JP6258327B2 - マウスピースライニングペーパー - Google Patents

Description

本発明は、フィルター付き紙巻き煙草またはフィルターを備えるシガリロなどの喫煙品のマウスピースライニングペーパーに関するものである。

また、本発明は紙巻き煙草への適用に基づいて記載されるが、フィルターを備える限り、シガリロにも適用可能である。

従来のフィルター付き紙巻き煙草の主部は、タバコロッド、後者に巻きつけられるシガレットペーパー、フィルター、直接後者に巻きつけられるフィルターペーパー、およびマウスピースライニングペーパーである。マウスピースライニングペーパーは、多くの場合「チップペーパー」または略して「チップ」とも呼ばれるが、これは、フィルター付き紙巻き煙草の喫煙時、紙巻き煙草を吸う人の唇に触れるフィルター付き紙巻き煙草の部分である。それはフィルター部を囲み、また通常、フィルター付き紙巻き煙草の長手方向へ、タバコロッドの長手方向領域にわずかに突出し、シガレットペーパーを囲む。それは、接着層によってフィルターペーパーおよびシガレットペーパーに結合される。この接着層を生成することによって、フィルター部およびタバコロッド部は、紙巻き煙草製造機で機械的に結合される。マウスピースライニングペーパーは、通常、実際にペーパーであるが、フォイル（多くの場合「フィルム」とも呼ばれる）、または他に、異なる材料の複数の層を備える複合材料でもよい。マウスピースライニングペーパーは、通常、インプリントを有する。このインプリントは、たとえばコルクに似ていることがある。

英国特許第４３３２２８Ａ号明細書において、喫煙中、唇が触れることを意図された少なくとも一方の端部にニトロセルロースラッカーを含浸させた、フィルターのない紙巻き煙草のシガレットペーパーを作ることが、１９３４年にすでに提案されている。利点は、煙の成分の唇への排出が減少し、唇で触れたときにシガレットペーパーが湿りにくくなり、シガレットペーパーが唇に貼り付きにくいことが挙げられると言われている。

米国特許第２７５５２０６Ａ号明細書、米国特許第３９１６９１４Ａ号明細書、中国実用新案第２１９３６５４Ｙ号明細書、および欧州特許第１８９５８６３Ｂ１号明細書は、一般的に液状の芳香物質などの、フィルターコアに格納される物質を有する紙巻き煙草フィルターを記載しており、これらの物質は一般的にカプセルで保持され、このカプセルは、物質が紙巻き煙草の煙草部からの煙の流れと接触する可能性があって、その効果を高める可能性があるときはいつでも、外部圧縮力によって割ることができる。液体、一般的に油性の物質が、マウスピースライニングペーパー、すなわち完成した紙巻き煙草のフィルターの最外部分を囲む層を飽和状態にせず、変色させないために、マウスピースライニングペーパーおよび液体物質を含有するフィルターコアは、液体不透過性剥離剤の円筒状中間層によって分離される。

英国特許第１４２２２８６Ａ１号明細書および独国特許出願公開特許第２３２７８２２Ａ１号明細書は、プラスチックのフィルムからなり、その外側に追加のインプリントされたラッカーコーティングを有するマウスピースライニングペーパーを記載している。この追加のインプリントは、２層に適用されてもよい。

独国特許第６３０８１７Ｃ号明細書は、外側に純金の層を有するマウスピースライニングペーパーを記載している。この目的のために、第１のラッカーコーティングがマウスピースライニングペーパーに適用され、金の層は前記第１のコーティングに陰極印加される。さらなるラッカーコーティングが、摩耗を低減させるために、金の層上に適用される。

英国特許第２６９１９４Ａ号明細書は、外側に粉末マイカの層が適用されたマウスピースライニングペーパーを記載しており、それはラッカーとの混合物で適用される。さらなるラッカーコーティングが、このマイカの層上に適用される。

米国特許出願公開第２００８００２９１１１Ａ号明細書は、２層で形成されるマウスピースライニングペーパーを記載し、喫煙者は外層を取り除くことができる。内層が知覚物質によるコーティングを備える場合、外層は、内層のコーティングを外部影響から保護する役割を果たす。

