JP2010053964A - 流体伝達装置 - Google Patents

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清仁 村田
Takuya Okada
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Abstract

【課題】摩擦係合面の必要面積を確保しつつ、クラッチ部材の小径化を可能とする流体伝達装置を提供すること。
【解決手段】入力部材10に伝達された駆動源の駆動力を作動流体を介して出力軸50に伝達する流体伝達手段20と、入力側クラッチ部材C1と、出力側クラッチ部材C2とを有し、入力部材に伝達された駆動力を直接出力軸に伝達するロックアップクラッチ30と、弾性体44a,44bを介して入力部材とロックアップクラッチとを連結するダンパー手段40とを備え、入力側、あるいは、出力側の少なくともいずれか一方のクラッチ部材は、本体32,34と、本体と一体回転可能に設けられた摩擦係合部材37,36とを有し、本体は、円環形状であり、かつ、径方向外側端部には、径方向外側に向かうほど他方のクラッチ部材から離間する曲面部32c,34bを有し、径方向において、摩擦係合部材の設置領域は、曲面部の設置領域と重なる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体伝達装置に関し、特に、駆動源の駆動力が伝達される入力部材と、入力部材に伝達された駆動力を作動流体を介して出力軸に伝達する流体伝達手段と、入力部材と連結された入力側クラッチ部材と、出力軸と連結された出力側クラッチ部材とを有し、入力部材に伝達された駆動力を直接出力軸に伝達するロックアップクラッチとを備え、入力側クラッチ部材、および出力側クラッチ部材のそれぞれに軸方向に作用する作動流体の圧力により、ロックアップクラッチの係合状態と非係合状態とが制御される流体伝達装置に関する。
作動流体を介して駆動力を伝達する流体伝達装置において、ロックアップクラッチを備えるものが知られている。例えば、特許文献1には、それぞれ摩擦係合面を有する第1クラッチ部材、および第2クラッチ部材を備えるロックアップクラッチ付き流体伝動装置が開示されている。ロックアップクラッチON時には、ロックアップクラッチを介して出力軸にエンジンからの駆動力が直接伝達される。
特開平7−190167号公報
ロックアップクラッチのクラッチ部材における径方向外側の端部が軸方向に折り曲げられた形状とされることがある。クラッチ部材がプレスにより形成される場合など、折り曲げられた部分に径方向外側に向かうほど他方のクラッチ部材から離間する曲面部が形成される場合がある。この場合、曲面部の領域は摩擦係合面として利用することができないため、摩擦係合面を曲面部よりも径方向内側の領域に設ける必要があった。その結果、曲面部の領域の分だけ流体伝達装置の径が大きなものとなっていた。車両動力性能を向上させるためには、流体伝達装置を小径化し、回転体としての慣性質量を低減することが有効である。流体伝達装置を小径化するために、例えば、クラッチ部材の径を小さくすることが考えられる。しかしながら、クラッチ部材の小径化に伴って摩擦係合面の面積が低減されてしまうと、ロックアップクラッチのトルク伝達容量が不足することとなる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、摩擦係合面の必要面積を確保しつつ、クラッチ部材の小径化を可能とする流体伝達装置を提供することを目的とするものである。
本発明の流体伝達装置は、駆動源の駆動力が伝達される入力部材と、前記入力部材に伝達された駆動力を作動流体を介して出力軸に伝達する流体伝達手段と、前記入力部材と連結された入力側クラッチ部材と、前記出力軸と連結された出力側クラッチ部材とを有し、前記入力側クラッチ部材と前記出力側クラッチ部材とが係合する係合状態において、前記入力部材に伝達された駆動力を直接前記出力軸に伝達するロックアップクラッチと、前記入力部材と前記ロックアップクラッチとの間に配置される弾性体を有し、かつ、前記弾性体を介して前記入力部材と前記ロックアップクラッチとを連結するダンパー手段とを備え、前記入力側クラッチ部材、および前記出力側クラッチ部材のそれぞれに軸方向に作用する前記作動流体の圧力により、前記ロックアップクラッチの係合状態と非係合状態とが制御される流体伝達装置であって、前記入力側クラッチ部材、あるいは、前記出力側クラッチ部材の少なくともいずれか一方のクラッチ部材は、本体と、前記本体とは異なる部材であって、前記本体における他方のクラッチ部材側に前記本体と一体回転可能に設けられ、かつ、前記他方のクラッチ部材と摩擦係合可能な摩擦係合部材とを有し、前記本体は、円環形状であり、かつ、径方向外側端部には、径方向外側に向かうほど前記他方のクラッチ部材から離間する曲面部を有し、径方向において、前記摩擦係合部材の設置領域は、前記曲面部の設置領域と重なることを特徴とする。
本発明の流体伝達装置において、前記摩擦係合部材と前記本体とは、第一当接部と、軸方向において前記第一当接部と対向する位置に周方向に設けられ、かつ、前記第一当接部と当接する第二当接部とを介して軸方向の押圧力を伝達しており、前記第二当接部は、前記第一当接部へ向かうほど径方向の長さが小さくなるテーパ形状であることを特徴とする。
本発明の流体伝達装置において、前記第二当接部は、前記作動流体をシールするシール部材で構成されていることを特徴とする。
