WO2017009962A1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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- the value of the output signal (current value or voltage value) of any of the rotational position sensors 81, 85, 86 described above is, for example, in a state where it does not change (hold state) or normal. It is determined that there is some abnormality relating to the variable compression ratio mechanism 71, that is, a system abnormality, when the speed changes at an abnormal speed that cannot be achieved. That is, S6 corresponds to a system abnormality detection unit.
- the tumble control valve 36 is controlled.
- S16 corresponds to a thermal efficiency control unit, and the thermal efficiency of the internal combustion engine 1 is controlled. Specifically, for example, by controlling the tumble control valve 36 in the valve closing direction, the gas flow is relatively strengthened, the thermal efficiency of the internal combustion engine 1 is improved, and the exhaust temperature is reduced.
- a swirl control valve that generates a swirl flow in the combustion chamber 3 by closing the valve may be provided.
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Abstract
可変圧縮比機構(71)に関する何らかの異常があると判定されると、目標圧縮比を低圧縮比側に固定するとともに、実圧縮比が高い場合でもよいように点火時期を遅角する。そして、排気温度が高温となる排気温度異常(高温異常)が生じないように所定の排気温度制御を実施し、排気温度を所定温度以下になるよう内燃機関1を制御する。これによって、ノッキングを回避しつつ三元触媒(25)、(26)や消音器(27)等の排気系部品を確実に保護することができる。
Description
本発明は、可変圧縮比機構を有する内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、圧縮比を検知する手段に故障が発生した場合に、圧縮比を運転条件に応じた可変制御ではなく低圧縮比側に固定し、かつ点火時期をリタードすることによって、ノッキング等が発生しないようにした技術が開示されている。
特許文献1において、例えば高回転低負荷領域で排気温度を下げる目的で圧縮比を高くしている場合、圧縮比を検知する手段の故障に際して圧縮比の低圧縮比化及び点火時期のリタードを行うと、高回転低負荷領域で排気温度が上昇し、触媒等の排気系部品に悪影響を及ぼす虞がある。
このように、特許文献1においては、故障時の排気温度上昇について十分な考慮がなされておらず、更なる改善の余地がある。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、運転条件に応じて圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、点火時期を制御する点火時期制御部を有し、上記可変圧縮比機構の異常が検知され、点火時期をリタード、もしくは圧縮比を低圧縮比側に固定する場合には、内燃機関の制御により排気温度の上昇を制限する。
本発明によれば、可変圧縮比機構の異常がある場合には、点火時期をリタード、もしくは圧縮比を低圧縮比側に固定することでノッキングを回避しつつ、排気温度の上昇を制限させることで、排気系部品を確実に保護することができる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を備えた内燃機関1の吸排気系全体の構成を模式的に示した説明図である。
内燃機関1は、第1燃料噴射弁2によって燃焼室3内に直接燃料を噴射することが可能となっており、燃焼室3内に噴射された燃料は点火プラグ4によって点火される。燃焼室3には、吸気弁5を介して吸気通路6が接続され、排気弁7を介して排気通路8が接続されている。第1燃料噴射弁2には、高圧燃料ポンプ9により高圧の燃料が供給されている。高圧燃料ポンプ9には、図外の燃料タンクから燃料が供給される。第1燃料噴射弁2に供給される燃料の圧力は、燃圧センサ10によって検知される。この内燃機関1においては、エンジンオイルの油温が油温センサ11によって検知され、内燃機関1の冷却水の温度が水温センサ12によって検知され、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の開度(踏込量)がアクセル開度センサ13によって検知され、クランクシャフト14のクランク角度がクランク角センサ15によって検知される。クランク角センサ15は、エンジン回転数(機関回転数)を検知可能なものである。また、内燃機関1は、吸気通路6内に燃料を噴射する第2燃料噴射弁16を有している。なお、図1中の17は、ノッキングの有無を検知するノッキングセンサである。
