JP6268119B2 - ポリブタジエン及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

ポリブタジエン及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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本発明は、ポリブタジエン及びその製造方法、並びにポリブタジエンを用いたゴム組成物及びタイヤに関し、特には炭素数が4つの不飽和炭化水素の混合物から選択的にポリブタジエンを製造する方法に関するものである。
従来、C4留分等の、ブタジエン及びそれ以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素を含む混合物から、ブタジエン単量体単位のシス-1,4結合含量が高いポリブタジエンを選択的に合成するために、様々な触媒が検討されている。特開昭58−154705号公報(特許文献1)では、希土類金属化合物とトリアルキルアルミニウムを組み合わせてなる触媒を用いて、1,3−ブタジエンとその他の不飽和C4炭化水素化合物を含む混合物から選択的にハイシスポリブタジエンを合成できることが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の触媒を用いた方法では、ハイシスポリブタジエンが十分な収率で得られていない。また、特表2006−506494号公報(特許文献2)では、希土類金属の有機リン酸塩、アルキルアルミニウム及びハロゲン化アルキルアルミニウムを組み合わせてなる触媒を用いて、1,3−ブタジエン及び4つの炭素原子を有する1種以上のモノオレフィンから選択的にハイシスポリブタジエンを合成できることが開示されている。しかしながら、特許文献2では、1,2−ブタジエンや1−ブチン等のモノオレフィン以外の不飽和炭化水素の存在下、1,3−ブタジエンの選択的な重合を行うことについては、一切検討されていない。更に、米国特許第3,066,128号(特許文献3)では、コバルトハライド等の重金属ハロゲン化物と活性種とからなる特殊な触媒を用いて、ブタジエン、ブテン及び環状炭化水素の混合物から選択的にハイシスポリブタジエンを合成できることが開示されている。
特開昭58−154705号公報 特表2006−506494号公報 米国特許第3,066,128号
そこで、本発明の目的は、特定の触媒系により、炭素数が4つの不飽和炭化水素の混合物から選択的にポリブタジエンを製造する新規な方法、及び該方法によって得られるポリブタジエンを提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるポリブタジエンを含んでなり、耐摩耗性、耐亀裂成長性、耐オゾン劣化性及び作業性に優れたゴム組成物、及び該ゴム組成物を少なくとも何れかの部材に用いたタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の触媒系の存在下、1,3−ブタジエンとそれ以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素とを含む混合物を重合させることで、ポリブタジエンを選択的に合成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のポリブタジエンの製造方法は、
(A)成分:下記一般式(I):
M・・・(I)
[式中、LはRCO(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基である)であり、Mは周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である]で表される化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物、
(B)成分:下記一般式(II):
AlR・・・(II)
[式中、R及びRは、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、Rは上記R又はRと同一又は異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物、
(C)成分:ハロゲン化合物、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種のルイス酸、並びに必要に応じて
(D)成分:アルミノキサン
からなる触媒系の存在下、1,3−ブタジエンと該1,3−ブタジエン以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素の一種以上とを含む混合物からポリブタジエンを溶液重合により合成し、
前記触媒系が、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、必要に応じて(D)成分及び共役ジエン単量体の存在下で予備調製されてなり、
前記(A)成分が、ネオジムネオデカノエートであり、
前記(B)成分が、トリイソブチルアルミニウムであり、
前記(C)成分が、塩化ジエチルアルミニウムであることを特徴とする、数平均分子量(Mn)が150000超197000以下、且つ、ビニル結合含量が0.3%超0.45%以下のポリブタジエンの製造方法である
本発明のポリブタジエンの製造方法においては、前記混合物中に占める1,3−ブタジエンの割合が20質量%以上であるのが好ましい。
本発明のポリブタジエンの製造方法の他の好適例においては、前記混合物が、ナフサのクラッキングにより得られたC4留分である。
また、本発明のポリブタジエンとスペントBBとの分離方法は、ナフサのクラッキングにより得られたC4留分からポリブタジエンとスペントBBとを分離する方法であって、上記のポリブタジエンの製造方法により前記C4留分からポリブタジエンを合成し、次いで該C4留分の残留物を回収することを特徴とする。
