JP2005069204A - 可変圧縮比機構付き内燃機関 - Google Patents

可変圧縮比機構付き内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】 可変圧縮比機構の故障時にノッキングの発生を回避する。
【解決手段】 実圧縮比ε及び目標圧縮比εTを読み込み(ステップ1)、これらの圧縮比ε,εTに基づいて可変圧縮比機構が故障しているか否かを判断する(ステップ2)。故障が検出された場合に、実圧縮比εがノッキング発生の可能性がある圧縮比(ε>εT)であるか否かを判断する(ステップ3)。ノッキング発生圧縮比である(ε>εT)場合に、空気量減少または燃料量減少(ステップ4)、及び目標アイドル回転数を増加(ステップ5)させることにより、運転領域を規制する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、可変圧縮比機構付き内燃機関に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、可変圧縮比機構を備え、運転領域に応じて圧縮比を変更する内燃機関の制御装置において、圧縮比センサの故障により圧縮比の検出に不具合が発生した際にこれを検出し、不具合発生時の圧縮比を低圧縮比側に固定することや、点火時期を遅角側の適切な時期に設定することでノッキングの発生を回避することが知られている。
特公平7−72515号公報
しかしながら、可変圧縮比機構そのものが故障した場合については開示されていない。すなわち、圧縮比センサの故障についてはフェイルセーフできるが、可変圧縮比機構そのものが固着などにより故障した場合、この故障を検出しても、可変圧縮比機構が実現する最低の圧縮比とすることができず、故障時における圧縮比によっては、ノッキングが発生してしまい、運転性が悪化するおそれがあった。あるいは、レギュラーガソリンの場合も考慮したフェイル点火時期設定では、過遅角による燃焼悪化、失火が発生するおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑み、可変圧縮比機構の故障時にノッキングの発生を回避することを目的とする。
そのため本発明では、可変圧縮比機構の故障を検出し、故障検出時に、運転領域を規制する。
本発明によれば、可変圧縮比機構が故障した時の運転状態がノッキングの発生可能性がある場合には、運転領域を規制してノッキング発生を回避できる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1は、可変圧縮比機構14を備えた内燃機関の構成図である。図2は、圧縮比を変化させた状態を示す図であり、(イ)は高圧縮比の状態、(ロ)は低圧縮比の状態を示している。
シリンダブロック(内燃機関本体)1に形成されるシリンダ2内には、ピストン3が摺動可能に配設されている。このピストン3とシリンダヘッド等(図示せず)により、燃焼室4が画成される。ピストン3は、燃焼室4から燃焼圧力を受ける。
ピストン3は、複数のリンクによって構成される可変圧縮比機構14の一端に取り付けられている。可変圧縮比機構14の他端には、駆動モータ(アクチュエータ)20が連携されており、駆動モータ20の作動により圧縮上死点におけるピストン3の位置の変更が可能である(図2参照)。以下、この可変圧縮比機構14の構成について説明する。
ピストン3には、アッパーリンク(第1リンク)5の一端がピストンピン10を介して揺動可能に連結されている。このアッパーリンク5の他端は、第1連結ピン11を介してロアリンク(第2リンク)6に揺動可能に連結されている。このロアリンク6は、クランクシャフト8に取り付けられており、クランクピン13によりクランクシャフト8のジャーナル部8aの軸中心位置からオフセットした位置に回転可能に連結されている。
クランクシャフト8は、クランク軸受ブラケット(図示せず)によりシリンダブロック1に回転可能に支持されている。
ロアリンク6には、コントロールリンク(第3リンク)7の一端が第2連結ピン12を介して揺動可能に連結されている。コントロールリンク7の他端には、コントロールシャフト9に偏心して固定された円形の回転カム15が回転可能に嵌合している。
