JP6265974B2 - スラリー再生装置、スラリー再生方法及び再生スラリー - Google Patents

スラリー再生装置、スラリー再生方法及び再生スラリー Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤソーによってシリコン等のインゴットを切断するときに使用されたスラリーを、当該スラリーから切屑を除去することによって再利用可能にするスラリー再生装置、スラリー再生方法、及びこのスラリー再生方法によって再生された再生スラリーに関する。
太陽電池等に用いられるシリコンウエハは、ワイヤソーによってシリコンインゴットを切断(スライス)することによって得られる。このシリコンインゴットを切断する方法には、固定砥粒方式と遊離砥粒方式との2種類がある。固定砥粒方式では、ダイアモンド等の砥粒を固着させたワイヤソーと、クーラント(冷却液)を含むスラリーとを用いてシリコンインゴットを切断する。また、遊離砥粒方式では、ワイヤソーと、クーラント及び炭化ケイ素等の砥粒を含むスラリーとを用いてシリコンインゴットとを切断する。いずれの方式においても、ワイヤソーによってシリコンインゴットを切断している部位(切削部位)に所定の供給量となるようにスラリーが供給される。スラリーは、切削部位の冷却と切削部位からの切屑(切削屑)の排出とを行う。このようにして切断された後のスライス片にはスラリーや切屑等が付着している。このため、切断工程後に前記スライス片が洗浄され、これにより、シリコンウエハが得られる。
一般に、シリコンインゴットの切断工程において使用された後のスラリー(使用済スラリー)は、製造コストの観点から再利用される。この使用済スラリーには、シリコンの切屑(以下、単に「切屑」とも称する。)、砥粒(遊離砥粒方式での切断の場合)等が含まれている。このため、使用済スラリーがそのまま再利用されると、シリコンウエハ表面の傷、シリコンウエハの破損、切断機械の劣化等の原因となる。そこで、例えば、特許文献1に記載のスラリー再生方法によって、使用済スラリーから切屑等が除去される。このスラリー再生方法では、いわゆる横型遠心分離機によって使用済スラリーから切屑等が除去される。これにより、再利用可能なスラリー(再生スラリー)が得られる。横型遠心分離機では、中心軸が水平方向を向いたスクリューを回転させることによって前記中心軸を回転中心に使用済スラリーを回転させ、その遠心力によって使用済スラリーから切屑や砥粒を分離する。このようにして得られた再生スラリー(遠心分離によって切屑や砥粒等の分離後のスラリー)が再利用される。
しかし、上述の方法によって得られた再生スラリーを再利用する場合において、再生スラリーの粘度が大きく上昇する場合がある。再生スラリーの粘度が上昇すると、切削部位へ再生スラリーを供給する際の配管抵抗の増加等によって切削部位への供給量が変動したり、切削部位からの切屑の排出性が悪化する。また、この再生スラリーを使用していると、切断工程後の洗浄工程において洗浄性が悪化する場合(即ち、スライス片に付着した再生スラリー等の付着物が取れ難くなる場合)もある。
特開2001−353660号公報
本発明の目的は、粘度の上昇を抑えると共に、インゴット切断後の洗浄工程における洗浄性の悪化を抑えることができる再生スラリーが得られるように、使用済スラリーを再生するスラリー再生装置およびスラリー再生方法提供することである。また、本発明の他の目的は、このスラリー再生方法によって再生された再生スラリーを提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、再生スラリーに含まれる鉄分(鉄、鉄イオン、酸化鉄等)の量が多くなると、再生スラリーにおける粘度の上昇や、インゴット切断後の洗浄工程における洗浄性の悪化が生じることを発見した。詳しくは、以下の通りである。
インゴットの切断工程では、ワイヤソーが削れてワイヤソー由来の鉄(鉄粉、鉄粒子)が再生スラリー中に混入する。このため、インゴットの切断が進むに従い再生スラリー中の鉄の量が増加し続ける。この再生スラリーに混入した鉄は微粉であるために、再生スラリーに含まれる水分によって容易に溶解されて鉄イオンとなる。また、再生スラリーに混入した鉄の一部は、その後、空気に触れて酸化され、酸化鉄となる。このように、使用中の再生スラリーでは、鉄分が増加していく。この鉄分は、主に鉄イオンとして再生スラリー中に存在していると考えられる。
再生スラリーは、所定時間使用されると、インゴットの切断装置等から使用済スラリーとして排出され、横型遠心分離機によって切屑等が取り除かれて再利用される。このとき使用済スラリーに含まれている鉄分のうち、鉄(鉄粉、鉄粒子)の粒子の一部は除去される。しかし、鉄分の大半を占める鉄イオンは、横型遠心分離機によっては除去されない。このため、切屑等が除去されることによって得られた再生スラリーに多くの鉄分が含まれている場合がある。
