JP2004270490A - 電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁、ならびに電磁駆動装置の製造方法 - Google Patents
電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁、ならびに電磁駆動装置の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】めっきを施すことなく、突き当て部の強度が向上する電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】コイルに通電されると、固定コア40と可動コア50との間には磁気吸引力が発生し、可動コア50は固定コア40に衝突する。固定コア40の可動コア50側の端部には、可動コア50の第二突き当て部51と突き当たる第一突き当て部41が形成されている。第一突き当て部41および第二突き当て部51は、圧造加工されているため、表面が固定コア40または可動コア50の母材よりも硬い。そのため、めっきを施さなくても、第一突き当て部41および第二突き当て部51の強度は向上する。したがって、固定コア40および可動コア50の耐摩耗性が向上し、耐久性が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】コイルに通電されると、固定コア40と可動コア50との間には磁気吸引力が発生し、可動コア50は固定コア40に衝突する。固定コア40の可動コア50側の端部には、可動コア50の第二突き当て部51と突き当たる第一突き当て部41が形成されている。第一突き当て部41および第二突き当て部51は、圧造加工されているため、表面が固定コア40または可動コア50の母材よりも硬い。そのため、めっきを施さなくても、第一突き当て部41および第二突き当て部51の強度は向上する。したがって、固定コア40および可動コア50の耐摩耗性が向上し、耐久性が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動装置およびそれを用いた内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)の燃料噴射弁、ならびに電磁駆動装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から燃料噴射弁においては、電磁駆動装置の固定コアに可動コアが吸引されることにより可動コアと一体の弁部材が駆動される。弁部材は、弁ボディに形成されている噴孔を開閉し、噴孔からの燃料の噴射を断続する。このような電磁駆動装置の可動コアは、コイルへの通電によって固定コアに吸引され、コイルへの通電の停止によって固定コアから離間する。そのため、コイルへの通電の断続により、固定コアと可動コアとは離間および衝突を繰り返す。
【0003】
このような燃料噴射弁において、例えば、固定コアと可動コアとの間のスクイズ力を低減するために、可動コアと固定コアのいずれか一方に段差部を設け、可動コアと固定コアとが衝突した際、可動コアと固定コアとの間に隙間(いわゆるソリッドギャップ)が形成されるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。なお、上記ソリッドギャップを設けるには、固定コアまたは可動コアを例えばNC旋盤などで切削する必要がある。
【0004】
一方、上記ソリッドギャップを形成すると、固定コアと可動コアの突き当て部の面積が減少するため、突き当て部の強度が低下してしまう。
そこで、上記のような問題を防止すべく、例えばクロムなどの金属めっきを施すことにより、突き当て部の強度を確保したものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特表平8−506876号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、切削およびめっきの二段階の工程を必要とする。そのため、工数の増大を招くという問題がある。また、突き当て部の強度を高めるためには、高価なめっきを施す必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、めっきを施すことなく、突き当て部の強度が向上する電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、めっきを施すことなく、突き当て部の強度が向上し、工数が低減される電磁駆動装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の少なくともいずれか一方は母材よりも硬い。第一突き当て部または第二突き当て部は、固定コアまたは可動コアを形成する母材と同一の材質である。固定コアまたは可動コアは、第一突き当て部または第二突き当て部を例えば圧造することにより、局所的に硬さが増している。したがって、めっきを施すことなく、第一突き当て部または第二突き当て部の強度を向上することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の表面が母材よりも硬い。したがって、めっきを施すことなく、第一突き当て部または第二突き当て部の強度を向上することができる。
本発明の請求項3記載の発明では、固定コアと可動コアとの間に隙間を形成するために固定コアまたは可動コアの少なくともいずれか一方に形成されている段差部は、固定コアまたは可動コアの母材よりも硬い。すなわち、段差部は第一突き当て部または第二突き当て部と同様に硬さが増している。これにより、段差部は例えば圧造などにより第一突き当て部または第二突き当て部と同時に形成される。したがって、加工工数を低減することができる。
【0010】
本発明の請求項4記載の発明では、段差部は固定コアまたは可動コアの第一突き当て部または第二突き当て部の径方向外側に設置されている。そのため、例えば圧造などにより第一突き当て部または第二突き当て部に力が加えられたとき、固定コアまたは可動コアの変形は径方向外側の段差部に逃がされる。したがって、第一突き当て部または第二突き当て部の変形を低減でき、固定コアと可動コアとの間の磁気吸引力を安定させることができる。
【0011】
本発明の請求項5記載の発明では、段差部は固定コアまたは可動コアの第一突き当て部または第二突き当て部の径方向内側に設置されている。段差部の位置は、固定コアまたは可動コアの設計に応じて任意に変更することができる。
【0012】
本発明の請求項6記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部は、固定コアまたは可動コアの周方向へ不連続に複数設置されている。そのため、固定コアと可動コアとの間に要求される磁気吸引力に応じて第一突き当て部または第二突き当て部の大きさを変更することができる。
本発明の請求項7記載の発明では、複数の第一突き当て部または第二突き当て部の間に段差部が設置されている。
【0013】
本発明の請求項8記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の少なくとも一方にはめっき層が形成さている。すなわち、母材よりも硬い第一突き当て部または第二突き当て部にはさらにめっき層が形成されている。これにより、第一突き当て部または第二突き当て部はさらに硬さが増し、強度を高めることができる。
【0014】
本発明の請求項9記載の発明では、請求項1から8のいずれか一項記載の電磁駆動装置を備えている。そのため、固定コアおよび可動コアの強度が高められるとともに、固定コアと可動コアとの間の磁気吸引力を安定する。したがって、耐久性を向上することができる。
【0015】
