JP6967860B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6967860B2
JP6967860B2 JP2017044759A JP2017044759A JP6967860B2 JP 6967860 B2 JP6967860 B2 JP 6967860B2 JP 2017044759 A JP2017044759 A JP 2017044759A JP 2017044759 A JP2017044759 A JP 2017044759A JP 6967860 B2 JP6967860 B2 JP 6967860B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric actuator
target value
internal combustion
combustion engine
compression ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017044759A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018145958A (ja
Inventor
直樹 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Astemo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Astemo Ltd filed Critical Hitachi Astemo Ltd
Priority to JP2017044759A priority Critical patent/JP6967860B2/ja
Priority to CN201880003629.8A priority patent/CN109790783B/zh
Priority to DE112018001212.3T priority patent/DE112018001212T5/de
Priority to PCT/JP2018/008507 priority patent/WO2018164097A1/ja
Priority to US16/334,163 priority patent/US11008955B2/en
Publication of JP2018145958A publication Critical patent/JP2018145958A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6967860B2 publication Critical patent/JP6967860B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/04Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
    • F02B75/045Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of a variable connecting rod length
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/04Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
    • F02B75/048Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of a variable crank stroke length
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D15/00Varying compression ratio
    • F02D15/02Varying compression ratio by alteration or displacement of piston stroke