そして、この鉄分を多く含む再生スラリーを使用したときに、即ち、当該再生スラリーに含まれる鉄分の量がさらに増加したときに、再生スラリーの粘度が上昇したり、インゴット切断後の洗浄工程における洗浄性が悪化する。
本発明の一態様は、ワイヤソーによってインゴットを切断するときに生じた切屑及び鉄分を含む使用済スラリーを再利用可能に再生するスラリー再生装置である。当該スラリー再生装置は、前記鉄分を含む使用済スラリーに空気を供給可能な空気供給部と、前記空気供給部から供給された空気中の酸素により前記鉄分が酸化されることによって形成された酸化鉄を含む使用済スラリーを遠心分離する遠心分離部と、を備える。
また、本発明の他の一態様は、ワイヤソーによってインゴットを切断するときに生じた切屑及び鉄分を含む使用済スラリーを再利用可能に再生するスラリー再生方法である。当該スラリー再生方法は、前記鉄分を含む使用済スラリーに空気を供給し、この空気中の酸素により前記鉄分が酸化されることによって形成された酸化鉄を含む使用済スラリーを遠心分離する。
本実施形態に係るスラリー再生装置の概略構成図である。 前記スラリー再生装置におけるスラリーの再生工程、及び各工程後のマテリアルバランスの例を示す図である。 他実施形態に係るスラリー再生装置の概略構成図である。 他実施形態に係るスラリー再生装置の概略構成図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るスラリー再生装置の概略構成図である。図2は、スラリー再生装置におけるスラリーの再生工程、及び各工程後のマテリアルバランスの例を示す図である。
本実施形態のスラリー再生装置(以下、単に「再生装置」とも称する。)10は、例えば、半導体、太陽電池等に利用されるシリコンウエハの製造工程において、シリコンインゴット(以下、単に「インゴット」とも称する。)をワイヤソーによって切断するときに使用されたスラリーを再生(再生処理)する。即ち、再生装置10は、使用後のスラリーからシリコン切屑(以下、単に「切屑」とも称する。)等の混入物を分離(除去)することによってクーラントを再利用可能にする。尚、本実施形態におけるシリコンインゴットの切断方法は遊離砥粒方式であるが、固定砥粒方式であってもよい。
以下では、先ず、スラリー(使用済スラリー及び再生スラリー)の説明をし、その後、再生装置10について具体的に説明する。
スラリーは、クーラントと、多数の砥粒とを含む。このスラリーは、インゴットの切断工程においてインゴットのワイヤソーでの切削部位に供給されて切削部位の冷却及び切削部位からの切屑の排出等を行う。以下では、インゴットの切断に使用された後のスラリーを使用済スラリーと称し、再生装置10によって再生処理した(使用済スラリーから切屑等の混入物を分離等した)後のスラリーを再生スラリーと称する。
再生スラリーは、クーラントと多数の砥粒とに加え、インゴットをワイヤソーによって切断したときに生じた切屑及び鉄分等もわずかに含んでいる。この鉄分は、ワイヤソーが削れる等によって生じたワイヤソー由来の鉄(鉄粉、鉄粒子)、鉄イオン(Fe2+、Fe3+)、酸化鉄(例えば、Fe等)等である。
再生スラリーの鉄分の濃度は、1000ppm以下である。この再生スラリーの鉄分の濃度は、以下のようにして得ることができる。例えば、再生スラリーの一部に硝酸とフッ化水素酸を加えて加熱処理することにより当該再生スラリーに含まれる鉄、酸化鉄等の粒子を溶解させた試料を生成する。そして、この試料をICP(Inductively Coupled Plasma)で分析する。これにより、再生スラリー中の鉄分の濃度が得られる。尚、鉄分の濃度の測定方法は、前記の測定方法に限定されない。公知の他の測定方法が用いられてもよい。
クーラントは、例えば、ポリエチレングリコール等の水溶性溶剤を主成分とする。詳しくは、クーラントには、例えば、ポリエチレングリコール単独組成のものや、ポリエチレングリコールに水、pH調整剤、粘度調整剤、分散剤、凝集剤等を添加物として配合したものがある。また、クーラントには、ジエチレングリコールを主成分とし、これに、水、pH調整剤、粘度調整剤、分散剤、凝集剤等を添加物として配合したものもある。このクーラントの粘度は、10〜15cp程度である。
尚、クーラントは水で希釈される場合、各種添加物が添加される場合等がある。このため、クーラントの組成及び粘度は、上述の組成に限定されない。即ち、クーラントは、ワイヤソーによってインゴットを切断するときに用いられるスラリーに使用可能なものであれば、他の組成や粘度であってもよい。
