JP6255209B2 - 銅箔の防錆方法、防錆液、及び銅箔 - Google Patents

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Description

本願発明は、銅箔の防錆方法、防錆液、及び銅箔に関するものである。
銅箔は導電性材料として、プリント配線板や電池用集電体、電磁波シールドなど幅広い分野で用いられている。銅箔は製法によって、電解銅箔と圧延銅箔に大別される。電解銅箔は、硫酸酸性銅電解液から電着装置で目的の厚みの銅を電解析出させ、析出物を剥離し、巻き取って製造される。圧延銅箔は、銅インゴットから圧延機で目的の厚みまで圧延し、巻き取って製造される。
このようにして製造された銅箔は「未処理銅箔」と呼ばれ、通常はこのままで使用されることはなく、銅の粒子を付着させ接着性を向上させることを目的とした「粗面化処理」や、化学的接着力、耐熱、耐薬品性及び防錆性を付与することを目的とした「表面処理」が後処理工程として実施される。
ここで、「後処理工程」とは、未処理銅箔に対しては、粗面化処理及び表面処理を指すものとし、粗面化処理が施された処理銅箔に対しては、表面処理を指すものとする。また、「粗面化処理が施された処理銅箔」とは、未処理銅箔を酸洗浄し、粗面化処理が施された状態の銅箔であり、表面処理前の銅箔を指すものとする。
未処理銅箔が次工程である後処理工程へと送られるまでの間、工場内を室温25℃相対湿度60%未満に管理しても、未処理銅箔の表面で酸化変色が進行する。このため、後処理工程の前段には、酸化被膜を除去する酸性液による洗浄工程が設けられている。しかしながら、コイル状に巻き取られた未処理銅箔は、時間の経過と共に幅方向で不均一な酸化変色をする。図1は未処理銅箔の製造から1週間経過時点における、未処理銅箔の酸化変色の度合いを3段階で評価したものである。「箔の酸化度合い」は次の通りであり、数字が大きいほど酸化が進行していることを示している。
<箔の酸化度合い>
1:薄い茶色に酸化変色、2:濃い茶色に酸化変色、3:紫色に酸化変色している。
なお、0は変色していないことを示す。
幅方向に不均一な酸化変色状態の未処理銅箔に対して後処理工程を実施すると、酸化が進行した部分とそうでない部分とで酸洗浄後の表面状態に差を生じる。その結果、外観不具合はもとより、接着性を向上させることを目的とした粗面化処理の状態が不均一になり、接着力、耐熱、耐薬品性及び防錆性に差を生じる。
また、未処理銅箔に粗面化処理を施した処理銅箔を一旦コイル状に巻取り、例えば電池活物質塗布や銅以外のめっき工程などを行う場合にも、未処理銅箔と同様に幅方向で不均一な酸化変色が生じる。
ここで、プリント配線板用途としては、昨今の高密度配線化に伴い、回路材として用いられる銅箔の面内特性バラツキの許容度は狭くなっている。そのため、未処理電解銅箔の幅方向で不均一な酸化変色に起因して、後処理工程前段の酸性液による洗浄工程が不均一となり、粗面化処理や表面処理の均一性が損なわれる影響が無視できないという問題がある。また、二次電池用集電体用途としても、銅箔表面の不均一な酸化変色に起因して、表面の均一性が損なわれる問題がある。
未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔の酸化変色を防ぐための手段として、アゾール類を用いる有機防錆処理や、クロメートを用いる無機防錆処理(クロメート処理)が一般的に知られている。
しかしながら、アゾール類は強固な防錆被膜を形成することで安定した防錆能力を示すが、後処理工程を実施する場合は、酸洗浄による除去が困難となる。また、アゾール類の成分が粗面化処理工程に混入すると、粗面化処理粒子が微細化するなど影響がある。さらに、防錆被膜を完全に除去できなければ、表面処理被膜の剥離など重大な欠陥を発生させる。加えて、アゾ−ル類を使用すると銅とキレートを生じるため、排水負荷が高いという問題点がある。
一方、クロメート処理には主として6価クロム液が用いられるため、環境負荷が大きく管理コストも高くなるという問題点がある。
よって、従来は、上記の防錆処理を避けるため、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔は、なんら防錆処理が施されることなく後処理工程に送られていたことから、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔の製造から後処理工程が実施されるまでの期間(以下、「コイル保管期間」とする。)をおおむね1週間未満とする必要があった。そのため、コイル保管期間の制約により製造の自由度が大幅に制限され、多品種の銅箔を効率よく製造することが困難であった。
