JP6259332B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
また、本発明による内燃機関の制御装置は、可変圧縮比機構に異常が発生したときに高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止し、高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止してから電動アクチュエータの駆動電流が所定値以上である状態が所定時間継続したときに、電動アクチュエータの通電を停止するようにした。
点火栓170は、図示していない点火コイルから高電圧が供給されることで火花放電して混合気を点火させ、点火コイルからの高電圧の供給タイミングを制御することで点火時期が制御される。
このVTC機構180としては、例えば、特開2013−036391号公報に開示されるような、クランクシャフト140に対する吸気カムシャフト200の相対回転位相角を電気モータによって調整する、電動式のVTC機構を用いることができる。
但し、VTC機構180を、アクチュエータが電動機である機構に限定するものではなく、油圧アクチュエータなどを用いる公知の機構を適宜採用できる。
また、電動アクチュエータ198の作動を停止させると、ピストン120の往復動によって、制御シャフト196の偏心カム部196Aに対してコントロールリンク192が回転し、圧縮比が低圧縮比側へと推移する、換言すると、内燃機関100の作動により圧縮比が低圧縮比側に変更される。
そして、VCRコントローラ214は、角度センサ198Aで検出される制御シャフト196の角度位置が目標圧縮比に相当する目標角度位置に収束するように、VCR機構190の電動アクチュエータ198に出力する駆動電流を制御する。
ここで、VCRコントローラ214は、時間を計測するタイマを備えることができる。
そして、VTCコントローラ212は、クランク角センサの出力信号とカム角センサの出力信号とから、クランクシャフト140に対する吸気カムシャフト200の相対回転位相角(実位相変換角)を検出し、検出した相対回転位相角が目標位相変換角に収束するように、VTC機構180のアクチュエータに出力する駆動電流を制御する。
以上のようにすることで、VTC機構180及びVCR機構190は、内燃機関100の運転状態に応じて制御される。
そして、制御装置210は、位置制御不可能であると判定したときは処理をステップ102に進め、位置制御可能であると判定したときは処理をステップ103に進める。
以上により、位置制御不可能であり、かつ、通電不可能である異常が発生した場合のフェイルセーフ制御を行う処理は終了する。
例えば、制御装置210は、角度センサ198により検出した実圧縮比が圧縮比閾値より高い場合には、電動アクチュエータ198への通電を停止する。そして、制御装置210は、実圧縮比が低下して圧縮比閾値となったときに電動アクチュエータ198に通電して駆動電流を一定とすることにより、圧縮比閾値に圧縮比を維持する制御を行う。一方、制御装置210は、角度センサ198により検出した実圧縮比が圧縮比閾値以下の場合には、その実圧縮比に圧縮比を維持する制御を行う。ここで、圧縮比閾値は、例えば、ノッキングが生じない圧縮比、検出した実圧縮比に対して所定値下げた圧縮比(例えば、所定値は、許容できるトルク変動に対応する最大変化幅以下の値とする)などに設定することができる。なお、制御装置210は、検出した実圧縮比がある圧縮比(例えば、VCR機構190の最低圧縮比近傍の値に設定された値)以下であるときには駆動電流の出力の停止を維持して、圧縮比を最低圧縮比としてもよい。
このようなステップ106における制御によれば、圧縮比の変動を抑制すると共に、制御シャフト196が図示しないストッパ機構に干渉することを避けて干渉による制御シャフト196及びストッパ機構の破損を防止することができる。
また、制御装置210は、検出した実圧縮比に応じて点火時期を制御することができる。なお、制御装置210は更にVTCコントローラ212を含み、この制御装置210は実圧縮比に応じてVTC機構190の制御を行ってもよい。
以上により、位置制御不可能であり、かつ、通電可能である異常が発生した場合のフェイルセーフ制御を行う処理は終了する。
そして、ステップ104では、制御装置210は、電動アクチュエータ198の駆動電流が所定電流(例えば、耐熱許容電流)以上の電流である状態が第1の所定時間以上継続しているかを判定する。
前記状態が第1の所定時間以上継続している場合には、制御装置210は処理を、前述の圧縮比を所定圧縮比に維持するステップ106に進め、ステップ106を実行する。
以上により、位置制御可能であり、かつ、圧縮比変更後に所定電流以上の電流である状態が所定時間以上継続する異常が発生した場合のフェイルセーフ制御を行う処理は終了する。
