JP4403958B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
一般的に圧縮比をあげるとエンジンの熱効率が向上することが知られている。しかし、圧縮比を上げすぎるとノッキング(異常燃焼)が発生するため、特に高負荷領域ではあまり圧縮比を上げることができない。そのため、圧縮比を可変とし得るエンジンにおいて、目標圧縮比を低負荷域で大きく、高負荷域で小さく設定することで、ノッキングを発生させずに燃料消費率を向上させようとする手法が特許文献1等により従来から知られている。
また、特許文献2には、内燃機関の圧縮比を可変するいわゆる可変圧縮比機構の故障を検知する手法が開示されている。
特開平7−229431号公報 特開2001−182571号公報
しかしながら、特許文献2においては、圧縮比を可変する可変圧縮比機構が何らかの理由で故障した場合、実際の圧縮比と検出した圧縮比との間に乖離が生じ、空気量制御や点火時期制御が適切に行われなくなり、ノッキングが頻繁に発生してしまう虞がある。
そこで、本発明は、圧縮比操作が可能な可変圧縮比機構を備えたエンジンにおいて、可変圧縮比機構の故障時に、エンジンのノッキング等の問題を回避することを主たる狙いとしている。
本発明は、機関運転状態に応じて機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、機関圧縮比を検出する圧縮比検出手段を有するものであって、圧縮比検出手段で検出された検出圧縮比を用いて内燃機関の各種制御を行う内燃機関の制御装置において、可変圧縮比機構の異常の有無を判定する異常判定手段を有し、可変圧縮比機構に異常があると判定された際には、圧縮比検出手段で検出された検出圧縮比に所定値を上乗せした異常時制御用圧縮比を用いて内燃機関の各種制御を行うことを特徴としている。
本発明によれば、可変圧縮比機構に異常が生じた場合には、異常時制御用圧縮比を用いて内燃機関の各種制御が行われるので、ノッキングの発生や、極端な燃費な悪化及び運転性低下を回避することができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の制御装置のシステム構成の概略を示す説明図である。内燃機関は、機関運転状態に応じて機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構102を備えている。この可変圧縮比機構102は、基本的には、エンジンコントロールユニット(以下、ECUと記す)31で機関運転状態に応じて演算された目標圧縮比tεとなるように制御されている。
まず、可変圧縮比機構102について説明する。クランクシャフト51は、複数のジャーナル部52とクランクピン部53とを備えており、シリンダブロック50の主軸受に、ジャーナル部52が回転自在に支持されている。クランクピン部53は、ジャーナル部52から所定量偏心しており、ロアリンク54が回転自在に連結されている。
ロアリンク54は、左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔に上記クランクピン部53が嵌合している。
アッパリンク55は、下端側が連結ピン56によりロアリンク54の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン57によりピストン58に回動可能に連結されている。ピストン58は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック50のシリンダ59内を往復動する。尚、シリンダ59の上部には、図示せぬ吸気弁および排気弁が配置されている。
コントロールリンク60は、上端側が連結ピン61によりロアリンク54の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸62を介して機関本体の一部となるシリンダブロック50の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸62は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部62aを有し、この偏心カム部62aにコントロールリンク60下端部が回転可能に嵌合している。
制御軸62は、ECU31からの制御信号(目標圧縮比tεに相当)に基づき、電動モータを用いた圧縮比制御アクチュエータ63によって回動位置が制御される。
