JP4946992B2 - 流体伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体伝達装置に関し、特にロックアップクラッチとダンパー手段とを備える流体伝達装置に関するものである。
ロックアップクラッチを備える流体伝達装置には、例えば特許文献1に示すように、駆動源であるエンジンの駆動力が伝達されるフロントカバーとロックアップクラッチとの間にダンパー機構を構成する弾性体であるダンパースプリングが配置されているものがある。この従来の流体伝達装置では、ダンパースプリングがダンパー手段に備えられ、ロックアップクラッチとフロントカバーとの間に配置される保持プレートに保持されている、従来の流体伝達装置では、ダンパー機構、すなわちダンパースプリングを介してフロントカバーに伝達されたエンジンからの駆動力がロックアップクラッチに伝達され、ロックアップクラッチON時にロックアップクラッチを介して出力軸にエンジンからの駆動力が直接伝達されるものである。
特開平5−187518号公報
ところで、ロックアップクラッチON時には、ダンパー機構を介してエンジンの駆動力がロックアップクラッチに伝達されるため、駆動力伝達時における振動低減が図られている。しかしながら、近年のエンジンの高出力化などに伴い、ダンパー機構を介してロックアップクラッチに伝達する駆動力が増大しており、さらなる振動低減が要求されていた。振動低減を図るためには、ダンパースプリングの低バネ化が有効であるが、ダンパースプリングの外径を増大することとなる。外径の大きいダンパースプリングをロックアップクラッチとフロントカバーとの間に配置するために、ダンパースプリングの収納する空間部を軸方向に拡大すると、流体伝達装置が大型化するという問題があった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大型化を抑制しつつ、振動低減を図ることができる流体伝達装置を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、周方向に複数配置されたセットブロックを有し、前記各セットブロックが駆動源の入力部材と連結され、前記駆動源の駆動力が伝達されるフロントカバーと、作動流体を介して前記フロントカバーに伝達された駆動力を出力軸に伝達する流体伝達手段と、前記フロントカバーに伝達された駆動力を直接出力軸に伝達するロックアップクラッチと、前記フロントカバーと前記ロックアップクラッチとの間に配置される弾性体を有し、かつ前記弾性体を介して当該フロントカバーと当該ロックアップクラッチとを連結するダンパー手段と、を備える流体伝達装置において、前記フロントカバーは、前記各セットブロック間の部分が駆動源側に突出し、内部の当該各セットブロック間に空間部が形成されており、前記空間部に前記弾性体の少なくとも一部が収納されていることを特徴とする。
また、上記流体伝達装置において、前記ダンパー手段は、ロックアップクラッチと前記フロントカバーとの間に配置され、前記ロックアップクラッチに前記フロントカバーに伝達された駆動力を伝達する伝達プレートをさらに備え、前記複数の弾性体の一部は、前記伝達プレートに前記フロントカバーに伝達された駆動力を伝達する際に、前記周方向における両端部のうち一方の端部が前記フロントカバーと接触し、他方の端部が前記伝達プレートと接触することが好ましい。
また、上記流体伝達装置において、前記複数の弾性体を保持する保持プレートをさらに備え、前記フロントカバーと前記保持プレートとを直接連結する直接連結手段をさらに備えることが好ましい。
また、上記流体伝達装置において、前記直接連結手段は、前記フロントカバーのうち、前記保持プレートの径方向外側端部と径方向において対向する部分に形成された連結溝部と、前記保持プレートの径方向外側端部に形成された連結突起部と、により構成されていることが好ましい。
本発明にかかる流体伝達装置は、各セットブロック間の部分を駆動源側に突出させ、フロントカバーの内部において各セットブロック間にブロック間空間部を形成し、形成されたブロック間空間部に弾性体の少なくとも一部を収納するので、入力部材とフロントカバーとの間に形成されていたスペースを弾性体を収納する空間部に用いることができる。従って、ロックアップクラッチとフロントカバーとの間の弾性体を収納する空間部は、フロントカバーを軸方向に延長することなく軸方向に拡大することができるので、ダンパー手段に外径の大きい弾性体を用いることができる。これにより、低バネ化を図ることで、大型化を抑制しつつ、振動低減を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる流体伝達装置では、弾性体によりフロントカバーに伝達された駆動力を伝達プレートに伝達する際に、弾性体がフロントカバーと伝達プレートとにより直接保持されるので、弾性体を保持するための部材を削減することができ、軽量化に伴う燃費向上や、低コスト化を図ることができるという効果を奏する。
また、弾性体によりフロントカバーに伝達された駆動力を伝達プレートに伝達する際に、弾性体の両端部のうち少なくとも一方の端部を面で保持することができる。従って、弾性体の保持性が安定するので、弾性体の弾性変形を安定して行うことができ、性能の安定化を図ることができる。
また、連結突起部が連結溝部に挿入されることで、フロントカバーに対する保持プレートの周方向における位置決めを行うことができる。従って、弾性体をフロントカバーと保持プレートとの間に配置する際の組付性を向上することができ、低コスト化を図ることができるという効果を奏する。
また、フロントカバーのうち、保持プレートの径方向外側端部が径方向において対向する部分は、軸方向に延在しているので、連結溝部を軸方向に延在して形成することができる。従って、保持プレートが軸方向に移動しても、連結溝部と連結突起部との連結を維持することができる。従って、フロントカバーに保持プレートを確実に連結することができるので、耐久性を向上することができるという効果を奏する。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施の形態では、流体伝達装置に伝達される駆動力を発生する駆動源として、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどのエンジンを用いるが、これに限定されるものではなく、モータなどの電動機を駆動源として、あるいはモータなどの電動機と併用して用いても良い。
〔実施の形態1〕
