量メンブランフィルターを通過する。
3.4.3.保存安定性評価
上記で調製した各インク組成物40gを50cc容のガラス瓶に入れ密栓した後に、これらのガラス瓶を60℃の恒温槽内に入れ、7日間放置した。7日後に取り出し、室温に戻した後、DVM−E型回転粘度計(東京計器株式会社製)を用いて25℃での粘度を測定した。そして、事前に測定した初期粘度に対する、7日間放置後の粘度の変動率を計算した。評価基準は以下の通りである。
A:±3%未満
B:±3%以上±5%未満
C:±5%以上
3.4.4.目詰まり放置回復性
上記で調製した各インク組成物を、インクジェットプリンターの専用カートリッジに充填した。そして、該カートリッジをインクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)に装着し、10分間連続して印刷し、全てのノズルから正常にインクが吐出していることを確認した後、インクカートリッジを取り外し、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、50℃の環境下に3ヶ月間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまで、クリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により回復性を評価した。
A:ヘッドクリーニング2回以内で初期と同等に印刷できる。
B:ヘッドクリーニング3回以上4回以下で初期と同等に印刷できる。
C:ヘッドクリーニング4回以内では初期と同等の印刷ができない。
3.4.5.吐出安定性評価
上記で調製した各インク組成物を、インクジェットプリンターの専用カートリッジに充填した。そして、該カートリッジをプリンターPX−G930に装着して、35℃で湿度35%RHの雰囲気下において、A4版のXerox P(商品名、富士ゼロックス株式会社製)に、マイクロソフトワード文章(文字サイズ11、標準、MSPゴシック)を4000字/頁の割合で、500頁印刷を行った後、同じワード文章を、白色インク印刷物が見やすいように、透明フィルム(商品名「ルミラー」、東レ株式会社製、PETフィルム)に印刷した。評価基準は以下の通りである。
A:全く印字乱れがない。
B:1〜3カ所の印字乱れがある。
C:4カ所以上の印字乱れがある。
3.5.評価結果
表1〜表2に、各インク組成物の組成及び評価試験の結果を示す。
Figure 0006268472
Figure 0006268472
表1〜表2中に示す各成分の略称は、以下の通りである。
<顔料分散液>
・酸化チタンスラリー(シーアイ化成株式会社製、商品名「NanoTek(R)Slurry」、酸化チタン固形分濃度20%、平均粒子径250nm)
<樹脂エマルジョン>
・ウレタン樹脂A(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス(R)470」、ガラス転移温度(Tg)−31℃、固形分濃度38%)
・ウレタン樹脂B(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス(R)420」、ガラス転移温度(Tg)−20℃、固形分濃度32%)
・ウレタン樹脂C(第一工業製薬株式会社製、商品名「スーパーフレックス(R)150」、ガラス転移温度(Tg)40℃、固形分濃度30%)
・自己架橋型スチレンアクリル樹脂D(日本合成化学株式会社製、商品名「モビニール966A」、ガラス転移温度(Tg)−32℃、固形分濃度45%)
・アクリル樹脂E(日本合成化学株式会社製、商品名「モビニール7320」、ガラス転移温度(Tg)−20℃、固形分濃度40%)
・スチレンアクリル樹脂F(新中村化学工業株式会社製、商品名「NKバインダー R−5HN」、ガラス転移温度(Tg)−18℃、固形分濃度44%)
<水溶性有機溶剤>
・グリセリン
・TEG(トリエチレングリコール)
・TEGmBE(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)
・2−ピロリドン
<界面活性剤>
・BYK−348(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリシロキサン系界面活性剤)
<水溶性包接化合物>
・α−シクロデキストリン(水100mLに対する溶解度(25℃):14.5g)
・β−シクロデキストリン(水100mLに対する溶解度(25℃):1.8g)
・γ−シクロデキストリン(水100mLに対する溶解度(25℃):23.2g)
表1〜表2の結果から明らかなように、本発明に係るインク組成物によれば、インク(顔料)の記録媒体に対する定着性が良好で、かつ、インク中における異物の発生を効果的に抑制できることが判った。また、インク中における異物の発生を抑制することにより、インクの保存安定性及びノズルヘッドからの吐出安定性や目詰まりといった信頼性が良好であった。
また、表2の結果から、樹脂エマルジョンに含まれる樹脂成分がスチレンアクリル樹脂やアクリル樹脂の場合には、ウレタン樹脂の場合に比べて異物が発生しにくいが、洗濯堅牢性や信頼性の点で劣ることが判った。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (7)

  1. 水と、顔料と、樹脂エマルジョンと、水溶性包接化合物と、を含み、
    前記樹脂エマルジョンに含まれる樹脂のガラス転移温度が0℃以下であり、
    前記水溶性包接化合物の含有量と前記樹脂エマルジョン(固形分)の含有量との比(水溶性包接化合物/樹脂エマルジョン(固形分))が、質量基準で0.01以上5以下であることを特徴とする、インクジェット捺染用インク組成物。
  2. 前記水溶性包接化合物を2種以上含む、請求項1に記載のインクジェット捺染用インク組成物。
  3. 前記水溶性包接化合物が、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または請求項2に記載のインクジェット捺染用インク組成物。
  4. 前記樹脂エマルジョンが、ウレタン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、およびアクリル樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物。
  5. 前記樹脂エマルジョンが、自己反応型のウレタン樹脂を含む、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物。
  6. 前記水溶性包接化合物の含有量と前記顔料(固形分)の含有量との比(水溶性包接化合物/顔料(固形分))が、質量基準で0.1以上5以下である、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット捺染用インク組成物を用いてインクジェット記録を行う、インクジェット記録方法。
JP2014035188A 2014-02-26 2014-02-26 インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット記録方法 Active JP6268472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014035188A JP6268472B2 (ja) 2014-02-26 2014-02-26 インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014035188A JP6268472B2 (ja) 2014-02-26 2014-02-26 インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015160860A JP2015160860A (ja) 2015-09-07