本発明の請求項10記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の少なくともいずれか一方を圧造している。圧造により、第一突き当て部または第二突き当て部の表面は硬さが向上する。したがって、めっきを施すことなく、第一突き当て部または第二突き当て部の強度を母材よりも向上することができる。また、圧造することにより、第一突き当て部または第二突き当て部の成形と表面の強度の向上とは同時に実施される。したがって、製造工数を低減することができる。
【0016】
本発明の請求項11記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部はローラバニッシュにより圧造される。したがって、工数の増大を招くことなく、容易に第一突き当て部または第二突き当て部の成形および強度の向上を実施することができる。
本発明の請求項12記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部と段差部とは圧造と同時に成形される。したがって、工数の増大を招くことなく、容易に第一突き当て部または第二突き当て部と段差部とを成形することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、本発明による電磁駆動装置を燃料噴射弁(以下、燃料噴射弁を「インジェクタ」という。)に適用した例について説明する。
【0018】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるインジェクタを図2に示す。インジェクタ10のホルダ11は、磁性部材と非磁性部材とからなる円筒状に形成されている。ホルダ11には燃料通路12が形成されており、この燃料通路12に弁ボディ20、弁部材としてのニードル30、固定コア40、可動コア50、スプリング13およびアジャスティングパイプ14が収容されている。
【0019】
ホルダ11は、図2において下方の弁ボディ20側から第一磁性部材111、非磁性部材112および第二磁性部材113をこの順で有している。第一磁性部材111と非磁性部材112、ならびに非磁性部材112と第二磁性部材113とは溶接により結合している。溶接は、例えばレーザ溶接などにより行われる。非磁性部材112は、第一磁性部材111と第二磁性部材113との間で磁束が短絡することを防止する。第一磁性部材111の反非磁性部材側には、弁ボディ20が溶接により固定されている。
【0020】
図3に示すように弁ボディ20は反ホルダ側の端部に噴孔プレート21を有している。噴孔プレート21はカップ状に形成され、弁ボディ20の外側に弁ボディ20と一体に固定されている。噴孔プレート21は、薄板状に形成されており、複数の噴孔22を形成している。なお、噴孔22を噴孔プレート21に形成するのではなく、弁ボディ20に形成してもよい。噴孔プレート21の外側には、噴孔プレート21を覆うプレートホルダ23が装着されている。弁ボディ20は、筒状に形成され、内周面に弁座24を有している。噴孔22は、弁座24の燃料流れ出口側に配置されている。
【0021】
弁部材としてのニードル30は、内部に燃料通路31を有する有底の円筒状に形成されている。ニードル30は、一方の端部が可動コア50の反固定コア側に圧入されている。ニードル30の反可動コア側の端部には、弁ボディ20の内周面に形成されている弁座24に着座可能なシート部32が形成されている。ニードル30は、弁ボディ20の内周面との間に燃料通路25を形成している。シート部32が弁座24に着座すると、燃料通路25と噴孔22との連通が閉塞され噴孔22からは燃料が噴射されない。
【0022】
ニードル30は、側壁を貫く燃料孔33、34を有している。ニードル30の内周側に流入した燃料は、燃料孔33、34を経由してニードル30の外周側へ流出し、弁ボディ20に形成されている図示しない燃料通路を経由して燃料通路25へ流れる。弁ボディ20は内周側にガイド部26を有している。ガイド部26は弁ボディ20の周方向へ所定の間隔で形成され、隣接するガイド部26の間が図示しない燃料通路となる。ガイド部26における弁ボディ20の内径は、ニードル30の外径と概ね同一である。そのため、ニードル30は、弁ボディ20のガイド部26と摺動し、ガイド部26により軸方向への移動が案内される。
【0023】
図2に示すように、固定コア40は円筒状に形成されている。固定コア40は、ホルダ11の非磁性部材112および第二磁性部材113の内部に圧入されることによりホルダ11に固定されている。固定コア40は可動コア50に対し反噴孔側に設置され可動コア50と対向している。
【0024】
アジャスティングパイプ14は固定コア40の内側に圧入されている。スプリング13は一方の端部がアジャスティングパイプ14に当接し、他方の端部が可動コア50に当接している。アジャスティングパイプ14の圧入量を調整することにより、スプリング13の荷重は変更される。スプリング13は、ニードル30のシート部32が弁ボディ20の弁座24に着座する方向へ付勢している。磁性部材15、16は、互いに磁気的に接続されてコイル61の外周側に設置されている。固定コア40、可動コア50、第一磁性部材111、磁性部材15、16および第二磁性部材113は磁気回路を構成している。
【0025】
コイル61が巻回されているスプール62はホルダ11の外周に取り付けられている。ターミナル63は、コイル61と電気的に接続されており、コイル61に駆動電流を供給する。樹脂ハウジング60は、ホルダ11およびコイル61の外側を覆っている。通電することにより励磁されるコイル61、コイル61が励磁されることによって磁気回路を構成する固定コア40、可動コア50、第一磁性部材111、磁性部材15、16および第二磁性部材113、ならびに可動コア50を反固定コア方向へ付勢するスプリング13は、電磁駆動装置を構成している。
【0026】
コイル61に駆動電流が供給されていないとき、固定コア40と可動コア50との間には磁気吸引力が生じていない。そのため、可動コア50はスプリング13の付勢力により固定コア40から離間する方向すなわち弁ボディ20方向へ移動している。これにより、可動コア50と一体のニードル30のシート部32は弁ボディ20の弁座24に着座しており、噴孔22からの燃料の噴射は停止されている。
【0027】
コイル61に駆動電流が供給されると、コイル61が励磁され、固定コア40、可動コア50、第一磁性部材111、磁性部材15、16および第二磁性部材113には磁気回路が形成される。これにより、固定コア40と可動コア50との間には磁気吸引力が発生する。固定コア40と可動コア50との間に発生した磁気吸引力がスプリング13の付勢力よりも大きくなると、可動コア50は固定コア40方向へ移動する。可動コア50は、固定コア40と衝突するまで移動する。そのため、可動コア50と一体のニードル30は図2の上方へリフトする。その結果、ニードル30のシート部32は弁ボディ20の弁座24から離座する。
【0028】
ホルダ11の図2において上方から燃料通路12に流入する燃料は、フィルタ部材17により異物が除去される。異物が除去された燃料は、燃料通路12、アジャスティングパイプ14の内周側、固定コア40の内周側、可動コア50の内周側、ニードル30の燃料通路31および燃料孔33、34を経由して図3に示す燃料通路25へ供給される。燃料通路25へ供給された燃料は、シート部32が弁座24から離座すると、シート部32と弁座24との間に形成される開口を通り噴孔22へ流れ、噴孔22から噴射される。
【0029】
コイル61への駆動電流の供給が停止されると、固定コア40と可動コア50との間の磁気吸引力は消滅する。そのため、可動コア50はスプリング13の付勢力によって再び固定コア40から離間する方向へ移動する。これにより、可動コア50と一体のニードル30のシート部32は弁ボディ20の弁座24に着座し、噴孔22からの燃料の噴射が停止される。
【0030】
次に、電磁駆動装置の固定コア40および可動コア50について詳細に説明する。