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、内燃機関の動作特性を電動アクチュエータによって可変とする可変機構を備えた内燃機関の制御技術に関する。
特許文献1には、内燃機関のピストンの上死点位置を変化させることで、内燃機関の圧縮比(機械圧縮比)を連続的に変更する可変圧縮比機構が開示されている。
この可変圧縮比機構は、制御軸を電動モータからなる電動アクチュエータによって回転駆動することで、内燃機関のピストンの上死点位置を変化させる機構である。
特開2016−117452号公報
例えば、電動アクチュエータによって内燃機関のピストンの上死点位置を変化させる可変圧縮比機構では、圧縮比を低める場合(燃焼室容積を拡大する場合)燃焼圧は可変圧縮比機構の動作を補助するアシスト力として作用するが、圧縮比を高める場合(燃焼室容積を縮小する場合)燃焼圧は可変圧縮比機構の動作を妨げる反力として作用する。
このため、可変圧縮比機構を制御する制御装置は、目標値に到達した圧縮比を維持する場合も、電動アクチュエータによって反力に抗するトルク(保持トルク)を発生させる必要がある。
また、制御装置が、内燃機関の電源スイッチの操作状態を示すスイッチ信号に基づき電源の自己遮断を行う回路(セルフシャットダウン手段)を備える場合、前記回路が入力するスイッチ信号が信号ラインの天絡などによって電源スイッチのオン操作状態を示すレベルに固着する異常が発生すると、電源スイッチがオフ側に操作されても制御装置は電源投入状態に維持されることになる。
更に、制御装置がCAN(Controller Area Network)などの車内通信回線に接続され、この車内通信回線を介して外部装置から可変機構の目標値を受けて可変機構を制御するシステムの場合、通信異常時には、内部メモリに予め記憶されている故障用目標値に可変機構を制御するよう構成される場合がある。
係る構成において、制御装置がスイッチ信号の固着故障によって電源投入状態を維持する状態で電源スイッチがオフ側に操作され、目標値を送信する外部装置の電源が遮断されることで当該外部装置との間での通信が異常になると、制御装置は、可変機構を故障用目標値に制御することになる。
このとき、制御装置は、通信正常時と同様に、制御量が目標値に収束した後も保持トルクを発生し続けるように電動アクチュエータを制御するため、内燃機関が停止している状態で電動アクチュエータへの通電が継続され、電動アクチュエータで多くの電力が無駄に消費されることになる。
つまり、制御装置は、スイッチ信号の固着故障の発生を検知できず、また、通信異常が電源スイッチのオフ操作に因るものか車内通信回線の故障によるものか(換言すれば、内燃機関が運転中であるか停止状態であるか)を区別することができなかったので、スイッチ信号の固着故障が発生して通信異常になると、内燃機関が停止していても運転中と同様に内燃機関の反力に抗するトルクを発生させる電動アクチュエータの駆動制御を継続させる場合があった。
そして、内燃機関の停止中に電動アクチュエータの駆動が継続されると、電動アクチュエータによる電力消費によってバッテリが消耗し、内燃機関の始動性が低下するという問題が生じる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、内燃機関が運転中であるか停止状態であるかに応じて制御動作を行える内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、その1つの態様において、車両に搭載される内燃機関が備える可変圧縮比機構を制御する内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構は、電動アクチュエータによって回動される制御シャフトの角度位置をストッパで制限される範囲内で変更することで、前記内燃機関のピストンの上死点位置を変更して機械圧縮比を可変とする機構であって、前記内燃機関の運転によって前記制御シャフトの角度位置を変化させる反力を受け、前記制御装置は、前記制御シャフトの角度位置の目標値を前記制御装置に向けて送信する外部装置と車内通信回線を介して相互に通信可能に接続され、前記電動アクチュエータへの通電を制御して前記制御シャフトの角度位置を制御する制御手段と、前記車内通信回線を介した前記外部装置との通信に異常が生じたときに用いる前記目標値であって、前記ストッパから離れた位置である異常時用目標値を格納したメモリと、を備え、前記制御手段は、前記外部装置と通信可能であるか通信不能であるかに基づき、前記外部装置との通信が正常であるか異常であるかを判断し、前記外部装置との通信が正常であるときは、前記外部装置から取得した前記目標値と前記制御シャフトの角度位置の検出値との比較に基づき前記電動アクチュエータへの通電を制御し、前記外部装置との通信に異常が生じたときは、前記メモリから前記異常時用目標値を取得し、前記異常時用目標値と前記検出値との比較に基づき前記電動アクチュエータへの通電を制御し、前記異常時用目標値に基づき前記電動アクチュエータへの通電を制御したときに、前記異常時用目標値と前記検出値との偏差の絶対値が第1所定値以下になると前記電動アクチュエータへの通電を停止し、通電停止後に前記偏差の絶対値が前記第1所定値よりも大きい第2所定値を超えたときは前記内燃機関が運転中であると判断して前記電動アクチュエータへの通電を再開させて前記制御シャフトの角度位置を前記異常時用目標値に制御し、通電停止後に前記偏差の絶対値が前記第2所定値以下である場合、前記内燃機関が停止状態であると判断して前記電動アクチュエータの通電停止状態を継続させる。
上記発明によると、制御装置は、内燃機関が運転中であるか停止しているかに応じて制御動作を行え、内燃機関の停止状態で電力が無駄に消費されることになる制御動作を抑制することが可能になる。
本発明の実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。 本発明の実施形態におけるVCRコントローラの内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における通信異常時のフェイルセーフ処理の第1実施例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における第1実施例のフェイルセーフ処理の動作を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態における通信異常時のフェイルセーフ処理の第2実施例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における通信異常時のフェイルセーフ処理の第3実施例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における第3実施例のフェイルセーフ処理の動作を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態における通信異常時のフェイルセーフ処理の第4実施例を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、車両用内燃機関の一態様を示す。
図1の車両用内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2内に形成されたシリンダボア3内に設けられたピストン4と、吸気ポート5及び排気ポート6が形成されるシリンダヘッド10と、吸気ポート5,排気ポート6の開口端を開閉する1気筒当たりそれぞれ1対の吸気バルブ7,7及び排気バルブ8,8と、を備えている。
ピストン4は、ロアリンク11とアッパリンク12とからなるコンロッド13を介してクランクシャフト9に連結されている。
そして、燃焼室14は、ピストン4の冠面4aとシリンダヘッド10の下面との間に形成される。点火プラグ15は、燃焼室14を形成するシリンダヘッド10の略中央に配置される。
点火プラグ15は、点火コイル41から高電圧が供給されることで火花放電して燃焼室14内の燃料を着火燃焼させる。
また、内燃機関1は、ピストン4の上死点位置(燃焼室容積)を変更することで機械圧縮比を可変とする可変圧縮比機構23を備えている。可変圧縮比機構23は、内燃機関1の動作特性(ピストン4の上死点位置)を電動アクチュエータによって可変とする可変機構の一例である。
以下に、可変圧縮比機構23の構造の一例を説明する。
クランクシャフト9は、複数のジャーナル部9aとクランクピン部9bとを備え、シリンダブロック2の主軸受に、ジャーナル部9aが回転自在に支持される。
クランクピン部9bは、ジャーナル部9aから偏心し、ここにロアリンク11が回転自在に連結される。
ロアリンク11は2分割に構成され、略中央に設けた連結孔にクランクピン部9bが嵌合する。
アッパリンク12は、下端側が連結ピン25によりロアリンク11の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン26によりピストン4に回動可能に連結される。
コントロールリンク27は、上端側が連結ピン28によりロアリンク11の他端に回動可能に連結され、下端側が制御シャフト29を介してシリンダブロック2の下部に回動可能に連結される。
詳しくは、制御シャフト29は、回転可能に内燃機関本体(シリンダブロック2)に支持されていると共に、その回転中心から偏心している偏心カム部29aを有し、この偏心カム部29aにコントロールリンク27の下端部が回転可能に嵌合する。
制御シャフト29は、電動モータを動力源として用いる電動アクチュエータ30によって回動される。
上記のような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変圧縮比機構23においては、制御シャフト29が電動アクチュエータ30によって回動されると、偏心カム部29aの中心位置、つまり、内燃機関1の本体(シリンダブロック2)に対する相対位置が変化する。
これにより、コントロールリンク27の下端の揺動支持位置が変化してピストン4の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン4の位置が高くなったり低くなったりして内燃機関1の機械圧縮比(燃焼室容積)が変化する。
つまり、上死点におけるピストン4の位置は内燃機関1の動作特性であり、可変圧縮比機構23は、車両用内燃機関の動作特性を電動アクチュエータによって可変とする可変機構の一態様である。
そして、可変圧縮比機構23では、圧縮比を低める場合(燃焼室容積を拡大する場合)燃焼圧は可変圧縮比機構の動作を補助するアシスト力として作用するが、圧縮比を高める場合(燃焼室容積を縮小する場合)燃焼圧は可変圧縮比機構の動作を妨げる反力として作用する。
このため、可変圧縮比機構23の駆動制御においては、目標値に到達した圧縮比を維持させる場合も、電動アクチュエータ30によって反力に抗するトルク(保持トルク)を発生させる必要がある。
点火コイル41や吸気ポート5内に燃料を噴射する燃料噴射弁45などはエンジンコントローラ31Aによって制御され、可変圧縮比機構23はVCRコントローラ31Bによって制御される。
エンジンコントローラ31A及びVCRコントローラ31Bは、プロセッサ(CPU)やメモリを含んで構成されるマイクロコンピュータをそれぞれ備える。また、エンジンコントローラ31A及びVCRコントローラ31Bは、車内通信回線を構成するCAN(Controller Area Network)51に接続されていて、エンジンコントローラ31AとVCRコントローラ31Bとは相互通信可能に構成される。
エンジンコントローラ31Aは、内燃機関1の負荷や回転速度などの運転条件に基づき可変圧縮比機構23の目標値(目標圧縮比、制御シャフト29の目標角度位置)を演算し、演算した目標値のデータをVCRコントローラ31Bに向けて送信する。
VCRコントローラ31Bは、外部装置であるエンジンコントローラ31Aから送られた目標値のデータを読み込み、また、制御シャフト29の角度位置(制御量)を検出する角度センサ29Aの出力信号を読み込む。
そして、VCRコントローラ31Bは、角度センサ29Aの出力信号に基づき検出した制御シャフト29の角度位置が目標値に近づくように電動アクチュエータ30の操作量を演算し、演算した操作量を電動アクチュエータ30に出力する、圧縮比のフィードバック制御を実施する。
なお、VCRコントローラ31Bは、角度センサ29Aの出力信号に基づき検出した制御シャフト29の角度位置から実圧縮比を求め、この実圧縮比と目標圧縮比とを比較して操作量を演算することができ、また、角度センサ29Aの出力信号に基づき検出した制御シャフト29の角度位置と、目標圧縮比から求めた目標角度位置とを比較して操作量を演算することができる。
一方、VCRコントローラ31Bは、角度センサ29Aの出力に基づき検出した制御シャフト29の角度位置(又は、角度位置の検出値から求めた圧縮比)の情報や、診断結果の情報などをエンジンコントローラ31Aに出力する。