また、制御軸62には、その回動位置を検出する位置検出センサ32が設けられている。この位置検出センサ32の検出信号は、ECU31に入力されており、位置検出センサ32の検出信号に基づいてECU31内で可変圧縮比機構102の現在の機関圧縮比(検出圧縮比ε1)が演算されている。つまり、位置検出センサ32と、位置検出センサ32のセンサ検出値を基に可変圧縮比機構102の現在の機関圧縮比を演算するECU31内の演算プログラムと、によって機関圧縮比(検出圧縮比ε1)を検出する圧縮比検出手段が構成されている。尚、図1中の33はノックセンサである。
上記のような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変圧縮比機構102においては、制御軸62が圧縮比制御アクチュエータ63によって回動されると、偏心カム部62aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク60の下端の揺動支持位置が変化する。そして、コントロールリンク60の揺動支持位置が変化すると、ピストン58の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストンの位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
可変圧縮比機構102の制御に用いられる目標圧縮比tεは、ECU31内で演算されている。図2は及び図3は、この目標圧縮比tεの演算手順をブロック線図とフローチャートでそれぞれ示したものである。
まず、アクセル開度APOとエンジン回転数Neとから要求負荷となる目標トルクtT1を求める(図2のB11、図3のS11)。次に、この目標トルクtT1とエンジン回転数Neとから可変圧縮比機構102の目標圧縮比tεを求める(図2のB12、図3のS12)。目標圧縮比tεは、具体的には、図4に示すようなマップを用いて求められる。また、この目標圧縮比tεは、図5に示すように、エンジン回転数を一定とすれば、目標トルクtT1が大きくなるにつれて小さくなるよう設定されるものである。
図6は、可変圧縮比機構102の圧縮比制御アクチュエータ63の制御の手順を示すブロック線図である。
可変圧縮比機構102の検出圧縮比ε1は、位置検出センサ32のセンサ検出値を単位変換し(B21)、可変圧縮比機構102で実現可能な最大圧縮比から最小圧縮比までの上下限処理を施す(B22)ことによって演算される。そして、検出圧縮比ε1と目標圧縮比tεとの差分に応じて圧縮比制御アクチュエータ63への制御指令値が決定されている(B23)。
また、ECU31は、可変圧縮比機構102で設定された圧縮比に基づいて、目標スロットル開度、点火時期等のエンジンの各種制御を実施している。
図7は、ECU31で行われる目標スロットル開度の演算手順を示すブロック線図である。
要求負荷演算部であるB31では、アクセル開度APOとエンジン回転数Neに応じて目標トルクtT1を演算する。具体的には、例えば、アクセル開度APOとエンジン回転数Neとに応じて目標トルクtT1が割り付けられたマップを用いて、目標トルクtT1を演算する。
B32では、目標トルクtT1とエンジン回転数Neに応じて要求空気量rPを演算する。具体的には、例えば、目標トルクtT1とエンジン回転数Neとに応じて要求空気量rPが割り付けられたマップを用いて、要求空気量rPを演算する。
B33では、制御用圧縮比ε(詳細は後述)に応じてノッキングを回避可能な空気量である上限空気量tPmaxを演算する。この上限空気量tPmaxは、例えば、制御用圧縮比εと上限空気量tPmaxとが割り付けられたマップを用いて演算される。尚、上限空気量tPmaxは、制御用圧縮比εが小さいほど大きくなるよう設定されるものである。
B34では、B32で演算された要求空気量rPと、B33で演算された上限空気量tPmaxの大小を比較し、小さい方を目標空気量tPとする。
B35では、目標空気量tPを実現可能なスロットル開度を目標スロットル開度とする。尚、図7において、B32〜B35が目標スロットル開度演算部となる。
図8は、ECU31で行われる点火時期の演算手順を示すブロック線図である。エンジン負荷演算部であるB41では、エアフローメータの出力値とエンジン回転数Neを用いてエンジン負荷Tを演算する。具体的には、例えば、エアフローメータの出力値とエンジン回転数Neとに応じてエンジン負荷が割り付けられたマップを用いて、エンジン負荷Tを演算する。
