JP6717065B2 - インク及びインクカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、インク及びインクカートリッジに関する。
インクジェット記録法等で用いられる記録用インクにおいては、記録媒体へのインク画像の定着性向上のために、インクに樹脂を含有させることが知られている。
例えば、特許文献1には、ガラス転移温度等が互いに異なるアクリル樹脂粒子を混合して用いたインクジェット記録用インク組成物が記載されている。また、特許文献2には、非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを用いたインクジェット記録用水系インクが記載されている。
近年、インクジェット記録法等の印刷技術は、家庭用としても商業用途や産業用途でも利用されている。商業用途や産業用途においては、一度に大量の印刷がなされ、大量の印刷物が重ねられた状態で搬送されることがあるため、印刷物同士がくっついてしまうブロッキングを抑制することが強く求められている。
しかしながら、特許文献1、2では、ブロッキングの抑制については考慮されていない。特許文献1、2のように樹脂を含有するインクにおいては、含有樹脂の種類や組合せによっては、インク乾燥時に溶媒が揮発し難くなり、記録物中に溶媒が残り易くなる。そのため、特に商業用途や産業用途で利用された場合、ブロッキングが発生し易くなることが問題となる。また、残される溶媒の量が大きいと、画像の保存性も低下し易い。
上記の点に鑑みて、本発明の一態様では、良好な定着性を有し、且つ耐ブロッキング性及び画像の保存性に優れたインクを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、水及び有機溶剤を含む溶媒、色材、並びに樹脂粒子を含有するインクジェット記録用インクであって、前記樹脂粒子が、ポリエステル樹脂である結晶性樹脂を含む樹脂粒子と、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及びスチレン樹脂から選択される少なくとも1つである非晶性樹脂を含む樹脂粒子とを含み、前記インクを80℃の恒温槽にて24時間乾燥させた後に残っている前記溶媒の量が、前記インクの乾燥物に対して20.0質量%以下であり、前記インクを80℃で24時間乾燥後、室温において前記インクの乾燥物中に海島構造が存在することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、良好な定着性を有し、且つ耐ブロッキング性及び画像の保存性に優れたインクを提供することができる。
記録装置の斜視説明図である。 メインタンクの斜視説明図である。
本発明の一態様によるインクは、水、有機溶剤、色材、及び樹脂粒子を含有するインクであって、インクを印刷し、その印刷物を一定条件下で加熱乾燥した後、インク中に残存する溶媒の量を特定の範囲に設定することで、定着性を維持しながら、耐ブロッキング性及び画像の保存性を達成するものである。
ここで、耐ブロッキング性とは、ブロッキング現象を起こし難い特性を指す。ブロッキング現象とは、インク付着した印刷物を所与の時間にわたり重ねて保存した場合に印刷物同士がくっついてしまう現象(画像剥がれ)を指す。
上述のように、記録媒体へのインク画像の定着性を上げるためには、インクに樹脂を含有させることが知られている。しかしながら、軟化温度が低い樹脂を含有している場合には、インクが溶媒を逃しにくくなり、画像が形成された後のインクの乾燥段階で溶媒がインク中に残り易くなる。
また、特性の異なる樹脂を混合して用いたり、結晶性樹脂を用いたりすることも知られているが、樹脂を組み合わせて用いた場合、その樹脂同士の相性が良い(相溶性が高い)ときには、相溶して樹脂の軟化温度が下がってしまうため、溶媒が残りやすく、耐ブロッキング性や画像の保存性に影響を与える。この影響は、インクを、加熱手段及び/若しくは乾燥手段を備えた記録装置並びに/又は加熱工程及び/若しくは乾燥工程を含む記録方法において用いた場合、特に大きい。
発明者らは、鋭意検討した結果、水及び有機溶剤を含む溶媒、色材、並びに樹脂粒子を含有するインクであって、前記インクを80℃で24時間乾燥させた後に残っている前記溶媒の量が、前記インクの乾燥物に対して20.0質量%以下とすることで、良好な定着性を維持しながら、耐ブロッキング性及び画像保存性の向上を図ることができることを見出した。
また、上記条件での乾燥後に残っている溶媒量(残存溶媒含有率)は、乾燥させたインク中、好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。上記範囲とすることにより、インクのべたつきを抑え、インク膜が柔らかくなることが一層防止され、ブロッキング現象を抑制することができる。
残っている溶媒量は、インクの乾燥物をメタノール(MeOH)やテトラヒドロフラン(THF)などに漬け込み、抽出した液をガスクロマトグラフィー(GC)で分離し、検出することで定量できる。検出方法としては、水素炎イオン化検出器(FID)又は質量分析法(MS)を用いることができる。
さらに、本発明の一態様によるインクは、水、有機溶剤、色材、及び樹脂粒子を含有するインクであって、インクを80℃で24時間乾燥後、室温においてインクの乾燥物中に海島構造が存在するインクであってよい。
ここで、海島構造とは、連続相(海相)中に、連続相と界面をなす不連続な相(島相)が分散して存在している構造を指す。海島構造を有するということは、インクが、樹脂成分として2つ以上の成分を含有しており、そのうちの一成分がマトリクスとなる海相を形成し、別の成分が島状に点在する島相を形成していることを意味する。そして、この海島構造は、海相の樹脂と島相の樹脂とが相溶していないことにより形成され得る。
海島構造においては、島の分布が数十nm〜数μm程度であることが好ましく、数十nm〜数百nmであることがより好ましい。海島構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型プローブ顕微鏡(SPM)の位相像測定により観察することができる。海島構造はTEM又はSPMの位相像測定により観察することができる。
また、本発明の一態様では、インクを80℃で24時間乾燥した後のレオメーターによる50℃での貯蔵弾性率G'の値が1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であることが好ましい。5.0×10以上1.0×10以下がさらに好ましい。
貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であることにより、記録媒体上に形成されるインク膜が適度な硬度を有し、ブロッキングが起こり難くなる。また、貯蔵弾性率が1.0×10Pa以下であることにより、インクが記録媒体上で良好に広がり、良好に造膜することができ、また形成されたインク膜も削れ難くなり、良好な定着性(耐擦性)が得られる。
また、インクを80℃で24時間乾燥させた後、DSCを用いて昇温速度10℃/分で−50℃から150℃まで加熱し、10℃/分で−50℃まで冷却後、さらに10℃/分で昇温した際に、40℃から100℃の間に吸熱ピークが存在していることが好ましく、50℃から70℃の間に吸熱ピークが存在していることがさらに好ましい。また、吸熱ピークは2つ以上あってよく、少なくとも1つの吸熱ピークが40℃から100℃の間に存在していると好ましい。