内燃機関1は、排気タービン21とコンプレッサ22とを同軸上に備えた容量可変型の過給機23を有している。この過給機23は、ウェイストゲート弁24の開度を調整して運転状態に応じた最適な過給圧を提供するよう構成されている。
排気タービン21の下流側の排気通路8には、2つの三元触媒25、26と、消音器27が直列に配置されている。三元触媒25、26は、理論空燃比を中心とするいわゆるウィンドウに空燃比がある場合に最大の転化効率をもって排気中のNOx、HC、COを同時に浄化できるものである。三元触媒25の上流側には、排気空燃比を検知するA/Fセンサ28と排気温度を検知する排気温度センサ29が配置され、三元触媒25と三元触媒26の間には、酸素センサ30が配置されている。ここで、A/Fセンサ28は、排気空燃比に応じたほぼリニアな出力特性を有するいわゆる広域型空燃比センサであり、酸素センサ30は、理論空燃比付近の狭い範囲で出力電圧がON/OFF(リッチ、リーン)的に変化して、空燃比のリッチ、リーンのみを検知するセンサである。
吸気通路6は、エアクリーナ31を備え、その下流側には吸入空気量を検知するエアフローメータ32、上述した過給機23のコンプレッサ22、過給された高温の空気を冷却するインタークーラ33、スロットル弁34、吸気コレクタ35、閉弁することによって燃焼室3内にタンブル流を発生させるタンブルコントロール弁(TCV)36が設けられている。スロットル弁34の弁開度は、スロットル開度センサ37によって検知される。タンブルコントロール弁36の弁開度は、例えばタンブルコントロール弁36を駆動する電動モータの電流値から検知される。
また、吸気通路6には、コンプレッサ22をバイパスするようにバイパス通路38が接続されている。バイパス通路38には、過給空気のリサーキュレーションを行うリサーキュレーション弁39が設けられている。
なお、図1中の40は、吸気通路6に設けられ、インタークーラ33とスロットル弁34との間の吸気圧力(吸入負圧)を検知する吸気圧センサである。この吸気圧センサ40は、吸気温度も合わせて検知可能となっている。
内燃機関1は、排気還流(EGR)が実施可能な構成となっている。すなわち、排気通路8と吸気通路6との間には、両者に連通するEGR通路41が設けられている。EGR通路41は、その一端が三元触媒25、26の間の位置で排気通路8に接続され、その他端がエアクリーナ31の下流側となりコンプレッサ22の上流側となる位置で吸気通路6に接続され、過給時であっても排気の一部を吸気通路6に還流させることが可能な構成となっている。このEGR通路41には、EGR制御弁42とEGRクーラ43とが直列に配置されている。また、EGR通路41には、EGRクーラ43下流側のEGRガス温度を検知するEGR温度センサ44と、EGR制御弁42の前後圧力差を検知する差圧センサ45とが設けられている。EGR制御弁42は、運転条件に応じた所定のEGR率を得られるように制御される。
また、内燃機関1は、吸気弁5側の動弁機構及び排気弁7側の動弁機構として、機関弁のバルブタイミングを変更可能な油圧駆動式の可変動弁機構51、52を有している。この可変動弁機構51、52は、クランクシャフト14に対するカムシャフトの位相を変化させる周知の位相可変機構(VTC)であり、シリンダヘッド上部の動弁室53にそれぞれ配置されている。
吸気弁側可変動弁機構51は、吸気弁5を開閉する吸気カムシャフト54の一端に設けられ、吸気弁側電磁ソレノイド55により作動油の供給量を制御することで、クランクシャフト14に対する吸気カムシャフト54の相対位相角である変換角を変更して、吸気弁5の開閉時期を変更するものである。吸気弁側電磁ソレノイド55は、後述するECU91によって制御される。吸気弁5の開閉時期に対応する吸気カムシャフト54の位相(変換角)は、吸気カム角センサ56により検知される。
排気弁可変動弁機構52は、排気弁7を開閉する排気カムシャフト57の一端に設けられ、排気弁側電磁ソレノイド58により作動油の供給量を制御することで、クランクシャフト14に対する排気カムシャフト57の相対位相角である変換角を変更して、排気弁7の開閉時期を変更するものである。排気弁側電磁ソレノイド58は、後述するECU91によって制御される。排気弁7の開閉時期に対応する排気カムシャフト57の位相(変換角)は、排気カム角センサ59により検知される。
なお、可変動弁機構としては、吸気弁5と排気弁7のいずれもが開弁したオーバーラップ期間が生ずるようにできるものであればよく、例えば、機関弁のバルブリフト量と作動角の双方を変化させることが可能な公知のリフト作動角可変機構(VEL)や、上述した位相可変機構(VTC)とリフト作動角可変機構(VEL)の双方を併せ持つものを適用することも可能である。また、排気弁7側の動弁機構をリフト・作動角及びリフト中心角の位相が常に一定となる一般的な直動式の動弁機構とすることも可能である。
さらに内燃機関1は、機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構71を有している。可変圧縮比機構71は、ピストン72とクランクシャフト14のクランクピン73とを複数のリンクで連係した複リンク式ピストンクランク機構を利用したものであって、クランクピン73に回転可能に装着されたロアリンク74と、ロアリンク74とピストン72とを連結するアッパリンク75と、偏心軸部76aが設けられたコントロールシャフト76と、偏心軸部76aとロアリンク74とを連結するコントロールリンク77と、を有している。
アッパリンク75は、一端がピストンピン78に回転可能に連結され、他端がロアリンク74の一端側に回転可能に連結されている。
コントロールリンク77は、ロアリンク74の運動を制限するものであって、一端がコントロールシャフト76の偏心軸部76aに回転可能に連結され、他端がロアリンク74の他端側に回転可能に連結されている。