そして、点火時期演算部であるB42において、B41で演算されたエンジン負荷Tと、エンジン回転数Neと、制御用圧縮比εと、を用いて要求点火時期を演算する。この要求点火時期は、例えば、制御用圧縮比ε毎に、エンジン負荷Tとエンジン回転数Neとが割り付けられた複数のマップを用いて演算される。
図9は、上述した制御用圧縮比εの演算手順の概略を示すブロック線図である。この制御用圧縮比εは、可変圧縮比機構102の異常の有無に応じて決定されるものである。
可変圧縮比機構異常判定部であるB51では、可変圧縮比機構102に異常があるかないか、また異常が有る場合にはどうのような異常であるのかを判定する。すなわち、B51では、可変圧縮比機構102の異常の有無及び異常の種類を判別する。
異常時制御用圧縮比演算部であるB52では、検出圧縮比ε1とB51での判定結果とを用いて、異常時制御用圧縮比eεを演算する。
B53では、検出圧縮比ε1と異常時制御用圧縮比eεのどちらを制御用圧縮比εと用いるかを決定する。すなわち、B53では、可変圧縮比機構102に異常があると判定された際には、B52で演算された異常時制御用圧縮比eεを制御用圧縮比εとして選択し、可変圧縮比機構102に異常がない場合には、検出圧縮比ε1を制御用圧縮比εとして選択する。
図10は、上述した図9の可変圧縮比機構異常判定部(B51)内で行われる演算手順を具体的に示すブロック線図である。
アクチュエータ駆動電流時間演算手段であるB61では、圧縮比制御アクチュエータ63を流れるアクチュエータ駆動電流が、予め設定された所定値よりも大きい値に連続してなっている時間、すなわち駆動電流大時間Imaxtimeを計測する。換言すれば、アクチュエータ駆動電流が連続して大となっている時間を計測する。
圧縮比ズレ量演算手段であるB62では、検出圧縮比ε1と目標圧縮比tεとの偏差であるΔεを演算する。
圧縮比ズレ時間演算手段であるB63では、B62で演算されたΔεが予め設定された所定値よりも大きい値に連続してなっている時間、すなわち検出圧縮比ε1と目標圧縮比tεとの偏差Δεが大となっている時間Δtimeを計測する。
ノッキング頻度演算手段であるB64では、ノックセンサ33からの信号に基づいて、ノッキングの発生頻度を演算する。
可変圧縮比機構異常判定手段であるB65では、B61、B63及びB64からの入力に基づいて、予備判別フラグfNG1、fNG2及びfNG3のフラグ判定を実施する。具体的は、駆動電流大時間Imaxtimeが予め設定された所定値よりも大きい場合には、予備判別フラグであるfNG1を「1」とし、所定値以下の場合にはfNG1を「0」とする。Δεが予め設定された所定値よりも大きい場合には、予備判別フラグであるfNG2を「1」とし、所定値以下の場合にはfNG2を「0」とする。そして、ノッキングの発生頻度が予め設定された所定値より大きい場合には、予備判別フラグであるfNG3を「1」とし、所定値以下の場合にはfNG3を「0」とする。
故障モード判定手段であるB66では、予備判別フラグfNG1、fNG2及びfNG3を用いて、可変圧縮比機構102の故障モード(詳細は後述)を推定し、故障モードに対応した判別フラグFNG(詳細は後述)を出力する。
図11は、予備判別フラグfNG1、fNG2及びfNG3と推定される故障モードとの相関関係をまとめたものである。
予備判別フラグfNG1、fNG2及びfNG3が全て「0」の場合には、可変圧縮比機構102に異常はなく正常と判定され、判別フラグFNGを「0」とする。
予備判別フラグfNG1が「1」、fNG2及びfNG3が「0」の場合には、可変圧縮比機構102に機械的な固着が生じて圧縮比の変更操作が出来ないメカ固着による異常と判定され、判別フラグFNGを「1」とする。尚、このメカ固着という概念は、本明細書においては、断線等による圧縮比制御用アクチュエータ63の動作不良により圧縮比の変更操作が出来ない場合を含むものとする。
予備判別フラグfNG1及びfNG3が「0」、fNG2が「1」の場合には、位置検出センサ32の断線により検出圧縮比ε1が可変圧縮比機構102の最小圧縮比になっている異常(センサ断線による異常)と判定され、判別フラグFNGを「2」とする。
予備判別フラグfNG1及びfNG2が「0」、fNG3が「1」の場合には、経年変化により位置検出センサ33の出力レンジが変化した、いわゆるセンサドリフトによる異常と判定され、判別フラグFNGを「3」とする。尚、位置検出センサ33のセンサドリフトは、厳密に言えば、検出圧縮比ε1が低圧縮側にずれた場合のみ検出可能である。