砥粒は、例えば、炭化ケイ素(SiC)等の粒子であり、その平均粒子径は、例えば、8〜15μmである。尚、砥粒は、遊離砥粒方式によるインゴットの切断に使用可能な粒子であれば他の素材の粒子であってもよい。
再生スラリーに含まれる鉄は、ワイヤソーによってインゴットを切断するときに、摩擦等によってワイヤソーから生じた鉄(鉄粉、鉄粒子)等である。この鉄は、クーラントに含まれる水(水分)によって溶解し、鉄イオン(Fe2+、Fe3+)となる。そして、この鉄イオンは、時間の経過と共に酸化して酸化鉄となる。このため、再生スラリーは、鉄以外に、鉄イオン、酸化鉄も含んでいる。また、使用済スラリーも、インゴットの切断に用いられた後のスラリーであるため、鉄、鉄イオン、酸化鉄等を含んでいる。
再生装置10は、砥粒回収部11と、鉄分分離用貯留部13と、鉄分分離用遠心分離機14と、膜分離部15と、成分調整部16と、を備える。再生装置10は、使用済スラリーから切屑等の混入物を分離することによって使用済スラリーを再利用可能に再生処理する。
砥粒回収部11は、砥粒回収用貯留部110と、回収部遠心分離機120と、を有し、使用済スラリーから主に砥粒を回収する。
砥粒回収用貯留部110は、回収部貯留槽111と、回収部攪拌機112と、を有する。回収部貯留槽111は、インゴットの切断装置等から排出された使用済スラリーを貯留する。回収部攪拌機112は、回収部貯留槽111内に配置される攪拌翼113と、この攪拌翼113が接続される回転軸114を有するモータ115と、を有する。モータ115が攪拌翼113を回転させることにより、回収部貯留槽111内の使用済スラリーが攪拌される。
回収部遠心分離機120は、例えば、水平又は略水平の回転軸を中心として分離対象物(本実施形態では使用済スラリー)を回転させて、該対象物を遠心分離する横型遠心分離機である。この回収部遠心分離機120は、回転体122と、図略の第1モータと、図略のスクリューと、図略の第2モータと、を有する。回転体122は、一端側にテーパ部を備えた筒形状を有し、水平方向を向いた中心軸(水平軸)を回転中心に回転可能である。図略の第1モータは、前記中心軸回りに回転体122を回転させる。図略のスクリューは、回転体122の内部に回転体122と同軸となるように配置される。図略の第2モータは、回転している回転体122に対して僅かな回転差が生じるように図略のスクリューを回転させる。
回収部遠心分離機120では、使用済スラリーが回転体122の内部に導入される。回転体122の内部に導入された使用済スラリーの切屑等の固形分は、遠心力によって回転体122の内面に押し付けられる。固形分がスクリューの作用によって図1の左方に向けて移動することにより、混入物等(砥粒及びクーラント)は遠心分離される。分離された混入物等は、分離物排出口124から成分調整部16に向けて排出される。一方、混入物等が遠心分離された後の使用済クーラント(分離液)は、取出口125から排出され、回収部貯留槽111に戻される。
この回収部遠心分離機120では、使用済スラリーから粒子径及び比重が大きな砥粒を除去(回収)するために、比較的低い重力加速度(本実施形態の例では、500〜1000G)の1次遠心分離が行われる。
鉄分分離用貯留部13は、分離部貯留槽130と、分離部攪拌機131と、空気供給部135と、を有する。貯留部13では、分離部貯留槽130に貯留された使用済スラリーに空気が供給される。分離部貯留槽130は、回収部貯留槽111から供給される1次遠心分離後の使用済スラリーを貯留する。分離部攪拌機131は、分離部貯留槽130内に配置される攪拌翼132と、この攪拌翼132が接続される回転軸133を有するモータ134と、を有する。モータ134が攪拌翼132を回転させることにより、分離部貯留槽130内の使用済スラリーが攪拌される。空気供給部135は、図略のポンプ等から送り出された空気を、空気供給管136を通じて分離部貯留槽130内の使用済スラリーに供給する。即ち、空気供給部135は、分離部貯留槽130に貯留された使用済スラリーに対してエアレーションを行う。
鉄分分離用遠心分離機14の構成は、回収部遠心分離機120の構成と同様である。鉄分分離用遠心分離機14では、遠心分離後の使用済スラリーが取出口125から排出されて分離部貯留槽130に戻される一方、分離された混入物等が分離物排出口124から廃液貯留槽140に排出される。この鉄分分離用遠心分離機14では、2次遠心分離と3次遠心分離とが行われる。2次遠心分離は、使用済スラリー中に分散している切屑を極力除去するための比較的高い重力加速度(本実施形態の例では、2000〜3000G)の遠心分離である。3次遠心分離は、後述する膜分離部15での膜分離と並行して行われる遠心分離であり、2次遠心分離同様、比較的高い重力加速度(本実施形態の例では、2000〜3000G)の遠心分離である。