40℃以上の範囲に吸熱ピークが存在することで、溶媒のベタつきが抑えられ、耐ブロッキング性を向上させることができる。また、100℃以下の範囲に吸熱ピークが存在することで、記録媒体上に形成されたインク膜の良好な定着性が得られる。
なお、後述のように2種の樹脂を組み合わせて用いた場合であって、2つの吸熱ピークが示されている場合には、その2種の樹脂の相溶性が低く、樹脂の軟化温度が過度に低下することがないので好ましい。
さらに、40℃から100℃の間に存在している少なくとも1つの吸熱ピークに加え、インクを80℃で24時間乾燥させた後、DSCを用いて昇温速度10℃/分で−50℃から150℃まで加熱した際の吸熱ピークが0℃から60℃の間にあると好ましく、15℃から60℃の間にあるとより好ましい。
また、インクを80℃で24時間乾燥させた後、DSCを用いて昇温速度10℃/分で−50℃から150℃まで加熱し、10℃/分で−50℃まで冷却後、さらに10℃/分で昇温した際に観察された吸熱ピークにおける融解熱量が、3.0〜20.0J・g−1であると好ましく、4.0〜15.0J・g−1であるとより好ましく、5.0〜10.0J・g−1であると特に好ましい。
上記の融解熱量は、後述の結晶性樹脂の含有割合に関係する。融解熱量が上記の範囲にある場合には、インク中の結晶性樹脂の含有割合は適切なものとなるので、耐ブロッキング性を向上させることができる。
本発明の一態様では、樹脂粒子として2種の樹脂を用いることが好ましい。また、この2種の樹脂の一方が結晶性樹脂であることがさらに好ましい。結晶性樹脂にはポリエステル樹脂を用いることが好ましく、非結晶性樹脂にはポリエステル樹脂とは異なる樹脂、例えばウレタン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂等を用いることが好ましい。
結晶性樹脂が含まれるかどうかは、X線回折による回折ピークの有無や示差走査熱量計(DSC)の測定による融点の有無で判断できるが、X線回折による回折ピークの測定はこのサンプルには不向きなものもある。そのため、本発明の一態様では、簡便に測定できる示唆走査熱量計による融点(融解温度)の測定及び融解熱量の有無で結晶性樹脂であるかを確認する。また、樹脂の種類については赤外線分光法(IR)、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴装置(NMR)などを用いることで判断できる。
以下、本発明の一態様において使用できる観察及び測定の手法について説明する。
<SPM観察の一例>
上述のように海島構造の存在の有無は、SPM(例えば原子間力顕微鏡(AFM))を用いたタッピングモードによる位相像の観察によって確認することができる。
本発明の一態様によるインクは、軟質で位相差が大きい像として観察される部位と、硬質で位相差が小さい像として観察される部位が存在していることが好ましい。このとき、硬質で低位相差の部位からなる第二の位相差像が外相であり、軟質で高位相差の部位からなる第一の位相差像が内相で、微分散された構造であることが重要である。
前記位相像を得るためのサンプルとしては、例えばライカ社製ウルトラミクロトームULTRACUT UCTを用いて、以下の条件で樹脂のブロックを切断し、切片を得る。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/秒
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
前記AFM位相像を得るための装置として、例えばアサイラムテクノロジー社製のMFP−3Dが挙げられる。カンチレバーとしてOMCL−AC240TS−C3を用いて、以下の測定条件で上記で得られた切片を観察することができる。
・target amplitude:0.5V
・target percent:−5%
・amplitude setpoint:315mV
・scan rate:1Hz
・scan points:256×256
・scan angle:0°
<TEM観察の一例>
〔手順〕
(1)試料をRuO水溶液の雰囲気に曝して、2時間染色を施す。
(2)試料をガラスナイフでトリミングした後、ウルトラミクロトームを使用して下記条件で切片を作製する。
−切削条件−
・切削厚み:75nm
・切削速度:0.05mm/sec〜0.2mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic35°)使用
(3)メッシュ上に切片を固定し、RuO水溶液の雰囲気に曝して5分間切片染色を施す。
〔観察条件〕
・使用装置:日本電子社製 透過型電子顕微鏡 JEM−2100F
・加速電圧:200kV
・形態観察:明視野法
・設定条件:spot size:3,CLAP:1,OLAP:3,Alpha:3
<DSC測定の一例>
サンプル5mgをTAインスツルメンツ社製T−Zero簡易密閉パンに封入し、DSC(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて測定する。
測定は、窒素気流下、1st.ヒーティングとして、10℃から150℃まで10℃/分間で昇温し、5分間保持した後、−50℃まで10℃/分間で冷却し、5分間保持する。
次いで、2nd.ヒーティングとして、昇温速度10℃/分間で昇温して熱変化を測定し、「吸発熱量」と「温度」のグラフを描き、定法に従ってTg、冷結晶化、融点、結晶化温度などを求める。なお、Tgは、1st.ヒーティングのDSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用する。また、昇温時に速度を3℃/minに変更し、±0.5℃のモジュレーションによりエンタルピー緩和成分を分離することも可能である。
吸熱量については、吸熱ピークが幾つかあるものについては、高温側から2つめのピークの吸熱量を測定する。
<FT−IR測定の一例>
FT−IRスペクトル測定は、FT−IRスペクトロメータ(パーキンエルマー社製、商品名「Spectrum One」)を用いて、16スキャン、分解能:2cm−1、中赤外領域(400cm−1〜4000cm−1)で行う。
<NMR測定の一例>
サンプルを重クロロホルム中に可能な限り高濃度で溶解させた後、5mmφのNMRサンプルチューブに入れ、各種NMR測定に供する。測定装置はJEOL Resonance社製のJNM−ECX−300を使用する。
測定温度は何れも30℃とし、H−NMR測定は、積算回数256回、繰り返し時間5.0secで行う。13C測定は積算回数10,000回、繰り返し時間1.5秒とする。得られるケミカルシフトから成分を帰属し、該当するピークの積分値をプロトン乃至カーボン数で除した数値から配合比を算出することが可能である。
更に詳細な構造解析を行う場合は、二量子フィルター1H−1Hシフト相関二次元NMR測定(DQF−COSY)などを行うことも可能であり、この場合は、積算回数1,000回、繰り返し時間2.45秒又は2.80秒で行い、得られたスペクトルから、そのカップリング状態、即ち反応サイトを特定することも出来るが、通常の1H及び13C測定で十分に判別可能である。
<GC/MS測定の一例>