また、本発明のポリブタジエンは、上記の方法によって得られたことを特徴とし、更に、本発明のゴム組成物は、該ポリブタジエンを含むことを特徴とし、また更に、本発明のタイヤは、該ゴム組成物をタイヤのいずれかの部材に用いたことを特徴とする。
本発明によれば、特定の触媒系の存在下、1,3−ブタジエンとそれ以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素とを含む混合物を重合させることで、シス-1,4結合含量が高いポリブタジエンを提供することができる。また、かかるポリブタジエンを含んでなり、耐摩耗性、耐亀裂成長性、耐オゾン劣化性及び作業性に優れたゴム組成物、及び該ゴム組成物を少なくとも何れかの部材に用いたタイヤを提供することができる。更に、かかるポリブタジエンの製造方法を用いることで、ナフサのクラッキングにより得られたC4留分からポリブタジエンとスペントBBとを分離することができる。
本発明のポリブタジエンとスペントBBの分離方法の一例の概略図である。
以下に、本発明のポリブタジエンの製造方法を詳細に説明する。本発明のポリブタジエンの製造方法は、以下に詳述する(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなる触媒系の存在下、又は(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分からなる触媒系の存在下、1,3−ブタジエンと該1,3−ブタジエン以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素の一種以上とを含む混合物からポリブタジエンを合成することを特徴とし、前記合成されたポリブタジエンの数平均分子量(Mn)が150000超197000以下、且つ、ビニル結合含量が0.3%超0.45%以下である。
本発明のポリブタジエンの製造方法に使用する触媒系の(A)成分は、下記一般式(I):
3M ・・・ (I)
(式中、LはR1CO2、R1O、(R1O)2P(=O)O(ここで、R1は炭素数1〜20の炭化水素基である)であり、Mは周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物である。ここで、原子番号57〜71の希土類元素の中でも、ネオジム、プラセオジウム、セリウム、ランタン、ガドリニウム等、又はこれらの混合物が好ましく、ネオジムが特に好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物としては、炭化水素溶媒に可溶な塩が好ましく、具体的には、上記希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、リン酸塩が挙げられ、これらの中でも、カルボン酸塩及びリン酸塩が好ましく、カルボン酸塩が特に好ましい。ここで、炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
上記希土類元素のカルボン酸塩において、R1は、飽和又は不飽和でもよく、アルキル基及びアルケニル基が好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもよい。更に、カルボキシル基は、1級、2級又は3級の炭素原子に結合している。前記カルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。前記カルボン酸塩の中でも、ネオジムのカルボン酸塩が更に好ましく、特にネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのネオデカン酸塩、ネオジムのバーサチック酸塩等のネオジムの分岐カルボン酸塩が最も好ましい。
上記希土類元素のアルコキサイドにおいて、ROで表されるアルコキシ基としては、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルアルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、ベンジルアルコキシ基が好ましい。
上記希土類元素のリン酸塩としては、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)等との塩が挙げられ、これらの中でも、上記希土類元素と、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、との塩が好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物の中でも、ネオジムのリン酸塩、及びネオジムのカルボン酸塩が更に好ましく、特にネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのネオデカン酸塩、ネオジムのバーサチック酸塩等のネオジムの分岐カルボン酸塩が最も好ましい。
また、(A)成分は、上記一般式(I)で表される化合物とルイス塩基との反応物でもよい。該反応物は、ルイス塩基によって、上記一般式(I)で表される化合物の溶剤への溶解性が向上しており、また、長期間安定に貯蔵することができる。上記一般式(I)で表される化合物を溶剤に容易に可溶化させるため、また、長期間安定に貯蔵するために用いられるルイス塩基は、希土類元素1モル当り0〜30モル、好ましくは1〜10モルの割合で、両者の混合物として、又は予め両者を反応させた生成物として用いられる。ここで、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコールが挙げられる。
