JP6258817B2 - 内燃機関の冷却ファン構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の冷却ファン構造に関する。
従来、クランク軸の回転を動力として冷却ファンを回転駆動する内燃機関の冷却ファン構造において、内燃機関の運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御する断続機構が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、上記断接機構は、冷却ファンとクランク軸との断続を制御する遠心クラッチを冷却ファンの内側に備える。
特開2010−229825号公報
しかし、上記従来の冷却ファン構造では、遠心クラッチを冷却ファンの内側に備えるため、断接機構が必要とするスペースが大きくなり、冷却ファン構造が大型になっている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、クランクケース(13)の一側に配置され、クランク軸(16)の動力によって回転する冷却ファン(31)と、前記クランク軸(16)の一端に連結されて前記クランク軸(16)と共に回転するとともに、前記冷却ファン(31)に対し前記クランク軸(16)の軸方向に近接して配置されて前記冷却ファン(31)に回転動力を伝達するフライホイール(21)と、前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを断続させる断続機構(35)とを備えた内燃機関の冷却ファン構造において、周囲の温度を感知して動作するサーモアクチュエータ(40)を備え、当該サーモアクチュエータ(40)の動作によって前記冷却ファン(31)が前記クランク軸(16)の軸方向に移動させられることで、前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とが断続され、前記サーモアクチュエータ(40)は、前記クランクケース(13)に収容されることを特徴とする。
本発明によれば、クランクケース側の温度の変化によるサーモアクチュエータの動作によって冷却ファンをクランク軸の軸方向に移動させて、冷却ファンとフライホイールとを断続させることができる。このため、内燃機関の運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。また、サーモアクチュエータは、クランクケースの温度を直接的に感知して冷却ファンをクランク軸の軸方向に移動させ、冷却ファンとフライホイールとを断続させることができる。このため、内燃機関の温度状態に対する冷却ファンの断続機構の追従性を向上できる。
た、本発明は、前記断続機構(35)は、前記サーモアクチュエータ(40)と前記冷却ファン(31)とをアーム(42)によって連結し、前記サーモアクチュエータ(40)と前記冷却ファン(31)とは、共に、前記アーム(42)の一方側に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、サーモアクチュエータと冷却ファンとをアームの一方側にまとめることができ、冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
さらに、本発明は、前記サーモアクチュエータ(40)は、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)以下であるときに前記アーム(42)に対する引張り力を発生させて前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを断接し、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)より大きいときに前記引張り力を解放して前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを接続することを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の温度状態に応じて、サーモアクチュエータがアームに与える力を切り替えでき、簡単な構造でクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御できる。
また、本発明は、前記サーモアクチュエータ(40)は、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)以下であるときに前記アーム(42)に対する押し付け力を供給させて前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを断接し、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)より大きいときに前記アーム(42)に対して押し付け力を解放して前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを接続することを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の温度状態に応じて、サーモアクチュエータを作動させてアームに作用する力を切り替えでき、簡単な構造でクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御できる。
また、本発明は、前記アーム(42)の一端側と前記サーモアクチュエータ(40)との間には、前記冷却ファン(31)を前記フライホイール(21)から離すための断接用スプリング(43)が配置されることを特徴とする。
本発明によれば、断接用スプリングによって冷却ファンをフライホイールから速やかに離すことができる。
さらに、本発明は、前記冷却ファン(31)と前記クランク軸(16)との間には、前記冷却ファン(31)を前記フライホイール(21)に向けて付勢する接続用スプリング(37)が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、接続用スプリングによって冷却ファンをフライホイールに付勢して、冷却ファンをフライホイールに接続できる。
また、本発明は、前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを接続させる方向に動く際の前記アーム(42)の位置を規制するストッパー部(64)と、前記アーム(42)を前記ストッパー部(64)に向けて付勢するスプリング(44)とを備え、前記スプリング(44)は、前記断接用スプリング(43)によって圧縮されており、前記サーモアクチュエータ(40)が伸びると前記スプリング(44)が伸びて前記アーム(42)が前記ストッパー部(64)に当接するまで動くことを特徴とする。
本発明によれば、アームをスプリングによってストッパー部に当接させることで、冷却ファンとフライホイールとを接続させる方向に動く際のアームの位置を高精度に位置決めでき、冷却ファンとフライホイールとを適切に接続させることができる。
また、本発明は、前記フライホイール(21)と前記冷却ファン(31)とは、摩擦係合によって回転動力を伝達し、摩擦係合部材(38)は、前記冷却ファン(31)の羽根部(48)内に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、フライホイールと冷却ファンとの接続時の回転差を摩擦で吸収して衝撃を小さくできるとともに、摩擦係合部材を冷却ファンの羽根部内に設けることで、羽根部のサイズに影響せずに摩擦係合部材を設けることができる。
また、本発明は、前記フライホイール(21)と前記冷却ファン(31)とは、ダボ係合によって回転動力を伝達し、ダボ係合部(175)は、前記フライホイール(21)の壁面(121b)に設けられたダボ孔(174)と、前記冷却ファン(31)に設けられたゴム製のダボ凸部(138b)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、フライホイールと冷却ファンとの接続時の回転差をゴム製のダボ凸部の変形で吸収して衝撃を小さくできる。
