JP2017088840A - インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物 - Google Patents
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Abstract
Description
近年では、家庭用のみならず商業用途や産業用途にもインクジェット技術が利用されてきている。
前記インクを乾燥して得られるインク膜の破断エネルギーが20mJ以上300mJ以下である。
前記破断エネルギーが300mJ以下であると、良好な分散性を保つことができ、吐出時の液曲がりや印字画像の反りが発生することがない。また、前記破断エネルギーが20mJ以上であると、インク膜の脆性がなく、表面のべたつきがなく、耐ブロッキング性及び耐擦性が向上する。
前記インク膜の破断エネルギーは、例えば、株式会社島津製作所製オートグラフAG−10Nを用いて測定することができる。
前記ガラス転移温度が−30℃以上であることにより、力学強度に優れた画像を形成することができ、45℃以下であることにより、乾燥過程における粒子同士、及び粒子とメディア間の接着力を高めることができ、力学強度を向上させることができ、耐擦性、及び耐ブロッキング性を向上させることができる。
前記インク膜のガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。
前記インク膜の表面粗さが0.3μm以下であると、平滑で均一な画像が形成され、力学強度に優れた画像を形成することができ、耐擦性、及び耐ブロッキング性に優れた画像を得ることができる。
前記インク膜の表面粗さは、例えば、共焦点レーザー顕微鏡(OPTELICS C130、レーザーテック株式会社製)を用いて測定することができる。
前記体積平均粒径が50nm以上200nm以下であると、耐擦性及び耐ブロッキング性に優れた画像を形成することができる。
前記インク中の固形分の体積平均粒径は、例えば、ゼータ電位・粒径測定システム(ELSZ−1000、大塚電子株式会社製)を用いて、動的光散乱法により測定することができる。
前記ウレタン樹脂粒子を添加してウレタン樹脂粒子を含有するインクを製造する。前記ウレタン樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態とし、これを色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが好ましい。
前記強制乳化法の場合、塗膜に分散剤が残り、塗膜強度を下げるおそれがあることから、自己乳化法を用いることが好ましい。
まず、インクを凍結乾燥させ、例えば、電子顕微鏡等を用いてインク膜の画像観察を行い、得られた画像イメージから平均粒径を得ることができる。
前記ウレタン樹脂粒子の酸価の測定方法は、例えば、ウレタン樹脂粒子をテトラヒドロフラン(THF)溶液に入れ、0.1Mの水酸化カリウムメタノール溶液を用いて滴定することで、ウレタン樹脂粒子の酸価を測定することができる。
ウレタン樹脂粒子以外の樹脂粒子としては、例えば、ポリエステル樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、酢酸ビニル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、塩化ビニル系樹脂粒子、アクリルスチレン系樹脂粒子、アクリルシリコーン系樹脂粒子などが挙げられる。
前記ウレタン樹脂粒子の製造方法については、従来一般的に用いられている方法を用いることができ、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤存在下で、ポリマーポリオール(A)、短鎖多価アルコール(B)、アニオン性基を有する多価アルコール(C)とポリイソシアネート(D)を反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて前記中和剤により中和し、その後ポリアミンと反応さて鎖伸長反応を行い、更に水を入れて分散させ、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記構成比率の範囲を上回る場合、過度な親水性の影響によって、脆性の著しいインク膜となること、画像の耐水性が低下すること、粒子の過度な微細化によるインクの増粘などに繋がる。一方、前記範囲を下回る場合、分散安定性に劣る場合がある。
前記範囲とすることにより、力学強度に優れた膜を得ることができ、耐ブロッキング性と耐擦性に優れた画像を形成することができる。
これらの中でも、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物が好ましく、脂環式ポリイソシアネート化合物がより好ましく、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
前記ウレタン基の含有量は、例えば、次式のようにして計算することができる。
100×水酸基を含む化合物のモル数の総計×ウレタン基分子量/ウレタン樹脂固形分総質量
前記範囲とすることにより、力学強度に優れたウレタン樹脂粒子を得ることができ、耐擦性、及び耐ブロッキング性に優れた画像を形成することができる。
<数式2>
ポリマーポリオール全体での官能基数=2×a+b×(1−a)
ただし、前記数式2中、aは下記数式3で表されるポリマーポリオール全体に対する官能基数が2であるポリマーポリオールの質量比であり、bは官能基数が3以上であるポリマーポリオールの官能基数であり、2とは官能基数が2であるポリマーポリオールの官能基数のことである。
<数式3>
a=c/(c+d)
ただし、前記数式3中、cは官能基数が2であるポリマーポリオールの質量であり、dは官能基数が3以上であるポリマーポリオールの質量である。
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等が挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
一般式(S−1)
R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F−1)
一般式(F−2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記フッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。
本発明のインク収容容器は、本発明のインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えば、アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
<ウレタン樹脂粒子の合成>
下記表1−1から表1−3の処方に従い、下記手順に基づいてウレタン樹脂粒子1〜9を合成した。なお、表1−1から表1−3中の数値はg単位である。
