JP6265009B2 - 電磁駆動装置および電磁弁 - Google Patents

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Description

本発明は、コイルへの通電に伴って発生する磁束により可動コアを軸方向に移動させる電磁駆動装置およびそれを備えた電磁弁に関する。
従来、この種の電磁駆動装置として、可動コアと、往方向および複方向に移動自在となるように可動コアを収容する収容部、および、可動コアを往方向へ吸引する吸引部を有する円筒状の固定コアと、固定コアの外周に設けられるコイルとを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電磁駆動装置では、固定コアの収容部と吸引部との間に、当該固定コアを外周面から径方向内側に窪ませることによって収容部および吸引部よりも薄肉に形成された磁気遮断部が設けられている。これにより、コイルへの通電に伴って発生した磁束が可動コアを介さずに固定コアの収容部から吸引部へと直接流れるのを磁束制限部によって制限し、当該磁束が固定コアの収容部から可動コア、可動コアから固定コアの吸引部へと良好に受け渡されるようにして可動コアを吸引する吸引力(駆動力)を向上させている。
また、この種の電磁駆動装置としては、強磁性体により形成され、コイル部材の内側に配置される筒状のスリーブと、軸方向に移動自在となるようにスリーブ内に配置された可動コアと、可動コアとの間で磁気ギャップを形成するようにスリーブ内に固定された固定コアとを有し、磁気ギャップ近傍におけるスリーブの一部を非磁性体に改質したものも知られている(例えば、特許文献2参照)。この電磁駆動装置では、スリーブの一部にオーステナイト生成元素を供給しながら高エネルギー密度レーザービームを照射することで、照射部にオーステナイト生成元素を溶融させて当該照射部を合金化し、非磁性体へと改質する。
特開2013−38233号公報 特開2000−21628号公報
特許文献1に記載の電磁駆動装置においても、特許文献2に記載の手法によって固定コアの磁気遮断部の一部を非磁性体に改質すれば、コイルへの通電に伴って発生した磁束が可動コアを介さずに固定コアの収容部から吸引部へと直接流れるのを磁気遮断部によってより制限し、可動コアを吸引する吸引力(駆動力)をより向上させることが可能となるであろう。しかしながら、特許文献2に記載の手法では、オーステナイト生成元素の溶融部の軸方向における端部の位置や形状を精度良く管理することが難しく、非磁性体に改質される範囲が製品ごとに異なるものとなりがちである。そして、製品ごとに磁気遮断部の非磁性体に改質される範囲が異なるものとなると、製品ごとに可動コアを吸引する吸引力(駆動力)の特性にバラツキが生じてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、可動コアを移動させる駆動力をより向上させると共に、製品ごとに当該駆動力の特性にバラツキが生じるのをより良好に抑制することが可能な電磁駆動装置および電磁弁の提供を主目的とする。
本発明による電磁駆動装置および電磁弁は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による電磁駆動装置は、
磁性材料により形成された筒状の固定コアと、前記固定コアを包囲するように配置される筒状のコイルと、磁性材料により形成されると共に軸方向に移動自在となるように前記固定コアの内部に配置される可動コアとを備え、前記コイルへの通電に伴って発生する磁束により前記可動コアを前記軸方向に移動させる電磁駆動装置において、
前記固定コアは、該固定コアの外周面よりも小径の外周面を有する筒状の磁束制限部と、前記可動コアの最大ストローク位置側で前記磁束制限部と隣り合うと共に、該磁束制限部に向かうにつれて前記固定コアの軸心に接近するように傾斜した外周面を有する縮径部とを含み、
前記磁束制限部の内周面は、前記固定コアの内周面よりも前記軸心から離間するように窪んでおり、
前記磁束制限部には、非磁性化元素を溶融させた非磁性化部が形成されていることを特徴とする。
このように構成される電磁駆動装置では、固定コアの外周面よりも小径の外周面を有すると共に、当該固定コアの内周面よりも軸心から離間するように窪む内周面を有する磁束制限部に非磁性化元素を溶融させた非磁性化部が形成されことにより、可動コアを介さずに固定コアの磁束制限部よりも縮径部とは反対側から当該縮径部へと磁束が直接流れるのをより良好に制限することができる。この結果、固定コアの磁束制限部に対して縮径部とは反対側において当該固定コアから可動コアへと磁束がより良好に受け渡されると共に、固定コアの磁束制限部に対して可動コアの最大ストローク位置側において当該可動コアから固定コアの縮径部へと磁束がより良好に受け渡されるようにすることが可能となる。また、縮径部の外周面を磁束制限部に向かうにつれて固定コアの軸心に接近するように傾斜させることにより、可動コアから当該縮径部に受け渡される磁束が径方向に流れるのを抑制し、当該磁束が軸方向すなわち可動コアの移動方向へと流れやすくすることができる。これにより、可動コアを移動させる駆動力をより向上させることが可能となる。なお、「可動コアの最大ストローク位置」は、コイルへの通電時に可動コアが軸方向に最も移動した状態における当該可動コアの当該移動した方向側の端部の位置を示す。
そして、磁束制限部の内周面を固定コアの内周面よりも上記軸心から離間するように窪ませることにより、磁束制限部と可動コアの外周面との間に空気層を形成し、当該空気層によって可動コアから磁束制限部へと磁束が受け渡されるのをより良好に抑制することができる。この結果、製品ごとに磁束制限部に設けられた非磁性化部の端部の位置や形状にバラツキが生じたとしても、当該バラツキが可動コアを移動させる駆動力の特性に与える影響をより良好に低減させることが可能となる。従って、この電磁駆動装置では、可動コアを移動させる駆動力をより向上させると共に、製品ごとに当該駆動力の特性にバラツキが生じるのをより良好に抑制することが可能となる。