さらに、本発明は、クランクケース(13)の一側に配置され、クランク軸(16)の動力によって回転する冷却ファン(231)と、前記クランク軸(16)の一端に連結されて前記クランク軸(16)と共に回転するとともに、前記冷却ファン(231)に対し前記クランク軸(16)の軸方向に近接して配置されて前記冷却ファン(231)に回転動力を伝達するフライホイール(21)と、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とを断続させる断続機構(235)とを備えた内燃機関の冷却ファン構造において、周囲の温度を感知して動作するサーモアクチュエータ(280)を備え、当該サーモアクチュエータ(280)の動作によって前記冷却ファン(231)が前記クランク軸(16)の軸方向に移動させられることで、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とが断続され、前記サーモアクチュエータは、感知する温度に応じて所定の軸方向に力を作用させる円筒状の形状記憶合金スプリング(280)を備え、当該形状記憶合金スプリング(280)は、高温時に膨張するとともに低温時に収縮する第一スプリング(281)と、高温時に収縮するとともに低温時に膨張する第二スプリング(282)とを備え、前記第一スプリング(281)及び前記第二スプリング(282)は、前記クランク軸(16)と同軸に配置されるとともに、前記冷却ファン(231)を軸方向に挟むように配置されることを特徴とする。
本発明によれば、クランク軸と同軸に配置されるとともに、冷却ファンを軸方向に挟むように配置される形状記憶合金の第一スプリング及び第二スプリングによって、内燃機関の温度状態に応じて冷却ファンをクランク軸の軸方向に移動させて、冷却ファンとフライホイールとを断続させることができる。このため、内燃機関の運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
また、本発明は、前記冷却ファン(231)と前記クランク軸(16)の端との間に前記第一スプリング(281)が設けられ、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)との間に前記第二スプリング(282)が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、温度に対する形状変化の特性が異なる第一スプリング及び第二スプリングによって冷却ファンを効率良く軸方向に移動させることができる。このため、断続機構の構造を簡略化できる。
また、本発明は、クランクケース(13)の一側に配置され、クランク軸(16)の動力によって回転する冷却ファン(231)と、前記クランク軸(16)の一端に連結されて前記クランク軸(16)と共に回転するとともに、前記冷却ファン(231)に対し前記クランク軸(16)の軸方向に近接して配置されて前記冷却ファン(231)に回転動力を伝達するフライホイール(21)と、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とを断続させる断続機構(235)とを備えた内燃機関の冷却ファン構造において、周囲の温度を感知して動作するサーモアクチュエータ(380)を備え、当該サーモアクチュエータ(380)の動作によって前記冷却ファン(231)が前記クランク軸(16)の軸方向に移動させられることで、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とが断続され、前記サーモアクチュエータは、所定の軸方向に力を作用させる円筒状のスプリング(380)を備え、当該スプリング(380)は、高温時に膨張して前記冷却ファン(231)を前記フライホイール(21)に接続する方向に押圧する形状記憶合金製の形状記憶スプリング(281)と、形状記憶スプリング(281)の押圧力に抗して設けられるリターンスプリング(382)とを備え、前記形状記憶スプリング(281)及び前記リターンスプリング(382)は、前記クランク軸(16)と同軸に配置されるとともに、前記冷却ファン(231)を軸方向に挟むように配置され、前記冷却ファン(231)と前記クランク軸(16)の端との間に前記形状記憶スプリング(281)が設けられ、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)との間に前記リターンスプリング(382)が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、クランク軸と同軸に配置されるとともに、冷却ファンを軸方向に挟むように配置される形状記憶スプリング及びリターンスプリングによって、エンジンの温度状態に応じて冷却ファンをクランク軸の軸方向に移動させて、冷却ファンとフライホイールとを断続させることができる。このため、エンジンの運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
本発明に係る内燃機関の冷却ファン構造では、内燃機関の運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
また、内燃機関の温度状態に対する冷却ファンの断続機構の追従性を向上できる。
また、サーモアクチュエータと冷却ファンとをアームの一方側にまとめてコンパクトに構成できる。
さらに、内燃機関の温度状態に応じて、アームに作用する力を切り替えでき、簡単な構造でクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御できる。
また、断接用スプリングによって冷却ファンをフライホイールから速やかに離すことができる。
また、接続用スプリングによって冷却ファンをフライホイールに付勢して、冷却ファンをフライホイールに接続できる。
また、アームの位置を高精度に位置決めでき、冷却ファンとフライホイールとを適切に接続させることができる。
さらに、冷却ファンを接続する際の衝撃を小さくできるとともに、羽根部のサイズに影響せずに摩擦係合部材を設けることができる。
また、冷却ファンを接続する際の衝撃をゴム製のダボ凸部で吸収できる。
また、形状記憶合金スプリングをサーモアクチュエータとして用いることで、内燃機関の運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
また、温度に対する形状変化の特性が異なる第一スプリング及び第二スプリングによって冷却ファンを効率良く軸方向に移動させることができる。
また、形状記憶スプリング及びリターンスプリングをサーモアクチュエータとして用いることで、内燃機関の運転状態に応じてクランク軸から冷却ファンへの動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
本発明の第1の実施の形態に係る冷却ファン構造を備えたパワーユニットを示す右側面図である。 エンジンの内部構造を示す断面図である。 図1のII−II断面図である。 暖機運転が終了した場合の断続機構の状態を示す断面図である。 第2の実施の形態における断続機構を示す断面図である。 第3の実施の形態における断続機構を示す断面図である。 通常運転状態の断続機構を示す断面図である。 第4の実施の形態における断続機構を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る冷却ファン構造を備えたパワーユニット10を示す右側面図である。
パワーユニット10は、スクーター型の自動二輪車の後部に搭載される。
パワーユニット10は、エンジン11(内燃機関)と、ベルト式の無段変速機構(不図示)が収容された伝動ケース12とが一体化されたユニットスイング式であり、後輪3を支持するスイングアームとしての機能も有する。エンジン11は、シリンダ軸線Cが水平よりもやや前上がりの姿勢で車両の前方へ延びる水平エンジンである。
図2は、エンジン11の内部構造を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、エンジン11は、車両の後方側から順にクランクケース13、シリンダブロック14及びシリンダヘッド15を備え、ピストン4が連結されるクランク軸16は、車幅方向に延在する向きで配置される。
クランクケース13は、クランク軸16のクランクウェブ5が収納されるクランク室6と、クランク室6の下部の仕切壁6aの下方に位置し、クランク室6から流下したオイルが貯留されるオイル室7とを備える。オイル室7のオイルは、オイルポンプ(不図示)によってエンジン11内を循環させられる。オイル室7の下面には、オイル室7からオイルを抜くためのドレン孔を塞ぐドレンボルト8が設けられている。
