JP6255499B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、レジスト塗布マスクブランクス、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、レジスト塗布マスクブランクス、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィープロセスやその他のファブリケーションプロセスに好適に用いられる、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜、パターン形成方法、レジスト塗布マスクブランクス、フォトマスク、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスに関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われ、各種リソグラフィー技術に適合した樹脂や添加剤の開発が行われている。
近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にエキシマレーザー光にというように短波長化の傾向が見られ、現在では、電子線やX線を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
これら電子線やX線、あるいはEUV光リソグラフィーは、次世代若しくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像性のレジスト組成物が望まれている。
また、現在主流のポジ型だけではなく、アルカリ現像によるパターン形成におけるネガ型化学増幅型レジスト組成物の開発も行われている。これは、半導体素子等の製造にあたってはライン、トレンチ、ホールなど種々の形状を有するパターン形成の要請がある一方、現状のポジ型レジスト組成物では形成することが難しいパターンが存在するためである。このようなネガ型化学増幅型レジスト組成物に適用可能な酸発生剤の開発も、種々、行われている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2007−232769号公報 特開2007−210904号公報 特開2011−95700号公報
しかしながら、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂、光酸発生剤、塩基性化合物、添加剤、溶剤等の適切な組み合わせを見い出すことは極めて困難であるのが実情であり、特に線幅100nm以下のラインパターン等の微細パターンをネガ型パターン形成方法により形成する際に、諸性能が更に改善されたレジスト組成物が求められている。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた溶剤溶解性を有するとともに、架橋系のネガ型パターン形成方法による微細パターン(例えば、線幅100nm以下のラインパターン)の形成において、高感度、高解像力、優れたラフネス性能、優れたパターン形状、及び、優れたスカム性能の全てを高次元で達成する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜、パターン形成方法、レジスト塗布マスクブランクス、フォトマスク、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスを提供することにある。
本発明は、下記の構成であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
<1>
(A)下記一般式(I)で表される化合物、
(B)アルカリ可溶性樹脂、及び
(C)架橋剤、
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
上記化合物(A)の含有量が、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して5質量%以上である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〜R 15 は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、R 〜R 15 の少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基を表し、
〜R の2つ以上、R 〜R 10 の2つ以上、及び、R 11 〜R 15 の2つ以上は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよく、
は、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、及びトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンからなる群より選択されるアニオンを表す。
<2>
が、環状の有機基を有するアニオンである、<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<3>
〜R 15 の少なくとも1つが、アルコール性水酸基で置換されたアルキル基である、<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<4>
〜R 15 の少なくとも1つが、ヒドロキシメチル基である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<5>
、R 、R 、R 、R 12 及びR 14 の少なくとも1つが、アルコール性水酸基を含む置換基である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<6>
上記アルカリ可溶性樹脂(B)が、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
式中、
は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表し、
B’は、単結合又は2価の連結基を表し、
Ar’は、芳香環基を表し、
mは1以上の整数を表す。
<7>
上記架橋剤(C)が、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<8>
<1>〜<7>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト膜。
<9>
(i)<8>に記載のレジスト膜を形成する工程、
(ii)上記レジスト膜を露光する工程、及び
(iii)露光された上記レジスト膜を、現像液を用いて現像してパターンを形成する工程、
を有するパターン形成方法。
<10>
上記現像液が、有機溶剤を含む現像液である、<9>に記載のパターン形成方法。
<11>
上記露光がX線、電子線又はEUV光を用いて行われる、<9>又は<10>に記載のパターン形成方法。
<12>
<8>に記載のレジスト膜を備える、レジスト塗布マスクブランクス。
<13>
<9>〜<11>のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
本発明は、上記<1>〜<13>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記〔1〕〜〔15〕)についても記載している。
〔1〕
(A)下記一般式(I)で表される化合物、及び、(B)アルカリ可溶性樹脂、及び(C)架橋剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
上記化合物(A)の含有量が、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して5質量%以上である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

〜R15は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、R〜R15の少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基を表す。R〜Rの2つ以上、R〜R10の2つ以上、及び、R11〜R15の2つ以上は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
は、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、及び、ヘキサフルオロリン酸アニオンからなる群より選択されるアニオンを表す。
〔2〕
としてのアニオンが、環状の有機基を有するアニオンである、上記〔1〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔3〕
〜R15の少なくとも1つが、アルコール性水酸基で置換されたアルキル基である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔4〕
〜R15の少なくとも1つが、ヒドロキシメチル基である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔5〕
、R、R、R、R12及びR14の少なくとも1つが、アルコール性水酸基を含む置換基である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔6〕
上記アルカリ可溶性樹脂(B)が、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

式中、
は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表し、
B’は、単結合又は2価の連結基を表し、
Ar’は、芳香環基を表し、
mは1以上の整数を表す。
〔7〕
上記架橋剤(C)が、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔8〕
上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト膜。
〔9〕
(i)上記〔8〕に記載のレジスト膜を形成する工程、
(ii)レジスト膜を露光する工程、及び
(iii)露光されたレジスト膜を、現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有するパターン形成方法。
〔10〕
前記工程(iii)における現像液が、有機溶剤を含む現像液である、上記〔9〕に記載のパターン形成方法。
〔11〕
上記露光がX線、電子線又はEUV光を用いて行われる、上記〔10〕に記載のパターン形成方法。
〔12〕
上記〔8〕に記載のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
〔13〕
上記〔12〕に記載のレジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスク。
〔14〕
上記〔9〕〜〔11〕のいずれかに記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
〔15〕
上記〔14〕に記載の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイス。
本発明によれば、優れた溶剤溶解性を有するとともに、架橋系のネガ型パターン形成方法による微細パターン(例えば、線幅100nm以下のラインパターン)の形成において、高感度、高解像力、優れたラフネス性能、優れたパターン形状、及び、優れたスカム性能の全てを高次元で達成する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、これを用いたレジスト膜、パターン形成方法、レジスト塗布マスクブランクス、フォトマスク、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスを提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、ここで「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、ここで「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(A)下記一般式(I)で表される化合物、及び、(B)アルカリ可溶性樹脂、及び(C)架橋剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、化合物(A)の含有量が、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して5質量%以上である。
〜R15は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、R〜R15の少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基を表す。R〜Rの2つ以上、R〜R10の2つ以上、及び、R11〜R15の2つ以上は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
は、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、及び、ヘキサフルオロリン酸アニオンからなる群より選択されるアニオンを表す。
上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によれば、優れた溶剤溶解性を有するとともに、微細パターン(例えば、線幅100nm以下のラインパターン)の形成において、高感度、高解像力、優れたラフネス性能、優れたパターン形状、及び、優れたスカム性能の全てを高次元で有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物とすることができる。その理由は定かではないが、以下のように推定される。
先ず、本発明者らは、酸発生剤としての上記化合物(A)を多量で感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の液に添加した場合(典型的には、組成物は溶剤を含有する)においても、その溶解性が非常に優れることを見出した。これにより、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、化合物(A)を組成物の全固形分に対して5質量%以上で含有しながら、優れた溶剤溶解性を有するものとすることができる。また、この組成物によれば、高濃度で酸発生剤を含有するレジスト膜を形成できるため、露光部において求められる架橋反応を確実に実施でき、露光部及び未露光部間の現像液に対する溶解コントラストが高いものになるなどして、高感度、高解像力及び優れたラフネス性能が達成されたものと考えられる。
また、本発明者らは、化合物(A)が高濃度でレジスト膜に含有されていながら、驚くべきことに、未露光部の現像液に対する溶解速度がさほど低下しないことを見出した。これは、化合物(A)は親水性基であるアルコール性水酸基を有するために、上記化合物(A)はアルカリ現像液に溶けやすく、また、有機系現像液にも溶けやすいことによるものと考えられ、その結果、未露光部の現像液に対する溶け残りが少なく、優れたパターン形状、及び、優れたスカム性能が達成されたものと考えられる。
更に、上記のように、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、化合物(A)を組成物の全固形分に対して5質量%以上で含有しながら、優れた溶剤溶解性を有するものであるため、この組成物から形成されたレジスト膜には、化合物(A)が高濃度かつ高均一に含有されている。この点も優れたスカム性能の発現に大きく寄与しているものと考えられる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、典型的にはネガ型のレジスト組成物である。また、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
以下、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物における各成分について詳細に説明する。
〔1〕(A)一般式(I)で表される化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)として、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(A)」ともいう)を含有する。
〜R15は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、R〜R15の少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基を表す。R〜Rの2つ以上、R〜R10の2つ以上、及び、R11〜R15の2つ以上は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
は、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、及び、ヘキサフルオロリン酸アニオンからなる群より選択されるアニオンを表す。
本発明におけるアルコール性水酸基とはアルキル基の炭素原子に結合した水酸基を表す。
〜R15の少なくとも1つとしてのアルコール性水酸基を含む置換基は、典型的には、−W−Yで表される。ただし、Yは水酸基で置換されたアルキル基であり、Wは単結合または2価の連結基である。
Yのアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基であり、更に好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基である。Yは特に好ましくはヒドロキシメチル基(−CHOH)を含有する。
〜R15の少なくとも1つは、アルコール性水酸基で置換されたアルキル基であることが好ましい。中でも、R〜R15の少なくとも1つが、ヒドロキシメチル基(−CHOH)であることが好ましく、これにより、解像力及びラフネス性能をより向上させることができる。
Wで表される2価の連結基としては、特に制限は無いが、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基などの一価の基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基を挙げることができる。
Wとして好ましくは単結合、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基であり、更に好ましくは単結合、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基である。
アルコール性水酸基を含む置換基は、アルコール性水酸基を2つ以上有しても良い。アルコール性水酸基を含む置換基の有するアルコール性水酸基の数としては1個から6個であり、好ましくは1個から3個が好ましく、更に好ましくは1又は2個であることが好ましい。
化合物(A)の有するアルコール性水酸基の数は、R〜R15すべてあわせて1個から10個であり、好ましくは1個から6個であり、更に好ましくは1個から3個である。
〜R15がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R15は各々独立に水素原子または置換基であり、置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
〜R15がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R15は好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
〜R15がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R15は更に好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
更に、R〜R15がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R15は特に好ましくは水素原子又はアルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、ハロゲン原子、アルコキシ基である。
、R、R、R、R12及びR14の少なくとも1つが、アルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましく、これにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の溶剤溶解性、及び、感度をより向上させることができる。この場合、R、R、R、R10、R11及びR15は、各々独立に、水素原子、又は、アルコール性水酸基を含む置換基以外の置換基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上記したように、R〜Rの2つ以上、R〜R10の2つ以上、及び、R11〜R15の2つ以上が、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