以上により、位置制御可能であり、かつ、圧縮比変更後に所定電流以上の電流である状態が所定時間以上継続しない異常が発生した場合のフェイルセーフ制御を行う処理は終了する。
位置制御不可能かつ通電不可能な異常が発生した場合、特に電動アクチュエータ198の固着、及び電動アクチュエータ198の駆動電流が過電流となる異常が発生した場合の異常の検出及びフェイルセーフ制御について説明する。
まず、VCRコントローラ214が、電動アクチュエータ198の固着、電動アクチュエータ198の駆動電流が過電流となる異常を検知する。
具体的には、VCRコントローラ214は、電動アクチュエータ198の駆動電流を制御して、圧縮比を変更、すなわち、ECM216から受信した目標角度に基づいて制御シャフト196の角度位置を変更する制御を行ったときに、角度センサ198Aで検出した角度がほぼ変化しないことを検出したときに異常を検知する。また、VCRコントローラ214は、電動アクチュエータ198の駆動電流が所定の過電流判定閾値(例えば、電動機の定格電流値より低く、かつ、近傍の値に設定される)を超えた状態が所定時間継続したことを検出したときに異常を検知する。例えば、VCRコントローラ214は、タイマにより電動アクチュエータ198の駆動電流が過電流判定閾値以上である状態が継続する時間を計測して、前記状態の継続時間が所定時間に達したときに異常を検知することができる。
以上のような制御によれば、通電不可能であると判定して電動アクチュエータ198への駆動電流の出力を停止することにより、過電流が流れること等による更なる異常を防止することができると共に、位置制御不可能な場合においても、異常が発生したときの実圧縮比に応じて点火時期及びVTC機構180の制御を行い、異常の影響を減少させることが可能である。
位置制御不可能かつ通電可能な異常が発生した場合、特に電動アクチュエータ198の電動機として用いられたブラシレスモータのモータレゾルバの異常が発生した場合の異常の検出及びフェイルセーフ制御について説明する。
まず、VCRコントローラ214が電動アクチュエータ198のモータレゾルバの異常を検知する。この異常の検知には、レゾルバ異常を検出する種々の周知の方法を利用することができる。
検出した実圧縮比が所定の圧縮比閾値以下である場合、ECM216は、VCRコントローラ214に検出した実圧縮比に圧縮比を維持するためのデータを送信する。例えば、ECM216は、検出した実圧縮比を目標圧縮比として、その目標圧縮比のデータを送信する。そのデータを受信したVCRコントローラ214は、電動アクチュエータ198の電動機の駆動電流の出力を再開して、換言すると、電動アクチュエータ198に通電して圧縮比を維持する(図2のステップ106に相当)。
一方、実圧縮比が圧縮比閾値より高い場合、ECM216は、VCRコントローラ214に電動アクチュエータ198の駆動電流の出力を停止させるデータを送信する。そのデータを受信したVCRコントローラ214は、電動アクチュエータ198の駆動電流の出力を停止する。このようにすると、前述したように、電動アクチュエータ198の作動が停止して圧縮比が低圧縮比側へと推移する。そして、ECM216は、VCRコントローラ214から検出した実圧縮比のデータを受信して、その実圧縮比が所定の圧縮比となったときに、VCRコントローラ214にその圧縮比を維持する制御を行わせるデータを送信する。例えば、ECM216は、圧縮比閾値を目標圧縮比として、その目標圧縮比のデータを送信する。そのデータを受信したVCRコントローラ214は、電動アクチュエータ198の電動機駆動電流の出力を再開して一定の電流値に制御することにより圧縮比を一定に維持する(図2のステップ106に相当)。
このような制御と協調して、ECM216は、実有効圧縮比低下に伴う燃焼悪化を防止するように点火時期を進角方向に制御すると共に、実有効圧縮比が一定又は一定値以上となるように作動角の中心位相を進角させる目標位相変換角のデータをVTCコントローラ212に送信する。そして、VTCコントローラ212は、目標位相変換角のデータをECM216から受信し、作動角の中心位相を進角方向に制御する。
図3において、実圧縮比1及び駆動電流1は、異常が発生したときの圧縮比が所定圧縮比より高い場合の電流値及び圧縮比の推移の一例を示し、駆動電流2及び実圧縮比2は、異常が発生したときの圧縮比が所定圧縮比以下の場合の電流値及び圧縮比の推移の一例を示す。
また、前述したように、このような制御と共に点火時期及びVTC機構180を圧縮比に応じて適切に制御する協調フェイルセーフ制御により、維持した圧縮比に応じて燃焼悪化を防止することができる。
位置制御可能な異常が発生した場合、特に電動アクチュエータ198の電動機の駆動電流が耐熱性を考慮した許容電流(以下、耐熱許容電流という)以上の電流となる異常が発生した場合の異常の検出及びフェイルセーフ制御について説明する。
そのデータを受信したVCRコントローラ214は、圧縮比を目標圧縮比に変更する制御を開始する。
