JP6258520B2 - 画像記録方法及び画像記録物 - Google Patents

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Description

本発明は、画像記録方法及び画像記録物に関する。
インクジェト法による画像記録法は、近年、高速での画像記録が可能であり、多種多様な記録媒体に対して高品位の画像を記録し得ること等から広く利用されている。
インクジェット法により画像を記録する場合、記録された画像の耐久性及び風合いは、品質の観点で重要な性質の1つである。
画像の耐久性を示す性質のうち、耐擦性を向上させることが試みられている。例えば、テキスタイル用のインク組成物として、ウレタン系樹脂と顔料とを含むインクジェット記録用インクが開示されている(例えば、特開2011−246632号公報参照)。
さらに、ワイドフォーマット基材及びテキスタイルへの印刷用として、顔料とウレタン系樹脂とを含む組成物であって、ウレタン系樹脂が特定の方法で形成された脂環式イソシアネートを含むウレタン系樹脂である水性インクジェット用インク組成物が開示されている(例えば、特開2013−527267号公報参照)。
一方、紙おむつ等の衛生物品に使用される不織布、すなわち非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材へのインクジェット記録においては、インク組成物との密着性を向上させるために、あらかじめ不織布に対しコロナ処理等の表面処理を施した後、インクサイズを限定してインクジェット法で記録することにより、滲みが少なく優れた耐擦性を有する画像が得られるインクジェット記録方法が開示されている(例えば、特開2013−075385号公報参照)。
さらに、特定の構造を有し、放射線硬化が可能な水性ポリウレタン分散液が開示されている(例えば、特開2008−538219号公報参照)。
上記公報に記載の方法によれば、確かにフィルム等の厚み方向への処理が不要な基材に対しては、耐擦性の向上効果を奏する。
一方、不織布等の基材は、紙、フィルム等とは異なり、低い繊維密度の集合体であるため、これらへのインク画像形成においては、表面だけでなく厚み方向にもインクが繊維に強く保持されている必要がある。しかし、特開2011−246632号公報及び特開2013−527267号公報に記載の方法は、記録基材の表面処理を前もって行う方法ではなく、単に基材表面にインク画像を形成する方法である。これらの文献に記載の方法では、不織布等の記録基材において、付与されるインクを基材の表面と深部にある繊維とに密着させることは難しいため、耐擦性のあるインク画像が得られないと予想される。さらに、特開2013−075385号公報に記載の方法では、インク付与前の基材に対してコロナ処理を施すことによって、インク付与後の画像に耐擦性の向上が見られる。しかし、コロナ処理では、例えば、不織布のような繊維状の集合体である記録基材の内部までは処理できないため、記録基材の厚み方向におけるインク組成物と基材との密着性が不足することになり、十分な耐擦性は得られない。さらに、コロナ処理によれば、記録基材の表面にダメージを与える懸念がある。また、特開2008−538219号公報の実施例に示されているような、インク付与後のメタルハライド水銀ランプによる紫外線(UV)硬化処理では、満足のいく耐擦性及び風合いは得られない。
したがって、不織布のような繊維状の集合体である記録基材に対しては、表面のみならず厚み方向においても、インクと記録基材とを密着させる技術が望まれている。
本発明の一実施形態は、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材を用いた場合に、耐擦性及び風合いに優れた画像が得られる画像記録方法を提供することを課題とする。
また、本発明の一実施形態は、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材を用い、耐擦性及び風合いに優れた画像記録物を提供することを課題とする。
課題を解決するための具体的手段は、以下の態様を含む。
<1> 非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の画像記録面にキセノンガスを用いてエキシマ発光させた光を照射することで記録基材を表面処理する表面処理工程と、表面処理後の記録基材の画像記録面にインクジェット法によりインク組成物を付与するインク付与工程と、を含む画像記録方法。
<2> 繊維材料が、ポリプロピレンの繊維及びポリエチレンの繊維から選択される少なくとも1種である<1>に記載の画像記録方法。
<3> 集合体が不織布である<1>又は<2>に記載の画像記録方法。
<4> 光の照射強度が、30mW/cm〜300mW/cmである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の画像記録方法。
<5> 光の照射時間が、0.1秒〜10秒である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の画像記録方法。
<6> インク組成物は、色材と、水と、を含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載の画像記録方法。
<7> 色材が、顔料である<6>に記載の画像記録方法。
<8> インク組成物は、ウレタン系樹脂の粒子を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の画像記録方法。
<9> ウレタン系樹脂が有機カチオンを対イオンとする有機塩である<8>に記載の画像記録方法。
<10> 有機塩がトリエチルアミンカチオンを対イオンとするトリエチルアミン塩である<9>に記載の画像記録方法。
<11> ウレタン系樹脂は、ジイソシアネート化合物に由来する構造と、ジオール化合物に由来する構造と、カルボキシル基を含むジオール化合物の有機塩に由来する構造と、を含む<8>〜<10>のいずれか1つに記載の画像記録方法。
<12> ジオール化合物がジオールポリカーボネートである<11>に記載の画像記録方法。
<13> ジオール化合物の分子量が500〜20000である<11>又は<12>に記載の画像記録方法。
<14> ウレタン系樹脂は、酸価が10mmol/g〜200mmol/gである<8>〜<13>のいずれか1つに記載の画像記録方法。
<15> <1>〜<14>のいずれか1つに記載の画像記録方法によって記録された画像記録物。
本発明の一実施形態によれば、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材を用いた場合に、耐擦性及び風合いに優れた画像が得られる画像記録方法が提供される。
また、本発明の一実施形態によれば、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材を用い、耐擦性及び風合いに優れた画像記録物が提供される。
≪画像記録方法≫
本開示の画像記録方法は、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の画像記録面にキセノンガスを用いてエキシマ発光させた光を照射することで記録基材を表面処理する表面処理工程と、表面処理後の記録基材の画像記録面にインクジェット法によりインク組成物を付与するインク付与工程と、を含む画像記録方法である。
本開示の画像記録方法では、不織布等の記録基材へインク画像を記録するインク画像記録方法において、キセノンガスを用いたエキシマランプによる表面処理工程をインク付与前に設けることにより、コロナ処理、メタルハライド水銀ランプによる処理等の前処理では達成し得なかった耐擦性及び風合いを有するインク画像が得られる。
なお、本明細書において、「風合い」とは、インク付与されて記録された画像を含む記録基材(特に不織布)に指で触れた際の触感であり、滑らかであれば風合いの効果が高いと評価される。
エキシマランプによる前処理が、記録基材への画像記録を良好にさせる機構の詳細は不明であるが、発明者は以下のように推察している。
本開示における表面処理工程では、記録基材の繊維表面の改質が行われる。キセノンガスを用いたエキシマ発光では、光が、記録基材の画像記録される側の表面だけでなく、表面より深部(基材内部)にも到達すると考えられる。したがって、光の照射によって、空気中の酸素が分解されて生じた酸素ラジカルが、記録基材の表面だけでなく内部にも存在するようになるために、記録基材の表面上の繊維と内部の繊維の表面が親水性に変化すると考えられる。記録基材の表面上の繊維と内部の繊維の表面が親水性に変化することにより、その変化後に付与されたインクが記録基材の表面から下部へ浸潤しても、繊維上に密着できるようになるので、結果として剥がれ難い画像が記録されると考えられる。
キセノンガスを用いたエキシマランプは、172nmに最大強度を有する単一波長を有する。エキシマランプの光によれば、空気中の酸素が効率よく分解されラジカルが発生する。
これに対し、メタルハライド水銀ランプは、185nmと254nmとに最大強度を有する波長を有する。メタルハライド水銀ランプの光は、エキシマランプの光に比べて酸素ラジカルを発生し難いため、不織布等の記録基材においては、メタルハライド水銀ランプによる表面処理では不十分であると考えられる。さらに、コロナ放電による処理法では、記録基材に対して、その表面のみに放電による酸素ラジカルを生じさせることができるものの、記録基材の厚み方向には生じさせ難い。加えて、コロナ放電では、記録基材に与えるエネルギーが強く、エキシマランプによる方法に比べて記録基材表面へのダメージが懸念される。
以上のことから、キセノンガスによるエキシマ発光の光照射で前処理された記録基材へは、既述の特開2013−075385号公報に記載されたような、インクの打摘形態(例えば、ドットサイズ)を制限することなく、風合いがあって耐擦性に優れた画像が記録されることとなる。
ここで、「耐擦性」とは、基材上に形成された画像の表面を擦った場合における画像の耐久性を意味する。
以下、本開示の画像記録方法について、詳細に説明する。
なお、画像記録に用いるインクの組成物を単に「インク」ということがある。また、インク組成物中の成分の凝集を、「インク(組成物)の凝集」ということがある。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において、インク組成物中の各成分の量は、インク組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、インク組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
〔表面処理工程〕
本開示の画像記録方法は、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の画像記録面にキセノンガスを用いてエキシマ発光させた光を照射することで記録基材を表面処理する表面処理工程を含む。表面処理とは、エキシマ発光させた光を任意の時間照射することで表面を改質させることをいう。表面とは、記録基材のうち画像が記録される側の面をいう。
<記録基材>
本開示の画像記録方法は、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材を用いて画像を記録する。記録基材とは、インクジェット法で画像が記録される被記録材料をさす。
記録基材の非吸収性又は低吸収性は、記録基材に対するインク組成物の吸収度合を示し、下記のように評価することができる。
本明細書において、「非吸収性の繊維」とは、ASTM試験法のASTM D570で吸水率(測定条件:24hr.水に浸漬)が0.2質量%未満の繊維を意味し、「低吸収性の繊維」とは、ASTM試験法のASTM D570で吸水率(測定条件:24hr.水に浸漬)が0.2質量%以上0.5質量%未満の繊維をいう。
インク組成物に対して非吸収性又は低吸収性の繊維材料としては、ポリオレフィン繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン等の繊維)、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の繊維)、アラミド繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維等の合成繊維、ステンレス、鉄、金、銀、アルミニウム等の金属の繊維、ガラス繊維(グラスウール等)などが挙げられる。
中でも、非吸収性又は低吸収性の繊維材料としては、軽量性の観点から、ポリオレフィン繊維が好ましく、ポリプロピレン繊維及びポリエチレン繊維から選択される1種以上がより好ましい。
非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体としては、不織布、織物、グラスウール等を挙げることができる。
