JP6254650B2 - クリップ部材及びエアバッグモジュール装備シート - Google Patents
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Description
特許文献1の発明によれば、力布でエアバッグモジュールを直接包み込めると共に、各力布を端部に備えるリスティングワイヤで確実に引張止着できるため、力布により、エアバッグの膨張圧をトリムカバーの破断部となる縫い合わせ目に、効率よく集中させることができ、エアバッグの高い展開性能が達成できる。
このように構成しているため、本発明のクリップ部材を、エアバッグモジュールをサイドフレームに取り付けたシートに適用できる。
このとき、前記取付部材側溝部は、シート幅方向外側に開口していると好適である。
また、前記取付部材側溝部は、前記シートフレーム側溝部とは逆側に開口しており、前記シートフレーム側溝部が開口する方向は、前記取付部材から前記破断部に延在する前記力布の少なくとも一部の延在方向と同一の方向であると好適である。
また、前記力布の他端部は、前記シートフレームの外側から回り込んで、前記取付部材側溝部に取り付けられていると好適である。
また、前記力布の他端部は、前記シートフレームの前縁部における内端部と、前記シートフレームの後縁部における内端部とを結ぶ線分よりも、シート幅方向の外側に配置されていると好適である。
また、前記クリップ部材は、前記シートフレームの一部の構成であるサイドフレームの端部の内側の面及び外側の面に覆い被さるように取り付けられていると好ましい。
また、力布とクリップ部材とシートフレームのみにより、力布とシートフレームを連結できるため、構成が単純で、組み付け作業も簡単になる。更に、エアバッグ展開部やエアバッグの形状が変化しても、形状変更等を行うことなく、同じ部品を利用できる。
以下、被取付部の一例としてサイドフレーム10に適用した場合について説明するが、被取付部は、これに限定されるものではなく、車両の他のフレームや、パイプ状部材の端部等にも適用可能である。また、被取付部は、車両の部材に限定されるものでなく、例えば、店頭やレジ前の行列管理に用いられるベルトパーテーションにおいて、ベルトを係止するポールの係止部等にも適用可能である。
シートバックフレーム1は、図1,図2に示すように、左右に離間して配置され上下方向に延在するサイドフレーム10と、このサイドフレーム10の上端部を連結する上部フレーム21と、下端部を連結する下部フレーム22とにより枠状に構成されている。
上部フレーム21には、ピラー支持部23が設けられ、ピラー支持部23には、図示しないヘッドレストフレームが設けられる。ヘッドレストフレームの外側にクッション部材を設けることでヘッドレストS3が構成される。
サイドフレーム10には、エアバッグモジュール6が固定されている。
クッションパッド5には、図3に示すように、エアバッグモジュール6を格納するための空間7が形成されている。
トリムカバー4には、前面マチ部41と側面マチ部42との土手部において膨出した頂点に、破断部40が形成されている。破断部40は、前面マチ部41と側面マチ部42の端部を、通常の使い勝手に耐えられる強度を保ちつつ、エアバッグの膨張による引張力で裂断可能なように、相互に縫製されている。
第一の力布31は、図4に示すように、引張力が掛かる方向に長くなった略矩形の布からなり、一端は、破断部40で、トリムカバー4の前面マチ部41と側面マチ部42の端部及び第二の力布32の一端と共縫いされている。第一の力布31の他端には、樹脂製からなり断面略J字状で長尺の係止部材33が縫い付けられている。
第二の力布32の破断部40側の辺34は、破断部40で、トリムカバー4の前面マチ部41と側面マチ部42の端部及び第一の力布31の一端と共縫いされている。第二の力布32逆側の辺35の取付部36には、それぞれ、図4,図5に示すように、トリムプレート37が縫い付けられている。
トリムプレート37は、硬質樹脂製からなる矩形の板体である。
クリップ部52には、幅広部51の前縁部12端部側に、溝53が、幅広部51から連続して形成されている。溝53は、前縁部12の端部を挟持している。
このように係止された第二の力布32は、図7に示すように配置される。
第二の力布32が取り付けられたトリムプレート37が係止部55に係止され、クリップ部材50が前縁部12に取付けられたとき、係止部55から引張力吸収部56を経て引張力吸収部57までの部分は、図5に示すように、第二の力布32によって被覆される。第二の力布32は、エアバッグがの非展開時及び膨張展開中において、引張力吸収部56に接した箇所から破断部40方向である矢印D1方向の引張力を受けている。
クリップ部材50は、硬質樹脂よりなるため、引張力吸収部56,57は、若干の弾性を備えており、外部から圧力がかかったときに、内側に向かって収縮する。そのため、矢印D1方向の引張力は、第二の力布32が引張力吸収部56,57の外面で順次延出方向が曲げられた箇所において、引張力吸収部56,57が内側へ収縮することで、弱められる。
図9のクリップ部材50aは、トリムプレート37を係止する係止部55aが、幅広部51の前縁部12に対向する面に設けられている。その他の構成は、クリップ部材50と同様である。
図11のクリップ部材50cは、図10のクリップ部材50bと同様に、トリムプレート37を係止する係止部を備えず、第二の力布32の端部が延出部54に縫い付けられている。幅広部51は、サイドフレーム10の前縁部12に対向する面に突起51pを備え、この突起51pは、前縁部12の端部の近くに設けられた孔12hに係合するように構成されている。その他の構成は、クリップ部材50と同様である。
延出部54eには、延出部54eの延長方向に第二の力布32が延出するよう、インサート成形により第二の力布32の端部が固定されている。その他の構成は、クリップ部材50と同様である。