コントロールシャフト76は、クランクシャフト14の下方に位置し、クランクシャフト14と平行に配置されている。コントロールシャフト76の偏心軸部76aは、コントロールシャフト76の回転中心に対して偏心している。
コントロールシャフト76は、歯車機構79を介してアクチュエータ80によって回転駆動され、その回転位置が制御されている。アクチュエータ80は、後述するECU91によって制御される。
アクチュエータ80によりコントロールシャフト76の回転位置を変更することで、コントロールリンク77の揺動支点となる偏心軸部76aの位置が変化する。これにより、ロアリンク74の姿勢が変化し、ピストン72のピストンモーション(ストローク特性)、すなわちピストン72の上死点位置及び下死点位置の変化を伴って、内燃機関1の圧縮比が連続的に変更される。なお、コントロールシャフト76の回転位置(回転角)はコントロールシャフト回転位置センサ81によって検知可能となっている。
アクチュエータ80は、電動モータ82と、電動モータ82の回転軸(図示せず)の回転を減速する減速機構83と、を有しており、減速機構83で減速された回転力がアクチュエータ出力軸84に伝達される。電動モータ82の回転軸の回転位置(回転角)は、モータ回転位置センサ85によって検知され、アクチュエータ出力軸84の回転位置(回転角)はアクチュエータ回転位置センサ86によって検知される。
ここで、これら回転位置センサ81、85、86は、可変圧縮比機構71に関わる信号を出力するセンサ類であり、これらの回転位置センサ81、85、86の出力信号から可変圧縮比機構71の圧縮比を検知可能である。
歯車機構79は、アクチュエータ出力軸84の回転に応じて、コントロールシャフト76の回転位置を変更する。
ECU(エンジンコントロールユニット)91は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備えている。ECU91には、上述した各種センサ類で検知された信号等が入力されている。ECU91は、これら各種入力信号に基づいて、第1燃料噴射弁2や第2燃料噴射弁16の燃料噴射量や燃料噴射時期、点火プラグ4による点火時期、スロットル弁34の開度、タンブルコントロール弁36の開度、EGR制御弁42の開度、吸気弁側可変動弁機構51による吸気弁5のバルブタイミング、排気弁側可変動弁機構52による排気弁7のバルブタイミング、可変圧縮比機構71による内燃機関1の圧縮比等を制御している。つまり、ECU91は、点火時期制御部に相当する。
そして、このような内燃機関1において、可変圧縮比機構71に関わる故障が生じた場合、ノッキングを回避しつつ、排気温度が高くならないように内燃機関1を制御する。ここで、可変圧縮比機構71に関わる故障とは、可変圧縮比機構71の機械的な故障(固着)と、圧縮比の制御が困難となる可変圧縮比機構71の状態を検知するセンサ類の故障を含むものである。
図2は、可変圧縮比機構71に関わる故障が生じた場合の制御の流れを示すフローチャートである。
S1では、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障を検知したか否かを判定し、これらセンサ類の故障を検知した場合にはS2へ進み、これらセンサ類の故障を検知しなかった場合にはS5へ進む。S1においては、上述した回転位置センサ81、85、86のうちのいずれかの出力信号(電流値または電圧値)が、例えば、上限値または下限値に張り付いた状態で一定時間T1継続(例えば5秒間継続)していることを検知すると故障があると判定する。すなわち、S1は、センサ故障検知部に相当する。
S2では、圧縮比を低圧縮比側の所定値に固定する。S3では、固定された低圧縮比側の圧縮比に合わせて点火時期を進角する。この場合、点火時期は、進角することにより最適化される。
S4では、排気温度が高温となる排気温度異常(高温異常)が生じないように所定の排気温度制御を実施する。S4は、排気温度制御部に相当するものであり、排気温度が所定温度以下になるように、すなわち排気温度の上昇を制限するために内燃機関1を制御する。
S5では、可変圧縮比機構71の固着が検知されたか否かを判定する。換言すると、可変圧縮比機構71の圧縮比変更が可能か否かを判定する。S5において、可変圧縮比機構71の固着が検知された場合、つまり可変圧縮比機構71により圧縮比の変更ができない場合には、はS4へ進み、可変圧縮比機構71の固着が検知されなかった、つまり可変圧縮比機構71により圧縮比の変更ができる場合にはS6へ進む。
なお、S5からS4へ進んだ場合、実圧縮比が検知可能であれば、点火時期は実圧縮比に応じて設定可能である。
S5においては、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される可変圧縮比機構71の実圧縮比(検知圧縮比)と目標圧縮比との差が、予め設定された所定値以上ある状態が一定時間T2継続した場合(例えば5秒間継続)していることを検知すると、可変圧縮比機構71が固着した状態にあり故障した判定する。すなわち、S5は、可変圧縮比機構故障検知部に相当する。
S6では、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常が検知されたか否かを判定し、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常を検知した場合にはS7へ進み、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常を検知しなかった場合にはS9へ進む。
S6においては、上述した回転位置センサ81、85、86のうちのいずれかの出力信号(電流値または電圧値)の値が、例えば、変化しない状態(ホールド状態)になっている場合や、正常な状態ではあり得ない異常な速さで変化する場合等に、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常、すなわちシステム異常があると判定する。つまり、S6は、システム異常検知部に相当する。