独国実用新案第１９２８４３２Ｕ号明細書および独国特許出願公開特許第１５３２２５２Ａ１号明細書において、喫煙時、唇が触れるフィルター付き紙巻き煙草の長手方向領域に脱臭剤または香料を含浸させることが提案されており、これは、煙に含有される物質、不快な味の物質が唇に作用することを防ぐためである。また、インプリントにより、表面の隣接領域から色で区別可能なこのような薬剤が提供される表面の領域を作ることも提案されている。

米国特許出願公開第２００３０１７８０３９Ａ１号明細書において、２０〜７０重量％の水分散性セルロース材料と、２０〜７０重量％の水溶性膜形成材料と、０〜１０重量％の湿潤剤とを含むマウスピースライニングペーパーが記載されている。このマウスピースライニングペーパーは外側に印刷され、唇剥離コーティングの層でコーティングされる。唇剥離コーティングは、唇がマウスピースライニングペーパーに貼り付くことを防止し、通常ラッカーとして適用される物質を意味するものとして理解されている。

独国特許出願公開特許第２７４３９８６Ａ１号明細書において、型打ちしたくぼみを提供することでコルクに似せて作られる一種の表面を有するマウスピースライニングペーパーの外側に、ラッカーコーティングを適用することによって、改善された光沢効果を実現することが提案されている。この効果は、型打ちされ、したがってその他の領域より密度が高められた領域の、ペーパーに透過しにくいラッカーコーティングによって得られる。したがって、それはくぼみでの光沢効果、および、他の場所の艶消し効果を有する。

国際公開第２００９／０２７３３１Ａ２号パンフレットは、冷却効果を有する物質を備えるコーティングを外側に有するマウスピースライニングペーパーを示している。冷却効果を有する物質は、キャリア物質または溶媒（キャリアラッカー）により適用される。これはニトロセルロースラッカーであり、それは耐湿性が低いためである。したがって、適用された冷却効果を有するコーティングが、キャリアラッカーによる追加のコーティングで覆われるときでさえ、唇に冷却効果を有する物質を取り入れることが可能である。構成的な変形例において、マウスピースライニングペーパーは、冷却効果を有する物質の適用前に、キャリアラッカーがすでに設けられる。これは、保管時の冷却効果を有する物質の紙巻き煙草のフィルターへの移動を減少させる効果を実現する。マウスピースライニングペーパーの前処理に使用されるラッカーは、冷却効果を有する物質の溶媒としても使用されるという欠点がある。結果として、特に水分がある状態において、ラッカーコーティングを通した冷却効果を有する物質の移動がある。国際公開第２００９／０２７３３１Ａ２号パンフレットによると、ラッカーコーティングを通してのこの移動さえ、冷却効果を有する物質の喫煙者の唇に対する外向きの移動を可能とするために必要である。

マウスピースライニングペーパーのインプリンティングに関して、印刷材料の種類、印刷方式、および印刷材料の適用量は、インプリントが紙巻き煙草の製造、紙巻き煙草の梱包、輸送、および保管の間、ならびに、もちろん紙巻き煙草の喫煙時に受ける応力に完全に耐えることが確実となるように選択または設定され、結果的に、変色などの憂慮すべき副作用は、インプリントによって引き起こされない。従来技術により開示されている方法によると、それは、インプリント上に適用されるシール層によって保護されるインプリントを、マウスピースライニングペーパーの外側に適用することによって実現される。これは、インプリントが外部影響からすでに十分に保護可能であることを意味するが、インプリントを紙巻き煙草内部からの影響から保護することについては、まだ満足できる単純な方法がない。

本発明の基本となる目的は、インプリンティング材料の種類、量、および組合せに関して、紙巻き煙草のマウスピースライニングペーパーのインプリントのための選択の実現性を拡大することに向けられている。これの主要な目的は、紙巻き煙草の内側からインプリントへの物質の移動を防止することであり、さらに、インプリントの内容物の紙巻き煙草の内部への移動が防止される効果も実現することである。

本文書において、インプリンティングは、ラッカーの適用を意味することとして理解され、それは視覚および触覚機能を有してもよく、および／または、知覚物質を内包してもよい。用語「知覚物質」は、たとえば芳香物質または香料などの、知覚機能を有する物質を意味するものとして理解される。さらにまた、本文書において、香料を保持または分解可能な物質、ならびに漂白効果を有する物質も、知覚物質という用語に包含される。