コントロールシャフト9は、クランクシャフト8と平行に気筒列方向に延在し、シリンダブロック1に回転可能に支持されている。このコントロールシャフト9には、ウォームホイル21が固定されている。
ウォームホイル21は、外周に歯車が形成されており、この歯車が駆動モータ20のウォーム20aと噛合している。
駆動モータ20は、機関本体に取り付けられ、エンジン制御装置(図示せず)の回転信号により運転状態に応じたモータ回転をする。このモータ回転による回転角度は、駆動モータ20に取り付けられた角度センサ(圧縮比検知手段)17の出力信号により算出する。
以上により、駆動モータ20を回転させることで、ウォーム20aと噛合するウォームホイル21が回転し、この回転が直接コントロールシャフト9に伝達され、このシャフト9に固定された回転カム15が偏心回転することにより、回転カム15の中心位置、すなわちコントロールリンク7の他端の支持中心位置が変位する。このため、図2に示す通り、コントロールリンク7によるロアリンク6及びアッパーリンク5の運動拘束条件が変化して、クランク角に対するピストン3のストローク行程が変化し、圧縮比(燃焼室4の容積)が変更される。
なお、機関の圧縮比の検出は、駆動モータ20に取り付けた角度センサ17の出力信号に基づいて行う。これは、角度センサ17の出力信号により、コントロールリンク7の他端の支持中心位置が決定され、この時のリンクの運動拘束条件における圧縮比が決まるためである。
なお上述の可変圧縮比機構14では、ウォームホイル21とウォーム20とによりコントロールシャフト9を回転させることで圧縮比を変更させていたが、これに限定されるものではない。例えば図3に示すように、コントロールシャフト9に回転レバー18を取り付け、直線運動するリニアモータ(アクチュエータ)23の出力ロッド24により回転レバー18を回動することで、コントロールシャフト9を回転させるようにしてもよい。
この場合、回転レバー18は、この一端をコントロールシャフト9に固定する。回転レバー18の他端には、図示の通り、所定の長さ及び幅のスリット18aを形成する。そして、このスリット18aに、リニアモータ23の出力ロッド24の先端に取り付けられたピン26を嵌合する。
リニアモータ23は、シリンダブロック(機関本体)1に取り付けており、出力ロッド24を先端方向に伸縮可能な動力機構25を備えている。この動力機構25により、図3(イ)に示す通り、高圧縮比の時には、出力ロッド24を引き込めてコントロールシャフト9を回転させることで、コントロールリンク7の他端(支持中心)の位置を変位させ、圧縮比を変更させる。
一方、図3(ロ)に示す通り、低圧縮比の時には、動力機構25により出力ロッド24を先端側に伸ばしてコントロールシャフト9を回転させることで、コントロールリンク7の他端(支持中心)の位置を変位させ、圧縮比を変更させる。
また図4は、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷によって求める圧縮比マップであり、横軸はエンジン回転数Ne、縦軸はエンジン負荷を示している。なお、図中の線は等圧縮比であることを示している。
可変圧縮比機構14により変更される圧縮比は、機関の運転状態に応じて、低負荷側では圧縮比を高くして燃焼効率及び燃料消費率を改善する一方、高負荷側では圧縮比を低くしてノッキングの発生を回避する。
ここで、機関の運転中に可変圧縮比機構14が固着などにより故障した場合には、故障した時点での圧縮比に固定されてしまう。このため、例えば、可変圧縮比機構14が高圧縮比の状態で固着故障した場合に、高負荷領域で運転すると、圧縮比が高くなり過ぎてノッキングが発生してしまう。以下、可変圧縮比機構14の故障時に、ノッキングの発生を回避するように機関の運転領域を規制する制御について説明する。
図5は、内燃機関の運転領域規制のフローチャートである。
ステップ1(図においては「S1」と示す。以下同様)では、角度センサ17の出力信号に基づいて算出した機関の実圧縮比εと、図4に示した運転状態(エンジン回転数及び負荷)に応じた圧縮比マップから求めた目標圧縮比εTとを読み込む。
ステップ2では、故障(フェイル)があるか否かを判断する。ここで可変圧縮比機構14の故障の検出においては、ステップ1において読み込んだ実圧縮比(角度センサ17に基づく圧縮比)εと、圧縮比マップにより設定した目標圧縮比εTとが一致しておらず(ε≠εT)且つ実圧縮比εが変化しないことにより故障(特に固着故障)と判断する。そして、可変阿縮機構14が故障していると判断した場合には、ステップ3へ進む。一方、故障していないと判断した場合には、処理を終了する。