不織布とは、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものをいい、水流交絡不織布が含まれる。不織布は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦、粘着、接着等により固着された繊維の加工シート、ウェブ、又はバットである。不織布には、織られたもの、編まれたもの、房状の、糸又はフィラメントの結合を組み込んでステッチボンドされたもの、及び湿式ミリングによってフェルト加工されたものは含まれない。
非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体としては、上記の中でも、低コストである点、加工性が良好である点、及び比較的画像の耐擦性が弱く滲みが生じやすい点から、不織布が好ましく、より好ましくはポリオレフィン繊維の不織布である。
本開示における記録基材は、記録基材を構成する繊維の繊維軸方向と直交する断面の直径(繊維径)が1μm〜200μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましく、特に好ましくは5μm〜60μmである。繊維径が1μm以上であると、画像耐擦性の点で有利である。繊維径が200μm以下であると、画像滲み及び記録基材の風合いの点で有利である。
また、記録基材の厚みとしては、1μm〜2000μmが好ましく、1μm〜1600μmがより好ましく、5μm〜1000μmが更に好ましい。記録基材の厚みが1μm以上であると、記録基材自体の触って得られる可撓性、反発力、及び弾性の点で有利である。記録基材の厚みが2000μm以下であると、耐擦性のみならず記録基材自体の風合いの点で有利である。
記録基材の密度(繊維面密度)としては、1g/m〜300g/mが好ましく、1g/m〜200g/mがより好ましく、5g/m〜100g/mが特に好ましい。繊維面密度が1g/m以上であると、画像濃度が得られやすい点で有利である。繊維面密度が300g/m以下であると、画像耐擦性の点で有利である。
なお、繊維面密度とは、繊維が2次元に分布している面の面積に対する、繊維の量の比率[単位:g/m]をさし、記録基材を単位面積で切り出して質量を測ることにより求められる値である。
記録基材(例えば、不織布)は、メルトブローイング、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング等、いずれの方法で作製された記録基材でもよい。
本開示における記録基材は、キセノンガスを用いたエキシマランプによって、表面処理が施される。記録基材は、表面処理が施されることにより親水化され、インクが水系に調製されている場合には、インクを記録基材に付与した場合に、インクが記録基材から弾かれる現象(ハジキ)を防ぎ、記録基材の表面の繊維上だけでなく深部の繊維上へもインクを付着させ密着させることができる。
記録基材の表面張力は、3.4×10−6J/m〜4.5×10−6J/m(34ダイン/cm〜45ダイン/cm)が好ましく、3.5×10−6J/m〜4.0×10−6J/m(35ダイン/cm〜40ダイン/cm)がより好ましい。記録基材の表面張力が低すぎなければ、画像の密着性を維持でき、基材の表面張力が大きすぎなければ、記録基材自体の風合いが維持しやすい。
なお、記録基材の表面張力は、ぬれ張力試験用混合液(和光純薬工業社製)を用い、記録基材が濡れ始める混合液番号を基材の表面張力として測定される。
インクの表面張力としては、20mN/m〜40mN/mの範囲にあることが好ましく、後述の繊維軸方向に付着するインクの平均長を調整するために、範囲を適宜選ぶことができる。インクの表面張力は、静的表面張力測定装置(例えば、池田理化社製のTD3)を用いたウィルヘルミ法によって測定される。
<エキシマ発光させた光の照射>
本開示の画像記録方法は、記録基材の画像記録面にエキシマ発光させた光を照射することで記録基材を表面処理する表面処理工程を、インクを付与する前処理工程として含む。
光の照射方法としては、記録基材にキセノンガスを用いてエキシマ発光させた光を照射できる方法であれば特に形態は限定されない。
「キセノンガスを用いてエキシマ発光させた光」とは、放電ガスとして充填されたキセノンガスに電圧をかけて放電させ、その放電によって発生する、172nmに発光強度が最大となる波長を持つ光をいう。したがって、キセノンガス以外に一般に用いられるアルゴンガス又はクリプトンガスを用いたエキシマ発光では、波長が異なるために、例えば不織布のような厚みを有する記録基材に対しては、光の照射による処理が不十分となる。
本開示の画像記録方法において、使用する光源としては、エキシマランプとして市販されているものを用いることができ、特にRF放電型エキシマランプ L12431(浜松ホトニクス製)が好適である。
エキシマ発光させた光の照射条件としては、特に限定されないが、照射強度は、5mW/cm〜500mW/cmの範囲で選択することができ、30mW/cm〜300mW/cmが好ましく、40mW/cm〜100mW/cmがより好ましい。
照射時間は、0.01秒〜30秒の範囲で選択することができ、0.1秒〜10秒が好ましく、0.1秒〜5秒がより好ましい。
エキシマランプと基材との距離(照射距離)は、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
〔インク付与工程〕
本開示の画像記録方法は、上記の表面処理工程の後に、記録基材の表面処理面にインクジェット法によりインク組成物を付与するインク付与工程を含む。以下にインク付与工程の詳細を説明する。
本開示における記録基材へのインクの付与は、インクジェット法により行う。記録基材へのインクの付与をインクジェット法により行うことで、インクは所望の領域に選択的に付与される。インクジェット法には、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式のいずれであってもよい。
記録基材にインクを付与する場合、付与方式としては、マルチパスでも1パスでもよいが、高速記録の観点からは1パス又は2パスが好ましい。ここで、「1パス」とは、1回の走査で、その走査の領域に形成するドット全てを記録するインクの付与方式をいう。1パスでは、記録時に搬送させる記録基材の搬送方向と交差する基材幅方向に幅長に対応した長さの吐出ヘッド(記録素子が配列されているラインヘッド)が設けられ、吐出ヘッドに設けられた複数の吐出孔から素子の配列方向に同時にインクを吐出する。1パスによるインクの付与方式は、いわゆるライン方式と呼ばれ、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体を搬送することで記録基材の全面に画像の記録が行える。ライン方式では、短尺のシリアルヘッドを記録基材の幅方向(主走査方向)に走査しながら記録するシャトル方式のようなキャリッジ等の搬送系が不要である。また、2パスとは、走査領域に吐出するドットを2回の走査により記録するインクの付与方式である。
例えば、各色あたりの解像度は、100dpi(dot per inch)以上が好ましく、高画質の観点から、200dpi以上が望ましい。
インクの粘度(30℃)としては、インクタンクから記録ヘッドに安定的にインク供給する観点から、4mPa・s〜20mPa・sが好ましく、より好ましくは6mPa・s〜16mPa・sである。
なお、インクの粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKISANGYO CO.LTD製)により、30℃の条件下で求められる値である。
吐出するインク滴量は、求められる耐擦性、及び画像部の風合いを満足し得る範囲であれば、特に制限はないが、1pL(ピコリットル)〜150pLの範囲が好ましく、2pL〜120pLの範囲がより好ましく、更に好ましくは60pL〜120pLの範囲である。
本開示の画像記録方法においては、インクジェット法によるインクの付与中及び/又は付与後に、記録基材に付与されたインクを乾燥させる乾燥工程が設けられることが好ましい。すなわち、本開示の画像記録方法により得られる画像記録物は、記録基材上への画像の記録中及び/又は記録後に乾燥処理を経たインク画像を有するものが好ましい。乾燥工程が更に設けられることで、インク中の液媒体(具体的には、水、水溶性有機溶剤等)の蒸発が促され、記録基材表面の繊維上だけでなく内部の繊維上に密着したインクも固定されるので、耐擦性に優れ、ムラ及び滲みの少ない高画質な画像を短時間で得られる。また、乾燥時には、加熱によりインクに含まれるポリマー粒子の融着が促され、良好な皮膜が形成されて、記録物の耐擦性がより一層向上する。
乾燥時の乾燥温度は、インク中に存在する液媒体が蒸発し、かつインク外縁部に皮膜が形成される範囲の温度であれば、特に制限はなく、かかる観点から40℃以上が好ましい。中でも、乾燥温度は、40℃以上150℃以下が好ましく、より好ましくは40℃以上80℃以下である。温度が、150℃以下、更には80℃以下であることで、記録基材の変形等をより効果的に防ぐことができる。
なお、乾燥時の加熱時間については、インク中の液媒体が蒸発し、かつインク外縁部に皮膜形成が可能であれば、特に制限はなく、液媒体種、ポリマー種、記録速度等を考慮して適宜選択することができる。
乾燥方式としては、インクに含まれる液媒体の揮発を促進させる方式であれば、特に制限はない。乾燥方式としては、記録前後の記録基材に熱を加える方式、記録後の記録基材に風を吹き付ける方式、これらを組み合わせた方式等が挙げられる。具体的には、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥、乾燥空気送風等が挙げられる。
次に、本開示の画像記録方法により画像を記録するインクについて詳述する。本開示の画像記録方法においては、記録基材を表面処理して親水化する観点、画像記録時の作業環境を損なわない観点、及びその他の観点から、水系のインクを用いることが好ましい。
インクジェット法により吐出され、表面処理された記録基材に着弾した水性インクは、すみやかに接触角を低下させ、記録基材の深部に浸透し、水性インクが、記録基材表面にある繊維上だけでなく、記録基材の厚さ方向の繊維上にも行き渡るようになる。
本開示におけるインクは、少なくとも色材及び水を含有することが好ましい。本開示におけるインクは、好ましくはポリマー粒子を含有し、また必要に応じて、更に、顔料の分散剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、その他の添加剤等の成分を用いて調製することができる。
(色材)
本開示におけるインクは、好ましくは色材の少なくとも一種を含有する。色材としては、顔料、染料等が好適であり、中でも画像の耐光性等の観点から、顔料が好ましい。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、又は無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶であることが、インク着色性の点で好ましい。
有機顔料としては、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料;塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ;ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。また、無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の顔料が挙げられる。カラーインデックスに記載されていない顔料であっても、水相に分散可能であればいずれも使用可能である。
また、顔料としては、界面活性剤、高分子分散剤等で表面処理した顔料や、グラフトカーボン等も使用可能である。
顔料としては、上記の中でも、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、及びカーボンブラック系顔料からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
〜分散剤〜
本開示におけるインクは、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
なお、「非水溶性」とは、分散剤を105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させた場合に、その溶解量が10g以下であることをいう。逆に、「水溶性」とは、上記溶解量が10g超であることをいう。
低分子の界面活性剤型分散剤は、インクを低粘度に保ちつつ、顔料を水溶媒に安定に分散させることができる。低分子の界面活性剤型分散剤は、分子量2,000以下の低分子分散剤である。また、低分子の界面活性剤型分散剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、200〜2,000がより好ましい。