特許文献1には、アスコルビン酸溶液で金属表面を処理することで効果的な防錆が可能であることが開示されている。しかしながら、防錆効果はアスコルビン酸の還元性によるものが主であるため、製造工程において未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔を処理液に通箔する場合には、数日間で液自身が酸化され、著しく防錆効果が減退する。よって、防錆効果を維持するためには処理液を清浄な状態に保つ必要があり、薬液の更新量が増大するとともに、多量の排水を生むことになり、経済的ではない。
特許文献2には、従来塗料にグルコース誘導体化合物を添加し、塗膜生成物の防食性や密着性を向上させることが開示されている。しかしながら、塗料へのグルコース添加は恒久的な防錆能力の向上をめざすものであって、後に添加物を除去することは前提とされていない。よって、本明細書において取り扱う安定的防錆効果を維持しつつも容易に除去できる一時的な防錆被膜を形成する本願発明とは目的が異なる。
特許文献3には、ジカルボン酸ユニットを含む部分分解デキストランを有効成分とする金属の腐食抑制剤が開示されている。本腐食抑制剤は原料であるデキストランを酸化剤によって処理するため、手間がかかるという問題があり、本明細書において取り扱う簡便な防錆方法とは異なる。
特許文献4には、グリコール類を含む基剤と糖類を含む防錆添加剤からなる燃料電池スタック用の冷却液が開示されている。この冷却液が適用される冷却装置の材質として、アルミニウム材料などの熱伝導性の高い軽金属が例示されているが、本明細書において取り扱う銅については開示されていない。
特許文献5には、次亜塩素酸水溶液などの酸性水にオリゴ糖、多糖類からなる糖類を添加することにより、錆の発生を抑制することが開示されている。実施形態について十分に記載されていないため詳細は不明であるが、一般的に三糖以上を指すことが多いオリゴ糖を添加することで効果があると記載されていることから、単糖類及び/又は二糖類を用いる本願発明とは異なるものである。
特開平6−272067 特開2001−354906 特開2007−46006 特開2001−164244 特開2002−348687
本願発明は、前記諸事情に鑑みてなされたものであり、銅箔に対し、簡便で環境負荷が小さく、かつ後処理工程に影響を与えない防錆方法を提供することを技術課題とする。
本願発明にかかる銅箔の防錆方法
一時的な防錆被膜が表面に形成された銅箔の防錆方法であって、
単糖類及び/又は二糖類を含有する水溶性防錆液を接触及び乾燥させることにより前記銅箔の表面に均一な防錆被膜を形成する工程を含むことを特徴とする。ここで、「一時的な防錆被膜」とは、「後処理工程に悪影響を与えずかつ容易に除去可能な防錆被膜」を意味するものである。すなわち、本発明は、永続的な防錆効果を付与するための防錆方法ではなく、後処理工程で除去されることを前提としており、防錆剤は、環境負荷、後工程への混入、面内均一性等を考慮して選択されたものである。
このような構成によれば、防錆成分として単糖類及び/又は二糖類を用いるため、アゾール類やクロメートを用いた防錆処理に比べ、環境負荷が非常に小さい。また、防錆成分が単糖類及び/又は二糖類であり、防錆液が水溶性であるため、防錆液の除去が容易であり、仮に後処理工程に混入してもほとんど影響を与えない。さらに、防錆処理の方法として、銅箔に防錆液をシャワー等でかけるか、あるいは銅箔を防錆液に浸漬させるだけよく、防錆処理に特別な装置等を必要としない。すなわち、本願発明にかかる銅箔の防錆方法は、簡便で環境負荷が小さく、かつ後処理工程に影響を与えない。
また、上記の構成にあっては、
前記銅箔は、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔であってもよい。
このような構成によれば、後処理工程がなされる前の、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔に対し、幅方向の特性を均一化させることができ、製造された銅箔の品質を向上させることができる。また、未処理銅箔若しくは粗面化処理が施された処理銅箔を長期にストックすることが可能となり、コイル保管期間により制限されていた製造の自由度を大幅に向上させることができる。よって、製造設備の有効利用を図ることができ、多品種の銅箔を効率よく製造することが可能となる。