予備判別フラグfNG1及びfNG2が「1」、fNG3が「0」の場合には、上述したメカ固着による異常と判定され、判別フラグFNGを「1」とする。
予備判別フラグfNG1及びfNG3が「1」、fNG2が「0」の場合には、上述したセンサドリフトによる異常と判定され、判別フラグFNGを「3」とする。
予備判別フラグfNG1が「0」、fNG2及びfNG3が「1」の場合には、位置検出センサ33の断線による異常と判定され、判別フラグFNGを「2」とする。
予備判別フラグfNG1、fNG2及びfNG3が全て「1」の場合には、位置検出センサ33の断線による異常と判定され、判別フラグFNGを「2」とする。
図12は、上述した可変圧縮比機構異常判定手段(図10におけるB65)内で行われる演算手順を具体的に示すフローチャートである。
S21では、駆動電流大時間が予め設定された所定値よりも大きいか否かを判定し、大きい場合にはS22に進んで予備判別フラグfNG1を「1」とし、そうでない場合には予備判別フラグfNG1を「0」とした状態でS23へ進む。
S23では、Δtimeが予め設定された所定値よりも大きいか否かを判定し、大きい場合にはS24に進んで予備判別フラグfNG2を「1」とし、そうでない場合には予備判別フラグfNG2を「0」とした状態でS25へ進む。
S25では、ノッキングの発生頻度が予め設定された所定値よりも大きいか否かを判定し、大きい場合にはS26へ進んで予備判別フラグfNG3を「1」とし、そうでない場合には予備判別フラグfNG3を「0」とした状態で終了する。
図13は、上述した図9の異常時制御用圧縮比演算部(B52)内で行われる演算手順を具体的に示すブロック線図である。
圧縮比上乗せ量演算手段であるB71では、上述した判別フラグFNGとノッキング強度(ノックセンサのセンサ出力信号の大きさ)等に応じて、検出圧縮比εに上乗せさせる圧縮比上乗せ量を決定する。
具体的には、判別フラグFNGが「1」の場合には、圧縮比上乗せ量をゼロとする。判別フラグFNGが「2」の場合には、可変圧縮比機構102で実現可能な最大圧縮比と最小圧縮比との差分を圧縮比上乗せ量とする。判別フラグFNGが「3」の場合には、上述したセンサドリフトによる実際の圧縮比(実圧縮比)に対しての検出圧縮比ε1のズレ量を圧縮比上乗せ量とする。このズレ量は、例えば、ノッキング強度との相関を予め実験適合等により求めてマップ化しておくことで演算される。図14に、判別フラグFNGに応じた圧縮比上乗せ量をまとめた説明図を示す。
上述した本願発明の実施形態においては、内燃機関の各種制御に用いられる制御用圧縮比εが、可変圧縮比機構102の異常の有無に応じて決定される。
制御用圧縮比εとして常に検出圧縮比ε1を用いた場合、位置検出センサ33が断線すると検出圧縮比1εが最小圧縮比となってしまい、目標圧縮比tεが検出圧縮比ε1に対して大きな値となって、圧縮比制御アクチュエータ63は圧縮比を上げる方向に制御される。つまり、図15に示すように、検出圧縮比εが小さい値で動かなくなった場合、圧縮比制御アクチュエータ63は、圧縮比を上げる方向に制御されるため、可変圧縮比機構102の実際の圧縮比(実圧縮比)は高い値になっている可能性が高い。そのため、このような状態で、検出圧縮比ε1を制御用圧縮比εとして使用すると、実際の圧縮比(実圧縮比)と検出圧縮比ε1との間に乖離が生じ、空気量制御や点火時期制御等が適切に行われなくなり、高負荷域でノッキングが発生し易くなる。
しかしながら、本実施形態においては、位置検出センサ33が断線したと推定される場合(FNG=2)には、図16に示すように、検出圧縮比ε1に対して可変圧縮比機構102で実現可能な最大圧縮比と最小圧縮比との差分を加算した値を制御用圧縮比εとして用いている。すなわち、制御用圧縮比εが可変圧縮比機構102で実現し得る最大圧縮比に設定される。そのため、制御用圧縮比εを用いた各種制御が最大圧縮比相当で実施されることになり、空気量制御では最大空気量が絞られ、点火時期制御ではリタード側に設定がなされるため、確実にノッキングの発生を回避することができる。
位置検出センサ33が上述したセンサドリフト状態となっており、検出圧縮比ε1が実際の圧縮比(実圧縮比)に対して小さめな値となっていると推定される場合(FNG=3)には、図17に示すように、検出圧縮比ε1に、実際の圧縮比(実圧縮比)に対する検出圧縮比ε1のズレ量を圧縮比上乗せしたものを制御用圧縮比εとして用いる。そのため、空気量制御では最大空気量が絞られ、点火時期制御ではリタード側に設定がなされるため、確実にノッキングの発生を回避することができる。また、制御用圧縮比εを用いた各種制御が実際の圧縮比(実圧縮比)により近い状態で実施されることになるため、燃費や最高出力の低下を最低限に抑えることができる。
