JP2018058972A - インク、インク収容容器、インクと記録媒体のセット、印刷方法、印刷装置、及び印刷物 - Google Patents

インク、インク収容容器、インクと記録媒体のセット、印刷方法、印刷装置、及び印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出安定性に優れ、かつ耐擦過性に優れた印刷画像が得られるインクの提供。【解決手段】有機溶剤、水、色材、及び、ウレタン樹脂を含有するインクであって、前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cm2であるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上である画像表面カバー率が65%以上であるインクである。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インク収容容器、インクと記録媒体のセット、印刷方法、印刷装置、及び印刷物に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べてプロセスが簡単であり、かつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点を有することから、パーソナル及び産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
このようなインクジェット記録方式では、色材として水溶性染料を使用した水系インク又は顔料インクが用いられているが、画像の耐候性及び耐水性の観点から、通常顔料インクが使用されてきている。
近年、高速連帳機を対象とした水性顔料インクの開発が進められており、高速で印刷しても高画質の画像が得られる顔料インクの提供が求められている。前記高速連帳機では、対象となる主な記録媒体がオフセットコート紙となるため、普通紙の場合と違い、高画質及び高生産性を得るためのメカニズムが異なる。また、前記オフセットコート紙のようなインク吸収性が低い記録媒体では、記録媒体にインクが十分に定着しないため、画像の耐擦過性の低下が問題となる。
そこで、前記耐擦過性を向上させるために、例えば、顔料、水、水溶性有機溶剤、及びウレタン樹脂を含み、前記ウレタン樹脂の含有量が3質量%以上10質量%未満であり、メトキシプロピオン酸アミド、ブトキシプロピオン酸アミド、ジオキソランアルコール及びオキセタンアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の疎水性溶剤を含有し、その含有量の合計が10質量%以上20質量%未満であるインクジェット記録用インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、顔料、水、水性ポリウレタン系樹脂、及びN,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド等の疎水性溶剤を含有する水性インク組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、吐出安定性に優れ、かつ耐擦過性に優れた印刷画像が得られるインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、有機溶剤、水、色材及びウレタン樹脂を含有するインクであって、
前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上である。
本発明によると、吐出安定性に優れ、耐擦過性に優れた印刷画像が得られるインクを提供することができる。
図1は、印刷装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、印刷装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。 図3は、原子間力顕微鏡を用いて測定した耐擦過性が良好な印刷画像の位相差像の2値化画像である。 図4は、原子間力顕微鏡を用いて測定した耐擦過性が不良な印刷画像の位相差像の2値化画像である。
(インク)
本発明のインクは、有機溶剤、水、色材、及びウレタン樹脂を含有するインクであって、
前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明のインクは、従来のウレタン樹脂を含有したインクでは、ウレタン樹脂の特性や用いる有機溶剤が適正化されておらず、ベタ画像表面をウレタン樹脂で十分に被覆することができず、そのため、印刷画像の耐擦過性が劣るという知見に基づくものである。
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、記録媒体上に形成したベタ画像を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いタッピングモードでの位相像を取得することにより、色材としての顔料とウレタン樹脂とを明確に識別でき、ベタ画像表面に露出しているウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率を定量化できることを知見した。
本発明においては、記録媒体上に形成したインクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率は、65%以上であり、70%以上が好ましく、70%以上90%以下がより好ましい。
前記画像表面カバー率が65%以上であると、ベタ画像表面におけるウレタン樹脂の露出割合が適正となり、耐擦過性に優れた印刷画像が得られる。
−画像表面カバー率の原子間力顕微鏡による測定−
前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてタッピングモードでの位相像を取得することにより測定することができる。
前記原子間力顕微鏡(AFM)におけるタッピングモードについては、例えば、Surface Science Letter,290,668(1993)などに記載されている。
前記位相像は、例えば、Polymer,35,5778(1994)、Macromolecules,28,6773(1995)などに説明が記載されているように、カンチレバーを振動させながら、試料表面の形状を測定してする。このとき、試料表面の粘弾性的性質により、カンチレバーを振動元であるドライブと、実際の振動との間に位相差が生じる。この位相差をマッピングしたものが位相像である。
前記位相像のコントラストは原子間力顕微鏡の種類によって異なる。そこで、本発明では、位相像のコントラストは原子間力顕微鏡としてBruker社製のDimension Iconを用いて取得する。この原子間力顕微鏡を用いて測定した場合、位相像において、明るいコントラストほどその成分が硬い、又は吸着が小さいと解釈することができる。したがって、色材である顔料が硬く、ウレタン樹脂が柔らかいため、これらの成分を粘弾性の違いを利用して、両者を識別することができる。
前記位相の絶対値は定量性が低いため、カンチレバーの種類(例えば、レバー感度、バネ定数、先端曲率半径)に依存してしまうので、カンチレバーとしてはオリンパス株式会社製のOMCL−AC−240TS−C3を用いる。
