JP6254643B2 - エアバッグモジュール装備シート - Google Patents
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Description
特許文献1の発明によれば、力布でエアバッグモジュールを直接包み込めると共に、各力布をリスティングワイヤで確実に引張止着できるため、力布により、エアバッグの膨張圧をトリムカバーの破断部となる縫い合わせ目に、効率よく集中させることができ、エアバッグの高い展開性能が達成できる。
更に、サイドフレームは、上端から下方に向かって、シート前方に張り出すように幅広になったD字状等の略板体として構成されることが多い。従って、特許文献1のようにリスティングワイヤを用いて力布をサイドフレームに取り付ける構成では、力布が浮いたり引きつったりしないよう、サイドフレームの幅が変化する箇所の形状に合わせてリスティングワイヤを鉤状に曲げるなど、複雑な構成にする必要があった。
また、本発明に係るエアバッグモジュール装備シートは、エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、前記シートのサイド部に設けられるサイドフレームと、前記サイドフレームに少なくとも上方で連結する上部フレームと、前記サイドフレームに取り付けられる前記エアバッグモジュールと、前記シートのトリムカバーと、前記エアバッグの展開時に前記トリムカバーの各端末を離間し得るよう一端部が前記トリムカバーの破断部に取付けられた力布と、前記力布の他端部に取り付けられ、前記力布を前記サイドフレームに連結するための取付部材と、前記サイドフレームの前方に設けられたクッションパッドと、を有し、前記取付部材は、前記力布が延びる方向に延出する延出部を備え、前記延出部は、前記サイドフレームと前記力布の間に配置され、前記クッションパッドの裏面は、前記サイドフレームに対し、前記シートの後方内側に向けて傾斜する傾斜面を含み、前記エアバッグモジュールの前部と、前記クッションパッドの裏面とは離間し、前記取付部材は、前記傾斜面に沿って傾斜する傾斜部を備える。
また、本発明に係るエアバッグモジュール装備シートは、エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、前記シートのサイド部に設けられるサイドフレームと、前記サイドフレームに少なくとも上方で連結する上部フレームと、前記サイドフレームに取り付けられる前記エアバッグモジュールと、前記シートのトリムカバーと、前記エアバッグの展開時に前記トリムカバーの各端末を離間し得るよう一端部が前記トリムカバーの破断部に取付けられた力布と、前記力布の他端部に取り付けられ、前記力布を前記サイドフレームに連結するための取付部材と、左右の前記サイドフレームと、前記左右の前記サイドフレームの上部を連結する前記上部フレームと、前記左右の前記サイドフレームの下部を連結する下部フレームと、を備えるシートバックフレームと、前記左右の前記サイドフレームの間に配置される受圧部材と、を有し、前記取付部材は、前記力布が延びる方向に延出する延出部を備え、前記延出部は、前記サイドフレームと前記力布の間に配置され、前記受圧部材は、上部ワイヤと、前記上部ワイヤよりも下方に設けられる下部ワイヤにより前記シートバックフレームに取り付けられ、前記取付部材は、前記シートの上下方向において、前記上部ワイヤと前記下部ワイヤとの間に設けられる。
本発明によれば、上部フレームに対して傾斜したサイドフレームの傾斜部に延出部を取り付けるので、上部フレームと傾斜部との離間距離と傾斜度に合わせて取付部材の形状を設定すれば、設定された離間距離と傾斜度に合った位置のみでしか取付部材の取付ができなくなるため、取付部材の位置決めが容易となり、追加部品なしで延出部の取付の位置を規制できる。
本明細書において、「略環状」とは、断面円形の円環状,断面多角形の角環状のほか、円環状体,角環状体が、軸方向に伸びる開口を備えた断面C字状,コの字状のものも含む。また、環状体は、筒体と同義として用いる。
前縁部12は、上半部が、車両用シートSの上下方向に対して前方に傾斜して張り出した傾斜部となっている。
エアバッグモジュール6は、公知の構成からなり、特に図示しないが、インフレータをリテーナで保持し、そのリテーナの締付けボルトをエアバッグより外部に突出させて、インフレータをリテーナと一体にエアバッグの取付基部寄り内部に組み付け、更に、リテーナの締付けボルトを外部に突出させて全体をモジュールケースの内部に収容し、衝撃センサー等の関連機器と回路構成するのに必要なハーネス,コネクタを備えることにより組み立てられている。
上部フレーム21には、ピラー支持部23が設けられ、ピラー支持部23には、図示しないヘッドレストフレームが設けられる。ヘッドレストフレームの外側にクッション部材を設けることでヘッドレストS3が構成される。
受圧部材20は、後面衝突による衝撃から乗員の頭部や頸部を保護し頸部への衝撃を軽減するための部材であって、後面衝突時に後方へ移動し、乗員の上体をシートバックS1に深く入り込ませて、乗員の頭部とヘッドレストとの間の隙間を速やかに減少させる機能を有する。