低分子の界面活性剤型分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。低分子の界面活性剤型分散剤は、親水性基と疎水性基とを、それぞれ独立に1分子に1以上有していればよく、また、複数種類の親水性基及び疎水性基を有していてもよい。また、低分子の界面活性剤型分散剤は、親水性基と疎水性基とを連結するための連結基も適宜有することができる。
親水性基としては、アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基、これらを組み合わせたベタイン型の基等が挙げられる。これら中でも、親水性基としては、アニオン性基が好ましい。
アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、及びカルボン酸基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、リン酸基及びカルボン酸基から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、カルボン酸基であることが更に好ましい。
カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンを有するカチオン性基であることがより好ましい。また、窒素を有するカチオン性基としては、ピリジニウム基及びアンモニウム基から選択される少なくとも1種が好ましい。
ノニオン性基としては、ポリエチレンオキシド、ポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等の構造を有しており、特に炭化水素系の構造を有していることが好ましい。また、疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。疎水性基は、1本鎖状構造又は2本鎖以上の鎖状構造でもよく、2本鎖以上の鎖状構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基が更に好ましい。
ポリマー分散剤のうち、水溶性ポリマー分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。
例えば、天然の親水性高分子化合物としては、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物などが挙げられる。
これらの中でも、水溶性ポリマー分散剤としては、顔料の分散安定性の観点から、カルボキシル基を含む高分子化合物が好ましく、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂等のようなカルボキシル基を含む高分子化合物が特に好ましい。
ポリマー分散剤のうち、非水溶性ポリマー分散剤としては、疎水性部と親水性部との両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、非水溶性ポリマー分散剤としては、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の重量平均分子量としては、3000〜200000が好ましく、より好ましくは5000〜100000、更に好ましくは5000〜80000、特に好ましくは10000〜60000である。
ポリマー分散剤は、自己分散性の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、かつ、酸価が100mgKOH/g以下のポリマーがより好ましく、酸価は25mgKOH/g〜100mgKOH/gのポリマーが更に好ましい。酸価は、後述のように、日本工業規格(JIS K0070:1992)に準拠した方法により求められる値である。
また、顔料と分散剤との混合質量比(顔料:分散剤)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5の範囲である。
顔料に代えて染料を用いてもよい。染料を用いる場合には、水不溶性の担体に保持した染料を用いることができる。染料としては、公知の染料を制限なく用いることができ、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料が好適に用いられる。担体としては、水に不溶又は難溶であれば、特に制限はなく、無機材料、有機材料、及びこれらの複合材料から選択して用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体が好適に用いられる。
染料を保持した担体(水不溶性粒子)は、分散剤を用いて水性分散物として用いることができる。分散剤としては、上述した分散剤を好適に用いることができる。
本開示の画像記録方法においては、画像の耐擦性、品質等の観点から、顔料と分散剤とを含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含み、かつ、顔料表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料として含有されることがより好ましい。更には、水性インクは、有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含み、かつ、顔料表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料として含有されることが特に好ましい。
分散状態での顔料の平均粒子径としては、10nm〜200nmが好ましく、10nm〜150nmがより好ましく、10nm〜100nmが更に好ましい。平均粒子径が200nm以下であると、色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になる。平均粒子径が10nm以上であると、耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
なお、分散状態での顔料の平均粒子径、並びに後述するポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求めることができる。
顔料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
インク中における顔料の含有量としては、画像濃度の観点から、インク全量に対して、1質量%〜25質量%が好ましく、2質量%〜15質量%がより好ましい。
(ポリマー粒子)
本開示におけるインクは、ポリマー粒子の少なくとも1種を含有することが好ましい。ポリマー粒子を含有することで、インクと画像記録基材との密着性、及び画像の耐擦性をより向上させることができる。
ポリマー粒子としては、熱可塑性、熱硬化性、もしくは変性の、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、エーテル系樹脂、アミド系樹脂、不飽和エステル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリビニル系樹脂(例:ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等)、アルキド樹脂、エステル系樹脂(例:フタル酸樹脂等)、アミノ系材料(例:メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等)、これらの樹脂の混合物等の粒子が挙げられる。
ポリマー粒子としては、2種以上を併用してもよく、また、2種以上を混合又は結合したポリマーで構成された粒子を使用してもよい。
上記のうち、ポリマー粒子としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エーテル系樹脂、エステル系樹脂、及びオレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂の粒子が好ましく、中でもアクリル系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂の粒子がより好ましく、特にウレタン系樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂の粒子が好ましい。
〜ウレタン系樹脂の粒子〜
ポリマー粒子としては、インクの連続吐出性及び吐出安定性をより高める観点、並びに画像の耐擦性を高める観点から、ウレタン系樹脂の粒子が特に好ましい。ウレタン系樹脂を用いる場合に耐擦性が良好な理由としては、エキシマ処理した基材表面と、内部にある繊維上のヒドロキシ基、カルボキシル基等と、インク中のウレタン系樹脂とが強固にあるいは密に水素結合を形成し、インク組成物全体としての繊維上への密着性が向上した為と考えられる。
更には、ウレタン系樹脂が好ましい理由としては、下記のような理由が推定される。すなわち、ウレタン系樹脂は、ポリマー間で水素結合のような強固な相互作用が可能なウレタン部位と、ポリマー間での相互作用が比較的弱い非ウレタン部位とから形成されている。インクの膜が形成される際に、ウレタン系樹脂は、ミクロな構造として、相互作用が比較的強い部位と比較的弱い部位とがそれぞれ寄り集まって海−島構造を構築していると推定され、この海−島構造の構築によりウレタンが柔軟性を有すると推定される。ウレタン系樹脂は、本質的に柔軟性を持つため、従来知られているポリマー粒子に比べて高いTgのポリマー粒子の使用が可能であり、柔軟性と強度とを有し、耐擦性に優れたインク膜(インク画像)を形成できるものと推察される。
したがって、本開示におけるエキシマ処理によって、密着したウレタン分子が、基材の厚み方向にも上記特性を発揮することになるので、耐擦性の更なる向上だけでなく、風合いの向上にも有利であると推察できる。
ウレタン系樹脂は、ジイソシアネート化合物に由来する構造と、ジオール化合物に由来する構造と、を有するポリマーであることが好ましい。
本開示の画像記録方法において、ウレタン系樹脂の調製方法は特に限定されないが、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを有機溶剤中でウレタン化させて調製する方法が好ましく、更には、インクの水分散性及びインク組成物と記録基材との親和性の観点から、ジイソシアネート化合物、ジオール化合物及びカルボキシル基を含むジオール化合物の有機塩を有機溶剤中でウレタン化反応させて調製する方法がより好ましい。ウレタン系樹脂の調製方法には、脂肪族、芳香族、又は脂環族の各種公知ジイソシアネート化合物を使用することができる。
ジイソシアネート化合物の具体的な例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’ −ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’ −ジベンジルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
ジオール化合物の具体的な例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル化合物、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルジール、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコールとマレイン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の多価カルボン酸との脱水縮合反応又はカプロラクトン、ビバロラクトン等の環状エステルの開環重合反応によって得られるポリエステル、ジオールポリカーボネート及びエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド等の低分子グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルなどが挙げられる。
ジオール化合物としては、ポリエーテル構造、ポリエステル構造及びポリカーボネート構造の少なくとも1つを有することが好ましい。
本開示におけるジオール化合物としては、ジオールポリカーボネートに由来する構造を有することがより好ましい。ジオールポリカーボネートは、多価アルコールとジメチルカーボネートとの脱メタノール縮合反応、多価アルコールとジフェニルカーボネートとの脱フェノール縮合反応、ジアルコールとエチレンカーボネートとの脱エチレングリコール縮合反応等の反応を経ても生成される。これらの反応で使用される多価アルコールとしては、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の飽和もしくは不飽和の各種グリコール類、1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコールなどが挙げられる。