原子間力顕微鏡としてBruker社製のDimension Iconを用いたパラメータの測定条件としては、印刷物を安定に測定できる点から、以下のとおりである。
−測定条件−
・Scan Rate:0.5Hz
・Samples/Line:256
・Integral Gain:1.9
・Proportional Gain:5
・Amplitude Setpoint:250mV
・Scan Angle:0deg
前記位相像のコントラストを明確に分離するため、画像処理ソフトImageJを用いて、得られた位相像の2値化を行うことにより、ベタ画像表面のウレタン樹脂の画像表面カバー率を定量化することができる。
なお、前記画像表面カバー率を定量するための原子間力顕微鏡(AFM)の視野の大きさは、5μm四方及び1μm四方のいずれでもよいが、標準的には5μm四方で測定する方が好ましい。
ここで、図3は、原子間力顕微鏡を用いて測定した本発明の実施例に該当する(画像表面カバー率が65%以上である)耐擦過性が良好な印刷画像の位相差像の2値化画像を示す。この図3中、白い部分が顔料であり、黒い部分がウレタン樹脂である。
図4は、原子間力顕微鏡を用いて測定した本発明の比較例に該当する(画像表面カバー率が65%未満である)耐擦過性が不良な印刷画像の位相差像の2値化画像を示す。この図4では、2値化画像のほとんどが白い部分となっており、画像表面が顔料で大部分覆われていることがわかる。
前記記録媒体としては、後述する本発明のインクと記録媒体のセットにおける記録媒体と同様のものを用いることができ、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面上に塗工層とを有し、動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録媒体の前記塗工層を有する面への転移量が、1mL/m以上10mL/m以下であるものを用いることが好ましい。これらの中でも、インク吸収性の低い印刷用塗工紙(コート紙)であるLumi Art Gloss紙(Stora Enso社製)が好適に用いられる。
<ウレタン樹脂>
前記ウレタン樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が−40℃であり、かつ破断伸度が420%以上であるウレタン樹脂を用いることが好ましい。このような物性値を有するウレタン樹脂を用いることにより、印刷物の画像部がよく伸び、かつベタ画像表面に露出するウレタン樹脂の量が多くなることにより、耐擦過性に優れた印刷画像を得ることができる。
前記ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られるウレタン樹脂が好適である。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ポリエーテルポリオール−
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の少なくとも1種を出発原料として、アルキレンオキサイドを付荷重合させたものなどが挙げられる。
前記出発原料としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、非常に優れた耐擦過性を付与できるインク用バインダーを得る点から、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ポリカーボネートポリオール−
また、前記ウレタン樹脂粒子の製造に使用できるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ポリエステルポリオール−
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、これらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明で用いられるインクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途としても用いられるため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが好ましい。
更に、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを使用することにより、目的とする塗膜強度、及び耐擦過性を得やすくなる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
前記ウレタン樹脂としては、ウレタン樹脂粒子を用いてもよい。前記ウレタン樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることができる。
前記ウレタン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
−ウレタン樹脂の合成方法−
前記ウレタン樹脂は、特に制限はなく、従来一般的に用いられている方法により合成することができる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記ウレタン樹脂の合成に使用できる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の活性水素基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類;水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ウレタン樹脂としては、カーボネート基の高い凝集力により耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐候性、及び画像の耐擦過性の点から、ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子が好ましい。前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子である場合、屋外用途のような過酷な環境において使用される記録物に適したインクが得られる。
前記ウレタン樹脂を水性媒体中に分散させるにあたり、分散剤を添加することにより強制乳化してもよいが、インク塗膜に分散剤が残り強度を下げてしまうことがある。そのため、前記ウレタン樹脂粒子の構造中にアニオン性基を配しておき、いわゆる自己乳化により分散させることが好ましい。その場合、前記アニオン性基を酸価が20mgKOH/g〜100mgKOH/gとなるように有することが、優れた耐擦過性や耐薬品性を付与する上で好ましい。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基などが挙げられる。これらの中でも、良好な水分散安定性を維持する点から、一部又は全部が塩基性化合物などによって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基が好ましい。