すなわち、R〜Rの2つ以上が互いに結合して環を形成してもよく、R〜R10の2つ以上が互いに結合して環を形成してもよく、R11〜R15の2つ以上が互いに結合して環を形成してもよい。R〜Rの少なくとも1つ(特にR)とR〜R10の少なくとも1つ(特にR)とが結合して環を形成することはなく、R〜R10の少なくとも1つ(特にR10)とR11〜R15の少なくとも1つ(特にR11)とが結合して環を形成することはなく、R〜Rの少なくとも1つ(特にR)とR11〜R15の少なくとも1つ(特にR15)とが結合して環を形成することはない。
上記環としては、芳香族又は非芳香族の、炭化水素環又は複素環や、これらの2つ以上が組み合わされてなる多環縮合環が挙げられ、具体的には、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、及び、フェナジン環などが挙げられる。
化合物(A)のカチオン部の具体例を以下に示す。
としてのスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、及び、ヘキサフルオロリン酸アニオンからなる群より選択されるアニオンは、典型的には、非求核性アニオンである。非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル部位はアルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル部位としては、アルキルスルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンおけると同様のアリール基を挙げることができる。アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等を挙げることができる。
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
化合物(A)のアニオンXとしてはスルホン酸アニオンが好ましく、更に好ましくはアリールスルホン酸であることが好ましい。
アニオンとして具体的には、メタンスルホン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフロロプロパンスルホン酸アニオン、パーフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホ酸アニオン、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸アニオン、パーフロロエトキシエタンスルホン酸アニオン、2,3,5,6−テトラフロロ−4−ドデシルオキシベンゼンスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸アニオンなどが挙げられる。
また、アニオンXは、環状の有機基を有するアニオンであることが好ましく、例えば、本発明の一実施形態において、光酸発生剤としての化合物(A)は、活性光線又は放射線の照射により下記一般式(IIIB)又は(IVB)で表される酸を発生する化合物であることも好ましい。下記一般式(IIIB)又は(IVB)で表される酸を発生する化合物は環状の有機基を有するので、解像性、及び、ラフネス性能をより優れたものにできる。また、架橋剤(C)との相乗効果により、PEB温度依存性の改善効果をより高めることができる。
上記Xのアニオンとしては、下記一般式(IIIB)又は(IVB)で表される有機酸を生じるアニオンとすることができる。
上記一般式中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、又は、アルキル基を表す。
Lは、各々独立に、2価の連結基を表す。
Cyは、環状の有機基を表す。
Rfは、フッ素原子を含んだ基を表す。
xは、1〜20の整数を表す。
yは、0〜10の整数を表す。
zは、0〜10の整数を表す。
Xfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfは、フッ素原子又はCFであることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
及びRは、各々独立に、水素原子、又は、アルキル基である。
及びRとしてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。R及びRは、好ましくは水素原子である。
Lは、2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6)又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基などが挙げられる。これらの中でも、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−SO−、−COO−アルキレン基−、−OCO−アルキレン基−、−CONH−アルキレン基−又は−NHCO−アルキレン基−が好ましく、−COO−、−OCO−、−CONH−、−SO−、−COO−アルキレン基−又は−OCO−アルキレン基−がより好ましい。
Cyは、環状の有機基を表す。環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性の抑制及びMEEF(Mask Error Enhancement Factor)の向上の観点から好ましい。
アリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。中でも、193nmにおける光吸光度が比較的低いナフチル基が好ましい。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよいが、多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。また、ラクトン環及びスルトン環の例としては、前述の樹脂(P)において例示したラクトン構造及びスルトン構造が挙げられる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、スピロ環のいずれであってもよく、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、水酸基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
xは1〜8が好ましく、中でも1〜4が好ましく、1が特に好ましい。yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8が好ましく、0〜4がより好ましく、1であることが更に好ましい。
Rfで表されるフッ素原子を含んだ基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基、少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基、及び少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基が挙げられる。
これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子により置換されていてもよく、フッ素原子を含んだ他の置換基により置換されていてもよい。Rfが少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基又は少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基である場合、フッ素原子を含んだ他の置換基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基が挙げられる。
また、これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子を含んでいない置換基によって更に置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、先にCyについて説明したもののうち、フッ素原子を含んでいないものを挙げることができる。
Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、Xfにより表される少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基として先に説明したのと同様のものが挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基としては、例えば、パーフルオロシクロペンチル基、及びパーフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基としては、例えば、パーフルオロフェニル基が挙げられる。
上記一般式中、特に好ましい態様は、xが1、2つのXfがフッ素原子、yが0〜4、全てのR及びRが水素原子で、zが1である態様である。このような態様は、フッ素原子が少なく、レジスト膜形成時に表面に偏在しにくく、レジスト膜中に均一に分散しやすい。
化合物(A)は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性やパターン形状を良好にする観点から、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更により好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessiblevolume」を計算することができる。なお、「1Å」は「0.1nm」である。
化合物(A)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、5質量%以上である。
化合物(A)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上である。これにより、解像力及びラフネス性能をより向上できる。
化合物(A)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。
化合物(A)の分子量としては200〜2000が好ましく、特に好ましくは400〜1000である。
化合物(A)は、保護基で保護された水酸基を置換基に含むベンゼン誘導体と環状のスルホキシド化合物とを縮合させてスルホニウム塩を形成し、水酸基の保護基を脱保護する方法などにより合成することが出来る。
(上記式中、Wは2価の連結基であり、Rはアルキレン基、Pは保護基である。)
スルホニウム化の反応に用いる酸としてはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸などが挙げられ、用いた酸の共役塩基がスルホニウムのアニオンとなる。スルホニウム化の反応に用いる縮合剤としては酸無水物等が挙げられ、例えばトリフルオロ酢酸無水物、ポリリン酸、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、ノナフルオロブタンスルホン酸無水物、テトラフルオロスクシン酸無水物、ヘキサフルオログルタル酸無水物、クロロジフルオロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブタン酸無水物など強酸の無水物が挙げられる。
水酸基の保護基Pとしてはエーテルやエステル等が挙げられ、例えば、メチルエーテル、アリールエーテル、ベンジルエーテル、酢酸エステル、安息香酸エステル、炭酸エステル等が挙げられる。
対アニオンX-はイオン交換樹脂に通し、目的のアニオンの共役酸を添加することにより、所望のアニオンに変換することが出来る。
以下に、化合物(A)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
〔2〕(B)アルカリ可溶性樹脂
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(B)」ともいう)を含有する。
樹脂(B)は、アルカリ可溶性であれば特に限定されないが、フェノール性水酸基を含有する樹脂であることが好ましい。
本発明におけるフェノール性水酸基とは、芳香環基の水素原子をヒドロキシ基で置換してなる基である。該芳香環基の芳香環は単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環やナフタレン環等が挙げられる。
樹脂(B)を含有してなる本発明の組成物によれば、露光部においては、上記化合物(A)から発生する酸の作用により、フェノール性水酸基を含む樹脂(B)と後述する架橋剤(C)との間で架橋反応が進行し、ネガ型のパターンが形成される。
樹脂(B)は、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては特に限定されないが、下記一般式(II)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
式中、
は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を表し、
B’は、単結合又は2価の連結基を表し、
Ar’は、芳香環基を表し、
mは1以上の整数を表す。
における置換基を有していてもよいメチル基としては、トリフルオロメチル基や、ヒドロキシメチル基等を挙げることができる。
は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることが現像性の理由から好ましい。
B’の2価の連結基としては、カルボニル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)、スルホニル基(−S(=O)−)、−O−、−NH−又はこれらを組合せた2価の連結基が好ましい。
B’は、単結合、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)又は−C(=O)−NH−を表すことが好ましく、単結合又はカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)を表すことがより好ましく、単結合であることがドライエッチング耐性向上の観点で特に好ましい。
Ar’としての芳香環基は、単環又は多環の芳香環基であり、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの炭素数6〜18の芳香環を有する芳香族炭化水素環基、及び、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環基を挙げることができる。中でも、Ar’は、ベンゼン環基、又は、ナフタレン環基であることが解像性の観点で好ましく、ベンゼン環基であることが感度の観点で最も好ましい。
mは1〜5の整数であることが好ましく、1が最も好ましい。mが1でAr’がベンゼン環基の時、−OHの置換位置はベンゼン環のB’(B’が単結合である場合にはポリマー主鎖)との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、架橋反応性の観点から、パラ位、メタ位が好ましく、パラ位がより好ましい。
Ar’としての芳香族環基は、上記−OHで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールカルボニル基が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位は、下記一般式(II’)で表される繰り返し単位であることが架橋反応性、現像性、ドライエッチング耐性の理由でより好ましい。
一般式(II’)中、
12は、水素原子又はメチル基を表す。
Arは、芳香環基を表す。
12は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが現像性の理由から好ましい。
一般式(II’)におけるArは、上記一般式(II)におけるAr’と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(II’)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位(すなわち、一般式(II’)においてR12が水素原子であり、Arがベンゼン環基である繰り返し単位)であることが感度の観点から好ましい。
樹脂(B)は、上記のようなフェノール性水酸基を有する繰り返し単位のみから構成されていてもよい。樹脂(B)は、上記のようなフェノール性水酸基を有する繰り返し単位以外にも後述するような繰り返し単位を有していてもよい。その場合、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)の全繰り返し単位に対して、10〜98モル%であることが好ましく、30〜97モル%であることがより好ましく、40〜95モル%であることが更に好ましい。これにより、特に、レジスト膜が薄膜である場合(例えば、レジスト膜の厚みが、10〜150nmである場合)、本発明のレジスト膜における露光部のアルカリ現像液に対する溶解速度をより確実に低減できる(即ち、樹脂(B)を用いたレジスト膜の溶解速度を、より確実に最適なものに制御できる)。その結果、感度をより確実に向上させることができる。
以下、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の例を記載するが、これに限定されるものではない。
樹脂(B)は、「非酸分解性の炭化水素構造を有する基で、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造」を有することが、高いガラス転移温度(Tg)が得られること、ドライエッチング耐性が良好となることから好ましい。また、架橋剤(C)との相乗効果により、PEB温度依存性の改善効果をより高めることができる。
樹脂(B)が、前述の特定の構造を有することで、樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)が高くなり、非常に硬いレジスト膜を形成することができ、酸の拡散性やドライエッチング耐性を制御することができる。従って、電子線や極紫外線等の活性光線又は放射線の露光部における酸の拡散性が非常に抑制されるため、微細なパターンでの解像力、パターン形状及びラフネス性能が更に優れる。また、樹脂(B)が非酸分解性の炭化水素構造を有することが、ドライエッチング耐性の更なる向上に寄与するものと考えられる。更に、詳細は不明だが、炭化水素構造は水素ラジカルの供与性が高く、光酸発生剤の分解時の水素源となり、光酸発生剤の分解効率が更に向上し、酸発生効率が更に高くなっていると推定され、これがより優れた感度に寄与するものと考えられる。
樹脂(B)が有していてもよい前述の特定の構造は、ベンゼン環等の芳香族環と、非酸分解性の炭化水素構造を有する基とが、フェノール性水酸基に由来する酸素原子を介して連結している。前述のように、該構造は高いドライエッチング耐性に寄与するだけでなく、樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)を上げることができ、これらの組み合わせの効果により高い解像力が提供されるものと推定される。
非酸分解性とは、光酸発生剤が発生する酸による分解反応を起こさない性質を意味する。
より具体的には、非酸分解性の炭化水素構造を有する基は、酸及びアルカリに安定な基であることが好ましい。酸及びアルカリに安定な基とは、酸分解性及びアルカリ分解性を示さない基を意味する。ここで酸分解性とは、光酸発生剤が発生する酸の作用により分解反応を起こす性質を意味する。
またアルカリ分解性とは、アルカリ現像液の作用により分解反応を起こす性質を意味し、アルカリ分解性を示す基としてはポジ型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物において好適に使用される樹脂中に含まれる、従来公知のアルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基(例えばラクトン構造を有する基など)が挙げられる。
炭化水素構造を有する基とは、炭化水素構造を有する一価の基である限り特に限定されないが、総炭素数が5〜40であることが好ましく、7〜30であることがより好ましい。炭化水素構造は、環内に不飽和結合を有していてもよい。