また、他のジオール化合物の例として、上記以外にもヒドロキシル基を含むポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンジオール)、ヒドロキシル基含有アクリルポリマー、ヒドロキシル基含有エポキシド、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリチオエーテル、ポリシロキサンポリオール、エトキシ化ポリシロキサンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、ポリイソブチレンポリオール、ポリアクリレートポリオール、ハロゲン化ポリエステル、ハロゲン化ポリエーテル等が挙げられる。
上記したジオール化合物の中では、ジオールポリカーボネート、ヒドロキシル基を含むポリカプロラクトン、低分子グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルが好ましい。さらに好ましいのは、ジオールポリカーボネート、ヒドロキシル基を含むポリカプロラクトン、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種である。特に好ましいのは、ジオールポリカーボネートである。
ジオール化合物の分子量(Mn)としては、200〜25000が好ましく、500〜20000がより好ましく、500〜2000が最も好ましい。
また、ウレタン系樹脂には、カルボキシル基を含むジオール化合物を、水溶性付与成分として構成成分に含めることができる。カルボキシル基を含むジオール化合物の具体的な例としては、ウレタン系樹脂の粒子の水分散性を増強させる観点から、ヒドロキシカルボン酸から誘導される化合物であるジメチロールプロパン酸(DMPA)、ジメチロールブタン酸(DMBA)、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、ジヒドロキシリンゴ酸及びジヒドロキシ酒石酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。
中でも、ジメチロールプロパン酸(DMPA)及びジメチロールブタン酸(DMBA)から選択される少なくとも1種が好ましい。
ウレタン系樹脂の粒子においては、ウレタン系樹脂の粒子の分散性向上の観点から、溶液中でウレタン系樹脂の対イオンとなる中和剤を加えて塩とすることが好ましい。塩としては、特に限定されないが、無機塩及び有機塩(例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物、それらの炭酸塩又は炭酸水素塩、並びにアンモニア又は第一級、第二級もしくは第三級アミンの塩)が含まれる。中でも、塩としては、耐擦性の観点から、有機カチオンを対イオンとする有機塩が好ましい。有機塩としては、有機アミン塩が好ましい。具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアンモニウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、N−メチルモルホリン、モルホリン、2,2−ジメチルモノエタノールアミン、N、N−ジメチルモノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン等のカチオンを対イオンとして有する有機塩が挙げられる。中でも、有機塩としては、有機アミン塩が好ましく、更にトリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン及びトリブチルアンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の塩が好ましく、トリエチルアミンカチオンを対イオンとするトリエチルアミンの塩が最も好ましい。
本開示におけるウレタン系樹脂は、インクの水分散性及びインク組成物と記録基材との親和性の点で、ジイソシアネート化合物に由来する構造と、ジオール化合物に由来する構造と、カルボキシル基を含むジオール化合物の有機塩に由来する構造と、を含むことが好ましい。
ウレタン系樹脂が有する酸価としては、10mmol/g〜200mmol/gが好ましく、10mmol/g〜100mmol/gが更に好ましく、30mmol/g〜80mmol/gが最も好ましい。酸価が10mmol/g以上であれば、ウレタン系樹脂の粒子の分散性を高めることができ、酸価が200mmol/g以下であれば、インク画像の耐擦性を向上できる。
なお、酸価は樹脂粒子1グラム(g)を中和するのに必要な水酸化カリウムのモル数で表される。すなわち、酸価は、JIS規格(JIS K0070:1992)による測定法で求められる値である。
ウレタン系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、10,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましく、50,000〜120,000であることが更に好ましい。ウレタン系樹脂の重量平均分子量を10,000以上とすることで、より高い耐擦性を得ることができる。また、ウレタン系樹脂の重量平均分子量を200,000以下とすることで、より高い柔軟性を得ることができる。
なお、ウレタン系樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)により測定される。
GPCは、HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel(登録商標)、SuperMultipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、示差屈折計(RI)検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
〜アクリル系樹脂の粒子〜
アクリル系樹脂の粒子としては、アニオン性基を有するアクリル系樹脂の粒子が最も好ましい。アニオン性基を有するアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(アニオン性基含有アクリルモノマー)と必要に応じてアニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーとを溶媒中で重合して得られる。アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン酸基からなる群より選択される1以上を有するアクリルモノマーが挙げられ、中でも、カルボキシル基を有するアクリルモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等)が好ましく、特にはアクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1種が好ましい。
〜他の樹脂の粒子〜
本開示におけるインクは、上記のウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂以外のポリマーの粒子を含んでもよい。ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂以外のポリマーとしては、後述の自己分散性の観点から、カルボキシル基を有し、かつ、酸価が25mgKOH/g〜100mgKOH/gであるポリマーから選択することができる。更に、上記の酸価は、自己分散性の観点から、25mgKOH/g〜80mgKOH/gがより好ましく、更には30mgKOH/g〜65mgKOH/gが好ましい。酸価が25mgKOH/g以上であると、自己分散性が安定化し、酸価が100mgKOH/g以下であると、画像の耐水性の点で有利である。
[自己分散性ポリマーの粒子]
ポリマー粒子としては、自己分散性を有する自己分散性ポリマーの粒子が好適である。以下、自己分散性ポリマーの粒子について説明する。
自己分散性ポリマーの粒子は、界面活性剤の不存在下、分散状態(特に、転相乳化法による分散状態)とした場合、ポリマー自身が有する官能基(特に、酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の界面活性剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
自己分散性ポリマーの粒子は、吐出安定性及び顔料を含む系の液安定性(特に、分散安定性)の観点で好ましく、中でもカルボキシル基を有する自己分散性ポリマーの粒子がより好ましい。
ここで、分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンション)の両方の状態を含むものである。
本開示における水不溶性ポリマーにおいては、液体組成物とした場合の定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
自己分散性ポリマーを乳化状態又は分散状態にする方法、すなわち自己分散性ポリマーの水性分散物の調製方法としては、転相乳化法が挙げられる。転相乳化法としては、例えば、自己分散性ポリマーを溶媒(例えば、親水性有機溶剤)中に溶解又は分散させた後、界面活性剤を添加せずにそのまま水中に投入し、自己分散性ポリマーが有する塩生成基(例えば、酸性基)を中和した状態で、攪拌、混合し、溶媒を除去した後、乳化状態又は分散状態となった水性分散物を得る方法が挙げられる。
自己分散性ポリマーの粒子の分散状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)、及び水200gを混合、攪拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数:200rpm、攪拌時間:30分間、攪拌温度:25℃)した後、混合液から有機溶媒を除去した後でも、分散状態が25℃で少なくとも1週間安定に存在することを目視で確認することができる分散状態をいう。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させた場合に、溶解量が10g以下であるポリマーをいい、溶解量としては、好ましくは5g以下であり、更に好ましくは1g以下である。溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した際の溶解量である。
上記の水性媒体は、水を含んで構成され、必要に応じて親水性有機溶媒を含んでいてもよい。上記の水性媒体は、水と水に対して0.2質量%以下の親水性有機溶媒とから構成されることが好ましく、水から構成されることがより好ましい。
上記の水不溶性ポリマーの主鎖骨格としては、特に制限は無く、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース、ポリエーテル、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネート等)などを用いることができる。中でも、上記の水不溶性ポリマーの主鎖骨格としては、特にビニルポリマー及びポリウレタンから選択される少なくとも1種が好ましい。
縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例は、特開2001−247787号公報に記載されている。上記ポリウレタンは、ジオール化合物とジイソシアネート化合物とを原料として重付加反応により合成される。ジオール化合物及びジイソシアネート化合物の詳細については、特開2001−247787号公報の段落番号[0031]〜[0036]の記載を参照することができる。
また、ビニルポリマー及びビニルポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−181549号公報及び特開2002−88294号公報に記載されているモノマーが挙げられる。また、解離性基(又は解離性基に誘導できる置換基)を有する連鎖移動剤、重合開始剤、イニファーター等を用いたビニルモノマーのラジカル重合、又は開始剤若しくは停止剤のいずれかに解離性基(又は解離性基に誘導できる置換基)を有する化合物を用いたイオン重合によって高分子鎖の末端に解離性基を導入したビニルポリマーも使用できる。
ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの製造方法としては、特に制限はない。例えば、重合性界面活性剤の存在下に乳化重合を行い、界面活性剤と水不溶性ポリマーとを共有結合させる方法、及び親水性基含有モノマーと芳香族基含有モノマーとを含むモノマー混合物を溶液重合法、塊状重合法等の公知の重合法で共重合させる方法が挙げられる。重合法の中でも、インク組成物とした場合の打滴安定性の観点から、溶液重合法が好ましく、有機溶媒を用いた溶液重合法がより好ましい。