また、上記の構成にあっては、
前記水溶性防錆液における単糖類及び/又は二糖類の濃度は、0.05g/L〜10g/Lであってもよい。
このような構成によれば、防錆処理後に防錆成分の残渣による乾燥ムラを生じさせることなく、適切な防錆効果を得ることができる。
また、上記の構成にあっては、
前記単糖類は、キシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物であり、前記二糖類は、スクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物であってもよい。
このような構成によれば、より良好な防錆効果を得ることが可能となる。
また、上記の構成にあっては、
前記水溶性防錆液のpHは、7を超え11以下であってもよい。
一般的に、硫酸酸性銅電解液により製造された未処理電解銅箔、及び、硫酸酸性銅電解液が使用される粗面化処理が施された処理銅箔は、電解槽から取り出された直後に、銅箔に付着した硫酸酸性銅電解液を除去するために洗浄されるが、一部は除去されず、その表面は酸性を帯びる。このような構成によれば、水溶性防錆液がアルカリ性であるため、これらの銅箔の表面を中和することが可能となり、硫酸酸性銅電解液により製造された未処理電解銅箔、及び、硫酸酸性銅電解液が使用される粗面化処理が施された処理銅箔に対しても十分な防錆効果を付与することができるとともに、所望の防錆効果を付与するために必要な防錆液量を低減できる。
本願発明にかかる銅箔は、
硫酸酸性銅電解液により製造された未処理電解銅箔、又は、硫酸酸性銅電解液が使用される粗面化処理が施された処理銅箔に対して、
単糖類及び/又は二糖類を含有すると共にイオン交換水と混合してアルカリ性に調整された濃度0.05g/L〜10g/Lの水溶性防錆液を塗布乾燥させてなる一時的な防錆被膜が形成された未処理電解銅箔又は処理銅箔であることを特徴とする。
このような構成によれば、後処理工程が施される前の、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔に、簡便で環境負荷が小さく、かつ後処理工程に影響を与えない防錆処理が施されているため、後処理工程の前にこれらの銅箔を長期間ストックすることができ、コイル保管期間により制限されていた製造の自由度を大幅に向上させることができる。よって、製造設備の有効利用を図ることができ、多品種の銅箔を効率よく製造することが可能となる。また、かかる水溶性防錆液は除去が容易であり、仮に後処理工程に混入したとしてもほとんど影響を与えない。
また、本願発明にかかる銅箔の製造方法によれば、
未処理銅箔として、電解銅箔又は圧延銅箔を準備する工程と、
前記未処理銅箔又は前記未処理銅箔に粗面化処理が施された処理銅箔に、単糖類及び/又は二糖類を含有する水溶性防錆液を接触させる防錆工程と、
前記銅箔上に付着した水溶性防錆液、及び、前記銅箔上に形成された酸化被膜を除去する洗浄工程と、
前記洗浄後の銅箔に後処理工程を行う工程と、
を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、後処理工程が行われる前の、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔に、簡便で環境負荷が小さく、かつ後処理工程に影響を与えない防錆処理が施されているため、後処理工程の前にこれらの銅箔を長期間ストックすることが可能であり、コイル保管期間により制限されていた製造の自由度を大幅に改善することができる。よって、製造設備の有効利用を図ることができ、多品種の銅箔を効率よく製造することが可能となる。また、後処理工程前の幅方向に不均一な酸化変色を防錆工程により防止することができるため、製造された銅箔の品質を向上させることができる。
また、本願発明にかかる銅箔の水溶性防錆液は、
単糖類及び/又は二糖類を含有すると共にイオン交換水と混合してアルカリ性に調整された、酸性電解液を伴う後処理工程を行うために準備された銅箔用の水溶性防錆液であることを特徴とする。
上記の構成にあっては、銅箔に対し、簡便で環境負荷が小さく、かつ後処理工程に影響を与えない防錆液を実現できる。
また、上記の構成にあっては、
前記単糖類及び/又は二糖類の濃度は、0.05g/L〜10g/Lであってもよい。
このような構成によれば、銅箔への防錆処理後に防錆成分の残渣による乾燥ムラを生じさせることなく、銅箔に適切な防錆処理を行うことができる。