固定コア40および可動コア50は、磁性材料から形成され、互いに対向して配置されている。可動コア50が固定コア40側に吸引されることにより、固定コア40と可動コア50とは互いに相対する側の端部同士が突き当たる。図1に示すように、固定コア40の可動コア50側の端部には、第一突き当て部41が形成されている。なお、図1では、図2に示す固定コア40および可動コア50の近傍を時計方向へ90°回転した状態を示している。第一突き当て部41は、可動コア50側に突出して形成されている。一方、可動コア50の固定コア40側の端部には、第一突き当て部41と突き当たる第二突き当て部51が形成されている。本実施例の場合、可動コア50は、固定コア40側の端部に周方向へ連続する平坦な第二突き当て部51を有している。
【0031】
固定コア40は、大径部42ならびに大径部42よりもやや外径が小さな小径部43を有している。小径部43は、大径部42の可動コア50側に位置している。大径部42の外径はホルダ11の内径と概ね同一である。そのため、大径部42をホルダ11の内周側に圧入することにより、固定コア40はホルダ11に固定されている。固定コア40に小径部43を形成することにより、小径部43の外壁と固定コア40が圧入されるホルダ11の内壁との間にはクリアランス44が形成される。
【0032】
固定コア40の第一突き当て部41の径方向外側には、段差部45が形成されている。段差部45は、第一突き当て部41よりも反可動コア側に窪んで形成されている。固定コア40に段差部45を形成することにより、図4に示すように固定コア40と可動コア50とが衝突したとき、固定コア40と可動コア50との間にはソリッドギャップ80が形成される。ソリッドギャップ80を形成することにより、固定コア40と可動コア50とが衝突したときでも、固定コア40の段差部45は可動コア50に突き当たることなくソリッドギャップ80を介して可動コア50と対向する。段差部45を形成することにより、コイル61の励磁にともなって形成される磁気回路の磁束は可動コア50により近い第一突き当て部41に集中する。これにより、第一突き当て部41における磁束密度が高くなり、固定コア40と可動コア50との間に発生する磁気吸引力が大きくなる。
【0033】
また、段差部45を形成すると、第二突き当て部51に対向する第一突き当て部41の面積が低減する。そのため、コイル61への通電時において、固定コア40と可動コア50とが密着する面積は低減される。その結果、固定コア40と可動コア50との密着部に存在する燃料によって固定コア40と可動コア50とを吸引する向きに発生する力いわゆるスクイズ力は低減される。すなわち、ソリッドギャップ80を形成することにより、固定コア40と可動コア50との間に作用するスクイズ力は低減される。これにより、コイル61への通電を停止したとき、可動コア50はスプリング13の付勢力により固定コア40から円滑に離間する。
【0034】
固定コア40の第一突き当て部41および段差部45は、固定コア40と同一の材質である。すなわち、固定コア40は全体として継ぎ目なく同一の材質により形成されている。一方、第一突き当て部41および段差部45の可動コア50側の表面は、固定コア40を形成する母材よりも硬度が大きくなっている。すなわち、固定コア40は、全体として同一の材質であるものの、可動コア50側の端部である第一突き当て部41および段差部45は局所的に他の部分よりも硬くなっている。
【0035】
同様に、可動コア50の第二突き当て部51は、可動コア50と同一の材質である。すなわち、可動コア50は全体として継ぎ目なく同一の材質により形成されている。一方、第二突き当て部51の固定コア40側の表面は、可動コア50を形成する母材よりも硬度が大きくなっている。すなわち、可動コア50は、全体として同一の材質であるものの、固定コア40側の端部である第二突き当て部51は局所的に他の部分よりも硬くなっている。
【0036】
次に、固定コア40および可動コア50の製造方法について説明する。
例えば鍛造や切削などの塑性加工により、所定の形状の固定コア40および可動コア50が成形される。塑性加工が終了した段階では、固定コア40または可動コア50は図1の二点鎖線で示すような形状である。すなわち、固定コア40および可動コア50の端部は段差のない平坦面に成形されている。
【0037】
塑性加工が終了すると、固定コア40および可動コア50の端部すなわち可動コア50または固定コア40と対向する端部側に圧造加工が実施される。圧造加工を実施する場合、図5に示すように固定コア40の端部には、ワーク70が押し付けられる。ワーク70は軸Pを中心に回動可能なローラ71を有している。これにより、固定コア40の端部はローラバニッシュ加工される。ローラ71は、第一突き当て部41を形成する小径部711ならびに段差部45を形成する大径部712を有している。ローラ71を所定の力で固定コア40の端部に押し付けつつ、ワーク70と固定コア40とを固定コア40の周方向へ相対的に回転させる。これにより、固定コア40の端部は二点鎖線で示す形状から実線で示す形状へ変形し、第一突き当て部41および段差部45が形成される。
【0038】
以上の手順により固定コア40の端部は圧造加工され、固定コア40の可動コア50側の端部は固定コア40の母材よりも硬くなる。固定コア40は、可動コア50側に小径部43を有している。また、段差部45は第一突き当て部41の径方向外側に形成されている。そのため、圧造加工により固定コア40に変形46が生じても、変形46は固定コア40の外周側に逃がされる。その結果、固定コア40の可動コア50側の端部は形状精度が向上する。
【0039】
以上の手順と同様に、可動コア50の固定コア40側の端部も圧造加工される。可動コア50は固定コア40側の平坦な端部に周方向へ連続する第二突き当て部51を有している。そのため、可動コア50は、固定コア40側の端部の全体に圧造加工がされる。これにより、可動コア50は、圧造加工によって図1の二点鎖線で示す形状から実線で示す形状に変形する。また、円筒状の図示しないローラにより圧造加工することにより、可動コア50の固定コア40側の端部には均一な第二突き当て部51が形成される。
【0040】
以上、説明した本発明の第1実施形態では、固定コア40の可動コア50側の端部に位置する第一突き当て部41は固定コア40の母材よりも硬い。同様に、可動コア50の固定コア40側の端部に位置する第二突き当て部51は可動コア50の母材よりも硬い。すなわち、第一突き当て部41および第二突き当て部51は固定コア40または可動コア50の他の部位に比較して局所的に硬くなっている。そのため、固定コア40または可動コア50の端部の強度を高めるためにめっきを施す必要がない。その結果、コイル61への通電の断続により固定コア40と可動コア50とが衝突を繰り返す場合でも、固定コア40および可動コア50の耐摩耗性が向上する。したがって、固定コア40および可動コア50の端部のめっきを廃止しても、固定コア40および可動コア50は強度が向上し、耐久性を高めることができる。また、めっきを廃止することにより、固定コア40および可動コア50の製造コストを低減することができる。
【0041】
第1実施形態では、固定コア40の第一突き当て部41ならびに可動コア50の第二突き当て部51の圧造加工するため、第一突き当て部41および第二突き当て部51の表面は滑らかになる。また、第一突き当て部41および第二突き当て部51の強度の向上により、固定コア40と可動コア50との衝突の繰り返されても、第一突き当て部41および第二突き当て部51の形状の変化は小さくなる。したがって、固定コア40と可動コア50との間に生じる磁気吸引力の経年的な変化を低減することができる。
第1実施形態では、圧造加工を実施することにより、固定コア40の第一突き当て部41と段差部45とは同時に成形される。したがって、固定コア40の製造工数を低減することができる。
【0042】