ステップ3では、角度センサ17に基づく圧縮比εが、ノッキングの発生が想定される圧縮比であるか(ε>εT)否かを判断する。
そして、可変圧縮比機構14が故障している場合、すなわち実圧縮比εがノッキングの発生する圧縮比である(ε>εT)場合には、ステップ4へ進む。これにより、ノッキングの発生する可能性がある圧縮比で故障を検出した場合には、後述する運転領域の規制を行う。
一方、ノッキングの発生する圧縮比でない(ε≦εT)場合には、処理を終了する。これにより、ノッキングの発生する可能性がない圧縮比で故障を検出した場合には、運転領域規制を行わず、運転性悪化を最小限にする。
ステップ4では、機関の運転領域規制を行う。この運転領域規制は、運転規制領域に入らないように機関を制御することにより行う。これは、機関の運転状態が運転規制領域に入っている場合には、ノッキングあるいは燃焼悪化などが発生する領域にあり、この運転規制領域を設定することで、運転状態がこの領域に入らないようにするためである。
ここでは、可変圧縮比機構14の故障検出時において、機関へ供給する空気量または燃料量を制御することにより、運転領域を規制する。
運転領域規制における空気量制御として、電制スロットル弁(図示せず)の開度を小さくすることによって、シリンダ2内に流入する空気量を減少させる。これにより目標空燃比を一定としている場合には、燃料噴射弁(図示せず)からの燃料噴射量が減少する。
また運転領域規制における燃料量制御として、トルクが過大となった時に燃料カットによって、燃焼室4内の燃料量を減少させる。
これらにより可変圧縮比機構14の故障を検出した時に、高負荷における運転規制領域に入らないように、すなわち低負荷における運転領域での運転をするように、機関の運転状態を制御する。
ステップ5では、目標アイドル回転数を増加させる。これによりアイドル運転の場合に、アイドル回転数を高めることで圧縮比のずれによる燃焼悪化を防止する。
図6は、可変圧縮比機構14が故障したときの圧縮比(フェイル圧縮比)εFに応じて運転規制領域を設定することを示す図であり、横軸は負荷、縦軸は圧縮比を示している。運転領域及び運転規制領域を負荷方向に示している。なお、εHは可変圧縮比機構14が実現する最高の圧縮比、εLは可変圧縮比機構14が実現する最低の圧縮比を示している。
ここで、可変圧縮比機構14の故障は、駆動モータ20に取り付けられた角度センサ17の出力信号(実圧縮比ε)に基づいて検出される(図5のステップ2参照)。そして、運転規制領域は、角度センサ17により検出される故障検出時の実際の圧縮比εFより低い圧縮比が設定されている高負荷側の運転領域を設定する。
図6に示す通り、故障検出時の実圧縮比εFより低圧縮比の領域(高負荷側の領域)が運転規制領域であり、この領域ではノッキングの発生などが懸念される。このため、この領域における運転を規制し、この運転規制領域より低負荷領域で機関の運転状態を制御することで、低圧縮比を要求される高負荷領域を規制して、ノッキング発生などによる運転性悪化を最小限とする。
本実施形態によれば、圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構14を備え、運転領域に応じて圧縮比εを変更する内燃機関において、可変圧縮比機構14の故障を検出する故障検出手段(ステップ2)と、故障検出時に、運転領域を規制する運転領域規制手段(ステップ4,5)と、を設けた。このため、可変圧縮比機構14が故障した時の運転状態がノッキングの発生可能性がある場合には、運転領域を規制してノッキング発生を回避できる。
また本実施形態によれば、運転領域規制手段は、運転規制領域に入らないように機関を制御する(ステップ4,5)。このため、ノッキングの発生可能性がある運転領域での運転が規制され、運転性悪化を防止できる。
また本実施形態によれば、運転領域規制手段は、故障検出時に、機関へ供給する空気量を減少させることにより、運転領域を規制する(ステップ4)。このため、ノッキングの発生可能性がある運転領域で可変圧縮比機構14が故障した場合には、簡素な制御で運転性悪化を最小限にすることができる。