前記アニオン性基を中和するために使用できる塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンや、Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物などが挙げられる。
前記ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、ポリエステルウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製、ユープレンUXA−307)、ポリカーボネートウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製、パーマリンUA−368T)などが挙げられる。
前記ウレタン樹脂の重量平均分子量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの保存安定性及び吐出安定性の点から、5,000〜500,000が好ましく、10,000〜400,000がより好ましく、10,000〜300,000が更に好ましい。
前記ウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、装置は、GPC−8220GPC、東ソー株式会社製、カラムは、TSKgel SuperHZM―H、15cm、3連、東ソー株式会社製)を用いて測定することができる。
前記ウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−40℃以下が好ましく、−45℃以下がより好ましい。
前記ガラス転移温度が−40℃以下であると、ベタ画像表面に露出するウレタン樹脂の量が多くなり、耐擦過性に優れた印刷画像を得ることができる。
ここで、前記ウレタン樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(例えば、Q2000、TAインスツルメントジャパン株式会社製)の吸熱チャートから求めることができる。
前記ウレタン樹脂の破断伸度は、420%以上が好ましく、600%以上がより好ましい。
前記破断伸度が、420%以上であると、ベタ画像表面に露出するウレタン樹脂の量が多くなり、耐擦過性に優れた印刷画像を得ることができる。
ここで、前記破断伸度は、例えば、JIS K 7113及びJIS K 7161、JIS K 7162に記載の方法により測定することができる。
前記ウレタン樹脂の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記ウレタン樹脂の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、色材の含有量よりもウレタン樹脂の含有量が多い方が好ましい。
前記ウレタン樹脂の含有量A(質量%)と、前記色材の含有量B(質量%)との質量比(B/A)は、0.50以上0.65以下である。
前記質量比(B/A)が、0.50以上0.65以下であると、良好なインクの吐出安定性を維持しつつ、耐擦過性に優れた画像が得られる。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、従来の親水性有機溶剤を用いた場合よりもベタ画像表面に前記ウレタン樹脂が露出されやすくなり、耐擦過性に優れた印刷画像が得られる点から、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物の少なくともいずれかの疎水性溶剤を用いることが好ましい。
[一般式(I)]
ただし、前記一般式(I)中、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを表す。
前記一般式(I)において、前記Rの炭素数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基などが挙げられる。
前記Rのシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
前記Rのアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。
以下、前記一般式(I)で表される化合物(オキセタン化合物)の具体例を示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
[一般式(II)]
ただし、前記一般式(II)中、Rは、水素原子及び炭素数1以上4以下のアルキル基のいずれかを表し、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを表す。
前記一般式(II)において、前記Rの炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられる。
以下、前記一般式(II)で表される化合物(ジオキソラン化合物)の具体例を示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の少なくともいずれかの含有量は、インク全量に対して、20質量%以上60質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましく、35質量%以上45質量%以下が特に好ましい。
前記含有量が、20質量%以上60質量%以下であると、良好なインクの吐出安定性を維持しつつ、耐擦過性に優れた画像が得られる。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲にて、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物以外にも、他の溶剤を含有してもよい。
前記他の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性有機溶剤などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価アルコール類;含窒素複素環化合物;アミド類;アミン類;含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、炭素数8以上のポリオール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオールなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等が挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<固形分粒径>
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
[一般式(S−1)]
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
[一般式(F−1)]
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
[一般式(F-2)]
2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<インクの物性>
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布してもよいし、インク像が形成された領域のみに塗布してもよい。
