JP6361879B2 - インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用のインク組成物に関する。
従来、インクジェット記録方式を用いた印刷方法は、インクの小滴を飛翔させて紙等の被記録媒体上に付着させることにより行う。また、近年のインクジェット記録方式技術の進歩により、これまで写真やオフセット印刷が用いられていた高精細な画像記録(画像印刷)の分野においても、インクジェット記録方式を用いたインクジェット記録装置が利用されている。
インクジェット記録は、例えば、特許文献1に開示されるように、布帛の染色(捺染)にも利用されている。特許文献1に記載の技術では、布帛の捺染をインクジェット方式で行う際に、インクにカルボキシメチルセルロースの塩を添加することによりチキソトロピー性を付与して、布帛に形成する模様の縁の滲みを低減して鮮明化することが開示されている。
特開平11−166143号公報
しかしながら、一般的に、インクジェット記録に用いられるインクジェットインクは、細いインク流路や、微細なノズルからインクの小滴を吐出して飛翔させるため、粘度をある程度低く調節することが求められる。そのため、インクに対して、高分子化合物を配合する場合には、目的とする性能を発揮させるために配合量や分子量を高めると、インクの粘度が上昇してしまう場合があった。
また、高分子化合物は、インクの滲みの抑制のために添加される他にも、一般的に、顔料を含むインクの場合には、顔料の分散を目的としたり、媒体への顔料の定着性を高める目的でも添加される。したがって、顔料を定着させる高分子化合物を配合する場合においても、粘度を上昇させすぎないように種類や配合量を考慮して選択される。
一方、セルロースを主体として構成される紙等の媒体に対しては、セルロース系の高分子を塗布すると良好な表面光沢が得られ、水系顔料インクに配合すれば良好な顔料の定着性が期待できることが分かってきた。しかし、上述のように粘度を抑制する要請から、セルロース系の高分子を顔料インクに高い配合量で配合することは困難であった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、インクジェット記録装置により安定して吐出することができ、顔料の良好な定着性、高画質な記録、及び良好な保存安定性を示すインクジェット記録用のインク組成物を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]本発明に係るインクジェット記録用のインク組成物の一態様は、
顔料と、セルロース誘導体と、水と、を含む第1相と、
50%留出点が280℃以下の有機溶剤を含む第2相と、
を含み、
前記第1相中の前記セルロース誘導体の含有量が、前記第1相全体に対して3質量%以上15質量%以下である。
このようなインク組成物は、セルロース誘導体を3質量%以上15質量%以下含む高粘度の水系顔料インク(第1相)を、有機溶剤を含む第2相と併存させることで、インクジェット記録装置により安定して吐出することができる。そして、顔料の定着性が良好で、高画質な記録を行うことができる。さらに、このようなインク組成物は、エマルション又はディスパージョンの形態を安定して維持でき、保存安定性に優れる。
なお50%留出点とは、JIS K2254「燃料油蒸留試験方法」による値である。
[適用例2]
請求項1において、
前記セルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース並びにメチルセルロースから選ばれる少なくとも一種であってもよい。
このようなインク組成物によれば、媒体に付着した際により良好な顔料の定着性及び光沢を得ることができる。
[適用例3]適用例1又は適用例2おいて、
前記第1相及び前記第2相の全体に対する前記第1相の割合は、20質量%以上60質量%以下であってもよい。
このようなインク組成物は、エマルション又はディスパージョンの形態をさらに安定して維持でき、保存安定性に優れる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、
前記第2相は、50%留出点が300℃以上の有機溶剤を含んでもよい。
このようなインク組成物は、有機溶剤の揮発が抑制されやすく、臭気等をより発生しにくい。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれか一例において、
前記セルロース誘導体の全体の数平均分子量は、1万以上15万以下であってもよい。
このようなインク組成物は、顔料の定着性及び吐出安定性が極めて良好となる。
なお、数平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準としたGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求められる。
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれか一例において、
前記セルロース誘導体の全体のエーテル化度は、0.6以上1.0以下であってもよい。
このようなインク組成物は、強固で平滑な皮膜形成が可能で、顔料の媒体への定着性にさらに優れる。
なおエーテル化度とは、セルロース誘導体のグルコース単位あたりエーテル化されている個数の、セルロース誘導体分子全体の平均値である。
以下に本発明の実施の形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.インク組成物