S7では、実圧縮比が不明な場合もあるので、目標圧縮比を低圧縮比側に固定する。S8では、実圧縮比が不明な場合もあるので、実圧縮比が高い場合でもよいように点火時期を遅角する。
S9では、可変圧縮比機構71に関わる故障が生じていないものと判断し、運転状態に応じた圧縮比となるよう可変圧縮比機構71等を制御(通常制御)する。
なお、S4では、例えば上述した回転位置センサ81、85、86の故障が検知された場合、圧縮比を高くすることで排気温度を低減した低負荷高回転の運転領域においては、圧縮比の低圧縮比化により排気温度が排気温度異常(高温異常)とならないように排気温度を制御する。また、S4では、例えば高圧縮比状態で可変圧縮比機構71が固着した場合、高負荷領域でノッキング回避のために点火時期をリタードした際に排気温度が排気温度異常(高温異常)とならないように排気温度を制御する。
図3は、上述した排気温度制御を示すサブルーチンであり、図2のS4に相当するものである。
S11では、内燃機関1の上限回転数を算出する。このS11は、上限回転数設定部に相当する。
S12では、エンジン回転数がS11で算出した上限回転数よりも大きいか否かを判定し、大きい場合にはS13へ進み、そうでない場合にはS14へ進む。
S13では、燃料カットを実施し、第1燃料噴射弁2や第2燃料噴射弁16からの燃料噴射を中止する。
S14では、所定のトルク制御を実施する。このS14は、トルク制御部に相当するものであって、内燃機関1に発生するトルクを制御する。
S15では、所定に燃焼温度制御を実施する。このS15は、燃焼温度制御部に相当するものであって、内燃機関1の燃焼温度を制御する。
S16では、タンブルコントロール弁36を制御する。このS16は、熱効率制御部に相当するものであって、内燃機関1の熱効率が制御される。具体的には、例えば、タンブルコントロール弁36を閉弁方向に制御することで、ガス流動が相対的に強化されて内燃機関1の熱効率が向上し、排気温度の低減に寄与することになる。
図4は、上述した上限回転数算出を示すサブルーチンであり、図3のS11に相当するものである。
S21では、基本点火時期である設定点火時期と最終点火時期(最終指令値)である実際の点火時期との差から変化量を算出する。すなわち、ノッキング回避のための点火時期リタード等、環境に応じて補正された実際の点火時期の設定点火時期に対するずれ量とその方向(進角あるいは遅角)を検知する。
S22では、負荷(機関負荷)及びS21で算出された変化量を用いて、上限回転数基本値を算出する。具体的には、図5に示す上限回転数基本値算出マップを用いて、上限回転数基本値を算出する。上限回転数基本値は、負荷(機関負荷)が大きく、設定点火時期に対して実際の点火時期が遅角側にずれるほど、低くなるよう設定される。なお、上限回転数基本値を算出する際に用いる負荷(機関負荷)としては、例えばアクセル開度センサ13の検出値(検出信号)を用いればよい。
S23では、上限回転数基本値に対する補正値を算出する。具体的には、熱効率向上分としてタンブルコントロール弁36の開口率に所定の第1定数を乗じたものと、燃焼温度低減分として当量比に所定の第2定数を乗じたものと、の和を補正値として算出する。
S24では、S22で算出した上限回転数基本値と、S23で算出した補正値との和を上限回転数として算出する。
図6は、上述したトルク制御を示すサブルーチンであり、図3のS14に相当するものである。
S31では、目標スロットル弁開度を算出する。具体的には、アクセルペダルの踏込量に応じた通常時目標スロットル開度と、所定の一定値であるトルク制限用スロットル弁開度とを比較して小さい方を目標スロットル弁開度とする。
S32では、目標吸気弁閉タイミングを算出する。具体的には、運転状態に応じて決まる上死点前の通常時目標吸気弁閉タイミング[degCA]と、所定の一定値である上死点前のトルク制限用吸気弁閉タイミング[degCA]と、を比較し、小さい方を目標吸気弁閉タイミングとする。つまり、S32では、通常時目標吸気弁閉タイミングとトルク制限用吸気弁閉タイミングのうち、上死点に近い閉弁タイミングを目標吸気弁閉タイミングとする。従って、吸気弁5は、この目標吸気弁閉タイミングとなるようバルブタイミングが変更される。
S33では、目標ウェイストゲート弁開度を算出する。具体的には、運転状態に応じて決まる通常時目標ウェイストゲート弁開度と、所定の一定値であるトルク制限用ウェイストゲート弁開度と、を比較し、小さい方を目標ウェイストゲート弁開度とする。
S34では、目標タンブルコントロール弁開度を算出する。具体的には、例えばアクセルペダルの踏込量に応じて決まる通常時目標タンブルコントロール弁開度と、所定の一定値であるトルク制限用タンブルコントロール弁開度と、を比較し、小さい方を目標タンブルコントロール弁開度とする。ここで、タンブルコントロール弁開度は、小さい方が閉方向となる。
図7は、上述した燃焼温度制御を示すサブルーチンであり、図3のS15に相当するものである。
S41では、吸気弁5の開弁期間と排気弁7の開弁期間とが重なり合うバルブオーバーラップ期間の目標値である目標バルブオーバーラップ期間を算出する。具体的には、目標バルブオーバーラップ期間を、所定の一定値であるトルク制限用バルブオーバーラップ期間とする。
S42では、目標当量比を算出する。具体的には、目標当量比を所定の一定値であるトルク制限用当量比とする。
図8は、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障を検知した場合の各種パラメータの変化を示すタイミングチャートの一例を示している。
