JPH11166143A - インクジェット捺染用インク組成物 - Google Patents

インクジェット捺染用インク組成物

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JPH11166143A
JPH11166143A JP33152497A JP33152497A JPH11166143A JP H11166143 A JPH11166143 A JP H11166143A JP 33152497 A JP33152497 A JP 33152497A JP 33152497 A JP33152497 A JP 33152497A JP H11166143 A JPH11166143 A JP H11166143A
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ink
weight
rpm
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JP33152497A
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Koji Hosokawa
幸司 細川
Yuji Yoshikawa
裕治 吉川
Hiroaki Nanba
宏彰 難波
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット捺染用インク単独によって、
染料の沈降防止と、吐出時のノズルの目詰まり防止と、
インクのにじみ(画像の明瞭性)を改善すると同時に、
捺染された布帛の染着性を高め、洗濯堅牢性の高いイン
クジェット捺染用インクの提供すること。 【解決手段】 インクジェット捺染用インク組成物にチ
キソトロピー性の高いカルボキシメチルセルロースナト
リウム塩、すなわち、平均粒径50μm以下かつB型粘
度計で10000±200mPa・S(25℃、ローターNO.4、
回転数30rpm)になるように調整したをローターNO.4を
用いて回転数60rpmと6rpmで測定したときの粘度比が0.
20〜0.60であるカルボキシメチルセルロースナト
リウム塩を添加することにより、チキソトロピー(揺
変)性を付与することにより達成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布帛(織布や不織
布)の捺染に適したインクジェット捺染用インク組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、布帛(織布や不織布)に対する捺
染方法としては、スクリーン捺染法、ローラー捺染法、
転写捺染法等が採用されていたが、これらの捺染方法
は、以下のような欠点を有していた。
【0003】すなわち、スクリーン捺染法およびローラ
ー捺染法では、図柄の変更毎にスクリーンおよびローラ
ーを作製しなければならず、実生産までに多大の労力と
準備時間を要する。従って、この方法では、経済的な問
題だけではなく、ファッション性の多様化している現在
に要求される多種少量生産性ならびに即時プリント性
(スピード)に欠ける。
【0004】転写捺染法も、スクリーン捺染法と同様に
グラビア印刷等のための製版を必要とし、多種少量生産
性ならびに即時プリント性に欠ける。また、転写紙を用
いるとコストも高くなる。
【0005】これらの捺染方法に対して、特開昭50−
59108号公報に記載されているように、インクジェ
ット捺染法が提案された。インクジェット捺染法は、イ
ンクジェット記録方式、すなわち、インクの微小液滴を
種々の作動原理により、微細な吐出ノズルから高速かつ
高周波で吐出させて記録媒体に付着させ、画像、文字な
どの記録を行う方式により、インクを布帛に捺染する方
法である。インクジェット捺染法は、多種少量生産が可
能であり即時プリント性も改善されるという長所があ
る。また、近年インクジェット記録方式のプリンターが
パソコンの出力機器として驚異的に普及してきているの
で、今後の需要も大幅に増加すると予測される。
【0006】しかし、一方で、インクジェット捺染法も
いくつかの欠点を有する。すなわち、布帛は紙と比較
すると織目が粗いため、布帛上の捺染画像がにじみやす
く細かい絵柄の作製が困難である捺染画像の固着率が
低いため(特に分散染料を用いた場合)、それらの洗濯
堅牢性も低い染料を含んだインクジェット捺染用イン
クは、貯蔵中に染料の沈降がおこりやすい等である。
【0007】上記の問題点を改善する方法として、イン
クジェット捺染用インクの性質を改良する方法(例え
ば、特開昭60−185886号公報、特公昭63−3
1593号公報)と、捺染用布帛の前処理を改良する方
法(例えば特開平6−146178号公報、特開平8−
27680号公報)が知られている。
【0008】特開昭60−185886号公報には、2
0℃におけるインクの粘度を50mPa・S以下に調整
することで、吐出ノズルの目詰まり、ノズル口でのイン
クの乾燥、捺染画像のにじみを改善させる方法が開示さ
れている。該公報中には、インクジェット捺染用インク
中に、粘度調整剤として、カルボキシメチルセルロース
等を添加し、貯蔵中の染料の沈降を防止するとの記載は
あるが、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩とし
て最も使用量の多い(通常使用されている)ものを用い