ポリマー粒子は、有機溶媒中で合成されたポリマーを含み、ポリマーがカルボキシル基を有し、ポリマーのカルボキシル基の一部又は全部は中和され、水を連続相とするポリマー分散物として調製されたポリマー粒子であることが好ましい。すなわち、本開示におけるポリマー粒子の製造は、有機溶媒中でポリマーを合成する工程と、ポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部が中和された水性分散物とする分散工程とを設けて行うことが好ましい。
上記の分散工程は、次の工程(1)及び工程(2)を含むことが好ましい。
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を攪拌する工程
工程(2):混合物から上記有機溶媒を除去する工程
上記の工程(1)は、まずポリマー(水不溶性ポリマー)を有機溶媒に溶解させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る工程であることが好ましい。このように、有機溶媒中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体とを添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の良好な粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。混合物の攪拌方法には特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置、及び必要に応じて超音波分散機、高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。これらの有機溶媒の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0109]の記載を適用することができる。中でも、有機溶媒としては、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒及びイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、油系から水系への転相時の極性変化を穏和にする観点から、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンとの併用が好ましい。これらの溶剤の併用により、凝集沈降や粒子同士の融着がなく、分散安定性の良好な微粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、自己分散性ポリマーが水中で安定した乳化状態又は分散状態を形成するために用いられる。自己分散性ポリマーが解離性基としてアニオン性の解離基(例えば、カルボキシル基)を有する場合、用いられる中和剤としては、有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。これらの中和剤の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0110]の記載を適用することができる。中でも、中和剤としては、自己分散性ポリマー粒子の水中への分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、及びトリエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5モル%〜120モル%の比率で使用することが好ましい。比率の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0111]に記載されている。
上記の工程(2)においては、上記の工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することでポリマー粒子の水性分散物を得ることができる。得られた水性分散物中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
ポリマー粒子(特に、自己分散性ポリマー粒子)の平均粒子径は、体積平均粒子径で1nm〜500nmの範囲が好ましく、5nm〜200nmの範囲がより好ましく、10nm〜100nmの範囲が更に好ましく、特に好ましくは15nm〜60nmの範囲である。平均粒子径が1nm以上であることで、製造適性が向上する。また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、ポリマー粒子は、広い粒径分布を持つポリマー粒子又は単分散の粒径分布を持つポリマー粒子のいずれでもよい。
なお、ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められる。
ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は、インクの保存安定性の観点から、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、15℃以上が更に好ましい。なお、Tgは、DSC7020((株)日立ハイテクサイエンス製)を用いた示差走査熱量測定法(DSC)によって求められる。
ポリマー粒子(特に、自己分散性ポリマー粒子)は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
インク中におけるポリマー粒子の含有量としては、画像の耐擦性の観点から、インク全量に対して、10質量%〜60質量%が好ましく、15質量%〜50質量%が更に好ましく、特に20質量%〜40質量%が好ましい。
(水)
本開示におけるインクは、水を含有する水系に調製されていることが好ましく、水の量には特に制限はない。中でも、水の量は、安定性及び吐出信頼性確保の点から、インクの全質量に対して、好ましくは5質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上70質量%以下である。
(滑剤)
本開示におけるインクは、滑剤の少なくとも1種を含有することができる。本開示におけるインクが滑剤を含有すると、画像表面の摩擦係数が低下し、画像の耐擦性がより向上する。
滑剤としては、画像表面の摩擦係数を低下させる機能を有するものであれば、特に制限はなく、ワックス粒子、エステル化合物、シリコーン化合物、フッ素化合物、高級脂肪族酸又はその塩、脂肪酸アミド化合物(好ましくは、カルボン酸アミド化合物)、有機又は無機のマット剤等が挙げられる。
ワックス粒子としては、天然ワックス及び合成ワックスの粒子を挙げることができる。
天然ワックスとしては、石油系ワックス、植物系ワックス、及び動植物系ワックスが挙げられる。このうち、石油系ワックスの例として、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等が、植物系ワックスの例として、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ等が、動物植物系ワックスの例として、ラノリン、蜜蝋等を挙げることができる。
合成ワックスとしては、合成炭化水素系ワックス及び変性ワックス系が挙げられる。このうち、合成炭化水素系ワックスの例として、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロブシュワックス等が、変性ワックス系の例として、パラフィンワックス誘導体、モンタンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等が挙げられる。
ワックスの中でも、カルナバワックスは、画像の耐擦性を向上させる観点から好ましい。また、ワックスとしては、画像の光沢感、ノズル先端からの水分蒸発の防止、及び水分保持効果に優れる点で、炭素数20〜40の炭化水素を主成分とするパラフィンワックスが好ましい。また、ワックスとしては、樹脂との相溶性に優れ、均質で良好な画像を得やすい点から、ポリエチレンワックスが好ましい。湿潤性の付与の観点からは、ワックスとしては、ポリエチレンワックスが好ましい。ポリエチレンワックスは、変性し易く、例えば、グリコール変性されたグリコール変性ポリエチレンワックスは、グリコールに起因して湿潤効果が得られ、ノズル先端でのインクの湿潤性を保つのに有効である。ポリエチレンワックスは、インクの吐出安定性をより一層高く維持することができる点で好ましい。
ワックスは、粒子状に分散された分散物の形態で添加されることが好ましく、例えば、粒子状のワックスが水分散された水分散物(具体的には、エマルション(乳化分散物)又はサスペンション(固体粒子分散物)のいずれでもよい)の形態で用いられるのが好適である。
エステル化合物としては、特開昭58−86540号、同51−37217号、同54−159221号、同58−90633号、同51−141623号等の各公報に記載の化合物、脂肪酸エステルなどが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、直鎖の高級脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。
シリコーン化合物としては、特開昭50−117414号、同60−140341号、同60−140342号、同60−191240号、同59−4649号等の各公報、米国特許第4404276号、独国特許第2509534号、同1938959号等の各明細書に記載の化合物が挙げられる。
また、カルボン酸アミド化合物としては、特開昭55−79435号公報等に記載の化合物が、上記フッ素化合物としては、特開昭63−19647号公報等に記載の化合物が、また、上記高級脂肪族酸又はその塩としては、英国特許第1263722号明細書等に記載の高級脂肪族酸又はその塩等が挙げられる。
滑剤の中でも、画像の耐擦性の向上の点で、直鎖の高級脂肪酸エステルのワックスの粒子、炭化水素系のワックスの粒子、−(−Si(CH−の構造を有するシリコーンオイル、1−ペンタデシル−2−ヘキサデシル−フタル酸ジエステル、及びパルミチン酸アミドからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、更には直鎖の高級脂肪酸エステルのワックス粒子及び炭化水素系のワックスの粒子からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
(水溶性有機溶剤)
本開示におけるインクは、水溶性有機溶剤を含有することができる。本開示におけるインクにおいて、水溶性有機溶剤をポリマー粒子と共に含有させると、インク中でのポリマー粒子の像膜温度を下げることができ、インクの吐出性等が向上する。
ここで、「水溶性有機溶剤」とは、20℃の水に1質量%以上溶解する有機溶剤をいう。
水溶性有機溶剤としては、アルキレンオキシアルコール及びアルキレンオキシアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。本開示におけるインクがこれらの水溶性有機溶剤を含むと、高湿環境における記録物のカールを抑えることができる。
アルキレンオキシアルコールとしては、好ましくは、プロピレンオキシアルコールである。プロピレンオキシアルコールとしては、サンニックスGP250、サンニックスGP400(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、好ましくは、アルキル部位の炭素数が1〜4のエチレンオキシアルキルエーテル、及びアルキル部位の炭素数が1〜4のプロピレンオキシアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である。
アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
本開示におけるインクは、上記の水溶性有機溶剤に加え、必要に応じて、乾燥防止、浸透促進、粘度調整等を図る観点から、他の有機溶媒を含有してもよい。
有機溶媒を乾燥防止剤として用いることで、インクをインクジェット法で吐出して画像記録する際に、インク吐出口でのインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。乾燥防止のためには、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。乾燥防止に好適な水溶性有機溶剤の具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体などが挙げられる。中でも、乾燥防止のための水溶性有機溶剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
また、インクを記録媒体により良く浸透させる目的で有機溶媒を用いてもよい。浸透促進に好適な有機溶媒の具体的な例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