本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録用のインク組成物である。そして、第1相と、第2相と、を含んで構成される。本実施形態のインク組成物において、第1相及び第2相は、例えば、水相及び油相であり、両者は相分離して存在する。
本実施形態のインク組成物における相分離構造は、特に限定されず、例えば、第2相を母相(マトリックス)として第1相を分散相(ドメイン)とする構造(例えば、油中水型構造(W/O))、第1相をマトリックスとして第2相をドメインとする構造(例えば、水中油型構造(O/W))であることができる。また、本実施形態のインク組成物における相分離構造は、第2相をマトリックスとして第1相が分散相ドメインとなり当該ドメインの中に第2相が存在する構造(例えば、油中水中油型構造(O/W/O)等のいわゆる複合エマルション)のような階層的な相分離構造や、第1相及び第2相の両者がマトリックスであると見なせるような、いわゆる共(相互)連続構造を含んでもよい。
さらに、本実施形態のインク組成物における相分離構造は、主として以下に説明するセルロース誘導体によって、相分離構造が安定に維持される。ここで、相分離構造が安定に維持されるとは、インク組成物を常温で保存した場合に、インク組成物中に形成された相分離構造が、所定の期間維持されることを指す。このようなインク組成物の保存安定性については、目視観察の他、例えばレーザー散乱光や吸光度の経時変化を測定して確認することができる。
なお、本明細書では、インク組成物に含まれる第1相及び第2相が相分離構造を形成するので、例えば、顔料等の固体成分が含まれた場合であっても、W/Oエマルション等と称することとする。以下、本実施形態のインク組成物に含有される第1相が水系であり、第2相が油系である例について、詳細に説明する。そのため、本明細書では、第1相及び第2相をそれぞれW相及びO相と称することがある。
1.1.第1相
本実施形態のインク組成物に含有される第1相は、顔料と、セルロース誘導体と、水と、を含む。第1相は、後述の第2相と常温常圧で相分離状態を形成する。
1.1.1.顔料
本実施形態のインク組成物は、第1相に顔料を含む。顔料の種類としては、特に限定されず、通常のインクジェットインクに含有され得る種を1種又は複数種用いることができる。
顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用可能である。顔料としては、例えばアゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系、中空樹脂粒子、及び高分子粒子等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、及びニッケル等の金属類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫化亜鉛、及び酸化ジルコニウム等の金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
更に詳しくは、カーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学株式会社製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ社製)等が挙げられる。
ホワイト顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 1(塩基性炭酸鉛)、4(酸化亜鉛)、5(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、6(酸化チタン),6:1(他の金属酸化物を含有する酸化チタン)、7(硫化亜鉛)、18(炭酸カルシウム),19(クレー)、20(雲母チタン)、21(硫酸バリウム)、22(天然硫酸バリウム)、23(グロスホワイト)、24(アルミナホワイト)、25(石膏)、26(酸化マグネシウム・酸化ケイ素)、27(シリカ)、28(無水ケイ酸カルシウム)等が挙げられる。
イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメント ヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60等が挙げられる。
ブラック、ホワイト、イエロー、マゼンタ及びシアン以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、及びC.I.ピグメントブラウン 3、5、25、26、及びC.I.ピグメントオレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等が挙げられる。
また、特色顔料も使用可能であり、例えば、アルミニウムフレーク等を含んで金属光沢画像を形成したり、タルク等を含んでパール光沢画像を形成できる光輝性顔料を用いてもよい。さらに、本実施形態で使用する顔料は、自己分散型の顔料であってもよいし、分散染料や昇華染料のように固形成分を含む染料であってもよい。
第1相における顔料の含有量についても特に限定されず、2質量%以上50質量%以下、好ましくは3質量%以上30質量%以下である。顔料(固形分)の含有量は、使用する顔料種により異なるが、良好な発色性を得る観点から、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜15質量%である。