時刻t0において、運転条件が変化し、目標圧縮比CRt(実線)が上限となる最高圧縮比から低下している。このとき、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される検知圧縮比CRd(太実線)が、目標圧縮比を変更してから一定時間T1の間、目標圧縮比の変化に追従せずに最高圧縮比に留まっていると、この一定時間T1が経過した時刻t1のタイミングで、コントロールシャフト回転位置センサ81が故障していると判定し、センサ異常判定フラグが「1」となる。
そして、時刻t1で、目標圧縮比を低圧縮比側の所定値に変更するとともに、点火時期を低圧縮比側の所定値に合わせて進角させる。時刻t1以降は、排気温度異常とならないように、上述した上限回転数によってエンジン回転数Rrの上限が制限され、エンジン回転数Rr(太実線)が回転数上限Rm(実線)を越えないように適宜燃料カットが実施される。
なお、図8中に破線で示す圧縮比は実圧縮比CRrである。コントロールシャフト回転位置センサ81の故障により検知圧縮比CRd(太実線)が目標圧縮比CRt(実線)よりも高くなっているため、検知圧縮比CRd(太実線)と目標圧縮比CRt(実線)の差がなくなるように可変圧縮比機構71が制御される結果、実圧縮比CRr(破線)は目標圧縮比(実線)よりも低下する。この例では、時刻t1で、目標圧縮比を最低圧縮比に変更している。
このように、可変圧縮比機構71に関わる信号を出力するセンサ類に故障がある場合、安全性を考慮して圧縮比を低圧縮比側の所定値にする。また、点火時期を高圧縮比用の点火時期のままにすると排気温度が上昇するため、点火時期は圧縮比に対応させて相対的に進角させる。
また、運転条件が高回転低負荷領域では、通常、熱効率向上のため高圧縮比にする場合が多いが、この領域で低圧縮比になると熱効率悪化により排気温度が上がる。
そこで、可変圧縮比機構71に関わる信号を出力するセンサ類に故障がある場合、圧縮比を低圧縮比側の所定値に固定し、低圧縮比用の相対的に進角した点火時期とした上で、排気温度が高温となって排気温度異常とならないように排気温度の上昇を制限させることで、ノッキングを回避しつつ三元触媒25、26や消音器27等の排気系部品を確実に保護することができる。
図9は、可変圧縮比機構71の固着を検知した場合の各種パラメータの変化を示すタイミングチャートの一例を示している。
時刻t0において、運転条件が変化し、目標圧縮比CRt(実線)が低下している。このとき、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される検知圧縮比CRd(太実線)が目標圧縮比の変化に追従せず、目標圧縮比CRtと検知圧縮比CRdとの差が所定値以上ある状態が一定時間T2継続した場合、この一定時間T2が経過した時刻t1のタイミングで、可変圧縮比機構71が固着したと判定し、固着判定フラグが「1」となる。
そして、時刻t1以降は、排気温度異常とならないように、上述した上限回転数によってエンジン回転数Rrの上限が制限され、エンジン回転数Rr(太実線)が回転数上限Rm(実線)を越えないように適宜燃料カットが実施される。
運転条件が高回転高負荷領域では、通常、ノッキング回避による点火時期リタードにより排気温度が上昇するため低圧縮比にする。
そこで、可変圧縮比機構71による圧縮比の変更ができない場合、排気温度が高温となって排気温度異常とならないように排気温度の上昇を制限させることで、ノッキングを回避しつつ三元触媒25、26や消音器27等の排気系部品を確実に保護することができる。
図10は、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常を検知した場合の各種パラメータの変化を示すタイミングチャートの一例を示している。
時刻t0において、運転条件が変化し、目標圧縮比CRt(実線)が低下している。このとき、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される検知圧縮比CRd(太実線)が時刻t0以前の値から変化しない場合、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常があると判定する。この例では、目標圧縮比を変更してから一定時間T3が経過した時刻t1のタイミングで、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常があると判定し、システム異常判定フラグが「1」となる。
そして、実圧縮比が不明な場合もあるので、時刻t1で、実圧縮比が高くなっていてもよいように点火時期を遅角する。また、時刻t1以降は、排気温度異常とならないように、上述した上限回転数によってエンジン回転数Rrの上限が制限され、エンジン回転数Rr(太実線)が回転数上限Rm(実線)を越えないように適宜燃料カットが実施される。
なお、この図10に示す例では、可変圧縮比機構71は固着した際に、可変圧縮比機構71に異常があると判定しているものの、可変圧縮比機構71の固着とまで判定できなかった場合を示している。
このように、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常が何によるものかわからない場合には、点火時期をリタードすることでノッキングを回避しつつ、排気温度を三元触媒25、26や消音器27等の排気系部品の許容温度以上となる高温異常とならないように上昇を制限させることでこれら排気系部品を確実に保護することができる。
図11は、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障を検知した場合の各種パラメータの変化を示すタイミングチャートの一例を示している。
時刻t0において、運転条件が変化し、目標圧縮比CRt(実線)が上限となる最高圧縮比から低下している。このとき、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される検知圧縮比CRd(太実線)が、目標圧縮比を変更してから一定時間T1の間、目標圧縮比の変化に追従せずに最高圧縮比に留まっていると、この一定時間T1が経過した時刻t1のタイミングで、コントロールシャフト回転位置センサ81が故障していると判定し、センサ異常判定フラグが「1」となる。