本発明にかかる流体伝達装置では、ロックアップクラッチのクラッチ部材が、本体と、本体とは別部材の摩擦係合部材とで構成されており、径方向において、摩擦係合部材の設置領域は、本体の径方向外側端部の曲面部の設置領域と重なっている。よって、曲面部の設置領域を有効に活用してロックアップクラッチの摩擦係合面を構成することができる。その結果、摩擦係合面の必要面積を確保しつつ、クラッチ部材を小径化することが可能となる。
以下、本発明の流体伝達装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態では、流体伝達装置に伝達される駆動力を発生する駆動源として、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどのエンジンを用いるが、これに限定されるものではなく、モータなどの電動機を駆動源として、あるいはモータなどの電動機と併用して用いても良い。
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、駆動源の駆動力が伝達される入力部材と、入力部材に伝達された駆動力を作動流体を介して出力軸に伝達する流体伝達手段と、入力部材と連結された入力側クラッチ部材と、出力軸と連結された出力側クラッチ部材とを有し、入力部材に伝達された駆動力を直接出力軸に伝達するロックアップクラッチとを備え、入力側クラッチ部材、および出力側クラッチ部材のそれぞれに軸方向に作用する作動流体の圧力により、ロックアップクラッチの係合状態と非係合状態とが制御される流体伝達装置に関する。
本実施形態の流体伝達装置(図1の符号1−1参照)のロックアップクラッチ(図1の符号30参照)では、摩擦係合する摩擦係合部材(図1の符号36,37参照)が、クラッチ部材の本体(図1の符号32,34参照)とは別部材で構成されている。本体32,34の径方向外側端部は、軸方向に折り曲げられており、折り曲げられた部分には曲面部(図1の符号32c,34b参照)が形成されている。径方向において、摩擦係合部材36,37の設置領域は、曲面部32c,34bの設置領域と重なっている。本実施形態によれば、径方向外側の曲面部32c,34bが設けられた領域を摩擦部として有効に利用することができる。よって、摩擦係合面の必要面積を確保しつつ、クラッチ部材を小径化することができる。
図1は、本実施形態にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。流体伝達装置の外郭は概略、図1をX−X軸を中心軸として周方向に回転することで構成される。図1に示すように、本実施形態にかかる流体伝達装置1−1は、入力部材としてのフロントカバー10と、流体伝達機構20と、ロックアップクラッチ30と、ダンパー機構40と、出力軸50とにより構成されている。
フロントカバー10は、駆動源である図示しないエンジンの駆動力が伝達されるものである。フロントカバー10は、本体部11と、フランジ部12と、セットブロック13とにより構成されている。本体部11は、円板形状である。フランジ部12は、本体部11の径方向外側端部から出力軸側に突出して形成されている。セットブロック13は、ドライブプレート100と連結されるものである。セットブロック13は、本体部11のエンジン側に周方向に複数形成されている。各セットブロック13は、ドライブプレート100の貫通穴に挿入されたボルト16をそれぞれ螺合することで、ドライブプレート100に締結される。ここで、ドライブプレート100は、円板形状であり、図示しないエンジンのエンジン出力軸110と連結部材120(例えば、ボルト)により締結されている。従って、エンジンの駆動力は、ドライブプレート100に伝達され、ドライブプレート100に伝達された駆動力がフロントカバー10に伝達される。
フロントカバー10には、連結溝部12aが形成されている。連結溝部12aは、フロントカバー10のうちセンタープレート42の後述する連結突起部42dと径方向において対向する部分であるフランジ部12に形成されている。連結溝部12aは、フランジ部12の出力軸側の端部から本体部11の近傍まで軸方向に沿って形成されている。連結溝部12aは、フロントカバー10に対して周方向に複数形成されている。
流体伝達機構20は、流体伝達手段であり、フロントカバー10に伝達された駆動力を作動流体を介して出力軸50に伝達するものである。流体伝達機構20は、図1に示すように、ポンプインペラ21と、タービンライナ22と、ステータ23と、ワンウェイクラッチ24と、ポンプインペラ21とタービンライナ22との間に介在する作動流体である作動油とにより構成されている。
ポンプインペラ21は、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達されるものであり、伝達された駆動力を作動油を介してタービンライナ22に伝達するものである。ポンプインペラ21は、複数のポンプブレード21aが固定されたポンプシェル21bの径方向外側端部がフロントカバー10のフランジ部12の出力軸側端部に、固定手段、例えば溶接Sなどにより固定されることで、フロントカバー10に固定されている。つまり、ポンプインペラ21は、フロントカバー10と一体回転し、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力が各ポンプブレード21aに伝達される。なお、ポンプシェル21bは、径方向内側端部がスリーブ51に固定手段、例えば溶接Sなどにより固定されている。