なお、インク組成物を調製する際には、あらかじめ顔料を分散させた顔料分散液を用いて第1相を調製してもよい。このような顔料分散液を得る方法としては、ポリマー分散剤を使用して顔料を分散媒に分散させる方法、分散剤を使用せずに自己分散顔料を分散媒中に分散させる方法、表面処理した顔料を分散媒に分散させる方法等がある。
1.1.2.セルロース誘導体
本実施形態のインク組成物は、第1相にセルロース誘導体を含む。
セルロース誘導体の種類としては、特に限定されない。セルロース誘導体としては、例えば、セルロースエーテル、セルロースエステル、及びこれらのナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
セルロースエーテルとしては、具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、及びそれらのナトリウム塩及びカリウム塩、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、メトキシメチルセルロース、ベンジルセルロース、並びに、これらの混合物及びコポリマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
また、セルロースエステルとしては、具体的には、例えば、硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、及びその他高級脂肪酸セルロースから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なお、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウムは、例えば、天然パルプを原料として水酸化ナトリウムでアルカリセルロースとし、モノクロル酢酸でエーテル化したものである。製法には溶媒法、水媒法がある。
これらのセルロース誘導体は、親水性を有しており、第1相に含まれる水に、分子の一部又は全部が溶解する。また、これらのセルロース誘導体は、疎水性基及び親水性基を有するため、界面活性剤に類似した作用を示し、第1相及び第2相の界面に配置される場合がある。
さらに、セルロース誘導体は、セルロース骨格(β−グルコース(グルコピラノース)1,4−結合により結合した構造)を有するため、紙等の記録媒体、綿等を含む布帛等に含まれるセルロース繊維との親和性が高い。そのため、セルロース繊維に対して良好に結着することができる。また、セルロース誘導体は、界面活性作用を有するため、顔料を水中で分散させる効果も有するため、セルロース繊維に対して顔料を良好に定着させることができる。
このようなセルロース誘導体のうち、媒体に付着した際により良好な顔料の定着性及び光沢を得ることができる点で、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロースから選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
第1相中のセルロース誘導体の含有量は、第1相全体に対して3質量%以上15質量%以下である。セルロース誘導体の含有量がこの範囲であると、インク組成物の粘度をインクジェット記録に適した範囲に調整しやすく、インクジェット記録における吐出安定性を良好にすることができる。
セルロースエーテルの性質は、無水グリコールを単位とした重合度及びエーテル化度により変化する。セルロースエーテル(複数種含まれる場合には全体)のエーテル化度(グルコース単位あたりの置換度)は、顔料の定着性を高め、記録媒体(メディア)に対して強固で平滑な皮膜を形成できる観点から、0.01以上4.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.1以上2.8以下であり、さらに好ましくは0.6以上1.0以下である。エーテル化度は、セルロースエーテルのグルコース単位あたりエーテル化されている個数の、セルロースエーテル全体の平均値である。なお、エーテル化度は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムの場合、CMC工業会分析法(灰化法)に従って得られる値である。具体的には、エーテル化度は、カルボキシメチルセルロースナトリウム1gを精秤し、磁性ルツボに入れて600℃で灰化し、灰化によって生成した酸化ナトリウムをN/10硫酸でフェノールフタレインを指示薬として滴定し、カルボキシメチルセルロースナトリウム1gあたりの滴定量YmLを次式に入れて計算して求めることができる。
エーテル化度=(162×Y)/(10,000−80×Y)
また、セルロース誘導体の数平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準としたGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した場合に、1千〜500万であり、好ましくは3千以上100万以下、より好ましくは5千以上50万以下、さらに好ましくは1万以上15万以下である。紙等顔料の定着性及び吐出安定性がより良好となる観点から、セルロース誘導体(複数種を含む場合にはその全体)の数平均分子量は、1万以上5万以下であることがより好ましい。
1.1.3.水
本実施形態のインク組成物の第1相には、水が含まれる。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。第1相中の水の含有量は、第1相の総質量を100質量%としたときに、20〜70質量%である。ここで、水の含有量は、水を添加した量に限られず、他の添加剤中の水分や顔料を分散液として供給する場合に顔料分散液に含まれる水も含むものである。