反応試薬を用いた反応熱分解ガスクロマトグラフー質量分析(GC/MS)法を行う。なお、使用する反応試薬は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の10質量%メタノール溶液(東京化成工業株式会社製)である。GC−MS装置は株式会社島津製作所製QP2010、データ解析ソフトは株式会社島津製作所製GCMSsolution、加熱装置はフロンティア・ラボ製Py2020Dを使用する。
〔分析条件〕
・反応熱分解温度:300℃
・カラム:Ultra ALLOY−5、L=30m、ID=0.25mm、
Film=0.25μm
・カラム昇温:50℃(保持1分間)〜10℃/min〜330℃(保持11分間)
・キャリアガス圧力:53.6kPa一定
・カラム流量:1.0mL/min
・イオン化法:EI法(70eV)
・質量範囲:m/z、29〜700
・注入モード:Split(1:100)
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂粒子>
インク中に含有する樹脂粒子の種類としては、インクを80℃で24時間乾燥させた後に残っている溶媒の量が、前記乾燥させたインクに対して20.0質量%以下であるか、又はインクを80℃で24時間乾燥後、室温に戻した乾燥物中に海島構造が存在するものインクが得られるのであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。樹脂粒子は、結晶性樹脂であっても非晶性(非結晶性)樹脂であってもよい。
樹脂粒子は、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。つまり、樹脂粒子が2種類以上の樹脂を含んでいてよい。
なお、2種類以上の樹脂とは、ガラス転移温度、融点(溶融温度)、最低像膜温度、粒径、平均分子量、ゼータ電位等の少なくとも1つの特性が互いに異なる樹脂であってよい。また、樹脂を構成するモノマー種及び/又は結合の種類に基づく分類が互いに異なる樹脂であってよい。モノマー種及び/又は結合の種類に基づく分類とは、上述のような、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂といった、樹脂をモノマー種及び/又は結合の種類によって区別する分類である。
樹脂粒子が2種類の樹脂を含む場合、そのうちの一方を結晶性樹脂とすることができる。結晶性樹脂を適量含有することにより、記録媒体上で形成されるインク被膜に強度を付与することができるので、一般に、定着性を向上させることができる。
なお、樹脂粒子が2種の樹脂を含む場合、1種の樹脂からなる樹脂粒子群と、別種の樹脂からなる樹脂粒子群とが混合されている状態であってよい。また、1つの粒子中に2種以上の樹脂が混ざり合っている状態であってもよい。
樹脂粒子としては、2種類の樹脂を用いることが好ましく、その一方が結晶性樹脂であることがさらに好ましい。例えば、樹脂粒子が結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含むことが好ましい。
樹脂粒子に結晶性樹脂が含まれていると、上述のように、印刷された際に記録媒体上に形成されるインク被膜が適度な強度を有することができる。また、結晶性樹脂が適切な量で含まれていれば耐ブロッキング性を向上させることができる。一方、樹脂粒子に非晶性樹脂が含まれていると、非晶性樹脂が、インク中の各成分を互いに良好に結合し、またインクと記録媒体との接着性も高めることができる。よって、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを併用することで、インクの記録媒体への定着性(耐擦性)をさらに向上させることができると考えられる。
樹脂粒子が結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む場合、上述の海島構造において、非晶性樹脂が海相(マトリクス)を形成し、結晶性樹脂が島相(ドメイン)を形成する。
さらに、インクの樹脂粒子が結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含み、これらの結晶性樹脂と非晶性樹脂とが互いに異なる種類の樹脂、つまりモノマー種が異なる樹脂となっている場合には、樹脂同士の相溶性が低いため、樹脂全体の軟化温度の低下を防ぐことができる。そして、これにより、加熱乾燥後の残存溶媒量を低減させることができ、ブロッキング現象を抑制すること及び画像保存性を向上させることが可能になる。樹脂の組合せとしては、相溶性が特に低いことから、結晶性樹脂としてポリエステル樹脂を用い、非晶性樹脂としてウレタン樹脂及びアクリル樹脂の1つ以上を用いることが好ましい。
例えば、結晶性樹脂にはポリエステル樹脂を用いることが好ましい。また、結晶性ポリエステルとの相溶性が低いことから、非結晶性樹脂にはポリエステル樹脂とは異なる樹脂、例えば、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂等を用いることが好ましい。
非晶性樹脂を含む場合、非晶性樹脂のガラス転移温度Tgは限定されないが、0℃以上とすることができ、18℃以上であると好ましい。上記範囲とすることで、常温時でも画像中の樹脂の適度な硬さが得られ、耐ブロッキング性を向上させることができる。また、非晶性樹脂のガラス転移温度は、90℃以下とすることができ、50℃以下であると好ましい。上記範囲とすることで、記録媒体への定着性を向上させることができる。
結晶性樹脂を含む場合、結晶性樹脂の融点(溶融温度)は、40℃以上であってよく、50℃以上であると好ましく、60℃以上であるとさらに好ましい。結晶性樹脂の融点は、80℃以下であると好ましい。
樹脂粒子が結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含む場合には、結晶性樹脂の融点が非結晶性樹脂のガラス転移温度を上回ることが好ましい。これにより、上述の結晶性樹脂によるインク膜の強度向上の効果及び非晶性樹脂の接着の効果をバランス良く発揮することができる。なお、非結晶性樹脂のガラス転移温度と結晶性樹脂の融点との差は、0℃より大きく、80℃以下とすることができる。また、耐ブロッキング性及び画像保存性を向上させる観点からは、5℃以上45℃以下であると好ましい。
また、樹脂粒子が2種類の樹脂を含む場合、その両方を非晶性樹脂とすることもできる。その場合には、ガラス転移温度Tgが互いに異なる2種の樹脂を用いることができる。これらの2種の樹脂のTgの差は、20℃以上であってよく、40℃以上であると好ましい。
なお、樹脂粒子に含まれる2種類の樹脂の両方が非晶性樹脂である場合には、一方がアクリル樹脂であり、他方がウレタン樹脂であることが好ましい。この場合、互いの相溶性が比較的低いことから、加熱乾燥後の乾燥物中の残存溶媒量を20.0質量%以下とすることができ、良好な耐ブロッキング性及び画像保存性が得られる。また、樹脂の選択によっては、2種類の非晶性樹脂を用いた場合であっても定着性の向上を図ることができる。
なお、樹脂粒子は、含有している2種類の樹脂の少なくとも一方との相溶性が高い別の種類の樹脂をさらに含むことができる。また、含有している2種類の樹脂のいずれとも相溶性の低い別の種類の樹脂を含み、上述の所定の加熱乾燥の後、その樹脂が、島相として存在していてもよい。