タービンライナ22は、ポンプインペラ21から作動油を介して伝達されたエンジンからの駆動力を出力軸50に伝達するものである。ここで、出力軸50は、例えば出力軸側に配置された図示しない変速機のインプットシャフトなどである。タービンライナ22は、ポンプブレード21aと軸方向において対向する複数のタービンブレード22aが固定されたタービンシェル22bの径方向内側端部が固定手段、例えばノックピン52aにより固定されることで、ハブ52に固定されている。ここで、ハブ52は、固定手段、例えばハブ52の内周面と出力軸50の外周面に形成されたスプラインがスプライン嵌合することにより、出力軸50に固定されている。つまり、タービンライナ22は、ハブ52を介して出力軸50と一体回転することとなり、タービンライナ22が出力軸50と一体回転するので、流体伝達機構20を構成するポンプインペラ21、作動油およびタービンライナ22を介して伝達されたエンジンからの駆動力が出力軸50に伝達される。
ステータ23は、周方向に形成された複数のステータブレード23aを有し、ポンプインペラ21とタービンライナ22との間に配置されるものである。ステータ23は、ポンプインペラ21とタービンライナ22との間を循環する作動油の流れを変化させ、エンジンから伝達される駆動力に基づいて所定の駆動力特性を得るためのものである。ステータ23は、ワンウェイクラッチ24を介して、流体伝達装置1−1を収納するハウジング53に支持されている。ここで、ワンウェイクラッチ24は、ハウジング53に対してステータ23を一方向のみに回転可能に支持するものである。なお、ワンウェイクラッチ24は、スリーブ51およびハブ52に対して、軸受25、26によりそれぞれ軸方向に回転可能に支持されている。
ロックアップクラッチ30は、流体伝達機構20を介さずに、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力を直接出力軸50に伝達するものである。ロックアップクラッチ30は、図1に示すように、タービンライナ22とダンパー機構40との間に配置されている。つまり、流体伝達装置1−1では、エンジン側から出力軸側に向かって、フロントカバー10、ダンパー機構40、ロックアップクラッチ30、流体伝達機構20の順番で配置されている。ロックアップクラッチ30は、入力側クラッチ部材C1と、出力側クラッチ部材C2と、摩擦面31と、ピストン油圧室33とを含んで構成されている。摩擦面31は、入力側摩擦係合部材37と出力側摩擦係合部材36とで構成されている。
本実施形態の入力側クラッチ部材C1は、本体としてのクラッチピストン32と、入力側摩擦係合部材37とで構成されている。出力側クラッチ部材C2は、本体としてのクラッチプレート34と、出力側摩擦係合部材36と、摩擦材35とで構成されている。
クラッチピストン32は、摩擦面31の接触、離間を行うものである。また、クラッチピストン32は、ダンパー機構40の一部を構成する第1サイドプレート41でもある。クラッチピストン32は、円環形状であり、径方向内側端部にエンジン側に突出する突出部32aが形成されている。突出部32aは、円筒形状であり、フロントカバー10の径方向内側端部近傍に形成された段差部11aに対して軸方向に摺動自在に支持されている。つまり、クラッチピストン32は、フロントカバー10に対して軸方向に摺動することができ、入力側摩擦係合部材37の出力側摩擦係合部材36に対する相対距離を変化させることができる。従って、クラッチピストン32の軸方向の移動により、摩擦面31の接触、離間を行うことができる。なお、突出部32aと段差部11aとの間には、段差部11aを摺動する突出部32aと段差部11aとの間からの作動油の漏れを抑制するシール部材Pが配置されている。
クラッチピストン32の径方向外側端部には、円環形状の入力側摩擦係合部材37が設けられている。入力側摩擦係合部材37は、クラッチピストン32とは別部材であり、クラッチピストン32における出力軸側に溶接等により固定されている。入力側摩擦係合部材37は、クラッチピストン32とは別部材であるため、クラッチピストン32の曲げ形状にかかわらず、摩擦面31の入力側を形成することができる。すなわち、入力側摩擦係合部材37の径方向における設置領域が、クラッチピストン32の曲げ形状による制限を受けない。よって、クラッチピストン32が曲げ形状を有していたとしても、入力側摩擦係合部材37の必要面積を確保し、必要なトルク伝達容量や寿命を確保することができる。
さらに、入力側摩擦係合部材37がクラッチピストン32とは別部材であるため、クラッチピストン32の板厚とは独立して入力側摩擦係合部材37の板厚を調整することができる。入力側摩擦係合部材37の板厚を調整することにより、大きな熱容量を確保できる。よって、スリップ制御の限界向上により、燃費の向上が可能となる。
クラッチプレート34は、ダンパー機構40とタービンライナ22との間に配置されている。クラッチプレート34は、円環形状であり、径方向内側端部34aが固定手段、例えばノックピン52aにより固定されることで、ハブ52に固定されている。つまり、出力側クラッチ部材C2を構成するクラッチプレート34は、ハブ52を介して出力軸50に固定されている。なお、クラッチプレート34の径方向外側端部は、ポンプシェル21b近傍まで延在し、出力軸側に向かって折り曲げられている。
クラッチプレート34の径方向外側端部には、円環形状の出力側摩擦係合部材36が設けられている。入力側摩擦係合部材37と、出力側摩擦係合部材36とは、軸方向において互いに対向している。出力側摩擦係合部材36は、クラッチプレート34とは別部材であり、クラッチプレート34におけるエンジン側に溶接等により固定されている。出力側摩擦係合部材36におけるエンジン側には、摩擦材35が固定されている。出力側摩擦係合部材36は、クラッチプレート34とは別部材であるため、クラッチプレート34の曲げ形状にかかわらず、摩擦面31の出力側を形成することができる。すなわち、出力側摩擦係合部材36の径方向における設置領域が、クラッチプレート34の曲げ形状による制限を受けない。よって、クラッチプレート34が曲げ形状を有していたとしても、出力側摩擦係合部材36の必要面積を確保し、必要なトルク伝達容量や寿命を確保することができる。