そして、時刻t1で、目標圧縮比を低圧縮比側の所定値に変更するとともに、点火時期を低圧縮比側の所定値に合わせて進角させる。
時刻t1以降は、排気温度異常とならないように、上述した上限回転数によってエンジン回転数の上限が制限される。つまり、時刻t1以降の回転数上限Rmは、上述した上限回転数となる。そして、上述した上限回転数は、負荷(機関負荷)が高いほど低く設定され、負荷(機関負荷)が低いほど高くなるよう設定される。また、最低圧縮比と最高圧縮比での点火時期との組み合わせであっても排気温度異常とならないように上述した上限回転数が設定される。
負荷(機関負荷)が低いほど排気温度が低くなるので、その分エンジン回転数の上限値を高くできる。そのため、運転領域が広がり、異常時また故障時の運転性を向上させ、かつエンジン回転数の上限値が制限されることにより運転者へ与える不安感を低減することができる。
最低圧縮比と最高圧縮比での点火時期との組み合わせであっても排気温度異常とならないように上述した上限回転数が設定されているので、運転領域が広がり、異常時また故障時の運転性を向上させ、かつエンジン回転数の上限値が制限されることにより運転者へ与える不安感を低減することができる。
さらに、時刻t1以降、スロット弁開度は、例えばアクセルペダルの踏込量に応じた通常時目標スロットル弁開度THg(実線)と、所定の一定値であるトルク制限用スロットル弁開度THm(破線)と、を比較して小さい方を目標スロットル弁開度THt(太実線)としている。
このように、吸入空気量を減少させることで内燃機関1に発生するトルクが制限されて排気温度の上昇を制限させることができる。
なお、吸気弁5のバルブタイミング、ウェイストゲート弁24の開度あるいはタンブルコントロール弁36の開度を制御することで、内燃機関1に発生するトルクを制限して排気温度の上昇を制限させることも可能である。
また、時刻t1以降、タンブルコントロール弁開度(TVC開度)は、例えばアクセルペダルの踏込量に応じた通常時目標タンブルコントロール弁開度TCg(実線)と、所定の一定値であるトルク制限用タンブルコントロール弁開度TCm(破線)と、を比較して小さい方を目標タンブルコントロール弁開度THt(太実線)としている。
タンブルコントロール弁を閉じることでガス流動が強化されて内燃機関1の熱効率が向上し、排気温度の上昇を制限させることができる。
そして、時刻t1以降、目標バルブオーバーラップ期間VOtを例えばアクセルペダルの踏込量に応じた通常時バルブオーバーラップ期間VOg(実線)ではなく、通常時バルブオーバーラップ期間VOg(実線)よりも相対的に長いトルク制限用バルブオーバーラップ期間VOmとする。
吸排気弁のバルブオーバーラップ期間が増加すると、燃焼室内の残ガス率が高くなり、燃焼温度が低下して排気温度の上昇が制限される。また、吸入空気量に対して燃料噴射量を相対的に増量すると、燃焼温度が低下する。
つまり、センサ故障フラグが「1」となった際には、目標スロットル弁開度、目標タンブルコントロール弁開度及び目標バルブオーバーラップ期間をそれぞれ上述したように設定することで、いずれの場合にも燃焼温度が低下して排気温度の上昇を制限させることができる。そのため、排気温度が高温となって排気温度異常とならないようにすることができ、三元触媒25、26や消音器27等の排気系部品を確実に保護することができる。
なお、図11中に破線で示す圧縮比は実圧縮比CRrである。コントロールシャフト回転位置センサ81の故障により検知圧縮比CRd(太実線)が目標圧縮比CRt(実線)よりも高くなっているため、検知圧縮比CRd(太実線)と目標圧縮比CRt(実線)の差がなくなるように可変圧縮比機構71が制御される結果、実圧縮比CRr(破線)は目標圧縮比(実線)よりも低下する。この例では、時刻t1で、目標圧縮比を最低圧縮比に変更している。また、図11においては、説明の便宜上、目標スロットル弁開度THt(太実線)及び目標タンブルコントロール弁開度THt(太実線)及び目標バルブオーバーラップ期間VOt(太実線)を下方にずらして示している。
図12は、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障を検知した場合の各種パラメータの変化を示すタイミングチャートの一例を示している。
時刻t0において、運転条件が変化し、目標圧縮比CRt(実線)が上限となる最高圧縮比から低下している。このとき、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される検知圧縮比CRd(太実線)が、目標圧縮比を変更してから一定時間T1の間、目標圧縮比の変化に追従せずに最高圧縮比に留まっていると、この一定時間T1が経過した時刻t1のタイミングで、コントロールシャフト回転位置センサ81が故障していると判定し、センサ異常判定フラグが「1」となる。
そして、時刻t1で、目標圧縮比を低圧縮比側の所定値に変更するとともに、点火時期を目標圧縮比に合わせて進角させる。ここで、時刻t1以降の点火時期は、目標圧縮比を低圧縮比側の所定値とした場合の設定点火時期(基本点火時期)を基本とするものの、ノッキング回避のために実際の点火時期(最終点火時期)が図12中に矢示するように低圧縮比側の圧縮比に対する設定点火時期よりも進角している。そこで、時刻t1以降の回転数上限Rmは、実際の点火時期の設定点火時期からの進角量(変化量)に応じて高くなるよう設定される。
設定点火時期に対して実際の点火時期が進角していると排気温度が低くなるので、その分エンジン回転数の上限値を高くできる。そのため、運転領域が広がり、異常時また故障時の運転性を向上させ、かつエンジン回転数の上限値が制限されることにより運転者へ与える不安感を低減することができる。