以下、本発明の一態様において用いることのできる樹脂について説明する。
(結晶性ポリエステル樹脂)
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2価の脂肪族アルコール成分と2価の脂肪族カルボン酸成分とを構成成分に有する結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、2価のジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記2価のジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族アルコール、分岐型脂肪族アルコール等の脂肪族アルコール(2価の脂肪族アルコール)、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール、炭素数4〜36の脂環式ジオール、前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」を「AO」と略記することがある)、ビスフェノール類のAO付加物、ポリラクトンジオール、ポリブタジエンジオール、カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、これらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族アルコールが好ましく、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族アルコールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖型脂肪族アルコールのジオール全体に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。前記含有量が、80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性との両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で有利である。
前記直鎖型脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが特に好ましい。
前記分岐型脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、鎖炭素数が2〜36の分岐型脂肪族アルコールが好ましい。前記分岐型脂肪族アルコールとしては、例えば、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。
前記炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸(2価の脂肪族カルボン酸)、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンジカルボン酸、アルケニルコハク酸、アルケンジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4のアルキルエステルを用いてもよい。前記炭素数1〜4のアルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸を単独で用いることが好ましく、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸を単独で用いることがより好ましい。また、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸を共重合したものも同様に好ましい。共重合する前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、これら芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルが好ましい。前記アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
前記結晶性セグメントの水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g〜40mgKOH/gが好ましい。
前記結晶性セグメントの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000〜30,000が好ましく、5,000〜25,000がより好ましい。なお、前記結晶性セグメントの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記結晶性セグメントの結晶性、分子構造等については、例えば、NMR測定、示差走査熱量計(DSC)測定、X線回折測定、GC/MS測定、LC/MS測定、赤外線吸収(IR)スペクトル測定などにより確認することができる。
(非晶性ポリエステル樹脂)
前記非晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記非晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性と高湿下での耐久性を両立させるためには、カルボン酸のモノマーに芳香族カルボン酸と脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましい。さらに、低温定着性と保存性を両立させるためには脂肪族ジカルボン酸の量は5〜30%であることが好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、2価のジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記2価のジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族アルコール、分岐型脂肪族アルコール等の脂肪族アルコール(2価の脂肪族アルコール)などが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族アルコールが好ましく、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族アルコールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖型脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族アルコールが好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。これらの中でも多価の芳香族カルボン酸が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンジカルボン酸、アルケニルコハク酸、アルケンジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