圧縮比可変機構102が故障して圧縮比の可変操作ができないと推定される場合(FNG=1)には、図18に示すように、可変圧縮比機構102による圧縮比可変操作を禁止し、圧縮比を固定して、実圧縮比ε1を制御用圧縮比εとして用いる。すなわち、目標圧縮比tεによる可変圧縮比機構102の操作を行わない。そのため、圧縮比制御アクチュエータ63の操作量を減らすことが可能となり、消費エネルギーの低減を図ることができる。尚、判別フラグFNGが「1」の場合、検出圧縮比ε1と目標圧縮比tεとの間には差がないため、圧縮比の上乗せを行わずともノッキングの発生は回避できる。
尚、上述した実施形態においては、判別フラグFNGが「1」の場合に制御用圧縮比εとして検出圧縮比ε1を用いているが、制御用圧縮比εとして可変圧縮比機構102で実現可能な最大圧縮比や検出圧縮比ε1にノッキング強度に応じて所定値を上乗せした値を用いることも可能である(図19を参照)。そして、判別フラグFNGが「2」の場合に制御用圧縮比εとして可変圧縮比機構102で実現可能な最大圧縮比を用いているが、制御用圧縮比εとして検出圧縮比ε1にノッキング強度に応じて所定値を上乗せした値を用いることも可能である(図19を参照)。また、判別フラグFNGが「3」の場合に制御用圧縮比εとして検出圧縮比ε1にノッキング強度に応じて所定値を上乗せした値を用いているが、制御用圧縮比εとして可変圧縮比機構102で実現可能な最大圧縮比を用いることも可能である(図19を参照)。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) 機関運転状態に応じて機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、機関圧縮比を検出する圧縮比検出手段を有するものであって、
圧縮比検出手段で検出された検出圧縮比を用いて内燃機関の各種制御を行う内燃機関の制御装置において、可変圧縮比機構の異常の有無を判定する異常判定手段を有し、可変圧縮比機構に異常があると判定された際には、圧縮比検出手段で検出された検出圧縮比に所定値を上乗せした異常時制御用圧縮比を用いて内燃機関の各種制御を行う。これによって、可変圧縮比機構に異常が生じた場合には、異常時制御用圧縮比を用いて内燃機関の各種制御が行われるので、ノッキングの発生や、極端な燃費な悪化及び運転性低下を回避することができる。
(2) 上記(1)に記載の内燃機関の制御装置において、異常時制御用圧縮比は、可変圧縮比機構が実現可能な最大圧縮比である。
(3) 上記(1)に記載の内燃機関の制御装置において、異常判定手段は、可変圧縮比機構の異常の種類を判別可能なものであって、検出圧縮比に上乗せされる所定値は、故障の種類に応じて設定されている。
これによって、可変圧縮比機構の故障モードに応じた異常時制御用圧縮比を用いて内燃機関の各種制御が行われるので、ノッキングの発生や、極端な燃費な悪化及び運転性低下を一層効果的に回避することができる。
(4) 上記(3)に記載の内燃機関の制御装置において、異常判定手段により内燃機関の実際の圧縮比と検出圧縮比との偏差が大きいと推定される異常時には、異常時制御用圧縮比を可変圧縮比機構が実現可能な最大圧縮比とする。これによって、異常時制御用圧縮比を用いた内燃機関の各種制御が最大圧縮比相当で実施されることになり、空気量制御では最大空気量が絞られ、点火時期制御ではリタード側に設定がなされるため、確実にノッキングの発生を回避することができる。また、可変圧縮比機構の故障に起因して内燃機関全体の性能が悪化してしまうことを回避できる。
(5) 上記(3)または(4)に記載の内燃機関の制御装置において、内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出手段を有し、異常判定手段により内燃機関の実際の圧縮比と検出圧縮比との偏差が小さいと推定されるにも関わらずノッキングが発生する異常時には、検出圧縮比に上乗せされる所定値がノッキングの強度に応じて決定される。これによって、異常時制御用圧縮比は検出圧縮比よりも大きな値となるため、空気量制御では最大空気量が絞られ、点火時期制御ではリタード側に設定がなされ、確実にノッキングの発生を回避することができる。