第1実施形態では、固定コア40の段差部45は第一突き当て部41の径方向外側に形成されている。そのため、圧造加工による固定コア40の変形は、固定コア40の外周側に逃がされる。したがって、固定コア40の可動コア50側の端部の変形が低減され、形状精度を高めることができる。また、固定コア40の可動コア50側の端部における形状精度が高まることにより、固定コア40と可動コア50との間の磁気吸引力を安定させることができる。
【0043】
(第2、第3、第4実施形態)
本発明の第2、第3、第4実施形態によるインジェクタの固定コアをそれぞれ図6、図7または図8に示す。第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0044】
第2実施形態では、図6に示すように固定コア40の可動コア50側の端部はテーパ面状に形成されている。この場合、固定コア40は、径方向外側に第一突き当て部41を有し、第一突き当て部41の径方向内側に段差部45を有している。第2実施形態による固定コア40の場合、固定コア40に押し付けられるワーク70のローラ72は略円錐状である。略円錐状のローラ72で固定コア40を圧造加工することにより、テーパ面状の段差部45、ならびに段差部45の径方向外側に第一突き当て部41が形成される。テーパ面状の段差部45により、固定コア40と可動コア50との衝突時においては、固定コア40と可動コア50との間にソリッドギャップが80が形成される。
【0045】
第3実施形態では、図7に示すように固定コア40の可動コア50側の端部に形成される第一突き当て部41と段差部45との関係が第1実施形態と逆である。すなわち、固定コア40の径方向外側に第一突き当て部41が形成され、径方向内側に段差部45が形成されている。第3実施形態による固定コア40の場合、固定コア40に押し付けられるワーク70のローラ73は大径部731および小径部732を有している。大径部731および小径部732を有するローラ73で固定コア40を圧造加工するにより、大径部731に対応して段差部45が形成され、小径部732に対応して第一突き当て部41が形成される。段差部45により、固定コア40と可動コア50との衝突時においては、固定コア40と可動コア50との間にソリッドギャップが80が形成される。
【0046】
第4実施形態では、図8に示すように固定コア40の可動コア50側の端部は第1実施形態における可動コア50の端部と同様に平坦面状に形成されている。この場合、固定コア40は、可動コア50側の端部の全面が第一突き当て部41となる。第4実施形態による固定コア40の場合、固定コア40に押し付けられるワーク70のローラ74は略円筒状である。略円筒状のローラ74で固定コア40を圧造加工することにより、平坦面状の第一突き当て部41が形成される。
【0047】
以上、第2実施形態、第3実施形態または第4実施形態で説明したように、インジェクタ10の特性に応じて固定コア40の端部の形状、すなわち第一突き当て部41と段差部45との位置関係は任意に変更することができる。
なお、第2実施形態、第3実施形態または第4実施形態では、固定コア40の端部を圧造加工する例について説明したが、可動コア50の端部を第2実施形態、第3実施形態または第4実施形態で説明した形状に圧造加工してもよい。
【0048】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態によるインジェクタの固定コアを図9に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第5実施形態では、図9に示すように固定コア40の可動コア50側の端部は複数の第一突き当て部41を有している。第一突き当て部41は、固定コア40の中心軸から放射状に固定コア40の周方向へ所定の間隔で形成されている。第5実施形態の場合、第一突き当て部41は、固定コア40の周方向へ90°間隔で四か所形成されている。第一突き当て部41は可動コア50側に突出しているため、隣り合う第一突き当て部41の間は反可動コア側へ窪んでいる。そのため、隣り合う第一突き当て部41の間に段差部45が配置されている。第一突き当て部41は、圧造加工されることにより母材よりも硬くなっている。段差部45を形成することにより、固定コア40と可動コア50との衝突時においては、固定コア40と可動コア50との間にソリッドギャップが80が形成される。
【0049】
なお、第5実施形態では、固定コア40の可動コア50側の端部に第一突き当て部41を形成する例について説明したが、可動コア50の固定コア40側の端部を上述の形状に形成し、圧造加工してもよい。
【0050】
(その他の実施形態)
以上、説明した本発明の複数の実施形態では、固定コア40の可動コア50側の端部または可動コア50の固定コア40側の端部を圧造する例について説明した。しかし、圧造された固定コア40または可動コア50の端部にさらに金属めっきを施してもよい。金属めっきを施すことにより、固定コア40または可動コア50の端部の強度がさらに高められる。したがって、固定コア40および可動コア50の耐久性を高めることができる。
【0051】
また、上記の複数の実施形態では、本発明による電磁駆動装置をインジェクタに適用する例について説明した。しかし、コイルへの通電によって可動コアを移動させ、可動コアの移動により例えば弁部材などの可動部材を駆動する装置であれば、インジェクタに限らず本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの要部を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタを示す断面図である。
【図3】図2の弁座の近傍を拡大した断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの要部を示す模式的な断面図であって、固定コアと可動コアとが当接した状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図7】本発明の第3実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図8】本発明の第4実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図9】本発明の第5実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアを示す図であって、(A)は可動コア側の端部を可動コア側から見た平面図であり、(B)は(A)のB−B線で切断した断面図である。
【符号の説明】
10 インジェクタ(燃料噴射弁)
22 噴孔
24 弁座
30 ニードル(弁部材)
40 固定コア
41 第一突き当て部
45 段差部
50 可動コア
51 第二突き当て部
61 コイル
80 ソリッドギャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動装置およびそれを用いた内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)の燃料噴射弁、ならびに電磁駆動装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から燃料噴射弁においては、電磁駆動装置の固定コアに可動コアが吸引されることにより可動コアと一体の弁部材が駆動される。弁部材は、弁ボディに形成されている噴孔を開閉し、噴孔からの燃料の噴射を断続する。このような電磁駆動装置の可動コアは、コイルへの通電によって固定コアに吸引され、コイルへの通電の停止によって固定コアから離間する。そのため、コイルへの通電の断続により、固定コアと可動コアとは離間および衝突を繰り返す。
【0003】