さらに、出力側摩擦係合部材36がクラッチプレート34とは別部材であるため、クラッチプレート34の板厚とは独立して出力側摩擦係合部材36の板厚を調整することができる。出力側摩擦係合部材36の板厚を調整することにより、大きな熱容量を確保できる。よって、スリップ制御の限界向上により、燃費の向上が可能となる。
クラッチプレート34の径方向外側端部が出力軸側に向かって折り曲げられていることに対応して、折り曲げられた部分には、径方向外側に向かうほどクラッチピストン32から離間する曲面部34bが形成されている。径方向において、出力側摩擦係合部材36の設置領域は、曲面部34bの設置領域と重なっている。言い換えると、出力軸50の軸線と直交する面における、曲面部34bの投影と、出力側摩擦係合部材36の投影とが重なっている。このように、出力側摩擦係合部材36が、径方向において曲面部34bと対応する位置または曲面部34bよりも径方向外側まで伸ばされることで、曲面部34bが形成されている領域を有効に利用して摩擦係合面積を確保することが可能となる。
ピストン油圧室33は、クラッチピストン32を軸方向に移動させるものである。ピストン油圧室33は、クラッチピストン32とフロントカバー10との間に形成されている。つまり、ピストン油圧室33は、ロックアップクラッチ30とフロントカバー10との間に形成されている。ピストン油圧室33に、図示しない油圧制御手段から作動油が供給されることにより、摩擦面31が接触し、ロックアップクラッチ30がONとなる。ロックアップクラッチ30がONとなると、ハブ52を介して出力軸50に固定されているクラッチプレート34と、クラッチピストン32とが一体回転することとなる。これにより、ロックアップクラッチ30が、フロントカバー10およびダンパー機構40を介して伝達されたエンジンからの駆動力を直接出力軸50に伝達する。
ダンパー機構40は、ダンパー手段であり、弾性体、本実施形態では、複数のダンパースプリング44a、44bを介してフロントカバー10とロックアップクラッチ30とを連結するものである。ダンパー機構40は、フロントカバー10の内部に収納されており、第1サイドプレート41と、センタープレート42と、第2サイドプレート43と、複数のダンパースプリング44a、44bとにより構成されている。
第1サイドプレート41には、複数のダンパースプリング44a、44bを介して、フロントカバー10からセンタープレート42に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達される。第1サイドプレート41は、上述のように、クラッチピストン32としての機能も有しており、センタープレート42とクラッチプレート34との間に配置されている。第1サイドプレート41には、センタープレート42に保持された複数のダンパースプリング44a、44bを収容する空間部が形成されている。また、第1サイドプレート41には、センタープレート42に保持された複数のダンパースプリング44a、44bの両端部とそれぞれ接触することができる駆動力伝達部が形成されている。ここで、第1サイドプレート41は、連結手段、例えばノックピン45により第2サイドプレート43と一体化されている。ここで、一体化された第1サイドプレート41と第2サイドプレート43との間には、スリーブ46が設けられている。スリーブ46は、円筒形状であり、ノックピン45のうち第1サイドプレート41と第2サイドプレート43との間の間隔を適切に保持するように設けられている。つまり、スリーブ46は、第1サイドプレート41と第2サイドプレート43との軸方向における相対位置を規制するものである。
第1サイドプレート41には、出力軸側に突出する突出部32bが形成されている。突出部32bは、第1サイドプレート41に対して周方向に複数形成されている。ダンパースプリング44aは、突出部32bの内方の空間部に収容される。突出部32bが形成されることに対応して、第1サイドプレート41(クラッチピストン32)の径方向外側端部には、径方向外側に向かうほどクラッチプレート34から離間する曲面部32cが形成されている。径方向において、入力側摩擦係合部材37の設置領域は、曲面部32cの設置領域と重なっている。言い換えると、出力軸50の軸線と直交する面における、曲面部32cの投影と、入力側摩擦係合部材37の投影とが重なっている。このように、入力側摩擦係合部材37が、径方向において曲面部32cと対応する位置または曲面部32cよりも径方向外側まで伸ばされることで、曲面部32cが形成されている領域を有効に利用して摩擦係合面積を確保することが可能となる。
センタープレート42は、円環形状であり、第1サイドプレート41と第2サイドプレート43との間に配置されている。また、センタープレート42は、複数の弾性体であるダンパースプリング44a、44bを保持するものである。センタープレート42には、第1保持部42aと、第2保持部42bと、スリーブスライド部42cと、連結突起部42dとが形成されている。
第1保持部42aは、センタープレート42の径方向外側の位置に円弧状に形成されたスリットであり、センタープレート42の周方向に複数形成されている。各第1保持部42aは、ダンパースプリング44aがそれぞれ保持され、ダンパースプリング44aの両端部にそれぞれ接触する。
第2保持部42bは、センタープレート42の径方向内側の位置に円弧状に形成されたスリットであり、センタープレート42の周方向に複数形成されている。各第2保持部42bは、ダンパースプリング44bがそれぞれ保持され、ダンパースプリング44bの両端部にそれぞれ接触する。