本目的を実現するために、インプリンティング後、マウスピースライニングペーパーの内側に、移動を防止するシールラッカーコーティングを設けることが提案される。この意味において、ラッカーは、化学的または物理的なプロセスにより、薄く物品に適用され、ラッカーコーティングとして知られる連続的な固形のフィルムを形成する、液体または他に粉末状のコーティング物質である。好ましくは、シールラッカーコーティングは透明である。より好ましくは、それは無色である。

驚くべきことに、従来技術で多く使用されるニトロセルロースラッカーは、シールラッカーコーティングを形成できるラッカーとして、限定された範囲にのみ好適であることが見いだされたが、それは、ニトロセルロースラッカーは限定された範囲でのみ防湿であるためである。したがって、水分との接触に関して、ラッカーの下のインプリントは特定の時間のみ保護され、それはラッカーの層の厚さに依存している。さらに、ラッカーにおいて結合される物質が公開されており、それは、引用された国際公開第２００９／０２７３３１Ａ２号パンフレットにおいて、冷却効果を有する物質の喫煙者の唇への移動を可能とするために使用される。

インプリントへの、および、インプリントからの物質の移動を防止するために、水分がある状態においてさえ、シェラック、エチルセルロースラッカー、またはポリエチレンワックスなどの防湿のラッカーを使用することが提案される。

インプリンティング後、視覚および／または触覚機能を有してもよく、知覚物質である本発明により提供される追加シール防湿ラッカーコーティングを含有してもよいラッカーを有するマウスピースライニングペーパーが、マウスピースライニングペーパーの内側の片面へのシールラッカーの使用、または、マウスピースライニングペーパーの両面へのシールラッカーの含浸のいずれかによって、提供されてもよい。第２の方法の場合、インプリントは外部影響からも、特に水分からも保護される。外側に適用されるシール層に、内層と異なるラッカーを使用することも可能である。たとえば、インプリントからの物質が唇に届くことを意図する場合、水溶性ラッカーまたは、ニトロセルロースラッカーなどのより防湿でないラッカーが使用されてもよい。

別の機能のためのラッカーがマウスピースライニングペーパーの内側にすでに適用されているとき、完成した紙巻き煙草でマウスピースライニングペーパーの内側を形成するマウスピースライニングペーパーのその面上にシール層を適用することは、特に有利である。たとえば、この第１の適用されるラッカーは、マウスピースライニングペーパーの不透明度が特に設定されるラッカーでもよい。透明または半透明のマウスピースライニングペーパーを使用するとき、インプリンティングおよび内側のシールは特に有利である。たとえば、それが非常に薄いペーパー、またはセロハンなどのフィルムからなる場合、ペーパーは、このような透明または半透明のマウスピースライニングペーパーである。

内側へのインプリンティングは、紙巻き煙草の組立て後、インプリントがマウスピースライニングペーパー自体によって外部的に保護される効果を有する。内側で、インプリントはシール層によって保護されており、それはマウスピースライニングペーパーをその下にある紙巻き煙草の層に接着する間、特に有利であり、それは、この方法においては、インプリントが接着剤、または接着剤に含まれる水分から保護されるためである。

接着中に不可避的に発生する水分からのこの保護も、知覚物質などの水溶性物質がインプリントに存在する場合、有利である。それは、これらが接着の間、紙巻き煙草のより深い層に移動する傾向があるためである。

ほとんどの適用において、片面のみに適用されているシール層により、連続的に行われる操作において繰り返し適用されること以外は、非常によい結果がほとんど労力をかけずに実現される。

マウスピースライニングペーパーを含浸および／またはインプリントするための慣習的な方法が、シールラッカーコーティングの適用に使用されてもよい。

ペーパーの単位面積あたりのシールラッカーの必要な量は、使用されるマウスピースライニングペーパーの多孔度、ならびに事前に同じ側に適用されるインプリントのラッカーの種類および量によって決まる。それは当業者によって、定例の事項として、概算の考慮および／または実験によって適切に決定できる。

有利な実施形態において、マウスピースライニングペーパーには好ましくは、外側において、特に完成した紙巻き煙草のタバコロッドから離れた端部領域であって、紙巻き煙草の喫煙時、唇で触れる端部領域において、シールラッカーコーティングが完全には提供されない。もちろんいかなる場合でも唇が触れないタバコロッドに近い、マウスピースライニングペーパーの長手方向の領域に、シールラッカーコーティング（または、このような高度なシールラッカーコーティング）を提供しないことによって、マウスピースライニングペーパーの空気透過性は、この領域において、新鮮な空気を煙の流れと混ぜることによって煙の価値を定めるために有利であるように、そこでより高いままとすることが可能である。