膜分離部15は、ろ過膜を用いて使用済スラリーから切屑や鉄分等の混入物を分離する。本実施形態の膜分離部15は、多数の中空糸膜150と、これら多数の中空糸膜150が束ねられた状態で収容されるハウジング151と、を有するろ過膜モジュールを備える。また、膜分離部15は、図略のポンプ及び配管等を備える。これにより、分離部貯留槽130から膜分離部15に使用済スラリーが導入され、膜透過後の使用済スラリーが成分調整部16に導入され、被膜透過液(切屑や鉄粉等が濃縮された使用済スラリー)が分離部貯留槽130に戻される。尚、図1では、中空糸膜150の束を模式的に表している。
この中空糸膜150の分画分子量は、例えば、13000であり、膜孔径(中空糸膜の周壁に形成される孔の径)は、例えば、0.003μmである。尚、中空糸膜150の分画分子量及び膜孔径は、これらの値に限定されず、使用済スラリーに含まれる鉄分を除去可能な範囲内であれば他の値でもよい。また、膜分離部15における膜分離は、中空糸膜150を用いたろ過に限定されず、他の形式のろ過であってもよい。
成分調整部16は、膜分離後の使用済スラリーの成分が所望の再生スラリーの成分(組成)となるように、前記成分を調整する。この成分調整部16は、調整用貯留槽160と、回収成分供給部161と、図略の成分検出部と、成分補充部162と、図略の攪拌機と、を有する。
調整用貯留槽160は、膜分離部15からの膜分離後の使用済スラリーを貯留する。回収成分供給部161は、回収部遠心分離機120において分離された分離物(クーラント及び砥粒)を調整用貯留槽160に供給する。成分補充部162は、所望の組成(成分)の再生クーラントが得られるよう、調整用貯留槽160内のスラリー(膜分離後の使用済スラリー)に新たなクーラントと新たな砥粒とを供給する。この新たなクーラント及び砥粒の供給量は、予め設定されていてもよく、あるいは、調整用貯留槽160に貯留された膜分離後の使用済スラリーの成分を検出し、この検出値に基づいて決定されてもよい。図略の攪拌機は、砥粒回収用貯留部110の回収部攪拌機112と同様の構成を有し、調整用貯留槽160内のスラリー(再生スラリー)を攪拌する。
このような再生装置10では、以下のようにして使用済スラリーを再生処理する(即ち、使用済スラリーから再生スラリーを得る)。
インゴットの切断装置等から排出された再生対象の使用済スラリーは、先ず、再生装置10の回収部貯留槽111に注入される。この回収部貯留槽111に注入される使用済スラリーのマテリアルバランスは、例えば、クーラントが50、砥粒が50、切屑(Si切屑)が4.5、鉄分が0.75である(図1のA及び図2のA参照)。このマテリアルバランスでは、クーラントを重量%で表した値と砥粒を重量%で表した値との和が100となるようにし、切屑と鉄分とをこの100に対する重量部で示している。尚、回収部貯留槽111に注入される使用済スラリーには、ワイヤソーによってインゴットを切断する際に混入した鉄(鉄粉、鉄粒子)と、この鉄が溶解して生じた鉄イオンと、この鉄イオンが酸化した(酸素と結合した)酸化鉄と、が含まれている。
回収部貯留槽111に使用済スラリーが注入されると、砥粒回収用貯留部110では、回収部攪拌機112が使用済スラリーの攪拌を開始する。続いて、使用済スラリーが回収部貯留槽111から回収部遠心分離機120に導入され、1次遠心分離が行われる。そして、回収部遠心分離機120から排出された1次遠心分離後の使用済スラリーは、回収部貯留槽111に戻される。このように、回収部貯留槽111と回収部遠心分離機120との間で使用済スラリーを所定の時間循環させた後、回収部貯留槽111に貯留されている使用済スラリーを分離部貯留槽130に注入する(図1のB及び図2のB参照)。
一方、回収部遠心分離機120によって分離された混入物等(砥粒及びクーラント)は、分離物排出口124から成分調整部16に向けて排出される(図1のE及び図2のE参照)。
分離部貯留槽130に1次遠心分離後の使用済スラリーが注入されると、鉄分分離用貯留部13では、空気供給部135が使用済スラリーに空気の供給を開始すると共に、分離部攪拌機131が使用済スラリーの攪拌を開始する。これにより、使用済スラリーに含まれる鉄分において、粒子径の大きな酸化鉄の割合が増加する。詳しくは、以下の通りである。
使用済スラリーに空気が供給されると、鉄分のうちの鉄及び鉄イオンが酸化し、これら鉄(鉄粉、鉄粒子)や鉄イオンに比べて粒子径の大きな酸化鉄となる。即ち、使用済スラリーがエアレーションされると、供給された空気中の酸素と鉄イオンとが結合して酸化鉄となり、また、鉄がスラリーに含まれる水分によって溶解して鉄イオンとなった後、前記空気中の酸素と結合して酸化鉄となる。このとき、供給された空気が分離部攪拌機131による攪拌によって分離部貯留槽130に貯留された使用済スラリー全体に行き渡るため、鉄の酸化が効率よく行われる。このようにして、鉄分(鉄、鉄イオン、酸化鉄)において酸化鉄の割合が大きくなる。