(インクと記録媒体のセット)
本発明のインクと記録媒体のセットは、有機溶剤、水、色材、及び、ウレタン樹脂を含有するインクと記録媒体のセットであって、
前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
前記記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定して得られた前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上である。
<記録媒体>
前記記録媒体としては、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有し、
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録媒体の前記塗工層を有する面への転移量は、1mL/m以上10mL/m以下が好ましく、2mL/m以上8mL/m以下がより好ましい。
前記転移量が、1mL/m以上10mL/m以下であると、乾燥後の画像の定着が良好となる。
前記動的走査吸液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。この装置は、(i)吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する。(ii)試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する。予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(KM500win型、熊谷理機工業株式会社製)を用いて、純水の転移量を測定した。接触時間100msにおける純水の転移量は、それぞれ接触時間の近隣接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
前記記録媒体としては、例えば、塗工紙、グロス紙、コート紙、アート紙、スーパーアート紙と呼ばれる汎用印刷用紙が好適である。
前記記録媒体としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、OKトップコート、OKアストロ・グロス、OKノンリンクル、SA金藤+、OK金藤+、OKノンリンクル、(F)MCOP、OKアストロ・ダル、OKアストロ・マット、OKウルトラアクアサテン、OKエンボス絹目、OKエンボス梨地、OKエンボス布目、OKエンボスホームスパン、OKオプトグロス、OK嵩王、OKカサブランカ、OKカサブランカ−V、OKカサブランカ−X、OK金藤片面、OKコートL、OKコートLグリーン100、OKコートNグリーン100、OKコートV、OK中質コート(オフセット用)、OKトップコートS、OKトップコートダル、OKトップコートマットN、OKトリニティ、OKトリニティNaVi、OKトリニティNaVi−V、OKネオトップコート、OKネオトップコートマット、OKノンリンクルAL、OKノンリンクルDL、OKノンリンクルBL、OKホワイトL、OKマットコートLグリーン100、OKマットコートグリーン100、OKロイヤルコート、OKホワイトL、Zコート、Zコートグリーン100、ウルトラサテン金藤N、ゴールデンマット、サテン金藤N、ニューエイジ、ニューエイジグリーン100、ミラーコート・ゴールド、ミラーコート・プラチナ、ロイヤルコートL、ロストンカラー、PODスーパーグロス、PODグロスコート、PODマットコート(以上、王子製紙株式会社製)、ブロードマットA、ブロードグロスA、ホワイトパールコートN、ニューVマット、パールコート、ディグニティ、ビスタグロス、NパールコートL、ユトリロ、EP−Dグロス、EP−Lグロス、EP−Lマット、EP−Dプレミアムホワイト、EP−スーパー上質、(以上、三菱製紙株式会社製)、Hi−a、αマット、キンマリHi−L、ミューコート、ミューマット、ミューホワイト(以上、北越紀州製紙株式会社)、Lumi Art Gloss紙(Stora Enso社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、Lumi Art Gloss紙が好ましい。前記Lumi Art Gloss紙はインク吸収性が低いため、一般的なインクジェットインクを使用すると満足な画像の乾燥性が得られないことがあるが、本発明のインクを用いると良好な乾燥性を得ることができる。
(インク収容容器)
本発明のインク収容容器は、本発明のインク、又は本発明のインクと記録媒体のセットにおけるインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を付設してもよい。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
(印刷物)
本発明の印刷物は、記録媒体と、前記記録媒体上に色材、及びウレタン樹脂を含有する印刷層を有する印刷物であって、
前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
前記記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定して得られた前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上である。
前記記録媒体としては、本発明のインクと記録媒体のセットにおける記録媒体と同様なものを用いることができる。
(印刷方法、印刷装置)
本発明の印刷方法は、記録媒体上にインクを付与して画像を形成する工程と、
前記画像を加熱する加熱工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記インクとしては、本発明のインクが用いられる。
前記記録媒体としては、本発明のインクと記録媒体のセットにおける記録媒体が用いられる。
前記画像の加熱温度としては、90℃以上110℃以下が好ましい。
本発明の印刷装置は、記録媒体上にインクを付与して画像を形成する手段と、
前記画像を加熱する加熱手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記インクとしては、本発明のインクが用いられる。
前記記録媒体としては、本発明のインクと記録媒体のセットにおける記録媒体が用いられる。
前記加熱手段としては、例えば、ホットプレート、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の装置などが挙げられる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(シアン顔料界面活性剤分散液の調製例)
−一次顔料分散体の調製−
まず、ノニオン界面活性剤をイオン交換水に溶解し、顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミル KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。
[組成]