第一クリップ50gは、硬質の樹脂を屈曲させた断面略n字状からなり、前縁部12の内壁に略沿った形状からなる幅広部51gと、前縁部12の端部を溝53gで挟持するクリップ部52gと、クリップ部52gの幅広部51g逆側の端部が第二の力布32の伸びる側へ延出し、前縁部12の外側の面に覆い被さるように設けられた延出部54gと、を備えている。
幅広部51gは、前縁部12の開口側に凹部58gを備え、凹部58gの面に、第二クリップ50hの突起58hが係止する溝59gを備えている。
クリップ部52iには、幅広部51iの前縁部12端部側に、溝53iが、幅広部51iから連続して形成されている。溝53iは、前縁部12の端部を挟持している。
係止部55iの開口側には、第一の壁部59iと、第二の壁部60iが設けられている。第一の壁部59iは、トリムプレート37の一端側に当接する係止部55iの面から延長しており、第二の壁部60iは、トリムプレート37の他端側に当接する係止部55iの面から延長している。第一の壁部59iと第二の壁部60iとは、第一の壁部59iの外側の面と第二の壁部60iの内側の面が、相互に一定の間隔を置いて対向しており、かつ、相互に逆方向に延長している。
第一の壁部59iと第二の壁部60iとの間の間隔は、図15に示すように、第二の力布32の通路となり、第二の力布32は、第一の壁部59iの外面に押し付けられるように密着して延びている。
クリップ部材50iのその他の構成は、クリップ部材50と同様である。
クリップ部材50iは、第二の壁部60iが、第一の壁部59iの端部を外側から覆い隠すように設けられ、第一の壁部59iと第二の壁部60iとの間の隙間が、第二の力布32の通路として形成されているため、第二の力布32から伝達される引張力によりトリムプレート37に生じる回転力を、更に強く減らすことが可能となる。
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
F シートフレーム
D1,D2,D3 矢印
R 回転力
1 シートバックフレーム
2 着座フレーム
3 リクライニング機構
4 トリムカバー
5 クッションパッド
6 エアバッグモジュール
7 空間
10 サイドフレーム
11 側板
12 前縁部
12h 孔
13 後縁部
14,14´,51p,58h 突起
21 上部フレーム
22 下部フレーム
23 ピラー支持部
31 第一の力布
32 第二の力布
33 係止部材
34 破断部側の辺
35 破断部逆側の辺
36 取付部
37 トリムプレート
40 破断部
41 前面マチ部
42 側面マチ部
50,50a,50b,50c,50d,50e,50f,50i クリップ部材
50g 第一クリップ
50h 第二クリップ
51,51e,51g,51i 幅広部
52,52e,52g,52i クリップ部
53,53g,53i,59g 溝
54,54e,54g,54i 延出部
54s スリット
55,55a,55i 係止部
56,57 引張力吸収部
58g 凹部
59i 第一の壁部
60i 第二の壁部
Claims (10)
- エアバッグモジュール装備シートのトリムカバーの破断部に一端部が取り付けられる力布に接続されるクリップ部材であって、
シートフレームのサイドフレームの端部を挟持するシートフレーム側溝部と、取付部材を介して前記力布の他端部が取り付けられる取付部材側溝部と、が形成されていることを特徴とするクリップ部材。 - 前記取付部材側溝部は、シート幅方向外側に開口していることを特徴とする請求項1に記載のクリップ部材。
- 前記取付部材側溝部は、前記シートフレーム側溝部とは逆側に開口しており、
前記シートフレーム側溝部が開口する方向は、前記取付部材から前記破断部に延在する前記力布の少なくとも一部の延在方向と同一の方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリップ部材。 - 前記力布の他端部は、前記シートフレームの外側から回り込んで、前記取付部材側溝部に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクリップ部材。
- 前記取付部材側溝部は、前記シートフレームの一部の構成であるサイドフレームにおけるシート幅方向外側の端部と内側の端部との間に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクリップ部材。
- 前記取付部材側溝部から前記力布の延びる側へ延在するとともに鈍角に屈曲する外面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のクリップ部材。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のクリップ部材と、
前記クリップ部材が取り付けられる端部にフランジが形成されている前記シートフレームと、
前記シートフレームに取り付けられており、エアバッグを格納するエアバッグモジュールと、
前記エアバッグの膨張による応力を前記トリムカバーの前記破断部に伝達する前記力布と、
を備えることを特徴とするエアバッグモジュール装備シート。 - 前記力布の他端部は、前記エアバッグモジュールと前記シートフレームとがボルトで接続される部分よりも、シート幅方向の内側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のエアバッグモジュール装備シート。
- 前記力布の他端部は、前記シートフレームの前縁部における内端部と、前記シートフレームの後縁部における内端部とを結ぶ線分よりも、シート幅方向の外側に配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載のエアバッグモジュール装備シート。
- 前記クリップ部材は、前記シートフレームの一部の構成であるサイドフレームの端部の内側の面及び外側の面に覆い被さるように取り付けられていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載のエアバッグモジュール装備シート。
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