鉄分分離用貯留部13での空気の供給及び攪拌が開始されてから所定の時間経過後に、使用済スラリーが鉄分分離用貯留部13から鉄分分離用遠心分離機14に導入され、2次遠心分離が行われる。そして、鉄分分離用遠心分離機14から排出された2次遠心分離後の使用済スラリーは、分離部貯留槽130に戻される。このように、分離部貯留槽130と鉄分分離用遠心分離機14との間で使用済スラリーを所定の時間循環させる。このとき、鉄分分離用貯留部13では、空気供給部135が使用済スラリーに対して空気を供給し続けてもよく、また、鉄分分離用貯留部13から鉄分分離用遠心分離機14への使用済スラリーの供給開始時に空気の供給を停止してもよい。また、2次遠心分離によって分離された混入物等(砥粒及びクーラント)は、分離物排出口124から廃液貯留槽140に排出される(図1のF及び図2のF参照)。
以上のように1次遠心分離と2次遠心分離とが行われた使用済スラリー(即ち、2次遠心分離後に分離部貯留槽130に貯留されている使用済スラリー)においては、砥粒が全て(若しくはほぼ全て)除去されている(図1のC及び図2のC参照)。また、鉄分分離用貯留部13でのエアレーションによって使用済スラリーの鉄分における酸化鉄の割合が増加しているため、2次遠心分離後の使用済スラリーでは、鉄分の多くも除去されている(図2のC参照)。
次に、鉄分分離用貯留部13では、2次遠心分離後の使用済スラリーに対して、3次遠心分離と膜分離(膜ろ過)とが並行して行われる。すなわち、分離部貯留槽130と鉄分分離用遠心分離機14との間での使用済スラリーの循環と、分離部貯留槽130と膜分離部15との間での使用済スラリーの循環と、が同時に行われる。前者については、2次遠心分離後の使用済スラリーが貯留された分離部貯留槽130から当該使用済スラリーが鉄分分離用遠心分離機14に供給される。遠心分離機14において遠心分離された後の使用済スラリーは、分離部貯留槽130に戻される。後者については、分離部貯留槽130から使用済スラリーが膜分離部15に供給される。膜分離部15から排出される被膜透過液(ろ過膜を透過した清浄なスラリーが取り除かれた後の酸化鉄等が濃縮された使用済スラリー)は、分離部貯留槽130に戻される。この3次遠心分離によって分離された混入物等(クーラント等)は、分離物排出口124から廃液貯留槽140に排出される(図1のG及び図2のG参照)。
この3次遠心分離と並行して行われる膜分離によって、2次遠心分離後の使用済スラリーに残っていた鉄分及び切屑が全て(若しくはほぼ全て)除去される。即ち、使用済スラリーに含まれる鉄(鉄粉、鉄粒子)の粒子径(例えば、0.005〜0.05μm程度)が、砥粒の粒子径に比べて小さいため、2次遠心分離後の使用済スラリーに鉄が残っているが、膜分離によって全て(若しくはほぼ全て)の鉄が除去される(図2のD参照)。また、切屑の粒子径(例えば、0.01〜5μm程度)も砥粒の粒子径に比べて小さいため、2次遠心分離後の使用済スラリーに切屑が残っているが、前記膜分離によって全て(若しくはほぼ全て)の切屑が除去される(図2のD参照)。
膜分離部15(ろ過膜モジュール)から排出された膜透過(膜ろ過)後の使用済スラリーは、成分調整部16に供給され、その成分が調整される。具体的に、成分調整部16では、膜透過後の使用済スラリーに対し、回収部遠心分離機120によって分離された分離物が加えられる(図1のE及び図2のE参照)と共に、新たなクーラント及び新たな砥粒が補充される(加えられる)。これにより、成分調整部16において、予め設定されている成分(組成:図2のH参照)に調整される。本実施形態の成分調整部16では、図2に示されるマテリアルバランスにおいて、新たなクーラントと新たな砥粒とが、それぞれ10重量部ずつ加えられる。このように、成分調整部16において、膜分離後の使用済スラリーに対し、1次遠心分離によって分離された成分が加えられるのは、クーラント及び砥粒の回収率を確保するためである。即ち、1次遠心分離によって分離された成分には、切屑及び鉄分が殆ど含まれていない。換言すると、分離成分は、ほぼクーラントと砥粒とによって構成されている。このため、この分離された成分を廃棄せずに再利用することによって、クーラント及び砥粒の回収率が向上する。本実施形態の例では、クーラントと砥粒との回収率は、ともに80%であるが、この値に限定されない。また、クーラントと砥粒との回収率は、同じでなくてもよい。
以上のようにして得られた再生スラリーの鉄分の濃度は、例えば、200ppmである。