図1は、実施の形態1にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。図2は、エンジン側から見たフロントカバーの構成例を示す図である。図3は、出力軸側から見たフロントカバーの構成例を示す図である。図4は、フロントカバーとプレートとダンパースプリングとの関係を示す図である。なお、流体伝達装置の外郭は概略、図1をX−X軸を中心軸として周方向に回転することで構成される。図1に示すように、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1は、フロントカバー10と、流体伝達機構20と、ロックアップクラッチ30と、ダンパー機構40と、出力軸50とにより構成されている。
フロントカバー10は、図1〜図3に示すように、駆動源である図示しないエンジンの駆動力が伝達されるものである。フロントカバー10は、本体部11と、フランジ部12と、セットブロック13と、突出領域14と、空間部15とにより構成されている。本体部11は、円板形状である。フランジ部12は、本体部11の径方向外側端部から出力軸側に突出して形成されている。セットブロック13は、入力部材であるドライブプレート100と連結されるものである。セットブロック13は、本体部11のエンジン側に周方向に複数形成されている。実施の形態1では、セットブロック13は、本体部11のエンジン側の側面の外周端部近傍からエンジン側に突出して形成され、本体部11に対して周方向に等間隔に6つ形成されている。各セットブロック13には、ボルト穴13aが形成されている。各セットブロック13は、ボルト穴13aにドライブプレート100の貫通穴に挿入されたボルト16をそれぞれ螺合することで、ドライブプレート100と連結される。ここで、ドライブプレート100は、円板形状であり、図示しないエンジンのエンジン出力軸110と連結部材120(例えば、ボルト)に連結されている。従って、エンジンの駆動力は、ドライブプレート100に伝達され、ドライブプレート100に伝達された駆動力がフロントカバー10に伝達される。
ここで、本体部11は、一部が本体部11の他の部分よりもエンジン側に突出している突出領域14が形成されている。突出領域14は、第1突出領域14aと、第2突出領域14bとにより構成されている。第1突出領域14aは、各セットブロック13よりも径方向内側に形成されている。第2突出領域14bは、第1突出領域14aよりも径方向外側、すなわち本体部11の径方向外側端部近傍で、かつ、各セットブロック13間に形成されている。実施の形態1では、第2突出領域14bは、本体部11に対して周方向に等間隔に6つ形成されている。つまり、フロントカバー10は、各セットブロック13間の部分が駆動源側、すなわちエンジン側にそれぞれ突出している。従って、本体部のうち、突出領域14に対応した部分がエンジン側に突出しているので、本体部11の内部のうち、突出領域14に対応した部分が他の部分よりもエンジンが凹むことで空間部15が形成されている。空間部15は、中央空間部15aと、ブロック間空間部15bとにより構成されている。中央空間部15aは、突出領域14の第1突出領域14aに対応するものであり、本体部11のうち各セットブロック13がそれぞれ形成されるセットブロック対応部分11aよりも径方向内側に形成されるものである。ブロック間空間部15bは、突出領域14の各第2突出領域14bにそれぞれ対応するものであり、中央空間部15aよりも径方向外側で、すなわち本体部11の径方向外側端部近傍で、各セットブロック対応部分11aの間にそれぞれ形成されているものである。つまり、フロントカバー10は、内部の各セットブロック13間に空間部15の各ブロック間空間部15bがそれぞれ形成されている。ここで、各ブロック間空間部15bの周方向における両端部は、本体部11の突出領域14の第2突出領域14bに対応する部分の内壁面のうち、周方向における両端部である端部内壁面、すなわちセットブロック対応部分11aの周方向における両端部17、18となる。なお、各ブロック間空間部15bは、その周方向における長さがダンパー機構40の後述する保持プレート42の第1保持部42aの周方向における長さと同一あるいはほぼ同一に設定されている。つまり、両端部17,18は、第1保持部42aにダンパースプリング44aが保持されると、ダンパースプリング44aの両端部44c,44dにそれぞれ周方向において対向することとなる。
流体伝達機構20は、流体伝達手段であり、作動流体を介してフロントカバー10に伝達された駆動力を出力軸50に伝達するものである。流体伝達機構20は、図1に示すように、ポンプインペラ21と、タービンライナ22と、ステータ23と、ワンウェイクラッチ24と、ポンプインペラ21とタービンライナ22との間に介在する作動流体である作動油とにより構成されている。
ポンプインペラ21は、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達されるものであり、作動油を介して伝達された駆動力をタービンライナ22に伝達するものである。ポンプインペラ21は、複数のポンプブレード21aと、ポンプシェル21bと、インナーコア21cとにより構成されている。各ポンプブレード21aは、翼であり、流体伝達装置1−1の周方向に等間隔に設けられている。各ポンプブレード21aは、内周にインナーコア21cが取り付けられている。ポンプシェル21bは、リング形状で出力軸側に凹んでおり、凹むことで形成されたポンプシェル21bの内面に各ポンプブレード21aが取り付けられている。ポンプシェル21bの径方向外側端部は、各ポンプブレード21aよりもエンジン側に突出して形成されている。ポンプシェル21bは、径方向外側端部21dがフロントカバー10のフランジ部12の出力軸側端部に、固定手段、例えば溶接Sなどにより固定されることで、フロントカバー10に固定されている。つまり、ポンプインペラ21は、フロントカバー10と一体回転し、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力がポンプシェル21bを介して各ポンプブレード21aに伝達される。また、ポンプシェル21bは、径方向内側端部21eがスリーブ51に固定手段、例えば溶接Sなどにより固定されている。なお、スリーブ51は、回転運動により作動する装置、例えばオイルポンプなどに連結されている。