また、本発明による電磁弁は、上記電磁駆動装置と、前記可動コアと連動して前記軸方向に移動するスプールとを備えること特徴とする。上述のように、本発明による電磁駆動装置は、可動コアを移動させる駆動力をより向上させると共に、製品ごとに当該駆動力の特性にバラツキが生じるのをより良好に抑制することができるものである。従って、上記電磁駆動装置を備えた電磁弁においても、可動コアを移動させる駆動力をより向上させると共に、製品ごとに当該駆動力の特性にバラツキが生じるのをより良好に抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電磁駆動装置としてのソレノイド部を含む電磁弁を示す概略構成図である。 図1の電磁弁に含まれるソレノイド部の要部を示す拡大断面図である。 ソレノイド部の製造工程の一部を示す説明図である。 図1の電磁弁のソレノイド部における磁束の流れを示す説明図である。 比較例のソレノイド部における磁束の流れを示す説明図である。 他の実施形態に係るソレノイド部の製造工程の一部を示す説明図である。 更に他の実施形態に係るソレノイド部の製造工程の一部を示す説明図である。 他の実施形態に係るソレノイド部の要部を示す拡大断面図である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電磁駆動装置としてのソレノイド部10を含む電磁弁1を示す概略構成図である。同図に示す電磁弁1は、例えば、車両用の自動変速機に組み込まれたクラッチやブレーキの油圧制御に用いられるノーマルオープン型のリニアソレノイドバルブとして構成される。電磁弁1は、図1に示すように、ソレノイド部10と、当該ソレノイド部10により駆動されると共に油圧を調圧して出力するバルブ部20とを備える。
ソレノイド部10は、筒状の固定コア11と、固定コア11を包囲するように配置される筒状のコイル12と、軸方向に移動自在となるように固定コア11の内部に配置されるプランジャ(可動コア)13と、プランジャ13と連動して軸方向に移動するシャフト14と、固定コア11、コイル12、プランジャ13およびシャフト14を収容する有底筒状のケース15とを含み、コイル12への通電に伴って発生する磁束によりプランジャ13およびシャフト14をバルブ部20側へと軸方向に移動させる電磁駆動装置として構成される。本実施形態において、固定コア11、プランジャ13およびケース15は、フェライト系ステンレス鋼(例えば、SUS430)等の強磁性材料により形成されている。
固定コア11は、中空状に形成される第1および第2筒状部111,112と、第2筒状部112の一端から径方向外側に延出されたフランジ部113とを有する。第1筒状部111は、バルブ部20とは反対側の端部で開口する。第2筒状部112は、第1筒状部111と同一の外径を有すると共に、第1筒状部111よりも小さな内径を有するように、当該第1筒状部111のバルブ部20側の一端から軸方向に延出される。フランジ部113は、第2筒状部112の第1筒状部111とは反対側(バルブ部20側)の一端から略環状に延出される。ただし、図1に示すように、フランジ部113は、その一部が切り欠かれている。
コイル12は、絶縁体により構成された図示しないボビンに巻回される被膜導線(線材)121と、被膜導線121の周囲をモールドする樹脂材により構成される樹脂絶縁部122とを有する。樹脂絶縁部122は、被膜導線121が巻回された図示しないボビンを固定コア11の第1および第2筒状部111,112の外周に嵌合した上で、樹脂材を図示しないボビンおよび被膜導線121の周囲にモールドすることにより形成される。これにより、被膜導線121と樹脂絶縁部122が一体的に固定コア11に固定される。ただし、樹脂絶縁部122は、被膜導線121の端部をケース15の外部に配置される電気機器に接続するためのコネクタ部122aを有する。コネクタ部122aは、固定コア11のフランジ部113に形成された切欠部や、ケース15に形成された切欠部を介して当該ケース15の外部に延出される。
プランジャ13は、その外周面が固定コア11の第1筒状部111の内周面に摺接するように当該第1筒状部111の内側に配置される軸状部材であり、第1筒状部111により軸方向に移動自在に支持される。シャフト14は、プランジャ13のバルブ部20側の一端13aに当接すると共に、その外周面が第2筒状部112の内周面に摺接するように当該第2筒状部112の内側に配置された軸状部材であり、第2筒状部112により軸方向に移動自在に支持される。
ケース15は、コイル12の周囲を囲む筒状の外筒部151と、外筒部151のバルブ部20とは反対側の端部から当該外筒部151よりも小径の内周面を有するように形成された環状部152と、環状部152から径方向に延びる底部153とを含む。外筒部151の内周面には、固定コア11のフランジ部113の外周部が嵌合され、環状部152の内周面には、固定コア11の第1筒状部111が嵌合される。これにより、固定コア11およびコイル12がケース15に対して固定される。ただし、外筒部151には、コイル12の樹脂絶縁部122に形成されたコネクタ部122aをケース15の外部へと延出させるための上記切欠部が形成されている。また、ケース15の底部153は、図1に示すように、プランジャ13のバルブ部20とは反対側の他端13bと当接可能に形成されている。
バルブ部20は、図示しないバルブボディに組み込まれる中空円筒状のスリーブ21と、スリーブ21の内部に軸方向に移動自在に配置されるスプール22と、スリーブ21のソレノイド部10とは反対側の端部に固定されたエンドプレート23と、スプール22とエンドプレート23との間に配置されて当該スプール22をソレノイド部10側に付勢するスプリング24とを含む。
スリーブ21は、作動油を入力する入力ポート211と、入力ポート211と近接して形成されると共に作動油を出力する出力ポート212と、出力ポート212と近接して形成されると共に作動油をドレンするドレンポート213と、入力ポート211から入力された作動油の一部をスリーブ21の外周面に形成された油路21oを介して入力するフィードバックポート214と、スリーブ21とスプール22との間から漏出した作動油を当該スリーブ21の外部へと排出する排出ポート215,216とを有する。なお、本実施形態において、スリーブ21には、プランジャ13、シャフト14およびスプール22のエンドプレート23側への移動を所定の位置で停止させる図示しないストッパーが設けられている。