なお、エンジンコントローラ31A及びVCRコントローラ31Bの双方が、角度センサ29Aの出力信号を入力する構成とすることができる。
また、エンジンコントローラ31Aは、内燃機関1の運転状態を検出する各種センサの出力信号を入力する。
上記の各種センサとして、クランクシャフト9の所定角度位置で角度信号POSを出力するクランク角センサ32、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアーフローセンサ33、車両の運転者によるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ34、内燃機関1が搭載される車両の走行速度VSPを検出する車速センサ35、吸気カムシャフト24の所定角度位置で角度信号CAMを出力するカム角センサ36、内燃機関1の冷却水の温度TWを検出する水温センサ37、内燃機関1の排気中の酸素濃度に基づき空燃比AFを検出する空燃比センサ42、内燃機関1のノッキングによる振動を検出するノックセンサ43、内燃機関1の吸気温度TAを検出する吸気温センサ44などを内燃機関1に設けてある。
そして、エンジンコントローラ31Aは、上記各種センサの検出信号に基づいて内燃機関1への燃料供給量(燃料噴射弁45の燃料噴射量)や点火プラグ15による点火時期などを演算し、燃料噴射弁45に噴射パルス信号(空燃比制御信号)を出力し、また、点火コイル41の通電制御パルス信号(点火制御信号)を出力して、内燃機関1の運転を制御する。
図2は、VCRコントローラ31Bの内部構成を説明する図である。
VCRコントローラ31Bは、プロセッサ(CPU)やメモリを含んで構成されるマイクロコンピュータ61、外部のバッテリ70から電力供給を受けてマイクロコンピュータ61に電源供給する電源IC62、セルフシャットダウン機能を有した電源供給制御回路(電源供給手段)63などを備える。
マイクロコンピュータ61は、車内通信回線であるCAN51に接続され、同じくCAN51に接続されるエンジンコントローラ31AからCAN51を介して目標値(目標圧縮比)のデータを取得する。
電源供給制御回路63は、内燃機関1の電源スイッチ(エンジンスイッチ、イグニッションスイッチ)71の操作状態を示すスイッチ信号と、マイクロコンピュータ61の出力信号(電源供給制御信号)とを入力し、電源供給制御回路63の出力は、イネーブル信号ENとして電源IC62に入力される。
また、電源スイッチ71の操作状態を示すスイッチ信号(起動信号)は、マイクロコンピュータ61にも入力され、マイクロコンピュータ61は、電源スイッチ71の操作状態(オン/オフ)を検知できるよう構成される。
そして、電源供給制御回路63は、電源スイッチ71がオン側に操作されていることを示すスイッチ信号が入力されているときに、イネーブル信号ENをアクティブとし、電源IC62からマイクロコンピュータ61に電源投入させる。
また、電源供給制御回路63は、マイクロコンピュータ61が電源供給制御回路63に電源投入要求信号を出力するときにも、イネーブル信号ENをアクティブとし、電源IC62からマイクロコンピュータ61に電源投入させる。
つまり、電源供給制御回路63は、電源スイッチ71がオン側に操作されていることを示すスイッチ信号が入力されている状態、及び/又は、マイクロコンピュータ61が電源投入要求信号を出力する状態で、イネーブル信号ENをアクティブとし、電源IC62からマイクロコンピュータ61に電源投入させる。
ここで、マイクロコンピュータ61は、電源スイッチ71がオン操作されると電源投入されて起動し、電源スイッチ71がオン側に操作されていることを示すスイッチ信号が入力すると、電源投入要求信号の出力を開始し、電源スイッチ71がオフ側に操作されていることを示すスイッチ信号が入力された後、所定の処理を実施してから電源投入要求信号の出力を停止する(電源遮断要求信号を出力する)。
電源スイッチ71がオフ側に操作されている状態でマイクロコンピュータ61が電源投入要求信号の出力を停止する(電源遮断要求信号を出力する)と、電源供給制御回路63は、イネーブル信号ENをインアクティブとし、電源IC62からマイクロコンピュータ61への電源供給を遮断させる。つまり、マイクロコンピュータ61は、電源スイッチ71がオフ側に操作された時点から遅れて、電源供給を自己遮断する。
なお、エンジンコントローラ31Aも、VCRコントローラ31Bと同様に、電源スイッチ71がオフ側に操作された後に電源供給を自己遮断する機能を有することができる。
上記構成のVCRコントローラ31Bにおいて、電源供給制御回路63に入力されるスイッチ信号が、信号ラインの天絡などによって電源スイッチ71がオン側に操作されていることを示すレベルに固着する異常、つまり、電源スイッチ71がオフ側に操作されてもオン側に操作されていることを示すレベルにスイッチ信号が保持される異常が発生すると、電源供給制御回路63は、電源スイッチ71がオフ側に操作されてもイネーブル信号ENをアクティブに保持し、電源IC62からマイクロコンピュータ61に電源投入される状態に維持される。
一方、VCRコントローラ31Bは、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生し、エンジンコントローラ31Aから目標値のデータを取得できなくなると、内部メモリに予め記憶されている故障時用目標値に可変圧縮比機構23を制御するフェイルセーフ処理を実施するよう構成されている。
ここで、電源供給制御回路63に入力されるスイッチ信号が、電源スイッチ71がオン側に操作されていることを示すレベルに固着する異常が発生している状態で、電源スイッチ71がオフ側に操作されてエンジンコントローラ31Aへの電源供給が遮断されると、VCRコントローラ31Bは通信異常として、故障時用目標値に可変圧縮比機構23を制御するフェイルセーフ処理を実施することになる。
しかし、フェイルセーフ処理は、目標値が故障時用目標値であるものの、内燃機関1の反力が作用することを前提とする通常の駆動制御であるため、内燃機関1が停止していると電動アクチュエータ30で無駄に電力を消費させることになり、係る内燃機関1の停止中での電力消費によってバッテリ70が消耗し、バッテリ70を電源とする内燃機関1の始動性が低下する可能性がある。
そこで、VCRコントローラ31Bのマイクロコンピュータ61は、通信異常時のフェイルセーフ処理において、内燃機関1が運転中であるか停止しているかを判断し、内燃機関1の停止状態では可変圧縮比機構23の電動アクチュエータ30への通電(電動アクチュエータ30の駆動制御)を停止させる処理を実施する。
「第1実施例」
図3のフローチャートは、VCRコントローラ31Bのマイクロコンピュータ61による通信異常時のフェイルセーフ処理(制御手段)の一態様(第1実施例)を示す。
マイクロコンピュータ61は、ステップS101で、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生したか否かを判断する。
そして、通信異常がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS102へ進み、エンジンコントローラ31Aから送信された目標値と角度センサ29Aによる検出結果とに基づき電動アクチュエータ30の操作量を演算し、演算した操作量を電動アクチュエータ30に出力することで実圧縮比を目標値に近づける、通常制御(通信正常時制御)を実施する。
なお、マイクロコンピュータ61は、ステップS102での電動アクチュエータ30の制御において、実際の圧縮比が目標値に到達した後も内燃機関1の反力に抗するトルク(保持トルク)を発生させるように電動アクチュエータ30への通電を制御する。
一方、通信異常が生じていてエンジンコントローラ31Aから目標値のデータを取得できない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS103へ進み、可変圧縮比機構23の目標値として、内部メモリに予め記憶されている故障時目標値(内部生成目標値)を設定する。
なお、可変圧縮比機構23において圧縮比の可変範囲(換言すれば、電動アクチュエータの位置)はストッパで制限され、前記故障時目標値は、ストッパ位置で規定される最大圧縮比と最小圧縮比との間の中間値、つまり、最大圧縮比及び最小圧縮比の双方からずれた圧縮比(換言すれば、電動アクチュエータの位置がストッパから離れた位置)である。
次いで、マイクロコンピュータ61は、ステップS104へ進み、電動アクチュエータ30の駆動を一旦停止させた後に、圧縮比を故障時目標値に制御するための電動アクチュエータ30の駆動を再開させている状態であるか否かを判断する。
ここで、電動アクチュエータ30の駆動再開中ではない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS105に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS105で、電動アクチュエータ30の駆動制御によって実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴があるか否かを判断する。
そして、故障時目標値に収束した履歴がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS106へ進み、故障時目標値と実圧縮比との差(制御エラー)の絶対値、換言すれば、故障時目標角度と角度センサ29Aが検出した実角度との差の絶対値が設定値α以下であるか否かを判断することで、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した状態であるか否かを判断する。
なお、マイクロコンピュータ61は、故障時目標値と実圧縮比との差(制御エラー)の絶対値が設定値α以下である状態が設定時間以上継続したときに、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した状態であると判断することができる。
実際の圧縮比が故障時目標値に収束していない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS107を迂回して本ルーチンを終了させ、電動アクチュエータ30を駆動させて実圧縮比を故障時目標値に制御する。
一方、実際の圧縮比が故障時目標値に収束している場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS107へ進み、電動アクチュエータ30の駆動を停止(電動アクチュエータ30への電力供給を遮断)するとともに、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴を保存する。
マイクロコンピュータ61は、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴を保存すると、次回にステップS105に進んだときに、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴があると判断して、ステップS108に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS108で、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β(β>α)よりも大きくなったか否かを判断する。つまり、マイクロコンピュータ61は、実際の圧縮比が故障時目標値に収束すると、電動アクチュエータ30の駆動を停止することで、実際の圧縮比を故障時目標値に保持するための保持トルクの発生を停止させ、その後に実際の圧縮比が故障時目標値からずれるか否かを監視する。
そして、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β以下で、実際の圧縮比が故障時目標値付近に維持されている場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS109及びステップS110を迂回して本ルーチンを終了させ、電動アクチュエータ30の駆動停止状態を継続させる。つまり、電動アクチュエータ30の駆動を停止しても、実圧縮比が故障時目標値付近に維持される場合、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動停止状態を継続させる。
一方、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値βよりも大きくなった場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS109へ進み、電動アクチュエータ30を再駆動させて実圧縮比を故障時目標値に制御するとともに、電動アクチュエータ30の再駆動状態であることを示す情報を保存する。