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製):30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7):10.0質量部
・イオン交換水:60.0質量部
−水溶性高分子化合物水溶液の調製−
下記の組成を撹拌機で加熱撹拌して、下記一般式(I)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体を溶解し、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過し、水溶性高分子化合物水溶液を調製した。
[組成]
・下記一般式(I)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体[星光PMC株式会社製、T−YP112、オレフィン鎖(R)、炭素数20〜24(下記一般式(I)におけるRが炭素数18〜22のアルキル基に相当する共重合体)、酸価190mgKOH/g、重量平均分子量=10,000]:10.0質量部
・1規定のLiOH水溶液(前記一般式(I)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体の酸価の1.2倍量):17.34質量部
・イオン交換水:72.66質量部
−シアン顔料界面活性剤分散液の調製−
前記一次顔料分散体(シアン顔料の固形分濃度30質量%)100質量部に、10質量%の水溶性高分子化合物水溶液7.51質量部、及び水溶性ポリエステル樹脂溶液(ニチゴポリエスターW−0030、日本合成化学工業株式会社製、有効成分29.9質量%、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量7,000)2.51質量部を添加し、充分に撹拌して、シアン顔料の固形分濃度が23.8質量%であるシアン顔料界面活性剤分散液を得た。
得られたシアン顔料界面活性剤分散液の体積基準の累積50%粒子径(D50)を測定したところ、78nmであった。
前記体積基準の累積50%粒子径(D50)は、粒度分布測定装置(ナノトラックUPA−EX150、日機装株式会社製)を用いて測定した。
(実施例1〜11及び比較例1〜11)
−インクの作製−
下記表1から表4に示す組成及び含有量に基づき、有機溶剤、界面活性剤、防黴剤、消泡剤、pH調整剤、及び純水を混合し、1時間撹拌を行い均一に混合した。この混合液に対して、前記シアン顔料界面活性剤分散液を添加して1時間撹拌した。次に、樹脂を添加し、1時間攪拌して得られたインクを平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過することにより、粗大粒子やごみを除去した。以上により、実施例1〜11及び比較例1〜11のインクを作製した。なお、ウレタン樹脂1〜4及びアクリル樹脂は、いずれもエマルジョンとして添加しており、表1から表4中の含有量値は、固形分換算したインク中の樹脂固形分濃度である。
表1から表4中に記載の各々の成分の略記名称の詳細は以下のとおりである。
・ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(DuPont社製、有効成分40質量%)。
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、有効成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)。
・KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、有効成分100質量%)。
−有機溶剤−
・下記構造式で表されるオキセタン化合物1(3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン)
・下記構造式で表されるオキセタン化合物2(3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン)
・下記構造式で表されるジオキソラン化合物1(2,2−ジメチル−1,3‐ジオキソラン−4−メタノール)
・下記構造式で表されるジオキソラン化合物2(2−nブチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール)
・下記構造式で表されるジオキソラン化合物3(2,2−ジエチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール)
−樹脂−
・ウレタン樹脂1(ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン、三洋化成工業株式会社製、ユープレンUXA−307、不揮発分40質量%)
・ウレタン樹脂2(ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン、三洋化成工業株式会社製、パーマリンUA−368T、不揮発分50質量%)
・ウレタン樹脂3(ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン、三洋化成工業株式会社製、ユーコートUWS−145、不揮発分35質量%)
・ウレタン樹脂4(ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン、三洋化成工業株式会社製、ユーコートUX−485、不揮発分40質量%)
・アクリル樹脂(アクリル樹脂エマルジョン、DIC株式会社製、ボンコートCF−6140、不揮発分48質量%)
前記ウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)及び破断伸度を、以下のようにして測定した。結果を表5に示した。
−樹脂のガラス転移温度−
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(例えば、Q2000、TAインスツルメントジャパン株式会社製)の吸熱チャートから求めた。具体的には、前記樹脂の水分及び溶剤を蒸発させ、乾固させた前記樹脂を5mg〜10mg計量し、アルミニウム製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
・加熱1回目:30℃から220℃へ5℃/分間の条件にて加熱、220℃到達後1分間保持
・冷却:温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分間保持
・加熱2回目:−60℃から180℃へ5℃/分間の条件にて加熱
加熱2回目のサーモグラムにおいてミッドポイント法を採用して値を読み取り(ASTM D3418/82、ASTMインターナショナル)、これをガラス転移温度とした。
−樹脂の破断伸度−
破断伸度は、JIS K 7161に準拠した方法により測定した。
次に、実施例1〜11及び比較例1〜11のインクを用いて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表6に示した。
<印刷物(印刷画像)の作製>