タービンライナ22は、ポンプインペラ21から作動油を介して伝達されたエンジンからの駆動力を出力軸50に伝達するものである。ここで、出力軸50は、例えば出力軸側に配置された図示しない変速機のインプットシャフトなどである。タービンライナ22は、タービンブレード22aと、タービンシェル22bと、インナーコア22cと、タービンハブ22dとにより構成されている。各タービンブレード22aは、翼であり、流体伝達装置1−1の周方向に等間隔に設けられている。各タービンブレード22aは、内周にインナーコア22cが取り付けられている。タービンシェル22bは、リング形状でエンジン側に湾曲しており、湾曲したタービンシェル22bの内面に各タービンブレード22aが取り付けられている。ここで、タービンライナ22は、ポンプインペラ21に対向するように配置されている。タービンハブ22dは、タービンライナ22の基部であり、径方向内側に配置されている。タービンハブ22dは、径方向外側端部22eがタービンシェル22bの径方向内側端部22fに、締結手段、例えばボルト22gなどにより固定されることで、タービンシェル22bに固定されている。また、タービンハブ22dは、固定手段、例えばタービンハブ22dの内周面と出力軸50の外周面に形成されたスプラインがスプライン嵌合することにより、出力軸50に固定されている。つまり、タービンハブ22dおよびタービンシェル22bは、出力軸50と一体回転することとなり、タービンライナ22が出力軸50と一体回転するので、流体伝達機構20を構成するポンプインペラ21、作動油およびタービンライナ22を介して伝達されたエンジンからの駆動力が出力軸に伝達される。
ステータ23は、周方向に形成された複数のステータブレード23aを有し、ポンプインペラ21とタービンライナ22と間に配置されるものである。ステータ23は、ポンプインペラ21とタービンライナ22との間を循環する作動油の流れを変化させ、エンジンから伝達される駆動力に基づいて所定の駆動力特性を得るためのものである。
ワンウェイクラッチ24は、ステータ23を一方向のみに回転可能に支持するものである。アウターレース24aと、インナーレース24bと、ワンウェイクラッチ機構24cとにより構成されている。アウターレース24aは、固定手段、例えばアウターレース24aの外周面とステータ23の内周面に形成されたスプラインがスプライン嵌合することにより、ステータ23が固定されている。インナーレース24bは、径方向においてアウターレース24aと対向するものであり、固定手段、例えばインナーレース24bの内周面と流体伝達装置1−1を収納するハウジング52の一部の外周面に形成されたスプラインがスプライン嵌合することにより、ハウジング52に固定されている。ワンウェイクラッチ機構24cは、アウターレース24aとインナーレース24bとの間に配置され、インナーレース24bに対してアウターレース24aを一方向にだけ回転可能にするものである。また、ワンウェイクラッチ24は、ポンプシェル21bに固定されたスリーブ51との間、タービンハブ22dとの間に、軸受25,26がそれぞれ設けられている。つまり、ステータ23は、ポンプインペラ21およびタービンライナ22に対して回転自在に支持されており、ハウジング52に対して一方向のみに回転可能である。
ロックアップクラッチ30は、流体伝達機構20を介さずに、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力を直接出力軸50に伝達するものである。ロックアップクラッチ30は、図1に示すように、ピストン31と摩擦材32とにより構成されている。
ピストン31は、リング状であり、タービンライナ22とダンパー機構40との間に配置されている。つまり、流体伝達装置1−1では、エンジン側から出力軸側に向かって、フロントカバー10、ダンパー機構40、ロックアップクラッチ30、流体伝達機構20の順番で配置されている。ピストン31は、径方向内側端部31aがタービンハブ22dの径方向外側端部22eに、タービンシェル22bとともに、締結手段、例えばボルト22gなどにより固定されることで、タービンハブ22dに固定されている。つまり、ピストン31は、タービンライナ22を介して出力軸50に固定されている。なお、ピストン31の径方向外側端部は、フロントカバー10およびポンプシェル21b近傍まで延在して形成されている。
摩擦材32は、リング状でありピストン31に対向して設けられている。摩擦材32は、ダンパー機構40のピストン31と軸方向において対向する伝達プレート41の径方向外側端部近傍の出力軸側の側面に設けられている。ここで、後述する流体伝達装置1−1に供給される作動油により、ピストン31と摩擦材32とが接触し、摩擦係合する、すなわちロックアップクラッチ30がONとなると、ピストン31と伝達プレート41とが一体回転することとなるので、ロックアップクラッチ30がダンパー機構40を介してフロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力を直接タービンライナ22に伝達し、出力軸50に伝達する。
ダンパー機構40は、ダンパー手段であり、弾性体、実施の形態1では、複数のダンパースプリング44a,44bを介してフロントカバー10とロックアップクラッチ30とを連結するものである。ダンパー機構40は、図1および図4に示すように、フロントカバー10の内部(空間部15を含む)に収納されており、伝達プレート41と、保持プレート42と、補助プレート43と、複数のダンパースプリング44a,44bと、スライドピン45とにより構成されている。
伝達プレート41には、複数のダンパースプリング44a,44bを介して、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達される。伝達プレート41は、リング状であり、フロントカバー10とピストン31との間に配置されている。伝達プレート41には、突出部41aと、第1収納空間部41bと、第2収納空間部41cと、ピン用穴41dとが形成されている。突出部41aは、伝達プレート41の径方向内側端部に形成されている。突出部41aは、フロントカバー10の径方向内側端部近傍に形成された段差部19に対して軸方向に摺動自在に支持されている。つまり、伝達プレート41は、フロントカバー10に対して軸方向に摺動することができるので、摩擦材32のピストン31に対する相対距離を変化させることができる。これにより、伝達プレート41の軸方向の摺動により、摩擦材32をピストン31と接触させることができ、ピストン31と非接触とすることができる。第1収納空間部41bは、ダンパースプリング44aの一部を収納するものである。第1収納空間部41bは、伝達プレート41の径方向外側端部およびその近傍部分が出力軸側に突出することで形成され、保持プレート42に保持されたダンパースプリング44aのうち、保持プレート42より出力軸側を収納するものである。実施の形態1では、第1収納空間部41bは、伝達プレート41に対して周方向に等間隔に6つ形成されている。各第1収納空間部41bは、その周方向における長さが第1保持部42aの周方向における長さと同一あるいはほぼ同一に設定されている。