た場合、目詰まり、インクにじみ、染料の沈降とも不十
分である上、インク滴が均一に飛散せず画像の再現性に
劣るものであった(ムラが生じる)。
【0009】また、特公昭63−31593号公報に
は、インクジェット捺染用インクとして、粘度0.8〜
200mPa・Sかつ表面張力30〜70dyn/cm
のものを用い、同時に布帛は撥水度50点以上のものを
用いることで、捺染画像のにじみを改善させる方法が開
示されているが、撥水処理していない布帛にこのインク
を用いて捺染するとにじみがひどく輪郭の鮮明な画像を
得ることができなかった。
【0010】一方、にじみを改善する方策として、イン
クジェット捺染用布帛の前処理に関するものとして、特
開平6−146178号公報には、予め布帛にカルボキ
シメチルセルロースおよびアルギン酸ナトリウムから選
ばれる少なくとも1種と、水溶性アクリル系樹脂および
マレイン酸系樹脂から選ばれる少なくとも1種と、撥水
剤および柔軟剤から選ばれる少なくとも1種を含有する
処理液を付与した後、インクジェット捺染する方法が開
示されている。
【0011】また、同様に特開平8−27680号公報
には、平均重合度80〜120のアルギン酸ナトリウム
またはエーテル化度0.65〜0.9のカルボキシメチル
セルロースを含有させた剛直化剤を用いて処理し、クラ
ーク剛度10以上400以下のインクジェット捺染用布
帛を用いる方法が開示されている。
【0012】しかし、上記の方法においては、捺染画像
のにじみを防ぐことができるが、最終物を得るまでの工
程数が長く、所要時間も長いという問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、インクジェット捺染用インク単独によって、染料の
沈降防止と、吐出ノズルの目詰まり防止と、インクのに
じみ(画像の明瞭性)を改善すると同時に、前処理の有
無に拘わらず、捺染された布帛に対する染着性の高い、
インクジェット捺染用インクを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の上記
の諸目的は、インクジェット捺染用インク組成物とし
て、平均粒径が50μm以下でかつB型粘度計で25
℃、ローターNO.4、回転数30rpmの条件で測定
した粘度が10000±200mPa・Sになるように
調整した糊液をローターNO.4を用いて回転数60r
pmと6rpmで測定したときの粘度の比が0.20〜
0.60であることを特徴とするカルボキシメチルセル
ロースナトリウム塩を構成成分として含むインクジェッ
ト捺染用インク組成物を用いることによって達成され
た。この特定性質のカルボキシメチルセルロースナトリ
ウム塩を用いることによって、インクジェット捺染用イ
ンクにチキソトロピー(揺変)性が付与され、外部から
圧力の加わるインク吐出時にはインクジェット捺染用イ
ンクは低粘度になるが、インクの吐出口を出た後には高
粘度となるため、吐出時のノズルの目詰まり防止と、捺
染画像のにじみ(明瞭性)・捺染画像の固着性の改善を
同時に達成することができる上、平均粒径50μm以下
のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の保水性と
適切な粘度により、ノズルの目詰まりの改良とインクの
沈降も防止できる。
【0015】以下に本発明を詳述する。インクジェット
捺染用インクに添加するカルボキシメチルセルロースナ
トリウム塩は、次のような方法によりそのチキソトロピ
ー性を確認し、チキソトロピー性の高いものを選別して
使用する。
【0016】まず、各種濃度のカルボキシメチルセルロ
ース水溶液をB型粘度計を用いて、25℃、ローターN
O.4、回転数30rpmの条件で10000±200
mPa・Sになるように調整する。次にこの水溶液を温
度及びローターは同一条件で、回転数のみ60rpmと
6rpmにし、B型粘度計で測定しその比を計算する。
この比のことを以下PVI値と称する。そして、PVI
値が0.2〜0.6、好ましくは0.30〜0.60の範
囲のカルボキシメチルセルロース水溶液を選択する。P
VI値が0.2よりも低い場合、すなわち極めてチキソト
ロピー性が強い場合は、インク吐出時の飛翔性が悪く、
しかもかえってノズルの目詰まりが起きやすくなり、P
VI値が0.60を超える場合は、チキソトロピー性が
弱く、布帛に対するインクのにじみ(画像の明瞭性)を
引き起こす可能性があり好ましくない。
【0017】こうして得た高チキソトロピー性のカルボ
キシメチルセルロースナトリウム塩を乾燥時に平均粒径
50μm以下になるように粉砕、又は分級し使用する。
平均粒径が50μmよりも大きくなると、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム塩の溶解状態によっては、イ
ンク吐出時にノズルの目詰まりを引き起こす可能性があ
り好ましくない。
【0018】また、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム塩は、エーテル化度が0.4〜2.5の範囲のものを
使用する。エーテル化度が0.4よりも低い場合は、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム塩の水に対する溶
解性が低下し、インク吐出時にノズルの目詰まりを引き
起こす可能性があり好ましくなく、エーテル化度が2.