スリーブスライド部42cは、センタープレート42の径方向中央部の位置に円弧状に形成されたスリットであり、センタープレート42の周方向に複数形成されている。各スリーブスライド部42cは、スリーブ46をセンタープレート42に対して周方向に摺動させるものである。つまり、ノックピン45により一体化された第1サイドプレート41および第2サイドプレート43は、センタープレート42に対して相対回転可能である。
連結突起部42dは、センタープレート42の径方向外側端部に形成されている。連結突起部42dは、センタープレート42がフロントカバー10の内部に挿入された際に、フロントカバー10の連結溝部12aと径方向において対向して、連結溝部12aに挿入され、センタープレート42がフロントカバー10に対して相対回転することが規制される。連結突起部42dは、センタープレート42に対して周方向に複数形成されている。
第2サイドプレート43は、センタープレート42とフロントカバー10との間に配置されている。第2サイドプレート43は、フロントカバー10からセンタープレート42に伝達されたエンジンからの駆動力が伝達される。第2サイドプレート43には、センタープレート42に保持された複数のダンパースプリング44a、44bを収容する空間部が形成されている。また、第2サイドプレート43には、センタープレート42に保持された複数のダンパースプリング44a、44bの両端部とそれぞれ接触することができる駆動力伝達部が形成されている。
ダンパースプリング44aは、弾性体であり、コイルスプリングである。ダンパースプリング44aは、フロントカバー10からセンタープレート42に伝達されたエンジンの駆動力を第1サイドプレート41および第2サイドプレート43に伝達するものである。ダンパースプリング44aは、ロックアップクラッチ30のON時に、接触するセンタープレート42から駆動力が伝達されると、一方の端部がセンタープレート42と接触し、他方の端部が第1サイドプレート41および第2サイドプレート43に接触することで、駆動力に応じて弾性変形しつつ、接触する第1サイドプレート41および第2サイドプレート43に駆動力を伝達する。
ダンパースプリング44bは、弾性体であり、コイルスプリングである。ダンパースプリング44bは、フロントカバー10からセンタープレート42に伝達されたエンジンの駆動力を第1サイドプレート41および第2サイドプレート43に伝達するものである。ダンパースプリング44bは、ロックアップクラッチ30のON時に、接触するセンタープレート42から駆動力が伝達されると、一方の端部がセンタープレート42と接触し、他方の端部が第1サイドプレート41および第2サイドプレート43に接触することで、駆動力に応じて弾性変形しつつ、接触する第1サイドプレート41および第2サイドプレート43に駆動力を伝達する。
ここで、流体伝達装置1−1の内部は、クラッチプレート34とポンプシェル21bとの間に形成される流体伝達機構空間部Aと、クラッチピストン32とクラッチプレート34との間に形成されるクラッチ空間部Bと、ピストン油圧室33とに区画される。流体伝達装置1−1は、図示しない油圧制御手段を備え、作動油が流体伝達機構空間部Aあるいはクラッチ空間部Bのいずれかに供給される。ここで、油圧制御手段は、クラッチ空間部Bの油圧と、ピストン油圧室33の油圧との圧力差、すなわちクラッチピストン32の軸方向における両側に作用する押圧力を制御することができる。油圧制御手段は、ロックアップクラッチ30のON制御時に、流体伝達機構空間部Aに作動油を供給し、クラッチ空間部Bから流体伝達装置1−1の外部に作動油を排出する。これにより、ピストン油圧室33の油圧をクラッチ空間部Bの油圧よりも大きくし、クラッチピストン32を出力軸側に移動させ、摩擦面31を接触させる。これにより、入力側摩擦係合部材37と出力側摩擦係合部材36の摩擦材35とを摩擦係合し、クラッチピストン32とクラッチプレート34とを一体回転させる。
また、油圧制御手段は、ロックアップクラッチ30のOFF制御時に、クラッチ空間部Bに作動油を供給し、流体伝達機構空間部Aから流体伝達装置1−1の外部に作動油を排出する。これにより、クラッチ空間部Bの油圧をピストン油圧室33の油圧よりも大きくし、クラッチピストン32をエンジン側に移動させ、摩擦面31を離間させる。これにより、入力側摩擦係合部材37と出力側摩擦係合部材36の摩擦材35との摩擦係合を解除し、クラッチピストン32とクラッチプレート34との一体回転を解除する。
次に、本実施形態にかかる流体伝達装置1−1の動作について説明する。エンジンが駆動力を発生し、エンジン出力軸110が回転すると、ドライブプレート100を介して、フロントカバー10にエンジンからの駆動力が伝達される。ロックアップクラッチ30のOFF時、摩擦面31が離間しているので、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、流体伝達機構20を介して出力軸50に伝達される。一方、ロックアップクラッチ30のON時、摩擦面31が接触しているので、フロントカバー10に伝達されたエンジンからの駆動力は、センタープレート42、各ダンパースプリング44a,44b、第1サイドプレート41および第2サイドプレート43、ロックアップクラッチ30を介して出力軸50に伝達される。ここで、ロックアップクラッチ30がOFF時からON時、あるいはON時からOFF時に切り替わる場合や、エンジンからの駆動力が変化した場合、およびエンジンの爆発による出力変化が発生した場合、出力軸50に伝達される路面からの抵抗力が変化した場合などでは、駆動力が変化するので、各ダンパースプリング44a,44bが駆動力の変化に応じて弾性変形する。また、ロックアップクラッチ30のON時は、図示しないエンジンの爆発に起因する振動を各ダンパースプリング44a,44bが吸収するので、ダンパー機構40を介した駆動力伝達時におけるこもり音などの振動低減が図られている。