スプール22は、図1に示すように、スリーブ21に形成されたフィードバックポート214を開閉可能なランド221と、スリーブ21に形成された入力ポート211を開閉可能なランド222と、スリーブ21に形成されたドレンポート213を開閉可能なランド223と、ランド221とランド222とを連結する第1連結部224と、ランド222とランド223とを連結する第2連結部225と有する。スプール22は、ソレノイド部10側の端部がシャフト14の先端に当接するようにスリーブ21内に配置される。
本実施形態において、ランド223は、有底筒状に形成されており、ランド223の内底面は、スプリング24の一端と当接する。第1連結部224は、ランド221およびランド222よりも小さな外径を有するように形成されており、それにより、第1連結部224は、スプール22にフィーバック力を作用させるフィードバック室をスリーブ21と共に画成する。第2連結部225は、ランド222,223から中央部に向かうほど外径が小さくなるように形成されている。これにより、第2連結部225は、入力ポート211および出力ポート212、出力ポート212およびドレンポート213をそれぞれ連通させる連通室をスリーブ21と共に画成する。
エンドプレート23は、スリーブ21の端部に形成されたネジ部に螺合される。これにより、エンドプレート23の軸方向における固定位置を調整することで、スプリング24によるスプール22への付勢力を調整することができる。そして、バルブ部20は、スリーブ21をソレノイド部10の固定コア11の端面に当接させると共に、スプール22をシャフト14の先端に当接させた状態で、ケース15の外筒部151の端部を外周側からカシメることにより、ソレノイド部10に固定される。この結果、プランジャ13、シャフト14およびスプール22がスプリング24によって一体的にソレノイド部10側に付勢され、その取付状態において、プランジャ13の他端13bがケース15の底部153に当接した状態で維持される。
続いて、図2を参照しながら、ソレノイド部10の要部について詳細に説明する。図2は、ソレノイド部10の固定コア11の第1筒状部111と第2筒状部112との境界近傍を示す拡大断面図である。なお、以下の説明において、「プランジャ13の最大ストローク位置Smax」は、コイル12への通電時にプランジャ13がバルブ部20側へと軸方向に最も移動した状態、すなわちスプール22がスリーブ21に形成された図示しないストッパーに当接した状態における当該プランジャ13のバルブ部20側(当該移動した方向側)の一端13aの位置(図2における一点鎖線参照)を示す。また、「プランジャ13の最小ストローク位置Smin」は、コイル12への非通電時、すなわちプランジャ13の取付状態(プランジャ13の他端13bがケース15の底部153に当接した状態)における当該プランジャ13の一端13aの位置(図2における二点鎖線参照)を示す。
図示するように、第1筒状部111は、第2筒状部112の近傍かつプランジャ13の最小ストローク位置Sminよりもケース15の底部153側において、第1筒状部111の外周面111aよりも小径の外周面114aを有するように形成された筒状の磁束制限部114と、磁束制限部114よりもバルブ部20側(最大ストローク位置Smax側)で当該磁束制限部114に隣り合うと共に、磁束制限部114に向かうにつれて固定コア11の軸心に接近するように傾斜した外周面115aを有する第1縮径部115と、磁束制限部114よりもケース15の底部153側(第1縮径部115とは反対側)で当該磁束制限部114に隣り合うと共に、磁束制限部114に向かうにつれて固定コア11の軸心に接近するように傾斜した外周面116aを有する第2縮径部116とを含む。これにより、磁束制限部114、第1および第2縮径部115,116の外側には、第1筒状部111の外周面111aよりも径方向内側に窪む環状の外側凹部が形成される
磁束制限部114は、図2に示すように、第1筒状部111の内周面111bよりも固定コア11の軸心から離間するように窪む内周面114bを有する。すなわち、磁束制限部114は、第1筒状部111よりも薄肉に形成される。これにより、磁束制限部114の内側には、第1筒状部111の内周面111bよりも径方向外側に窪む環状の内側凹部が形成される。この結果、磁束制限部114の内周面114bとプランジャ13の外周面との間に空気層が形成され、当該空気層によって、プランジャ13から磁束制限部114へと磁束が受け渡されるのを抑制することが可能となる。また、磁束制限部114は、第1縮径部115とは反対側に向かうにつれて固定コア11の軸心から離間するように第1縮径部115から延出された傾斜部1141を有する。すなわち、傾斜部1141の外周面1141aおよび内周面1141bは、図2に示すように、第1縮径部115とは反対側に向かうにつれて固定コア11の軸心から離間するように当該当該第1縮径部115から延びる。
このような磁束制限部114は、プランジャ13から磁束制限部114へと磁束が受け渡されるのを良好に抑制することができる程度の空気層を当該プランジャ13の外周面と磁束制限部114の内周面114bとの間に確保することができる程度、かつ、その内側に異物が滞留するのを抑制可能な程度の内径を有するように形成される。また、本実施形態において、磁束制限部114の内周面114bは、第1筒状部111の内周面111bを切削加工する際に同一の工具を用いて同時に加工される。このため、磁束制限部114の内径が大きくなると、当該磁束制限部114の内周面114aを加工するためにより長い切削歯を有する工具が必要となり、工具の剛性が低下し、第1筒状部111の内周面111bに要求される加工精度を満たすことができなくなるおそれがある。従って、磁束制限部114は、第1筒状部111の内周面111bに要求される加工精度を満たすことが可能な剛性(長さ)を有する工具によって切削可能な程度の内径を有するように形成される。ただし、磁束制限部114の内周面114bは、第1筒状部111の内周面111bの加工とは別工程において他の工具を用いて切削加工されてもよい。