温度23℃±0.5℃、相対湿度(RH)50%±5%に調整された動作環境条件下、インクジェットプリンタ(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録媒体としてのコート紙(Lumi Art Gloss 90gsm紙、STORA ENSO社製)上にインクの付着量が0.8mg/cm(A4サイズ換算で500mg)となるようにベタ画像を形成した。その後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて前記ベタ画像を1分間乾燥させて、印刷物を得た。
<動的走査吸液計による純水の転移量の測定>
動的走査吸液計(型式:KS350D、協和精工株式会社製)を用いて、純水の吸収曲線を測定した。動的走査吸液計は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置であり、吸収曲線は転移量(mL/m)と接触時間の平方根√(ms)でプロットして一定の傾きを持つ直線とし、内挿により一定時間後の転移量の値を測定した。
記録媒体としてのコート紙(Lumi Art Gloss 90gsm、STORA ENSO社製)の接触時間100msにおける純水の転移量は、5mL/mであった。
<耐擦過性>
得られた印刷物のベタ部に1.2cm四方に切った前記コート紙(Lumi Art Gloss 90gsm紙、STORA ENSO社製)の地肌部(白色部)で前記ベタ部を20回擦り、前記コート紙の地肌部の画像濃度を、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて測定した。擦ったコート紙の地肌部の画像濃度を差し引いて転写濃度を求め、下記基準に基づき、耐擦過性を評価した。なお、△以上が許容範囲である。
[評価基準]
◎:転写濃度が0.13未満
○:転写濃度が0.13以上0.17未満
△:転写濃度が0.17以上0.20未満
×:転写濃度が0.20以上
<原子間力顕微鏡(AFM)によるウレタン樹脂の画像表面カバー率の測定>
原子間力顕微鏡(AFM)によるウレタン樹脂の画像表面カバー率は、原子間力顕微鏡としてBruker社製のDimension Iconを用い、カンチレバーとしてオリンパス株式会社製のOMCL−AC−240TS−C3を使用して、下記の測定条件により、5μm四方の視野でタッピングモード測定を行った。
[測定条件]
・Scan Rate:0.5Hz
・Samples/Line:256
・Integral Gain:1.9
・Proportional Gain:5
・Amplitude Setpoint:250mV
・Scan Angle:0deg
次に、画像処理ソフトImageJにより、得られた写真を明るい部分と暗い部分に2値化して、明るい部分を顔料、暗い部分をウレタン樹脂と判別して、それぞれの画像表面カバー率を概算により定量化し、前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率を求めた。
<吐出安定性>
インクジェットプリンタ(IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均一になるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成したA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを連続200枚の記録媒体(Type6200、株式会社NBSリコー製)に印刷した。印刷の際の、印刷モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より、「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。吐出安定性は、記録媒体に印刷した後の各ノズルの吐出乱れから、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
A:吐出乱れなし
B:若干吐出乱れあり
C:吐出乱れあり、又は吐出しない部分あり
表6の結果から、実施例1〜11は、比較例1〜11に比べて、印刷画像の耐擦過性、ウレタン樹脂の画像表面カバー率、及びインクの吐出安定性が優位に向上するという良好な結果が得られることがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 有機溶剤、水、色材、及びウレタン樹脂を含有するインクであって、
前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上であることを特徴とするインクである。
<2> 前記画像表面カバー率が70%以上である前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記ウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下であり、
前記ウレタン樹脂の破断伸度が420%以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記有機溶剤が、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物の少なくともいずれかを含む前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
[一般式(I)]
ただし、前記一般式(I)中、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを表す。
[一般式(II)]
ただし、前記一般式(II)中、Rは、水素原子及び炭素数1以上4以下のアルキル基のいずれかを表し、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを表す。
<5> 前記有機溶剤が、下記構造式で表される少なくともいずれかの化合物である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の少なくともいずれかの含有量が、20質量%以上60質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記色材が、顔料である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインク収容容器である。
<9> 記録媒体上にインクを付与して画像を形成する工程と、
前記画像を加熱する加熱工程と、を含む印刷方法であって、
前記インクが、前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクであることを特徴とする印刷方法である。
<10> 前記画像を加熱する温度が、90℃以上110℃以下である前記<9>に記載の印刷方法である。
<11> 前記記録媒体が、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面上に塗工層とを有し、
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録媒体の前記塗工層を有する面への転移量が、1mL/m以上10mL/m以下である前記<9>から<10>のいずれかに記載の印刷方法である。