以上のように、本実施形態の流体伝達装置1−1では、ロックアップクラッチ30のクラッチ部材C1,C2において、摩擦係合部材36,37は、本体(クラッチプレート34、クラッチピストン32)とは異なる部材で構成されている。これにより、曲面部34b,32c等の曲げ形状が形成されていることの影響を受けることなく、径方向における摩擦面31の設置領域を設定することができる。コスト低減のためには、クラッチプレート34やクラッチピストン32をプレスで製造(形成)することが有効である。しかしながら、径方向外側端部が軸方向に折れ曲がった形状とするためには、プレスで成型する場合、曲面部34b,32cを設ける必要がある。従来の流体伝達装置では、曲面部34b,32cが形成された領域を除いた部分で必要な摩擦面積を確保しようとすることで、クラッチプレート34やクラッチピストン32の大径化を招く虞があった。
これに対して、本実施形態のように、径方向において、摩擦係合部材36,37の設置領域と、曲面部34b,32cの設置領域とが重なるように摩擦係合部材36,37を設けることで、摩擦面31の必要面積(性能や寿命を確保するために必要な面積)を確保しつつ、クラッチ部材C1,C2を小径化することができる。すなわち、同一摩擦面面積、もしくは、同一摩擦面径をとった場合、従来と比較して、流体伝達装置1−1の外径が小さくなる。
これにより、流体伝達装置1−1の慣性質量が小となることで、エンジンの吹き上がりが良くなり、車両動力性能が向上する。また、小型軽量化により燃費が向上する。本体(クラッチプレート34、クラッチピストン32)とは別部材である摩擦係合部材36,37の剛性を高めることで、スリップ制御性を向上させ、燃費を向上させることができる。また、摩擦係合部材36,37の熱容量を増加させることで、クラッチ部材C1,C2の寿命を向上させたり、スリップ制御の限界を向上(制御域を拡大)させたりすることができる。その結果、燃費を向上させることができる。クラッチプレート34やクラッチピストン32は薄板プレスで製造し、剛性と熱容量が必要な摩擦係合部材36,37を精度良く鍛造で作ることにより、軽量かつ低コストにクラッチ部材C1,C2を製造することが可能となる。
[第2実施形態]
図2を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、出力側摩擦係合部材36は、クラッチプレート34に固定されていた。これに代えて、本実施形態では、出力側摩擦係合部材としての押圧ブロック(図2の符号38参照)が、クラッチプレート34と係合されている。押圧ブロック38は、回転方向に駆動力を伝達可能となるようにクラッチプレート34と係合している。本実施形態によれば、クラッチ係合油圧によりクラッチプレート34が変形したとしても、その変形が摩擦面31に影響しないため、摩擦面精度が向上する。
図2は、本実施形態にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の流体伝達装置1−2では、上記第1実施形態の出力側摩擦係合部材36に代えて、押圧ブロック38が設けられている。上記第1実施形態とは異なり、本実施形態では、クラッチプレート34の径方向外側端部は、折り曲げられていない。押圧ブロック38は、クラッチプレート34の径方向外側端部と係合している。
押圧ブロック38は、円環形状であり、径方向外側端部には、フランジ部38aが形成されている。フランジ部38aは、円筒状に形成されており、出力軸側に突出している。フランジ部38aの内周部には、係合凹部38b、および、溝部38cが形成されている。係合凹部38bは、フランジ部38aの出力軸側の端部からエンジン側の端部まで軸方向に形成されている。係合凹部38bは、フランジ部38aの内周部に対して周方向に複数形成されている。溝部38cは、フランジ部38aの内周部に周方向に形成されている。
クラッチプレート34には、係合凹部38bに対応する係合凸部34cが形成されている。係合凸部34cは、クラッチプレート34の径方向外側端部に周方向に複数形成されている。クラッチプレート34と押圧ブロック38とは、係合凸部34cと係合凹部38bとが噛合う状態で軸方向に嵌合している。すなわち、クラッチプレート34と押圧ブロック38とは、回転方向に駆動力を伝達可能に係合している。溝部38cには、スナップリング39が嵌合している。スナップリング39は、クラッチプレート34から押圧ブロック38が抜けることを規制する手段である。スナップリング39は、クラッチプレート34と押圧ブロック38とが嵌合した状態において、クラッチプレート34よりも出力軸側に位置しており、押圧ブロック38と共にクラッチプレート34を軸方向の両側から挟んでいる。
本実施形態では、ロックアップクラッチ30の摩擦面31は、入力側摩擦係合部材37と押圧ブロック38とで構成されている。摩擦材35は、入力側摩擦係合部材37に固定されている。
ロックアップクラッチ30のON制御時に、油圧制御手段により流体伝達機構空間部Aに作動油が供給され、クラッチ空間部Bから流体伝達装置1−2の外部に作動油が排出されると、クラッチプレート34には、ロックアップクラッチ30を係合させる方向に働く油圧、すなわち、エンジン側へ向かう方向のクラッチ係合油圧が作用する。本実施形態では、押圧ブロック38が、クラッチプレート34と係合している。このため、クラッチ係合油圧によりクラッチプレート34が変形したとしても、その変形が摩擦面31に影響せず、摩擦面精度がよい。よって、上記第1実施形態の効果をさらに高めることができる。また、摩擦面31の面精度の向上により、ロックアップクラッチ30の性能(対ジャダー性、係合トルク安定性、耐久性等)が向上する。なお、ジャダーとは、摩擦面30における摩擦係数の急激な変化によるスティックスリップにより発生する振動をいう。また、上記第1実施形態と同様に、押圧ブロック38や入力側摩擦係合部材37の板厚を厚くすることにより、十分な熱容量を確保することができる。