また、本実施形態において、磁束制限部114の外周面114aは、第1縮径部115の外周面115aや第2縮径部116の外周面116aを第1筒状部111に切削加工する際に同一の工具を用いて同時に加工される。このため、磁束制限部114の外径が大きくなると、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1において、当該外周面114aと外周面115aとがなす角度が急峻になり、境界A1近傍を加工するためにより長い切削歯を有する工具が必要となり、工具の剛性が低下し、第1および第2縮径部115,116の外周面115a、116aに要求される加工精度を満たすことができなくなるおそれがある。従って、磁束制限部114は、第1および第2縮径部115,116の外周面115a、116aに要求される加工精度を満たすことが可能な剛性(長さ)を有する工具によって境界A1近傍に切削加工を施すことができる程度の外径を有するように形成される。
第1縮径部115は、図2に示すように、プランジャ13の最大ストローク位置Smaxよりも磁束制限部114側に形成される。本実施形態において、外周面115aは、第1筒状部111の外周面111aから磁束制限部114側に向けてやや急峻に傾斜しながら延びた後、磁束制限部114までやや緩やかに傾斜しながら延びる。また、第2縮径部116の外周面116aは、第1筒状部111の外周面111aから磁束制限部114に向けて一定の角度で傾斜するように形成される。なお、第1縮径部115の外周面115aも、第2縮径部116の外周面116aと同様に、第1筒状部111の外周面111aから磁束制限部114に向けて一定の角度で傾斜するように形成されてもよい。
図示するように、本実施形態において、プランジャ13の最小ストローク位置Sminは、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1よりも最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)に設けられる。また、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1は、磁束制限部114の内周面114bの軸方向における最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)の端部B1よりも、当該最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)に設けられる。これにより、磁束制限部114と第1縮径部115との合流部の強度をより良好に確保することができる。なお、磁束制限部114の外周面114aと第2縮径部116の外周面116aとの境界A2は、磁束制限部114の内周面114bの軸方向における最大ストローク位置Smaxとは反対側(ケース15の底部153側)の端部B2よりも、やや最大ストローク位置Smaxとは反対側(ケース15の底部153側)に設けられている。
そして、本実施形態のソレノイド部10では、第1筒状部111の磁束制限部114の軸方向における略中央部から第2縮径部116にかけて、オーステナイト生成元素(非磁性化元素)が溶融されることによって非磁性体へと改質された非磁性化部117が形成されている。非磁性化部117は、フェライト系ステンレス鋼等の強磁性材により形成された固定コア11の磁束制限部114の一部および第2縮径部116にオーステナイト生成元素(例えば、ニッケルおよびクロム)を供給しながら高エネルギー密度レーザービームを照射することで、レーザービームの照射部にオーステナイト生成元素を溶融させ、当該照射部を合金化、すなわちオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS303やSUS304等)へと改質することにより形成される。このように、オーステナイト生成元素を溶融させて磁束制限部114に非磁性化部117を形成することにより、固定コア11を第1および第2縮径部115,116で分割すると共に、第1および第2縮径部115,116の間に非磁性材料により構成された別部材を配置する場合に比べて、固定コア11に非磁性部117をより安価に形成すると共に、固定コア11の加工精度をより向上させることが可能となる。なお、オーステナイト生成元素としては、ニッケルおよびクロム以外に、例えば、マンガン、コバルト、炭素、窒素等を用いることができる。
本実施形態では、冷鍛や洗浄、磁気焼鈍、切削等の工程を経て図4における左側の説明図に実線で示す固定コア11の基礎となるベース部材100を得た後に、上記手法によってベース部材100の所定の位置(磁束制限部114および第2縮径部116に対応した箇所)にオーステナイト生成元素を溶融させた非磁性化部101を形成する。そして、図4における右側の説明図に示すように、ベース部材100に切削加工を施すことにより、第1および第2筒状部111,112、磁束制限部114、並びに第1および第2縮径部115,116を有する固定コア11を形成する。これにより、ベース部材100における非磁性化部101も同時に切削され、磁束制限部114と当該磁束制限部114と隣り合う第2縮径部116とに非磁性化部117が形成される。このように、固定コア11よりも肉厚のベース部材100に予め非磁性化部101を形成することにより、レーザービームを照射しながらオーステナイト生成元素を溶融させることで当該溶融部が溶け落ちてしまうのを良好に抑制することができる。また、ベース部材100を切削して固定コア11を形成する工程数の増加を抑制することが可能となる。
引き続き、上述のように構成された電磁弁1の動作について説明する。
上述したように、ソレノイド部10のコイル12への通電が行われない非駆動時には、スプリング24によってスプール22、シャフト14およびプランジャ13が一体的にソレノイド部10のケース15の底部153側に付勢され、プランジャ13の他端13bが底部153に当接した状態(図1に示す状態)が維持される。これにより、フィードバックポート214および入力ポート211が開かれると共にランド223によりドレンポート213が閉鎖され、入力ポート211と出力ポート212が連通室を介して連通されると共に、ドレンポート213と連通室との連通が遮断され、入力ポート211に供給された作動油が出力ポート212から出力される。