また、水溶性有機溶剤は、上記以外にも粘度の調整に用いることができる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶剤の具体的な例としては、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)、アミン(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等)、その他の極性溶媒(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、アセトニトリル、アセトン等)などが挙げられる。
(界面活性剤)
本開示におけるインクには、種々の界面活性剤を用いることができ、中でも、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤に比べ、表面張力及びインクと接触するインクジェットヘッド部材(ヘッドノズル等)との間の界面張力を適正に保ちやすく、起泡し難い。そのため、本開示におけるインクがアセチレングリコール系界面活性剤を含むと、インクを吐出する際の吐出安定性が高められる。また、本開示におけるインクがアセチレングリコール系界面活性剤を含むと、記録媒体に対するインクの濡れ性及び浸透性が良好になり、インクの濃淡ムラ及び滲みが抑えられ、精細な画像記録に有利である。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104DPM、サーフィノール104PA、サーフィノール104PG−50、サーフィノール104S、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノール61、サーフィノールDF37、サーフィノールCT111、サーフィノールCT121、サーフィノールCT131、サーフィノールCT136、サーフィノールTG、サーフィノールGA(以上、いずれもAir Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、オルフィンY、オルフィンP、オルフィンA、オルフィンSTG、オルフィンSPC、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンPD−001、オルフィンPD−002W、オルフィンPD−003、オルフィンPD−004、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4036、オルフィンEXP.4051、オルフィンAF−103、オルフィンAF−104、オルフィンAK−02、オルフィンSK−14、オルフィンAE−3(以上、いずれも日信化学工業(株)製)、アセチレノールE00、アセチレノールE00P、アセチレノールE40、アセチレノールE100(以上、いずれも川研ファインケミカル(株)製)等が挙げられる。
インク中における界面活性剤の含有量は、インク全量に対して、0.1質量%〜1.5質量%が好ましく、0.5質量%〜1.0質量%がより好ましい。インク中における界面活性剤の含有量が、インク全量に対して、0.1質量%以上であると、記録基材の繊維にインクが均一に濡れ広がり易く、画像の耐擦性が良好になり、画像の滲みを抑えてより均質な画像が得られる。インク中における界面活性剤の含有量が、インク全量に対して、1.5質量%以下であると、水インクの保存安定性及び吐出安定性により優れる。
(2−ピロリドン)
本開示におけるインクは、2−ピロリドンを含有することができる。
2−ピロリドンは、湿潤剤として機能する。2−ピロリドンには、インクの浸透性を向上させ、記録基材の繊維に付着するインク滴の平均長を拡げる作用がある。
インク中における2−ピロリドンの含有量としては、インクに浸透性を与え、インクの液滴径(ここでは平均長)を所望程度拡げる作用を付与する点で、インク全量に対して、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、0.5質量%以上30質量%以下がより好ましい。また、ドット径を拡げる作用と画像耐擦性との両立の観点から、インク中における2−ピロリドンの含有量は、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
(その他)
本開示におけるインクは、上記の成分に加え、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。その他の添加剤としては、マット剤、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インクの調製後に直接添加してもよく、インクの調製時に添加してもよい。
その他の添加剤の詳細については、特開2010−155359号公報の段落番号[0098]〜[0105]に記載されている。
〔メンテナンス処理工程〕
本開示の画像記録方法においては、上記の工程を経て記録基材に画像記録した後、必要に応じて、インクジェット記録用メンテナンス液を用いて、装置にメンテナンス処理を施してもよい。
メンテナンス処理とは、インクジェット記録用メンテナンス液を用い、インク供給タンクとインクジェットヘッドとの間のインクが流通する流路を洗浄すること、乾燥により固形化したインクを回復(インク中の分散成分の再分散)させること、インクを充填した状態で放置する際にノズル表面を乾燥防止のために保湿すること等をいう。
メンテナンス処理では、メンテナンス液を吸収した布(例:織布、不織布等)などを装置のヘッド表面に接触させて必要に応じて擦ることにより、ヘッド表面の乾燥を防ぎ、固形化して固着したインクの除去を行ってもよい。また、インクタンクにメンテナンス液を収容し、インクが流通する流路にメンテナンス液を流通させ、あるいはメンテナンス液を満たすことにより、流路の洗浄、及び固形化したインクの除去を行ってもよい。
本開示におけるインクジェット記録用メンテナンス液は、水及び保湿剤を含有し、更に界面活性剤等の他の成分を含有してもよい。
(保湿剤)
保湿剤は、インクに対する保湿機能と洗浄機能とを担う成分として含有される。
保湿剤としては、例えば、ポリオール化合物(例:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ペンタエリスリトール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール系化合物、ラクタム化合物(例:2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等)等の水溶性溶剤、及び水溶性の固体保湿剤(例:尿素、チオ尿素、N−エチル尿素等)の窒素化合物が挙げられる。
インクジェット記録用メンテナンス液中における保湿剤の含有量は、インクジェット記録用メンテナンス液の全量に対して、0.1質量%〜60質量%が好ましく、2質量%〜50質量%がより好ましい。インクジェット記録用メンテナンス液は、保湿剤の含有量が、インクジェット記録用メンテナンス液の全量に対して、0.1質量%〜60質量%の間であると、洗浄性に優れ、かつ、洗浄液からインクへの置換又はインクから洗浄液への置換時における安定性に優れる。
(水)
本開示におけるインクジェット記録用メンテナンス液は、水を含有する。
水としては、純水、イオン交換水等を用いることができる。
インクジェット記録用メンテナンス液中における水の含有量としては、20質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜80質量%がより好ましい。
(界面活性剤)
本開示におけるインクジェット記録用メンテナンス液には、種々の界面活性剤を用いることができ、中でも、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤に比べ、表面張力及びインクと接触するインクジェットヘッド部材(ヘッドノズル等)との間の界面張力を適正に保ちやすく、起泡し難いため、本開示におけるインクジェット記録用メンテナンス液がアセチレングリコール系界面活性剤を含むと、インクタンクとヘッド内部との間の流路を洗浄する際の洗浄性が高められる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、本開示におけるインクに用いることができる上記のアセチレングリコール系界面活性剤と同様のアセチレングリコール系界面活性剤を挙げることができる。
インクジェット記録用メンテナンス液中における界面活性剤の含有量は、インクジェット記録用メンテナンス液の全量に対して、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.2質量%〜3.0質量%がより好ましい。インクジェット記録用メンテナンス液中における界面活性剤の含有量が、インクジェット記録用メンテナンス液の全量に対して、0.1質量%〜5質量%の間であると、インクジェット記録用メンテナンス液が流路に対して濡れ易く、かつ、起泡性も低くなり、優れた洗浄性が得られる。
(消泡剤)
本開示のインクジェット記録用メンテナンス液は、消泡剤を含有してもよい。
消泡剤としては、シリコーン系化合物、ノニオン系化合物等が挙げられ、中でもシリコーン系消泡剤が好ましい。
シリコーン系消泡剤としては、ポリシロキサン構造を有している化合物が好ましく、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK−024が特に好ましい。
ノニオン系消泡剤としては、ポリエチレン−ポリプロピレン構造を有する化合物が好ましく、ADEKA製のアデカプルロニックL、アデカプルロニックP、アデカプルロニックF、アデカプルロニックR、アデカプルロニックTR等が好ましい。
インクジェット記録用メンテナンス液中における消泡剤の含有量は、インクジェット記録用メンテナンス液の全量に対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.02質量%〜3.0質量%がより好ましい。インクジェット記録用メンテナンス液中における消泡剤の含有量が、インクジェット記録用メンテナンス液の全量に対して、0.01質量%〜5質量%の間であると、消泡性とメンテナンス液の安定性とに優れ、優れた洗浄性と品質安定性とが得られる。
(その他添加剤)
本開示のインクジェット記録用メンテナンス液は、上記の成分に加え、必要に応じて、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、特開2011−63777号公報に記載のシリコーン系化合物等のその他の添加剤を含むことができる。
−メンテナンス液の物性−
インクジェット記録用メンテナンス液の粘度としては、洗浄性の観点から、0.5mPa・s〜10mPa・sが好ましく、1mPa・s〜8mPa・sがより好ましく、2mPa・s〜6mPa・sが更に好ましい。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて、30℃で測定される値である。
インクジェット記録用メンテナンス液の表面張力としては、流路及びインクジェットヘッドへの充填性、並びにメンテナンス性の観点から、20mN/m〜60mN/mが好ましく、20mN/m〜45mN/mがより好ましく、25mN/m〜40mN/mが更に好ましい。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて、30℃で測定される値である。
≪画像記録物≫
本開示の画像記録物は、上記の画像記録方法によって記録された画像を含む。すなわち、非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の上に、インク画像が記録された記録物である。画像記録物の用途としては、救急用品、衛生用品、介護用品、医療・衛生材料用品等が挙げられる。具体的な物品としては、救急用品ではガーゼ、三角布等、衛生用品では紙おむつ、生理処理用ナプキン、おしりふき等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
実施例における酸価は、日本工業規格(JIS K0070:1992)に記載の方法により求めた。
また、実施例中の「Mw」は重量平均分子量を表し、重量平均分子量の測定は、既述のように、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)により下記条件にて行った。検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
<条件>
・GPC:HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株)製)