また、ECM216は、高圧縮比側への制御を禁止してから第1の所定時間より長い第2の所定時間経過したときに、内燃機関100の運転状態に応じてVCR機構190、また必要に応じてVTC機構180及び点火時期を制御する通常制御に復帰して、データをVCRコントローラ214、また必要に応じてVTCコントローラ212に送信する。つまり、ECM216及びVCRコントローラ214、そして、必要に応じてVTCコントローラ212は、第2の所定時間経過後にVCR機構190、また、必要に応じて、VTC機構180及び点火時期を通常制御により制御してもよい。ここで第2の所定時間として、例えば、電動アクチュエータ198の電動機の温度が低下するのに十分な時間は、予め設定されていてもよいし、ECM216が電動アクチュエータ198の負荷状態(例えば、異常検知時の電動アクチュエータ198の駆動電流値等)に基づいて算出した時間あるいは選択した時間が設定されてもよい。
なお、ECM216は、通常制御への復帰に代えて、通常制御時よりも圧縮比の可変域、換言すると、制御シャフト196の可動域を狭くして、電動機の駆動電流を通常制御よりも制限する復帰時専用制御を行ってもよい。
ここで、ECM216には、圧縮比閾値として、複数の閾値が設定されることが可能である。これにより、ECM216及びVCRコントローラ214は、検出した実圧縮比が複数の圧縮比閾値のうち、検出した実圧縮比より低い、かつ、検出した実圧縮比に最も近い値である圧縮比閾値以下となったときに圧縮比を一定に維持する制御を行うことができる。そして、例えば、第1の圧縮比閾値以下に圧縮比を維持する制御を行った後に電動アクチュエータ198の駆動電流が耐熱許容電流以上である状態が所定時間以上継続したことを検出して電動アクチュエータ198への駆動電流の出力の停止を行った場合において、ECM216及びVCRコントローラ214は、実圧縮比が低下して第1の圧縮比より低い第2の圧縮比閾値以下となったときに圧縮比を維持する制御を行うことができる。なお、複数の閾値が設定された場合にも、圧縮比が、検出した実圧縮比より低い、かつ、検出した実圧縮比に最も近い値である圧縮比閾値以下となるまで電動アクチュエータ198の駆動電流の出力は再開しない。
また、ECM216及びVCRコントローラ214は、検出した実圧縮比がある圧縮比(例えば、VCR機構190の最低圧縮比近傍の値に設定された値)以下であるときには駆動電流の出力の停止を維持するようにしてもよい。
図4は、目標圧縮比変更後の駆動電流が耐熱許容電流閾値を超える状態が継続しない場合の実圧縮比及び駆動電流の推移の一例を示す。
まず、VCRコントローラ214が時間t3で電動アクチュエータ198の駆動電流が耐熱許容電流閾値を超えたことを検出する。そして、VCRコントローラ214は、タイマを起動し、電動アクチュエータ198の駆動電流が耐熱許容電流閾値より低下することなく時間t3から所定時間(耐熱許容オーバ判定時間)経過したとき(時間t3から所定時間経過した時間t4)に、異常が発生したことを検知する。このとき、異常を検知したVCRコントローラ214は、ECM216に異常発生及び異常の種類を報知するデータを送信する。このデータを受信したECM216は、報知された異常の種類により位置制御が可能であると判定して目標圧縮比を異常検知時の目標圧縮比から低圧縮比側に変更して、その変更された目標圧縮比のデータをVCRコントローラ214に送信する。そのデータを受信したVCRコントローラ214は圧縮比を目標圧縮比に変更する制御を行う。この制御により、図4に示すように、圧縮比が目標圧縮比まで低下して、それに伴い駆動電流も低下する。
そして、図4に示すように時間t4から第1の所定時間が経過した時間t5の時点より前に駆動電流が低下した場合、すなわち、圧縮比の高圧縮比側への変更を禁止してから第1の所定時間経過する前に駆動電流が耐熱許容電流閾値より低下した場合は、ECM216及びVCRコントローラ214は目標圧縮比を維持する制御を行う。更に、圧縮比の高圧縮比側への変更を禁止してから電動アクチュエータ198の電動機の温度が低下するのに十分な第2の所定時間(温度低下必要時間)が経過した時間t6で、ECM216及びVCRコントローラ214は、圧縮比の制御を通常制御に復帰させる。
また、前述したように、このような制御と共に点火時期及びVTC機構180を圧縮比に応じて適切に制御することにより、維持した圧縮比に応じて燃焼悪化を防止することができる。
図5において、圧縮比閾値1は、圧縮比閾値2より大きく、実圧縮比3及び駆動電流3は、実圧縮比検出時に圧縮比が圧縮比閾値1より高い場合の電流値及び圧縮比の推移の一例を示し、駆動電流4及び実圧縮比4は、実圧縮比検出時に圧縮比が圧縮比閾値1より低く、圧縮比閾値2より高い場合の電流値及び圧縮比の推移の一例を示す。