1.1.4.その他の成分
本実施形態のインク組成物の第1相には、界面活性剤、水溶性有機溶剤、樹脂、防腐剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤等、通常のインクジェットインクに含有され得る添加剤を1種又は複数種含んでもよい。
1.1.4.1.界面活性剤
本実施形態に係る第1相は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、第1相に直接配合されてもよいし、顔料を顔料分散液として配合する場合に、顔料分散液に含まれているものが配合されてもよい。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用することができ、さらにこれらは併用してもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びポリシロキサン系界面活性剤のうち少なくとも一種が好ましい。
上記のアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤としては、以下に限定されないが、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上を例示できる。また、アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、市販されているものを用いてもよく、例えば、メガファックF−479(DIC株式会社製)、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン系界面活性剤としては、市販されているものを用いることができ、例えば、オルフィンPD−501、オルフィンPD−502、オルフィンPD−570(いずれも、日信化学工業株式会社製)、BYK−347、BYK−348(いずれも、ビックケミー株式会社製)等が挙げられる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル、しょ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキサイド、脂肪酸アルカノールアミド、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等を用いてもよい。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、石けん、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレングリコールアルキルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム系としてアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩及びアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アミン塩系としてN−メチルビスヒドロキエチルアミン脂肪酸エステル塩酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸系としてアルキルアミノ脂肪酸塩、ベタイン系としてアルキルカルボキシルベタイン、アミンオキシド系としてアルキルアミンオキシド等が挙げられる。両性界面活性剤は、これらに限定されるものではない。
第1相に界面活性剤を配合する場合、界面活性剤の合計の含有量は、第1相の総質量を100質量%としたときに、0.1〜3質量%となるようにすることが好ましい。
1.1.4.2.水溶性有機溶剤
本実施形態に係るインク組成物の第1相には、水溶性有機溶剤が含まれてもよい。そのような水溶性有機溶剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類)及び1、2−アルカンジオールが好ましく挙げられる。当該グリコールエーテル類としては、以下に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類が挙げられる。また、上記1、2−アルキルジオールとしては、以下に限定されないが、例えば、1、2−ペンタンジオール及び1、2−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの他に、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタンジオール、及び1、8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類も挙げることができる。
また、水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1、4−ジオール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、数平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−エチル−2−ピロリドン等も例示できる。