・カラム:TSKgel(登録商標)、Super MultiporeHZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本
・溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
・試料濃度:0.45質量%
・流速:0.35ml/min
・サンプル注入量:10μl
・測定温度:40℃
・検出器:示差屈折計(RI)
(実施例1)
<マゼンタインクの調製>
1.水溶性ポリマー分散剤P−1の合成
メタクリル酸(172部)、メタクリル酸ベンジル(828部)、及びイソプロパノール(375部)を混合し、モノマー供給組成物を調製した。2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(22.05部)、及びイソプロパノール(187.5部)を混合し、開始剤供給組成物を調製した。
イソプロパノール(187.5部)を窒素雰囲気下、80℃に加温した中に、上記モノマー供給組成物及び上記開始剤供給組成物の混合物を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間、80℃に保った後に、25℃まで冷却した。冷却後、溶媒を減圧除去することにより、水溶性ポリマー分散剤P−1(水溶性ポリマー)を得た。
得られた水溶性ポリマーは、GPCにより求めた重量平均分子量が約50000であり、上記方法により求めた酸価が112mgKOH/gであった。
2.マゼンタ顔料分散物K1の調製
上記で得た水溶性ポリマー分散剤P−1(150部)を、水酸化カリウム水溶液を用いて、水溶性ポリマー分散剤中のメタクリル酸量の0.8当量を中和し、更に蒸留水を加え、水溶性ポリマー分散剤の濃度が25質量%となるようにして、水溶性ポリマー分散剤水溶液を調製した。
この水溶性ポリマー分散剤水溶液(97.2部)と、ピグメント・レッド122(商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製;マゼンタ顔料)(48.6部)と、水(78.2部)と、ジプロピレングリコール(100部)とを混合し、0.1mmφジルコニアビーズを用いてビーズミルにより所望の体積平均粒子径を得るまで分散し、顔料濃度15質量%のポリマー被覆ピグメント・レッド122の分散物N1(未架橋分散物)を得た。
上記分散物N1(150部)に、イオン交換水100g、及びナガセケムテックス(株)製のDenacol(登録商標)EX−321(エポキシ当量:140)1.1部を添加し、60℃にて6時間半反応後25℃に冷却し、ピグメント・レッド122を被覆しているポリマーを架橋させた。得られた架橋分散物を、限外ろ過フィルター(分画分子量:50,000、商品名:Q0500076Eウルトラフィルター、ADVANTEC(株)製)を用いて精製した後、顔料濃度15質量%に調整して、ポリマー被覆ピグメント・レッド122の分散物(架橋分散物)であるマゼンタ顔料分散物K1を得た。
この場合、水溶性ポリマー分散剤100部に対する架橋剤の使用量は、9.78部であった。
架橋剤の使用による架橋率(単位:モル%)を下記のようにして算出した。
水溶性ポリマー分散剤11.25部に対して、架橋剤としての上記のDenacol EX−321(分子量:140)を1.1部反応させるので、水溶性ポリマー分散剤1モルと反応させる架橋剤のモル当量数は、(1.1/140)/(11.25/水溶性ポリマー分散剤の重量平均分子量(50000))=34.9となる。
Denacol EX−321は1つのカルボキシ基と反応するため、水溶性ポリマー分散剤1モル中に架橋剤と反応できる反応性基のモル数は、水溶性ポリマー分散剤1モルが有するメタクリル酸(分子量:86)の合計モル数である。ここで、メタクリル酸は、水溶性ポリマー中では172部(メタクリル酸)/1000部(メタクリル酸とメタクリル酸ベンジルとの合計量)=0.172の割合で存在するので、水溶性ポリマー1モルが有するメタクリル酸の合計モル数は、50000×0.172/86=100モルである。
従って、架橋率(モル%)=34.9×100/100=34.9モル%となる。
3.マゼンタインクの調製
以下の組成中の成分を混合し、インクAを調液した。調液後、このインクAをプラスチック製のディスポーザルシリンジに詰め、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の孔径5μmフィルタ(ミリポア社製のMillex−SV、直径:25mm)にてろ過し、マゼンタインクとした。
<インク組成>
・マゼンタ顔料分散物K1(顔料濃度:15質量%)・・・20部
・ジプロピレングリコール・・・32部
・以下の構造式で表されるウレタン系樹脂(酸価:48mmol/g、重量平均分子量:10万)のラテックス(ポリマー粒子;樹脂固形分:25質量%)・・・40部
・イオン交換水 ・・・インク総量を100部とした場合の残りの分(8部)
〜ウレタン系樹脂のラテックス調製〜
ヘキサンジオールポリカーボネート(分子量:2000)58.5g、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート30g、ジメチロールプロパン酸11.5g、及びメチルエチルケトン150gを、還流冷却器、温度計及びスターラーを取り付けた1リットル容量の4つ口フラスコ内で混合し、窒素雰囲気下で室温より90℃まで30分間要して、昇温した後、2時間ウレタン化反応を行った。次いで、このウレタン化反応後のポリマー含有溶液にトリエチルアミン8.7gを加えて、中和されたウレタン系樹脂を含有する溶液(ラテックス)を得た。
<画像記録及び評価>
1.画像記録
記録基材としては、表面処理工程におけるエキシマ処理として、Ex−Mini(浜松ホトニクス社製)を用いて、1500mJ/cmのエネルギーで露光(表面処理)を行ったポリプロピレン不織布(繊維面密度:30g/m、厚み:600μm、繊維径:20μm)を用いた。なお、Ex−Miniは、キセノンガスを用いてエキシマ発光させて光照射可能な装置であり、露光に用いた光の発光中心波長は、172nmである。
表面処理後のポリプロピレン不織布に対して、上記のように調製したマゼンタインクをPolaris PQ(FUJIFILM Dimatix社製)にて60plの液滴量で吐出し、200dpiの100%ベタ画像を記録した(インク付与工程)。得られたベタ画像をナイロンメッシュ台上に密着させ、不織布の画像非記録面側からドライヤで風速7m/s、温度40℃の温風を30秒間あて、乾燥、定着を行った(乾燥定着工程)。このようにして、画像サンプルを得た。
2.測定及び評価
上記で得た画像サンプルについて、以下の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記の表1〜表3に示す。
−A.耐擦性−
得られた画像サンプルの画像部について、ウェット(WET)状態での摩擦耐性(耐擦性)を評価した。
学振式摩擦試験機(No.428、安田精機社製)を用い、画像サンプルの画像部を、水0.05mlで湿らせた白綿(湿らせる面積として20mm×20mm)で、20mm×20mmの面積に2N(ニュートン)の力をかけて10回往復で擦り、白綿への色移りの有無及び色移りの程度を目視により確認し、下記の評価基準に従って、画像の耐擦性を評価した。耐擦性は、評価基準のうちA〜Cが許容範囲である。
<評価基準>
A:画像部を10回往復で擦っても白綿への色移りはみられなかった。
B:画像部を10回往復で擦ると白綿への薄く色が転写している箇所が僅かに見られた。
C:画像部を10回往復で擦ると白綿の擦り部全面(20mm×20mm)に濃度の低い色移りがみられたが、その色移りは実用上支障を来たさない程度であった。
D:画像部を10回往復で擦ると白綿の擦り部全面(20mm×20mm)に画像部と同レベルの濃い色移りがみられ、その色移りは実用上支障を来たす可能性がある程度であった。
−B.画像濃度−
得られた画像サンプルの画像部について、画像濃度を評価した。グレタグマクベス社の光学濃度計にて、画像サンプルの画像部の光学濃度(OD)を測定し、得られた測定値に基づき、以下の評価基準に従って、画像濃度を評価した。
<評価基準>
A:OD≧0.35
B:0.35>OD≧0.3
C:0.3>OD≧0.25
D:0.25>OD
−C.風合い−
得られた画像サンプルの画像部について、風合いを評価した。画像サンプルの画像部を指で触って得られた触感、及び画像サンプルの画像部を折り曲げた後の観察結果に基づき、下記評価基準に従って、画像の風合いを評価した。風合いは、評価基準のうちA〜Cが許容範囲である。
<評価基準>
A:画像部を指で触ると、滑らかな触感が得られ、画像部を折り曲げても折り跡がつかない。
B:画像部を指で触ると、やや指が引っかかる触感があるが、画像部を折り曲げても折り跡はつかない。
C:画像部を指で触ると、やや指が引っかかる触感があり、画像部を折り曲げるとうっすらと折り跡がつくが、実用上使用可能なレベルであった。
D:画像部を指で触ると、指の滑りが悪く、画像部を折り曲げると折り跡がつき、実用上問題のあるレベルであった。
(実施例2)
実施例1のインク組成において、ウレタン樹脂のカチオン(対イオン)形成のための化合物をトリエチルアミン(NEt)からトリブチルアミン(NBu)に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例3)
実施例1のインク組成において、ウレタン樹脂のカチオン(対イオン)形成のための化合物をトリエチルアミン(NEt)からピリジン(Pyridine)に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例4)
実施例1のインク組成において、ウレタン樹脂のカチオン(対イオン)形成のための化合物をトリエチルアミン(NEt)からモルホリンに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例5)
実施例1のインク組成において、ウレタン樹脂のカチオン(対イオン)形成のための化合物をトリエチルアミン(NEt)からジメチルアミノピリジン(DMAP)に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例6)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂のラテックスをアクリル系樹脂のラテックスに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
アクリル系樹脂のラテックスにおいて、溶剤以外のモノマー組成は下記の通りであり、GPCにより測定したアクリル系樹脂の重量平均分子量は10万である。なお、本実施例のアクリル系樹脂には、モノマーを重合後にトリエチルアミンにて中和されたトリエチルアミン塩を用いた。
・シクロヘキシルメタクリレート・・・35質量%
・メトキシポリエチレングリコールアクリレート・・・58質量%
・メタクリル酸・・・7質量%
(実施例7)
実施例6のインク組成において、トリエチルアミン(NEt)のカチオン(対イオン)をナトリウム(Na)イオンに変更した以外は、実施例6と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例8)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、ヘキサンジオールポリカーボネートの重量平均分子量を200に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例9)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、ヘキサンジオールポリカーボネートの重量平均分子量を500に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例10)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、ヘキサンジオールポリカーボネートの重量平均分子量を20000に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例11)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、ヘキサンジオールポリカーボネートの重量平均分子量を25000に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例12)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、重量平均分子量2000のヘキサンジオールポリカーボネートを重量平均分子量500のポリカプロラクトンジオールに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例13)