つまり、各第1収納空間部41bの周方向における両端部は、第1保持部42aにダンパースプリング44aが保持されると、ダンパースプリング44aの両端部44c,44dにそれぞれ周方向において対向し、接触することとなる。第2収納空間部41cは、ダンパースプリング44bの一部を収納するものである。第2収納空間部41cは、伝達プレート41の径方向における中央部が出力軸側に突出することで形成され、保持プレート42に保持されたダンパースプリング44bのうち、保持プレート42より出力軸側を収納するものである。実施の形態1では、第2収納空間部41cは、伝達プレート41に対して周方向に等間隔に、かつ第1収納空間部41bのピッチと半位相ずれて6つ形成されている。各第2収納空間部41cは、その周方向における長さが第2保持部42bの周方向における長さと同一あるいはほぼ同一に設定されている。つまり、各第2収納空間部41cの周方向における両端部は、第2保持部42bにダンパースプリング44bが保持されると、ダンパースプリング44bの両端部44e,44fにそれぞれ周方向において対向し、接触することとなる。また、ピン用穴41dは、伝達プレート41の第1収納空間部41bと第2収納空間部41cとの間に形成されている。実施の形態1では、ピン用穴41dは、伝達プレート41に対して周方向に等間隔に、かつ第1収納空間部41bのピッチと半位相ずれたピッチで6つ形成されている。なお、突出部41aと段差部19との間には、段差部19を摺動する突出部41aと段差部19との間からの作動油の漏れを抑制するシール部材Pが配置されている。また、伝達プレート41の径方向外側端部は、フロントカバー10近傍まで延在して形成されている。従って、流体伝達装置1−1の内部は、ピストン31、タービンハブ22dおよび伝達プレート41により、流体伝達機構20が位置する流体伝達機構空間部Aと、ロックアップクラッチ30が位置するクラッチ空間部Bと、ダンパー機構40が位置するダンパー機構空間部Cとに区画される。
保持プレート42は、リング状であり、フロントカバー10と伝達プレート41との間に配置されている。また、保持プレート42は、複数の弾性体であるダンパースプリング44a,44bを保持するものである。保持プレート42には、第1保持部42aと、第2保持部42bと、ピンスライド部42cとが形成されている。第1保持部42aは、径方向外側に配置されるダンパースプリング44aが挿入され、ダンパースプリング44aを保持するものである。ここで、第1保持部42aは、実施の形態1では、保持プレート42の径方向外側端部に形成された凹部である。また、実施の形態1では、第1保持部42aは、保持プレート42に対して周方向に等間隔に6つ形成されている。つまり、周方向において隣り合う各第1保持部42aの間には、凸部42dが形成されている。各第1保持部42aは、その周方向の長さがダンパースプリング44aを付勢した状態で保持できる長さに設定されている。従って、第1保持部42aにダンパースプリング44aが保持されると、第1保持部42aの周方向における両端部42e,42fがダンパースプリング44aの両端部44c,44dにそれぞれ接触することとなる。第2保持部42bは、径方向内側に配置されるダンパースプリング44bが挿入され、ダンパースプリング44bを保持するものである。ここで、第2保持部42bは、実施の形態1では、保持プレート42の径方向内側近傍に、円弧状に形成されたスリットである。また、実施の形態1では、第2保持部42bは、保持プレート42に対して周方向に等間隔に、かつ第1保持部42aのピッチと半位相ずれたピッチで6つ形成されている。各第2保持部42bは、その周方向の長さがダンパースプリング44bを付勢した状態で保持できる長さに設定されている。従って、第2保持部42bにダンパースプリング44bが保持されると、第2保持部42bの周方向における両端部42g,42hがダンパースプリング44bの両端部44e,44fにそれぞれ接触することとなる。ピンスライド部42cは、スライドピン45を保持プレート42に対して周方向に摺動させるものである。ピンスライド部42cは、保持プレート42に径方向中央部で、第1保持部42aと第2保持部42bとの間に形成されるものである。ピンスライド部42cは、伝達プレート41のピン用穴41dおよび補助プレート43の後述するピン用穴43aと軸方向において対向する位置で円弧状に形成されたスリットである。また、実施の形態1では、ピンスライド部42cは、保持プレート42に対して周方向に等間隔に、かつ第1保持部42aのピッチと半位相ずれたピッチで6つ形成されている。
補助プレート43は、フロントカバー10と保持プレート42との間に配置されている。補助プレート43には、ピン用穴43aと、収納空間部43bとが形成されている。ピン用穴43aは、スライドピン45が挿入されるものであり、補助プレート43の径方向外側端部近傍に形成されている。実施の形態1では、ピン用穴43aは、補助プレート43に対して周方向に等間隔に6つ形成されている。収納空間部43bは、ダンパースプリング44bの一部を収納するものである。収納空間部43bは、補助プレート43の径方向内側端部近傍部分がエンジン側に突出することで形成され、保持プレート42に保持されたダンパースプリング44bのうち、保持プレート42よりエンジン側を収納するものである。実施の形態1では、収納空間部43bは、補助プレート43に対して周方向に等間隔に6つ形成されている。各収納空間部43bは、その周方向における長さが第2保持部42bの周方向における長さと同一あるいはほぼ同一に設定されている。つまり、各収納空間部43bの周方向における両端部は、第2保持部42bにダンパースプリング44bが保持されると、ダンパースプリング44bの両端部44e,44fにそれぞれ周方向において対向し、接触することとなる。