5を超える場合は、その添加効果が現われにくく、かつ
高価になるために好ましくない。
【0019】チキソトロピー性の高いカルボキシメチル
セルロースナトリウム塩は、PVI値の異なる数種類の
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を混合するこ
とによっても得ることができる。この場合は、数種類の
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩は、PVI値
0.2〜0.99のものを使用し、その混合物のPVI値
が0.20〜0.60の範囲であれば問題はない。
【0020】上記のカルボキシメチルセルロースナトリ
ウム塩は、インクジェット捺染用インク組成物の全重量
に対して、0.1〜50%の割合、好ましくは1〜30
%の割合で添加する。50%を超えるとインクの粘度が
上がりすぎ、インク吐出時高周波の吐出特性に追随でき
なくなり好ましくなく、0.1%未満であるとインクジ
ェット捺染用インクにチキソトロピー性を付与できなく
なり、インク中の染料の沈降、及び印捺画像のにじみを
引き起こすため好ましくない。
【0021】なお、用途に応じて、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム塩以外の水溶性高分子を併用し使用
することもできる。併用可能な水溶性高分子としては、
ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、
クインスシードガム、カラヤガム、アラビアガム、トラ
ガントガム、ガッティーガム、アラビノガラクタン、寒
天、カラギーナン、アルギン酸およびその塩、ファーセ
レラン、ペクチン、マルメロ、キサンタンガム、カード
ラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチ
ンなどの天然高分子や、エチルセルロース(EC)、メ
チルセルロース(MC)、カルボキシメチルエチルセル
ロース(CMEC)、ヒドロキシエチルセルロース(H
EC)、カチオン化ガム、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース(HPMC)などの半合成高分子、ビニル系合
成高分子が挙げられる。
【0022】本発明のインクジェット捺染用インク組成
物に用いる染料としては、布帛を構成する繊維に対して
染色可能な染料であればよく、それを溶解または分散し
て用いる。なかでも、酸性染料、直接染料、反応染料、
塩基性染料、分散染料が好ましい。
【0023】これらの染料は、インク中に1種以上含有
したり、色相の異なったものを数種併用することも可能
である。インク中の染料の割合は、インク全量に対して
合計で1〜30重量%、好ましくは1.5〜25重量
%、より好ましくは2〜20重量%の範囲である。1重
量%未満では発色濃度が不十分であり、一方、30重量
%を超えるとインクノズルがつまり、インクの吐出量が
十分ではなくなる。
【0024】本発明のインクジェット捺染用インク組成
物を構成する液媒体の好適な成分は水であり、インク全
量に対して30〜90重量%、好ましくは50〜85重
量%の割合で用いられる。
【0025】液媒体として水とともに、水溶性有機溶剤
を併用することもでき、その含有量はインクの全重量に
対して3〜60重量%、好ましくは5〜50重量%の割
合である。
【0026】併用が可能な水溶性有機溶剤としては、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等の一価アルコール類、アセトン、ジアセトンアルコ
ール等のケトンまたはケトアルコール類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のオキシエチレンまたはオキシプロピレン付加重
合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、ト
リメチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレ
ングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を
含むアルキレングリコール類、1、2、6−ヘキサント
リオール等のトリオール類、チオジグリコール、グリセ
リン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル類、トリエチレン
グリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコール
ジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル
エーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル
等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類、スル
ホラン、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。 なお、上
記の媒体は、単独でも数種類混合してもどちらでもよい
が、最も好ましい液媒体組成は、少なくとも1種の多価
アルコールおよびその誘導体を含有するものである。中
でも、チオジグリコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、グリセリ
ン、1、2、6−ヘキサントリオールの混合系が特に良
好である。
【0027】また、必要に応じて、本発明のインクジェ
ット捺染用インク組成物には、上記の主要成分の他に、
各種の分散剤、界面活性剤、表面張力調整剤、蛍光増白
剤、pH調整剤、防カビ剤等を添加することもできる。
【0028】本発明のインクジェット捺染方法は、公知
の何れかのインクジェット記録方式でよいが、なかで
も、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変
化を生じ、この状態変化による作用力によって、インク
をノズルから吐出させる方式、即ち、バブルジェット方
式が好ましい。なお、捺染される布帛としては、未処理
の布帛を用いても、前処理を施した布帛を用いても構わ
ない。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、染料及び水を主成分と
し、その他の構成物を必要により加えたインク組成物
に、チキソトロピー性の高いカルボキシメチルセルロー
スナトリウム塩を添加し、最終的なインクジェット捺染
用インク組成物を得る方法である。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例により説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。また、実施例、比較例中の諸物性値の測定は下記の
要領で行った。
【0031】1)エーテル化度測定 以下に示す2種の方法より、エーテル化度を求めた。な
お、エーテル化度が1.0以下の場合は、硝酸メタノール
法で、エーテル化度が1.0を超える場合は、灰分アルカ
リ法で測定した。
【0032】<硝酸メタノール法>試料約2.0gを精秤
して、300ml共セン三角フラスコに入れた。硝酸メタ
ノール(無水メタノール1lに特級濃硝酸100mlを加
えた液)100mlを加え、3時間振とうして、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム(Na−CMC)をカルボ
キシメチルセルロース(H−CMC)にした。その絶乾
H−CMCを1.5〜2.0gを精秤し、300ml共セン三角
フラスコに入れた80%メタノール15mlでH−CMCを
湿潤し、0.1N−NaOH100ml加えて室温で3時間振と
うした。指示薬としてフェノール・フタレインを用い
て、0.1N−H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。エ
ーテル化度は次式によって、算出した。 (100×F'−0.1N-H2SO4(ml)×F)/(H-CMCの絶乾重量
(g))×0.1=A エーテル化度=0.162A/(1−0.058A) A:H-CMC 1gを中和するに必要な1N-NaOHの量(ml) F:0.1N-H2SO4のfactor F':0.1N-NaOHのfactor
【0033】<灰分アルカリ法>試料約0.5gを精秤
し、白金皿に入れ、電熱器上で炭化した。その後、電気
炉(750±25℃)で1〜2分灼熱した。冷却後、温水で可
溶分を抽出し、更に温水で洗浄しながら完全に可溶分を
ビーカーへ移した。温水可溶分に0.1N−H2SO4100m
lを加え、10分間煮沸後、冷却し、指示薬としてフェノ
ール・フタレインを用いて、0.1N−NaOHで過剰のH
2SO4を滴定した。エーテル化度は次式によって、算出
した。 (100×F'−0.1N-H2SO4(ml)×F)/(試料の絶乾重量
(g))=A エーテル化度=162A/(1000−80A) A:H-CMC 1gを中和するに必要な1N-NaOHの量(ml) F:0.1N-H2SO4のfactor F':0.1N-NaOHのfactor
【0034】2)平均粒径 レーザー回折散乱粒度分布計(マイクロトラックModel-
9220-SRA、日機装社製)を用いて測定し、D50の値を平
均粒径とした。なお、媒体はメタノールを用いた。
【0035】3)PVI値測定 温度25℃で粘度10000±200mPa・S(ローターNO.