このような燃料噴射弁において、例えば、固定コアと可動コアとの間のスクイズ力を低減するために、可動コアと固定コアのいずれか一方に段差部を設け、可動コアと固定コアとが衝突した際、可動コアと固定コアとの間に隙間(いわゆるソリッドギャップ)が形成されるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。なお、上記ソリッドギャップを設けるには、固定コアまたは可動コアを例えばNC旋盤などで切削する必要がある。
【0004】
一方、上記ソリッドギャップを形成すると、固定コアと可動コアの突き当て部の面積が減少するため、突き当て部の強度が低下してしまう。
そこで、上記のような問題を防止すべく、例えばクロムなどの金属めっきを施すことにより、突き当て部の強度を確保したものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特表平8−506876号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、切削およびめっきの二段階の工程を必要とする。そのため、工数の増大を招くという問題がある。また、突き当て部の強度を高めるためには、高価なめっきを施す必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、めっきを施すことなく、突き当て部の強度が向上する電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、めっきを施すことなく、突き当て部の強度が向上し、工数が低減される電磁駆動装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の少なくともいずれか一方は母材よりも硬い。第一突き当て部または第二突き当て部は、固定コアまたは可動コアを形成する母材と同一の材質である。固定コアまたは可動コアは、第一突き当て部または第二突き当て部を例えば圧造することにより、局所的に硬さが増している。したがって、めっきを施すことなく、第一突き当て部または第二突き当て部の強度を向上することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の表面が母材よりも硬い。したがって、めっきを施すことなく、第一突き当て部または第二突き当て部の強度を向上することができる。
本発明の請求項3記載の発明では、固定コアと可動コアとの間に隙間を形成するために固定コアまたは可動コアの少なくともいずれか一方に形成されている段差部は、固定コアまたは可動コアの母材よりも硬い。すなわち、段差部は第一突き当て部または第二突き当て部と同様に硬さが増している。これにより、段差部は例えば圧造などにより第一突き当て部または第二突き当て部と同時に形成される。したがって、加工工数を低減することができる。
【0010】
本発明の請求項4記載の発明では、段差部は固定コアまたは可動コアの第一突き当て部または第二突き当て部の径方向外側に設置されている。そのため、例えば圧造などにより第一突き当て部または第二突き当て部に力が加えられたとき、固定コアまたは可動コアの変形は径方向外側の段差部に逃がされる。したがって、第一突き当て部または第二突き当て部の変形を低減でき、固定コアと可動コアとの間の磁気吸引力を安定させることができる。
【0011】
本発明の請求項5記載の発明では、段差部は固定コアまたは可動コアの第一突き当て部または第二突き当て部の径方向内側に設置されている。段差部の位置は、固定コアまたは可動コアの設計に応じて任意に変更することができる。
【0012】
本発明の請求項6記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部は、固定コアまたは可動コアの周方向へ不連続に複数設置されている。そのため、固定コアと可動コアとの間に要求される磁気吸引力に応じて第一突き当て部または第二突き当て部の大きさを変更することができる。
本発明の請求項7記載の発明では、複数の第一突き当て部または第二突き当て部の間に段差部が設置されている。
【0013】
本発明の請求項8記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の少なくとも一方にはめっき層が形成さている。すなわち、母材よりも硬い第一突き当て部または第二突き当て部にはさらにめっき層が形成されている。これにより、第一突き当て部または第二突き当て部はさらに硬さが増し、強度を高めることができる。
【0014】
本発明の請求項9記載の発明では、請求項1から8のいずれか一項記載の電磁駆動装置を備えている。そのため、固定コアおよび可動コアの強度が高められるとともに、固定コアと可動コアとの間の磁気吸引力を安定する。したがって、耐久性を向上することができる。
【0015】
本発明の請求項10記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部の少なくともいずれか一方を圧造している。圧造により、第一突き当て部または第二突き当て部の表面は硬さが向上する。したがって、めっきを施すことなく、第一突き当て部または第二突き当て部の強度を母材よりも向上することができる。また、圧造することにより、第一突き当て部または第二突き当て部の成形と表面の強度の向上とは同時に実施される。したがって、製造工数を低減することができる。
【0016】
本発明の請求項11記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部はローラバニッシュにより圧造される。したがって、工数の増大を招くことなく、容易に第一突き当て部または第二突き当て部の成形および強度の向上を実施することができる。
本発明の請求項12記載の発明では、第一突き当て部または第二突き当て部と段差部とは圧造と同時に成形される。したがって、工数の増大を招くことなく、容易に第一突き当て部または第二突き当て部と段差部とを成形することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、本発明による電磁駆動装置を燃料噴射弁(以下、燃料噴射弁を「インジェクタ」という。)に適用した例について説明する。
【0018】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるインジェクタを図2に示す。インジェクタ10のホルダ11は、磁性部材と非磁性部材とからなる円筒状に形成されている。ホルダ11には燃料通路12が形成されており、この燃料通路12に弁ボディ20、弁部材としてのニードル30、固定コア40、可動コア50、スプリング13およびアジャスティングパイプ14が収容されている。
【0019】
ホルダ11は、図2において下方の弁ボディ20側から第一磁性部材111、非磁性部材112および第二磁性部材113をこの順で有している。第一磁性部材111と非磁性部材112、ならびに非磁性部材112と第二磁性部材113とは溶接により結合している。溶接は、例えばレーザ溶接などにより行われる。非磁性部材112は、第一磁性部材111と第二磁性部材113との間で磁束が短絡することを防止する。第一磁性部材111の反非磁性部材側には、弁ボディ20が溶接により固定されている。
【0020】
図3に示すように弁ボディ20は反ホルダ側の端部に噴孔プレート21を有している。噴孔プレート21はカップ状に形成され、弁ボディ20の外側に弁ボディ20と一体に固定されている。噴孔プレート21は、薄板状に形成されており、複数の噴孔22を形成している。なお、噴孔22を噴孔プレート21に形成するのではなく、弁ボディ20に形成してもよい。噴孔プレート21の外側には、噴孔プレート21を覆うプレートホルダ23が装着されている。弁ボディ20は、筒状に形成され、内周面に弁座24を有している。噴孔22は、弁座24の燃料流れ出口側に配置されている。
【0021】