また本実施形態によれば、運転領域規制手段は、故障検出時に、機関へ供給する燃料量を減少(燃料カットなど)させることにより、運転領域を規制する(ステップ4)。このため、ノッキングの発生可能性がある運転領域で可変圧縮比機構14が故障した場合には、簡素な制御で運転性悪化を最小限にすることができる。
また本実施形態によれば、運転領域規制手段は、圧縮比検出手段(角度センサ17)により検出される故障検出時の実際の圧縮比εFより低い圧縮比が設定されている運転領域を運転規制領域とする(ステップ4,5、図6)。このため、機関の負荷が低い領域を運転領域とすることができ、ノッキングの発生などによる運転性悪化を防止できる。
また本実施形態によれば、故障検出時に、アイドル回転数を増加させる(ステップ5)。このため、アイドル運転時における圧縮比のずれによる燃焼悪化を防止できる。
また本実施形態によれば、可変圧縮比機構14は、複リンク式である。このため、コンパクトな構成ができる。そして、複リンク式では高回転時の慣性力が圧縮比で異なるため、可変圧縮比機構14の故障検出時は、運転領域を規制することが有効である。
また本実施形態によれば、可変圧縮比機構14は、ピストン3にピストンピン10を介して揺動可能に連結された第1リンク(アッパーリンク)5と、この第1リンク5に揺動可能に連結されるとともにクランクシャフト8のクランクピン部13に回転可能に連結された第2リンク(ロアリンク)6と、この第2リンク6に揺動可能に連結されるとともに支持中心点の位置が可動に支持された第3リンク(コントロールリンク)7と、第3リンク7の可動支持中心点の位置(コントロールリンク7の他端支持中心位置)を変位することでピストン3の圧縮上死点の位置を変位する手段(コントロールシャフト9,回転カム15,ウォームホイル21,ウォーム20a,駆動モータ20)と、を備える。このため、リンク機構の運動拘束条件を変化させて、クランク角に対するピストン3のストローク行程を変化させることで圧縮比εを変更できる。
また図7は、可変圧縮比機構14の最高圧縮比εH以外の領域において運転規制領域を設定するフローチャートである。なお、前述の図5と同じ処理については詳細な説明を省略する。
ステップ1では、実圧縮比ε及び目標圧縮比εTを読み込む。
ステップ2では、可変圧縮比機構14が故障しているか否かを判断する。故障していればステップ6へ進む。一方、故障していなければ処理を終了する。
ステップ6では、目標圧縮比εTが最高圧縮比εHと一致している(εT=εH)か否かを判断する。
目標圧縮比εTが最高圧縮比εHと一致していない場合(εT≠εH)には、ステップ4へ進む。これは、最も高い圧縮比εHが設定されている運転領域以外の運転領域を運転規制領域とするためである。
一方、目標圧縮比εTが最高圧縮比εHと一致している場合(εT=εH)には、処理を終了する。
ステップ4では、空気量を減少、又は燃料量を減少することにより運転領域を規制する。
ステップ5では、目標アイドル回転数を増加させる。
図8は、前述のフローチャートでの運転領域規制を設定した図、すなわち運転規制領域を可変圧縮比機構14の最高圧縮比εH以外の領域(高負荷側)に設定した図であり、横軸は負荷、縦軸は圧縮比を示している。運転領域及び運転規制領域を負荷方向に示している。
図示の通り、最高圧縮比εHが設定されている運転領域以外の高負荷側運転領域を運転規制領域とする。このため、低圧縮比を要求される高負荷領域での運転を規制でき、簡素な制御によってノッキングの発生による運転性悪化を最小限にする。
次に、可変圧縮比機構14の故障検出時に、運転領域を規制するため、機関へ供給する空気量を減少させる場合の別の実施形態について、図9〜図11を用いて説明する。
ここで前述の図5のステップ4では、機関へ供給する空気量を減少させるために、電制スロットル弁の開度を小さくしていたが、本実施形態においては、吸気バルブと排気バルブとの開時期であるオーバーラップ量を小さくすることにより空気量の減少を行う。
図9は、バルブオーバーラップ量(バルブ開閉タイミング)を変化させるための位相変更機構30の断面図である。図10は、吸気バルブの開閉タイミングを進角側(a)から遅角側(b)に設定してオーバーラップ量を小さくすることを示す図である。図11は、可変圧縮比機構14の故障検出時にオーバーラップ量を小さくすることを示すフローチャートである。