ダンパースプリング44aは、弾性体であり、コイルスプリングである。ダンパースプリング44aは、フロントカバー10とロックアップクラッチ30との間に配置されるものである。ダンパースプリング44aは、フロントカバー10の内部の径方向外側に配置されるものであり、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力を伝達プレート41および保持プレート42に伝達するものである。ダンパースプリング44aは、各保持プレート42の第1保持部42aに保持される。つまり、各ダンパースプリング44aは、各第1保持部42aの周方向における両端部42e,42fに接触し、両端部42e,42fの間に付勢された状態で保持される。また、各ダンパースプリング44aは、第1保持部42aにそれぞれ保持されるとともに、保持プレート42よりもエンジン側が空間部15のブロック間空間部15bに収納されるとともに、保持プレート42よりも出力軸側が伝達プレートの第1収納空間部41bに収納される。つまり、各ダンパースプリング44aの少なくとも一部は、フロントカバー10の本体部11のうち、突出領域14を除く部分に対して軸方向においてエンジン側に位置することとなる。また、各ダンパースプリング44aの少なくとも一部は、周方向において、各セットブロック対応部分11aと対向する位置に配置されることとなる。これにより、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、駆動力がフロントカバー10に周方向のうち一方向に回転させるように作用した場合、フロントカバー10からセットブロック対応部分11aの端部17に接触する各ダンパースプリング44aの端部44cを介して各ダンパースプリング44aに伝達され、各ダンパースプリング44aから各ダンパースプリング44aの端部44dに接触する第1収納空間部41bの一方向側の端部および第1保持部42aの端部42fを介して、伝達プレート41および保持プレート42に伝達される。また、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、駆動力がフロントカバー10に周方向のうち他方向に回転させるように作用した場合、フロントカバー10からセットブロック対応部分11aの端部18に接触する各ダンパースプリング44aの端部44dを介して各ダンパースプリング44aに伝達され、各ダンパースプリング44aから各ダンパースプリング44aの端部44cに接触する第1収納空間部41bの他方向側の端部および第1保持部42aの端部42eを介して、伝達プレート41および保持プレート42に伝達される。このように、複数の弾性体の一部である各ダンパースプリング44aは、各ダンパースプリング44aによりフロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力をロックアップクラッチ30に伝達する際に、両端部44c,44dのうち一方の端部がフロントカバー10と接触し、他方の端部が伝達プレート41と接触することとなる。つまり、各ダンパースプリング44aは、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力をフロントカバー10から伝達プレート41と伝達する際に、フロントカバー10と伝達プレート41とにより保持される。従って、伝達プレート41および保持プレート42には、各ダンパースプリング44aを介して、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達され、フロントカバー10と同一方向に回転する。
ダンパースプリング44bは、弾性体であり、コイルスプリングである。ダンパースプリング44bは、フロントカバー10とロックアップクラッチ30との間に配置されるものである。ダンパースプリング44bは、フロントカバー10の内部の径方向内側に配置されるものであり、フロントカバー10およびダンパースプリング44aを介して保持プレート42に伝達されたエンジンからの駆動力の一部を伝達プレート41に伝達するものである。ダンパースプリング44bは、各保持プレート42の第2保持部42bに保持される。つまり、各ダンパースプリング44bは、各第2保持部42bの周方向における両端部42g,42hに接触し、両端部42g,42hの間に付勢された状態で保持される。また、各ダンパースプリング44bは、第2保持部42bにそれぞれ保持されるとともに、保持プレート42よりもエンジン側が空間部15の中央空間部15aに位置する補助プレート43の収納空間部43bに収納されることで、中央空間部15aに収納されるとともに、出力軸側が伝達プレート41の収納空間部41bに収納される。つまり、各ダンパースプリング44bの少なくとも一部は、フロントカバー10の本体部11のうち、突出領域14を除く部分に対して軸方向においてエンジン側に位置することとなる。従って、各ダンパースプリング44bの両端部44e,44fは、第1収納空間部41bおよび収納空間部43bの周方向における両端部と接触した状態で対向する。これにより、各ダンパースプリング44aを介して保持プレート42に伝達されたエンジンからの駆動力の一部は、駆動力が保持プレート42を周方向のうち一方向に回転させるように作用した場合、保持プレート42から第2保持部の端部42gに接触する各ダンパースプリング44bの端部44eを介して各ダンパースプリング44bに伝達され、各ダンパースプリング44bから各ダンパースプリング44bの端部44fに接触する第2収納空間部41cの一方向側の端部および収納空間部43bの一方向側の端部を介して、伝達プレート41に伝達される。また、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、駆動力がフロントカバー10に周方向のうち他方向に回転させるように作用した場合、保持プレート42から第2保持部の端部42hに接触する各ダンパースプリング44bの端部44fを介して各ダンパースプリング44bに伝達され、各ダンパースプリング44bから各ダンパースプリング44bの端部44eに接触する第2収納空間部41cの他方向側の端部および収納空間部43bの他方向側の端部を介して、伝達プレート41に伝達される。つまり、各ダンパースプリング44bは、各ダンパースプリング44aを介して保持プレート42に伝達されたエンジンからの駆動力を保持プレート42から伝達プレート41と伝達する際に、保持プレート42と伝達プレート41および補助プレート43とにより保持される。
スライドピン45は、ピンスライド部42cを保持プレート42に対して周方向に摺動することで、保持プレート42に対して伝達プレート41および補助プレート43を周方向に揺動させるものである。スライドピン45は、伝達プレート41のピン用穴41dに挿入され、保持プレート42のピンスライド部42cに周方向に摺動可能に挿入され、補助プレート43のピン用穴43aに挿入された状態で固定される。従って、伝達プレート41および補助プレート43は、スライドピン45により一体化されている。これにより、伝達プレート41および補助プレート43は、スライドピン45がピンスライド部42cを周方向に摺動可能な領域において、保持プレート42に対して周方向に揺動することができる。