4、回転数30rpm)になるように調整した糊液をロー
ターNO.4、回転数6rpmと60rpmでB型粘度計
を用いて粘度を測定した。PVI値は次式によって、算
出した。 PVI値=回転数60rpmの粘度/回転数6rpmの粘
【0036】4)貯蔵安定性試験 インクジェット捺染用インクを室温で静置保存して、染
料が沈降するまでの日数を測定した。
【0037】5)インクジェット捺染用インクの粘度測
定 25℃±0.2の恒温槽にインクジェット捺染用インクを入
れ25℃とし、粘度はB型粘度計で測定した。ローターの
回転開始から3分後のメモリを読み、下の表の係数を乗
じて粘度とした。
【0038】
【表1】表1
【0039】6)目詰まり性試験 インクを吐出してからノズルの目詰まりが発生するまで
の時間を測定した。
【0040】7)定着性試験 印字1分後のベタ部を50g/cm2の力で1回こすった
ときの汚れの程度を目視にて判定した。評価は以下の通
り。 :汚れがほとんど見られない、△:汚れが少しある、
×:汚れがひどい
【0041】8)発色性試験 ベタ部のムラおよび鮮明性を目視にて判定した。評価は
以下の通り。 :良好、△:やや劣る、×:劣る
【0042】9)にじみ性試験 プリント物の細線(巾約1mm)の尖鋭度を目視にて判定
した。評価は以下の通り。 :にじみがほとんど見られない、△:にじみが少しあ
る、×:にじみがひどい
【0043】[実施例1]反応性染料(C.I.Reactive
Red 24)5重量部に対し、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル25重量部、水60重量部にエーテル化度2.10、
平均粒径21μm、PVI値0.60のカルボキシメチルセル
ロースナトリウム塩10重量部を添加した混合物に水酸化
ナトリウムを加え、pH8.2のインクジェット捺染用イ
ンクを得た。このインクを用いて、綿100%の布帛にカ
ラーバブルジェットプリンターBJC-820(キヤノン製)
で捺染を行った。
【0044】[実施例2]酸性染料(C.I.Acid Brown
13)2重量部、酸性染料(C.I.Acid Orange 156)1.
5重量部、酸性染料(C.I.Acid Black 205)6.5重量部
に対し、ジエチレングリコール5重量部チオジグリコー
ル21重量部、イソプロピルアルコール2重量部、水55重
量部にエーテル化度1.20、平均粒径27μm、PVI値0.
51のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩7重量部
を添加した混合物に水酸化ナトリウムを加え、pH8.3
のインクジェット捺染用インクを得た。このインクを用
いて、羊毛100%の布帛にカラーバブルジェットプリン
ターBJC-820(キヤノン製)で捺染を行った。
【0045】[実施例3]直接染料(C.I.Direct Yell
ow 86)7重量部に対し、ジエチレングリコール10重量
部、チオジグリコール21重量部、水52重量部にエーテル
化度1.43、平均粒径26μm、PVI値0.86のカルボキシ
メチルセルロースナトリウム塩6重量部とエーテル化度
0.52、平均粒径34μm、PVI値0.33のカルボキシメチ
ルセルロースナトリウム塩4重量部を添加した混合物に
水酸化ナトリウムを加え、pH8.4のインクジェット捺
染用インクを得た。なお、今回使用した2種混合カルボ
キシメチルセルロースナトリウム塩のPVI値は、0.58
であった。このインクを用いて、綿100%の布帛にカラ
ーバブルジェットプリンターBJC-820(キヤノン製)で
捺染を行った。
【0046】[実施例4]粗大粒子を除去した分散染料
(C.I.Disperse Blue 86)7重量部と分散染料(C.I.