炭化水素構造を有する基における炭化水素構造は、鎖状の炭化水素基、分岐の炭化水素基、単環型の脂環炭化水素基を有する構造、若しくは、多環型の脂環炭化水素構造を意味し、有橋式であってもよい。単環型の脂環炭化水素基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができ、これらの基を複数有してもよい。単環型の脂環炭化水素基を複数有する場合は、単環型の脂環炭化水素基を2〜4個有することが好ましく、2個有することが特に好ましい。
鎖状の炭化水素基、及び、分岐の炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが挙げられ(より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜7)、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
多環型の脂環炭化水素構造としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を挙げることができ、炭素数6〜30の多環シクロ構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、デカリン構造、ノルボルナン構造、ノルボルネン構造、セドロール構造、イソボルナン構造、ボルナン構造、ジシクロペンタン構造、α−ピネン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造、あるいはアンドロスタン構造を挙げることができる。なお、単環若しくは多環のシクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記の炭化水素構造の好ましいものとしては、アダマンタン構造、デカリン構造、ノルボルナン構造、ノルボルネン構造、セドロール構造、シクロヘキシル基を複数有する構造、シクロヘプチル基を複数有する構造、シクロオクチル基を複数有する構造、シクロデカニル基を複数有する構造、シクロドデカニル基を複数有する構造、トリシクロデカン構造があげられ、アダマンタン構造がドライエッチング耐性の観点で最も好ましい(すなわち、上記非酸分解性の炭化水素構造を有する基が、非酸分解性のアダマンタン構造を有する基であることが最も好ましい)。
これらの炭化水素構造の化学式を以下に表示する。
更に上記炭化水素構造は置換基を有してもよく、置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、及びこれら基を組み合わせてなる基(好ましくは総炭素数1〜30、より好ましくは総炭素数1〜15)が挙げられる。
上記炭化水素構造としては、上記式(7)、(23)、(40)、(41)及び(51)のいずれかで表される構造、上記式(48)の構造における任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基を2個有する構造が好ましく、上記式(23)、(40)及び(51)のいずれかで表される構造、上記式(48)の構造における任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基を2個有する構造がより好ましく、上記式(40)で表される構造が最も好ましい。
炭化水素構造を有する基としては、上記の炭化水素構造の任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基であることが好ましい。
前述の「非酸分解性の炭化水素構造を有する基で、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造」は、前述の「非酸分解性の炭化水素構造を有する基で、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造」を有する繰り返し単位として、樹脂(B)に含有されることが好ましい。また、フェノール性水酸基やフェノールのオルト位炭素のような、樹脂(B)中の架橋点の数を減らし、露光後にレジスト膜を放置した場合に発生した酸で膜内の反応が過剰に進行することを抑制し、PED(Post Exposure Delay)安定性をより向上させる観点から、下記一般式(1)で表される繰り返し単位として樹脂(B)に含有されることがより好ましい。
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは非酸分解性の炭化水素基を有する基を表す。Arは芳香環基を表す。Lは2価の連結基を表す。
一般式(1)におけるRは水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が特に好ましい。
一般式(1)のArの芳香環基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(II)のAr’としての芳香環基について挙げたものと同様である。
Arの芳香環基は、上記−OXで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
Xは非酸分解性の炭化水素基を有する基を表し、非酸分解性の炭化水素構造を有する基を表すことが好ましい。Xで表される非酸分解性の炭化水素構造を有する基の具体例及び好ましい範囲は上述のものと同様である。Xは、後述の一般式(4)における−Y−Xで表される基であることがより好ましい。
Lの2価の連結基としては、カルボニル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)、スルホニル基(−S(=O)−)、−O−、−NH−又はこれらを組合せた2価の連結基が好ましい。
Lは、単結合、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)又は−C(=O)−NH−を表すことが好ましく、単結合又はカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)を表すことがより好ましく、単結合であることがドライエッチング耐性向上の観点で特に好ましい。
本発明において、上記一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(4)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(4)で表される繰り返し単位を有する樹脂(B)を使用すると、樹脂(B)のTgが高くなり、非常に硬いレジスト膜を形成するため、酸の拡散性やドライエッチング耐性をより確実に制御できる。
一般式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を表す。
Yは単結合又は2価の連結基を表す。
は非酸分解性の炭化水素基を表す。
上記一般式(4)で表される繰り返し単位で、本発明に用いられる好ましい例を以下に記述する。
一般式(4)におけるR13は水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が特に好ましい。
一般式(4)において、Yは2価の連結基であることが好ましい。Yの2価連結基として好ましい基は、カルボニル基、チオカルボニル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)、スルホニル基、−COCH−、−NH−又はこれらを組合せた2価の連結基(好ましくは総炭素数1〜20、より好ましくは総炭素数1〜10)であり、より好ましくはカルボニル基、−COCH−、スルホニル基、−CONH−、−CSNH−であり、更に好ましくはカルボニル基、−COCH−であり、特に好ましくはカルボニル基である。
は炭化水素基を表し、非酸分解性である。炭化水素基の総炭素数は5〜40であることが好ましく、7〜30であることがより好ましい。炭化水素基は、環内に不飽和結合を有していてもよい。
このような炭化水素基は、鎖状の炭化水素基、分岐の炭化水素基、単環型の脂環炭化水素基を有する基、若しくは、多環型の脂環炭化水素基であり、有橋式であってもよい。単環型の脂環炭化水素基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができ、これらの基を複数有してもよい。単環型の脂環炭化水素基を複数有する場合は、単環型の脂環炭化水素基を2〜4個有することが好ましく、2個有することが特に好ましい。
鎖状の炭化水素基、及び、分岐の炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく挙げられ、炭素数1〜10のものがより好ましく挙げられ、炭素数1〜7のものが更に好ましく挙げられる。
鎖状の炭化水素基、及び、分岐の炭化水素基としては、具体的には、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
多環型の脂環炭化水素基としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜30の多環シクロ構造を有する基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、あるいはアンドロスタニル基を挙げることができる。なお、単環若しくは多環のシクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記Xの多環脂環炭化水素基としては、好ましくはアダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、セドロール基、シクロヘキシル基を複数有する基、シクロヘプチル基を複数有する基、シクロオクチル基を複数有する基、シクロデカニル基を複数有する基、シクロドデカニル基を複数有する基、トリシクロデカニル基であり、アダマンチル基がドライエッチング耐性の観点で最も好ましい。Xの炭化水素基における炭化水素構造の化学式としては、前述の炭化水素構造を有する基における炭化水素構造の化学式と同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。Xの炭化水素基は、前述の炭化水素構造における任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基が挙げられる。
更に上記脂環炭化水素基は置換基を有してもよく、置換基としては炭化水素構造が有してもよい置換基として上述したものと同様のものが挙げられる。
一般式(4)における−O−Y−Xの置換位置はベンゼン環のポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、パラ位が好ましい。
本発明において、上記一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(4’)で表される繰り返し単位であることが最も好ましい。
一般式(4’)中、R13は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(4’)におけるR13は水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が特に好ましい。
一般式(4’)におけるアダマンチルエステル基の置換位置はベンゼン環のポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、パラ位が好ましい。
非酸分解性の炭化水素構造を有する基で、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられる。
中でも、一般式(4)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられる。
樹脂(B)が、前述の非酸分解性の炭化水素構造を有する基で、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する繰り返し単位を含有する樹脂である場合、該繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)の全繰り返し単位に対して、1〜40モル%であることが好ましく、より好ましくは2〜30モル%である。
また、樹脂(B)は、後に詳述する架橋剤(C)を兼ねていてもよい(換言すれば、樹脂(B)と架橋剤(C)とが同一の成分であってもよい)。
すなわち、樹脂(B)は、架橋性基を有してもよく、この場合、架橋性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
上述した架橋性基を有する繰り返し単位としては、以下の繰り返し単位(Q)が好ましく挙げられる。
(繰り返し単位(Q))
繰り返し単位(Q)は、置換基を有していてもよいメチロール基を少なくとも1つ含む構造である。
ここで、「メチロール基」とは、下記一般式(M)で表される基であり、本発明の一形態において、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基であることが好ましい。
式中、R、R及びZは、後述する一般式(Q−1)において定義する通りである。
*は結合手を表す。
及びRは、互いに結合して環を形成してもよく、この場合、この環は、*で表される結合手が直接的又は間接的に結合する原子に対して、単結合又は連結基を介して結合して更なる環を形成してもよい。
及びRは、ともに水素原子であるか、ともにアルキル基であることが好ましい。
まず、一般式(Q−1)について説明する。
一般式(Q−1)において、
は、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子を表す。
及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Lは、2価の連結基もしくは単結合を表す。
Yは、メチロール基を除く1価の置換基を表す。
Zは、水素原子又は置換基を表す。
mは、0〜4の整数を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
m+nは5以下である。
mが2以上である場合、複数のYは互いに同一であっても異なっていてもよい。
nが2以上である場合、複数のR、R及びZは互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、Y、R、R及びZの2つ以上が互いに結合して環構造を形成していてもよい。ここで、「Y、R、R及びZの2つ以上が互いに結合して環構造を形成する」とは、同じ記号で表される基が複数ある場合には同じ記号で表される基同士で結合して環構造を形成していてもよく、あるいは、異なる記号で表される基が互いに結合して環を形成していてもよいことを意味する。
で表されるメチル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、イソプロピル基を挙げることができる。置換基を有していてもよいメチル基としては、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基等を挙げることができる。Rのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
およびRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基等を挙げることができ、シクロアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基を挙げることができる。具体的には、水素原子、メチル基、シクロヘキシル基、t−ブチル基、フェニル基が挙げられる。ここでのアルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、Yの1価の置換基が有する置換基として後述するものと同様のものが挙げられる。
及びRは、ともに水素原子であるか、ともにアルキル基であることが好ましい。
Lで表される2価の連結基としては、芳香環基、−C(=O)−、−O−C(=O)−、−CH−O−C(=O)−、チオカルボニル基、直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6)、直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10、より好ましくは3〜6)、スルホニル基、−O−、−NH−、−S−、環状ラクトン構造又はこれらを組み合わせた2価の連結基(好ましくは総炭素数1〜50、より好ましくは総炭素数1〜30、更に好ましくは総炭素数1〜20)が挙げられる。
上記一般式(Q−1)のLにおける上記芳香環基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(II)のAr’としての芳香環基について挙げたものと同様である。
Lで表される2価の連結基は、置換基を有していてもよく、この置換基としては、Yで表される1価の置換基が有する置換基として後述するものと同様のものが挙げられる。
Yで表される1価の置換基としては、アルキル基(直鎖又は分岐のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環のいずれであってもよく、炭素数3〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜18が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びスルホン酸エステル基が挙げられる。好ましい例としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エステル基、アリール基が挙げられ、更に好ましい例としては、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。
Yの1価の置換基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アルコキシアルキル基、これらを組み合わせた基が挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
また、mが2以上の時、複数のYが単結合又は連結基を介して互いに結合し、環構造を形成していてもよい。この場合の連結基としては、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、カルボニル基、アルキレン基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、上記Rで表されるメチル基が有していてもよい置換基で挙げたものと同様のものが挙げられる。
ハロアルキル基としては、少なくとも1つ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子で置換された炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ウンデカフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。
Zで表される1価の置換基としては、アルキル基(直鎖又は分岐のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜8が好ましい)、アリール基(単環、多環のいずれであってもよく、炭素数6〜18が好ましい)、ハロアルキル基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシアルキル基及び複素環基が挙げられる。好ましい例としては、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基、アルケニル基、ハロアルキル基、アルコキシアルキル基が挙げられる。
ハロアルキル基として好ましいものは、上記一般式(Q−1)のYで挙げたものと同様である。
アルカノイル基としては、炭素数2〜20のアルカノイル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基及びトリフルオロメチルオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基が挙げられ、例えば、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基及び4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が挙げられる。
アルキルスルホニルオキシ基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニルオキシ基が好ましく、例えば、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、イソプロピルスルホニルオキシ基、ブチルスルホニルオキシ基、ヘキシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基、オクチルスルホニルオキシ基、2−エチルヘキシルスルホニルオキシ基、デカノイルスルホニルオキシ基、ドデカノイルスルホニルオキシ基、オクタデカノイルスルホニルオキシ基、シアノメチルスルホニルオキシ基、メトキシメチルスルホニルオキシ基及びパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基が挙げられる。
アリールスルホニルオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニルオキシ基が好ましく、例えば、フェニルスルホニルオキシ基、1−ナフチルスルホニルオキシ基、2−ナフチルスルホニルオキシ基、2−クロロフェニルスルホニルオキシ基、2−メチルフェニルスルホニルオキシ基、2−メトキシフェニルスルホニルオキシ基、2−ブトキシフェニルスルホニルオキシ基、3−クロロフェニルスルホニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ基、3−シアノフェニルスルホニルオキシ基、3−ニトロフェニルスルホニルオキシ基、4−フルオロフェニルスルホニルオキシ基、4−シアノフェニルスルホニルオキシ基、4−メトキシフェニルスルホニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニルオキシ基及び4−ジメチルアミノフェニルスルホニルオキシ基が挙げられる。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基及びパーフルオロアルキルスルホニル基が挙げられる。
アリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基及び4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、炭素数1〜30のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、ヘキシルチオ基、t−ブチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、デシルチオ基及びドデシルチオ基が挙げられる。
アリールチオ基としては、炭素数6〜30のアリールチオ基が挙げられ、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、トリルチオ基、メトキシフェニルチオ基、ナフチルチオ基、クロロフェニルチオ基、トリフルオロメチルフェニルチオ基、シアノフェニルチオ基及びニトロフェニルチオ基が挙げられる。
複素環基としては、好ましくは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はリン原子を含んだ芳香族若しくは脂肪族の複素環基が挙げられる。この複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、テトラヒドロピリミジニル基、テトラヒドロ−2−ピリミジノニル基、トリアジニル基、モルホリニル基及びチオキサントリル基が挙げられる。
nは、好ましくは1〜4の整数を表し、より好ましくは2〜4の整数を表し、特に好ましくは2又は3である。mは、好ましくは0又は1である。
また、一般式(Q−1)で表される繰り返し単位(Q)は、好ましくは下記一般式(2)又は(3)で表される繰り返し単位である。
一般式(2)及び(3)において、
、R、R、Y、Z、m及びnは、上記一般式(Q−1)で定義した通りである。
Arは、芳香環基を表す。
及びWは、2価の連結基又は単結合を表す。
、R2、R、Y、Z、m及びnの具体例としては、それぞれ上記一般式(Q−1)において述べたものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
Arで表される芳香環基の具体例としては、上記一般式(Q−1)におけるLが芳香環である場合の具体例と同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
及びWで表される2価の連結基としては、炭素数6〜18の置換基を有しても良い単環もしくは多環の芳香族炭化水素環、−C(=O)−、−O−C(=O)−、−CH−O−C(=O)−、チオカルボニル基、直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6)、直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10、より好ましくは5〜10)、スルホニル基、−O−、−NH−、−S−、環状ラクトン構造、又はこれらを組み合わせた2価の連結基が挙げられる。
また、一般式(Q−1)で表される繰り返し単位(Q)は、さらに好ましくは、下記一般式(2’)又は(3’)で表される。
上記一般式(2’)及び(3’)におけるR、Y、Z、m及びnは、上記一般式(Q−1)における各基と同義であり、具体例および好ましい範囲も同様である。上記一般式(2’)におけるArは、上記一般式(2)におけるArと同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記一般式(3’)において、Wは、2価の連結基である。Wで表される2価の連結基としては、炭素数6〜18の置換基を有しても良い単環もしくは多環の芳香族炭化水素環、−C(=O)−、直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10、より好ましくは5〜10)、−O−、環状ラクトン構造又はこれらを組み合わせた2価の連結基が挙げられる。
上記一般式(2’)において、fは0〜6の整数である。0〜3の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
上記一般式(2’)及び(3’)において、gは0又は1である。
また、一般式(2’)は、特に好ましくは、下記一般式(1−a)〜(1−c)のいずれかで表される。繰り返し単位(Q)は、下記一般式(1−a)〜(1−c)のいずれかで表される繰り返し単位又は上記一般式(3’)で表される繰り返し単位であることが特に好ましい。
上記一般式(1−a)〜(1−c)におけるR、Y及びZは、上記一般式(Q−1)における各基と同義であり、具体例及び好ましい範囲も同様である。
上記一般式(1−b)〜(1−c)において、
Y”は、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては、上述したYで表される1価の置換基と同様のものが挙げられる。ただし、Y”は、メチロール基であってもよい。
は、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基の具体例は、一般式(Q−1)におけるZが1価の置換基である場合と同様のものが挙げられる。
fは1〜6の整数を表す。好ましい範囲は、一般式(2’)で述べた通りである。
mは0又は1であり、nは1〜3の整数を表す。
上記一般式(1−b)および(1−c)において、Rは水素原子、アルキル基、(直鎖又は分岐のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜8が好ましい)、アリール基(単環、多環のいずれであってもよく炭素数6〜18が好ましい)、ハロアルキル基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環基が挙げられる。好ましい例としては、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルカノイル基、が挙げられる。
ハロアルキル基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環基の具体例は、上記一般式(1)のYと同様であり、好ましい範囲も同様である。
繰り返し単位(Q)の含有率は、架橋効率と現像性の観点から、樹脂(B)に含まれる全繰り返し単位に対して、5〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。
繰り返し単位(Q)の具体例としては、下記構造が挙げられる。
上記架橋性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(1−1)又は(1−2)で表される繰り返し単位も好ましく挙げられる。
上記式(1−1)及び(1−2)中、Aは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。Lは単結合又は2価の連結基を表す。Arは2価の芳香環基を表す。Yは単結合又は2価の連結基を表す。
Aは、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Lで表される2価の連結基は置換基を有してもよく、Lが表す2価の連結基、及び、2価の連結基が有してもよい置換基の具体例は、上述した一般式(Q−1)中のLにおけるものと同様である。
Lは、単結合であることが好ましい。
Arで表される芳香環の具体例及び好ましい例としては、上記一般式(Q−1)におけるLが芳香環である場合の具体例及び好ましい例と同様である。
Yで表される2価の連結基としては、炭素数6〜18の単環もしくは多環の芳香環、−C(=O)−、−O−C(=O)−、−CH−O−C(=O)−、チオカルボニル基、直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6)、直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10、より好ましくは3〜6)、スルホニル基、−O−、−NH−、−S−、環状ラクトン構造又はこれらを組み合わせた2価の連結基(好ましくは総炭素数1〜50、より好ましくは総炭素数1〜30、更に好ましくは総炭素数1〜20)が挙げられる。
Yは、エチレン基又はメチレンカルボニル基であることが好ましい。
また、上記式(1−1)及び(1−2)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。上記炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、これらの構造異性体、シクロペンチル基、シクロへキシル基のアルキル基等が好ましく挙げられるが、特に好ましくはメチル基である。炭素数が6を超えると架橋形成能が下がるおそれがある。
上記一般式(1−1)及び(1−2)で示される繰り返し単位の好ましい具体例としては、下記のもの等が例示されるが、これらに限定されない。
(式中、Aは上記定義と同じである。)
樹脂(B)は、上記繰り返し単位を有しても有さなくてもよいが、有する場合、上記繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)における全繰り返し単位に対して一般的に1〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは2〜15モル%である。
樹脂(B)は解像度、ラフネス特性及びEL(露光ラチチュード)の少なくとも1つが向上させる観点から、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生する構造部位(以下、「酸発生構造(a)」とも言う。)を有する繰り返し単位(A1)を含むことも好ましい。
樹脂(B)は、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生する構造部位を有する繰り返し単位(A1)として、下記一般式(5)により表される繰り返し単位を有することも好ましい。
41は、水素原子又はメチル基を表す。L41は、単結合又は2価の連結基を表す。L42は、2価の連結基を表す。Sは、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
41は上述したように水素原子又はメチル基であり、水素原子がより好ましい。
41及びL42の2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−、−S−、−CS−及びこれらの2種以上の組み合わせが挙げられ、総炭素数が20以下のものが好ましい。ここで、Rは、アリール基、アルキル基又はシクロアルキルを表す。
42の2価の連結基は、アリーレン基であることが好ましく、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜18(より好ましくは炭素数6〜10)のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
41及びL42のアルキレン基としては、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、及びドデカニレン基等の炭素数1〜12のものが挙げられる。
41及びL42のシクロアルキレン基としては、好ましくは、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等の炭素数5〜8のものが挙げられる。
41及びL42のアリーレン基としては、好ましくは、フェニレン基及びナフチレン基等の炭素数6〜14のものが挙げられる。
これらアルキレン基、シクロアルキレン基及びアリーレン基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
酸発生構造(a)としては、スルホニウム塩構造又はヨードニウム塩構造(より好ましくはスルホニウム塩構造)を有することが好ましく、スルホニウム塩又はヨードニウム塩を含むイオン性構造部位(より好ましくはスルホニウム塩を含むイオン性構造部位)がより好ましい。より具体的には、酸発生構造(a)として、下記一般式(PZI)又は(PZII)で表される基が好ましい。
上記一般式(PZI)において、
201〜R203は、各々独立に、有機基を表す。
201〜R203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成したものを用いると、露光時の分解物で露光機を汚染することを抑えることが期待でき、好ましい。
は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましい。非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより樹脂の経時安定性が向上し、組成物の経時安定性も向上する。
201〜R203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、インドリル基などが挙げられる。ここで、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基は、環を形成する炭素原子の少なくとも1つがカルボニル炭素であってもよい。
201〜R203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。
201、R202及びR203におけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
201、R202及びR203におけるアルキル基、シクロアルキル基、及び、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基)、炭素数3〜10のシクロアルケニル基(例えば、ペンタジエニル基、シクロヘキセニル基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての、これらアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、インドリル基などの有機基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜14)、ヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルカルボニル基(好ましくは炭素数2〜15)、シクロアルキルカルボニル基(好ましくは炭素数4〜15)、アリールカルボニル基(好ましくは炭素数7〜14)、シクロアルケニルオキシ基(好ましくは炭素数3〜15)、シクロアルケニルアルキル基(好ましくは炭素数4〜20)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基としてのシクロアルキル基及びシクロアルケニル基は、環を形成する炭素原子の少なくとも1つがカルボニル炭素であってもよい。
201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基は、更に置換基を有していてもよく、このような更なる置換基の例としては、R201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基の上記例と同じものを挙げることができるが、アルキル基、シクロアルキル基が好ましい。
201〜R203のうち、少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046,0047、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
上記一般式(PZII)中、R204、R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。これらアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(PZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
204、R205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204、R205のアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(PZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましく、一般式(PZI)に於けるZと同様のものを挙げることができる。
酸発生構造(a)の好ましい具体例としては、特開2013−80002号公報の段落〔0145〕〜〔0148〕に記載の具体例を挙げることができる。
酸発生構造(a)は、より好ましくは下記一般式(6)で表される基である。
式中、L61は2価の連結基、Ar61はアリーレン基を表す。R201、R202及びR203は、それぞれ、上記一般式(PZI)におけるR201、R202及びR203と同義である。
61の2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−、−S−、−CS−及びこれらの組み合わせが挙げられる。ここで、Rはアリール基、アルキル基又はシクロアルキルを表す。L61の2価の連結基の総炭素数は1〜15が好ましく、より好ましくは1〜10である。
61のアルキレン基としては、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、及びドデカニレン基等の炭素数1〜12のものが挙げられる。
61のシクロアルキレン基としては、好ましくは、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等の炭素数5〜8のものが挙げられる。
61として好ましい基は、カルボニル基、メチレン基、−CO−(CH−O−、−CO−(CH−O−CO−、−(CH−COO−、−(CH−CONR−、又は−CO−(CH−NR−であり、特に好ましくは、カルボニル基、−CH−COO−、−CO−CH−O−、−CO−CH−O−CO−、−CH−CONR−、又は−CO−CH−NR−である。ここで、上記Nは、1〜10の整数を表す。Nは、1〜6の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1が最も好ましい。また、は主鎖側の連結部位、すなわち、式中のO原子との連結部位を表す。
Ar61は、アリーレン基を表し、置換基を有していてもよい。Ar61が有していてもよい置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、より好ましくはフッ素原子)が挙げられる。Ar61の芳香族環は、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)であっても、芳香族複素環(例えば、キノリン環)であってもよく、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは炭素数6〜12である。
Ar61は、無置換又はアルキル基若しくはフッ素原子が置換したアリーレン基であることが好ましく、フェニレン基又はナフチレン基であることが更に好ましい。
201、R202及びR203の具体例及び好ましい例は、上記一般式(PZI)におけるR201、R202及びR203について説明したものと同様である。
活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生する構造部位を有する繰り返し単位(A1)に相当するモノマーの合成方法としては、特に限定されないが、例えばオニウム構造の場合、上記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸アニオンと既知のオニウム塩のハライドとを交換して合成する方法が挙げられる。