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、重量平均分子量2000のヘキサンジオールポリカーボネートを重量平均分子量2000のポリカプロラクトンジオールに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例14)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、重量平均分子量2000のヘキサンジオールポリカーボネートを重量平均分子量20000のポリカプロラクトンジオールに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例15)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、重量平均分子量2000のヘキサンジオールポリカーボネートを重量平均分子量2000のポリプロピレングリコールに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例16)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の構成について、重量平均分子量2000のヘキサンジオールポリカーボネートを分子量2000のポリテトラメチレングリコールに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例17)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の酸価を48mmol/gから100mmol/gに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例18)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の酸価を48mmol/gから200mmol/gに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例19)
実施例1のインク組成において、ウレタン系樹脂の酸価を48mmol/gから280mmol/gに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例20)
実施例1のインク組成において、トリエチルアミン(NEt)のカチオン(対イオン)をナトリウム(Na)イオンに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例21)
実施例1のインク組成において、トリエチルアミン(NEt)のカチオン(対イオン)をカリウム(K)イオンに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例22)
実施例1のインク組成において、光源の照度を50mW/cmから10mW/cmに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例23)
実施例1のインク組成において、光源の照度を50mW/cmから30mW/cmに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例24)
実施例1のインク組成において、光源の照度を50mW/cmから200mW/cmに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例25)
実施例1のインク組成において、光源の照度を50mW/cmから500mW/cmに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例26)
実施例1のインク組成において、照射時間を2秒から0.01秒に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例27)
実施例1のインク組成において、照射時間を2秒から0.1秒に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例28)
実施例1のインク組成において、照射時間を2秒から5秒に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(実施例29)
実施例1のインク組成において、照射時間を2秒から10秒に変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(比較例1)
前処理をしていない不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(比較例2)
前処理をしていない不織布を用い、更にウレタン系樹脂のラテックスをアクリル系樹脂のラテックスに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、実施例1と同様に画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(比較例3)
エキシマ発光させた光の照射による前処理の代わりに、下記のコロナ処理条件でコロナ処理をした不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、不織布に対して実施例1と同様に画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
〜コロナ処理条件〜
コロナマスター(信光電気計社製、PS−10S)を用いて、処理電圧:5kV、処理速度:50mm/secの条件で2回コロナ処理を行った。
(比較例4)
エキシマ発光させた光の照射による前処理の代わりに、メタルハライド水銀ランプ(商品名:VzeroII−85、ネオプト社製)の照射による処理をした不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、不織布に対して画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(参考データ1)
実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、不織布の代わりに、ポリプロピレンフィルムに対して実施例1と同様に画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(参考データ2)
ウレタン系樹脂のラテックスをアクリル系樹脂のラテックスに変更した以外は、実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、不織布の代わりに、ポリプロピレンフィルムに対して実施例1と同様に画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(参考データ3)
実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、不織布の代わりに、前処理をしていないポリプロピレンフィルムに対して、実施例1と同様に画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(参考データ4)
実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、不織布の代わりに、コロナ処理をしたポリプロピレンフィルムに対して、実施例1と同様に画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
(参考データ5)
実施例1と同様にしてマゼンタインクを調製し、不織布の代わりに、メタルハライド水銀ランプの照射による処理をしたポリプロピレンフィルムに対して、実施例1と同様に画像記録を行い、得られたサンプル画像の画像部について、評価を行った。
表1の結果から、不織布に対してエキシマ発光させた光の照射による前処理を施すことによって、その前処理後の不織布にインク付与により記録された画像の耐擦性及び風合いの両方を向上できることが明らかとなった。
表2の結果から、不織布に記録された画像の耐擦性及び風合いは、インクに、適度な分子量のジオール化合物、適度な酸価、及び適度な対イオンを有するウレタン系樹脂を、ラテックスとして含ませることにより向上することが明らかとなった。
表3の結果から、エキシマ発光させた光の適度な照射時間が、不織布に記録された画像の耐擦性及び風合いの両方の向上に重要であることが明らかとなった。
また、記録基材としてフィルムを用いた場合には、コロナ処理の方が、エキシマ発光させた光の照射による前処理よりも画像濃度及び画像の耐擦性に優れるが、記録基材として不織布を用いた場合には、コロナ処理の方が、エキシマ発光させた光の照射による前処理よりも画像濃度及び画像の耐擦性が劣ることが明らかとなった。
以上の結果から、エキシマ発光させた光の照射による記録基材の前処理と、記録基材としての不織布との組合せが、画像の耐擦性、画像濃度、及び画像の風合いに対して、優れた効果を発揮することが示唆される。
(実施例30〜58)
実施例1〜29において、「1.画像記録」で画像サンプルを得た後、画像記録に使用したPolaris PQのプリントヘッドを、下記の表4及び表5に示す各メンテナンス液(メンテナンス液1〜8)に浸した布で覆い、温度25℃の環境下、3日間放置した。
3日間放置した後、再び上記「1.画像記録」と同じ方法にて画像サンプルを作製したところ、インクの吐出性に全く支障はなく、放置前と同様の画像サンプルを得ることができた。
上記の表4及び表5中の成分の詳細は、以下の通りである。
・2−PIROL:Ashland社製
・MP Diol Glycol:ライオンデル社製
・MFTG:日本乳化剤社製
・DPG:ADEKA社製
・オルフィンE1010:日信化学工業(株)製のアセチレングリコール系界面活性剤
・サーフィノール104A:Air Products and Chemicals. Inc.社製のアセチレングリコール系界面活性剤
・BYK−024:ビックケミー・ジャパン(株)製のシリコーン系消泡剤
2014年11月5日に出願された日本国特許出願2014−225616号及び2015年5月21日に出願された日本国特許出願2015−103945号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、かつ、個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (14)

  1. 非吸収性又は低吸収性の繊維材料の集合体である記録基材の画像記録面にキセノンガスを用いてエキシマ発光させた光を照射することで前記記録基材を表面処理する表面処理工程と、
    前記表面処理後の前記記録基材の画像記録面にインクジェット法によりインク組成物を付与するインク付与工程と、
    を含む画像記録方法。
  2. 前記繊維材料が、ポリプロピレンの繊維及びポリエチレンの繊維から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記集合体が不織布である請求項1又は請求項2に記載の画像記録方法。
  4. 前記光の照射強度が、30mW/cm〜300mW/cmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記光の照射時間が、0.1秒〜10秒である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 前記インク組成物は、色材と、水と、を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記色材が、顔料である請求項6に記載の画像記録方法。
  8. 前記インク組成物は、ウレタン系樹脂の粒子を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  9. 前記ウレタン系樹脂が有機カチオンを対イオンとする有機塩である請求項8に記載の画像記録方法。
  10. 前記有機塩がトリエチルアミンカチオンを対イオンとするトリエチルアミン塩である請求項9に記載の画像記録方法。
  11. 前記ウレタン系樹脂は、ジイソシアネート化合物に由来する構造と、ジオール化合物に由来する構造と、カルボキシル基を含むジオール化合物の有機塩に由来する構造と、を含む請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  12. 前記ジオール化合物がジオールポリカーボネートである請求項11に記載の画像記録方法。
  13. 前記ジオール化合物の分子量が500〜20000である請求項11又は請求項12に記載の画像記録方法。
  14. 前記ウレタン系樹脂は、酸価が10mmol/g〜200mmol/gである請求項8〜請求項13のいずれか1項に記載の画像記録方法。
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