本実施形態の再生装置10では、鉄分分離用貯留部13において使用済スラリーに空気が供給されることにより、鉄の酸化によって使用済スラリー中の鉄分における酸化鉄の割合が増加する。この酸化鉄は、鉄分の他の成分(鉄(鉄粉、鉄粒子)や鉄イオン)に比べて粒子径が大きいことから、鉄分分離用遠心分離機14によって十分に分離される。このため、再生装置10では、鉄分分離用遠心分離機14において(即ち、2次遠心分離によって)使用済スラリーから鉄分の多くが分離される。その結果、鉄分の濃度の低い(例えば、鉄分の濃度が1000ppm以下の)再生スラリーが得られる。詳しくは、以下の通りである。
使用済スラリーに対してエアレーションを行うことにより、使用済スラリーに含まれる鉄分のうちの鉄及び鉄イオンが酸化し、これら鉄(鉄粉、鉄粒子)や鉄イオンに比べて粒子径の大きな酸化鉄となる。即ち、使用済スラリーに空気が供給されると、鉄イオンが空気中の酸素と結合して酸化鉄となり、また、鉄がスラリーに含まれる水分によって溶解して鉄イオンとなった後、空気中の酸素と結合して酸化鉄となる。このため、鉄分(鉄、鉄イオン、酸化鉄)において酸化鉄の割合が大きくなる。ここで、横型の遠心分離では、遠心分離中の使用済スラリーに空気があまり接触しない。このため、遠心分離される前である鉄分分離用貯留部13において、使用済スラリーに対して空気を積極的に供給することにより、当該使用済スラリーに含まれる鉄や鉄イオンを効果的に酸化させることができる。このようにして粒子径の大きな酸化鉄の割合が大きくなることにより、鉄分分離用遠心分離機14において、鉄分の多くが使用済スラリーから分離される。これにより、再生装置10では、鉄分の濃度の低い再生スラリーを得ることができる。言い換えると、使用済スラリーから、粘度の上昇及びインゴット切断後の洗浄工程における洗浄性の悪化を抑えることができる再生スラリーを得ることができる。
即ち、再生装置10では、使用により再生スラリーに含まれる鉄分が増えたとしても、使用済スラリーに空気を供給することにより、横型の遠心分離(鉄分分離用遠心分離機)14を用いて、当該再生スラリーにおける粘度の上昇が生じない程度の鉄分濃度である再生スラリーを得ることが可能となる。
また、本実施形態の再生装置10では、膜分離部15が設けられているため、遠心分離によっては使用済スラリーから分離することができなかった鉄分(粒子径の小さな鉄分)を分離することができる。これにより、鉄分の濃度の低い再生スラリーを確実に得ることができる。
尚、本発明のスラリー再生装置及びスラリー再生方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態の再生装置10は、分離部貯留槽130に貯留された使用済クーラントに空気が供給される構成であるが、この構成に限定されない。空気供給部からの空気が使用済クーラントに供給される場所は、遠心分離(上記実施形態では2次遠心分離)が行われる前の使用済クーラントに供給できる場所であれば、どの場所にも限定されない。例えば、空気供給部135が空気を供給する場所は、回収部貯留槽111から分離部貯留槽130に使用済クーラントを送液する送液管や、分離部貯留槽130から鉄分分離用遠心分離機14に使用済クーラントを送液する送液管等であってもよい。また、分離部貯留槽130に貯留された使用済クーラントを循環させる配管が別途設置される場合には、空気供給部はこの配管内に空気を供給する構成等であってもよい。また、空気供給部は、上述の各箇所にそれぞれ又はその一部に空気を供給してもよい。
上記実施形態の再生装置10では、使用済スラリーに対し、1次遠心分離と2次遠心分離とが行われた後、3次遠心分離及び膜分離が並行して行われているが、この構成に限定されない。例えば、図3に示されるように、再生装置10Aは、1次遠心分離と2次遠心分離とが順に行われた後に膜分離のみが行われる構成であってもよい。即ち、回収部遠心分離機120、鉄分分離用遠心分離機14、及び膜分離部15が直列に接続される構成であってもよい。
また、再生装置における遠心分離の回数は、3回以外の回数であってもよい。
また、上記実施形態の再生装置10は、遠心分離機120、14と膜分離部15とを備えているが、この構成に限定されない。例えば、図4に示されるように、再生装置10Bは、遠心分離機14のみを備える構成でもよい。即ち、膜分離部15が設けられていない構成でもよい。かかる構成によっても、エアレーションによって使用済スラリーの鉄分における酸化鉄の割合が大きくなるため、遠心分離のみによっても使用済スラリーから鉄分を十分に分離(除去)することができる。
また、図4の再生装置10Bのように、成分調整部が設けられていなくてもよい。この場合、得られた再生スラリーを再利用するときに、新たなクーラント及び新たな砥粒が加えられる。