位相変更機構30の駆動軸31は、軸受ブラケット32を介してシリンダヘッド側へ回転可能に支持されており、この駆動軸31の外周側にはカムプーリ(又はスプロケット)33が同軸上に配置されている。このカムプーリ33は、チェーン又はタイミングベルトを介してクランクシャフトから回転動力が伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。
そして、位相変更機構30は、上記のカムプーリ33と駆動軸31との間の回転動力伝達経路に設けられ、両者31,33の回転位相を変化させることにより、吸気バルブの作動角の大きさを変えることなく、その中心位相を所定の範囲で連続的に変化させるとともに任意の位相に保持するようになっている。
詳述すると、位相変更機構30は、カムプーリ33の内周側に一体的に形成され、このカムプーリ33と一体的に回転する外筒部34と、駆動軸31にボルト35を介して締結固定され、この駆動軸31と一体的に回転する内筒部36と、これらの外筒部34と内筒部36との間に介装されるリング状のプランジャ37と、このプランジャ37を一方向(図の左方向)へ常時付勢するリターンスプリング38と、を有している。上記の外筒部34の内周側にはスリーブ39が固定されており、このスリーブ39がベアリング40を介して軸受ブラケット32に回転可能に支持されている。
ここで、プランジャ37の内,外周面と、内筒部36の外周面及び外筒部34の内周面との噛合部分41はヘリカルスプラインとなっている。従って、このプランジャ37を後述する位相変更用アクチュエータ51により内,外筒部36,34の軸方向(図の左右方向)へ移動させることにより、この軸方向の運動が内筒部36と外筒部34との相対回転運動に変換され、外筒部34と内筒部36との相対回転位相が連続的に変化する。
例えば図10に示す通り、プランジャ37が図の最も左方向へ配置されている状態(図示の状態)では、波形(b)で示すように、吸気バルブの作動角が最遅角位相に保持される。一方、プランジャ37が図の最も右側へ配置されている状態では、波形(a)で示すように、吸気バルブの作動角が最進角位相に設定される。これにより、吸気バルブの開弁時期を進角側(a)から遅角側(b)に設定してバルブオーバーラップを小側に設定することで、機関へ供給する空気量を減少させ運転領域を規制する。
そして、上記の位相変更用アクチュエータ51は、この例では、プランジャ37の前後に画成される進角側油圧室44及び遅角側油圧室45への作動油圧を切換制御することにより、プランジャ37を所定の軸方向位置に移動・保持する油圧アクチュエータとして構成されている。この進角側油圧室44は、プランジャ37の一端と外筒部34にピン42を介して固定されるエンドキャップ43との間に液密に画成されており、エンドキャップ43、ボルト35及び駆動軸31に形成された油通路46a,46b,46c,46dを介して油圧制御弁48に接続されている。遅角側油圧室45は、プランジャ37の他端側に液密に画成されており、油通路47を介して油圧制御弁48に接続されている。この油圧制御弁48にはオイルパン49からの作動油を供給するオイルポンプ50が接続されており、上記の制御部53からの制御信号に基づいて油圧室44,45への供給油圧が切換制御される。
このような位相変更機構30は、コンパクトで機関への搭載性に優れ、部品点数も低く抑制される。また、吸気バルブの作動角の中心位相を所定の範囲内で任意の位相に保持することができ、例えば2位置に切換制御するものに比して、制御の自由度が高い。
次に、図11を用いて可変圧縮比機構14の故障を検出した時に、バルブオーバーラップ量を小さく設定する制御について説明する。
ステップ1では、実圧縮比ε及び目標圧縮比εTを読み込む。
ステップ2では、可変圧縮比機構14が故障しているか否かを判断する。故障している場合には、ステップ7へ進む。一方、故障していない場合には、処理を終了する。
ステップ7では、オーバーラップ量を最小にする。これにより、可変圧縮比機構14の故障を検出した場合に、運転状態に関わらず一律にバルブオーバーラップ量を最小にして、機関へ供給する空気量を減少させ、運転領域を規制する。