更に、マイクロコンピュータ61は、ステップS110へ進み、通信異常発生の判定を確定させる。
実際の圧縮比が故障時目標値からずれたために電動アクチュエータ30の駆動を再開させると、マイクロコンピュータ61は、次回にステップS104に進んだときに、電動アクチュエータ30の再駆動状態であると判断することで、本ルーチンをそのまま終了させ、実圧縮比を故障時目標値に制御するための電動アクチュエータ30の駆動制御を継続させる。
例えば、電源スイッチ71のオン操作状態で電源供給制御回路63に入力されるスイッチ信号が正常であるときに、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生して圧縮比の目標値が故障時目標値に設定された場合、内燃機関1は運転されているから、電動アクチュエータ30の駆動を停止すると可変圧縮比機構23は内燃機関1の反力を受け、実圧縮比は故障時目標値からずれることになる。
つまり、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動を停止したことで実圧縮比が故障時目標値からずれた場合は、内燃機関1が運転中であることを推定でき、内燃機関1が運転中であるとき電動アクチュエータ30の駆動制御を継続させて、実圧縮比を故障時目標値に制御することで、通信異常時に内燃機関1の運転性が低下することを抑制する。
一方、電源供給制御回路63に入力されるスイッチ信号が電源スイッチ71のオン操作状態を示すレベルに固着する異常が発生した場合、エンジンコントローラ31Aへの電源供給が電源スイッチ71のオフ操作に基づき遮断されることで、VCRコントローラ31Bはエンジンコントローラ31Aとの間で通信が行えない通信異常状態となり、VCRコントローラ31Bは、圧縮比の目標値を故障時目標値とするフェイルセーフ処理に移行することになる。
この場合、内燃機関1は停止されていて可変圧縮比機構23に作用する反力が無い状態であるから、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した後に電動アクチュエータ30の駆動を停止しても実圧縮比は変化せず故障時目標値付近を維持することになる。
したがって、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動を停止しても実圧縮比が故障時目標値付近を維持する場合は、内燃機関1が停止状態であることを推定でき、このときに電動アクチュエータ30を停止状態(通電遮断状態)に保持することで、内燃機関1の停止状態で電動アクチュエータ30が電力消費してバッテリ70を消耗させてしまうことを抑制できる。
図4のタイムチャートは、図3のフローチャートに示したフェイルセーフ処理における実圧縮比の変化と電動アクチュエータ30の駆動制御との相関を例示するものである。
時刻t1にて通信異常が発生すると、マイクロコンピュータ61は、圧縮比の目標値を内部メモリに予め記憶されている故障時目標値とし、この故障時目標値に実圧縮比を近づけるように電動アクチュエータ30を制御する。
そして、時刻t2にて制御エラーの絶対値が設定値α以下になり、制御エラーの絶対値が設定値α以下の状態が所定時間継続した時点(時刻t3)で、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動を停止させる。
電動アクチュエータ30の駆動を停止させた時刻t3以降で、実圧縮比が故障時目標値付近を維持していれば、マイクロコンピュータ61は、内燃機関1が停止状態であると推定し、電動アクチュエータ30を駆動停止状態(通電停止状態)に維持させる。
一方、電動アクチュエータ30の駆動を停止させた時刻t3以降において、実圧縮比が故障時目標値から離れる変化を示し、時刻t4のときに制御エラーの絶対値が設定値βよりも大きくなると、マイクロコンピュータ61は、内燃機関1が運転中であると推定し、電動アクチュエータ30の駆動(通電)を再開させて実圧縮比を故障時目標値付近に再び近づける。
「第2実施例」
図5のフローチャートは、VCRコントローラ31Bのマイクロコンピュータ61による通信異常時のフェイルセーフ処理の別の態様(第2実施例)を示す。
なお、図5のフローチャートに示すフェイルセーフ処理は、図3のフローチャートに示すフェイルセーフ処理に対して、通信異常を確定させる処理が異なり、また、内燃機関1が停止状態であると推定されるときにVCRコントローラ31Bを省電力モードに移行させる点が異なる。
マイクロコンピュータ61は、ステップS201で、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生したか否かを判断する。
そして、通信異常がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS202へ進み、エンジンコントローラ31Aから送信された目標値と角度センサ29Aによる検出結果とに基づき電動アクチュエータ30の操作量を演算し、演算した操作量を電動アクチュエータ30に出力することで実圧縮比を目標値に近づける、通常制御(通信正常時制御)を実施する。
次いで、マイクロコンピュータ61は、ステップS203へ進み、通信異常時に通電停止と通電再開とを繰り返した回数を計数するための通電再開カウンタをクリアする。
一方、通信異常が生じていてエンジンコントローラ31Aから目標値のデータを取得できない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS204へ進み、可変圧縮比機構23の目標値として、内部メモリに予め記憶されている故障時目標値(所定の中間値)を設定する。
次いで、マイクロコンピュータ61は、ステップS205へ進み、電動アクチュエータ30の駆動を一旦停止させた後の駆動再開中であるか否かを判断する。
ここで、電動アクチュエータ30の駆動再開中ではない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS206に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS206で、電動アクチュエータ30の駆動制御によって実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴があるか否かを判断する。
そして、故障時目標値に収束した履歴がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS207へ進み、故障時目標値と実圧縮比との差(制御エラー)の絶対値が設定値α以下であるか否かを判断することで、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した状態であるか否かを判断する。
実際の圧縮比が故障時目標値に収束していない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS208を迂回して本ルーチンを終了させ、電動アクチュエータ30を駆動させて実圧縮比を故障時目標値に制御する。
一方、実際の圧縮比が故障時目標値に収束している場合(制御エラーの絶対値が設定値α以下である状態が設定時間以上継続している場合)、マイクロコンピュータ61は、ステップS208へ進み、電動アクチュエータ30の駆動(通電)を停止するとともに、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴を保存する。
マイクロコンピュータ61は、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴を保存すると、次回にステップS206に進んだときに、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴があると判断して、ステップS209に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS209で、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β(β>α)よりも大きくなったか否かを判断する。
そして、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β以下で、実際の圧縮比が故障時目標値付近に維持されている場合、マイクロコンピュータ61は、内燃機関1が運転停止状態であると推定し、後述するステップS212の駆動再開制御を迂回することで電動アクチュエータ30の駆動停止状態(通電停止状態)を継続させる。
また、マイクロコンピュータ61は、実際の圧縮比が故障時目標値付近に維持されている場合、ステップS210に進んで、電動アクチュエータ30の駆動を停止させてからの経過時間が設定時間に達したか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動を停止させてからの経過時間が設定時間に達していない場合はそのまま本ルーチンを終了させるが、電動アクチュエータ30の駆動を停止させてからの経過時間が設定時間に達した場合、換言すれば、設定時間以上継続して内燃機関1の停止状態であると推定した場合は、ステップS211に進んで、VCRコントローラ31Bを省電力モードに移行させる。
省電力モードとは、例えば、CAN通信を停止したり、不要回路への電源供給を停止したりしてVCRコントローラ31Bにおける電力消費を抑えるモードであり、スタンバイモードに相当するモードである。つまり、内燃機関1が停止状態であるときは、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動(通電)を停止させることで電力消費を少なくし、更に、VCRコントローラ31Bでの電力消費を抑えて、システム全体での電力消費を可及的に小さくする。
一方、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値βよりも大きくなった場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS212へ進み、電動アクチュエータ30を再駆動させて実圧縮比を故障時目標値に制御するとともに、電動アクチュエータ30の再駆動状態であることを示す情報を保存する。
更に、マイクロコンピュータ61は、ステップS212にて、通電再開カウンタの値をインクリメントし、また、VCRコントローラ31Bの省電力モードを解除し通常モードに復帰させる。
マイクロコンピュータ61は、ステップS212にて通電再開カウンタをインクリメントした後、ステップS213へ進み、通電再開カウンタの値が設定値以上になっているか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ61は、通電再開カウンタの値が設定値未満であれば本ルーチンをそのまま終了させ、通電再開カウンタの値が設定値以上になると、ステップS214に進んで、通信異常発生の判定を確定させる。
実際の圧縮比が故障時目標値からずれたために電動アクチュエータ30の駆動を再開させると、マイクロコンピュータ61は、次回にステップS205に進んだときに、電動アクチュエータ30の再駆動状態であると判断し、ステップS215に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS215で、電動アクチュエータ30の駆動を再開させてから所定時間が経過したか否かを判断し、駆動継続時間が所定時間に達するまでは、ステップS216を迂回して本ルーチンを終了させることで、電動アクチュエータ30を駆動させて実圧縮比を故障時目標値に制御する処理を継続させる。
一方、駆動継続時間が所定時間に達すると、マイクロコンピュータ61は、ステップS216へ進み、故障時目標値に収束した履歴をクリアし、また、電動アクチュエータ30の再駆動設定をクリアする。
ステップS216の処理によって、マイクロコンピュータ61は、本ルーチンの次回実行時に、ステップS205からステップS206、更に、ステップS207に進むことになり、電動アクチュエータ30の駆動を再度停止させ、駆動停止状態で実圧縮比が変化するか否かを監視することになる。
つまり、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生していて、内燃機関1が運転中である場合、実圧縮比が故障時目標値に収束した後に電動アクチュエータ30の駆動を停止すると、実圧縮比が故障時目標値から変化し、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動を再開させることになるが、駆動再開後から設定時間が経過すると、再度電動アクチュエータ30の駆動を停止させるように設定されている。
したがって、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生していてしかも内燃機関1が運転中である状態が継続する場合、マイクロコンピュータ61は、電動アクチュエータ30の駆動停止(通電停止)と駆動再開(通電再開)とを繰り返し、通電再開カウンタを周期的にカウントアップすることになる。