また、上記の構成にあっては、
前記単糖類は、キシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物であり、前記二糖類は、スクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物であってもよい。
このような構成によれば、銅箔に対し、より良好な防錆効果を付与することができる。
また、上記の構成にあっては、
前記水溶性防錆液のpHは、7を超え11以下であってもよい。
このような構成によれば、水溶性防錆液がアルカリ性であるため、硫酸酸性銅電解液により製造される未処理電解銅箔、及び、硫酸酸性銅電解液が使用される粗面化処理が施された処理銅箔の表面を中和することが可能となり、これらの銅箔に対しても十分な防錆効果を付与することができるとともに、所望の防錆効果を付与するために必要な防錆液量を低減できる。
以上説明したように、本願発明にかかる銅箔の防錆方法によれば、銅箔に対し、簡便で環境負荷が小さく、かつ後処理工程に影響を与えない防錆処理を行うことができる。
未処理銅箔の製造から1週間経過時点における、未処理銅箔の酸化変色の度合いを示した図である。
以下に、本願発明の実施形態について実施例および比較例に基づいて説明する。但し、これらの実施形態はいずれも例示であり、本願発明についての限定的解釈を与えるものではない。なお、防錆液は所定の濃度となるよう防錆成分である糖類をイオン交換水と混合して生成した。また、防錆液の液温は25℃とし、水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した。
実施例1から14および比較例1から6は、硫酸銅5水和物280g/L、硫酸100g/L、塩素イオン濃度40ppm、ゼラチン2ppm、液温40℃に調整された硫酸酸性銅電解液を用い、箔厚0.018mm、幅1.4m、長さ100mの未処理電解銅箔を製造した。製造直後の未処理銅箔に対し、連続的に表1に示す防錆処理を施した。防錆処理は、未処理銅箔に対して箔の両面に防錆液のシャワーをかけた。接触から乾燥までの時間は約5秒であった。乾燥後コイル状に巻き取った。
実施例15および16は、実施例1と同様に未処理電解銅箔を製造した。その後、粗面化処理を以下の手順で実施した。
<粗面化処理>
1.酸洗処理(両面)
硫酸100g/L、液温30℃、浸漬時間30秒。
2.突起状又は樹枝状処理(片面)
硫酸銅5水和物50g/L、硫酸100g/L、液温30℃、
電流密度50A/dm、処理時間2.5秒。
3.被覆めっき処理(2.と同面)
硫酸銅5水和物200g/L、硫酸100g/L、液温40℃、
電流密度10A/dm、処理時間60秒。
粗面化処理が施された処理銅箔に対し、連続的に表1に示す防錆処理を施した。防錆処理は、箔の両面に防錆液のシャワーをかけた。接触から乾燥までの時間は約5秒であった。乾燥後コイル状に巻き取った。
実施例17および18は、箔厚0.018mm、幅560mm、長さ100mの脱脂処理されたタフピッチの未処理圧延銅箔に対して、酸洗浄および水洗後、箔の両面に防錆液のシャワーをかけた。接触から乾燥までの時間は約5秒であった。乾燥後コイル状に巻き取った。
巻き取った未処理銅箔は、室温環境(25℃60%RH未満)で保管したのち、1週間毎にサンプリングし、防錆能力が十分にあると判断できる8週までサンプリングを行った。防錆能力を判別するに当たり、銅箔表面の酸化度合いが、1までを合格とし、2を超えたサンプリング週を防錆能力の限界期間とした。
Figure 0006255209
比較例1に示すように、防錆成分を含まない場合では1週間を経過すると酸化変色が発生していたにもかかわらず、実施例1〜18に示すように、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔に対し単糖類及び/又は二糖類を含有する水溶性防錆液と接触させることにより、8週間以上の防錆能力を得ることができた。また、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔の表面に防錆成分の残渣による乾燥ムラもなかった。さらには、実施例3に示すように、8週間室温放置後の防錆液で防錆処理を行っても、防錆能力が維持されており、防錆液自身の安定性も高かった。