クランクケース13は、前方に延びる連結部13aを前部の下部に有する。パワーユニット10は、連結部13aを介して車体フレーム(不図示)の後部の下部に揺動自在に軸支される。また、パワーユニット10は、後部に連結されるリアサスペンション(不図示)を介して前記車体フレームに懸架される。
伝動ケース12は、クランクケース13の左後部から後方に延び、伝動ケース12の後部には、右側方に突出する車軸17が設けられている。前記無段変速機構は、伝動ケース12内に突出するクランク軸16に設けられる不図示の駆動プーリ、伝動ケース12内の後部に軸支される被駆動プーリ、クラッチ機構、及び、駆動プーリと被駆動プーリとに巻き掛けられるVベルト等を備える。
後輪3は、車軸17に支持され、伝動ケース12の右側方でクランクケース13の後方に配置される。
エンジン11の排気管18は、シリンダヘッド15の下面の排気ポートから右側方に引き出され、エンジン11の下部の右側方を通って後方へ延び、マフラー19に接続される。マフラー19は、後輪3の右側方に配置される。
図3は、図1のII−II断面図である。
クランクケース13は、フライホイール21及び発電機22が収容される発電機室23を右側面に備える。発電機室23は、ファンカバー24によって右側方を覆われる。
クランク軸16は、その一端部16aが発電機室23内に突出し、一端部16aには、フライホイール21が固定される。フライホイール21は、一端部16aの外周部に嵌合する筒状部21aと、筒状部21aの外端から外周側に延びる円板部21bと、円板部21bの周縁部から軸方向に延出されて筒状部21aを囲うように設けられる外側円筒部21cとを備える。
フライホイール21は、筒状部21aが一端部16aのテーパー部に嵌合するとともに、一端部16aに締結されて円板部21bを押圧するナット25によってクランク軸16に固定される。また、フライホイール21は、筒状部21aと一端部16aとの間に設けられる回り止め部材26によって回り止めされている。すなわち、フライホイール21は、クランク軸16と一体に回転する。
発電機22は、クランクケース13に固定される円板状のステーター22aと、ステーター22aの外周側に配置されるローター22bとを備える。
クランクケース13は、一端部16aを囲うように発電機室23に突出する筒状のステーター支持部27を備える。ステーター22aは、ステーター支持部27の先端部に複数のボルト27aで固定される。また、ステーター支持部27の内周部には、ステーター支持部27とクランク軸16の外周部との間をシールするリング状のシール部材28が設けられている。
フライホイール21は、外側円筒部21cがステーター22aを囲うように配置され、ローター22bは、外側円筒部21cの内周面に固定されている。クランク軸16の回転によってローター22bがステーター22aの周囲を回転することで、電磁誘導作用によって発電が行われる。
クランク軸16の一端部16aは、ナット25よりも外側方に延びるファン支持軸部30を備え、ファン支持軸部30には、クランク軸16の動力によって回転駆動される遠心式の冷却ファン31が設けられる。冷却ファン31は、フライホイール21とファンカバー24との間で発電機室23内に位置する。
ファンカバー24は、発電機室23を外側に連通させる冷却風取入口24aを、冷却ファン31に対向する位置に備える。また、パワーユニット10は、ファンカバー24の前縁に連なって前方に延びるエンジンカバー32を備える。エンジンカバー32は、シリンダブロック14及びシリンダヘッド15の右側面を覆う。エンジンカバー32とエンジン11との間に設けられた空間は、エンジンカバー32の内側に設けられた通風路32aを介して発電機室23に連通している。
冷却ファン31の回転によって冷却風取入口24aから発電機室23に取り入れられた外気は、発電機22を冷却するとともに通風路32aからエンジン11の周囲に流れ、エンジン11を強制的に空冷する。
エンジン11は、エンジン11の運転状態に応じて冷却ファン31とクランク軸16側との接続を断続させる断続機構35を備える。
断続機構35は、フライホイール21と、冷却ファン31と、冷却ファン31をクランク軸16に支持するベアリング36と、冷却ファン31をフライホイール21側に向けて付勢する接続用スプリング37と、冷却ファン31に設けられる摩擦係合部材38と、冷却ファン31の中央部から軸方向に突出するように設けられる接続部材39とを備える。
また、断続機構35は、感知する温度によって軸方向に伸縮するサーモアクチュエータ40と、サーモアクチュエータ40に接続されてサーモアクチュエータ40の軸方向に延びるロッド41と、ロッド41と接続部材39とを連結するシーソーアーム42(アーム)と、サーモアクチュエータ40を縮ませる方向に付勢する断接用スプリング43と、シーソーアーム42を押圧する押圧スプリング44(スプリング)と、ファンカバー24とを備える。
冷却ファン31は、略円錐状のベース部46と、ベース部46の中心で略円錐形状の高い位置に設けられる円筒部47と、ベース部46の上面(外側面)の周縁部から冷却ファン31の軸方向に立設される複数の羽根部48とを備える多翼ファンである。
羽根部48の軸方向の先端には、ベース部46よりも大径のリング状の連結板49が設けられており、隣接する各羽根部48は、連結板49によって互いに周方向に連結されている。羽根部48は、ベース部46よりも径方向の外側に突出する突出部48aを備え、連結板49は突出部48aの上端に設けられる。
円筒部47の内周部47aは、クランク軸16のファン支持軸部30よりも大径であり、内周部47aとファン支持軸部30との間には隙間が形成される。冷却ファン31は、内周部47aに嵌合されるベアリング36を介してファン支持軸部30に軸支される。ベアリング36はボールベアリングである。冷却ファン31は、ベース部46の下面(内側面)がフライホイール21の円板部21bに対向する向きで配置される。
円筒部47は、内周部47aから内側に突出する環状の凸部50を軸方向の中間部に備える。また、内周部47aにおいて円筒部47の下端側には、ベアリング36を固定するリング状のクリップ51が係合される。ベアリング36は、ベース部46の下面側から円筒部47に挿入されて凸部50に突き当てられ、アウターレース36aが凸部50とクリップ51との間に挟持されることで冷却ファン31に固定される。
ベアリング36のインナーレース36bは、ファン支持軸部30に対して摺動自在に嵌合しており、冷却ファン31は、ベアリング36を介して軸方向に摺動自在である。
ファン支持軸部30の先端部の外周部には、接続用スプリング37を係止するリング状のクリップ52が設けられる。クリップ52は、ベアリング36よりもファン支持軸部30の先端側の位置に係合される。
接続用スプリング37は、コイルバネであり、ファン支持軸部30の外周部にコイルの内周部を嵌合して設けられる。接続用スプリング37は、一端がクリップ52に支持され、他端がインナーレース36bに支持され、インナーレース36bを介して冷却ファン31をフライホイール21側に付勢する。
冷却ファン31のベース部46は周縁部の下面に周縁部に沿った円環状の段部46aを備え、摩擦係合部材38は、段部46aに固定される。摩擦係合部材38はリング状の板であり、ベース部46よりもフライホイール21へ突出する摩擦係合面38aを備える。
段部46aは、各羽根部48の基端部に形成されており、段部46aに嵌め込まれる摩擦係合部材38は、周方向の一部が各羽根部48内に設けられていると言える。このように、摩擦係合部材38が各羽根部48の一部を形成するように摩擦係合部材38を配置することで、省スペースに摩擦係合部材38を配置できる。
内周部47aは、円筒部47の上端側に、接続部材39が係合する係合部55を備える。係合部55は、例えば雌ねじ部である。
接続部材39は、冷却ファン31の円筒部47に固定される筒部56と、筒部56の先端の中央から延出するアーム連結軸57と、アーム連結軸57の先端に形成された円板状の係止部58とを備える。接続部材39が設けられることで、円筒部47の上端は塞がれる。
筒部56は、端部の外周部が係合部55に係合するとともに、外周のフランジ部56aが円筒部47の端面に当接することで、冷却ファン31に一体に結合される。すなわち、接続部材39は冷却ファン31と一体に回転する。アーム連結軸57とファン支持軸部30とは略同軸である。
このように、冷却ファン31と接続部材39とを別体とすることで、冷却ファン31及びベアリング36をファン支持軸部30に組み付けた後に、接続用スプリング37及びクリップ52を組み付けでき、組み付け性が良い。