再生装置10、10A、10Bの遠心分離機は、横型遠心分離機に限定されず、垂直方向に延びる回転軸を中心に分離対象物を回転させて遠心分離する縦型遠心分離機であってもよい。
上記実施形態の再生装置10では、第1の遠心分離機が1次遠心分離を行い、第2の遠心分離機が2次遠心分離及び3次遠心分離を行っているが、この構成に限定されない。例えば、全ての遠心分離を共通の遠心分離機が行う構成であってもよく、各遠心分離を異なる遠心分離機が行う構成であってもよい。
ここで、前記実施形態について概説する。
(1) 前記実施形態では、使用済スラリーに空気を供給し、この空気の供給された使用済スラリーを遠心分離する。このため、使用済スラリーに含まれる鉄分において、使用済スラリーに含まれる水分に溶解している鉄イオンが酸化して酸化鉄となる。このため、所定方向の軸回りに回転させる遠心分離によって鉄分の多くを分離又は除去でき、これにより、鉄分の濃度の低い再生スラリーを得ることができる。詳しくは、以下の通りである。
空気が使用済スラリーに供給されると、当該使用済スラリーに含まれる鉄分のうちの鉄イオンが酸化し、酸化鉄となって析出する。即ち、空気が使用済スラリーに供給されると、鉄イオンが空気中の酸素と結合して酸化鉄となり、また、鉄がスラリーに含まれる水分によって溶解して鉄イオンとなった後、空気中の酸素と結合して酸化鉄となる。このため、鉄分(鉄、鉄イオン、酸化鉄)における酸化鉄の割合が大きくなる。
このようにして粒子径の大きな酸化鉄の割合が大きくなることにより、遠心分離によって鉄分を効率よく分離又は除去することが可能となる。その結果、鉄分の濃度の低い再生スラリーを得ることができる。即ち、粘度の上昇を抑えると共に、インゴット切断後の洗浄工程における洗浄性の悪化を抑えることができる再生スラリーを得ることができる。
以上のように、使用により再生スラリーに含まれる鉄分が増えたとしても、使用済スラリーに空気を供給することにより、当該再生スラリーにおける粘度の上昇が生じない程度の鉄分濃度を有する再生スラリーを遠心分離によって得ることが可能となる。
(2) 前記スラリー再生装置は、前記使用済スラリーを貯留する貯留槽と、前記貯留槽に貯留された前記使用済スラリーを攪拌可能な攪拌機と、を備えてもよい。前記空気供給部は、前記貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーに空気を供給してもよい。前記遠心分離部は、前記貯留槽から当該貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーを導出し、この導出した使用済スラリーを遠心分離してもよい。また、前記スラリー再生方法において、貯留槽に貯留された前記使用済スラリーに空気を供給し、前記貯留槽に貯留され且つ前記空気を供給された前記使用済スラリーを、さらに攪拌してもよい。
これらの構成によれば、供給された空気が攪拌により、貯留槽に貯留された使用済スラリー全体に行き渡る。このため、当該使用済スラリーに含まれる鉄及び鉄イオンの酸化が効率よく行われる。
(3) 前記スラリー再生装置において、前記遠心分離部は、前記使用済スラリーを水平若しくは略水平軸を回転中心に回転させて遠心分離する横型遠心分離機を有してもよい。また、前記スラリー再生方法において、前記遠心分離の回転中心となる軸は、水平若しくは略水平軸であってもよい。
横型の遠心分離(使用済スラリーを水平又は略水平に延びる軸を回転中心として回転させる遠心分離)では、遠心分離中の使用済スラリーに空気があまり接触しない。しかしながら、上記の構成のように、遠心分離される前の使用済スラリーに対して空気を供給して当該使用済スラリーに含まれる鉄及び鉄イオンを酸化させることにより、横型の遠心分離でも前記鉄分の多くを分離又は除去することができる。
(4) 前記スラリー再生装置において、前記遠心分離された使用済スラリーを膜分離する膜分離部をさらに備えることが好ましい。また、前記スラリー再生方法において、前記遠心分離された後の前記使用済スラリーをさらに膜分離することが好ましい。
これらの構成によれば、遠心分離によって使用済スラリーから分離することができなかった鉄分(粒子径の小さな鉄分)を膜分離によって分離することができる。その結果、鉄分の濃度のより低い再生スラリーを得ることができる。
(5) 尚、遠心分離と膜分離とをこの順に行う構成ではなく、空気が供給さる使用済スラリーに対して遠心分離と膜分離とを並行して行ってもよい。即ち、前記スラリー再生装置は、前記貯留槽から当該貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーを導出して膜分離し、この膜分離後の使用済スラリーである被膜透過液を前記貯留槽に戻す膜分離部をさらに備えてもよい。前記遠心分離部は、遠心分離した後の前記使用済スラリーを前記貯留槽に戻してもよい。また、前記スラリー再生方法は、前記貯留槽から当該貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーを導出して膜分離し且つ当該膜分離後の使用済スラリーである被膜透過液を前記貯留槽に戻すと共に、前記遠心分離した後の使用済スラリーを前記貯留槽に戻してもよい。