より具体的には、上記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸の金属イオン塩(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)又はアンモニウム塩(アンモニウム、トリエチルアンモニウム塩等)と、ハロゲンイオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)を有するオニウム塩を、水又はメタノールの存在下で攪拌し、アニオン交換反応を行い、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の有機溶剤と水で分液及び洗浄操作をすることにより、目的とする一般式(5)で表される繰り返し単位に相当するモノマーを合成することができる。
また、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の水との分離が可能な有機溶剤と水の存在下で攪拌してアニオン交換反応を行った後に、水で分液・洗浄操作をすることによって合成することもできる。
活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生する構造部位を有する繰り返し単位(A1)はまた、高分子反応によって側鎖に酸アニオン部位を導入し、塩交換によりオニウム塩を導入することによっても合成することが出来る。
以下に、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生する構造部位を有する繰り返し単位(A1)の具体例としては、特開2013−80002号公報の段落〔0168〕〜〔0210〕に記載の具体例を挙げることができる。
樹脂(B)における活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生する構造部位を有する繰り返し単位(A1)の含有量は、樹脂(B)の全繰り返し単位に対して、1〜40モル%の範囲が好ましく、2〜30モル%の範囲がより好ましく、4〜25モル%の範囲が特に好ましい。
本発明で用いられる樹脂(B)は、上記繰り返し単位以外の繰り返し単位として、下記のような繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」ともいう)を更に有することも好ましい。
これら他の繰り返し単位を形成するための重合性モノマーの例としてはスチレン、アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、ハロゲン置換スチレン、O−アルキル化スチレン、O−アシル化スチレン、水素化ヒドロキシスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体(アクリル酸、アクリル酸エステル等)、メタクリル酸誘導体(メタクリル酸、メタクリル酸エステル等)、N−置換マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、置換基を有しても良いインデン等を挙げることができる。
樹脂(B)は、これら他の繰り返し単位を有してもしなくても良いが、有する場合、これら他の繰り返し単位の樹脂(B)中の含有量は、樹脂(B)を構成する全繰り返し単位に対して、一般的に1〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは2〜10モル%である。
樹脂(B)は、公知のラジカル重合法やアニオン重合法やリビングラジカル重合法(イニファーター法等)により合成することができる。例えば、アニオン重合法では、ビニルモノマーを適当な有機溶媒に溶解し、金属化合物(ブチルリチウム等)を開始剤として、通常、冷却条件下で反応させて重合体を得ることができる。
樹脂(B)としては、芳香族ケトン又は芳香族アルデヒド、及び1〜3個のフェノール性水酸基を含有する化合物の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物(例えば、特開2008−145539)、カリックスアレーン誘導体(例えば特開2004−18421)、Noria誘導体(例えば特開2009−222920)、ポリフェノール誘導体(例えば特開2008−94782)も適用でき、高分子反応で修飾して合成しても良い。
また、樹脂(B)は、ラジカル重合法やアニオン重合法で合成したポリマーに高分子反応で修飾して合成することが好ましい。
樹脂(B)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜200000であり、更に好ましくは2000〜50000であり、更により好ましくは2000〜15000である。
樹脂(B)の分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、好ましくは2.0以下であり、感度及び解像性の向上の観点で好ましくは1.0〜1.80であり、1.0〜1.60がより好ましく、1.0〜1.20が最も好ましい。リビングアニオン重合等のリビング重合を用いることで、得られる高分子化合物の分散度(分子量分布)が均一となり、好ましい。
なお、本明細書において、樹脂(B)及び後述の疎水性樹脂(E)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(Mw/Mn)は、GPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:東ソー社製TSK gel Multipore HXL−M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:RI)によるポリスチレン換算値として定義される。
本発明の組成物における樹脂(B)の含有率は、組成物の全固形分に対して、好ましくは30〜99質量%、より好ましくは40〜97質量%、さらに好ましくは50〜95質量%、特に好ましくは50〜80質量%で用いられる。
樹脂(B)の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔3〕(C)架橋剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、架橋剤(以下、「架橋剤(C)」ともいう)を含有する。
架橋剤(C)は、典型的には、酸架橋性基を有する化合物である。ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上含む化合物であることがより好ましい。架橋剤(C)は、ヒドロキシメチル基及びアルコキシメチル基を合計で2個以上分子内に含む化合物であることも好ましい。また、ラフネス性能向上の観点からは、架橋剤(C)がメチロール基を含んでいることが好ましい。
架橋剤(C)は、低分子化合物の形態であっても良く、重合体の一部に組み込まれた形態であっても良い。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用しても良い。
架橋剤(C)が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
架橋剤(C)が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、上記のように樹脂(B)の一部に組み込まれても良いし、樹脂(B)とは異なる樹脂に組み込まれても良い。
架橋剤(C)としては、好ましくは、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化フェノール化合物、アルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物及びアルコキシメチル化ウレア系化合物が挙げられる。特に好ましい架橋剤(C)としては、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、更にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、分子量が1200以下のフェノール誘導体やアルコキシメチルグリコールウリル誘導体が挙げられる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
上記架橋剤(C)の例のうち、ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物とホルムアルデヒドとを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。また、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールとを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。
別の好ましい架橋剤(C)の例として、更にアルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類、及びアルコキシメチル化ウレア系化合物のようなN−ヒドロキシメチル基又はN−アルコキシメチル基を有する化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレア等が挙げられ、EP0,133,216A号、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号、EP0,212,482A号に開示されている。
架橋剤(C)の具体例の中で特に好ましいものを以下に挙げる。
式中、L〜Lは、各々独立に、水素原子、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
また、架橋剤(C)としては、下記一般式(I)で表される化合物も好適に挙げられる。
一般式(I)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、又は炭素数5以下の炭化水素基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、又は炭素数2以上の有機基を表す。R及びRは、互いに結合して環を形成してもよい。
本発明の一形態において、R及びRは、好ましくは炭素数5以下の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数4以下の炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
及びRにより表されるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6以下のアルキル基が好ましく、シクロアルキル基として、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基が好ましく、アリール基としては、例えば、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、アシル基としては、例えば、アルキル部位の炭素数が1〜6のものが好ましい。
本発明の一形態において、R及びRは、アルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
及びRにより表される炭素数2以上の有機基としては、例えば、炭素数2以上のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられ、また、R及びRが互いに結合して以下に詳述する環を形成していることが好ましい。
及びRが互いに結合して形成される環としては、例えば、芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又は、これらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環を挙げることができる。
これらの環は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アリール基、アルコキシメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン、又はヒドロキシ基等が挙げられる。
以下に、R及びRが互いに結合して形成する環の具体例を挙げる。式中の*は、フェノール核との連結部位を表す。
本発明の一形態において、一般式(I)中のR及びRが結合してベンゼン環を含む多環縮合環を形成していることが好ましく、フルオレン構造を形成していることがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、例えば、一般式(I)中のR及びRが結合して、下記一般式(I−a)で表されるフルオレン構造を形成していることが好ましい。
式中、
及びRは、各々独立に、置換基を表す。置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルコキシメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン、又はヒドロキシ基等が挙げられる。
n1及びn2は、各々独立に、0〜4の整数を表し、好ましくは0又は1を表す。
*は、フェノール核との連結部位を表す。
また、本発明の一形態において、一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(I−b)で表されることも好ましい。
式中、
1b及びR6bは、各々独立に、炭素数5以下のアルキル基を表す。
2b及びR5bは、各々独立に、炭素数6以下のアルキル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
Zは、式中の炭素原子と共に環を形成するのに必要な原子群を表す。
Zが式中の炭素原子と共に形成する環については、上述した一般式(I)の説明において、R及びRが互いに結合して形成する環について説明したものと同様である。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示す。
本発明において、架橋剤(C)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中、好ましくは3〜65質量%であり、より好ましくは5〜50質量%であり、さらに好ましくは10〜30質量%である。化合物(C)の含有率を3〜65質量%の範囲とすることにより、残膜率及び解像力が低下することをより防止することができる。
本発明において、架橋剤(C)は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
例えば、上記のフェノール誘導体に加え、他の架橋剤(C’)、例えば上述のN−アルコキシメチル基を有する化合物を併用する場合、上記のフェノール誘導体と他の化合物(C’)との比率は、モル比で通常90/10〜20/80であり、好ましくは85/15〜40/60、より好ましくは80/20〜50/50である。
〔4〕(D)化合物(A)とは異なる、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)として、上記化合物(A)とは異なる、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「化合物(D)」ともいう)を含有してもよい。
化合物(D)の好ましい形態として、オニウム化合物を挙げることができる。そのようなオニウム化合物としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩などを挙げることができる。
また、化合物(D)の別の好ましい形態として、活性光線又は放射線の照射により、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生する化合物を挙げることができる。その形態における光酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、オキシムスルホネート、イミドスルホネートなどを挙げることができる。
化合物(D)は、低分子化合物の形態であっても良く、重合体の一部に組み込まれた形態であっても良い。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用しても良い。
化合物(D)が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
化合物(D)が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、上記のように樹脂(B)の一部に組み込まれても良いし、樹脂(B)とは異なる樹脂に組み込まれても良い。
化合物(D)は、電子線又は極紫外線の照射により酸を発生する化合物であることが好ましい。
本発明において、好ましいオニウム化合物として、下記一般式(7)で表されるスルホニウム化合物、若しくは一般式(8)で表されるヨードニウム化合物を挙げることができる。
一般式(7)及び(8)において、
a1、Ra2、Ra3、Ra4及びRa5は、各々独立に、有機基を表す。
は、有機アニオンを表す。
以下、一般式(7)で表されるスルホニウム化合物及び一般式(8)で表されるヨードニウム化合物を更に詳述する。
上記一般式(7)のRa1〜Ra3、並びに、上記一般式(8)のRa4及びRa5は、各々独立に有機基を表すが、好ましくはRa1〜Ra3の少なくとも1つ、並びに、Ra4及びRa5の少なくとも1つがそれぞれアリール基である。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
上記一般式(7)及び(8)におけるXの有機アニオンは、例えばスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、好ましくは、下記一般式(9)、(10)又は(11)で表される有機アニオンであり、より好ましくは下記一般式(9)で表される有機アニオンである。
上記一般式(9)、(10)及び(11)に於いて、Rc、Rc、Rc及びRcは、それぞれ、有機基を表す。
上記Xの有機アニオンが、電子線や極紫外線などの活性光線又は放射線の照射により発生する酸であるスルホン酸、イミド酸、メチド酸などに対応する。
上記Rc〜Rcの有機基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はこれらの複数が連結された基を挙げることができる。これら有機基のうちより好ましくは1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたシクロアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。上記Rc〜Rcの有機基の複数が互いに連結して環を形成していてもよく、これら複数の有機基が連結された基としては、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキレン基が好ましい。フッ素原子又はフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。ただし、末端基は置換基としてフッ素原子を含有しないことが好ましい。
また、本発明の一形態において、化合物(D)は、活性光線又は放射線の照射により、上記化合物(A)において説明した上記一般式(IIIB)又は(IVB)で表される酸を発生する化合物であることが好ましい。この場合、上記一般式(7)及び一般式(8)におけるXのアニオンを、下記一般式(IIIB)又は(IVB)で表される有機酸を生じるアニオンとすることができる。
一般式(IIIB)又は(IVB)で表される有機酸を生じるアニオンの具体例及び好ましい例等は、上記化合物(A)において説明したものと同様である。
なお、化合物(D)は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性やパターン形状を良好にする観点から、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更により好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、上記化合物(A)で説明した方法に基づいて求められるものである。
以下に、化合物(D)の具体例を示す。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、化合物(D)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、化合物(D)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜15質量%であり、更に好ましくは1〜10質量%である。
化合物(D)は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