水溶性有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。第1相に水溶性有機溶剤を含有させると、例えば、インク組成物が空気に触れている状態で放置しても、より乾燥しにくくすることができる。また、水溶性有機溶剤は、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上の標準沸点を有するものを用いるとよい。標準沸点がこの範囲内である場合、インク組成物に良好な保水性及び湿潤性を付与することができ、保存安定性を向上させることができる場合がある。
第1相に水溶性有機溶媒を配合する場合には、水溶性有機溶剤の含有量は、第1相の総質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜40質量%である。第1相に水溶性有機溶媒を含有させると、水のみからなる第1相とする場合と比較して表面張力が低くなるので、例えば、紙等のメディアへの濡れ性が高くなる。これにより、顔料の定着性を向上させることができる場合がある。
1.1.4.3.樹脂
第1相は、高分子成分として、上述のCMC等の他に樹脂を含有してもよい。樹脂は、樹脂エマルションの形態で供給されてもよいし、顔料分散液に配合されて供給されてもよい。樹脂は、顔料のポリマー分散剤として機能してもよい。また、樹脂は、インク(顔料)の定着性を高め、印刷の堅牢性を高める目的で添加されてもよい。
このような樹脂エマルションに含まれる樹脂成分としては、これらに限定されないが、ウレタン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。顔料分散液では、これらの樹脂成分のうち1種以上を含む樹脂エマルションを使用することができる。
ウレタン樹脂としては、分子中にウレタン結合を有するものであれば特に制限されないが、ウレタン結合に加えて、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂等も使用することができる。
樹脂エマルションに含まれる樹脂成分は、自己反応型の、ウレタン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂を使用してもよい。このような自己反応型の樹脂としては、親水性基を有するブロック剤でブロック化したウレタン樹脂、親水性セグメントを付与したブロック化ウレタン樹脂、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メチロール基等の官能基を有するアクリルモノマーを共重合して得られるアクリル樹脂等が挙げられる。
ウレタン樹脂エマルションの市販品としては、例えばサンキュアー2710(日本ルーブリゾール社製)、パーマリンUA−150(三洋化成工業株式会社製)、スーパーフレックス150、420、460、470、610、700(以上、第一工業製薬株式会社製)、NeoRez R−9660、R−9637、R−940(以上、楠本化成株式会社製)、アデカボンタイター HUX−380,290K(以上、株式会社ADEKA製)、タケラック(R) W−605、W−635、WS−6021(以上、三井化学株式会社製)等が挙げられる。
スチレンアクリル樹脂やアクリル樹脂の市販品としては、例えばモビニール966A、モビニール7320(日本合成化学株式会社製)、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上、株式会社DIC製)、SAE1014(日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(サイデン化学株式会社製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上、BASF社製)、NKバインダー R−5HN(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
第1相中の樹脂エマルションの固形分換算での含有量は、第1相の総質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.3〜5質量%である。
1.2.第2相
本実施形態のインク組成物が含有する第2相は、50%留出点が280℃以下の有機溶剤を含む。第2相は、インク組成物において第1相と相分離状態を形成する。本実施形態では第1相が水系であり、第2相は油系である。第2相が係る有機溶剤を含むことにより、インク組成物の粘度を下げることができる。
なお、50%留出点とは、JIS K2254「燃料油蒸留試験方法」による値である。50%留出点は、概要として、常圧下で容器溶剤が50%蒸発する温度であり、50%留出点が低いと、有機溶剤の蒸発量が相対的に大きく、高いと相対的に有機溶剤の蒸発量が小さい。
1.2.1.有機溶剤
第2相に含有される50%留出点が280℃以下の有機溶剤は、極性有機溶剤、非極性有機溶剤及び両者の混合溶剤のいずれであってもよい。
50%留出点が280℃以下の有機溶剤としては、日本石油社製「AF−4、AF−7、ナフテゾールM、ナフテゾールL、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、アイソゾール300、アイソゾール400、クリーンソルG」、Exxon社製「ExxolD80、ソルベッソ200、アイソパーM、アイソパーL」等を挙げることができる。
また、50%留出点が280℃以下の有機溶剤は、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤、及びこれらの混合溶剤から選択されてもよい。具体的には、50%留出点が280℃以下の有機溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のうちから50%留出点が280℃以下のものを選択することができる。