[第3実施形態]
図3を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第2実施形態では、押圧ブロック38がクラッチプレート34と係合していた。本実施形態では、これに加えて、クラッチプレート34と押圧ブロック38との間で、軸方向の押圧力が、ピボット部としての凸部(図3の符号38d参照)を介して伝達される。これにより、クラッチプレート34が変形したとしても、押圧ブロック38に対する押圧力発生部が一定となる。
図3は、本実施形態にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。
図3に示すように、本実施形態の流体伝達装置1−3では、押圧ブロック38に形成された凸部38dを介してクラッチプレート34から押圧ブロック38に軸方向の押圧力が伝達される。上記第2実施形態と同様に、押圧ブロック38は、クラッチプレート34の径方向外側端部に、回転方向に駆動力を伝達可能に係合している。第二当接部としての凸部38dは、押圧ブロック38におけるクラッチプレート34と軸方向に対向する面、言い換えると、押圧ブロック38の出力軸側の面に形成されている。凸部38dは、第一当接部としてのクラッチプレート34のエンジン側の面34dに当接している。
凸部38dは、押圧ブロック38の全周に形成されており、出力軸側に突出している。凸部38dは、クラッチプレート34へ向かうほど径方向の長さが小さくなるテーパ形状に形成されている。すなわち、凸部38dは、先細形状であり、基端部であるエンジン側において径方向の長さが大きく、先端部である出力軸側において径方向の長さが小さく設定されている。凸部38dの先端部は、例えば、曲面に形成されており、クラッチプレート34がクラッチ係合油圧により変形したとしても、凸部38dにおいて実質的に同じ部分がクラッチプレート34と当接することができる。押圧ブロック38のクラッチプレート34と軸方向に対向する面のうち、凸部38d以外の部分は、クラッチプレート34から離間している。
ロックアップクラッチ30のON制御時に、油圧制御手段により流体伝達機構空間部Aに作動油が供給され、クラッチ空間部Bから流体伝達装置1−3の外部に作動油が排出されると、クラッチプレート34には、ロックアップクラッチ30を係合させる方向に働く油圧、すなわち、エンジン側へ向かう方向のクラッチ係合油圧が作用する。クラッチ係合油圧によりクラッチプレート34に作用する推力は、凸部38dを介して押圧ブロック38に伝達される。つまり、クラッチ係合油圧による推力は、押圧ブロック38の一定の位置を押すこととなる。例えば、凸部38dが設けられずに、クラッチプレート34と押圧ブロック38の互いに対向する面同士が当接している場合、クラッチ係合油圧によりクラッチプレート34が変形してしまうと、押圧ブロック38において、推力が作用する位置が変化してしまう虞がある。
これに対して、本実施形態では、クラッチ係合油圧によりクラッチプレート34が変形したとしても、クラッチプレート34から押圧ブロック38へ推力が伝達される位置は、凸部38dで変わらない。よって、摩擦面31の精度が油圧力に影響を受ける程度が小さくなる、すなわち、摩擦面精度が向上する。これにより、ロックアップクラッチ30の性能、すなわち、対ジャダー性能、係合過渡応答性等が向上する。
なお、本実施形態では、凸部38dが押圧ブロック38に形成されていたが、これに代えて、クラッチプレート34に凸部が形成されてもよい。この場合、クラッチプレート34に形成される凸部は、クラッチプレート34におけるエンジン側の面に設けられ、押圧ブロック38へ向かうほど径方向の長さが小さくなるテーパ形状に形成される。
[第4実施形態]
図4を参照して第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第3実施形態では、ピボット部としての凸部38dが、押圧ブロック38の一部として形成されていた。これに代えて、本実施形態では、ピボット部として、クラッチプレート34と押圧ブロック38との間に作動油をシールするシール部材(図4の符号60参照)が配置されている。クラッチプレート34と押圧ブロック38との間にシール部材60が介在することで、クラッチ空間部Bから流体伝達機構空間部Aへの作動油の漏れがより確実に抑制される。
図4は、本実施形態にかかる流体伝達装置の要部断面図を示す図である。
図4に示すように、本実施形態の流体伝達装置1−4では、押圧ブロック38とクラッチプレート34との間に第二当接部としてのシール部材60が配置されている。上記第2実施形態、および第3実施形態と同様に、押圧ブロック38は、クラッチプレート34の径方向外側端部に、回転方向に駆動力を伝達可能に係合している。押圧ブロック38とクラッチプレート34において、軸方向に互いに対向する面同士は、離間している。シール部材60は、断面円形に形成され、円環形状をなしている。シール部材60は、銅、SUS(ステンレス鋼)等の金属材料や、Oリング等に用いられる樹脂、ゴム等のエラストマで形成されたものであることができる。あるいは、金属材表面にエラストマを表皮として付与した合成材等でシール部材60が構成されてもよい。