弁部材としてのニードル30は、内部に燃料通路31を有する有底の円筒状に形成されている。ニードル30は、一方の端部が可動コア50の反固定コア側に圧入されている。ニードル30の反可動コア側の端部には、弁ボディ20の内周面に形成されている弁座24に着座可能なシート部32が形成されている。ニードル30は、弁ボディ20の内周面との間に燃料通路25を形成している。シート部32が弁座24に着座すると、燃料通路25と噴孔22との連通が閉塞され噴孔22からは燃料が噴射されない。
【0022】
ニードル30は、側壁を貫く燃料孔33、34を有している。ニードル30の内周側に流入した燃料は、燃料孔33、34を経由してニードル30の外周側へ流出し、弁ボディ20に形成されている図示しない燃料通路を経由して燃料通路25へ流れる。弁ボディ20は内周側にガイド部26を有している。ガイド部26は弁ボディ20の周方向へ所定の間隔で形成され、隣接するガイド部26の間が図示しない燃料通路となる。ガイド部26における弁ボディ20の内径は、ニードル30の外径と概ね同一である。そのため、ニードル30は、弁ボディ20のガイド部26と摺動し、ガイド部26により軸方向への移動が案内される。
【0023】
図2に示すように、固定コア40は円筒状に形成されている。固定コア40は、ホルダ11の非磁性部材112および第二磁性部材113の内部に圧入されることによりホルダ11に固定されている。固定コア40は可動コア50に対し反噴孔側に設置され可動コア50と対向している。
【0024】
アジャスティングパイプ14は固定コア40の内側に圧入されている。スプリング13は一方の端部がアジャスティングパイプ14に当接し、他方の端部が可動コア50に当接している。アジャスティングパイプ14の圧入量を調整することにより、スプリング13の荷重は変更される。スプリング13は、ニードル30のシート部32が弁ボディ20の弁座24に着座する方向へ付勢している。磁性部材15、16は、互いに磁気的に接続されてコイル61の外周側に設置されている。固定コア40、可動コア50、第一磁性部材111、磁性部材15、16および第二磁性部材113は磁気回路を構成している。
【0025】
コイル61が巻回されているスプール62はホルダ11の外周に取り付けられている。ターミナル63は、コイル61と電気的に接続されており、コイル61に駆動電流を供給する。樹脂ハウジング60は、ホルダ11およびコイル61の外側を覆っている。通電することにより励磁されるコイル61、コイル61が励磁されることによって磁気回路を構成する固定コア40、可動コア50、第一磁性部材111、磁性部材15、16および第二磁性部材113、ならびに可動コア50を反固定コア方向へ付勢するスプリング13は、電磁駆動装置を構成している。
【0026】
コイル61に駆動電流が供給されていないとき、固定コア40と可動コア50との間には磁気吸引力が生じていない。そのため、可動コア50はスプリング13の付勢力により固定コア40から離間する方向すなわち弁ボディ20方向へ移動している。これにより、可動コア50と一体のニードル30のシート部32は弁ボディ20の弁座24に着座しており、噴孔22からの燃料の噴射は停止されている。
【0027】
コイル61に駆動電流が供給されると、コイル61が励磁され、固定コア40、可動コア50、第一磁性部材111、磁性部材15、16および第二磁性部材113には磁気回路が形成される。これにより、固定コア40と可動コア50との間には磁気吸引力が発生する。固定コア40と可動コア50との間に発生した磁気吸引力がスプリング13の付勢力よりも大きくなると、可動コア50は固定コア40方向へ移動する。可動コア50は、固定コア40と衝突するまで移動する。そのため、可動コア50と一体のニードル30は図2の上方へリフトする。その結果、ニードル30のシート部32は弁ボディ20の弁座24から離座する。
【0028】
ホルダ11の図2において上方から燃料通路12に流入する燃料は、フィルタ部材17により異物が除去される。異物が除去された燃料は、燃料通路12、アジャスティングパイプ14の内周側、固定コア40の内周側、可動コア50の内周側、ニードル30の燃料通路31および燃料孔33、34を経由して図3に示す燃料通路25へ供給される。燃料通路25へ供給された燃料は、シート部32が弁座24から離座すると、シート部32と弁座24との間に形成される開口を通り噴孔22へ流れ、噴孔22から噴射される。
【0029】
コイル61への駆動電流の供給が停止されると、固定コア40と可動コア50との間の磁気吸引力は消滅する。そのため、可動コア50はスプリング13の付勢力によって再び固定コア40から離間する方向へ移動する。これにより、可動コア50と一体のニードル30のシート部32は弁ボディ20の弁座24に着座し、噴孔22からの燃料の噴射が停止される。
【0030】
次に、電磁駆動装置の固定コア40および可動コア50について詳細に説明する。
固定コア40および可動コア50は、磁性材料から形成され、互いに対向して配置されている。可動コア50が固定コア40側に吸引されることにより、固定コア40と可動コア50とは互いに相対する側の端部同士が突き当たる。図1に示すように、固定コア40の可動コア50側の端部には、第一突き当て部41が形成されている。なお、図1では、図2に示す固定コア40および可動コア50の近傍を時計方向へ90°回転した状態を示している。第一突き当て部41は、可動コア50側に突出して形成されている。一方、可動コア50の固定コア40側の端部には、第一突き当て部41と突き当たる第二突き当て部51が形成されている。本実施例の場合、可動コア50は、固定コア40側の端部に周方向へ連続する平坦な第二突き当て部51を有している。
【0031】
固定コア40は、大径部42ならびに大径部42よりもやや外径が小さな小径部43を有している。小径部43は、大径部42の可動コア50側に位置している。大径部42の外径はホルダ11の内径と概ね同一である。そのため、大径部42をホルダ11の内周側に圧入することにより、固定コア40はホルダ11に固定されている。固定コア40に小径部43を形成することにより、小径部43の外壁と固定コア40が圧入されるホルダ11の内壁との間にはクリアランス44が形成される。
【0032】
固定コア40の第一突き当て部41の径方向外側には、段差部45が形成されている。段差部45は、第一突き当て部41よりも反可動コア側に窪んで形成されている。固定コア40に段差部45を形成することにより、図4に示すように固定コア40と可動コア50とが衝突したとき、固定コア40と可動コア50との間にはソリッドギャップ80が形成される。ソリッドギャップ80を形成することにより、固定コア40と可動コア50とが衝突したときでも、固定コア40の段差部45は可動コア50に突き当たることなくソリッドギャップ80を介して可動コア50と対向する。段差部45を形成することにより、コイル61の励磁にともなって形成される磁気回路の磁束は可動コア50により近い第一突き当て部41に集中する。これにより、第一突き当て部41における磁束密度が高くなり、固定コア40と可動コア50との間に発生する磁気吸引力が大きくなる。
【0033】
また、段差部45を形成すると、第二突き当て部51に対向する第一突き当て部41の面積が低減する。そのため、コイル61への通電時において、固定コア40と可動コア50とが密着する面積は低減される。その結果、固定コア40と可動コア50との密着部に存在する燃料によって固定コア40と可動コア50とを吸引する向きに発生する力いわゆるスクイズ力は低減される。すなわち、ソリッドギャップ80を形成することにより、固定コア40と可動コア50との間に作用するスクイズ力は低減される。これにより、コイル61への通電を停止したとき、可動コア50はスプリング13の付勢力により固定コア40から円滑に離間する。
【0034】