以上に述べた(A)成分としての上記一般式(I)で表される化合物又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明のポリブタジエンの製造方法に使用する触媒系の(B)成分は、下記一般式(II):
AlR234・・・ (II)
(式中、R2及びR3は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R4は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R4は上記R2又はR3と同一又は異なっていてもよい)で表される有機アルミニウム化合物である。式(II)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(B)成分としての有機アルミニウム化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明のポリブタジエンの製造方法に使用する触媒系の(C)成分は、ハロゲン化合物、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種のルイス酸である。
上記ハロゲン化合物は、ルイス酸性を有し、炭化水素に可溶である。具体的には、二臭化メチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化ブチルアルミニウム、二塩化ブチルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジブチルアルミニウム、塩化ジブチルアルミニウム、セスキ臭化メチルアルミニウム、セスキ塩化メチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化ジブチルスズ、三臭化アルミニウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化スズ、四塩化ケイ素等が例示できる。これらの中でも、塩化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、及び二臭化エチルアルミニウムが好ましい。また、トリエチルアルミニウムと臭素の反応生成物のようなアルキルアルミニウムとハロゲンの反応生成物を用いることもできる。
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が特に好ましい。
また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好ましい。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチル−ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
本発明のポリブタジエンの製造方法に使用する触媒系には、上記(A)〜(C)成分の他に、更に(D)成分として、有機アルミニウムオキシ化合物、所謂アルミノキサンを用いるのが好ましい。ここで、該アルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、クロロアルミノキサン等が挙げられる。(D)成分としてアルミノキサンを加えることで、分子量分布がシャープになり、触媒としての活性も向上し、1,3−ブタジエンの反応率が向上する。
本発明で使用する触媒系の各成分の量又は組成比は、その目的又は必要性に応じて適宜選択される。このうち、(A)成分は、1,3−ブタジエン100gに対し、0.00001〜1.0ミリモル用いるのが好ましく、0.0001〜0.5ミリモル用いるのが更に好ましい。(A)成分の使用量が0.00001ミリモル未満では、重合活性が低くなり、1.0ミリモルを超えると、触媒濃度が高くなり、脱灰工程が必要となる。また、(A)成分と(B)成分の割合は、モル比で、(A)成分:(B)成分が1:1〜1:700、好ましくは1:3〜1:500である。更に、(A)成分と(C)成分中のハロゲンの割合は、モル比で、1:0.1〜1:30、好ましくは1:0.2〜1:15、更に好ましくは1:2.0〜1:5.0である。また、(D)成分中のアルミニウムと(A)成分との割合は、モル比で、1:1〜700:1、好ましくは3:1〜500:1である。これらの触媒量または構成成分比の範囲外では、高活性な触媒として作用せず、または、触媒残渣を除去する工程が必要になるため好ましくない。また、上記の(A)〜(D)成分以外に、重合体の分子量を調節する目的で、水素ガスを共存させて重合反応を行ってもよい。
触媒成分として、上記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分以外に、必要に応じて、1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体を少量、具体的には、(A)成分の化合物1モル当り0〜1000モルの割合で用いてもよい。触媒成分としての1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体は必須ではないが、これを併用すると、触媒活性が一段と向上する利点がある。
上記触媒の製造は、例えば、溶媒に(A)成分〜(C)成分を溶解させ、さらに必要に応じて、1,3−ブタジエンを反応させることによる。その際、各成分の添加順序は、特に限定されず、必要に応じて(D)成分としてアルミノキサンを添加してもよい。重合活性の向上、重合開始誘導期間の短縮の観点からは、これら各成分を、予め混合して、反応させ、熟成させることが好ましい。ここで、熟成温度は、0〜100℃であり、20〜80℃が好ましい。0℃未満では、充分に熟成が行われず、100℃を超えると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが起こる。また、熟成時間は、特に制限なく、重合反応槽に添加する前にライン中で接触させることでも熟成でき、通常は、0.5分以上あれば充分であり、数日間は安定である。