一方、コイル12への通電が開始されると、ソレノイド部10において、コイル12の周りを周回するようにケース15、固定コア11およびプランジャ13の内部を磁束が流れる磁気回路が形成される。上述したように、本実施形態の電磁弁1では、固定コア11の第1筒状部111が当該第1筒状部111よりも薄肉に形成された磁束制限部114や、当該磁束制限部114の一部および当該磁束制限部114と隣り合う第2縮径部116に形成された非磁性化部117を有する。当該磁束制限部114や非磁性化部117は、コイル12への通電に伴って発生した磁束が第1筒状部111の内部を第2縮径部116側から第1縮径部115側へと直接流れることを制限する。
これにより、コイル12への通電に伴って発生した磁束は、主として、ケース15の外筒部151,環状部152,固定コア11の第1筒状部111の非磁性化部117よりもケース15の底部153側を延びる部分,プランジャ13,固定コア11の第1筒状部111の第1縮径部115および第2筒状部112,固定コア11のフランジ部113の順に、当該コイル12の周りを周回する。このように、固定コア11の第1筒状部111からプランジャ13へと磁束が受け渡され、更に、プランジャ13から固定コア11の第1筒状部111の第1縮径部115および第2筒状部112へと磁束が受け渡されることにより、固定コア11とプランジャ13との間に吸引力が作用してプランジャ13がバルブ部20側へと軸方向に沿って吸引(駆動)され、それに伴いシャフト14もプランジャ13と連動して同方向へと移動する。
このようにしてプランジャ13およびシャフト14がバルブ部20側に移動することにより、バルブ部20では、スプール22がプランジャ13およびシャフト14により押圧される。これにより、プランジャ13への吸引力(駆動力)の増加に伴ってスプール22がスプリング24の付勢力に抗してソレノイド部10とは反対側へと移動し、ランド221およびランド222によりフィードバックポート214および入力ポート211がそれぞれ徐々に閉鎖されていくと共にドレンポート213が徐々に開かれていく。この結果、入力ポート211と出力ポート212との連通が徐々に遮断されると共に、ドレンポート213と連通室とが徐々に連通されていき、出力ポート212から出力される作動油の油圧が徐々に低下すると共に、連通室内の作動油が当該ドレンポート213を介してスリーブ21の外部へとドレンされるようになる。そして、スプール22がスリーブ21に設けられた図示しないストッパーに当接した段階で、入力ポート211と出力ポート212との連通が完全に遮断され、出力ポート212からの作動油の出力が停止した状態が維持される。
更に、本実施形態のソレノイド部10において、第1筒状部111に磁束制限部114や第1縮径部115、非磁性化部117が設けられることの効果について説明する。
図4および図5は、本発明者らによるソレノイド部が形成する磁気回路内の磁束の流れについての数値解析結果を示す。図4は、本実施形態のソレノイド部10を流れる磁束の解析結果の一例を示す説明図であり、図5は、第1筒状部111の内周面111bに沿って延びる磁束制限部114Bを有すると共に、固定コア11から非磁性化部117が省略された比較例としてソレノイド部10Bを流れる磁束の解析結果の一例を示す説明図である。図4および図5では、色が濃い箇所ほど磁束密度が大きいことを示す。ただし、図4および図5においては、磁束密度が所定値よりも低い領域の濃度をすべて一定としている。
図5に示すように、比較例としてのソレノイド部10Bにおいては、磁束制限部114Bにおいても磁束密度が大きくなっていることがわかる。これは、第1筒状部111の内部を磁束制限部114Bを介して第2縮径部116から第1縮径部115に向けて磁束が流れると共に、プランジャ13から磁束制限部114にも磁束が受け渡されるからと考えられる。
一方、本実施形態のソレノイド部10では、比較例に示すソレノイド部10Bに比して、当該非磁性化部117や磁束制限部114内には、ほとんど磁束が流れておらず、プランジャ13を流れる磁束の密度が大きくなっていることがわかる。このように、本実施形態のソレノイド部10では、磁束制限部114と、当該磁束制限部114と隣り合う第2縮径部116とに非磁性化部117を形成することで、比較例としてのソレノイド部10Bに比して、磁束がプランジャ13を介さずに第1筒状部111の内部を第2縮径部116側から第1縮径部115側へと直接流れるのをより良好に制限することができる。従って、第1筒状部111の非磁性化部117よりも第1縮径部115とは反対側(ケース15の底部153側)を延びる部分からプランジャ13へと磁束がより良好に受け渡されると共に、プランジャ13から第1筒状部111の第1縮径部115へと磁束がより良好に受け渡されるようにして、プランジャ13を移動させる駆動力をより向上させることが可能となる。
ただし、オーステナイト生成元素を供給しながら高エネルギー密度レーザービームを照射することで当該照射部にオーステナイト生成元素を溶融させて非磁性化部117を形成する上記手法においては、非磁性化部117(オーステナイト生成元素の溶融部)の軸方向における端部の位置や形状を精度良く管理することが難しく、磁束制限部114に形成される非磁性化部117の範囲が製品ごとに異なるものとなりがちである。従って、例えば図5に示す比較例のソレノイド部10Bにおいて、同手法によって磁束制限部114Bに非磁性化部を設けたとすると、製品ごとにプランジャ13から第1筒状部111に受け渡される磁束の流れ方が異なるものとなり、プランジャ13を移動させる駆動力の特性にバラツキが生じてしまうおそれがある。