(6) 上記(3)〜(5)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、異常判定手段により内燃機関の実際の圧縮比と検出圧縮比との偏差がほとんどないと推定されるにも関わらず可変圧縮比機構による圧縮比可変操作が不可能な異常時には、可変圧縮比機構による圧縮比可変操作を禁止し、検出圧縮比を異常時制御用圧縮比とする。これによって、消費エネルギーの低減を図ることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置のシステム構成の概略を示す説明図。 目標圧縮比tεの演算手順を示すブロック線図。 目標圧縮比tεの演算手順を示すフローチャート。 目標圧縮比tε算出用のマップ図。 目標圧縮比tε算出用のマップ図。 圧縮比制御アクチュエータの制御の手順を示すブロック線図。 目標スロットル開度の演算手順を示すブロック線図。 点火時期の演算手順を示すブロック線図。 制御用圧縮比εの演算手順の概略を示すブロック線図。 図9の可変圧縮比機構異常判定部(B51)内で行われる演算手順を具体的に示すブロック線図。 予備判別フラグfNG1、fNG2及びfNG3と推定される故障モードとの相関関係を示す説明図。 図10の可変圧縮比機構異常判定手段(B65)内で行われる演算手順を具体的に示すフローチャート。 図9の異常時制御用圧縮比演算部(B52)内で行われる演算手順を具体的に示すブロック線図。 判別フラグFNGに応じた圧縮比上乗せ量をまとめた説明図。 制御用圧縮比εとして常に検出圧縮比ε1を用いた際に、検出圧縮比εが小さい値で動かなくなった場合のアクセル開度、各種圧縮比及びトルクの変化の一例を示すタイミングチャート。 FNG=2の場合のアクセル開度、各種圧縮比及びトルクの変化の一例を示すタイミングチャート。 FNG=3の場合のアクセル開度、各種圧縮比及びトルクの変化の一例を示すタイミングチャート。 FNG=1の場合のアクセル開度、各種圧縮比及びトルクの変化の一例を示すタイミングチャート。 故障モードに対応して設定される制御用圧縮比εの設定可能例をまとめた説明図。
符号の説明
31…エンジンコントロールユニット
32…位置検出センサ
63…圧縮比制御アクチュエータ
102…可変圧縮比機構

Claims (6)

  1. 機関運転状態に応じて機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、機関圧縮比を検出する圧縮比検出手段を有するものであって、
    圧縮比検出手段で検出された検出圧縮比を用いて内燃機関の各種制御を行う内燃機関の制御装置において、
    可変圧縮比機構の異常の有無を判定する異常判定手段を有し、可変圧縮比機構に異常があると判定された際には、圧縮比検出手段で検出された検出圧縮比に所定値を上乗せした異常時制御用圧縮比を用いて内燃機関の各種制御を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 異常時制御用圧縮比は、可変圧縮比機構が実現可能な最大圧縮比であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 異常判定手段は、可変圧縮比機構の異常の種類を判別可能なものであって、検出圧縮比に上乗せされる所定値は、異常の種類に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 異常判定手段により圧縮比検出手段を構成するセンサが断線したと推定される異常時には、異常時制御用圧縮比を可変圧縮比機構が実現可能な最大圧縮比とすることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出手段を有し、
    異常判定手段により検出圧縮比が実際の圧縮比に対して小さめな値となっていると推定される異常時には、検出圧縮比に上乗せされる所定値がノッキングの強度に応じて決定されることを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 異常判定手段により可変圧縮比機構による圧縮比の可変操作ができないと推定される異常時には、可変圧縮比機構による圧縮比可変操作を禁止し、検出圧縮比を異常時制御用圧縮比とすることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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