サーモアクチュエータ40は、温度に応じて動作する感温式のアクチュエータである。詳細には、サーモアクチュエータ40は、温度変化に応じて膨張及び収縮するワックスが収容されたシリンダ部40aと、ワックスの膨張及び収縮に応じてシリンダ部40aから軸方向に進退する出力ロッド40bと、シリンダ部40a内に設けられ、出力ロッド40bを縮む方向に付勢する戻しばね(不図示)とを備える。
サーモアクチュエータ40は、周囲の温度が高くなると、温度によって膨張したワックスに出力ロッド40bが押し出されて出力ロッド40bが軸方向に伸びる。また、サーモアクチュエータ40は、周囲の温度が低くなると、温度によって収縮したワックスの分だけ出力ロッド40bが移動することが可能となり、前記戻しばねに押圧されることで、出力ロッド40bは軸方向に縮む。
図1〜図3を参照し、クランクケース13は、オイル室7の外側面にサーモアクチュエータ収容部60を備え、サーモアクチュエータ40は、シリンダ部40aがサーモアクチュエータ収容部60に収容されることでクランクケース13に固定される。サーモアクチュエータ収容部60は、クランクケース13の壁面に形成された嵌合部であり、サーモアクチュエータ収容部60は、クランクケース13の熱が伝わり易いようにシリンダ部40aがサーモアクチュエータ収容部60に嵌合される。また、サーモアクチュエータ収容部60は、排気管18(図1)の近くで排気管18の上方に位置する。
このように、サーモアクチュエータ40がオイルで満たされるオイル室7に設けられるため、エンジン11の運転状況が反映され易いオイルの温度に連動してサーモアクチュエータ40を動作させることができる。
なお、サーモアクチュエータ40は、オイル室7の近傍に設けられれば良い。すなわち、サーモアクチュエータ40は、オイル室7内でオイルに直接的に接触する位置に設けられても良く、また、オイルに触れないように壁等を隔ててオイル室7に設けられても良い。
また、サーモアクチュエータ40は、サーモアクチュエータ収容部60に外側から嵌合されるとともに、断接用スプリング43によって、サーモアクチュエータ収容部60に嵌まるように押し付けられている。このため、サーモアクチュエータ40を簡単な構造で固定できるとともに組み付けが容易である。
ファンカバー24は、サーモアクチュエータ40、出力ロッド40b及びシーソーアーム42の一部を覆うアクチュエータカバー部61を備える。
アクチュエータカバー部61は、出力ロッド40b及びロッド41に沿って延びる周壁部61aと、シーソーアーム42を外側方から覆う側壁部61bと、周壁部61aと側壁部61bとの角部が一段窪んだ段差部61cとを備える。
詳細には、段差部61cは、ロッド41が貫通するロッド支持孔62を備えた段差部側壁部63と、シーソーアーム42が貫通するストッパー孔部64(ストッパー部)を備えた段差部周壁部65とを備える。
出力ロッド40b及びロッド41は、クランク軸16に対して略平行に延びる。
ロッド41は、ロッド支持孔62を貫通してアクチュエータカバー部61の内側から外側に延びるロッド本体部66と、ロッド本体部66よりも大径で出力ロッド40bの先端部に結合される結合部67とを備える。詳細には、結合部67では、出力ロッド40bの先端部が結合部67の穴に嵌合するとともに、結合部67は、出力ロッド40bの先端部が嵌まるように断接用スプリング43によって押し付けられている。また、アクチュエータカバー部61の外側に突出したロッド本体部66の先端の外周部には、リング状の係止部68が設けられる。
断接用スプリング43は、コイルばねであり、ロッド本体部66の外周部にコイルの内周部を嵌合して設けられる。断接用スプリング43は、結合部67と段差部側壁部63との間に圧縮された状態で配置される。すなわち、断接用スプリング43は、結合部67を介して出力ロッド40bを縮ませる方向の付勢力を発生させる。
シーソーアーム42は、ロッド41に略直交して延び、ロッド41と接続部材39とを連結する。シーソーアーム42は、長手方向の中央部を回動軸70に支持され、回動軸70を中心に回動自在である。回動軸70は、ロッド41と接続部材39との間に位置し、ファンカバー24に支持される。
シーソーアーム42は、ロッド本体部66の先端部に嵌合する連結孔72を一端に備え、接続部材39のアーム連結軸57に嵌合する連結孔71を他端に備える。連結孔71はアーム連結軸57に対して摺動可能であり、連結孔72はロッド本体部66に対して摺動可能である。
回動軸70から連結孔71までの距離と回動軸70から連結孔72までの距離とは略等しく、これら距離の比であるアームレシオは1:1である。このため、シーソーアーム42がロッド41と接続部材39とを連動させるアームとして機能する際の荷重の伝達レシオは1:1である。
シーソーアーム42の一端は、ストッパー孔部64を通ってファンカバー24の内側から段差部61cの外側に突出し、係止部68と段差部側壁部63との間の位置でロッド本体部66に連結される。シーソーアーム42の一端と段差部側壁部63との間には、押圧スプリング44が設けられている。押圧スプリング44は、コイルばねであり、ロッド本体部66の外周部にコイルの内周部を嵌合して設けられる。
サーモアクチュエータ40及び冷却ファン31は、棒状のシーソーアーム42の一方の側面側にまとめて配置され、シーソーアーム42で互いに連結されている。このため、断続機構35をコンパクトに構成できる。
次に、断続機構35の動作について説明する。
図3では、エンジン11が始動前または始動直後でエンジン11の温度が低い場合における断続機構35の状態が示されている。すなわち、図3の状態では、暖機運転を行う必要があり、冷却ファン31を駆動させずにエンジン11を運転して、エンジン11の温度を速やかに上昇させることが望まれる。以下の説明では、図3の状態を暖機運転状態と呼ぶ。
暖機運転状態では、オイル室7の温度が所定の温度T(不図示)以下の低温であり、サーモアクチュエータ40の出力ロッド40bは、最も縮んだ初期位置にある。この状態では、シーソーアーム42の一端は、係止部68を介して図3のX1方向へロッド41によって引っ張られており、また、シーソーアーム42の他端は、係止部58を介して接続部材39を外側に引っ張る方向、すなわち、冷却ファン31をフライホイール21から離す方向に付勢している。ここで、上記所定の温度Tは、暖機運転を必要とするエンジン11の温度の最大値である。
詳細には、サーモアクチュエータ40が初期位置の状態では、断接用スプリング43は、所定の初期荷重が付された状態で、段差部側壁部63と結合部67との間で圧縮されており、最も縮んだ状態の出力ロッド40bをさらに縮む方向に押し付け力を供給している。これにより、シーソーアーム42は、係止部68を介してX1方向へ引っ張られており、押圧スプリング44は、シーソーアーム42の一端と段差部側壁部63との間で圧縮された状態となる。また、この初期位置の状態では、シーソーアーム42の一端は、ストッパー孔部64の内端64aに当接することで回動位置を規制されている。
また、上記初期位置の状態では、シーソーアーム42の他端が外側に回動しており、冷却ファン31は、接続用スプリング37の付勢力に抗して軸方向の外側に移動させられている。すなわち、接続用スプリング37は、ベアリング36とクリップ52との間で圧縮された状態にある。
ここで、上記初期位置の状態では、断接用スプリング43の初期荷重の値は、接続用スプリング37及び押圧スプリング44に作用している荷重(初期荷重)を足し合わせた値よりも大きく設定されている。すなわち、初期位置の状態では、断接用スプリング43が、接続用スプリング37及び押圧スプリング44の付勢力に抗してシーソーアーム42をX1方向へ引っ張り、冷却ファン31の接続を断接している。なお、断接用スプリング43、接続用スプリング37及び押圧スプリング44の荷重の設定は、上記アームレシオに応じて適宜変更されることは勿論である。
暖機運転状態では、冷却ファン31の摩擦係合面38aがフライホイール21の円板部21bから離間しており、冷却ファン31は、フライホイール21に対する接続が断接されている。これにより、クランク軸16が回転してもクランク軸16はベアリング36を介して冷却ファン31に対して空回りするだけであるため、暖機運転時に冷却ファン31を停止させることができ、速やかに暖機を行うことができる。
図4は、暖機運転が終了した場合の断続機構35の状態を示す断面図である。