本発明のポリブタジエンの製造方法に使用する混合物は、1,3−ブタジエンと該1,3−ブタジエン以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素の一種以上とを含む。ここで、該不飽和炭化水素としては、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1,2−ブタジエン、1−ブチン、ビニルアセチレン等が挙げられる。なお、上記混合物には、ブタン、イソブタン等の炭素数が4つの飽和炭化水素や、プロパン、プロピレン等の炭素数が3つ又は5つの飽和又は不飽和炭化水素等が混在していてもよい。また、上記混合物には、ナフサのクラッキング(具体的にはスチームクラッキング)により得られるC4留分を用いることができる。
従来、ナフサからのC4留分をポリブタジエンの原料として利用する場合には、C4留分からブテン等の気体を抽出し、該C4留分に含まれるブタジエンとスペントBBとを分離する必要があった(図1参照)。ここで、気体とは、常温(25℃)常圧(1013Pa)下で気体の成分を指し、スペントBBとは、ブタジエン以外のC4留分を意味し、通常、C4留分からブタジエンを抽出した後に残る留分を指す。しかしながら、本発明の製造方法によれば、ナフサのクラッキングにより得られるC4留分を重合用原料として直接使用することができる。なお、ナフサのクラッキングにより得られるC4留分は、例えば、表1に示す組成を有している。
従って、本発明者らは、C4留分からブタジエンを抽出する工程を必要とせず、C4留分からポリブタジエンを選択的に合成し、C4留分からポリブタジエンとスペントBBとを分離することが可能な方法を見出した。本発明のポリブタジエンとスペントBBとの分離方法は、ナフサのクラッキングにより得られたC4留分からブタジエンとスペントBBとを分離する方法であって、上述のポリブタジエンの製造方法により、ナフサのクラッキングにより得られたC4留分からポリブタジエンを合成し、次いで該C4留分の残留物を回収することで、ポリブタジエンとスペントBBとを分離することを特徴とする(図1参照)。ここで、C4留分の残留物とは、C4留分からポリブタジエンを合成した後に残るC4留分を意味しており、スペントBBに含まれる成分を含み、通常、気体として回収される。
本発明のポリブタジエンの製造方法においては、1,3−ブタジエンと該1,3−ブタジエン以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素の一種以上とを含む混合物中に占める1,3−ブタジエンの割合が20質量%以上であることが好ましく、40〜99質量%の範囲が更に好ましい。該1,3−ブタジエンの含有量が20質量%未満では、1,3−ブタジエン以外の化合物の割合が高すぎるため、1,3−ブタジエンの転化率が低下する場合がある。
また、本発明の製造方法によれば、ブタジエン単量体単位のシス-1,4結合含量が高いポリブタジエンが得られるが、上記混合物に、1−ブチン(エチルアセチレン)、ビニルアセチレン等のアセチレン系炭化水素が含まれる場合、1,3-ブタジエン単量体単位のシス-1,4構造への選択性が向上し、シス-1,4結合含量が大幅に増加する。該混合物中に占めるアセチレン系炭化水素の割合は、0.01〜1質量%の範囲が好ましい。該アセチレン系炭化水素の含有量が0.01質量%未満では、選択性の向上効果が低くなり、一方、1質量%を超えると、ポリブタジエンの収率が低下する。
上記ポリブタジエンの製造は、溶液重合で行うことが好ましい。ここで、溶液重合の場合、重合溶媒としては、不活性の有機溶媒を用いる。不活性の有機溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、モノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が特に好ましい。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記ポリブタジエンの製造は、25℃以下の重合温度で行うのが好ましく、10〜-78℃で行うのが更に好ましい。重合温度が25℃を超えると、重合反応を充分に制御することができず、生成したポリブタジエンのシス−1,4結合含量が低下するおそれがあり、ビニル結合含量が上昇してしまう。
上記ポリブタジエンの製造は、回分式及び連続式のいずれで行ってもよい。また、上記ポリブタジエンの製造において、上記希土類元素系触媒及び重合体を失活させないために、重合の反応系内に酸素、水、炭酸ガス等の失活作用のある化合物の混入を極力なくすような配慮が必要である。
次に、本発明のポリブタジエンを詳細に説明する。本発明のポリブタジエンは、1,3−ブタジエン単量体単位からなり、上述の方法によって得られることを特徴とし、1,3−ブタジエン単量体単位のシス-1,4結合含量が非常に高い。なお、本発明では、ポリブタジエン中の1,3−ブタジエン単量体単位のミクロ構造は、ビニル結合含量の測定精度が高いことで知られるフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)により測定する。
<FT−IRによるミクロ構造の分析法>
同一セルの二硫化炭素をブランクとして、5mg/mLの濃度に調製したポリブタジエンの二硫化炭素溶液のFT−IR透過率スペクトルを測定し、該スペクトルの1130cm-1付近の山ピーク値をa、967cm-1付近の谷ピーク値をb、911cm-1付近の谷ピーク値をc、736cm-1付近の谷ピーク値をdとしたとき、下記行列式(III):
Figure 0006268119
から導かれるe、f、gの値を用い、下記式(IV)、式(V)、式(VI):