これを踏まえて、本実施形態のソレノイド部10では、上述したように、磁束制限部114の内周面114bが第1筒状部111の内周面111bよりも固定コア11の軸心から離間するように窪むように形成され、プランジャ13の外周面と磁束制限部114の内周面114bとの間に空気層が形成されている。これにより、図4に示すように、プランジャ13から磁束制限部114に受け渡される磁束を当該空気層によってより低減させることができる。この結果、本実施形態のソレノイド部10では、製品ごとに磁束制限部114に設けられた非磁性化部117の端部の位置や形状にバラツキが生じたとしても、製品ごとにプランジャ13から第1筒状部111へと受け渡される磁束の流れが異なるものとなることをより良好に抑制し、当該バラツキがプランジャ13を移動させる駆動力の特性に与える影響をより良好に低減させることが可能となる。
また、磁束制限部114は、第1縮径部115とは反対側に向かうにつれて固定コア11の軸心から離間するように当該第1縮径部115から延出された傾斜部1141を含む。当該傾斜部1141の内周面1141bは、第1縮径部115とは反対側に向かうにつれて固定コア11の軸心から離間するように当該当該第1縮径部115から延びる。これにより、特に第1縮径部115の近傍において、プランジャ13の外周面と磁束制限部114の内周面114bとの間に形成される空気層をより十分に確保することができる。この結果、プランジャ13から磁束制限部114へと受け渡される磁束をより一層減らし、製品ごとに磁束制限部114に設けられた非磁性化部117の端部の位置や形状にバラツキが生じることで、プランジャ13を移動させる駆動力の特性にバラツキが生じるのをより一層良好に抑制させることが可能となる。
更に、プランジャ13の最小ストローク位置Sminは、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1よりも最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)に設けられる。これにより、プランジャ13の最小ストローク位置Sminにおいても、当該プランジャ13と第1筒状部111の第1縮径部115における内周面111bとの接触長さ(接触面積)を良好に確保し、プランジャ13から第1縮径部115へと磁束を良好に受け渡させることができる。この結果、プランジャ13を移動させる駆動力を当該プランジャ13のストローク範囲内でより安定に確保することが可能となる。
また、第1縮径部115の外周面115aを磁束制限部114に向かうにつれて固定コア11の軸心に接近するように傾斜させることにより、プランジャ13から当該第1縮径部115に受け渡される磁束が径方向に流れるのを抑制し、図2において実線矢印に示すように、当該磁束が軸方向すなわちプランジャ13の移動方向へと流れやすくすることができる。これにより、プランジャ13を軸方向に移動させる駆動力をより一層向上させることが可能となる。
加えて、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1は、磁束制限部114の内周面114bの軸方向における最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)の端部B1よりも最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)に設けられる。また、磁束制限部114の傾斜部1141は、その外周面1141aが第1縮径部115とは反対側に向かうにつれて固定コア11の軸心から離間するように当該当該第1縮径部115から延びる。これにより、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1の位置をより第1筒状部111の内径側に寄せ、当該境界A1近傍における第1縮径部115の断面積をより低減させることができる。この結果、第1縮径部115の外周面115aの傾斜角度をより適正に調整することが可能となる(磁束制限部114を形成することによる第1縮径部115の外周面115aの形状への影響を低減させることが可能となる)と共に、特に磁束制限部114の近傍において、プランジャ13から第1縮径部115へと受け渡される磁束が径方向に流れるのを極めて良好に抑制することが可能となる。ただし、傾斜部1141の外周面141aは、第1縮径部115から水平に延びるように形成されてもよい。この場合でも、上記境界A1を上記端部B1よりも最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)に設ければ、境界A1近傍における第1縮径部115の断面積を低減させて、磁束制限部114の近傍においてプランジャ13から第1縮径部115へと受け渡される磁束が径方向に流れるのをより一層良好に抑制することが可能となる。
なお、プランジャ13から磁束制限部114に受け渡される磁束を空気層によって完全に遮断することは困難であるため、非磁性化部117の端部の位置や形状のバラツキがプランジャ13を移動させる駆動力の特性に与える影響を良好に低減させるためには、非磁性化部117の第1縮径部115側の端部をなるべく第2縮径部116側に形成することが好ましい。また、非磁性化部117のケース15の底部153側の端部は、第1筒状部111からプランジャ13へと良好に磁束を受け渡すことができると共に、オーステナイト生成元素の溶融により固定コア11に熱歪みが発生するのを良好に抑制することができる程度の位置に形成されればよい。ただし、非磁性化部117のケース15の底部153側の端部は、第1筒状部111の内部を第2縮径部116側から第1縮径部115側へと磁束が直接流れるのを良好に制限できる範囲で、より第1縮径部115側に形成されてもよい。これにより、オーステナイト生成元素の溶融量を低減させて製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、固定コア11の磁束制限部114、第1および第2縮径部115,116並びに非磁性化部117は、図6または図7に示す製造工程により形成されてもよい。すなわち、図6または図7における左側の説明図に示すように、まず、ベース部材100の外周側の一部や、内周側の一部(磁束制限部114に対応した箇所)を予め切削した上で、当該切削した箇所にオーステナイト生成元素を溶融させた非磁性化部101を形成する。そして、図6または図7における右側の説明図に示すように、磁束制限部114、第1および第2縮径部115、116を有する固定コア11を切削することにより、磁束制限部114に非磁性化部117を形成する。このように、ベース部材100の非磁性化部101を形成する前に、当該非磁性化部101が形成されるベース部材100の一部(磁束制限部114に対応した箇所)を予め切削して肉厚を薄くしておくことで、オーステナイト生成元素の溶融量を良好に減らし、製造コストの低減を図ることができる。そして、オーステナイト生成元素の溶融量を減らし、非磁性化部117を磁束制限部114にのみ形成する場合でも、非磁性化部117を有さない上記図5に示す比較例のソレノイド部10Bに比して、第1筒状部111の内部を第2縮径部116側から第1縮径部115側へと磁束が直接流れるのをより良好に制限することが可能となる。