ここで、通電再開カウンタの値が設定値以上になっている場合は、内燃機関1が運転中であってエンジンコントローラ31Aと通信できない状態が継続していることを示すので、マイクロコンピュータ61は、ステップS214に進んで通信異常発生の判定を確定させる。
一方、VCRコントローラ31Bの電源供給制御回路63に入力されるスイッチ信号がオン操作側に固着する異常が発生し、電源スイッチ71がオフ操作されているのにVCRコントローラ31Bが電源を自己遮断しない状態では、内燃機関1が停止しているので、電動アクチュエータ30の駆動を停止しても実圧縮比は故障時目標値付近に維持され、電動アクチュエータ30の駆動停止と駆動再開とが繰り返されず、通電再開カウンタがカウントアップされないので、スイッチ信号の固着異常によって通信異常の発生が誤って確定されることが抑制される。
「第3実施例」
図6のフローチャートは、VCRコントローラ31Bのマイクロコンピュータ61による通信異常時のフェイルセーフ処理の別の態様(第3実施例)を示す。
なお、図6のフローチャートに示すフェイルセーフ処理は、図3のフローチャートに示すフェイルセーフ処理に対して、スイッチ信号がオン側に固着している異常を確定させる処理を実施する点、及び、スイッチ信号の固着異常が確定されているときに、VCRコントローラ31Bを省電力モードに移行させる点が異なる。
マイクロコンピュータ61は、ステップS301で、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生したか否かを判断する。
そして、通信異常がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS302へ進み、通信が再開した直後であるか否か、つまり、エンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生していた状態から通信が正常に戻ったタイミングであるか否かを判断する。
ここで、マイクロコンピュータ61は、通信が正常であることを継続して判断している場合、本ルーチンをそのまま終了させる。
一方、通信が再開したタイミング(通信異常から正常に復帰したタイミング)であるとき、マイクロコンピュータ61は、ステップS303へ進み、通信再開時にエンジンコントローラ31Aから取得した圧縮比の目標値が故障時目標値であるか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ61は、ステップS303で、エンジンコントローラ31Aから取得した目標値が故障時目標値であると判断すると、ステップS304に進んで、通信異常の判定を確定させる。
一方、マイクロコンピュータ61は、ステップS303で、エンジンコントローラ31Aから取得した目標値が故障時目標値でなく内燃機関1の運転条件に応じた通常の目標値であると判断すると、ステップS305に進んで、スイッチ信号のオン固着故障の判定を確定させる。
エンジンコントローラ31Aは、VCRコントローラ31Bとの間での通信異常の発生時に、圧縮比の目標値として、内部メモリに予め記憶されている故障時目標値(VCRコントローラ31Bの内部メモリに記憶されている故障時目標値と同じ値)をVCRコントローラ31Bに向けて送信する処理を続けるよう設定され、更に、VCRコントローラ31Bから通信異常の診断結果が送られたときに通信異常の診断結果の確定に遅れを持たせるよう設定される。
このため、VCRコントローラ31Bの電源供給制御回路63に入力されるスイッチ信号がオン操作側に固着する異常が発生していて、電源スイッチ71のオフ操作に伴ってエンジンコントローラ31Aへの電源供給が遮断されることで、VCRコントローラ31Bがエンジンコントローラ31Aとの間での通信異常を検知する場合、電源スイッチ71がオン操作されてエンジンコントローラ31Aが起動したとき、エンジンコントローラ31Aは通常の圧縮比目標値をVCRコントローラ31Bに送信する。
一方、エンジンコントローラ31AとVCRコントローラ31Bとが共に起動している状態で通信異常が発生した場合、エンジンコントローラ31Aは故障時目標値をVCRコントローラ31Bに向けて送信する処理を続けるから、VCRコントローラ31Bは通信再開に伴ってエンジンコントローラ31Aから故障時目標値を受け取ることになる。
したがって、マイクロコンピュータ61は、通信再開時にエンジンコントローラ31Aから取得した圧縮比の目標値が故障時目標値であるか機関運転条件に応じた通常の目標値であるかを判断することで、CAN51や通信回路などは正常であるもののVCRコントローラ31Bにおけるスイッチ信号のオン固着故障状態でエンジンコントローラ31Aが作動停止したことで通信不能になっていたか、CAN51や通信回路などの通信系の異常が発生したかを判別できる。
マイクロコンピュータ61は、通信故障を確定した場合、及び、スイッチ信号のオン固着故障を確定した場合、それぞれの診断結果を内部メモリに保存するよう構成される。そして、整備工場などにおいて例えばCAN51に検査ツールを接続することで、診断履歴を読み出すことができるよう構成される。
これにより、整備作業者は、VCRコントローラ31Bにおける通信故障又はスイッチ信号のオン固着故障の発生を認識することが可能であり、通信異常の原因を切り分けできることで、メンテナンス作業を効率良く行える。
一方、マイクロコンピュータ61は、通信異常が生じていてエンジンコントローラ31Aから目標値のデータを取得できない場合、ステップS301からステップS306へ進み、スイッチ信号のオン固着故障の判定が確定されているか否かを判断する。
通信異常の発生が診断され、かつ、スイッチ信号のオン固着故障の判定が確定されている状態では、マイクロコンピュータ61は、電源スイッチ71のオフ操作によってエンジンコントローラ31Aへの電源供給が遮断され、内燃機関1が停止している状態であると推定できる。
そこで、マイクロコンピュータ61は、スイッチ信号のオン固着故障の判定が確定されている場合、ステップS307へ進み、VCRコントローラ31Bを、エンジンコントローラ31Aなどへの送信動作を停止する一方、エンジンコントローラ31Aなどからの受信動作を継続する省電力モードに移行させる。
マイクロコンピュータ61は、ステップS307での省電力モードへの移行処理後にステップS308へ進み、また、ステップS306でスイッチ信号のオン固着故障の判定が確定されていないと判断した場合もステップS308に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS308で、可変圧縮比機構23の目標値として、内部メモリに予め記憶されている故障時目標値(所定の中間値)を設定する。
次いで、マイクロコンピュータ61は、ステップS309へ進み、電動アクチュエータ30の駆動を一旦停止させた後に、圧縮比を故障時目標値に制御するための電動アクチュエータ30の駆動を再開させている状態であるか否かを判断する。
ここで、電動アクチュエータ30の駆動再開中ではない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS310に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS310で、電動アクチュエータ30の駆動制御によって実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴があるか否かを判断する。
そして、故障時目標値に収束した履歴がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS311へ進み、故障時目標値と実圧縮比との差(制御エラー)の絶対値が設定値α以下であるか否かを判断することで、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した状態であるか否かを判断する。
実際の圧縮比が故障時目標値に収束していない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS312を迂回して本ルーチンを終了させ、電動アクチュエータ30を駆動(通電)させて実圧縮比を故障時目標値に制御する。
一方、実際の圧縮比が故障時目標値に収束している場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS312へ進み、電動アクチュエータ30の駆動(通電)を停止するとともに、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴を保存する。
マイクロコンピュータ61は、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴を保存すると、次回にステップS310に進んだときに、実際の圧縮比が故障時目標値に収束した履歴があると判断して、ステップS313に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS313で、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β(β>α)よりも大きくなったか否かを判断する。
そして、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β以下で、実際の圧縮比が故障時目標値付近に維持されている場合、マイクロコンピュータ61は、内燃機関1の停止状態を推定し、ステップS314を迂回して本ルーチンを終了させ、電動アクチュエータ30の駆動停止状態(通電停止状態)を継続させる。
一方、故障時目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値βよりも大きくなった場合、マイクロコンピュータ61は、内燃機関1の運転中であることを推定し、ステップS314へ進み、電動アクチュエータ30を再駆動させて実圧縮比を故障時目標値に制御するとともに、電動アクチュエータ30の再駆動状態であることを示す情報を保存する。
図7は、上記図6のフローチャートにおけるステップS302−ステップS305の処理を説明するためのタイムチャートである。
図7において、時刻t11で通信異常が発生すると、マイクロコンピュータ61は、圧縮比の目標値を、エンジンコントローラ31Aから取得した目標値から内部メモリに記憶されている故障時目標値に切り替える。
その後、時刻t12にてエンジンコントローラ31AとVCRコントローラ31Bとの間での通信が再開し、VCRコントローラ31Bのマイクロコンピュータ61は、エンジンコントローラ31Aが出力した目標値を取得する。
ここで、マイクロコンピュータ61は、通信再開時にエンジンコントローラ31Aから取得した目標値が故障時目標値とは異なる場合(正常時の目標値である場合)、スイッチ信号のオン固着故障によって通信異常になっていて、電源スイッチ71のオン操作に伴って起動したエンジンコントローラ31Aが通常の目標値を出力したと判断する。
一方、マイクロコンピュータ61は、通信再開時にエンジンコントローラ31Aから取得した目標値が内部生成した故障時目標値と同じ故障時目標値である場合、CAN51や通信回路などの通信系の異常が発生したため、エンジンコントローラ31A側でも通信異常の発生を検出し、圧縮比の目標値として故障時目標値をVCRコントローラ31Bに向けて出力したと判断する。
「第4実施例」
図8のフローチャートは、VCRコントローラ31Bのマイクロコンピュータ61による通信異常時のフェイルセーフ処理の別の態様(第4実施例)を示す。
なお、図8のフローチャートに示すフェイルセーフ処理は、図6のフローチャートに示したフェイルセーフ処理に対して、スイッチ信号がオン側に固着している異常が確定している通信異常時に、マイクロコンピュータ61が、圧縮比の目標値として内燃機関1の始動時目標値を設定する点が異なる。
マイクロコンピュータ61は、ステップS401で、CAN51を介したエンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生したか否かを判断する。
そして、通信異常がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS402へ進み、通信が再開した直後であるか否か、つまり、エンジンコントローラ31Aとの通信に異常が発生していた状態から通信が正常に戻ったタイミングであるか否かを判断する。
ここで、マイクロコンピュータ61は、通信が正常であることを継続して判断している場合、本ルーチンをそのまま終了させる。