比較例2に示すように、防錆成分の濃度が0.01g/Lであると効果が低下した。また、比較例3に示すように、防錆成分の濃度が50g/Lでは未処理銅箔表面に防錆成分の残渣による乾燥ムラが生じた。さらに、比較例4〜6に示すように、三糖類以上の小糖類、多糖類では効果が低下した。
実施例1〜18の、製造から8週以上経過後の未処理銅箔について、実施例1〜14、17、及び18については後処理工程を、実施例15及び16の粗面化処理が施された処理銅箔については、後処理工程のうち表面処理を実施したところ、未処理電解銅箔の防錆被膜は容易に除去され、幅方向の差異も生じさせることなく、特性上の問題は発生しなかった。

Claims (11)

  1. 一時的な防錆被膜が表面に形成された銅箔の防錆方法であって、
    キシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物及び/又はスクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物を含有する水溶性防錆液を接触及び乾燥させることにより前記銅箔の表面に均一な防錆被膜を形成する工程を含むことを特徴とする銅箔の防錆方法。
  2. 前記銅箔は、未処理銅箔又は粗面化処理が施された処理銅箔であることを特徴とする請求項1に記載の銅箔の防錆方法。
  3. 前記水溶性防錆液におけるキシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物及び/又はスクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物の濃度は、0.05g/L〜10g/Lであることを特徴とする請求項1又は2に記載の銅箔の防錆方法。
  4. 前記水溶性防錆液のpHは、7を超え11以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の銅箔の防錆方法。
  5. 硫酸酸性銅電解液により製造された未処理電解銅箔、又は、硫酸酸性銅電解液が使用される粗面化処理が施された処理銅箔に対して、
    キシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物及び/又はスクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物を含有すると共にアルカリ性に調整された濃度0.05g/L〜10g/Lの水溶性防錆液からなる塗布乾燥膜が一時的な防錆被膜として形成された未処理電解銅箔又は処理銅箔。
  6. 前記水溶性防錆液はイオン交換水を含むことを特徴とする請求項記載の未処理電解銅箔又は処理銅箔。
  7. 未処理銅箔として、電解銅箔又は圧延銅箔を準備する工程と、
    前記未処理銅箔又は前記未処理銅箔に粗面化処理が施された処理銅箔に、キシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物及び/又はスクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物を含有する水溶性防錆液を接触させる防錆工程と、
    前記銅箔上に付着した水溶性防錆液、及び、前記銅箔上に形成された酸化被膜を除去する洗浄工程と、
    前記洗浄後の銅箔に表面処理を行う工程と、
    を備える銅箔の製造方法。
  8. キシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物及び/又はスクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物を含有すると共にアルカリ性に調整された、酸性電解液を伴う後処理工程を行うために準備された一時的な防錆被膜形成のための銅箔用の水溶性防錆液。
  9. 前記水溶性防錆液はイオン交換水を含むことを特徴とする請求項記載の銅箔用の水溶性防錆液。
  10. 前記キシロース、フルクトース、グルコースのいずれか又はこれらの混合物及び/又はスクロース、マルトース、セロビオース、ラクトースのいずれか又はこれらの混合物の濃度は、0.05g/L〜10g/Lであることを特徴とする請求項8又は9記載の銅箔用の水溶性防錆液。
  11. 前記水溶性防錆液のpHは、7を超え11以下であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項記載の銅箔用の水溶性防錆液。
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