更に、図8に示すように、磁束制限部114の外周面114aと第2縮径部116の外周面116aとの境界A2は、磁束制限部114の内周面114bの軸方向における最大ストローク位置Smaxとは反対側(ケース15の底部153側)の端部B2よりも当該最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)に設けられてもよい。これにより、磁束制限部114と第2縮径部116との合流部の強度をより良好に確保することができる。
また、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1は、プランジャ13から第1縮径部115へと受け渡される磁束が径方向に流れるのを良好に抑制することさえできれば、磁束制限部114の内周面114bの軸方向における最大ストローク位置Smax側(バルブ部20側)の端部B1と軸方向に重なるように設けられてもよいし、端部B1よりも第2縮径部116側に設けられてもよい。更に、プランジャ13の最小ストローク位置Sminは、プランジャ13と第1筒状部111の第1縮径部115における内周面111bとの接触長さ(接触面積)を十分に確保できさえすれば、磁束制限部114の外周面114aと第1縮径部115の外周面115aとの境界A1よりも第2縮径部116側に設けられてもよい。また、磁束制限部114から傾斜部1141を省略してもよい。すなわち、磁束制限部114を上記境界A1および端部B1から第2縮径部116に向けて水平に延出してもよい。更に、第2縮径部116を第1筒状部111から省略してもよい。また、磁束制限部114の内周面114bは、プランジャ13から磁束制限部114へと磁束が受け渡されるのを抑制するように、当該プランジャ13の外周面と当該磁束制限部114との間に空気層を確保することさえできれば、いかなる形状に形成されてもよい。
以上説明したように、本発明による電磁駆動装置は、磁性材料により形成された筒状の固定コアと、前記固定コアを包囲するように配置される筒状のコイルと、磁性材料により形成されると共に軸方向に移動自在となるように前記固定コアの内部に配置される可動コアとを備え、前記コイルへの通電に伴って発生する磁束により前記可動コアを前記軸方向に移動させる電磁駆動装置において、前記固定コアは、該固定コアの外周面よりも小径の外周面を有する筒状の磁束制限部と、前記可動コアの最大ストローク位置側で前記磁束制限部と隣り合うと共に、該磁束制限部に向かうにつれて前記固定コアの軸心に接近するように傾斜した外周面を有する縮径部とを含み、前記磁束制限部の内周面は、前記固定コアの内周面よりも前記軸心から離間するように窪んでおり、前記磁束制限部には、非磁性化元素を溶融させた非磁性化部が形成されていることを特徴とする。
このように構成される電磁駆動装置では、固定コアの外周面よりも小径の外周面を有すると共に、当該固定コアの内周面よりも軸心から離間するように窪む内周面を有する磁束制限部に非磁性化元素を溶融させた非磁性化部が形成されことにより、可動コアを介さずに固定コアの磁束制限部よりも縮径部とは反対側から当該縮径部へと磁束が直接流れるのをより良好に制限することができる。この結果、固定コアの磁束制限部に対して縮径部とは反対側において当該固定コアから可動コアへと磁束がより良好に受け渡されると共に、固定コアの磁束制限部に対して可動コアの最大ストローク位置側において当該可動コアから固定コアの縮径部へと磁束がより良好に受け渡されるようにすることが可能となる。また、縮径部の外周面を磁束制限部に向かうにつれて固定コアの軸心に接近するように傾斜させることにより、可動コアから当該縮径部に受け渡される磁束が径方向に流れるのを抑制し、当該磁束が軸方向すなわち可動コアの移動方向へと流れやすくすることができる。これにより、可動コアを移動させる駆動力をより向上させることが可能となる。なお、「可動コアの最大ストローク位置」は、コイルへの通電時に可動コアが軸方向に最も移動した状態における当該可動コアの当該移動した方向側の端部の位置を示す。
そして、磁束制限部の内周面を固定コアの内周面よりも上記軸心から離間するように窪ませることにより、磁束制限部と可動コアの外周面との間に空気層を形成し、当該空気層によって可動コアから磁束制限部へと磁束が受け渡されるのをより良好に抑制することができる。この結果、製品ごとに磁束制限部に設けられた非磁性化部の端部の位置や形状にバラツキが生じたとしても、当該バラツキが可動コアを移動させる駆動力の特性に与える影響をより良好に低減させることが可能となる。従って、この電磁駆動装置では、可動コアを移動させる駆動力をより向上させると共に、製品ごとに当該駆動力の特性にバラツキが生じるのをより良好に抑制することが可能となる。
また、前記磁束制限部の外周面と前記縮径部の外周面との境界は、前記磁束制限部の前記内周面の前記軸方向における前記最大ストローク位置側の端部よりも該最大ストローク位置側に設けられてもよい。これにより、可動コアから磁束制限部の近傍において縮径部へと受け渡される磁束が径方向に流れるのをより一層良好に抑制することが可能となる。また、磁束制限部と縮径部との合流部の強度をより良好に確保することができる。