一方、通信が再開した(通信異常から正常に復帰した)タイミングである場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS403へ進み、通信再開後にエンジンコントローラ31Aから取得した圧縮比の目標値が故障時目標値であるか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ61は、ステップS403で、エンジンコントローラ31Aから取得した目標値が故障時目標値であると判断すると、ステップS404に進んで、通信異常の判定を確定させる。
一方、マイクロコンピュータ61は、ステップS403で、エンジンコントローラ31Aから取得した目標値が故障時目標値でない(機関運転条件に応じた通常目標値である)と判断すると、ステップS405に進んで、スイッチ信号のオン固着故障の判定を確定させる。
また、通信異常が生じていてエンジンコントローラ31Aから目標値のデータを取得できない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS401からステップS406へ進み、スイッチ信号のオン固着故障の判定が確定されているか否かを判断する。
マイクロコンピュータ61は、スイッチ信号のオン固着故障の判定が確定されている場合、ステップS407へ進み、VCRコントローラ31Bを、エンジンコントローラ31Aなどへの送信動作を停止する一方、エンジンコントローラ31Aなどからの受信動作を継続する省電力モードに移行させる。
次いで、マイクロコンピュータ61は、ステップS408へ進み、通信異常によってエンジンコントローラ31Aから目標値を取得できない状態で内部生成する目標値として、内燃機関1の始動時に適した圧縮比である始動時目標値を設定する。
一方、マイクロコンピュータ61は、ステップS406でスイッチ信号のオン固着故障の判定が確定されていないと判断した場合、ステップS409へ進み、通信異常によってエンジンコントローラ31Aから目標値を取得できない状態で内部生成する目標値として、故障時目標値(≠始動時目標値)を設定する。
なお、始動時目標値及び故障時目標値は、いずれもマイクロコンピュータ61の内部メモリに予め記憶されている値であって圧縮比の可変範囲の中間値である。
次いで、マイクロコンピュータ61は、ステップS410へ進み、電動アクチュエータ30の駆動を一旦停止させた後に、圧縮比を目標値(始動時目標値又は故障時目標値)に制御するための電動アクチュエータ30の駆動を再開させている状態であるか否かを判断する。
ここで、電動アクチュエータ30の駆動再開中ではない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS411へ進み、電動アクチュエータ30の駆動制御によって実際の圧縮比が目標値に収束した履歴があるか否かを判断する。
そして、目標値に収束した履歴がない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS412へ進み、目標値と実圧縮比との差(制御エラー)の絶対値が設定値α以下であるか否かを判断することで、実際の圧縮比が目標値に収束した状態であるか否かを判断する。
実際の圧縮比が目標値に収束していない場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS413を迂回して本ルーチンを終了させ、電動アクチュエータ30を駆動させて実圧縮比を目標値に制御する。
一方、実際の圧縮比が目標値に収束している場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS413へ進み、電動アクチュエータ30の駆動(通電)を停止するとともに、実際の圧縮比が目標値に収束した履歴を保存する。
マイクロコンピュータ61は、実際の圧縮比が目標値に収束した履歴を保存すると、次回にステップS411に進んだときに、実際の圧縮比が目標値に収束した履歴があると判断して、ステップS414に進む。
マイクロコンピュータ61は、ステップS414で、目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β(β>α)よりも大きくなったか否かを判断する。
そして、目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値β以下で、実際の圧縮比が目標値付近に維持されている場合、マイクロコンピュータ61は、内燃機関1が運転停止中であると推定し、ステップS415を迂回して本ルーチンを終了させ、電動アクチュエータ30の駆動停止状態(通電停止状態)を継続させる。
一方、目標値と実圧縮比との差の絶対値が設定値βよりも大きくなった場合、マイクロコンピュータ61は、ステップS415へ進み、電動アクチュエータ30を再駆動させて実圧縮比を目標値に制御するとともに、電動アクチュエータ30の再駆動状態であることを示す情報を保存する。
上記フェイルセーフ処理では、VCRコントローラ31Bにおけるスイッチ信号がオン固着故障していて、かつ、通信異常が発生しているとき(換言すれば、電源スイッチ71のオフ操作によってエンジンコントローラ31Aへの電源供給が遮断され、内燃機関1が停止しているとき)に、VCRコントローラ31Bは、電源スイッチ71のオン操作に基づく内燃機関1の再始動に備えて、可変圧縮比機構23で可変とされる圧縮比を内燃機関1の始動に適した圧縮比に予め制御しておくことができ、スイッチ信号のオン固着故障によって内燃機関1の始動性が低下することを抑制できる。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
車両用内燃機関の動作特性を電動アクチュエータによって可変とする可変機構であって、内燃機関の運転によって動作特性を変化させる反力を受ける内燃機関用可変機構は、可変圧縮比機構23に限定されない。
例えば、特開2009−174473号公報などに開示される機関バルブ(吸排気バルブ)の開弁期間の位相を可変とする電動式の可変バルブタイミング機構や、特開2012−036864号公報などに開示される機関バルブの最大バルブリフト量及び作動角(開弁期間)を可変とする電動式の可変動弁機構を、制御対象としての可変機構とすることができる。
ここで、電動式の可変バルブタイミング機構の場合、可変とされる内燃機関の動作特性は機関バルブの開弁期間の位相であり、電動式の可変動弁機構の場合、可変とされる内燃機関の動作特性は最大バルブリフト量及び作動角(開弁期間)である。
また、図3のステップS107などにおける電動アクチュエータ30の駆動停止処理は、通電を遮断する処理の他、実質的に制御量を変化させない範囲内の電力を電動アクチュエータ30に供給する処理が含まれる。
また、可変機構を制御する制御装置のフェイルセーフ処理は、内燃機関の動作特性を可変機構によって目標値に収束させてから電動アクチュエータの駆動を停止させる処理に限定されず、制御装置は、通信異常が発生したときに内燃機関の動作特性が所定範囲内の値であれば電動アクチュエータの駆動を停止させ、その後の動作特性の変化を監視し、内燃機関が運転中であるか否かを推定することができる。
また、内燃機関の動作特性が中間値のときに電動アクチュエータの駆動を停止させ、停止後の動作特性の変化に基づき内燃機関が運転中であるか否かを判断する処理を実施させるトリガーは、外部装置との間における通信異常に限定されず、例えば、外部装置の異常発生を知らせる信号を受けたときとすることができる。
また、可変機構を制御する制御装置は、動作特性の変化に基づき内燃機関が運転中であるか否かを判断した結果に基づき、動作特性の目標値を切り替えることができる。
また、可変機構を制御する制御装置は、内燃機関の運転が停止していると推定したときに、電動アクチュエータ30の駆動を停止させ、かつ、自らを省電力モードに移行させることができる。
また、可変機構を制御する制御装置は、内燃機関の運転が停止しているか運転しているかの推定結果を示す信号を、他の装置にCANなどの車内通信回線に介して送信することができる。
ここで、上述した実施形態から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。
内燃機関の制御装置は、その一態様として、電動アクチュエータの位置をストッパで制限される範囲内で変更することで車両用の内燃機関の動作特性を可変とする可変機構であって、前記内燃機関の運転によって前記電動アクチュエータの位置を変化させる反力を受ける可変機構を制御する制御装置であって、前記電動アクチュエータの駆動を停止している状態で前記電動アクチュエータの位置が前記ストッパから離れた位置から変化しない場合は前記電動アクチュエータの駆動を停止状態に保持し、前記電動アクチュエータの駆動を停止している状態で前記電動アクチュエータの位置が前記ストッパから離れた位置から変化した場合は前記電動アクチュエータの駆動を再開させる制御手段を備える。
前記内燃機関の制御装置の好ましい態様において、前記制御手段は、前記電動アクチュエータの位置を前記ストッパから離れた所定位置に制御してから前記電動アクチュエータの駆動を停止させ、前記電動アクチュエータの駆動を停止させた後に前記電動アクチュエータの位置が前記所定位置から変化したときに前記電動アクチュエータの駆動を再開させて前記電動アクチュエータの位置を前記所定位置に制御する。
別の好ましい態様では、前記制御手段は、前記電動アクチュエータの駆動を再開させてから所定時間が経過したときに前記電動アクチュエータの駆動を再度停止させる。
更に、別の好ましい態様では、前記制御装置は、車内通信回線を介して外部装置から前記可変機構の目標値を受け、前記制御手段は、前記車内通信回線による通信に異常が生じたときに作動する。
更に、別の好ましい態様では、前記制御手段は、前記電動アクチュエータの駆動を再開させるときに、前記可変機構を、内部メモリに格納された異常時用の目標値に制御する。
更に、別の好ましい態様では、前記制御手段は、前記電動アクチュエータの駆動再開を設定回数繰り返したときに、前記車内通信回線による通信の異常を確定する。
更に、別の好ましい態様では、前記制御手段は、前記電動アクチュエータの駆動を停止させた状態が所定時間継続したときに、前記制御装置を省電力モードに切り替える。
更に、別の好ましい態様では、前記制御装置は、前記内燃機関の電源スイッチの操作状態を示すスイッチ信号に基づき自己への電源投入と電源遮断とを切り替える電源供給手段を更に備え、前記制御手段は、前記車内通信回線を介した通信が再開されたときに前記外部装置から送られた前記可変機構の目標値が通信正常時の目標値であるときに、前記スイッチ信号の異常を確定する。
更に、別の好ましい態様では、前記制御手段は、前記車内通信回線による通信が異常で前記スイッチ信号の異常が確定しているときに、前記制御装置を省電力モードに切り替える。
更に、別の好ましい態様では、前記制御手段は、前記車内通信回線による通信が異常で前記スイッチ信号の異常が確定しているときに、前記電動アクチュエータの駆動によって前記可変機構を前記内燃機関の始動用の目標値に制御する。
また、内燃機関用可変機構の制御方法は、その一態様として、電動アクチュエータの位置をストッパで制限される範囲内で変更することで車両用の内燃機関の動作特性を可変とする可変機構であって、前記内燃機関の運転によって前記電動アクチュエータの位置を変化させる反力を受ける可変機構を制御する制御方法であって、外部装置から前記可変機構の目標値を受けるための車内通信回線による通信が異常であるか否かを検出するステップと、前記車内通信回線による通信が異常であるときに、前記電動アクチュエータの駆動を停止している状態で前記電動アクチュエータの位置が前記ストッパから離れた位置から変化するか否かを検出するステップと、前記電動アクチュエータの位置が変化しない場合に前記電動アクチュエータの駆動を停止状態に保持させるステップと、前記電動アクチュエータの位置が変化した場合に前記電動アクチュエータの駆動を再開させるステップと、を含む。
前記内燃機関用可変機構の制御方法の好ましい態様において、前記電動アクチュエータの位置が変化するか否かを検出するステップは、前記電動アクチュエータの駆動によって前記電動アクチュエータの位置を前記ストッパから離れた所定位置に制御するステップと、前記電動アクチュエータの位置を前記所定位置に制御した後に前記電動アクチュエータの駆動を停止させるステップと、を含み、前記電動アクチュエータの駆動を再開させるステップは、前記電動アクチュエータの駆動を停止させた後に前記電動アクチュエータの位置が前記所定位置から変化した場合に、前記電動アクチュエータの駆動を再開させて前記電動アクチュエータの位置を前記所定位置に制御するステップ、を含む。
別の好ましい態様では、前記電動アクチュエータの駆動を再開させてから所定時間が経過したときに前記電動アクチュエータの駆動を再度停止させるステップを更に含む。
1…内燃機関、23…可変圧縮比機構、30…電動アクチュエータ、31A…エンジンコントローラ、31B…VCRコントローラ、51…CAN、61…マイクロコンピュータ、62…電源IC、63…電源供給制御回路、71…電源スイッチ