固定コア40の第一突き当て部41および段差部45は、固定コア40と同一の材質である。すなわち、固定コア40は全体として継ぎ目なく同一の材質により形成されている。一方、第一突き当て部41および段差部45の可動コア50側の表面は、固定コア40を形成する母材よりも硬度が大きくなっている。すなわち、固定コア40は、全体として同一の材質であるものの、可動コア50側の端部である第一突き当て部41および段差部45は局所的に他の部分よりも硬くなっている。
【0035】
同様に、可動コア50の第二突き当て部51は、可動コア50と同一の材質である。すなわち、可動コア50は全体として継ぎ目なく同一の材質により形成されている。一方、第二突き当て部51の固定コア40側の表面は、可動コア50を形成する母材よりも硬度が大きくなっている。すなわち、可動コア50は、全体として同一の材質であるものの、固定コア40側の端部である第二突き当て部51は局所的に他の部分よりも硬くなっている。
【0036】
次に、固定コア40および可動コア50の製造方法について説明する。
例えば鍛造や切削などの塑性加工により、所定の形状の固定コア40および可動コア50が成形される。塑性加工が終了した段階では、固定コア40または可動コア50は図1の二点鎖線で示すような形状である。すなわち、固定コア40および可動コア50の端部は段差のない平坦面に成形されている。
【0037】
塑性加工が終了すると、固定コア40および可動コア50の端部すなわち可動コア50または固定コア40と対向する端部側に圧造加工が実施される。圧造加工を実施する場合、図5に示すように固定コア40の端部には、ワーク70が押し付けられる。ワーク70は軸Pを中心に回動可能なローラ71を有している。これにより、固定コア40の端部はローラバニッシュ加工される。ローラ71は、第一突き当て部41を形成する小径部711ならびに段差部45を形成する大径部712を有している。ローラ71を所定の力で固定コア40の端部に押し付けつつ、ワーク70と固定コア40とを固定コア40の周方向へ相対的に回転させる。これにより、固定コア40の端部は二点鎖線で示す形状から実線で示す形状へ変形し、第一突き当て部41および段差部45が形成される。
【0038】
以上の手順により固定コア40の端部は圧造加工され、固定コア40の可動コア50側の端部は固定コア40の母材よりも硬くなる。固定コア40は、可動コア50側に小径部43を有している。また、段差部45は第一突き当て部41の径方向外側に形成されている。そのため、圧造加工により固定コア40に変形46が生じても、変形46は固定コア40の外周側に逃がされる。その結果、固定コア40の可動コア50側の端部は形状精度が向上する。
【0039】
以上の手順と同様に、可動コア50の固定コア40側の端部も圧造加工される。可動コア50は固定コア40側の平坦な端部に周方向へ連続する第二突き当て部51を有している。そのため、可動コア50は、固定コア40側の端部の全体に圧造加工がされる。これにより、可動コア50は、圧造加工によって図1の二点鎖線で示す形状から実線で示す形状に変形する。また、円筒状の図示しないローラにより圧造加工することにより、可動コア50の固定コア40側の端部には均一な第二突き当て部51が形成される。
【0040】
以上、説明した本発明の第1実施形態では、固定コア40の可動コア50側の端部に位置する第一突き当て部41は固定コア40の母材よりも硬い。同様に、可動コア50の固定コア40側の端部に位置する第二突き当て部51は可動コア50の母材よりも硬い。すなわち、第一突き当て部41および第二突き当て部51は固定コア40または可動コア50の他の部位に比較して局所的に硬くなっている。そのため、固定コア40または可動コア50の端部の強度を高めるためにめっきを施す必要がない。その結果、コイル61への通電の断続により固定コア40と可動コア50とが衝突を繰り返す場合でも、固定コア40および可動コア50の耐摩耗性が向上する。したがって、固定コア40および可動コア50の端部のめっきを廃止しても、固定コア40および可動コア50は強度が向上し、耐久性を高めることができる。また、めっきを廃止することにより、固定コア40および可動コア50の製造コストを低減することができる。
【0041】
第1実施形態では、固定コア40の第一突き当て部41ならびに可動コア50の第二突き当て部51の圧造加工するため、第一突き当て部41および第二突き当て部51の表面は滑らかになる。また、第一突き当て部41および第二突き当て部51の強度の向上により、固定コア40と可動コア50との衝突の繰り返されても、第一突き当て部41および第二突き当て部51の形状の変化は小さくなる。したがって、固定コア40と可動コア50との間に生じる磁気吸引力の経年的な変化を低減することができる。
第1実施形態では、圧造加工を実施することにより、固定コア40の第一突き当て部41と段差部45とは同時に成形される。したがって、固定コア40の製造工数を低減することができる。
【0042】
第1実施形態では、固定コア40の段差部45は第一突き当て部41の径方向外側に形成されている。そのため、圧造加工による固定コア40の変形は、固定コア40の外周側に逃がされる。したがって、固定コア40の可動コア50側の端部の変形が低減され、形状精度を高めることができる。また、固定コア40の可動コア50側の端部における形状精度が高まることにより、固定コア40と可動コア50との間の磁気吸引力を安定させることができる。
【0043】
(第2、第3、第4実施形態)
本発明の第2、第3、第4実施形態によるインジェクタの固定コアをそれぞれ図6、図7または図8に示す。第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0044】
第2実施形態では、図6に示すように固定コア40の可動コア50側の端部はテーパ面状に形成されている。この場合、固定コア40は、径方向外側に第一突き当て部41を有し、第一突き当て部41の径方向内側に段差部45を有している。第2実施形態による固定コア40の場合、固定コア40に押し付けられるワーク70のローラ72は略円錐状である。略円錐状のローラ72で固定コア40を圧造加工することにより、テーパ面状の段差部45、ならびに段差部45の径方向外側に第一突き当て部41が形成される。テーパ面状の段差部45により、固定コア40と可動コア50との衝突時においては、固定コア40と可動コア50との間にソリッドギャップが80が形成される。
【0045】
第3実施形態では、図7に示すように固定コア40の可動コア50側の端部に形成される第一突き当て部41と段差部45との関係が第1実施形態と逆である。すなわち、固定コア40の径方向外側に第一突き当て部41が形成され、径方向内側に段差部45が形成されている。第3実施形態による固定コア40の場合、固定コア40に押し付けられるワーク70のローラ73は大径部731および小径部732を有している。大径部731および小径部732を有するローラ73で固定コア40を圧造加工するにより、大径部731に対応して段差部45が形成され、小径部732に対応して第一突き当て部41が形成される。段差部45により、固定コア40と可動コア50との衝突時においては、固定コア40と可動コア50との間にソリッドギャップが80が形成される。
【0046】
第4実施形態では、図8に示すように固定コア40の可動コア50側の端部は第1実施形態における可動コア50の端部と同様に平坦面状に形成されている。この場合、固定コア40は、可動コア50側の端部の全面が第一突き当て部41となる。第4実施形態による固定コア40の場合、固定コア40に押し付けられるワーク70のローラ74は略円筒状である。略円筒状のローラ74で固定コア40を圧造加工することにより、平坦面状の第一突き当て部41が形成される。
【0047】
以上、第2実施形態、第3実施形態または第4実施形態で説明したように、インジェクタ10の特性に応じて固定コア40の端部の形状、すなわち第一突き当て部41と段差部45との位置関係は任意に変更することができる。