押圧ブロック38における出力軸側の面には、溝部38eが周方向に形成されている。シール部材60における軸方向のエンジン側の部分は、溝部38eに収容され、第一当接部としての押圧ブロック38に当接している。シール部材60における出力軸側の部分は、第一当接部としてのクラッチプレート34に当接している。ここで、シール部材60は、断面円形に形成されており、クラッチプレート34へ向かうほど径方向の長さが小さくなるテーパ形状となっている。同様に、シール部材60は、押圧ブロック38へ向かうほど径方向の長さが小さくなるテーパ形状となっている。ロックアップクラッチ30のON制御時に、クラッチ係合油圧による推力は、シール部材60を介してクラッチプレート34から押圧ブロック38に伝達される。従って、クラッチ係合油圧による推力は、溝部38e、すなわち、押圧ブロック38の一定の位置を軸方向に押すこととなる。よって、摩擦面31の精度が油圧力に影響を受ける程度が小さくなる、すなわち、摩擦面精度が向上する。
また、シール部材60を介して推力が伝達されることで、推力を伝達するピボット部におけるシール性を向上させ、流体伝達機構空間部Aとクラッチ空間部Bとの間の作動油の流通をより確実に抑制することができる。推力の伝達部がシール部材60でシールされていない場合と比較して、油圧によるクラッチプレート34の変形が大きくなっても所望のクラッチ性能を発揮することができる。よって、必要なクラッチ性能を維持しつつ、クラッチプレート34の作製精度を下げたり、薄型化したりすることができ、コスト低減が可能となる。
本発明の流体伝達装置の第1実施形態にかかる装置の要部断面図である。 本発明の流体伝達装置の第2実施形態にかかる装置の要部断面図である。 本発明の流体伝達装置の第3実施形態にかかる装置の要部断面図である。 本発明の流体伝達装置の第4実施形態にかかる装置の要部断面図である。
符号の説明
1−1,1−2,1−3,1−4 流体伝達装置
10 フロントカバー
11 本体部
11a 段差部
12 フランジ部
12a 連結溝部
13 セットブロック
16 ボルト
20 流体伝達機構(流体伝達手段)
21 ポンプインペラ
22 タービンライナ
22b タービンシェル
23 ステータ
24 ワンウェイクラッチ
30 ロックアップクラッチ
31 摩擦面
32 クラッチピストン
32b 突出部
33 ピストン油圧室
34 クラッチプレート
35 摩擦材
36 出力側摩擦係合部材
37 入力側摩擦係合部材
38 押圧ブロック
39 スナップリング
40 ダンパー機構(ダンパー手段)
41 第1サイドプレート
42 センタープレート
42a 第1保持部
42b 第2保持部
42c スリーブスライド部
42d 連結突起部
43 第2サイドプレート
44a,44b ダンパースプリング
45 ノックピン
46 スリーブ
50 出力軸
51 スリーブ
52 ハブ
52a ノックピン
53 ハウジング
60 シール部材
100 ドライブプレート
110 エンジン出力軸
120 連結部材
A 流体伝達機構空間部
B クラッチ空間部
C1 入力側クラッチ部材
C2 出力側クラッチ部材
P シール部材
S 溶接

Claims (3)

  1. 駆動源の駆動力が伝達される入力部材と、
    前記入力部材に伝達された駆動力を作動流体を介して出力軸に伝達する流体伝達手段と、
    前記入力部材と連結された入力側クラッチ部材と、前記出力軸と連結された出力側クラッチ部材とを有し、前記入力側クラッチ部材と前記出力側クラッチ部材とが係合する係合状態において、前記入力部材に伝達された駆動力を直接前記出力軸に伝達するロックアップクラッチと、
    前記入力部材と前記ロックアップクラッチとの間に配置される弾性体を有し、かつ、前記弾性体を介して前記入力部材と前記ロックアップクラッチとを連結するダンパー手段と
    を備え、前記入力側クラッチ部材、および前記出力側クラッチ部材のそれぞれに軸方向に作用する前記作動流体の圧力により、前記ロックアップクラッチの係合状態と非係合状態とが制御される流体伝達装置であって、
    前記入力側クラッチ部材、あるいは、前記出力側クラッチ部材の少なくともいずれか一方のクラッチ部材は、本体と、前記本体とは異なる部材であって、前記本体における他方のクラッチ部材側に前記本体と一体回転可能に設けられ、かつ、前記他方のクラッチ部材と摩擦係合可能な摩擦係合部材とを有し、
    前記本体は、円環形状であり、かつ、径方向外側端部には、径方向外側に向かうほど前記他方のクラッチ部材から離間する曲面部を有し、
    径方向において、前記摩擦係合部材の設置領域は、前記曲面部の設置領域と重なる
    ことを特徴とする流体伝達装置。
  2. 請求項1に記載の流体伝達装置において、
    前記摩擦係合部材と前記本体とは、第一当接部と、軸方向において前記第一当接部と対向する位置に周方向に設けられ、かつ、前記第一当接部と当接する第二当接部とを介して軸方向の押圧力を伝達しており、
    前記第二当接部は、前記第一当接部へ向かうほど径方向の長さが小さくなるテーパ形状である
    ことを特徴とする流体伝達装置。
  3. 請求項2に記載の流体伝達装置において、
    前記第二当接部は、前記作動流体をシールするシール部材で構成されている
    ことを特徴とする流体伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105041910A (zh) * 2015-07-01 2015-11-11 广西科技大学 一种锁止离合器及其控制方法

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