ここで、流体伝達装置1−1の流体伝達機構空間部Aと、クラッチ空間部Bと、ダンパー機構空間部Cとには、図示しない油圧制御手段から作動油が供給される。ここで、油圧制御手段は、クラッチ空間部Bの油圧とダンパー機構空間部Cの油圧との圧力差、すなわち伝達プレート41の軸方向における両側面に作用する押圧力の差を制御することができる。油圧制御手段は、ロックアップクラッチ30のON制御時に、クラッチ空間部Bの油圧よりもダンパー機構空間部Cの油圧を大きくし、伝達プレート41を出力軸側に移動させ、摩擦材32をピストン31と接触させ、摩擦係合させて、伝達プレート41とピストン31とを一体回転させる。また、油圧制御手段は、ロックアップクラッチ30のOFF制御時に、ダンパー機構空間部Cの油圧よりもクラッチ空間部Bの油圧を大きくし、伝達プレート41がエンジン側に移動させ、ピストン31と摩擦係合していた摩擦材32をピストン31から離間させ、摩擦係合を解除し、伝達プレート41とピストン31との一体回転を解除する。
次に、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1の動作について説明する。エンジンが駆動力を発生し、エンジン出力軸110が回転すると、ドライブプレート100を介して、フロントカバー10にエンジンからの駆動力が伝達される。フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、ポンプインペラ21がフロントカバー10に連結されているため、ポンプシェル21bに伝達され、ポンプインペラ21が回転する。流体伝達機構空間部Aの作動油は、ポンプインペラ21が回転すると、ポンプブレード21aとタービンブレード22aとステータ23のステータブレード23a間を循環し、流体継手として作用する。これにより、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が、タービンライナ22に伝達され、タービンライナ22がフロントカバー10と同一方向に回転する。このとき、例えばエンジン出力軸110の回転数、すなわち流体伝達装置1−1の入力側の回転数が低く、出力軸50の回転数、すなわち流体伝達装置1−1の出力側の回転数との比である差動回転比が1から離れている場合は、作動油がステータ23のステータブレード23a間を通過する際に径方向外側を通過する。一方、例えば入力側の回転数が高く、差動回転比が1に近づいている場合は、作動油がステータ23のステータブレード23a間を通過する際に径方向内側を通過する。また、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、上述のように、フロントカバー10から各ダンパースプリング44aを介して、あるいは各ダンパースプリング44a、保持プレート42および各ダンパースプリング44bを介して摩擦材32が設けられた伝達プレート41に伝達される。つまり、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、ダンパー機構40によりロックアップクラッチ30に伝達され、伝達プレート41がフロントカバー10と同一方向に回転する。
ロックアップクラッチ30のOFF時は、ピストン31と摩擦材32との摩擦係合が解除されている。従って、作動油を介してタービンライナ22に伝達されたエンジンからの駆動力は、タービンハブ22dが出力軸50と連結されているため、出力軸50が伝達される。つまり、ロックアップクラッチ30のOFF時は、流体伝達機構20を介してフロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が出力軸50に伝達される。
ロックアップクラッチ30のON時は、ピストン31と摩擦材32とが摩擦係合することで、ピストン31と伝達プレート41とが一体回転する。従って、ダンパー機構40を介してロックアップクラッチ30に伝達されたエンジンからの駆動力は、ピストン31がタービンハブ22dを介して出力軸50と連結されているため、出力軸50が伝達される。つまり、ロックアップクラッチ30のON時は、ダンパー機構40およびロックアップクラッチ30を介してフロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が出力軸50に伝達される。ここで、ロックアップクラッチ30がOFF時からON時、あるいはON時からOFF時に切り替わる場合、エンジンからの駆動力が変化した場合、出力軸50に伝達される図示しない路面からの抵抗力が変化した場合などでは、フロントカバー10と伝達プレート41との間で伝達される力(エンジンからの駆動力と路面から伝達される被駆動力)が変化し、フロントカバー10と、出力軸50と一体回転する伝達プレート41とが相対回転しようとする。ここで、各ダンパースプリング44aは、ロックアップクラッチ30のON時においても、上述のように両端部44c,44dのうち一方の端部がフロントカバー10と接触し、他方の端部が伝達プレート41と接触する。つまり、複数の弾性体の一部である各ダンパースプリング44aは、ロックアップクラッチ30のON時に、ダンパースプリング44aによりフロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力をロックアップクラッチ30に伝達する際にも、両端部44c,44dのうち一方の端部がフロントカバー10と接触し、他方の端部が伝達プレート41と接触することとなる。保持プレート42に保持された各ダンパースプリング44aは、フロントカバー10と伝達プレート41との間で伝達される力の変化に応じて、フロントカバー10と伝達プレート41との間で弾性変形する。また、保持プレート42に保持された各ダンパースプリング44bは、両端部44e,44fのうち一方の端部が保持プレート42と接触し、他方の端部が伝達プレート41と接触するので、各ダンパースプリング44aを介してフロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達された保持プレート42と伝達プレート41との間で伝達される力の変化に応じて、保持プレート42と伝達プレート41との間で弾性変形する。これにより、ロックアップクラッチ30のON時は、ダンパー機構40により駆動力伝達時における振動低減が図られている。
以上のように、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1は、各セットブロック13間の部分をエンジン側に突出させ、フロントカバー10の内部において各セットブロック13間にブロック間空間部15bを形成し、形成されたブロック間空間部15bに弾性体の少なくとも一部である各ダンパースプリング44aを収納するので、ドライブプレート100とフロントカバー10との間に形成されていたスペースを各ダンパースプリング44aを収納する空間部に用いることができる。従って、ロックアップクラッチ30とフロントカバー10との間の各ダンパースプリング44aを収納する空間部は、フロントカバー10を軸方向に延長することなく軸方向に拡大することができるので、ダンパー機構40の各ダンパースプリング44aとして外径の大きいコイルスプリングを用いることができる。これにより、各ダンパースプリング44aの低バネ化を図ることで、流体伝達装置1−1の大型化を抑制しつつ、振動低減を図ることができる。