その中でも、低温定着性と高湿下での耐久性を両立させるためには、炭素数2〜6の直鎖のカルボン酸を含むことが好ましい。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4のアルキルエステルを用いてもよい。前記炭素数1〜4のアルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂)粒子を水性媒体中に分散させる方法としては、分散剤を用いる強制乳化法や、前記ウレタン樹脂にアニオン性基を含有させたものを使用する自己乳化法が挙げられる。
強制乳化法の場合、塗膜に分散剤が残り、塗膜強度を下げることがあることから、自己乳化法を用いることが好ましい。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基などを使用することができ、中でも一部又は全部、特に好ましくは全部が塩基性化合物等により中和されたカルボキシレート基やスルホネート基を使用することが好ましい。
アニオン性基の導入は、アニオン性基を有するポリオールを用いることで達成でき、前記アニオン性基を有するポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸などが挙げられる。
前記アニオン性基の中和に使用可能な中和剤としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン、などの有機アミンや、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどの塩基性化合物、Na、K、Li、Caなどを含む金属塩基化合物などが挙げられる。
ウレタン樹脂を製造するには、まず、無溶剤下又は有機溶剤存在下で、ポリオマーポリオール、短鎖多価アルコール、アニオン性基を有する多価アルコールとポリイソシアネートを反応させてイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて前記中和剤により中和し、その後ポリアミンと反応さて鎖伸長反応を行い、さらに水を入れて分散させ、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
この際、使用可能な有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、アセトニトリルなどの二トリル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1−エチル−2−ピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。
前記ポリマーポリオールとしては、例えばポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオールなどが挙げられる。
これらは、1種類単独で用いても良いし、或いは2種類以上をあわせて使用しても良い。
前記短鎖多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの炭素数2〜15の多価アルコール類が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナトビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジイソシアナトビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネーネート等の脂環式ポリシアネート化合物等が挙げられ、これらは単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
これらの中でも、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが好ましく、脂環式ポリイソシアネートがより好ましく、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
前記ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類、ヒドラジン、N,N'−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類、コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。
(スチレン樹脂)
スチレン樹脂(スチレン系樹脂)を構成するスチレン系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−ブロムスチレン、m−ブロムスチレン、p−ブロムスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられる。
上記のポリスチレン系樹脂は、従来から公知の方法、例えば塊状重合、懸濁重合等の方法により製造できるが、例えば以下の2つの方法が挙げられる。
・方法1:スチレン系単量体に必要に応じて重合溶媒、及び重合開始剤を添加して、攪拌式反応器や管状反応器に供給し、100〜180℃の温度範囲で重合を行う方法。
・方法2:スチレン系単量体にゴム質重合体、必要に応じて重合溶媒及び重合開始剤を添加し、攪拌式反応器や管状反応器に供給し、100〜180℃の温度範囲で重合を行う方法。方法2では、分散粒子を形成するゴム粒子径は公知の技術である攪拌機の回転数を制御することにより行うことができる。この時、重合方法としては、特に限定されるものではないが、以下の連続塊重合法が好ましい。
即ち、スチレン単量体、ゴム質重合体、及び重合溶媒等を含む混合溶液を、1個以上の攪拌式反応器で重合させた後、内部に可動部分のない複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んでなる連続塊状重合ラインに導入し重合を行う方法が、得られる組成物を均一にさせ、グラフトゴム粒子の粒子径を前記した範囲内に調整しやすい点から好ましい。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂(アクリル系樹脂)を得るには、従来から公知の方法、例えば塊状重合、懸濁重合等の方法により製造できるが、例えば以下の3つの方法が挙げられる。
・方法1:(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体の製造方法として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに必要に応じて重合溶媒、及び重合開始剤を添加し、攪拌式反応器や管状反応器に供給し、100〜180℃の温度範囲で重合を行う方法。
・方法2:芳香族ビニル系単量体を60重量%以下で(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合させた重合体の製造方法として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び芳香族ビニル系単量体に、必要に応じて重合溶媒、及び重合開始剤を添加し、攪拌式反応器や管状反応器に供給し、100〜180℃の温度範囲で重合を行う方法。分散粒子を形成するゴム粒子径は公知の技術である攪拌機の回転数を制御することにより行うことができる。