50%留出点が280℃以下の有機溶剤は、単独でまた2種類以上を適宜選択して用いることができる。2種類以上の50%留出点が280℃以下の有機溶剤を用いる場合には、留出点が280℃以下の有機溶剤を全溶剤に対して少なくとも10質量%以上用いていれば、留出点が280℃よりも高い有機溶剤が含まれていてもよい。留出点が280℃以下の有機溶剤が第2相の全量に対して10質量%以上であれば、溶剤が紙等のメディアに残留しにくく、裏抜け・油にじみを低減できる。
なお、50%留出点が280℃を越える有機溶剤は、例えば、日本石油社製「日石ナフテゾールH、日石アイソゾールAF−6」、Exxon社製「ExxolD40、ExxolD100、ExxolD130、ExxolD140」、日本石油社製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)等を例示できる。
一方、本実施形態のインク組成物の第2相は、50%留出点が300℃以上の有機溶剤を含有してもよい。50%留出点が300℃以上の有機溶剤としては、大豆油メチル、大豆油イソブチル、オレイン酸エチル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコ酸、イソステアリン酸イソプロピル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、トール油イソブチル等のうち50%留出点が300℃以上のものを例示できる。
50%留出点が300℃以上の有機溶剤は、単独でまた2種類以上を適宜選択して用いることができる。2種類以上の50%留出点が300℃以上の有機溶剤を用いる場合には、50%留出点が300℃以上の有機溶剤が第2相の全量に対して少なくとも10質量%以上用いていれば、50%留出点が300℃未満の有機溶剤が含まれてもよい。
第2相に50%留出点が300℃以上の有機溶剤を含有させると、有機溶剤全体の揮発が抑制されやすく、臭気等をより発生しにくい。また、第2相に50%留出点が300℃以上の有機溶剤を含有させると、有機溶剤全体の揮発が抑制されやすく、インクジェット記録装置のノズルの目詰まりを抑制することができる。
1.2.2.その他の成分
本実施形態のインク組成物の第2相には、顔料、染料、界面活性剤、水溶性有機溶剤、樹脂(分散剤)、防腐剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤等、通常のインクジェットインクに含有され得る添加剤を1種又は複数種含んでもよい。
1.3.第1相及び第2相の比率、及びその他の相等
本実施形態のインク組成物において、第1相及び第2相の全体に対する第1相の割合は、特に限定されず、例えば、5質量%以上95質量%以下とすることができる。本実施形態のインク組成物は、第1相及び第2相のエマルション又はディスパージョンの形態をとり、相分離構造が安定に維持される。
インク組成物の相分離構造をより安定に維持するという観点からは、第1相及び第2相の全体に対する第1相の割合は、好ましくは10質量%以上80質量%以下、より好ましくは15質量%以上70質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上60質量%以下である。
なお、第1相及び第2相が混合してインク組成物が形成された際には、第1相に含有される成分の一部は、第2相に移動してもよいし、第2相の成分の一部が第1相に移動してもよい。
また、本実施形態のインク組成物は、第1相及び第2相の他に、第3相を有してもよい。例えば、第1相及び第2相の界面付近に両親媒性の相が形成される場合には、これを第3相とみなしてもよい。
1.4.インク組成物の調製
本実施形態のインク組成物は、第1相及び第2相のエマルション又はディスパージョンの形態をとる。インク組成物は、例えば、第1相及び第2相を適宜の容器に入れ、超音波分散、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等により撹拌、分散させたり、ハイスピードミキサー、サンドミル、ビーズミルあるいはロールミル等を用いて撹拌、分散させることにより調製することができる。また、インク組成物は、適宜の容器中に一方の相(例えば第2相)を入れて、超音波分散、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等により撹拌している状態で、他方の相(例えば第1相)を滴下して調製することができる。
インク組成物がエマルション又はディスパージョンの形態となったか否かは、例えば目視により確認することができる。本実施形態のインク組成物は、調製後に相分離構造の変化を生じにくく、安定にエマルション又はディスパージョンの形態を維持することができる。
また、本実施形態のインク組成物は、その粘度をインクジェット記録用のインク組成物として適正な範囲に容易に設定できる。本実施形態に係るインク組成物の20℃における粘度は、例えば、2mPa・s以上20mPa・s以下であり、2mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上7mPa・s以下であることがより好ましい。粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rateが200の時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