更に、前記可動コアの最小ストローク位置は、前記磁束制限部の外周面と前記縮径部の外周面との前記境界よりも前記最大ストローク位置側に設けられてもよい。これにより、可動コアの最小ストローク位置においても、可動コアから固定コアの縮径部へと磁束を良好に受け渡させることができるため、可動コアを移動させる駆動力を当該可動コアのストローク範囲内でより安定に確保することが可能となる。なお、「可動コアの最小ストローク位置」は、コイルへの非通電時、すなわち取付状態における可動コアの上記端部の位置を示す。
また、前記磁束制限部は、前記縮径部とは反対側に向かうにつれて前記軸心から離間するように該縮径部から延出された傾斜部を含んでもよい。これにより、特に縮径部の近傍において、可動コアの外周面と磁束制限部との間に形成される空気層をより十分に確保し、可動コアから磁束制限部へと受け渡される磁束をより一層減らすことができる。
更に、前記傾斜部は、前記縮径部とは反対側に向かうにつれて前記軸心から離間するように該縮径部から延びる外周面を有してもよい。これにより、磁束制限部の外周面と縮径部の外周面との境界の位置をより固定コアの内径側に寄せ、当該境界近傍における縮径部の断面積をより低減させることができる。この結果、縮径部の外周面の傾斜角度をより適正に調整することが可能となる(磁束制限部を形成することによる縮径部の外周面の形状への影響を低減させることが可能となる)と共に、特に磁束制限部の近傍において、可動コアから縮径部へと受け渡される磁束が径方向に流れるのを極めて良好に抑制することが可能となる。
更に、前記固定コアは、前記縮径部とは反対側で前記磁束制限部に隣り合うと共に、前記磁束制限部に向かうにつれて前記固定コアの軸心に接近するように傾斜した外周面を有する第2の縮径部を含んでもよく、前記磁束制限部の外周面と前記第2の縮径部の外周面との境界は、前記磁束制限部の前記内周面の前記軸方向における前記最大ストローク位置とは反対側の端部よりも該最大ストローク位置側に設けられてもよい。これにより、磁束制限部と第2の縮径部の合流部の強度をより良好に確保することが可能となる。
また、本発明による電磁弁は、上記電磁駆動装置と、前記可動コアと連動して前記軸方向に移動するスプールとを備えること特徴とする。上述のように、本発明による電磁駆動装置は、可動コアを移動させる駆動力をより向上させると共に、製品ごとに当該駆動力の特性にバラツキが生じるのをより良好に抑制することができるものである。従って、上記電磁駆動装置を備えた電磁弁においても、可動コアを移動させる駆動力をより向上させると共に、製品ごとに当該駆動力の特性にバラツキが生じるのをより良好に抑制することが可能となる。
そして、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本発明は、電磁駆動装置や電磁弁の製造産業等等において利用可能である。
1 電磁弁、10,10B ソレノイド部、11 固定コア、111 第1筒状部、111a 外周面、111b 内周面、112 第2筒状部、113 フランジ部、114,114B 磁束制限部、114a 外周面、114b 内周面、1141 傾斜部、1141a 外周面、1141b 内周面、115 第1縮径部、115a 外周面、116 第2縮径部、116a 外周面、117 非磁性化部、12 コイル、121 被膜導線、122 樹脂絶縁部、122a コネクタ部、13 プランジャ、13a 一端、13b 他端、14 シャフト、15 ケース、151 外筒部、152 環状部、153 底部、20 バルブ部、21 スリーブ、21o 油路、22 スプール、23 エンドプレート、24 スプリング、100 ベース部材、101 非磁性化部、211 入力ポート、212 出力ポート、213 ドレンポート、214 フィードバックポート、215,216 排出ポート、221〜223 ランド、224 第1連結部、225 第2連結部。

Claims (5)

  1. 磁性材料により形成された筒状の固定コアと、前記固定コアを包囲するように配置される筒状のコイルと、磁性材料により形成されると共に軸方向に移動自在となるように前記固定コアの内部に配置される可動コアとを備え、前記コイルへの通電に伴って発生する磁束により前記可動コアを前記軸方向に移動させる電磁駆動装置において、
    前記固定コアは、該固定コアの外周面よりも小径の外周面を有する筒状の磁束制限部と、前記可動コアの最大ストローク位置側で前記磁束制限部と隣り合うと共に、該磁束制限部に向かうにつれて前記固定コアの軸心に接近するように傾斜した外周面を有する縮径部とを含み、
    前記磁束制限部の内周面は、前記固定コアの内周面よりも前記軸心から離間するように窪んでおり、
    前記磁束制限部には、非磁性化元素を溶融させた非磁性化部が形成され
    前記磁束制限部の外周面と前記縮径部の外周面との境界は、前記磁束制限部の前記内周面の前記軸方向における前記最大ストローク位置側の端部よりも該最大ストローク位置側に設けられ、
    前記可動コアの最小ストローク位置は、前記磁束制限部の外周面と前記縮径部の外周面との前記境界よりも前記最大ストローク位置側に設けられることを特徴とする電磁駆動装置。
  2. 請求項に記載の電磁駆動装置において、
    前記磁束制限部は、前記縮径部とは反対側に向かうにつれて前記軸心から離間するように該縮径部から傾斜部を含むことを特徴とする電磁駆動装置。
  3. 請求項に記載の電磁駆動装置において、
    前記傾斜部は、前記縮径部とは反対側に向かうにつれて前記軸心から離間するように該縮径部から延びる外周面を有することを特徴とする電磁駆動装置。
  4. 請求項1からの何れか一項に記載の電磁駆動装置において、
    前記固定コアは、前記縮径部とは反対側で前記磁束制限部に隣り合うと共に、前記磁束制限部に向かうにつれて前記固定コアの軸心に接近するように傾斜した外周面を有する第2の縮径部を含み、
    前記磁束制限部の外周面と前記第2の縮径部の外周面との境界は、前記磁束制限部の前記内周面の前記軸方向における前記最大ストローク位置とは反対側の端部よりも該最大ストローク位置側に設けられることを特徴とする電磁駆動装置。
  5. 請求項1からの何れか一項に記載の電磁駆動装置と、前記可動コアと連動して前記軸方向に移動するスプールとを備えること特徴とする電磁弁。
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