また、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1は、ブロック間空間部15bを形成するために、本体部11の径方向外側近傍をエンジン側に突出させて第2突出領域14bを形成するので、本体部11のうち第2突出領域を構成する部分Rがリブとして機能する。従って、フロントカバー10の径方向外側端部およびその近傍、特にセットブロック13の剛性を向上することができる。これにより、フロントカバー10の薄肉化が図れ、流体伝達装置1−1の小型化や低コスト化を図ることができる。また、フロントカバー10からドライブプレート100への力の伝達が抑制できるので、耐久性を向上することができる。
また、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1は、各ダンパースプリング44aによりフロントカバー10に伝達された駆動力を伝達プレート41に伝達する際に、各ダンパースプリング44aがフロントカバー10と伝達プレート41とにより直接保持されるので、各ダンパースプリング44aを保持するための部材を削減することができ、軽量化に伴う燃費向上や、低コスト化を図ることができる。
また、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1は、各ダンパースプリング44aによりフロントカバー10に伝達された駆動力を伝達プレート41に伝達する際に、各ダンパースプリング44aの両端部44c,44dがフロントカバー10および伝達プレート41に接触する。両端部44c,44dのうち、一方の端部が接触するフロントカバー10の部分は、セットブロック対応部分11aの両端部17,18の一方である。また、両端部44c,44dのうち、他方の端部が接触する伝達プレート41の部分は、第1収納空間部41bの周方向における両端部の一方である。従って、各ダンパースプリング44aによりフロントカバー10に伝達された駆動力を伝達プレート41に伝達する際に、板材などにより各ダンパースプリング44aを保持する場合とは異なり、各ダンパースプリング44aの両端部44c,44dを面で保持することができる。これにより、各ダンパースプリング44aの保持性が安定するので、各ダンパースプリング44aの弾性変形を安定して行うことができ、性能の安定化、例えばロックアップ領域の拡大に伴う燃費向上などを図ることができる。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2にかかる流体伝達装置について説明する。図5は、実施の形態2にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。図6は、出力軸側から見たフロントカバーの構成例を示す図である。図7は、フロントカバーとプレートとダンパースプリングとの関係を示す図である。図5〜図7に示す実施の形態2にかかる流体伝達装置1−2が、図1〜図4に示す実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1と異なる点は、フロントカバー10と保持プレート42を直接連結する直接連結手段を備える点である。つまり、実施の形態2にかかる流体伝達装置1−2は、フロントカバー10と保持プレート42とが直接連結され、一体回転する点である。ここで、図5〜図7に示す実施の形態2にかかる流体伝達装置1−2の基本的構成において、図1〜図4に示す実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1の基本的構成と同一部分は、その説明を省略する。なお、実施の形態2にかかる流体伝達装置1−2の基本的動作は、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1の基本的動作と同一であるので説明は省略する。
フロントカバー10には、図5および図6に示すように、連結溝部12aが形成されている。連結溝部12aは、直接連結手段を構成するものであり、フロントカバー10のうち保持プレート42の径方向外側端部と径方向において対向する部分、すなわちフランジ部12に形成されている。連結溝部12aは、径方向における断面形状がフランジ部12の内周面から径方向外側に向かって窪んだ形状であり、フランジ部12の出力軸側の端部から本体部近傍まで軸方向に沿って形成されている。ここで、連結溝部12aは、実施の形態2では、1つであるが複数形成されていても良い。
保持プレート42には、図5および図7に示すように、第1保持部42iが形成されている。第1保持部42iは、径方向外側に配置されるダンパースプリング44aが挿入され、ダンパースプリング44aを保持するものである。ここで、第1保持部42iは、実施の形態2では、保持プレート42の径方向外側近傍に、円弧状に形成されたスリットである。また、実施の形態2では、第1保持部42iは、保持プレート42に対して周方向に等間隔に、かつ第2保持部42bのピッチと半位相ずれたピッチで6つ形成されている。各第1保持部42iは、その周方向の長さがダンパースプリング44aを付勢した状態で保持できる長さに設定されている。従って、第1保持部42iにダンパースプリング44aが保持されると、第1保持部42iの周方向における両端部42m,42nがダンパースプリング44aの両端部44c,44dにそれぞれ接触することとなる。また、保持プレート42には、連結突起部42kが形成されている。連結突起部42kは、直接連結手段を構成するものであり、保持プレート42の径方向外側端部に形成されている。連結突起部42kは、保持プレート42の径方向外側端部のうち、フロントカバー10の連結溝部12aと軸方向において対向した際に、ブロック間空間部15bと第1保持部42iとが軸方向において対向できる位置に径方向外側端部から径方向外側に突出して形成されている。連結突起部42kは、保持プレート42がフロントカバー10の内部に挿入された際に、連結溝部12aに挿入されるように突出量が設定されている。
つまり、実施の形態2では、直接連結手段は、連結溝部12aと連結突起部42kとにより構成されている。ここで、フロントカバー10に保持プレート42を挿入する際には、保持プレート42の連結突起部42kをフロントカバー10の連結溝部12aに挿入し、保持プレート42をフロントカバー10に対してエンジン側に軸方向に沿って移動させる。このとき、各第1保持部42iと各ブロック間空間部15bは、軸方向においてそれぞれ対向する。