〔5〕塩基性化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物を酸捕捉剤として含有することが好ましい。塩基性化合物を用いることにより、露光から後加熱までの経時による性能変化を小さくすることできる。このような塩基性化合物としては、有機塩基性化合物であることが好ましく、より具体的には、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。アミンオキサイド化合物(メチレンオキシ単位及び/又はエチレンオキシ単位を有するものが好ましく、例えば特開2008−102383号公報に記載の化合物が挙げられる。)、アンモニウム塩(好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドがLERの観点で好ましい。)も適宜用いられる。
更に、酸の作用により塩基性が増大する化合物も、塩基性化合物の1種として用いることができる。
アミン類の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリン、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落<0066>に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。含窒素複素環構造を有する化合物としては、2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ジメチルアミノピリジン、アンチピリン、ヒドロキシアンチピリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
また、光分解性塩基性化合物(当初は塩基性窒素原子が塩基として作用して塩基性を示すが、活性光線あるいは放射線の照射により分解されて、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、これらが分子内で中和することによって、塩基性が減少又は消失する化合物。例えば、特許第3577743号公報、特開2001−215689号公報、特開2001−166476公報、特開2008−102383公報、特開2013−64970号公報に記載のオニウム塩)、光塩基発生剤(例えば、特開2010−243773号公報に記載の化合物)も適宜用いられる。
これら塩基性化合物の中でも解像性向上の観点でアンモニウム塩が好ましい。
本発明において、塩基性化合物は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用される塩基性化合物の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.03〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。
[6]疎水性樹脂
本発明の組成物は、疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(E)」ともいう)を含有してもよい。なお、疎水性樹脂(E)は樹脂(B)とは異なることが好ましい。
疎水性樹脂(E)は、界面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、特に液浸露光を採用した場合における水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角の制御や液浸液追随性の向上、及び、アウトガスの抑制などを挙げることができる。
疎水性樹脂(E)は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがさらに好ましい。
疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂(E)に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(E)がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基及びフッ素原子を有するアリール基は、それぞれ、1つの水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基及びフッ素原子を有するアリール基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、及びフッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(直鎖若しくは分岐)を表す。但し、R57〜R61の少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ、及びR65〜R68の少なくとも1つは、各々独立に、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
疎水性樹脂(E)は、珪素原子を含有してもよい。珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1〔0519〕に例示されたものを挙げることが出来る。
また、上記したように、疎水性樹脂(E)は、側鎖部分にCH部分構造を含むことも好ましい。
ここで、疎水性樹脂(E)中の側鎖部分が有するCH部分構造(以下、単に「側鎖CH部分構造」ともいう)には、エチル基、プロピル基等が有するCH部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂(E)の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂(E)の表面偏在化への寄与が小さいため、この「CH部分構造」に包含されないものとする。
より具体的には、疎水性樹脂(E)が、例えば、下記一般式(M)で表される繰り返し単位などの、炭素−炭素二重結合を有する重合性部位を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含む場合であって、R11〜R14がCH「そのもの」である場合、そのCHは、側鎖部分が有するCH部分構造には包含されない。
一方、C−C主鎖から何らかの原子を介して存在するCH部分構造は、「側鎖CH部分構造」に該当するものとする。例えば、R11がエチル基(CHCH)である場合、「CH部分構造」を「1つ」有するものとする。
上記一般式(M)中、
11〜R14は、各々独立に、側鎖部分を表す。
側鎖部分のR11〜R14としては、水素原子、1価の有機基などが挙げられる。
11〜R14についての1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基などが挙げられ、これらの基は、更に置換基を有していてもよい。
疎水性樹脂(E)は、側鎖部分にCH部分構造を有する繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましく、このような繰り返し単位として、下記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)を有していることがより好ましい。
以下、一般式(II)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
上記一般式(II)中、Xb1は水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、Rは1つ以上のCH部分構造を有する、酸に対して安定な有機基を表す。
b1のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基等が挙げられるが、メチル基であることが好ましい。
b1は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
としては、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、及び、アラルキル基が挙げられる。上記のシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、及び、アラルキル基は、更に、置換基としてアルキル基を有していてもよい。
は、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基又はアルキル置換シクロアルキル基が好ましい。
としての1つ以上のCH部分構造を有する酸に安定な有機基は、CH部分構造を2個以上10個以下有することが好ましく、2個以上8個以下有することがより好ましい。
一般式(II)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げる。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式(II)で表される繰り返し単位は、酸に安定な(非酸分解性の)繰り返し単位であることが好ましく、具体的には、酸の作用により分解して、極性基を生じる基を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
以下、一般式(III)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
上記一般式(III)中、Xb2は水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、Rは1つ以上のCH部分構造を有する、酸に対して安定な有機基を表し、nは1から5の整数を表す。
b2のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基等が挙げられるが、水素原子である事が好ましい。
b2は、水素原子であることが好ましい。
は、酸に対して安定な有機基であるため、より具体的には、 後述する“酸分解性基”を有さない有機基であることが好ましい。
としては、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基が挙げられる。
としての1つ以上のCH部分構造を有する酸に安定な有機基は、CH部分構造を1個以上10個以下有することが好ましく、1個以上8個以下有することがより好ましく、1個以上4個以下有することが更に好ましい。
nは1から5の整数を表し、1〜3の整数を表すことがより好ましく、1又は2を表すことが更に好ましい。
一般式(III)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げる。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式(III)で表される繰り返し単位は、酸に安定な(非酸分解性の)繰り返し単位であることが好ましく、具体的には、酸の作用により分解して、極性基を生じる基を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
疎水性樹脂(E)が、側鎖部分にCH部分構造を含む場合であり、更に、特にフッ素原子及び珪素原子を有さない場合、一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)の含有量は、疎水性樹脂(E)の全繰り返し単位に対して、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。繰り返し単位(x)の含有量は、疎水性樹脂(E)の全繰り返し単位に対して、通常、100モル%以下である。
疎水性樹脂(E)が、一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)を、疎水性樹脂(E)の全繰り返し単位に対し、90モル%以上で含有することにより、疎水性樹脂(E)の表面自由エネルギーが増加する。その結果として、疎水性樹脂(E)がレジスト膜の表面に偏在しにくくなり、水に対するレジスト膜の静的/動的接触角を確実に向上させて、液浸液追随性を向上させることができる。
また、疎水性樹脂(E)は、(i)フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合においても、(ii)側鎖部分にCH部分構造を含む場合においても、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つ有していてもよい。
(x)酸基、
(y)ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基、
(z)酸の作用により分解する基。
酸基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましい酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホンイミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基が挙げられる。
酸基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に、直接、酸基が結合している繰り返し単位、或いは、連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。酸基(x)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していてもよい。
酸基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対し、1〜50モル%が好ましく、より好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
酸基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、Rxは水素原子、CH、CF、又は、CHOHを表す。
ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基(y)としては、ラクトン構造を有する基が特に好ましい。
これらの基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、3〜98モル%であることがより好ましく、5〜95モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂(E)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位における酸の作用により分解する基(z)は、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する基であることが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸の作用により分解する基(酸分解性基)として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−CH(R36)(Ar)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。
Arは、1価の芳香環基を表す。
36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02の1価の脂肪族炭化水素環基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、脂肪族炭化水素環基中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01及びR02及びArの1価の芳香環基は、炭素数6〜10の1価の芳香環基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
36とR37とが、互いに結合して形成する環は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8の脂肪族炭化水素環構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20の脂肪族炭化水素環構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等を挙げることができる。尚、脂肪族炭化水素環構造中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、及びArとしての上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していてもよい。
疎水性樹脂(E)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対し、1〜80モル%が好ましく、より好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜60モル%である。
疎水性樹脂(E)は、更に、上述した繰り返し単位とは別の繰り返し単位を有していてもよい。
フッ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)に含まれる全繰り返し単位中10〜100モル%が好ましく、30〜100モル%がより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)に含まれる全繰り返し単位中、10〜100モル%が好ましく、20〜100モル%がより好ましい。
一方、特に疎水性樹脂(E)が側鎖部分にCH部分構造を含む場合においては、疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及び珪素原子を実質的に含有しない形態も好ましい。また、疎水性樹脂(E)は、炭素原子、酸素原子、水素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子のみによって構成された繰り返し単位のみで実質的に構成されることが好ましい。
疎水性樹脂(E)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000である。
また、疎水性樹脂(E)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(E)の組成物中の含有量は、本発明の組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましい。
疎水性樹脂(E)は、残留単量体やオリゴマー成分が0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3質量%である。また、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3の範囲である。
疎水性樹脂(E)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することもできる。
〔7〕界面活性剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に、塗布性を向上させるため界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、DIC(株)製のメガファックR08及びメガファックF171、フロラードFC430(住友スリーエム製)、サーフィノールE1004(旭硝子製)、並びにOMNOVA社製のPF656及びPF6320等のフッ素系界面活性剤、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)等のオルガノシロキサンポリマーが挙げられる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、該組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
〔8〕有機カルボン酸
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、有機カルボン酸を含有してもよい。このような有機カルボン酸化合物として、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸などを挙げることができるが、電子線露光を真空下で行なう際にはレジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい化合物としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
有機カルボン酸の配合量としては、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更により好ましくは0.01〜3質量部である。