これらのように、粒子径の大きな成分を分離可能な遠心分離を膜分離と並行して行うことによって、膜分離のみを行う場合に比べ、膜分離での膜詰まりを抑えることができる。
(6) 前記実施形態は、ワイヤソーによってインゴットを切断するときに生じた切屑を含む使用済スラリーから前記切屑を除去した再生スラリーであって、前記使用済スラリーに空気を供給し、この空気の供給された使用済スラリーを遠心分離して得られる。
かかる構成によれば、再生スラリーに含まれる鉄分の濃度が低く抑えられているため、使用による粘度の上昇が生じ難く且つ当該再生スラリーを用いてインゴットを切断した後のスライス片等の洗浄性の悪化を抑えることができる。
以上より、粘度の上昇を抑えると共に、インゴット切断後の洗浄工程における洗浄性の悪化を抑えることができる再生スラリーが得られるよう、使用済スラリーを再生するスラリー再生装置、スラリー再生方法、及びこのスラリー再生方法によって再生された再生スラリーを提供することができる。

Claims (10)

  1. ワイヤソーによってインゴットを切断するときに生じた切屑及び鉄分を含む使用済スラリーを再利用可能に再生するスラリー再生装置であって、
    前記鉄分を含む使用済スラリーに空気を供給可能な空気供給部と、
    前記空気供給部から供給された空気中の酸素により前記鉄分が酸化されることによって形成された酸化鉄を含む使用済スラリーを遠心分離する遠心分離部と、を備える、スラリー再生装置。
  2. 前記使用済スラリーを貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽に貯留された前記使用済スラリーを攪拌可能な攪拌機と、を備え、
    前記空気供給部は、前記貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーに空気を供給し、
    前記遠心分離部は、前記貯留槽から当該貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーを導出し、この導出した使用済スラリーを遠心分離する、請求項1に記載のスラリー再生装置。
  3. 前記遠心分離部は、前記使用済スラリーを水平若しくは略水平軸を回転中心に回転させて遠心分離する横型遠心分離機を有する、請求項1又は2に記載のスラリー再生装置。
  4. 前記遠心分離された使用済スラリーを膜分離する膜分離部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラリー再生装置。
  5. 前記貯留槽から当該貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーを導出して膜分離し、この膜分離後の使用済スラリーである被膜透過液を前記貯留槽に戻す膜分離部をさらに備え、
    前記遠心分離部は、遠心分離した後の前記使用済スラリーを前記貯留槽に戻す、請求項2に記載のスラリー再生装置。
  6. ワイヤソーによってインゴットを切断するときに生じた切屑及び鉄分を含む使用済スラリーを再利用可能に再生するスラリー再生方法であって、
    前記鉄分を含む使用済スラリーに空気を供給し、この空気中の酸素により前記鉄分が酸化されることによって形成された酸化鉄を含む使用済スラリーを遠心分離する、スラリー再生方法。
  7. 貯留槽に貯留された前記使用済スラリーに空気を供給し、
    前記貯留槽に貯留され且つ前記空気を供給された前記使用済スラリーを、さらに攪拌し、
    この攪拌された使用済スラリーを遠心分離する、請求項6に記載のスラリー再生方法。
  8. 前記遠心分離の回転中心となる軸は、水平若しくは略水平軸である、請求項6又は7に記載のスラリー再生方法。
  9. 前記遠心分離された後の前記使用済スラリーをさらに膜分離する、請求項6〜8のいずれか1項に記載のスラリー再生方法。
  10. 前記貯留槽から当該貯留槽に貯留されている前記使用済スラリーを導出して膜分離し且つ当該膜分離後の使用済スラリーである被膜透過液を前記貯留槽に戻すと共に、前記遠心分離した後の使用済スラリーを前記貯留槽に戻す、請求項7に記載のスラリー再生方法。
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