(シス−1,4結合含量)=e/(e+f+g)×100(%) ・・・ (IV)
(トランス−1,4結合含量)=f/(e+f+g)×100(%) ・・・ (V)
(ビニル結合含量)=g/(e+f+g)×100(%) ・・・ (VI)
に従ってシス−1,4結合含量、トランス−1,4結合含量及びビニル結合含量を求める。
なお、上記スペクトルの1130cm-1付近の山ピーク値aはベースラインを、967cm-1付近の谷ピーク値bはトランス−1,4結合を、911cm-1付近の谷ピーク値cはビニル結合を、736cm-1付近の谷ピーク値dはシス−1,4結合を示す。
本発明のポリブタジエンは、シス−1,4結合含量が95%以上であるのが好ましく、シス−1,4結合含量が98.0%以上であるのが更に好ましい。シス−1,4結合含量が95%未満であるポリブタジエンは、伸張結晶性が不充分で、ゴム組成物の耐摩耗性、耐亀裂成長性及び耐オゾン劣化性を向上させる効果が小さい。また、上記ポリブタジエン体は、シス−1,4結合含量とビニル結合含量とが、下記式(VII):
(ビニル結合含量) ≦ 0.25×{(シス−1,4結合含量)−97}(%) ・・・ (VII)
の関係を満たすのが好ましい。この場合、ポリブタジエンの伸張結晶性が更に向上して、該ポリブタジエンをゴム組成物に配合することで、ゴム組成物の耐摩耗性、耐亀裂成長性及び耐オゾン劣化性を更に向上させることができる。
本発明のポリブタジエンは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、即ち分子量分布(Mw/Mn)が1.6〜3.5であるのが好ましく、1.6〜2.7であるのが更に好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の値である。ポリブタジエンの分子量分布(Mw/Mn)が1.6未満では、該ポリブタジエンを含むゴム組成物の作業性が悪化するため、混練りが困難となり、ゴム組成物の物性を十分に向上できない場合がある。また、ポリブタジエンの分子量分布が3.5を超えると、ゴム組成物の未加硫粘度が改良される割にはヒステリシスロス等のゴム物性の低下が大きくなり好ましくない。
本発明のポリブタジエンは、数平均分子量(Mn)が100,000〜500,000であるのが好ましく、150,000〜300,000であるのが更に好ましい。ポリブタジエンの数平均分子量が100,000未満では、加硫物の弾性率が低下し、ヒステリシスロスが上昇し、更に耐摩耗性が悪化するため好ましくなく、500,000を超えると、該ポリブタジエンを含むゴム組成物の作業性が悪化して、混練りが困難となり、ゴム組成物の物性を十分に向上させることができない。
次に、本発明のゴム組成物を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、上述したポリブタジエンをゴム成分として含むことを特徴とする。上記ポリブタジエンをゴム組成物に配合することで、ゴム組成物の耐摩耗性、耐亀裂成長性及び耐オゾン劣化性を大幅に向上させることができる。また、かかる特性の向上効果を十分に確保するため、該ゴム組成物を構成するゴム成分は、上記ポリブタジエンを10質量%以上含むのが好ましい。なお、本発明のゴム組成物には、ゴム成分として、上記ポリブタジエンの他、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)等のゴム成分を併用することができる。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して充填剤10質量部以上を配合してなるのが好ましい。充填剤を10質量部以上含むことで、ゴム組成物の補強性がより一層向上する。ここで、充填剤としては、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、硫黄架橋性であるのが好ましい。ゴム組成物が硫黄で架橋された加硫ゴムは、タイヤ部材として十分な強度を有する。なお、本発明のゴム組成物は、耐摩耗性に優れるためタイヤのトレッドとして好適であり、また、耐亀裂成長性及び耐オゾン劣化性に優れるためタイヤのサイドウォールとしても好適である。また、作業性に優れるため、混練りが容易で、高い物性を発現することができる。
上記ゴム組成物には、上述のゴム成分、充填剤の他、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、シランカップリング剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
次に、本発明のタイヤを詳細に説明する。本発明のタイヤは、上述したゴム組成物を該タイヤのいずれかの部材に用いたことを特徴とし、耐摩耗性、耐亀裂成長性及び耐オゾン劣化性に優れる。本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を何れかの部材に用いる限り特に制限はなく、該部材としては、トレッド、サイドウォール等が挙げられ、通常の方法で製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<重合体製造例1>
(触媒溶液Aの調製)
乾燥及び窒素置換された容積100mLのゴム栓付きガラスビンに、順次、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(ネオジム濃度:0.56M)0.53mL、メチルアルミノキサン(MAO)[東ソーファインケム製PMAO]のトルエン溶液(アルミニウム濃度:2.74M)9.31mL、水素化ジイソブチルアルミニウム[関東化学製]のヘキサン溶液(0.95M)6.63mLを投入し、室温で2分間熟成した後、塩化ジエチルアルミニウム[関東化学製]のヘキサン溶液(0.98M)1.22mLを加え、室温で時折撹拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液A中のネオジム濃度は、0.012M(mol/L)であった。