本第1の実施の形態では、暖機運転が終了した場合、冷却ファン31を駆動してエンジン11を空冷する。以下の説明では、暖機運転が終了した状態を通常運転状態と呼ぶ。
図3及び図4を参照し、暖機運転状態からエンジン11の温度が上昇していくと、ワックスの膨張によってサーモアクチュエータ40の出力ロッド40bは伸び始め、これに伴い、シーソーアーム42はX1方向とは反対のX2方向に回動し始め、冷却ファン31は、フライホイール21に近づく方向に移動を開始する。詳細には、ロッド41の係止部68のX2方向への移動によって押圧スプリング44が伸び、これにより、シーソーアーム42の一端が押圧スプリング44に押され、シーソーアーム42はX2方向に回動を開始する。シーソーアーム42のX2方向の回動によって、冷却ファン31は、フライホイール21側へ移動可能となり、接続用スプリング37の付勢力によってフライホイール21側へ移動を開始する。また、断接用スプリング43の圧縮変形量は、出力ロッド40bの伸び量の増加とともに大きくなる。
サーモアクチュエータ40の温度が所定の温度Tよりも高くなると、図4に示すように、冷却ファン31は摩擦係合部材38を介してフライホイール21の円板部21bに接触する。この状態では、冷却ファン31は、摩擦係合面38aが円板部21bに当接してフライホイール21に摩擦係合し、フライホイール21と一体に回転する。すなわち、通常運転状態では、冷却ファン31は、フライホイール21を介してクランク軸16に接続され、クランク軸16と一体に回転することでエンジン11を空冷する。
詳細には、通常運転状態では、出力ロッド40bが断接用スプリング43による押し付け力に抗して大きく伸びてロッド41の係止部68が外側に移動し、シーソーアーム42の一端は、押圧スプリング44に押圧されてストッパー孔部64の外端64bに当接する。すなわち、ロッド41は、シーソーアーム42の一端がストッパー孔部64に当接して回動を停止した後も所定量だけ移動して係止部68がシーソーアーム42の一端から離間したロストモーション状態となる。この状態では、係止部68とシーソーアーム42の一端との間は離間し、断接用スプリング43によるシーソーアーム42に対するX1方向への押し付け力は解放されており、シーソーアーム42は、一端が押圧スプリング44によってストッパー孔部64の外端64bに当接させられることで回動位置を規制されている。このため、サーモアクチュエータ40の動作によってシーソーアーム42を回動させる構成であっても、シーソーアーム42の回動位置を高精度に位置決めできる。
また、通常運転状態では係止部68とシーソーアーム42の一端との間が離間するため、エンジン11の温度が少し低下しただけでは、係止部68はシーソーアーム42の一端に当接しない。このため、エンジン11の温度の変動による冷却ファン31の断続のハンチングを防止できる。
また、暖機運転状態から通常運転状態までのシーソーアーム42の他端の移動量は、暖機運転状態における摩擦係合面38aと円板部21bとの間の最大隙間よりも大きく、通常運転状態では、シーソーアーム42の他端は、係止部58よりも内側に離間している。これにより、摩擦係合面38aは、接続用スプリング37の付勢力のみによって円板部21bに押し付けられる。このため、接続用スプリング37の付勢力による一定の付勢力で冷却ファン31をフライホイール21に接続でき、冷却ファン31を適切に接続できる。
また、シーソーアーム42及びサーモアクチュエータ40を冷却ファン31の外側に配置し、冷却ファン31の内側でファン支持軸部30に嵌合した接続用スプリング37によって冷却ファン31を軸方向に移動させるため、冷却ファン31のサイズを径方向にコンパクト化できる。さらに、冷却ファン31の内側にクラッチ機構等が必要ないため、回転する部品である冷却ファン31及びその周辺部品を軽量化でき、省エネルギー化を図ることができる。
また、通常運転状態から暖機運転状態に戻る場合、断接用スプリング43が結合部67を介して出力ロッド40bを縮む方向に付勢するため、冷却ファン31の接続を速やかに切断できる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、エンジン11の冷却ファン構造は、クランクケース13の一側に配置され、クランク軸16の動力によって回転する冷却ファン31と、クランク軸16の一端に連結されてクランク軸16と共に回転するとともに、冷却ファン31に対しクランク軸16の軸方向に近接して配置されて冷却ファン31に回転動力を伝達するフライホイール21と、冷却ファン31とフライホイール21とを断続させる断続機構35とを備え、クランクケース13側の温度を感知して動作するサーモアクチュエータ40を備え、サーモアクチュエータ40の動作によって冷却ファン31がクランク軸16の軸方向に移動させられることで、冷却ファン31とフライホイール21とが断続される。これにより、クランクケース13側の温度の変化によるサーモアクチュエータ40の動作によって冷却ファン31をクランク軸16の軸方向に移動させて、冷却ファン31とフライホイール21とを断続させることができる。このため、エンジン11の運転状態に応じてクランク軸16から冷却ファン31への動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
また、サーモアクチュエータ40は、クランクケース13に設けたサーモアクチュエータ収容部60に収容される。これにより、サーモアクチュエータ40は、サーモアクチュエータ収容部60を介してクランクケース13の温度を直接的に感知して冷却ファン31をクランク軸16の軸方向に移動させ、冷却ファン31とフライホイール21とを断続させることができる。このため、エンジン11の温度状態に対する冷却ファン31の断続機構35の追従性を向上できる。
また、断続機構35は、サーモアクチュエータ40と冷却ファン31とをシーソーアーム42によって連結し、サーモアクチュエータ40と冷却ファン31とは、共に、シーソーアーム42の一方側に配置される。このため、サーモアクチュエータ40と冷却ファン31とをシーソーアーム42の一方側にまとめることができ、冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
さらに、サーモアクチュエータ40は、エンジン11が所定の温度T1以下であるときにシーソーアーム42に対する押し付け力を供給させて冷却ファン31とフライホイール21とを断接し、エンジン11が所定の温度T1より大きいときに押し付け力を解放して冷却ファン31とフライホイール21とを接続する。これにより、エンジン11の温度状態に応じてサーモアクチュエータ40を動作させて、シーソーアーム42に作用する力を切り替えでき、簡単な構造でクランク軸16から冷却ファン31への動力伝達の断接を制御できる。
また、シーソーアーム42の一端側とサーモアクチュエータ40との間には、冷却ファン31をフライホイール21から離すための断接用スプリング43が配置される。このため、断接用スプリング43によって冷却ファン31をフライホイール21から速やかに離すことができる。また、断接用スプリング43によって冷却ファン31をフライホイール21から離すことができるため、冷却ファン31の接続を断接するためにサーモアクチュエータ40が縮む力を利用する必要がない。このため、サーモアクチュエータ40の構造を簡略化できるとともに、サーモアクチュエータ40の固定構造を、サーモアクチュエータ40をサーモアクチュエータ収容部60に嵌めるだけの簡単な構造にできる。
さらに、冷却ファン31とクランク軸16との間には、冷却ファン31をフライホイール21に向けて付勢する接続用スプリング37が設けられる。このため、接続用スプリング37によって冷却ファン31をフライホイール21に付勢して、冷却ファン31をフライホイール21に接続できる。
また、冷却ファン31とフライホイール21とを接続させる方向に動く際のシーソーアーム42の位置を規制するストッパー孔部64と、シーソーアーム42をストッパー孔部64に向けて付勢する押圧スプリング44とを備え、押圧スプリング44は、断接用スプリング43によって圧縮されており、サーモアクチュエータ40が伸びると押圧スプリング44が伸びてシーソーアーム42がストッパー孔部64に当接するまで動く。このため、シーソーアーム42を押圧スプリング44によってストッパー孔部64に当接させることで、冷却ファン31とフライホイール21とを接続させる方向に動く際のシーソーアーム42の位置を高精度に位置決めでき、冷却ファン31とフライホイール21とを適切に接続させることができる。