・方法3:ゴム変性アクリル系樹脂の製造方法として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び芳香族ビニル系単量体に、必要に応じて重合溶媒、及び重合開始剤を添加し、攪拌式反応器や管状反応器に供給し、100〜180℃の温度範囲で重合を行う方法。分散粒子を形成するゴム粒子径は公知の技術である攪拌機の回転数を制御することにより行うことができる。この時、重合方法としては、特に限定されるものではないが、連続塊重合法が好ましい。
樹脂粒子が2種類の樹脂を含んでいる場合であって、非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含む場合には、非晶性樹脂と結晶性樹脂との質量比率(非晶性樹脂の質量/結晶性樹脂の質量)は、60/40〜98/2であってよく、70/30〜90/10とすることができる。また、75/25以上であるとより好ましく、75/25〜85/15とするとより好ましい。上記範囲の適度な比率とすることで、形成された膜が削れ難くなるため、良好な定着性(耐擦性)が得られる。また、樹脂のベタツキを抑えることができるので、記録媒体同士の接着を防ぎ、耐ブロッキング性を向上させることができる。
また、樹脂粒子が2種類の樹脂を含んでいる場合であって、ガラス転移温度の異なる2種の非晶性樹脂を含む場合には、ガラス転移温度の小さい方の非晶性樹脂とガラス転移温度の大きい方の非晶性樹脂との質量比率(ガラス転移温度が小さい非晶性樹脂の質量/ガラス転移温度の大きい非晶性樹脂の質量)は、95/5〜60/40であってよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、1.5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0006717065

上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
Figure 0006717065

上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34'×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。本発明の一態様では、加熱工程及び/又は乾燥工程は、例えば100℃、3秒間という条件で行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<非晶性アクリル樹脂エマルジョンA1の製造>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)10g、過硫酸カリウム1g、及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ビニルトリエトキシシラン20g、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)10g、過硫酸カリウム4g、及び純水398.3gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。80℃でさらに3時間加熱熟成した後冷却し、水酸化カリウムでpHを7〜8となるよう調整した。非晶性アクリル樹脂エマルジョンA1を得た。固形分濃度は31質量%であった。
<非晶性ポリウレタン樹脂エマルジョンA2の製造>
攪拌機、温度計、還流管を備えたフラスコにポリカーボネートジオール(デュラノールT5651、旭化成ケミカルズ製)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸5g、トリエチルアミン10g、及びアセトン100gを入れて撹拌し、さらに水添MDI 50gとジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)3滴とを添加し、80℃に加熱し、5時間かけて反応を行った。40℃まで冷却した後、得られた系を300rpmで攪拌しながらイオン交換水400gを投入した。ついで、鎖伸長材であるイソホロンジアミンを〔鎖伸長材の当量数×プレポリマー溶液固形分重量/プレポリマーのNCO当量数〕が1.0となるように計量し、10%アセトン溶液として系中に投入し、そのまま5時間攪拌して鎖伸長反応を行った。エバポレーターを使用してアセトンを除去した後、固形分濃度が30重量%となるように水で希釈し、ポリウレタン樹脂エマルジョンA2を得た。
<非晶性ポリウレタン樹脂エマルジョンA3の製造>
攪拌機、温度計、還流管を備えたフラスコにポリカーボネートジオール(デュラノールT4671、旭化成ケミカルズ製)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸5g、トリエチルアミン10g、及びアセトン100gを入れて撹拌し、さらに水添MDI 50gとジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)3滴とを添加し、80℃に加熱し、5時間かけて反応を行った。40℃まで冷却した後、得られた径を300rpmで攪拌しながらイオン交換水400gを投入した。ついで、鎖伸長材であるイソホロンジアミンを〔鎖伸長材の当量数×プレポリマー溶液固形分重量/プレポリマーのNCO当量数〕が1.0となるように計量し、10%アセトン溶液として系中に投入し、そのまま5時間攪拌して鎖伸長反応を行った。エバポレーターを使用してアセトンを除去した後、固形分濃度が30重量%となるように水で希釈し、ポリウレタン樹脂エマルジョンA3を得た。
<非晶性ポリウレタン樹脂エマルジョンA4の製造>
攪拌機、温度計、還流管を備えたフラスコにポリカーボネートジオール(デュラノールT4691、旭化成ケミカルズ製)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸5g、トリエチルアミン10g、及びアセトン100gを入れて撹拌し、さらに水添MDI 50gとジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)3滴とを添加し、80℃に加熱し、5時間かけて反応を行った。40℃まで冷却した後、得られた径を300rpmで攪拌しながらイオン交換水400gを投入した。ついで、鎖伸長材であるイソホロンジアミンを〔鎖伸長材の当量数×プレポリマー溶液固形分重量/プレポリマーのNCO当量数〕が1.0となるように計量し、10%アセトン溶液として系中に投入し、そのまま5時間攪拌して鎖伸長反応を行った。エバポレーターを使用してアセトンを除去した後、固形分濃度が30重量%となるように水で希釈し、ポリウレタン樹脂エマルジョンA4を得た。