なお、図12中に破線で示す圧縮比は実圧縮比CRrである。コントロールシャフト回転位置センサ81の故障により検知圧縮比CRd(太実線)が目標圧縮比CRt(実線)よりも高くなっているため、検知圧縮比CRd(太実線)と目標圧縮比CRt(実線)の差がなくなるように可変圧縮比機構71が制御される結果、実圧縮比CRr(破線)は目標圧縮比(実線)よりも低下する。この例では、時刻t1で、目標圧縮比を最低圧縮比に変更している。また、図12中に破線で示す点火時期は、目標圧縮比を低圧縮比側の所定値とした場合の設定点火時期である。
図13は、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障を検知した場合の各種パラメータの変化を示すタイミングチャートの一例を示している。
時刻t0において、運転条件が変化し、目標圧縮比CRt(実線)が上限となる最高圧縮比から低下している。このとき、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される検知圧縮比CRd(太実線)が、目標圧縮比を変更してから一定時間T1の間、目標圧縮比の変化に追従せずに最高圧縮比に留まっていると、この一定時間T1が経過した時刻t1のタイミングで、コントロールシャフト回転位置センサ81が故障していると判定し、センサ異常判定フラグが「1」となる。
そして、時刻t1で、目標圧縮比を低圧縮比側の所定値に変更するとともに、吸入空気量に対して燃料噴射量を相対的に増量する。すなわち、時刻t1以降、目標当量比を予め設定されたトルク制限用当量比とし、空燃比を相対的にリッチにする。
また、時刻t1以降の回転数上限Rmは、目標当量比をトルク制限用当量比に切り替えたため、目標当量比をトルク制限用当量比としない場合(図13中に破線で示す回転数上限)よりも高く設定される。
吸入空気量に対して燃料噴射量を相対的に増量すると、燃焼温度が低下する。そのため、排気温度が高温となって排気温度異常とならないようにすることができ、三元触媒25、26や消音器27等の排気系部品を確実に保護することができる。
また、燃料増量により排気温度が低くできるので、その分回転数上限Rmを高くしてトルク制限を緩和することが可能となる。そのため、運転領域が広がり、異常時また故障時の運転性を向上させ、かつエンジン回転数が制限されることにより運転者へ与える不安感を低減することができる。
なお、図13中に破線で示す圧縮比は実圧縮比CRrである。コントロールシャフト回転位置センサ81の故障により検知圧縮比CRd(太実線)が目標圧縮比CRt(実線)よりも高くなっているため、検知圧縮比CRd(太実線)と目標圧縮比CRt(実線)の差がなくなるように可変圧縮比機構71が制御される結果、実圧縮比CRr(破線)は目標圧縮比(実線)よりも低下する。この例では、時刻t1で、目標圧縮比を最低圧縮比に変更している。
図14は、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障を検知した場合の各種パラメータの変化を示すタイミングチャートの一例を示している。
時刻t0において、運転条件が変化し、目標圧縮比CRt(実線)が上限となる最高圧縮比から低下している。このとき、例えば、コントロールシャフト回転位置センサ81で検知される検知圧縮比CRd(太実線)が、目標圧縮比を変更してから一定時間T1の間、目標圧縮比の変化に追従せずに最高圧縮比に留まっていると、この一定時間T1が経過した時刻t1のタイミングで、コントロールシャフト回転位置センサ81が故障していると判定し、センサ異常判定フラグが「1」となる。
そして、時刻t1で、目標圧縮比を低圧縮比側の所定値に変更するとともに、吸気弁閉時期を遅角して吸入空気量を減少させている。すなわち、時刻t1以降は、トルク制限用吸気弁閉タイミングを目標吸気弁閉タイミングとしている。
このように、吸気弁閉タイミング(IVC)を遅角して吸入空気量を減少させることによっても、内燃機関1に発生するトルクが制限されて排気温度の上昇を制限させることができる。そのため、排気温度が高温となって排気温度異常とならないようにすることができ、三元触媒25、26や消音器27等の排気系部品を確実に保護することができる。
なお、図14中に破線で示す圧縮比は実圧縮比CRrである。コントロールシャフト回転位置センサ81の故障により検知圧縮比CRd(太実線)が目標圧縮比CRt(実線)よりも高くなっているため、検知圧縮比CRd(太実線)と目標圧縮比CRt(実線)の差がなくなるように可変圧縮比機構71が制御される結果、実圧縮比CRr(破線)は目標圧縮比(実線)よりも低下する。この例では、時刻t1で、目標圧縮比を最低圧縮比に変更している。
なお、上述した実施例においては、閉弁することによって燃焼室3内にスワール流を発生させるスワールコントロール弁を設けてもよい。
タンブルコントロール弁36に替えてスワールコントロール弁(SCV)を設ける場合には、図3のS16、図4のS24、図6のS34における処理の対象がタンブルコントロール弁36ではなくスワールコントロール弁に置き換わることになる。つまり、スワールコントロール弁を閉じることでガス流動が強化されて内燃機関1の熱効率を向上させることが可能であり、スワールコントロール弁の開度を制御することにより、内燃機関1に発生するトルクを制限して排気温度の上昇を制限させることも可能である。
吸気通路6にタンブルコントロール弁36とスワールコントロール弁の双方を設けた場合には、図3のS16及び図6のS34においては、スワールコントロール弁にもタンブルコントロール弁36と同様の処理を行い、図4のS23においては、補正量を算出する際に、熱効率向上分として第1定数に対してタンブルコントロール弁36の開口率とスワールコントロール弁の開口率を乗じるようにすればよい。
また、本願発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、上述した排気温度制御を実施する際には、上限回転数を算出して燃料カットを実施することと、上述したトルク制御を実施することと、タンブル上述した燃焼温度制御を実施することと、タンブルコントロール弁36の閉弁することと、のうちの少なくとも1つを適宜選択することで排気温度の上昇を制限させるようにしてもよい。