なお、インク組成物の粘度は、主として第1相及び第2相の比率、第2相の組成、分散構造(相分離構造)に依存する。そのため、インクジェット記録用として適正となるようにこれらの条件を調節して調製される。
1.5.作用効果等
本実施形態のインク組成物は、セルロース誘導体を3質量%以上15質量%以下含む高粘度の水系顔料インク(第1相)を、有機溶剤を含む第2相とともに含むことで、インクジェット記録装置により安定して吐出することができる粘度とすることができる。
これにより、顔料の定着性が良好で、高画質なインクジェット記録を行うことができる。さらに、本実施形態のインク組成物は、エマルション又はディスパージョンの形態を安定して維持でき、保存安定性に優れる。
通常、水系インク組成物に対して、セルロース誘導体を配合する場合、1質量%程度の含有量で、水系インク組成物の20℃における粘度は、20mPa・s以上となるため、インクジェット記録用としての使用が難しい。しかし、本実施形態のインク組成物は、第1相にセルロース誘導体を高濃度に配合し、インク組成物全体に対して1質量%程度(0.6質量%以上)の含有量としている。そして、係る第1相が第2相とを混合してエマルション又はディスパージョンの形態を採っているので、インクジェット記録装置により安定して吐出することができる粘度を達成することができる。
2.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
2.1.インク組成物の調製
<W相の調製>
W相(第1相)は、以下のように調製した。
表1の組成になるように各成分を容器に入れて、マグネチックスターラーで2時間混合及び攪拌した後、孔径5μmのメンブランフィルターで濾過することで、W相を作成した。なお、表1中の数値は、質量%を示し、水はイオン交換水を用いてW相の質量が100質量%となるように添加した。調製後、W相の粘度として、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rateの200時の粘度を読み取った値を表1に記載した。
Figure 0006361879
表1中、化合物名で記載した成分は、試薬として入手した。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬株式会社製)を用いた。また、各商品名は、下記の通りである。オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤)、サーフィノール104(Air Products and Chemicals. Inc.社製、アセチレンアルコール系界面活性剤)。
また、顔料分散液は、以下のように調製したものを用いた。市販の酸性カーボンブラックであるMA−100(三菱化学株式会社製)17部を水57部によく混合した後、これに次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度12%)26部を滴下して、100−105℃で10時間攪拌した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、顔料粒子が洩れるまで水洗した。この顔料ウェットケーキを水3kgに再分散し、電導度0.2μSまで逆浸透膜で脱塩した。さらに、この顔料分散液を、顔料濃度20部となるまで濃縮し、顔料表面に導入された官能基がカルボキシル基である表面処理型顔料を含む顔料分散液を得た。
<O相の調製>
ナフテン系溶剤(日石化学社製AF−4)45質量部、ナフテン系溶剤(日石化学社製AF−6)15質量部、大豆油メチル5質量部、オレイルアルコール15質量部、脂肪族炭化水素形系溶剤(Exxon社製ExxolD80)5質量部を混合し(合計85質量部)を容器に入れて、マグネチックスターラーで2時間混合及び攪拌した後、孔径5μmのメンブランフィルターで濾過することで、O相を調製した。調製後、O相の粘度として、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rateが200時の粘度を読み取ったところ、5mPa・sであった。
<インク組成物の調製>
上記O相を300ml容のビーカーに100ml入れ、高速ホモジナイザー(ヒスコトロン:株式会社マイクロテック・ニチオン製)にて、5000rpmにて撹拌し、撹拌しながら上記W相を滴下して、表2に示すW率(W相の質量/(W相の質量+O相の質量))となるように混合した。滴下後、同ホモジナイザーにて、さらに20000rpmの回転速度で5分間撹拌して、各例のインク組成物を得た。調製後、インク組成物の粘度として、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rateが200時の粘度を読み取った値を表2に記載した。
Figure 0006361879
2.2.評価試験
表2に示す各例のインク組成物を以下のように評価した。
≪エマルションの安定性の評価≫
60℃環境に24時間放置し、室温に戻してから吸光度を測定した。評価基準は以下のとおりであり、結果を表2に記載した。
A・・・初期からのずれが3%以内
B・・・初期からのずれが10%以内
C・・・初期からのずれが10%より多い
≪吐出安定性≫