(重合体Aの製造)
乾燥及び窒素置換された容積約1Lのゴム栓付きガラスビンに、以下に示す組成の混合物71.4g及び乾燥シクロヘキサン283gをそれぞれ投入し、10℃の水浴中で十分に冷却した。次に、上記のようにして調製した触媒溶液A2.36mL(ネオジム換算で11.8mmol)を加え、10℃の水浴中で60分間重合を行った。引き続き、老化防止剤2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール溶液(NS−5濃度:5質量%)2mLを加えて反応を停止させ、更に、微量のNS−5を含むイソプロパノール溶液中で再沈澱させた後、常法にて乾燥して、重合体Aを得た。
Figure 0006268119
<重合体製造例2>
(触媒溶液Bの調製)
乾燥及び窒素置換された容積100mLのゴム栓付きガラスビンに、順次、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(ネオジム濃度:0.56M)0.27mL、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(アルミニウム濃度:1.03M)4.22mLを投入し、室温で2分間熟成した後、塩化ジエチルアルミニウム[関東化学製]のヘキサン溶液(0.98M)0.92mLを加え、室温で時折撹拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液B中のネオジム濃度は、0.012M(mol/L)であった。
(重合体Bの製造)
乾燥及び窒素置換された容積約1Lのゴム栓付きガラスビンに、重合体製造例1で使用したものと同一の混合物71.4g及び乾燥シクロヘキサン283gをそれぞれ投入し、10℃の水浴中で十分に冷却した。次に、上記のようにして調製した触媒溶液B5.32mL(ネオジム換算で0.063mmol)を加え、10℃の水浴中で60分間重合を行った。引き続き、老化防止剤2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール溶液(NS−5濃度:5質量%)2mLを加えて反応を停止させ、更に、微量のNS−5を含むイソプロパノール溶液中で再沈澱させた後、常法にて乾燥して、重合体Bを得た。
以上のようにして得られたポリブタジエンゴム(重合体A〜B)の特性を表1に示す。なお、ミクロ構造の分析は、上述したFT−IR法で行った。また、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
Figure 0006268119
(比較例)
ネオジムデカノエートに代えてネオジムトリクロライドを用いた以外は、上記重合体製造例2と同様にして重合体の合成を行ったが、混合物中の1,3−ブタジエンの反応率は20%未満であった。

Claims (4)

  1. (A)成分:下記一般式(I):
    M ・・・(I)
    [式中、LはRCO(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基である)であり、Mは周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である]で表される化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物、
    (B)成分:下記一般式(II):
    AlR・・・ (II)
    [式中、R及びRは、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、Rは上記R又はRと同一又は異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物、
    (C)成分:ハロゲン化合物、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種のルイス酸、並びに必要に応じて
    (D)成分:アルミノキサン
    からなる触媒系の存在下、1,3−ブタジエンと該1,3−ブタジエン以外の炭素数が4つの不飽和炭化水素の一種以上とを含む混合物からポリブタジエンを溶液重合により合成し、
    前記触媒系が、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、必要に応じて(D)成分及び共役ジエン単量体の存在下で予備調製されてなり、
    前記(A)成分が、ネオジムネオデカノエートであり、
    前記(B)成分が、トリイソブチルアルミニウムであり、
    前記(C)成分が、塩化ジエチルアルミニウムであることを特徴とする、数平均分子量(Mn)が150000超197000以下、且つ、ビニル結合含量が0.3%超0.45%以下のポリブタジエンの製造方法。
  2. 前記混合物中に占める1,3−ブタジエンの割合が20質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリブタジエンの製造方法。
  3. 前記混合物が、ナフサのクラッキングにより得られたC4留分であることを特徴とする請求項1に記載のポリブタジエンの製造方法。
  4. ナフサのクラッキングにより得られたC4留分からポリブタジエンとスペントBBとを分離する方法であって、
    請求項3に記載のポリブタジエンの製造方法により前記C4留分からポリブタジエンを合成し、次いで該C4留分の残留物を回収することを特徴とするポリブタジエンとスペントBBとの分離方法。
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