<非晶性ポリエステル樹脂A5の製造>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルを、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が2.0となるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共にメタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にてMwが10,000になるまで反応させ、線状の非晶性ポリエステル樹脂である非晶性ポリエステル樹脂A5を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂B1の製造>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,4−ブタンジオールとセバシン酸とを、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が1.1となるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドとともに水を流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の減圧下で6時間反応させ、融点(融解温度)65.0℃の結晶性ポリエステル樹脂B1を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂B2の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸241質量部、アジピン酸31質量部、1,6−ヘキサンジオール215質量部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.75質量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ18,000に達するまで反応を行って、融点58℃の結晶性ポリエステル樹脂B2を得た。
<分散体D1〜D3の製造>
結晶性ポリエステル樹脂B1 200g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10gを固形分としてアセトン210gと混合し、40℃にて溶解させた。その後、イオン交換水600g及び25%アンモニア水3.0gを、2000mLのSUS304製ステンレスビーカー中で混合し、超音波ホモジナイザー(ドクターヒールッシャー社製 製品名:UP−400S)を用い、30℃で分散処理した。その後、70℃に昇温し、アセトンを減圧留去した。その後、イオン交換水にて固形分30質量%に調整し、分散体D1を得た。
上記の結晶性樹脂B1に換えて結晶性樹脂B2を用いて上記同様の処理を行い、分散体D2を得た。また、上記の結晶性樹脂B1に換えて非晶性ポリエステル樹脂A5を用いて上記同様の処理を行い、分散体D3を得た。
<各樹脂の熱特性の測定>
非晶性樹脂エマルジョンA1〜A4の樹脂、非晶性樹脂A5、結晶性樹脂B1、B2について、それぞれ熱特性を測定した。
樹脂5mgをそれぞれ、TAインスツルメンツ社製T−Zero簡易密閉パンに封入し、DSC(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて測定した。
測定は、窒素気流下、1st.ヒーティングとして、−50℃から150℃まで10℃/分間で昇温し、5分間保持した後、−50℃まで10℃/分間で冷却し、5分間保持した。次いで、2nd.ヒーティングとして、昇温速度10℃/分間で昇温して熱変化を測定した。「吸発熱量」と「温度」のグラフを描き、各樹脂のガラス転移温度(Tg)又は融点(融解温度)(Tm)を求めた。ガラス転移温度(Tg)は、1st.ヒーティングのDSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。結晶性樹脂B1、B2については、ピークにおける吸熱量を融解熱量として測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0006717065
<インクの調製>
(実施例1)
以下に示す処方の材料を混合攪拌し、次いで平均孔径が0.8μmのメンブレンフィルターで濾過することでインクを得た。樹脂粒子分散体に使用した樹脂粒子(樹脂エマルジョン又は分散体)の種類と比率については表2に示す。部は、質量部である。
イオン交換水 35.9部
プロピレングリコール 20.0部
トリエチレングリコール 10.0部
2−エチル−1,3−ブタンジオール 2.0部
樹脂粒子分散体 10.0部
自己分散顔料分散体 CabotJet♯300 20.0部
2、4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 2.0部
防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
合計100部
(実施例2〜9、比較例1、2)
表2に示すように樹脂粒子分散体(成分I、II)の種類と比率を変えた以外は実施例1と同様にしてインクを調製した。
<乾燥したインクに残る溶媒量の測定>
インクを5cmテフロン(登録商標)シャーレに1g入れ、80℃の恒温槽にて24時間保管後、保管した膜を0.05g切り出し、DMFを0.1質量%含有したTHF5gに入れて30分放置した。その後、固形分を遠心分離で沈殿させるか又はろ過するなどして、抽出液を得た。
この抽出液を装置:Agilent社製ガスクロマトグラフ(GC)(7890A)、JEOL社製質量分析計(MS)(JMS−Q−1000GC MkII)を用いて以下の条件で測定を行なった。結果を表1に示す。
(MS制御)
質量数:20〜500
フィラメントON時間:8:00〜20:00
イオン源温度:200℃
イオン化電圧:70eV
GCITF:250℃
(GC制御)
Split比:50
注入口温度:250℃
カラムの温度プログラム:50℃で1分間保持後、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、保持時間0分で20℃/分で280℃まで昇温し、5分間保持した。
(カラムの種類)
中極性カラム(J&W Scientific DB−35MS、内径250μm、膜厚0.25μm、長さ60m)を用いた。
得られた結果から、THF、DMFを除く有機溶剤成分のピーク面積値をDMFの面積値で割って比率を求め、インク膜中に残る溶媒量(質量%)を求めた。
<海島構造の観察>
直径5cmテフロンシャーレにインク1gを入れ、80℃の恒温槽にて24時間保管後、保管した膜の断面から薄片を作成し、上述の「SPM観察の一例」にて示したものと同様の手法によってSPMにて位相像を測定した。判定は以下の通り行い、結果を表2に示した。
○:海島構造が見られる
△:明確な海島は見られないが、位相の異なる樹脂が存在する
×:海島構造及び位相の異なる樹脂が観察されない
<乾燥したインクのG'の測定>
直径5cmテフロンシャーレにインク1gを入れ、80℃の恒温槽にて24時間保管した。乾燥後のサンプルをレオメーター(ARES、TAインスツルメント社製)を用いて測定した。具体的には、直径が8mm、厚さが2mmのペレットに成型した後、直径が8mmのパラレルプレートに固定した。次に、周波数1Hz、歪み量0.1%(歪み量制御モード)の条件下、昇温速度2.0℃/分で−50℃から150℃まで昇温させて測定した。ペレッ状にできないものについては、1cm×2cmの短冊状にし、ジオメトリには固体サンプル用のトーションクランプを用いて同様に測定を行なった。結果を表2に示す。
<吸熱ピークの測定>
直径5cmテフロンシャーレにインク1gを入れ、80℃の恒温槽にて24時間保管して得られた膜の試料5mgをそれぞれ、TAインスツルメンツ社製T−Zero簡易密閉パンに封入し、DSC(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて測定した。