本実施形態によれば、更に、吸気バルブもしくは排気バルブのバルブオーバーラップを可変とするバルブオーバーラップ可変機構(位相変更機構)30を備え、運転領域規制手段は、故障検出時に、バルブオーバーラップを小側に設定することで運転領域を規制する。このため、可変圧縮比機構14の故障検出時には、バルブピストン干渉を回避でき、バルブタイミング可変では、特にノッキングの発生が厳しい低回転高負荷時における空気量を制御することができる。
可変圧縮比機構を備えた内燃機関の構成図 可変圧縮比機構により圧縮比を変化させた状態を示す図 可変圧縮比機構により圧縮比を変化させた状態を示す図 圧縮比マップ 運転規制領域フローチャート 運転領域及び規制運転領域を負荷方向に示した図 運転規制領域フローチャート 運転領域及び規制運転領域を負荷方向に示した図 位相変更機構の断面図 吸気バルブの位相を変更した状態を示す図 オーバーラップ量を最小側に設定するフローチャート
符号の説明
1 シリンダブロック
2 シリンダ
3 ピストン
4 燃焼室
5 アッパーリンク(第1リンク)
6 ロアリンク(第2リンク)
7 コントロールリンク(第3リンク)
8 クランクシャフト
9 コントロールシャフト
14 可変圧縮比機構
15 回転カム
17 角度センサ
20 駆動モータ
20a ウォーム
21 ウォームホイル

Claims (10)

  1. 圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備え、運転領域に応じて圧縮比を変更する内燃機関において、
    可変圧縮比機構の故障を検出する故障検出手段と、
    故障検出時に、運転領域を規制する運転領域規制手段と、を設けたことを特徴とする可変圧縮比機構付き内燃機関。
  2. 運転領域規制手段は、運転規制領域に入らないように機関を制御することを特徴とする請求項1記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  3. 運転領域規制手段は、故障検出時に、機関へ供給する空気量を減少させることにより、運転領域を規制することを特徴とする請求項1または請求項2記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  4. 運転領域規制手段は、故障検出時に、機関へ供給する燃料量を減少させることにより、運転領域を規制することを特徴とする請求項1または請求項2記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  5. 運転領域規制手段は、圧縮比検出手段により検出される故障検出時の実際の圧縮比より低い圧縮比が設定されている運転領域を運転規制領域とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  6. 運転領域規制手段は、最も高い圧縮比が設定されている運転領域以外の運転領域を運転規制領域とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  7. 更に、吸気バルブもしくは排気バルブのバルブオーバーラップを可変とするバルブオーバーラップ可変機構を備え、
    運転領域規制手段は、故障検出時に、バルブオーバーラップを小側に設定することで運転領域を規制することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  8. 故障検出時に、アイドル回転数を増加させることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  9. 可変圧縮比機構は、複リンク式であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
  10. 可変圧縮比機構は、ピストンにピストンピンを介して揺動可能に連結された第1リンクと、この第1リンクに揺動可能に連結されるとともにクランクシャフトのクランクピン部に回転可能に連結された第2リンクと、この第2リンクに揺動可能に連結されるとともに支持中心点の位置が可動に支持された第3リンクと、第3リンクの可動支持中心点の位置を変位することでピストンの圧縮上死点の位置を変位する手段と、を備えることを特徴とする請求項9記載の可変圧縮比機構付き内燃機関。
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