調製したインク組成物をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、形式PX−B700)のカートリッジに導入し、当該カートリッジに連通する複数のノズルから吐出することを確認してから、連続でA4用紙30枚にテストパターンを印刷し、30枚印刷後にノズルチェックを行って、吐出安定性を以下の基準で評価した。評価結果を表2に記載した。
A・・・ノズル抜けなし
B・・・ノズル抜け5本以内、クリーニング1回で回復
C・・・ノズル抜け10本以内、クリーニング2回以上で回復
≪OD値≫
調製したインク組成物をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、形式PX−B700)のカートリッジに導入し、当該カートリッジに連通する複数のノズルから吐出することを確認してから、A4用紙(普通紙:ゼロックスP紙(富士ゼロックス社製)1枚にベタパターンを印刷した。そして係るパターンのOD値をグレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)にて測定した。評価基準は以下のとおりであり、結果を表2に記載した。
A・・・OD値1.2以上
B・・・OD値1.0以上1.2未満
C・・・OD値1.0未満
≪裏移り≫
上記OD値を測定したA4用紙の裏面のOD値を同様に測定した。評価基準は以下のとおりであり、結果を表2に記載した。
A・・・OD値0.2未満
B・・・OD値0.2以上0.3未満
C・・・OD値0.3以上
≪定着性≫
調製したインク組成物をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、形式PX−B700)のカートリッジに導入し、当該カートリッジに連通する複数のノズルから吐出することを確認してから、A4用紙(普通紙:ゼロックスP紙(富士ゼロックス社製)1枚にテストパターンを印刷し、10分放置した。その後、蛍光ペンを用い、印刷部分にラインを引いた。この時蛍光ペンには220gの荷重を課した。評価は目視で行い、評価基準を以下のとおりとした。評価結果を表2に記載した。
A・・・にじみなし
B・・・若干にじむ
C・・・文字の尾を引くように、ひどくにじむ
≪カール≫
調製したインク組成物をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、形式PX−B700)のカートリッジに導入し、当該カートリッジに連通する複数のノズルから吐出することを確認してから、A4用紙(普通紙:ゼロックスP紙(富士ゼロックス社製)1枚にテベタパターンを印刷し、用紙が排出された時のカール高さ(用紙の搬送面からの、用紙の最大の高さ(離間距離))を測定した。評価基準は以下のとおりであり、結果を表2に記載した。
A・・・5mm未満
B・・・5mm以上10mm未満
C・・・10mm以上
2.3.評価結果
表2の評価結果の通り、実施例に係るインク組成物は、いずれも安定に保存可能で、粘度も低く抑えられ、インクジェット記録装置に適用できることが判明した。このことから、本発明によれば、インク組成物を、高い濃度でセルロース誘導体を含有するにもかかわらず、インクジェット記録用のインクとして適した粘度に調整できることが判明した。
また、実施例に係るインク組成物は、いずれもOD値、裏移り、定着性ともに良好な結果となった。これは、W相に含まれる顔料がO相の紙への浸透に伴って移動しにくいことが一因と考えられる。すなわち、W相の顔料が、W相の比較的高濃度のセルロース誘導体により留められ、インク組成物の紙への付着時の浸透によって生じる流れに流されにくいことが一因と考えられる。また、この結果は、セルロース誘導体が、紙との親和性が高いことから、インク組成物が紙に付着した後、早期に紙と顔料とを、結着させることも一因として考えられる。
各実施例を比較すると、セルロース誘導体のエーテル化度が大きい方が定着性がより良好であること、数平均分子量が大きいとOD値が良好になる傾向があることがわかった。なお、カール性については、W率との相関が見られた。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (6)

  1. 顔料と、セルロース誘導体と、水と、を含む第1相と、
    50%留出点が280℃以下の有機溶剤を含む第2相と、
    を含み、
    前記第1相中の前記セルロース誘導体の含有量が、前記第1相全体に対して3質量%以上15質量%以下である、インクジェット記録用のインク組成物。
  2. 請求項1において、
    前記セルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース並びにメチルセルロースから選ばれる少なくとも一種である、インク組成物。
  3. 請求項1又は請求項2おいて、
    前記第1相及び前記第2相の全体に対する前記第1相の割合は、20質量%以上60質量%以下である、インク組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記第2相は、50%留出点が300℃以上の有機溶剤を含む、インク組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記セルロース誘導体の全体の数平均分子量は、1万以上15万以下である、インク組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記セルロース誘導体の全体のエーテル化度は、0.6以上1.0以下である、インク組成物。
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