測定は、窒素気流下、1st.ヒーティングとして、−50℃から150℃まで10℃/分間で昇温し、5分間保持した後、−50℃まで10℃/分間で冷却し、5分間保持した。次いで、2nd.ヒーティングとして、昇温速度10℃/分間で昇温して熱変化を測定した。「吸発熱量」と「温度」のグラフを描き、試料のガラス転移温度(Tg)及び/又は融点(融解温度)(Tm)を求めた。ガラス転移温度(Tg)は、1st.ヒーティングのDSC曲線から、融点(融解温度)(Tm)は、2nd.ヒーティングのDSC曲線から得た値とした。また、2nd.ヒーティングで得られたピークにおける吸熱量を融解熱量として測定した。結果を表2に示す。
〔印字評価〕
上記実施例及び比較例のインクの印字評価を実施した。印字評価は、温度24±0.5℃、湿度50±5%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタ(IPSiO GX5000 株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、被記録材上に同じ付着量のインクが付くように設定して行った。以下にそれぞれの評価項目及びその評価方法を示す。
<耐擦性>
インクジェットプリンタに各インクを充填して、OKトップコートプラス(王子製紙製、坪量84.9g/m)に、600dpiの解像度で単色ベタ印字の印刷を行った。常温で約24時間乾燥後、クロックメーターを利用して綿布で印字部を10回擦り、綿布への顔料の転写具合を目視観察し、下記評価基準により評価した。結果は表2に示す。
◎:綿布への転写が見られない
○:僅かに綿布への転写が見られる
×:綿布への転写が著しく見られる
○以上が許容範囲である。
<耐ブロッキング性>
インクジェットプリンタに各インクを充填して、OKトップコートプラス(王子製紙製、坪量84.9g/m)に、600dpiの解像度で単色ベタ印字を行い、100℃で20秒乾燥させた。印字画像に、白紙のTyPe6200紙を重ね、5kgの荷重を加えて24時間放置後、ブロッキングについて以下のように評価した。結果は表2に示す。
◎:隣接面を容易に引き剥がせ、且つ白紙側への転写がない
○:隣接面を容易に引き剥がせるが、僅かに白紙側への転写がある
×:隣接面に粘着があり、白紙側への転写が著しい
○以上が許容範囲である。
<画像保存性>
インクジェットプリンタに実施例の各インクを充填して、OKトップコートプラス(王子製紙製、坪量84.9g/m)に、600dpiの解像度で単色ベタ印字を行い、100℃で20秒間乾燥させた。
定着画像を画像部分が接するようにして折りたたんでスライドガラスに挟み、両端を輪ゴムでとめた。更にその上に3cm×3cmの底面積をもつ500gの重りをのせて、1週間50℃環境下で放置した。放置後の画像の接している部分を剥がす時の状態で評価を行った。評価は以下の評価基準で行った。結果を表2に示す。
◎:画像を剥がす時に何の音もなく、画像欠損もない。
○:画像を剥がす時に弱くパリパリという音が発生するが、画像欠損はない。
△:画像を剥がす時にパリパリという音が発生し、0.5mm径未満の画像欠損又はムラが見られる。
×:画像を剥がす時に強くパリパリという音が発生し、0.5mm径以上の画像欠損が見られる。
Figure 0006717065
表2において、A1〜A3は、それぞれ樹脂エマルジョンA1〜A3を示し、D1〜D3はそれぞれ分散体D1〜D3を示す。
表2より、乾燥後の残存溶媒量が20質量%以下である実施例1〜9のインクは、良好な耐ブロッキング性及び画像保存性を示すことが分かる。特に、残存溶媒量が15質量%以下の実施例1、3〜5、8のインクは、特に優れた耐ブロッキング性及び画像保存性を示した。
なお、実施例9は、残存溶媒量が低いにも関わらず、◎の耐ブロッキング性を示さなかったが、この結果には、樹脂エマルジョンA1と分散体D1との比率及び融解熱量が関係していると考えられる。
一方、残存溶媒量が20質量%を超える比較例1は、耐ブロッキング性及び画像保存性がいずれも劣り、良い結果が得られなかった。また、やはり残存溶媒量が20質量%を超える比較例2は、耐擦性、耐ブロッキング性及び画像保存性のいずれも劣っていた。比較例2は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含むものであったが、相溶性が比較的高く、残存溶媒量が20質量%以下であること及び乾燥インク中で海島構造の存在のずれも満たさなかったと考えられる。
また、加熱乾燥後のインク中で海島構造の存在が確認された実施例1〜9のインクは、良好な耐ブロッキング性及び画像保存性を示す。特に、残存溶媒量が15質量%以下の実施例1、3〜5、8のインクは、特に優れた耐ブロッキング性及び画像保存性を示す。一方、乾燥インク中で海島構造の存在が確認できなかった比較例1は、耐ブロッキング性及び画像保存性がいずれも劣り、良い結果が得られず、やはり乾燥インク中で海島構造の存在が確認できなかった比較例2は、耐擦性、耐ブロッキング性及び画像保存性のいずれも劣っていた。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2009−144174号公報 特開2014−201622号公報

Claims (8)

  1. 水及び有機溶剤を含む溶媒、色材、並びに樹脂粒子を含有するインクジェット記録用インクであって、
    前記樹脂粒子が、ポリエステル樹脂である結晶性樹脂を含む樹脂粒子と、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及びスチレン樹脂から選択される少なくとも1つである非晶性樹脂を含む樹脂粒子とを含み、
    前記インクを80℃の恒温槽にて24時間乾燥させた後に残っている前記溶媒の量が、前記インクの乾燥物に対して20.0質量%以下であり、前記インクを80℃で24時間乾燥後、室温において前記インクの乾燥物中に海島構造が存在する、インク。
  2. 前記インクを80℃で24時間乾燥した後のレオメーターによる50℃での貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下である、請求項に記載のインク。
  3. 前記結晶性樹脂の融点が40℃以上90℃以下であり、前記非晶性樹脂のガラス転移温度が0℃以上80℃以下である、請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記非晶性樹脂のガラス転移温度が18℃以上である、請求項に記載のインク。
  5. 前記インクを80℃で24時間乾燥させた後、DSCを用いて昇温速度10℃/分で−50℃から150℃まで加熱し、10℃/分で−50℃まで冷却後、さらに10℃/分で昇温した際に、40℃から100℃の間に吸熱ピークが存在している、請求項1からのいずれかに記載のインク。
  6. 前記樹脂粒子の含有量が、インク全量に対して1質量%以上30質量%である、請求項1から5のいずれか一項に記載のインク。
  7. 前記非晶性樹脂と前記結晶性樹脂との質量比率が60/40〜98/2である、請求項1から6のいずれか一項に記載のインク。
  8. 請求項1からのいずれかに記載のインクを収容したインク収容部を備えている、インクカートリッジ。
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