本発明の組成物は、必要に応じて、更に、染料、可塑剤、酸増殖剤(国際公開第95/29968号公報、国際公開第98/24000号公報、特開平8−305262号公報、特開平9−34106号公報、特開平8−248561号公報、特表平8−503082号公報、米国特許第5,445,917号明細書、特表平8−503081号公報、米国特許第5,534,393号明細書、米国特許第5,395,736号明細書、米国特許第5,741,630号明細書、米国特許第5,334,489号明細書、米国特許第5,582,956号明細書、米国特許第5,578,424号明細書、米国特許第5,453,345号明細書、米国特許第5,445,917号明細書、欧州特許第665,960号明細書、欧州特許第757,628号明細書、欧州特許第665,961号明細書、米国特許第5,667,943号明細書、特開平10−1508号公報、特開平10−282642号公報、特開平9−512498号公報、特開2000−62337号公報、特開2005−17730号公報、特開2008−209889号公報等に記載)等を含有してもよい。これらの化合物については、いずれも特開2008−268935号公報に記載のそれぞれの化合物を挙げることができる。
〔9〕カルボン酸オニウム塩
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸スルホニウム塩が好ましい。更に、本発明においては、カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環若しくは多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。更に好ましくはこれらのアルキル基の一部又は全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。またアルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
〔10〕溶剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、通常、溶剤を含有する。
本発明の組成物に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが好ましい。これらの溶剤は単独若しくは組合せて用いられる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分は、上記溶剤に溶解し、固形分濃度として、1〜40質量%で溶解することが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。
本発明は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成されたレジスト膜にも関し、このようなレジスト膜は、例えば、該組成物が基板等の支持体上に塗布されることにより形成される。このレジスト膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布されるが、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。塗布膜は60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークして薄膜を形成する。
被加工基板及びその最表層を構成する材料は、例えば半導体用ウエハの場合、シリコンウエハを用いることができ、最表層となる材料の例としては、Si,SiO,SiN,SiON,TiN,WSi,BPSG,SOG,有機反射防止膜等が挙げられる。
また、本発明は、上記のようにして得られるレジスト膜を備えるマスクブランクス、換言すれば、レジスト膜を形成した、レジスト塗布マスクブランクスにも関する。
レジスト塗布マスクブランクスは、マスクブランクスと、このマスクブランクスの上に形成されたレジスト膜とを有する。フォトマスクブランクスは基板を有し、例えばフォトマスクを作製するために用いられる。フォトマスクブランクスの基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、該基板の上には、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が積層される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は更にそれらに酸素、窒素、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でも良いが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に限定されないが、5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。
一般に、これらの材料のうち、クロムに酸素や窒素を含有する材料を最表層に持つフォトマスクブランクス上で化学増幅型レジスト組成物を用いてパターン形成を行った場合、基板付近でくびれ形状が形成される、いわゆるアンダーカット形状となりやすいが、本発明を用いた場合、従来のものに比べてアンダーカット問題を改善することができる。
このレジスト膜に活性光線又は放射線(電子線等)を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃で、通常1〜20分間、より好ましくは1〜10分間)を行った後、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。そして、このパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体やフォトマスク等を作成する。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」に記載されている。
本発明は、(i)上記レジスト膜を形成する工程、(ii)上記レジスト膜を露光する工程、及び(iii)露光された上記レジスト膜を、現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有するパターン形成方法にも関し、例えば、上記レジスト膜を備えるマスクブランクス(レジスト塗布マスクブランクス)を露光する工程、及び、露光された上記レジスト塗布マスクブランクスを現像液を用いて現像してパターンを形成する工程を有するパターン形成方法にも関する。
上記露光において、露光装置に用いられる光源波長に制限は無いが、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光(EUV光)、X線、電子線等を挙げることができる。光源波長としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光であり、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、EUV光(13nm)、電子線等が挙げられる。
本発明において、上記露光は、X線、電子線又はEUV光を用いて行われることが好ましい。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上への露光(パターン形成工程)は、まず本発明のレジスト膜にパターン状に電子線又は極紫外光(EUV光)により露光を行うことが好ましい。露光量は電子線の場合、通常0.1〜20μC/cm程度、好ましくは3〜10μC/cm程度、極紫外光の場合、通常0.1〜20mJ/cm程度、好ましくは3〜15mJ/cm程度となるように露光する。次いで、ホットプレート上で60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間、露光後加熱(ポストエクスポージャベーク)を行い、次いで現像、リンス、乾燥することによりレジストパターンを形成する。
現像液としては、アルカリ現像液、又は、有機溶剤を含む現像液(以下、有機系現像液とも言う)を用いることができる。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及びアンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン及びn−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン及びメチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、又は、ピロール及びピペリジン等の環状アミン類を含んだアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液には、適当量のアルコール類及び/又は界面活性剤を添加してもよい。
アルカリ現像液の濃度は、通常は0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常は10.0〜15.0である。
現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)等の好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは2〜3質量%アルカリ水溶液で、好ましくは0.1〜3分間、より好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像する。アルカリ現像液には、アルコール類及び/又は界面活性剤を、適当量添加してもよい。アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%質量の水溶液が望ましい。
有機系現像液としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
本発明において、エステル系溶剤とは分子内にエステル基を有する溶剤のことであり、ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことであり、アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことであり、アミド系溶剤とは分子内にアミド基を有する溶剤のことであり、エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも該当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも該当するものとする。また、炭化水素系溶剤とは置換基を有さない炭化水素溶剤のことである。
特に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を含有する現像液であることが好ましい。
これら溶剤としては特開2013−80004号公報の段落〔0025〕〜〔0048〕に記載の溶剤などが挙げられる。
現像液は、露光工程においてEUV光(Extreme Ultra Violet)およびEB(Electron Beam)を用いる場合において、レジスト膜の膨潤を抑制できるという点から、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
上記エステル系溶剤のヘテロ原子は、炭素原子および水素原子以外の原子であって、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子数は、2以下が好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
現像液は、露光工程においてEUV光(Extreme Ultra Violet)およびEB(Electron Beam)を用いる場合において、上述した炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤に代えて、上記エステル系溶剤および上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤および上記炭化水素系溶剤の混合溶剤を用いてもよい。この場合においても、レジスト膜の膨潤の抑制に効果的である。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調整するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、ケトン系溶剤として2−ヘプタノンを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調整するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
上記の混合溶剤を用いる場合において、炭化水素系溶剤の含有量は、レジスト膜の溶剤溶解性に依存するため、特に限定されず、適宜調整して必要量を決定すればよい。
有機系現像液は、塩基性化合物を含んでいてもよい。本発明で用いられる現像液が含みうる塩基性化合物の具体例及び好ましい例としては、前述した、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が含みうる塩基性化合物におけるものと同様である。
有機系現像液全体としての含水率は10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
現像液には、必要に応じてアルコール類及び/又は界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・パターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給具合で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
現像液が有機系現像液である場合、リンス液としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、炭化水素溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を使用することが好ましい。
リンス液の蒸気圧(混合溶媒である場合は全体としての蒸気圧)は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液としては、特開2013−80004号公報の〔0049〕〜〔0058〕に記載の溶剤が挙げられる。
リンス液に含まれる有機溶剤としては、露光工程においてEUV光(Extreme Ultra Violet)またはEB(Electron Beam)を用いる場合において、上記の有機溶剤の中でも炭化水素系溶剤を用いることが好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤を用いることがより好ましい。リンス液に用いられる脂肪族炭化水素系溶剤としては、その効果がより向上するという観点から、炭素数5以上の脂肪族炭化水素系溶剤(例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカン等)が好ましく、炭素原子数が8以上の脂肪族炭化水素系溶剤が好ましく、炭素原子数が10以上の脂肪族炭化水素系溶剤がより好ましい。
なお、上記脂肪族炭化水素系溶剤の炭素原子数の上限値は特に限定されないが、例えば、16以下が挙げられ、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。
上記脂肪族炭化水素系溶剤の中でも、特に好ましくは、デカン、ウンデカン、ドデカンであり、最も好ましくはウンデカンである。
このようにリンス液に含まれる有機溶剤として炭化水素系溶剤(特に脂肪族炭化水素系溶剤)を用いることで、現像後にわずかにレジスト膜に染み込んでいた現像液が洗い流されて、膨潤がより抑制され、パターン倒れが抑制されるという効果が一層発揮される。
有機溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。上記溶剤は水と混合してもよいが、リンス液中の含水率は通常60質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%以下である。含水率を60質量%以下にすることで、良好なリンス特性を得ることができる。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。これにより、レジスト膜に対する濡れ性が向上して、洗浄効果がより向上する傾向にある。
界面活性剤としては、感活性光線又は感放射線性樹脂組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
界面活性剤の含有量は、リンス液の全質量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
本発明の組成物を用いたネガ型パターン形成方法では、未露光部分のレジスト膜は溶解し、露光された部分は高分子化合物が架橋しているので現像液に溶解され難く、基板上に目的のパターンが形成される。
なお、本発明におけるパターン形成方法においては、レジスト膜の上層にトップコートを形成しても良い。トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらにレジスト膜上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートについては、特に限定されず、従来公知のトップコートを、従来公知の方法によって形成でき、例えば、特開2014−059543号公報の段落<0072>〜<0082>の記載に基づいてトップコートを形成できる。
現像工程において、有機溶剤を含有する現像液を使用する場合は、例えば、特開2013−61648号公報に記載されたような塩基性化合物を含有するトップコートをレジスト膜上に形成することが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、DSA(Directed Self-Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815-4823参照)にも用いることができる。
また、上記の方法によって形成されたレジストパターンは、例えば特開平3−270227及び特開2013−164509号公報に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
また本発明は、上記レジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスクにも関する。露光及び現像としては、上記に記載の工程が適用される。該フォトマスクは半導体製造用として好適に使用される。
本発明におけるフォトマスクは、ArFエキシマレーザー等で用いられる光透過型マスクであっても、EUV光を光源とする反射系リソグラフィーで用いられる光反射型マスクであっても良い。
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<化合物(PAG−1)の合成>
下記スルホニウムブロミド(X1)10.0gのメタノール溶液に下記スルホン酸(Y1)7.91gを加え、室温下30分攪拌した。その後、この反応混合液に純水及び酢酸エチルを添加して分液した。分液された有機相を純水で洗浄した後、溶媒を減圧留去して、真空乾燥した。このようにして、化合物(PAG−1)(12.3g)を得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.88−7.62(14H,m),6.88(2H,s),4.74(1H,t),4.19(2H,m),3.66(2H,t),2.85(2H,t),2.39(1H,m),1.84−1.22(30H,m)
<化合物(PAG−2)の合成>
上記<化合物(PAG−1)の合成>で、スルホニウムブロミド(X1)10.0gをスルホニウムブロミド(X2)9.64gに変更した以外は同様にして、化合物(PAG−2)を11.1g得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.89−7.66(14H,m),6.89(2H,s),5.52(1H,t),4.59(2H,d),4.19(2H,m),2.39(1H,m),1.17−1.09(18H,m)
<化合物(PAG−3)の合成>
上記<化合物(PAG−1)の合成>で、スルホニウムブロミド(X1)10.0gをスルホニウムブロミド(X2)9.64g、スルホン酸(Y1)7.91gをスルホン酸(Y2)11.76gに変更した以外は同様にして、化合物(PAG−3)を13.1g得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.89−7.66(14H,m),5.52(1H,t),4.59(2H,d),3.82(1H、d),3.65(1H、d),3.18−3.07(1H、m),2.81−2.73(1H、m),1.74−1.51(5H、m),1.26−1.12(5H、m),1.10−0.88(2H、m)
<化合物(PAG−4)の合成>