攪拌機、温度計、及び還流管を備えた1Lのセパラブルフラスコに、ポリマーポリオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、ポリイソシアネート、トリエチルアミン、及び有機溶剤としてアセトンを、窒素を導入しながら仕込み、触媒(ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)を1滴加え、その後昇温して3時間〜15時間還流した。その後温度を40℃まで下げ、該温度に保った。系中に存在するNCO%を確認した後、300rpmの速度で攪拌しながら水をゆっくり加えて微粒子化し、30分間加熱攪拌した後、伸長剤を加え、3時間〜6時間加熱攪拌した。最後に有機溶剤を除去することで、ウレタン樹脂粒子1〜9を得た。
<アクリル樹脂粒子の合成>
まず、メタクリル酸メチル128質量部、アクリル酸2エチルヘキシル163質量部、アクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)4.2質量部、及びイオン交換水167質量部からなる混合物を、ホモミキサーを用いて乳化し、均一な乳白色のエマルションを得た。
次に、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び還流管を備えた1Lのフラスコ内に、予めイオン交換水及び硫酸により調整しておいたpH3の水290質量部を仕込み、窒素を導入しつつ70℃に昇温した。次いで、10質量%アクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)水溶液9.4質量部、5質量%過硫酸アンモニウム水溶液8.7質量部を投入した後、予め調製しておいたエマルションを2.5時間かけて連続的に滴下した。また、滴下開始から3時間経過するまでの間、1時間毎に5質量%過硫酸アンモニウム水溶液1.8質量部を投入した。滴下終了後70℃で2時間熟成した後冷却し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7〜8となるように調整し、アクリル樹脂粒子を得た。
各ウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子をテトラヒドロフラン(THF)溶液に入れ、0.1Mの水酸化カリウムメタノール溶液を用いて滴定することで、各ウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子の酸価を測定した。
アクリル樹脂粒子の酸価は24mgKOH/gであった。
−ポリマーポリオール−
・T−5650E、T−5651:ポリカーボネート系ポリマーポリオール(旭化成ケミカルズ株式会社製)
・PCL210:2官能のポリカプロラクトン系ポリマーポリオール(株式会社ダイセル製)
・PCL312:3官能のポリカプロラクトン系ポリマーポリオール(株式会社ダイセル製)
・H12−MDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・IPDA:イソホロンジアミン
・DETA:ジエチレントリアミン
<顔料分散液の調製>
以下の処方の材料を混合し、更にディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.3mmのジルコニアボール)で7時間循環分散させて顔料分散液を得た(顔料固形分15質量%)。
・顔料(ピグメントブルー15:3):15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製):2質量部
・イオン交換水:83質量部
<インクの調製>
以下に示す処方の材料を混合攪拌し、次いで、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過することでインクを調製した。
[インク処方]
・イオン交換水:32.9質量部
・2,3−ブタンジオール(bp:183℃):20.0質量部
・エチレングリコール−n−ヘキシルエーテル(bp:208℃):15.0質量部
・前記ウレタン樹脂粒子1:10.0質量部
・前記顔料分散液:20.0質量部
・界面活性剤[CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH]:2.0質量部
・防腐防黴剤(プロキセルLV、アビシア社製):0.1質量部
・合計:100部質量部
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子2に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子3に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子4に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子5に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1の含有量を15.0質量部に変え、前記イオン交換水の含有量を27.9質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子6に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子7に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子8に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記ウレタン樹脂粒子9に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
−インクの調製−
実施例1において、前記ウレタン樹脂粒子1を、前記アクリル樹脂粒子に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクを調製した。
インク中の固形分の体積平均粒径は、ゼータ電位・粒径測定システム(ELSZ−1000、大塚電子株式会社製)を用いて、動的光散乱法により測定した。
まず、インク0.2gを取り、次に、イオン交換水を加えて20倍に希釈し、得られた溶液の一部を石英セルに入れ、サンプルホルダーにセットした。そして、温度:25℃、ダストカット(回数:5、Upper:5、Lower:100)、積算回数:70の条件で測定し、インク中の固形分の体積平均粒径を得た。
直径50mmのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)製シャーレにインク4gを均一に広がるように入れ、40℃で1週間乾燥後、シャーレから剥離して平均厚み500μmのインク膜を得た。得られたインク膜に対して、株式会社島津製作所製オートグラフAG−10Nを用いて、ロードセル:50N、引っ張り速度:1.5mm/min.、チャック間距離:6mm、サンプル幅:2mmの条件で引っ張り試験を行うことにより、破断エネルギーを測定した。なお、前記インク膜の平均厚みは、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ製)で任意の3点を測定し、その平均値を使用した。
インク膜のガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