また、フライホイール21と冷却ファン31とは、摩擦係合部材38によって回転動力を伝達し、摩擦係合部材38は、冷却ファン31の羽根部48内に設けられる。このため、フライホイール21と冷却ファン31との接続時の回転差を摩擦で吸収して衝撃を小さくできるとともに、摩擦係合部材38を冷却ファン31の羽根部48内に設けることで、羽根部48のサイズに影響せずに摩擦係合部材38を設けることができる。
なお、上記第1の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態では、通常運転状態から暖機運転状態に戻る場合、断接用スプリング43が結合部67を介して出力ロッド40bを縮む方向に付勢するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、断接用スプリング43を設けない構成とするとともに出力ロッド40bとロッド41とを一体に設け、サーモアクチュエータ40自体の収縮力によってシーソーアーム42をX1方向に引張るようにしても良い。すなわち、サーモアクチュエータ40は、エンジン11が所定の温度T以下であるときにシーソーアーム42に対する引張り力を発生させて冷却ファン31とフライホイール21とを断接し、エンジン11が所定の温度Tより大きいときに引張り力を解放して冷却ファン31とフライホイール21とを接続しても良い。
また、上記第1の実施の形態では、サーモアクチュエータ40は、オイル室7に設けられるものとして説明したが、これに限らず、サーモアクチュエータ40は、エンジン11の温度が反映され易い位置であれば、クランクケース13のいずれの部分に設けられても良い。
[第2の実施の形態]
以下、図5を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、フライホイール21と冷却ファン31とは、摩擦係合部材38によって回転動力を伝達するものとして説明したが、本第2の実施の形態は、フライホイール21と冷却ファン31とは、ダボ係合によって回転動力を伝達する点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図5は、第2の実施の形態における断続機構35を示す断面図である。ここで、図5では、通常運転状態の状態が示されている。
図5に示すように、冷却ファン31のベース部46には、摩擦係合部材38に替えて、ダボ係合部材138が設けられる。
ベース部46は周縁部の下面に周縁部に沿った円環状の段部146aを備え、ダボ係合部材138は、段部146aに固定される。
ダボ係合部材138は、リング状のベースリング138aと、ベースリング138aの下面から突出するダボ凸部138bとを備える。ダボ凸部138bは、ベースリング138aの周方向に間隔をあけて複数設けられる。ダボ係合部材138は、ゴム製であり、適度な柔軟性を備える。
フライホイール21は、ベース部46に対向する円板部121b(フライホイールの壁面)を備え、円板部121bには、ダボ凸部138bに対応する位置に、ダボ凸部138bが係合可能なダボ孔174を複数備える。ダボ凸部138b及びダボ孔174は、フライホイール21と冷却ファン31とを接続するダボ係合部175を構成する。
暖機運転状態では、ダボ係合部材138は円板部121bから軸方向に離れている。図5に示す通常運転状態になると、ダボ係合部材138が接続用スプリング37の付勢力によって円板部121bに押し付けられ、ダボ凸部138bがダボ孔174に係合し、冷却ファン31はフライホイール21に接続される。
第2の実施の形態によれば、フライホイール21と冷却ファン31とは、ダボ係合によって回転動力を伝達し、ダボ係合部175は、フライホイール21の円板部121bに設けられたダボ孔174と、冷却ファン31に設けられたゴム製のダボ凸部138bとを備える。このため、フライホイール21と冷却ファン31との接続時の回転差をゴム製のダボ凸部138bの変形で吸収して衝撃を小さくできる。
[第3の実施の形態]
以下、図6及び図7を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、冷却ファン31の外側に設けられ、ワックスの膨張及び収縮に応じて軸方向に伸縮するサーモアクチュエータ40に連動させて冷却ファン31を移動させる構成について説明したが、本第3の実施の形態では、冷却ファン31の内側に設けた形状記憶合金製のスプリングをサーモアクチュエータとして用いる構成を説明する。
図6は、第3の実施の形態における断続機構235を示す断面図である。
ファン支持軸部30には、冷却ファン231が設けられる。冷却ファン231は、略円錐状のベース部246と、ベース部246の中心で略円錐形状の高い位置に設けられる円筒部47と、ベース部246の上面(外側面)の周縁部から立設される複数の羽根部248とを備える多翼ファンである。
冷却ファン231は、円筒部47の内周部47aに嵌合されるベアリング36を介してファン支持軸部30に軸支される。ベアリング36は、凸部50とクリップ51とによって円筒部47の下端側に支持される。冷却ファン231は、ベアリング36を介し、回転自在であるとともにファン支持軸部30上で軸方向に摺動自在である。
円筒部47の上端側の係合部55には、円筒部47の上端を塞ぐキャップ239が固定される。キャップ239の端面には、摩擦板277が固定されている。
エンジン11の運転状態に応じて冷却ファン231とクランク軸16側との接続を断続させる断続機構235は、フライホイール21と、冷却ファン231と、ベアリング36と、サーモアクチュエータとしての形状記憶合金スプリング280と、冷却ファン231に設けられるダボ係合部材238とを備える。
形状記憶合金スプリング280は、高温時に膨張するとともに低温時に収縮する第一スプリング281と、高温時に収縮するとともに低温時に膨張する第二スプリング282とを備える。
第一スプリング281及び第二スプリング282は、形状記憶合金製のコイルバネであり、ファン支持軸部30の外周部にコイルの内周部を嵌合してファン支持軸部30に対して同軸に設けられる。
第一スプリング281は、ベアリング36のインナーレース36bの軸方向の外端とクリップ52との間に挟持された状態で配置される。
第二スプリング282は、ベアリング36のインナーレース36bの軸方向の内端とフライホイール21のナット25の先端面との間に挟持された状態で配置される。
すなわち、形状記憶合金スプリング280の温度に応じて第一スプリング281及び第二スプリング282が変位し、これにより、インナーレース36bが押圧されて冷却ファン231がファン支持軸部30上で軸方向に移動する。
形状記憶合金スプリング280は、クランクケース13に支持されるクランク軸16に接するように設けられており、クランクケース13の温度状態は形状記憶合金スプリング280の温度に反映され易い。このため、形状記憶合金スプリング280は、エンジン11の温度状態に追従して変位できる。
ベース部246は周縁部の下面に周縁部に沿った円環状の段部246aを備え、ダボ係合部材238は、段部246aに固定される。
ダボ係合部材238は、リング状のベースリング238aと、ベースリング238aの下面から突出するダボ凸部238bとを備える。ダボ凸部238bは、ベースリング238aの周方向に間隔をあけて複数設けられる。ダボ係合部材238は、ゴム製であり、適度な柔軟性を備える。
フライホイール21は、ベース部246に対向する円板部221bを備え、円板部221bには、ダボ凸部238bに対応する位置に、ダボ凸部238bが係合可能なダボ孔274を複数備える。ダボ凸部238b及びダボ孔274は、フライホイール21と冷却ファン231とを接続するダボ係合部275を構成する。
図6では、暖機運転状態における断続機構235の状態が示されている。
暖機運転状態では、形状記憶合金スプリング280の温度が低温であり、第一スプリング281は収縮した状態にあり、第二スプリング282は膨張した状態にある。このため、冷却ファン231は、第二スプリング282に押圧されてフライホイール21から離れた位置にあり、冷却ファン231とフライホイール21との接続は断接されている。また、摩擦板277はファンカバー24の受け面24bに当接している。