上記<化合物(PAG−1)の合成>で、スルホン酸(Y1)7.91gをスルホン酸(Y3)11.76gに変更した以外は同様にして、化合物(PAG−4)を13.1g得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.88−7.62(14H,m),4.74(1H,t),3.81(2H、s),3.66(2H,t),2.85(2H,t),1.95−1.91(3H、m),1.70−1.57(6H、m),1.53−1.50(6H、m)
<化合物(PAG−5)の合成>
上記<化合物(PAG−1)の合成>で、スルホニウムブロミド(X1)10.0gをスルホニウムブロミド(X2)9.64g、スルホン酸(Y1)7.91gをスルホン酸(Y4)8.94gに変更した以外は同様にして、化合物(PAG−5)を10.1g得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.89−7.66(14H,m),6.89(2H,s),5.52(1H,t),4.59(2H,d),4.54(d、1H、J=15.6Hz),4.50(d、1H、J=15.6Hz),2.00−1.95(3H、m),1.85−1.83(6H,m),1.72〜1.63(6H,m)
<化合物(PAG−6)の合成>
上記<化合物(PAG−1)の合成>で、スルホニウムブロミド(X1)10.0gをスルホニウムブロミド(X2)9.64g、スルホン酸(Y1)7.91gをスルホン酸(Y5)11.0gに変更した以外は同様にして、化合物(PAG−6)を14.2g得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.89−7.66(14H,m),6.89(2H,s),5.52(1H,t),4.59(2H,d),4.19(2H,m),2.39(1H,m),1.84−1.22(30H,m)
<化合物(PAG−7)の合成>
上記<化合物(PAG−1)の合成>で、スルホン酸(Y1)7.91gをスルホン酸(Y5)11.0gに変更した以外は同様にして、化合物(PAG−7)を14.4g得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.88−7.62(14H,m),6.88(2H,s),4.74(1H,t),4.19(2H,m),3.66(2H,t),2.85(2H,t),2.39(1H,m),1.84−1.22(30H,m)
<化合物(PAG−8)の合成>
上記<化合物(PAG−1)の合成>で、スルホニウムブロミド(X1)10.0gをスルホニウムブロミド(X3)10.41g、スルホン酸(Y1)7.91gをスルホン酸(Y2)11.76gに変更した以外は同様にして、化合物(PAG−8)を14.4g得た。H−NMR(400MHz,d6−DMSO) δ=7.81−7.56(13H,m),4.59(4H,d),3.82(1H、d),3.65(1H、d),3.18−3.07(1H、m),2.81−2.73(1H、m),1.74−1.51(5H、m),1.26−1.12(5H、m),1.10−0.88(2H、m)
以下、上記と同様の方法に準じて、以下に示す化合物(PAG−9)〜(PAG−15)を合成した。
以下、実施例又は比較例において使用した、光酸発生剤としての化合物(PAG−1)〜(PAG−15)、(PR−1)及び(PR−2)の化学構造を示す。
〔樹脂〕
以下、実施例において使用した樹脂の構造及び合成したポリマー構造、重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を記す。また、下記ポリマー構造の各繰り返し単位の組成比をモル比で示した。
〔架橋剤〕
架橋剤としては、以下の化合物を使用した。
〔塩基性化合物〕
塩基性化合物としては、以下の化合物を使用した。
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
TOA:トリ(n−オクチル)アミン
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
〔界面活性剤〕
界面活性剤としては、以下の化合物を使用した。
W−1:メガファックR08(DIC(株)製;フッ素系及びシリコン系)
W−2:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−3:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
〔溶剤〕
溶剤としては、以下の化合物を使用した。
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
S3:シクロヘキサノン
S4:γ−ブチロラクトン
S5:乳酸エチル
〔現像液・リンス液〕
現像液及びリンス液としては、以下の化合物を使用した。
G−1:酢酸ブチル
G−2:2−ヘプタノン
G−3:アニソール
G−4:酢酸イソアミル
G−5:1−ヘキサノール
G−6:ウンデカン
(光酸発生剤の溶剤溶解性評価)
PGEMA/PGME(質量比80/20)10gに化合物(PAG−1)〜(PAG−15)及び(PR−1)〜(PR−2)を各々1g加え、撹拌し、溶解するかを目視で観察し、以下のように評価した。
A: 10分以内に完全に溶解した。
B: 10分では溶解しなかったが、1時間以内に完全に溶解した。
C: 1時間以内に溶解しなかった。
表1から明らかなように、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に使用される上記一般式(I)で表される化合物に相当する化合物(PAG−1)〜(PAG−15)は、これに相当しない化合物(PR−1)及び(PR−2)と比較して、溶剤溶解性に優れた結果を示した。
また、一般式(I)において、R、R、R、R、R12及びR14の少なくとも1つが、アルコール性水酸基を含む置換基である化合物に相当する、化合物(PAG−2)、(PAG−3)、(PAG−5)、(PAG−6)、(PAG−8)〜(PAG−12)、(PAG−15)は、より溶剤溶解性に優れた結果を示した。
〔実施例1〜21、比較例1〜4(電子線露光(アルカリ現像ネガ))〕
(1)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の塗液調製及び塗設
下表2に示した組成を有する塗液組成物を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)溶液(固形分濃度:1.5質量%)を得た。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物における溶剤溶解性については、下記の方法で評価した。
(感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の溶剤溶解性評価)
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物溶液の各成分を混合後、撹拌し、各成分が溶解するかを目視で観察し、以下のように評価した。
A: 10分以内に完全に溶解した。
B: 10分では溶解しなかったが、1時間以内に完全に溶解した。
C: 1時間では溶解しなかったが、3時間以内に完全に溶解した。
この感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物溶液を、東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて、酸化Cr蒸着した6インチウェハ(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)に塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚100nmのレジスト膜を得た。
(2)電子線露光及び現像
上記(1)で得られたレジスト膜が形成されたウェハを、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射した。この際、1:1のラインアンドスペースが形成されるように描画を行った。電子線描画後、ホットプレート上で、120℃で90秒間加熱した。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬し、次いで、30秒間、水でリンスして乾燥した。このようにして、レジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
得られたレジストパターンを下記の方法で、感度、解像力、ラインエッジラフネス(LER)、パターン形状及びスカムについて評価した。結果を下表に示す。
(3−1)感度
線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギー(露光量)を感度とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。レジストパターンは、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて観察した。
(3−2)解像力
前記の感度を示す照射量(露光量)において、分離している1:1のラインアンドスペースパターンの最小線幅を解像力とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。レジストパターンは、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて観察した。
(3−3)ラインエッジラフネス(LER)
上記の感度を示す照射量(露光量)における線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
(3−4)パターン形状
上記の感度を示す照射量(露光量)における線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.05以上のものを「テーパー」とし、該比率が1.05未満のものを「矩形」として、評価を行った。
(3−5)スカム
上記の感度を示す照射量(露光量)において、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを形成した。その後、S4800(日立ハイテク社(株)製)により断面SEMを取得しスペース部分のスカム(残渣)を観察し、以下のように評価した。
A: スカムが見られない。
B: スペース部分の20%未満にてスカムが観測される。
C: スペース部分の20%以上にてスカムが観測される。
評価結果を下表2に示す。
上記表2に示すように、化合物(A)を使用しない比較例1〜3、及び、化合物(A)を使用するものの、その含有量が組成物の全固形分に対して5質量%未満とされた比較例4と比較して、化合物(A)を使用するとともに、その含有量が組成物の全固形分に対して5質量%以上とされた実施例1〜18によれば、高感度、高解像力、優れたラフネス性能、優れたパターン形状、及び、優れたスカム性能の全てを高次元で達成できることが分かった。
また、例えば実施例2と実施例4との比較から、化合物(A)において、R、R、R、R、R12及びR14の少なくとも1つが、アルコール性水酸基を含む置換基であることより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の溶剤溶解性、感度、及びスカム性能がより向上することが分かった。
また、例えば実施例3と実施例18との比較から、上記アルコール性水酸基を含む置換基がヒドロキシメチル基(−CHOH)であることにより、解像力及びラフネス性能がより向上することが分かった。
また、例えば実施例5〜7の比較から、化合物(A)の濃度が上がるにつれて、解像力及びラフネス性能がより向上することが分かった。
〔実施例22〜42、比較例5〜8(電子線露光(有機溶剤現像ネガ))〕
(1)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の塗液調製及び塗設
下表3に示した組成を有する塗液組成物を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)溶液(固形分濃度:1.5質量%)を得た。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物における溶剤溶解性については、上記した方法と同様の方法で評価した。
この感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成させた。
(2)電子線露光
上記(1)で得られたレジスト膜が形成されたウェハを、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50keV)を用いて、パターン照射した。この際、1:1のラインアンドスペースが形成されるように描画を行った。電子線描画後、ホットプレート上で、110℃で90秒間加熱した。その後、下記表3に記載の現像液を用いて23℃で60秒間現像した。次いで、下記表3に記載のリンス液にて30秒間リンスした後(記載が無しの場合、リンスは行わない)、スピン乾燥した。このようにして、レジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
得られたレジストパターンを上記した方法と同様の方法で、感度、解像力、ラインエッジラフネス(LER)、パターン形状及びスカムについて評価した。結果を下表に示す。
上記表3に示すように、化合物(A)を使用しない比較例5〜7、及び、化合物(A)を使用するものの、その含有量が組成物の全固形分に対して5質量%未満とされた比較例8と比較して、化合物(A)を使用するとともに、その含有量が組成物の全固形分に対して5質量%以上とされた実施例22〜42によれば、高感度、高解像力、優れたラフネス性能、優れたパターン形状、及び、優れたスカム性能の全てを高次元で達成できることが分かった。
また、例えば実施例23と実施例25との比較から、化合物(A)において、R、R、R、R、R12及びR14の少なくとも1つが、アルコール性水酸基を含む置換基であることより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の溶剤溶解性、感度、及びスカム性能がより向上することが分かった。
また、例えば実施例24と実施例39との比較から、上記アルコール性水酸基を含む置換基がヒドロキシメチル基(−CHOH)であることにより、解像力及びラフネス性能がより向上することが分かった。
また、例えば実施例26〜28の比較から、化合物(A)の濃度が上がるにつれて、解像力及びラフネス性能がより向上することが分かった。
〔実施例43〜53、比較例9〜12(EUV(極紫外線)露光(有機溶剤現像ネガ))〕
(1)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の塗液調製及び塗設
下表4に示した組成を有する塗液組成物を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)溶液(固形分濃度:1.5質量%)を得た。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物における溶剤溶解性については、上記した方法と同様の方法で評価した。
この感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成させた。
(2)EUV露光
上記(1)で得られたレジスト膜が形成されたウェハを、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの反射型マスクを介して、EUV露光装置(Exitech社製 Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupole、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)にてパターン照射した。照射後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に下記表4に記載の現像液を用いて23℃で60秒間現像した。次いで、下記表4に記載のリンス液にて30秒間リンスした後(記載が無しの場合、リンスは行わない)、スピン乾燥した。このようにして、レジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
得られたレジストパターンを上記した方法と同様の方法で、感度、解像力、ラインエッジラフネス(LER)、パターン形状及びスカムについて評価した。結果を下表に示す。
上記表4に示すように、化合物(A)を使用しない比較例9〜11、及び、化合物(A)を使用するものの、その含有量が組成物の全固形分に対して5質量%未満とされた比較例12と比較して、化合物(A)を使用するとともに、その含有量が組成物の全固形分に対して5質量%以上とされた実施例43〜53によれば、高感度、高解像力、優れたラフネス性能、優れたパターン形状、及び、優れたスカム性能の全てを高次元で達成できることが分かった。
また、例えば実施例45及び46の比較から、化合物(A)の濃度が上がるにつれて、解像力及びラフネス性能がより向上することが分かった。

Claims (13)

  1. (A)下記一般式(I)で表される化合物、
    (B)アルカリ可溶性樹脂、及び
    (C)架橋剤、
    を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
    前記化合物(A)の含有量が、前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して5質量%以上である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    〜R15は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、R〜R15の少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基を表し、
    〜Rの2つ以上、R〜R10の2つ以上、及び、R11〜R15の2つ以上は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよく、
    は、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、及びトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンからなる群より選択されるアニオンを表す。
  2. が、環状の有機基を有するアニオンである、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  3. 〜R15の少なくとも1つが、アルコール性水酸基で置換されたアルキル基である、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  4. 〜R15の少なくとも1つが、ヒドロキシメチル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 、R、R、R、R12及びR14の少なくとも1つが、アルコール性水酸基を含む置換基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂(B)が、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    式中、
    は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表し、
    B’は、単結合又は2価の連結基を表し、
    Ar’は、芳香環基を表し、
    mは1以上の整数を表す。
  7. 前記架橋剤(C)が、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト膜。
  9. (i)請求項8に記載のレジスト膜を形成する工程、
    (ii)前記レジスト膜を露光する工程、及び
    (iii)露光された前記レジスト膜を、現像液を用いて現像してパターンを形成する工程、
    を有するパターン形成方法。
  10. 前記現像液が、有機溶剤を含む現像液である、請求項9に記載のパターン形成方法。
  11. 前記露光がX線、電子線又はEUV光を用いて行われる、請求項9又は10に記載のパターン形成方法。
  12. 請求項8に記載のレジスト膜を備える、レジスト塗布マスクブランクス。
  13. 請求項9〜11のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
JP2016545055A 2014-08-25 2015-07-22 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、レジスト塗布マスクブランクス、及び電子デバイスの製造方法 Expired - Fee Related JP6255499B2 (ja)

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