Disperse Violet 26)8重量部に対し、ジエチレング
リコール5重量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸ナトリウム5重量部、水70重量部にエーテル化度
0.58、平均粒径29μm、PVI値0.37のカルボキシメチ
ルセルロースナトリウム塩5重量部を添加した混合物に
水酸化ナトリウムを加え、pH8.4のインクジェット捺
染用インクを得た。このインクを用いて、ポリエステル
65%、綿35%の布帛にカラーバブルジェットプリンター
BJC-820(キヤノン製)で捺染を行った。
【0047】[実施例5]実施例4記載のインクジェッ
ト捺染用インクを用いて、ポリエステル100%の織布か
らなる布帛を、予め処理液(尿素10%、アルギン酸ナト
リウム2%、水88%)に浸漬後、脱水乾燥された前処理
布帛にカラーバブルジェットプリンターBJC-820(キヤ
ノン製)で捺染を行った。
【0048】[比較例1]粗大粒子を除去した分散染料
(C.I.Disperse Blue 86)7重量部と分散染料(C.I.D
isperse Violet 26)8重量部に対し、ジエチレングリ
コール5重量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸ナトリウム5重量部、水70重量部にエーテル化度0.5
8、平均粒径62μm、PVI値0.37のカルボキシメチル
セルロースナトリウム塩5重量部を添加した混合物に水
酸化ナトリウムを加え、pH8.4のインクジェット捺染
用インクを得た。このインクを用いて、ポリエステル65
%、綿35%の布帛にカラーバブルジェットプリンターBJ
C-820(キヤノン製)で捺染を行った。
【0049】[比較例2]直接染料(C.I.Direct Yellow
86)7重量部に対し、ジエチレングリコール10重量部、
チオジグリコール21重量部、水52重量部にエーテル化度
0.78、平均粒径38μm、PVI値0.70のカルボキシメチル
セルロースナトリウム塩10重量部を添加した混合物に水
酸化ナトリウムを加え、pH8.4のインクジェット捺染
用インクを得た。このインクを用いて、綿100%の布帛
にカラーバブルジェットプリンターBJC-820(キヤノン
製)で捺染を行った。
【0050】[比較例3]反応性染料(C.I.Reactive
Red 24)5重量部に対し、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル25重量部、水60重量部にアルギン酸ナトリウ
ム塩10重量部を添加した混合物に水酸化ナトリウムを加
え、pH8.2のインクジェット捺染用インクを得た。こ
のインクを用いて、綿100%の布帛にカラーバブルジェ
ットプリンターBJC-820(キヤノン製)で捺染を行っ
た。
【0051】[比較例4]粗大粒子を除去した分散染料
(C.I.Disperse Red 86)15重量部に対し、ジエチレ
ングリコール5重量部、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸ナトリウム5重量部、水75重量部を添加した
混合物に水酸化ナトリウムを加え、pH8.4のインクジ
ェット捺染用インクを得た。このインクを用いて、ポリ
エステル65%、綿35%の布帛にカラーバブルジェットプ
リンターBJC-820(キヤノン製)で捺染を行った。
【0052】以上の結果を表2及び表3に示す。
【0053】
【表2】表2
【0054】
【表3】表3
【0055】
【発明の効果】本発明では、特定のPVI値を持つチキ
ソトロピー性の高いカルボキシメチルセルロースナトリ
ウム塩をインクジェット捺染用インクに配合することに
より、該インクを用いてインクジェット方式にて布帛を
捺染する場合、インクノズルのつまりや染料の沈降を防
止し、更にインクのにじみ(画像の明瞭性)がなく、型
際が鮮明で高品位な捺染物を得ることができる。
【0056】また、本発明は、極細線の均一な捺染を可
能とするものであり、効率よく、あらゆる分野で、品質
の良い捺染を可能とするものであり、ファッションの多
様化に対応できる実用的な方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が50μm以下でかつB型粘度
    計で25℃、ローターNO.4、回転数30rpmの条
    件で測定した粘度が10000±200mPa・Sにな
    るように調整した糊液をローターNO.4を用いて回転
    数60rpmと6rpmで測定したときの粘度の比が
    0.20〜0.60であることを特徴とするカルボキシメ
    チルセルロースナトリウム塩を構成成分として含むイン
    クジェット捺染用インク組成物。
  2. 【請求項2】 カルボキシメチルセルロースナトリウム
    塩が、平均粒径50μm以下でかつB型粘度計で25
    ℃、ローターNO.4、回転数30rpmの条件で測定
    した粘度が10000±200mPa・Sになるように
    調整した糊液をローターNO.4を用いて回転数60r
    pmと6rpmで測定したときの粘度比が0.20〜0.
    99のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を数種
    配合したものである請求項1記載のインクジェット捺染
    用インク組成物。
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