この状態でクランク軸16が回転すると、クランク軸16はベアリング36を介して冷却ファン231に対し空回りする。本第3の実施の形態では、摩擦板277が受け面24bに当接するため、冷却ファン231はクランク軸16に連れ回りし難い。なお、上記第1及び第2の実施の形態においても摩擦板277及び受け面24bを設けても良い。
図7は、通常運転状態の断続機構235を示す断面図である。
図7に示すように、エンジン11が暖気運転を必要としない温度に達し、形状記憶合金スプリング280の温度が高温になると、第一スプリング281は膨張した状態になり、第二スプリング282は収縮した状態になる。このため、通常運転状態では、冷却ファン231は、第一スプリング281に押圧されてフライホイール21側に押し付けられており、ダボ凸部238bがダボ孔274に係合することで、冷却ファン231はフライホイール21に接続される。
第3の実施の形態によれば、サーモアクチュエータは、感知する温度に応じて所定の軸方向に力を作用させる円筒状の形状記憶合金スプリング280を備え、形状記憶合金スプリング280は、高温時に膨張するとともに低温時に収縮する第一スプリング281と、高温時に収縮するとともに低温時に膨張する第二スプリング282とを備え、第一スプリング281及び第二スプリング282は、クランク軸16と同軸に配置されるとともに、冷却ファン231を軸方向に挟むように配置される。このため、クランク軸16と同軸に配置されるとともに、冷却ファン231を軸方向に挟むように配置される形状記憶合金の第一スプリング281及び第二スプリング282によって、エンジン11の温度状態に応じて冷却ファン231をクランク軸16の軸方向に移動させて、冷却ファン231とフライホイール21とを断続させることができる。このため、エンジン11の運転状態に応じてクランク軸16から冷却ファン231への動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
また、冷却ファン231とクランク軸16の端との間に第一スプリング281が設けられ、冷却ファン231とフライホイール21との間に第二スプリング282が設けられる。これにより、温度に対する形状変化の特性が異なる第一スプリング281及び第二スプリング282によって冷却ファン231を効率良く軸方向に移動させることができる。このため、断続機構235の構造を簡略化できる。第一スプリング281及び第二スプリング282の温度に対する形状変化の特性が互いに逆であるため、第一スプリング281及び第二スプリング282のアクチュエータとしての力が比較的弱い場合であっても、冷却ファン231を移動させることができる。
[第4の実施の形態]
以下、図8を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は、第3の実施の形態の変形例であるため、この第4の実施の形態において、第3の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態の第二スプリング282に替えて形状記憶合金ではない通常の金属製のリターンスプリング382が設けられる点が、上記第3の実施の形態と異なる。
図8は、第4の実施の形態における断続機構335を示す断面図である。
断続機構335は、フライホイール21と、冷却ファン231と、ベアリング36と、サーモアクチュエータとしてのスプリング380と、冷却ファン231に設けられるダボ係合部材238とを備える。
スプリング380は、第一スプリング281(形状記憶スプリング)と、第一スプリング281の押圧力に抗して設けられるリターンスプリング382とを備える。
リターンスプリング382は、鉄鋼材料製の通常のコイルバネであり、ファン支持軸部30の外周部にコイルの内周部を嵌合してファン支持軸部30に対して同軸に設けられる。
リターンスプリング382は、ベアリング36のインナーレース36bの軸方向の内端とフライホイール21のナット25の先端面との間に挟持された状態で配置される。
すなわち、スプリング380の温度に応じて第一スプリング281及びリターンスプリング382が変位し、これにより、インナーレース36bが押圧されて冷却ファン231がファン支持軸部30上で軸方向に移動する。
第一スプリング281は、クランクケース13に支持されるクランク軸16に接するように設けられており、クランクケース13の温度状態は第一スプリング281の温度に反映され易い。このため、第一スプリング281は、エンジン11の温度状態に追従して変位できる。
図8では、暖機運転状態における断続機構335の状態が示されている。
暖機運転状態では、形状記憶合金スプリング380の温度が低温であり、第一スプリング281は収縮した状態にあり、リターンスプリング382は、所定の初期荷重が付された状態にある。このため、冷却ファン231は、リターンスプリング382に押圧されてフライホイール21から離れた位置にあり、冷却ファン231とフライホイール21との接続は断接されている。また、摩擦板277はファンカバー24の受け面24bに当接している。
エンジン11が暖気運転を必要としない温度に達し、第一スプリング281の温度が高温になると、第一スプリング281は膨張した状態になり、リターンスプリング382は、膨張した第一スプリング281に押圧されて収縮した状態になる。このため、通常運転状態では、冷却ファン231は、第一スプリング281に押圧されてフライホイール21側に押し付けられており、ダボ凸部238bがダボ孔274に係合することで、冷却ファン231はフライホイール21に接続される。
また、エンジン11が再び暖気運転を必要する温度になると、第一スプリング281は収縮し、冷却ファン231はリターンスプリング382に押されて移動し、冷却ファン231の接続が断接される。
第4の実施の形態によれば、サーモアクチュエータは、所定の軸方向に力を作用させる円筒状のスプリング380を備え、スプリング380は、高温時に膨張して冷却ファン231をフライホイール21に接続する方向に押圧する形状記憶合金製の第一スプリング281と、第一スプリング281の押圧力に抗して設けられるリターンスプリング382とを備え、第一スプリング281及びリターンスプリング382は、クランク軸16と同軸に配置されるとともに、冷却ファン231を軸方向に挟むように配置される。このため、第一スプリング281及びリターンスプリング382によって、エンジン11の温度状態に応じて冷却ファン231をクランク軸16の軸方向に移動させて、冷却ファン231とフライホイール21とを断続させることができる。このため、エンジン11の運転状態に応じてクランク軸16から冷却ファン231への動力伝達の断接を制御可能な冷却ファン構造をコンパクトに構成できる。
なお、第4の実施の形態の構成を変形し、高温時に収縮するとともに低温時に膨張する形状記憶スプリングをリターンスプリング382に替えて設けるとともに、リターンスプリング382を第一スプリング281に替えて設ける構成としても良い。
11 エンジン(内燃機関)
13 クランクケース
16 クランク軸
21 フライホイール
31,231 冷却ファン
35,235,335 断続機構
37 接続用スプリング
38 摩擦係合部材
40 サーモアクチュエータ
42 シーソーアーム(アーム)
43 断接用スプリング
44 押圧スプリング(スプリング)
48 羽根部
60 サーモアクチュエータ収容部
64 ストッパー孔部(ストッパー部)
121b 円板部(フライホイールの壁面)
138b ダボ凸部
174 ダボ孔
175 ダボ係合部
280 形状記憶合金スプリング(サーモアクチュエータ)
281 第一スプリング(形状記憶スプリング)
282 第二スプリング
380 スプリング(サーモアクチュエータ)
382 リターンスプリング
T 所定の温度

Claims (12)

  1. クランクケース(13)の一側に配置され、クランク軸(16)の動力によって回転する冷却ファン(31)と、前記クランク軸(16)の一端に連結されて前記クランク軸(16)と共に回転するとともに、前記冷却ファン(31)に対し前記クランク軸(16)の軸方向に近接して配置されて前記冷却ファン(31)に回転動力を伝達するフライホイール(21)と、前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを断続させる断続機構(35)とを備えた内燃機関の冷却ファン構造において、