Claims (3)

  1. 車両に搭載される内燃機関が備える可変圧縮比機構を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記可変圧縮比機構は、電動アクチュエータによって回動される制御シャフトの角度位置をストッパで制限される範囲内で変更することで、前記内燃機関のピストンの上死点位置を変更して機械圧縮比を可変とする機構であって、前記内燃機関の運転によって前記制御シャフトの角度位置を変化させる反力を受け、
    前記制御装置は、
    前記制御シャフトの角度位置の目標値を前記制御装置に向けて送信する外部装置と車内通信回線を介して相互に通信可能に接続され、
    前記電動アクチュエータへの通電を制御して前記制御シャフトの角度位置を制御する制御手段と、
    前記車内通信回線を介した前記外部装置との通信に異常が生じたときに用いる前記目標値であって、前記ストッパから離れた位置である異常時用目標値を格納したメモリと、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記外部装置と通信可能であるか通信不能であるかに基づき、前記外部装置との通信が正常であるか異常であるかを判断し、
    前記外部装置との通信が正常であるときは、前記外部装置から取得した前記目標値と前記制御シャフトの角度位置の検出値との比較に基づき前記電動アクチュエータへの通電を制御し、
    前記外部装置との通信に異常が生じたときは、前記メモリから前記異常時用目標値を取得し、前記異常時用目標値と前記検出値との比較に基づき前記電動アクチュエータへの通電を制御し、
    前記異常時用目標値に基づき前記電動アクチュエータへの通電を制御したときに、前記異常時用目標値と前記検出値との偏差の絶対値が第1所定値以下になると前記電動アクチュエータへの通電を停止し、
    通電停止後に前記偏差の絶対値が前記第1所定値よりも大きい第2所定値を超えたときは前記内燃機関が運転中であると判断して前記電動アクチュエータへの通電を再開させて前記制御シャフトの角度位置を前記異常時用目標値に制御し、
    通電停止後に前記偏差の絶対値が前記第2所定値以下である場合、前記内燃機関が停止状態であると判断して前記電動アクチュエータの通電停止状態を継続させる、
    内燃機関の制御装置。
  2. 前記外部装置は、前記内燃機関の点火及び燃料噴射を制御するエンジンコントローラであり、
    前記制御装置は、前記可変圧縮比機構を制御する可変圧縮比機構用コントローラであり、
    前記制御手段は、
    前記電動アクチュエータへの通電を再開させてから所定時間が経過した後に前記偏差の絶対値が前記第1所定値以下であると前記電動アクチュエータへの通電を再度停止させ、
    前記電動アクチュエータへの通電再開を設定回数繰り返したときに、前記エンジンコントローラによる点火及び燃料噴射の制御によって前記内燃機関は運転中であって前記エンジンコントローラとの間で通信の異常が継続していると判断して、前記エンジンコントローラとの通信の異常を確定する、
    請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記電動アクチュエータの通電停止状態が所定時間継続したときに、省電力モードに移行する、
    請求項1記載の内燃機関の制御装置。
JP2017044759A 2017-03-09 2017-03-09 内燃機関の制御装置 Active JP6967860B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017044759A JP6967860B2 (ja) 2017-03-09 2017-03-09 内燃機関の制御装置
CN201880003629.8A CN109790783B (zh) 2017-03-09 2018-03-06 内燃机的控制装置及内燃机用可变机构的控制方法
DE112018001212.3T DE112018001212T5 (de) 2017-03-09 2018-03-06 Steuervorrichtung für einen Verbrennungsmotor und Steuerungsverfahren für einen variablen Mechanismus für einen Vrebrennungsmotor
PCT/JP2018/008507 WO2018164097A1 (ja) 2017-03-09 2018-03-06 内燃機関の制御装置及び内燃機関用可変機構の制御方法
US16/334,163 US11008955B2 (en) 2017-03-09 2018-03-06 Control device for internal combustion engine and control method for variable mechanism for internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017044759A JP6967860B2 (ja) 2017-03-09 2017-03-09 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018145958A JP2018145958A (ja) 2018-09-20
JP6967860B2 true JP6967860B2 (ja) 2021-11-17