また、上限回転数を用いて排気温度を低減するにあたっては、上述した燃焼温度制御と、タンブルコントロール弁36またはスワールコントロール弁を閉弁することでガス流動を強化して内燃機関の熱効率を制御する熱効率制御と、負荷が低いほど上限回転数を高くすることと、設定点火時期に対して実際の点火時期が進角しているほど上限回転数を高く設定し、設定点火時期に対して実際の点火時期が遅角しているほど上限回転数を低く設定することと、のうちの少なくとも1つと併用されることで、上限回転数を最も高く設定することができる。
上述した実施例においては、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障診断、可変圧縮比機構71の固着診断、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常診断、の順で診断しているが、診断の順序は上述した実施例に限定されるものではない。
また、可変圧縮比機構71に関する信号を出力するセンサ類の故障診断、可変圧縮比機構71の固着診断、可変圧縮比機構71に関する何らかの異常診断を、それぞれ個別に実施することも可能であり、いずれか1つ、あるいは3つのうちの2つの診断のみを行うようにしてもよい。
また、可変圧縮比機構71の異常が検知された場合であって、ノッキングを回避するために、点火時期をリタードする制御と圧縮比を低圧縮比側に固定する制御のいずれか一方のみを実施しても構わない。
Claims (12)
- 運転条件に応じて圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、
点火時期を制御する点火時期制御部と、を有し、
上記可変圧縮比機構の異常が検知され、点火時期をリタード、もしくは圧縮比を低圧縮比側に固定する場合には、内燃機関の制御により排気温度の上昇を制限する内燃機関の制御装置。 - 上記可変圧縮比機構に関わる信号を出力するセンサ類に故障があると検知された場合には、圧縮比を低圧縮比側に固定する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記可変圧縮比機構による圧縮比変更が可能か否か検知可能な可変圧縮比機構故障検知部を有し、
上記可変圧縮比機構による圧縮比の変更ができない場合には、内燃機関の制御により排気温度の上昇を制限する請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。 - 機関回転数の上限値を制限する上限回転数設定部と、内燃機関に発生するトルクを制御するトルク制御部と、内燃機関の燃焼温度を制御する燃焼温度制御部と、内燃機関の熱効率を制御する熱効率制御部と、のうちの少なくとも1つによって排気温度の上昇を制限する請求項1~3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 上記トルク制御部は、スロットル弁の開度、吸気弁のバルブタイミング、ウェイストゲート弁の開度、吸気系に設けられたタンブルコントロール弁の開度及び吸気系に設けられたスワールコントロール弁の開度、のうちの少なくとも1つを制御して内燃機関の吸入空気量を減少させる請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記燃焼温度制御部は、吸気弁開時期と排気弁開時期とが重なり合うバルブオーバーラップ期間の増加、または燃料噴射量の増量の少なくとも一方を実施して燃焼温度を低下させる請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記熱効率制御部は、吸気系に設けられたタンブルコントロール弁またはスワールコントロール弁を閉弁することでガス流動を強化する請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記上限回転数設定部は、機関回転数の上限値を機関負荷が低いほど高く設定する請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記上限回転数設定部は、基本点火時期に対して運転状態に応じて補正された最終点火時期が進角するほど機関回転数の上限値を高く設定し、基本点火時期に対して運転状態に応じて補正された最終点火時期が遅角するほど機関回転数の上限値を低く設定する請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記上限回転数設定部及び上記トルク制御部のうちの少なくとも一方と、上記燃焼温度制御部及び上記熱効率制御部のうちの少なくとも一方とを併用する請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記上限回転数設定部は、最低圧縮比と最高圧縮比での点火時期との組み合わせであっても排気温度が所定温度以下となるように、機関回転数の上限値を設定する請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 機関回転数の上限値を制限する上限回転数設定部を有し、
上記上限回転数設定部は、燃焼温度を低下させる燃焼温度制御部と、吸気系の設けられたタンブルコントロール弁またはスワールコントロール弁を閉弁することでガス流動を強化して内燃機関の熱効率を制御する熱効率制御部と、機関回転数の上限値を機関負荷が低いほど高く設定することと、基本点火時期に対して運転状態に応じて補正された最終点火時期が進角するほど機関回転数の上限値を高く設定し、基本点火時期に対して運転状態に応じて補正された最終点火時期が遅角するほど機関回転数の上限値を低く設定することと、のうち少なくとも1つと併用される請求項1~3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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