<12> 記録媒体上に前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクを付与して画像を形成する手段と、
前記画像を加熱する加熱手段と、
を有することを特徴とする印刷装置である。
<13> 前記画像を加熱する温度が、90℃以上110℃以下である前記<12>に記載の印刷装置である。
<14> 前記記録媒体が、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面上に塗工層とを有し、
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録媒体の前記塗工層を有する面への転移量が、1mL/m以上10mL/m以下である前記<12>から<13>のいずれかに記載の印刷装置である。
<15> 記録媒体と、前記記録媒体上に色材、及びウレタン樹脂を含有する印刷層を有する印刷物であって、
前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
前記記録媒体上に形成したインクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定して得られた前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上であることを特徴とする印刷物である。
<16> 前記画像表面カバー率が70%以上である前記<15>に記載の印刷物である。
<17> 前記記録媒体が、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面上に塗工層とを有し、
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録媒体の前記塗工層を有する面への転移量が、1mL/m以上10mL/m以下である前記<15>から<16>のいずれかに記載の印刷物である。
<18> 有機溶剤、水、色材、及び、ウレタン樹脂を含有するインクと記録媒体のセットであって、
前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
前記記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上であることを特徴とするインクと記録媒体のセットである。
<19> 前記画像表面カバー率が70%以上である前記<18>に記載のインクと記録媒体のセットである。
<20> 前記記録媒体が、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面上に塗工層とを有し、
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録媒体の前記塗工層を有する面への転移量が、1mL/m以上10mL/m以下である前記<18>から<19>のいずれかに記載のインクと記録媒体のセットである。
前記<1>から<7>のいずれかに記載のインク、前記<8>に記載のインク収容容器、前記<9>から<11>のいずれかに記載の印刷方法、前記<12>から<14>のいずれかに記載の印刷装置、前記<15>から<17>のいずれかに記載の印刷物、及び前記<18>から<20>のいずれかに記載のインクと記録媒体のセットによると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2013−139524号公報 特開2014−101517号公報
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ

Claims (10)

  1. 有機溶剤、水、色材、及びウレタン樹脂を含有するインクであって、
    前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
    記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上であることを特徴とするインク。
  2. 前記ウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下であり、
    前記ウレタン樹脂の破断伸度が420%以上である請求項1に記載のインク。
  3. 前記有機溶剤が、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物の少なくともいずれかを含む請求項1から2のいずれかに記載のインク。
    [一般式(I)]
    ただし、前記一般式(I)中、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを表す。
    [一般式(II)]
    ただし、前記一般式(II)中、Rは、水素原子及び炭素数1以上4以下のアルキル基のいずれかを表し、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを表す。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインク収容容器。
  5. 記録媒体上にインクを付与して画像を形成する工程と、
    前記画像を加熱する加熱工程と、を含む印刷方法であって、
    前記インクが、請求項1から3のいずれかに記載のインクであることを特徴とする印刷方法。
  6. 前記画像を加熱する温度が、90℃以上110℃以下である請求項5に記載の印刷方法。
  7. 記録媒体上に請求項1から3のいずれかに記載のインクを付与して画像を形成する手段と、
    前記画像を加熱する加熱手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  8. 記録媒体と、前記記録媒体上に色材、及びウレタン樹脂を含有する印刷層を有する印刷物であって、
    前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
    前記記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上であることを特徴とする印刷物。
  9. 有機溶剤、水、色材、及び、ウレタン樹脂を含有するインクと記録媒体のセットであって、
    前記ウレタン樹脂の含有量Aと前記色材の含有量Bとの質量比(B/A)が0.50以上0.65以下であり、
    前記記録媒体上に形成した前記インクの付着量が0.8mg/cmであるベタ画像を、原子間力顕微鏡で測定した前記ベタ画像表面に露出している前記ウレタン樹脂の割合である画像表面カバー率が65%以上であることを特徴とするインクと記録媒体のセット。
  10. 前記記録媒体が、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面上に塗工層とを有し、
    動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録媒体の前記塗工層を有する面への転移量が、1mL/m以上10mL/m以下である請求項9に記載のインクと記録媒体のセット。

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