マウスピースライニングペーパーが本発明により具現化される方法は、粗いラッカーの適用の実現性も拡大する。この説明における粗いラッカーは、隆起したように感じることができるテクスチャのパターンを表面に印刷できるラッカーである。

マウスピースライニングペーパーが本発明により具現化される方法は、マウスピースライニングペーパーのラッカーコーティングからの物質の移動を防止するだけではない。それは、マウスピースライニングペーパーのラッカーコーティング以外の紙巻き煙草の部分から、紙巻き煙草を吸っている人の唇が触れるマウスピースライニングペーパーのその表面への望ましくない物質の移動も低減させる、または完全に防止する。これは従来技術と比較すると、インプリントが紙巻き煙草内部からの影響からよりよく保護されるという効果を実現し、この保護はまた、水分がある状態において、より長く持続する。したがって、少なくとも接着および喫煙の間の場合のように、水分が発生するときの物質の移動も、従来技術と比較すると、さらにより確実に低減する。

Claims (17)

1. フィルター付き紙巻き煙草またはフィルターを備えるシガリロなどの喫煙品のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   インプリントされたラッカーコーティングであって、前記マウスピースライニングペーパーの内側又は外側に適用され、視覚又は触覚機能を有し、知覚物質を含むインプリントされたラッカーコーティングを有することと、
   ラッカーで形成される追加の防湿のシール層が、前記マウスピースライニングペーパーの内側に適用されており、前記追加の防湿のシール層が、前記インプリントされたラッカーコーティングが前記マウスピースライニングペーパーの内側に適用された場合に、前記インプリントされたラッカーコーティングに配置され、又は、第２の追加のシール層が、前記インプリントされたラッカーコーティングが前記マウスピースライニングペーパーの外側に適用された場合に、前記インプリントされたラッカーコーティングに配置され、
   いることと、
   を特徴とし、
   前記追加の防湿のシール層のラッカーが、前記インプリントされたラッカーコーティングのラッカーとは異なるラッカーであることを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
2. 請求項１に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記追加の防湿のシール層は、シェラック、エチルセルロースラッカー、またはポリエチレンワックスからなる
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
3. 請求項１または２に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記インプリントされたラッカーコーティングは、視覚または触覚機能を有する
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
4. 請求項１乃至３の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記インプリントされたラッカーコーティングは、知覚物質を含有する
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
5. 請求項４に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記インプリントされたラッカーコーティングのラッカーが、前記知覚物質のキャリア物質である
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
6. 請求項１に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記インプリントされたラッカーコーティングのラッカーが、ニトロセルロースラッカーである
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
7. 請求項１乃至６の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記インプリントされたラッカーコーティングに加えて、知覚物質が適用されている
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
8. 請求項１乃至７の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記インプリントされたラッカーコーティングが、前記マウスピースライニングペーパーの外側にある
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
9. 請求項１乃至８の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
   前記インプリントされたラッカーコーティングが、前記マウスピースライニングペーパーの内側にある
   ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
10. 請求項９に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
    前記マウスピースライニングペーパーの内側および外側の両方にインプリントされたラッカーコーティングがある
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
11. 請求項１乃至１０の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
    透明または半透明である
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
12. 請求項１乃至１１の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
    ラッカーで形成される追加のシール層が、前記マウスピースライニングペーパーの外側に適用されている
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
13. 請求項１２に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
    前記マウスピースライニングペーパーの外側に適用される前記シール層が、前記喫煙品の前記マウスピースライニングペーパーのタバコロッドから離れた側にのみ伸長する
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
14. 請求項１乃至１３の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
    前記インプリントの前記ラッカーは、粗いラッカーである
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
15. 請求項１乃至１４の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
    前記追加の防湿のシール層は、連続的に行われる操作において繰り返し適用されることによって形成される
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
16. 請求項１乃至１５の何れか１項に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、
    前記追加の防湿のシール層は、前記マウスピースライニングペーパーの長さの一部上にのみ伸長する
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。
17. 請求項１６に記載のマウスピースライニングペーパーにおいて、前記喫煙品がタバコロッドを含有しており、前記追加の防湿のシール層は、前記喫煙品の前記タバコロッドから離れた側に前記マウスピースライニングペーパーの長さの一部上に伸長する
    ことを特徴とするマウスピースライニングペーパー。