以上のように、実施の形態2にかかる流体伝達装置1−2は、実施の形態1にかかる流体伝達装置1−1と同様の効果を奏するとともに、連結突起部42kが連結溝部12aに挿入されることで、フロントカバー10に対する保持プレート42の周方向における位置決めを行うことができる。例えば予め保持プレート42の各第1保持部42iに各ダンパースプリング44aがそれぞれ挿入された状態で、フロントカバー10に保持プレート42を挿入する場合においては、各ブロック間空間部15bを視認することはできないが、連結溝部12aに挿入された連結突起部42kが連結溝部12aを軸方向に沿って移動することで、各ダンパースプリング44aの保持プレート42よりもエンジン側を各ブロック間空間部15bにそれぞれ確実に収納することができる。これにより、各ダンパースプリング44aをフロントカバー10と保持プレート42との間に配置する際の組付性を向上することができ、低コスト化を図ることができる。
また、実施の形態2にかかる流体伝達装置1−2は、フロントカバー10のうち保持プレート42の径方向外側端部が径方向において対向する部分、すなわちフランジ部12は、軸方向に延在しているので、連結溝部12aを軸方向に延在して形成することができる。従って、保持プレート42が軸方向に移動しても、連結溝部12aと連結突起部42kとの連結を維持することができる。従って、フロントカバー10に保持プレート42を確実に連結することができるので、耐久性を向上することができる。
なお、上記実施の形態1,2において、各第2収納空間部41cの周方向における長さを第2保持部42bの周方向における長さよりも長く、各収納空間部43bの周方向における長さを第2保持部42bの周方向における長さよりも長く設定しても良い。つまり、各第2収納空間部41cの周方向における両端部および各収納空間部43bの周方向における両端部は、第2保持部42bにダンパースプリング44bが保持されると、ダンパースプリング44bの両端部44e,44fにそれぞれ周方向において対向し、伝達プレート41および補助プレート43と保持プレート42との相対回転角である捩れ各が所定以上となると、ダンパースプリング44bの両端部44e,44fのいずれかと接触することとなる。ここで、捩れ角は、ダンパ機構に駆動力が伝達されていない場合に、0度となるものである。
以上のように、本発明にかかる流体伝達装置は、ロックアップクラッチとダンパー手段とを備える流体伝達装置に有用であり、特に、大型化を抑制しつつ、振動低減を図るのに適している。
実施の形態1にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。 エンジン側から見たフロントカバーの構成例を示す図である。 出力軸側から見たフロントカバーの構成例を示す図である。 フロントカバーとプレートとダンパースプリングとの関係を示す図である。 実施の形態2にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。 出力軸側から見たフロントカバーの構成例を示す図である。 フロントカバーとプレートとダンパースプリングとの関係を示す図である。
符号の説明
1−1,1−2 流体伝達装置
10 フロントカバー
11 本体部
11a セットブロック対応部分
12 フランジ部
13 セットブロック
14 突出領域
14a 第1突出領域
14b 第2突出領域
15 空間部
15a 中央空間部
15b ブロック間空間部
16 ボルト
17,18 端部内壁面
19 段差部
20 流体伝達機構(流体伝達手段)
21 ポンプインペラ
22 タービンライナ
23 ステータ
24 ワンウェイクラッチ
30 ロックアップクラッチ
31 ピストン
32 摩擦材
40 ダンパー機構(ダンパー手段)
41 伝達プレート
41a 突出部
41b 第1収納空間部
41c 第2収納空間部
41d ピン用穴
42 保持プレート
42a 第1保持部
42b 第2保持部
42c ピンスライド部
42d 凸部
42e,42f 端部
42g,42h 端部
43 補助プレート
43a ピン用穴
43b 収納空間部
44a,44b ダンパースプリング
45 スライドピン
50 出力軸
51 スリーブ
52 ハウジング
100 ドライブプレート
110 エンジン出力軸
120 連結部材
A 流体伝達機構空間部
B クラッチ空間部
C ダンパー機構空間部
P シール部材

Claims (4)

  1. 周方向に複数配置されたセットブロックを有し、前記各セットブロックが駆動源の入力部材と連結され、前記駆動源の駆動力が伝達されるフロントカバーと、
    作動流体を介して前記フロントカバーに伝達された駆動力を出力軸に伝達する流体伝達手段と、
    前記フロントカバーに伝達された駆動力を直接出力軸に伝達するロックアップクラッチと、
    前記フロントカバーと前記ロックアップクラッチとの間に配置される複数の弾性体を有し、かつ前記複数の弾性体を介して当該フロントカバーと当該ロックアップクラッチとを連結するダンパー手段と、
    を備える流体伝達装置において、
    前記フロントカバーは、前記各セットブロック間の部分が駆動源側に突出し、内部の当該各セットブロック間にブロック間空間部が形成されており、
    前記ブロック間空間部に前記複数の弾性体の少なくとも一部が収納されていることを特徴とする流体伝達装置。
  2. 前記ダンパー手段は、前記ロックアップクラッチと前記フロントカバーとの間に配置され、前記ロックアップクラッチに前記フロントカバーに伝達された駆動力を伝達する伝達プレートをさらに備え、
    前記複数の弾性体の一部は、前記伝達プレートに前記フロントカバーに伝達された駆動力を伝達する際に、前記周方向における両端部のうち一方の端部が前記フロントカバーと接触し、他方の端部が前記伝達プレートと接触することを特徴とする請求項1に記載の流体伝達装置。
  3. 前記複数の弾性体を保持する保持プレートをさらに備え、
    前記フロントカバーと前記保持プレートとを直接連結する直接連結手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の流体伝達装置。
  4. 前記直接連結手段は、
    前記フロントカバーのうち、前記保持プレートの径方向外側端部と径方向において対向する部分に形成された連結溝部と、
    前記保持プレートの径方向外側端部に形成された連結突起部と、
    により構成されていることを特徴とする請求項3に記載の流体伝達装置。
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