なお、第2実施形態、第3実施形態または第4実施形態では、固定コア40の端部を圧造加工する例について説明したが、可動コア50の端部を第2実施形態、第3実施形態または第4実施形態で説明した形状に圧造加工してもよい。
【0048】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態によるインジェクタの固定コアを図9に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第5実施形態では、図9に示すように固定コア40の可動コア50側の端部は複数の第一突き当て部41を有している。第一突き当て部41は、固定コア40の中心軸から放射状に固定コア40の周方向へ所定の間隔で形成されている。第5実施形態の場合、第一突き当て部41は、固定コア40の周方向へ90°間隔で四か所形成されている。第一突き当て部41は可動コア50側に突出しているため、隣り合う第一突き当て部41の間は反可動コア側へ窪んでいる。そのため、隣り合う第一突き当て部41の間に段差部45が配置されている。第一突き当て部41は、圧造加工されることにより母材よりも硬くなっている。段差部45を形成することにより、固定コア40と可動コア50との衝突時においては、固定コア40と可動コア50との間にソリッドギャップが80が形成される。
【0049】
なお、第5実施形態では、固定コア40の可動コア50側の端部に第一突き当て部41を形成する例について説明したが、可動コア50の固定コア40側の端部を上述の形状に形成し、圧造加工してもよい。
【0050】
(その他の実施形態)
以上、説明した本発明の複数の実施形態では、固定コア40の可動コア50側の端部または可動コア50の固定コア40側の端部を圧造する例について説明した。しかし、圧造された固定コア40または可動コア50の端部にさらに金属めっきを施してもよい。金属めっきを施すことにより、固定コア40または可動コア50の端部の強度がさらに高められる。したがって、固定コア40および可動コア50の耐久性を高めることができる。
【0051】
また、上記の複数の実施形態では、本発明による電磁駆動装置をインジェクタに適用する例について説明した。しかし、コイルへの通電によって可動コアを移動させ、可動コアの移動により例えば弁部材などの可動部材を駆動する装置であれば、インジェクタに限らず本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの要部を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタを示す断面図である。
【図3】図2の弁座の近傍を拡大した断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの要部を示す模式的な断面図であって、固定コアと可動コアとが当接した状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図7】本発明の第3実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図8】本発明の第4実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアならびに固定コアを圧造加工するワークを示す模式図である。
【図9】本発明の第5実施形態による電磁駆動装置を適用したインジェクタの固定コアを示す図であって、(A)は可動コア側の端部を可動コア側から見た平面図であり、(B)は(A)のB−B線で切断した断面図である。
【符号の説明】
10 インジェクタ(燃料噴射弁)
22 噴孔
24 弁座
30 ニードル(弁部材)
40 固定コア
41 第一突き当て部
45 段差部
50 可動コア
51 第二突き当て部
61 コイル
80 ソリッドギャップ
Claims (12)
- 固定コアと、
コイルへの通電によって前記固定コアとの間に発生する磁気吸引力により前記固定コアに吸引される可動コアとを備え、
前記固定コアは前記可動コアと突き当たる第一突き当て部を有し、前記可動コアは前記固定コアと突き当たる第二突き当て部を有し、前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の少なくともいずれか一方は、前記固定コアまたは前記可動コアを形成する母材よりも硬いことを特徴とする電磁駆動装置。 - 前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の表面は、前記固定コアまたは前記可動コアを形成する母材よりも硬いことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動装置。
- 前記固定コアまたは前記可動コアの少なくともいずれか一方に形成され、前記固定コアと前記可動コアとの衝突時において、前記固定コアと前記可動コアとの間にソリッドギャップを形成する段差部は、前記固定コアまたは前記可動コアの母材よりも硬いことを特徴とする請求項1または2記載の電磁駆動装置。
- 前記段差部は、前記固定コアまたは前記可動コアの少なくともいずれか一方において前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の径方向外側に形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の電磁駆動装置。
- 前記段差部は、前記固定コアまたは前記可動コアの少なくともいずれか一方において前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の径方向内側に形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の電磁駆動装置。
- 前記第一突き当て部または前記第二突き当て部は、前記固定コアまたは前記可動コアの周方向へ不連続に複数形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の電磁駆動装置。
- 複数の前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の間に前記段差部が設置されていることを特徴とする請求項6記載の電磁駆動装置。
- 前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の少なくとも一方には、めっき層が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の電磁駆動装置。
- 請求項1から8のいずれか一項記載の電磁駆動装置と、
噴孔が形成されている弁ボディと、
前記可動コアにより駆動され、前記噴孔からの燃料の噴射を断続する弁部材と、
を備えることを特徴とする燃料噴射弁。 - 固定コアと、コイルへの通電によって前記固定コアとの間に発生する磁気吸引力により前記固定コアに吸引される可動コアとを備え、前記固定コアは前記可動コアと突き当たる第一突き当て部を有し、前記可動コアは前記固定コアと突き当たる第二突き当て部を有する電磁駆動装置の製造方法であって、
前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の少なくともいずれか一方を圧造することを特徴とする電磁駆動装置の製造方法。 - 前記第一突き当て部または前記第二突き当て部は、ローラバニッシュにより圧造することを特徴とする請求項10記載の電磁駆動装置の製造方法。
- 前記固定コアまたは前記可動コアの少なくともいずれか一方に形成され、前記固定コアと前記可動コアとの衝突時において、前記固定コアと前記可動コアとの間にソリッドギャップを形成する段差部を、前記第一突き当て部または前記第二突き当て部の圧造と同時に形成することを特徴とする請求項10または11記載の電磁駆動装置の製造方法。
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