まず、VCRコントローラ214が時間t6で電動アクチュエータ198の駆動電流が耐熱許容電流閾値を超えたことを検出する。そして、VCRコントローラ214は、タイマを起動し、電動アクチュエータ198の駆動電流が耐熱許容電流閾値より低下することなく時間t7から所定時間(耐熱許容オーバ判定時間)経過したとき(時間t7から所定時間経過した時間t8)に、異常が発生したことを検知する。このとき、異常を検知したVCRコントローラ214は、ECM216に異常発生及び異常の種類を報知するデータを送信する。このデータを受信したECM216は、報知された異常の種類により位置制御が可能であると判定して目標圧縮比を異常検知時の目標圧縮比から低圧縮比側に変更して、その変更された目標圧縮比のデータをVCRコントローラ214に送信する。そのデータを受信したVCRコントローラ214は圧縮比を目標圧縮比に変更する制御を行う。この制御は、圧縮比を低下させることにより駆動電流を低下させるために行われるが、異常によっては図5に示すように駆動電流が低下しない場合がある。
そして、時間t8から第1の所定時間経過した時間t9において、駆動電流が耐熱許容電流閾値より低下せずに、圧縮比の高圧縮比側への変更を禁止してから駆動電流が耐熱許容電流閾値以上である状態が第1の所定時間継続しているので、ECM216及びVCRコントローラ214は、電動アクチュエータ198の駆動電流の出力を停止する制御を行う。このとき、ECM216は、VCRコントローラ214から検出した実圧縮比のデータを受信する。実圧縮比3のように圧縮比が圧縮比閾値1より高い場合には、圧縮比閾値1まで実圧縮比が低下した時間t11でECM216及びVCRコントローラ214は圧縮比を維持する制御を行う。一方、実圧縮比4のように圧縮比閾値1より低く、圧縮比閾値2より高い場合には、検出した実圧縮比より低いかつ検出した実圧縮比に最も近い値である圧縮比閾値2まで実圧縮比が低下した時間t10で、ECM216及びVCRコントローラ214は圧縮比を維持する制御を行う。
また、前述したように、このような制御と共に点火時期及びVTC機構180を圧縮比に応じて適切に制御することにより、維持した圧縮比に応じて燃焼悪化を防止することができる。
このようにすれば、過大な駆動電流による電動アクチュエータの故障を防止できる。
前記可変圧縮比機構に異常が発生したときに高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止し、
高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止した後に、前記電動アクチュエータの駆動電流が所定値以上である状態が所定時間継続したときに、前記所定圧縮比より低い所定圧縮比以下になるまで、前記電動アクチュエータへの通電を停止する、内燃機関の制御装置。
このようにすれば、過大な駆動電流による電動アクチュエータの故障を防止できる。
このようにすれば、VCR機構190のフェイルセーフ制御と協調してVTC機構180を制御でき、実有効圧縮比変更に対処することができる。
このようにすれば、VCR機構190のフェイルセーフ制御と協調して点火時期を制御でき、実有効圧縮比変化に伴う燃焼悪化を防止するよう対処することができる。
190…可変圧縮比(VCR)機構
198…電動アクチュエータ
210…制御装置
214…VCRコントローラ
216…ECM
Claims (2)
- 圧縮比を電動アクチュエータによって変更する可変圧縮比機構を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記可変圧縮比機構に異常が発生したときに高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止し、
高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止してから第1の所定時間が経過する前に前記電動アクチュエータの駆動電流が所定値より低くなったときに、高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止してから前記第1の所定時間より長い第2の所定時間が経過した後に圧縮比を前記内燃機関の運転状況に応じて制御する通常制御を行う、
内燃機関の制御装置。 - 圧縮比を電動アクチュエータによって変更する可変圧縮比機構を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記可変圧縮比機構に異常が発生したときに高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止し、
高圧縮比側への圧縮比の制御を禁止してから前記電動アクチュエータの駆動電流が所定値以上である状態が所定時間継続したときに、前記電動アクチュエータの通電を停止する、
内燃機関の制御装置。
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