まず、直径50mmのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)製シャーレにインク4gを均一に広がるように入れ、40℃で1週間乾燥後、得られたインク膜から5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度5℃/minで−80℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における変曲部からミッドポイント法で解析し、ガラス転移温度(Tg)を求めた。
インク膜の表面粗さは、共焦点レーザー顕微鏡(OPTELICS C130、レーザーテック株式会社製)を用いて測定した。
まず、膜厚10μmとなるように、アプリケーターを用いて各インクをアルミニウム薄板上に塗布し、40℃で1日間乾燥させ、インク薄膜を得た。次いで、得られたインク薄膜の表面を、対物レンズ倍率:20倍、分解能:0.02μm、z軸スキャン範囲:±8μm、フレームカウント:1600の条件でz軸スキャンを行い、表面粗さ(μm)を測定した。
実施例1〜6及び比較例1〜5の各インクの画像評価を実施した。画像評価は、温度24℃±0.5℃、湿度50±5%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタ(IPSiO GX5000、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、TyPe6200紙(株式会社NBSリコー製)上に同じ付着量のインクが付くように設定して行った。以下にそれぞれの評価項目及びその評価方法を示す。結果を表4に示した。
インクジェットプリンタ(IPSiO GX5000、株式会社リコー製)に各インクを充填して、TyPe6200紙(株式会社NBSリコー製)に600dpiの解像度で、インク付着量が1mg/cm2の単色ベタ画像部があるチャートを形成した。乾燥後、クロックメーター(大栄科学精器製作所製)を利用して綿布で画像部を10回擦り、綿布への顔料の転写具合を目視観察し、下記評価基準により、耐擦性を評価した。なお、○以上が許容範囲である。
[評価基準]
◎:綿布への転写が見られない
○:僅かに綿布への転写が見られる
△:綿布への転写が見られる
×:綿布への転写が著しく見られる
前記インクジェットプリンタに各インクを充填して、TyPe6200紙(株式会社NBSリコー製)に600dpiの解像度で、インク付着量が1mg/cm2の単色ベタ画像部があるチャートを形成後、100℃で30秒間乾燥させた。ベタ画像に、白紙のTyPe6200紙を重ね、1kgの荷重を加えて24時間放置後、下記基準により、耐ブロッキング性を評価した。なお、○以上が許容範囲である。
[評価基準]
◎:隣接面を容易に引き剥がせ、かつ白紙側への転写がない
○:隣接面を容易に引き剥がせるが、僅かに白紙側への転写がある
△:隣接面に粘着があり、白紙側への転写が見られる
×:隣接面に粘着があり、白紙側への転写が著しい
<1> 色材、水、及びウレタン樹脂粒子を含有するインクであって、
前記インクを乾燥して得られるインク膜の破断エネルギーが20mJ以上300mJ以下であることを特徴とするインクである。
<2> 前記インク膜の破断エネルギーが30mJ以上130mJ以下である前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記インクを乾燥して得られるインク膜のガラス転移温度(Tg)が−30℃以上45℃以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記インク中の固形分の体積平均粒径が50nm以上200nm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記インク中の固形分の体積平均粒径が50nm以上150nm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記インクを乾燥して得られるインク膜の表面粗さ(Ra)が0.3μm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記ウレタン樹脂粒子の酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記ウレタン樹脂粒子の含有量が、1質量%以上30質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記ウレタン樹脂粒子が、脂環式ポリイソシアネート化合物に由来する構造を持つ前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記脂環式ポリイソシアネート化合物が、イソホロンジイソシアネート、及び4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのいずれかである前記<9>に記載のインクである。
<11> 有機溶剤を更に含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクを収容したインク収容部を備えたことを特徴とするインク収容容器である。
<13> インクを吐出ヘッドのノズルから吐出させ、記録媒体に付与して記録するインクジェット記録方法において、
前記インクとして前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<14> 前記<12>に記載のインク収容容器と、インクの液滴を吐出させるための吐出ヘッドとを有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<15> 記録媒体上に前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする記録物である。
Claims (9)
- 色材、水、及びウレタン樹脂粒子を含有するインクであって、
前記インクを乾燥して得られるインク膜の破断エネルギーが20mJ以上300mJ以下であることを特徴とするインク。 - 前記インクを乾燥して得られるインク膜のガラス転移温度(Tg)が−30℃以上45℃以下である請求項1に記載のインク。
- 前記インク中の固形分の体積平均粒径が50nm以上200nm以下である請求項1から2のいずれかに記載のインク。
- 前記インクを乾燥して得られるインク膜の表面粗さ(Ra)が0.3μm以下である請求項1から3のいずれかに記載のインク。
- 前記ウレタン樹脂粒子の酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である請求項1から4のいずれかに記載のインク。
- 請求項1から5のいずれかに記載のインクを収容したインク収容部を備えたことを特徴とするインク収容容器。
- インクを吐出ヘッドのノズルから吐出させ、記録媒体に付与して記録するインクジェット記録方法において、
前記インクとして請求項1から5のいずれかに記載のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 請求項6に記載のインク収容容器と、インクの液滴を吐出させるための吐出ヘッドとを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 記録媒体上に請求項1から5のいずれかに記載のインクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする記録物。
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