Family

ID=63448437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017044759A Active JP6967860B2 (ja) 2017-03-09 2017-03-09 内燃機関の制御装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11008955B2 (ja)
JP (1) JP6967860B2 (ja)
CN (1) CN109790783B (ja)
DE (1) DE112018001212T5 (ja)
WO (1) WO2018164097A1 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4403958B2 (ja) 2004-12-03 2010-01-27 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP4692118B2 (ja) * 2005-07-15 2011-06-01 トヨタ自動車株式会社 エンジンの制御装置
JP4827535B2 (ja) * 2006-01-20 2011-11-30 日立オートモティブシステムズ株式会社 自動車用電子制御装置
JP2009174473A (ja) 2008-01-25 2009-08-06 Hitachi Ltd 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP2012036864A (ja) 2010-08-10 2012-02-23 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の可変動弁装置と、内燃機関の始動システム及び内燃機関の始動制御装置
WO2013076985A1 (ja) * 2011-11-24 2013-05-30 京セラ株式会社 電力供給制御システム及び電力供給制御方法
JP6065451B2 (ja) * 2012-08-13 2017-01-25 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP6220288B2 (ja) 2014-03-04 2017-10-25 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP6550747B2 (ja) 2014-12-24 2019-07-31 日産自動車株式会社 車両の制御装置
WO2017009962A1 (ja) 2015-07-15 2017-01-19 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN109790783A (zh) 2019-05-21
US11008955B2 (en) 2021-05-18
DE112018001212T5 (de) 2019-11-21
US20190376456A1 (en) 2019-12-12
JP2018145958A (ja) 2018-09-20
WO2018164097A1 (ja) 2018-09-13
CN109790783B (zh) 2022-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7614377B2 (en) Engine control apparatus
WO2011093462A1 (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP2005098138A (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃圧制御装置
JP2008051014A (ja) 内燃機関の自動始動制御装置
EP3175101B1 (en) Control device for starting an engine of a vehicle
WO2015093604A1 (ja) 内燃機関の制御装置及び圧縮比の推定方法
US6981480B2 (en) Reducing pre-cycle warm-up for electronic components
US8116965B2 (en) Apparatus for and method of controlling variable valve mechanism
KR20190028086A (ko) 캠 샤프트 위치 센서 고장 시의 차량 시동 제어 방법
JP6967860B2 (ja) 内燃機関の制御装置
EP2396530B1 (en) Controller of internal combustion engine
JP4407832B2 (ja) エンジンの制御装置
JP5166067B2 (ja) エンジン
JP4107611B2 (ja) 内燃機関制御装置
JP2006183603A (ja) 可変バルブ機構の電動アクチュエータ制御方法
US20100250099A1 (en) Engine control apparatus
JP2010255548A (ja) エンジン停止始動制御装置
JP2005155415A (ja) 高圧燃料系の異常判別および対応処置が可能な高圧燃料供給システム
JP2018020715A (ja) 車両用電子制御装置
JP4479912B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4338549B2 (ja) 内燃機関の制御装置及びその制御方法
JP2001193547A (ja) エンジンのノッキング制御装置及びノッキング制御方法
JPH0633724A (ja) エンジンオイル昇温制御装置
JPH11101173A (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP2005240613A (ja) エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201209

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201209

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201217

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20201222

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20210122

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20210126

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210330

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20210518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210715

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210810

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210921

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20211026

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20211026

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6967860

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150