JP6268472B2 true JP6268472B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=54184200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014035188A Active JP6268472B2 (ja) 2014-02-26 2014-02-26 インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6268472B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017088840A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物
JP2017088839A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物
JP6425051B1 (ja) * 2017-07-14 2018-11-21 東洋インキScホールディングス株式会社 インキセット、及び印刷物の製造方法
JP7252707B2 (ja) 2017-12-27 2023-04-05 花王株式会社 水系インク
JP7217093B2 (ja) 2018-05-18 2023-02-02 理想科学工業株式会社 捺染インクジェット用水性顔料インク、捺染物の製造方法、及びインクセット
JP7278532B2 (ja) * 2019-03-28 2023-05-22 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット捺染方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3088588B2 (ja) * 1992-05-20 2000-09-18 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用インク
JPH1072561A (ja) * 1996-06-11 1998-03-17 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インクおよびそれを用いた画像形成方法
JP4521130B2 (ja) * 2001-03-15 2010-08-11 株式会社サクラクレパス 水性消去性マーキングペンインキ組成物とその製造方法
JP2003026965A (ja) * 2001-07-12 2003-01-29 Sharp Corp 記録液およびそれを用いた記録装置
JP2005350586A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Seiko Epson Corp 水性顔料インク組成物
US20090021568A1 (en) * 2005-08-26 2009-01-22 Ming Xu Reactive Dye and Process of Printing Same
JP5191227B2 (ja) * 2007-12-20 2013-05-08 サカタインクス株式会社 インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット捺染方法
JP5532810B2 (ja) * 2009-10-01 2014-06-25 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用インク組成物
JP5645590B2 (ja) * 2009-12-11 2014-12-24 キヤノン株式会社 インクジェット用インク、記録ユニット及びインクジェット記録方法
JP5569794B2 (ja) * 2010-05-28 2014-08-13 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用インク組成物
JP2013060513A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Seiko Epson Corp 捺染用白色インクジェットインク
KR20150126915A (ko) * 2013-03-07 2015-11-13 오세-테크놀로지스 베파우 잉크 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015160860A (ja) 2015-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6268472B2 (ja) インクジェット捺染用インク組成物およびインクジェット記録方法
JP5979582B2 (ja) インクジェット捺染用インク組成物
JP5982926B2 (ja) インクジェット捺染用前処理剤、インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法
JP6136375B2 (ja) 水性インク画像形成用前処理液及び画像形成方法
US9567706B2 (en) Ink jet textile printing method
JP2013199603A (ja) インクジェット捺染用インク組成物
JP2006188045A (ja) 反応液、インク組成物と反応液とのセット及び画像記録方法
JP2013256108A (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
JP7258285B2 (ja) 印刷方法及び印刷装置
JP2010084116A (ja) インクジェット用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、画像形成方法、及びインク記録物
JP6202162B2 (ja) インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法
JP6528537B2 (ja) 白色インク、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録方法
JP2013194122A (ja) インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法
JP2017132946A (ja) 捺染インクジェットインクセット及びインクジェット捺染記録方法
JP2009256605A (ja) インクセットおよびこれを用いた記録方法
JP2017206021A (ja) インクジェット記録方法
JP2020180209A (ja) 水系インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法
JP7287086B2 (ja) 水系インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法
US20110234667A1 (en) Ink jet image forming method and ink jet recording apparatus
JP7256954B2 (ja) 分散液、インクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法
JP6361879B2 (ja) インク組成物
JP2022116600A (ja) インクジェットインク組成物及び記録方法
JP2023141054A (ja) インク、インクセット、インクと前処理液のセット、インク吐出方法、及びインク吐出装置
JP6465288B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクセット
JP2023067770A (ja) インクジェットインクセット、インクジェット画像形成方法、及びインクジェット画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6268472

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150