    周囲の温度を感知して動作するサーモアクチュエータ(40)を備え、当該サーモアクチュエータ(40)の動作によって前記冷却ファン(31)が前記クランク軸(16)の軸方向に移動させられることで、前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とが断続され
    前記サーモアクチュエータ(40)は、前記クランクケース(13)に収容されることを特徴とする内燃機関の冷却ファン構造。
  2. 前記断続機構(35)は、前記サーモアクチュエータ(40)と前記冷却ファン(31)とをアーム(42)によって連結し、前記サーモアクチュエータ(40)と前記冷却ファン(31)とは、共に、前記アーム(42)の一方側に配置されることを特徴とする請求項記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  3. 前記サーモアクチュエータ(40)は、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)以下であるときに前記アーム(42)に対する引張り力を発生させて前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを断接し、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)より大きいときに前記引張り力を解放して前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを接続することを特徴とする請求項記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  4. 前記サーモアクチュエータ(40)は、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)以下であるときに前記アーム(42)に対する押し付け力を供給させて前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを断接し、前記内燃機関(11)が所定の温度(T)より大きいときに前記アーム(42)に対して押し付け力を解放して前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを接続することを特徴とする請求項記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  5. 前記アーム(42)の一端側と前記サーモアクチュエータ(40)との間には、前記冷却ファン(31)を前記フライホイール(21)から離すための断接用スプリング(43)が配置されることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  6. 前記冷却ファン(31)と前記クランク軸(16)との間には、前記冷却ファン(31)を前記フライホイール(21)に向けて付勢する接続用スプリング(37)が設けられることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  7. 前記冷却ファン(31)と前記フライホイール(21)とを接続させる方向に動く際の前記アーム(42)の位置を規制するストッパー部(64)と、前記アーム(42)を前記ストッパー部(64)に向けて付勢するスプリング(44)とを備え、前記スプリング(44)は、前記断接用スプリング(43)によって圧縮されており、前記サーモアクチュエータ(40)が伸びると前記スプリング(44)が伸びて前記アーム(42)が前記ストッパー部(64)に当接するまで動くことを特徴とする請求項記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  8. 前記フライホイール(21)と前記冷却ファン(31)とは、摩擦係合によって回転動力を伝達し、摩擦係合部材(38)は、前記冷却ファン(31)の羽根部(48)内に設けられることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  9. 前記フライホイール(21)と前記冷却ファン(31)とは、ダボ係合によって回転動力を伝達し、ダボ係合部(175)は、前記フライホイール(21)の壁面(121b)に設けられたダボ孔(174)と、前記冷却ファン(31)に設けられたゴム製のダボ凸部(138b)とを備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  10. クランクケース(13)の一側に配置され、クランク軸(16)の動力によって回転する冷却ファン(231)と、前記クランク軸(16)の一端に連結されて前記クランク軸(16)と共に回転するとともに、前記冷却ファン(231)に対し前記クランク軸(16)の軸方向に近接して配置されて前記冷却ファン(231)に回転動力を伝達するフライホイール(21)と、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とを断続させる断続機構(235)とを備えた内燃機関の冷却ファン構造において、
    周囲の温度を感知して動作するサーモアクチュエータ(280)を備え、当該サーモアクチュエータ(280)の動作によって前記冷却ファン(231)が前記クランク軸(16)の軸方向に移動させられることで、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とが断続され、
    前記サーモアクチュエータは、感知する温度に応じて所定の軸方向に力を作用させる円筒状の形状記憶合金スプリング(280)を備え、当該形状記憶合金スプリング(280)は、高温時に膨張するとともに低温時に収縮する第一スプリング(281)と、高温時に収縮するとともに低温時に膨張する第二スプリング(282)とを備え、
    前記第一スプリング(281)及び前記第二スプリング(282)は、前記クランク軸(16)と同軸に配置されるとともに、前記冷却ファン(231)を軸方向に挟むように配置されることを特徴とする内燃機関の冷却ファン構造。
  11. 前記冷却ファン(231)と前記クランク軸(16)の端との間に前記第一スプリング(281)が設けられ、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)との間に前記第二スプリング(282)が設けられることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  12. クランクケース(13)の一側に配置され、クランク軸(16)の動力によって回転する冷却ファン(231)と、前記クランク軸(16)の一端に連結されて前記クランク軸(16)と共に回転するとともに、前記冷却ファン(231)に対し前記クランク軸(16)の軸方向に近接して配置されて前記冷却ファン(231)に回転動力を伝達するフライホイール(21)と、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とを断続させる断続機構(235)とを備えた内燃機関の冷却ファン構造において、
    周囲の温度を感知して動作するサーモアクチュエータ(380)を備え、当該サーモアクチュエータ(380)の動作によって前記冷却ファン(231)が前記クランク軸(16)の軸方向に移動させられることで、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)とが断続され、
    前記サーモアクチュエータは、所定の軸方向に力を作用させる円筒状のスプリング(380)を備え、当該スプリング(380)は、高温時に膨張して前記冷却ファン(231)を前記フライホイール(21)に接続する方向に押圧する形状記憶合金製の形状記憶スプリング(281)と、形状記憶スプリング(281)の押圧力に抗して設けられるリターンスプリング(382)とを備え、
    前記形状記憶スプリング(281)及び前記リターンスプリング(382)は、前記クランク軸(16)と同軸に配置されるとともに、前記冷却ファン(231)を軸方向に挟むように配置され
    前記冷却ファン(231)と前記クランク軸(16)の端との間に前記形状記憶スプリング(281)が設けられ、前記冷却ファン(231)と前記フライホイール(21)との間に前記リターンスプリング(382)が設けられることを特徴とする内燃機関の冷却ファン構造。
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