受圧部材20は、上部ワイヤ65と下部連結部材60とにより、左右のサイドフレーム10に連結されている。
下縁部61cには、略L字状の係止孔61dが形成され、係止孔61dの後端には下部ワイヤ64が係止され、係止孔61dの前端には、コイルバネ63の下端が係止されている。コイルバネ63は、サイドフレーム10のバネ係止孔12aに上端が係止され、引っ張られた状態で下端が係止孔61dに係止される。
下部ワイヤ64及び上部ワイヤ65は、図2に示すように、受圧部材20に形成された爪部20aにそれぞれ係止されている。上部ワイヤ65は、上部フレーム21のワイヤ係止孔21cに係止されている。
クッションパッド5には、図3に示すように、エアバッグモジュール6を格納するための空間7が形成されている。
トリムカバー4には、前面マチ部41と側面マチ部42との土手部において膨出した頂点に、破断部40が形成されている。破断部40は、前面マチ部41と側面マチ部42の端部を、通常の使い勝手に耐えられる強度を保ちつつ、エアバッグの膨張による引張力で裂断可能なように、相互に縫製されている。
第一の力布31は、図5に示すように、引張力が掛かる方向に長くなった略矩形の布からなり、一端は、破断部40で、トリムカバー4の前面マチ部41と側面マチ部42の端部及び第二の力布32の一端と共縫いされている。第一の力布31の他端には、樹脂製からなり断面略J字状で長尺の係止部材33が縫い付けられている。
破断部40側の辺34と破断部40逆側の辺35とをつなぐ二つの辺のうち一方の辺38は、サイドフレーム10の前縁部12の上半部が上方から下方に向かって前方に傾斜して張り出している傾斜部の形状に沿うよう、破断部40側の辺34及び破断部40逆側の辺35に対して斜辺として形成されている。
辺38には、力布取付部材50に係止する取付部36が設けられている。
第二の力布32の破断部40側の辺34は、破断部40で、トリムカバー4の前面マチ部41と側面マチ部42の端部及び第一の力布31の一端と共縫いされている。辺38の取付部36及び第二の力布32逆側の辺35の取付部36には、それぞれ、図5,図6に示すように、トリムプレート37が縫い付けられている。
トリムプレート37は、硬質樹脂製からなる矩形の板体である。
上部フレーム連結部51の軸方向の一端は、軸方向に垂直な面からなる蓋部52により閉じられている。蓋部52は、上部フレーム連結部51から連続しており、上部フレーム21の端部21bを覆い隠す円形の板体として形成されている。
サイドフレーム連結部53と上部フレーム連結部51との間の接続部54には、トリムプレート37を係止する溝状の係止部55が形成されている。
従って、第二の力布32が接続されたトリムプレート37が開口55aから挿入されて係止部55で係止されたとき、第二の力布32は、開口55aで略U字状に折れ曲げられる。
係止部55から引張力吸収部56を経てサイドフレーム連結部53に至るまでの部分は、図6に示すように、第二の力布32によって被覆される。第二の力布32は、エアバッグの非展開時及び膨張展開中において、引張力吸収部56に接した箇所から破断部40方向である矢印D1方向の引張力を受けている。
力布取付部材50は、硬質樹脂よりなるため、引張力吸収部56は、若干の弾性を備えており、外部から圧力がかかったときに、内側に向かって収縮する。そのため、矢印D1方向の引張力は、第二の力布32が引張力吸収部56の外面で延出方向が曲げられた箇所において、引張力吸収部56が内側へ収縮することで、弱められる。
このように係止された第二の力布32は、図8に示すように配置される。
図6乃至図8に示すように、上部フレーム21の端部21bは、バネ係止孔12aよりも若干上方に位置しており、力布取付部材50は、この上部フレーム21の端部に取付けられるため、本実施形態の力布取付部材50は、バネ係止孔12a及び下部連結部材60を覆わず、受圧部材20の動きを干渉しないように第二の力布32を取り付けることができる。
まず力布取付部材50の上部フレーム連結部51を上部フレーム21の沿設部21aの外壁に当てて圧接し、沿設部21aに嵌合させる。次いで、力布取付部材50を上部フレーム21の長さ方向に沿って摺動させ、蓋部52を、上部フレーム21の端部21bに係合させる。その後、力布取付部材50を、上部フレーム21を軸に回転させ、サイドフレーム連結部53をサイドフレーム10の前縁部12の外面に係止する。その後、第二の力布32の端部を、トリムプレート37ごと係止部55に挿入してトリムプレート37を係止部55に係止して、力布取付部材50を用いた第二の力布32と上部フレーム21及びサイドフレーム10との連結を完了する。
本実施形態では、上部フレーム21が断面円形の円筒体から構成されているため、力布取付部材50の取付時に力布取付部材50を上部フレーム21を軸として回転させることができる。
S1 シートバック
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
F シートフレーム
D1,D2,D3 矢印
R 回転力
1 シートバックフレーム
2 着座フレーム
3 リクライニング機構
4 トリムカバー
5 クッションパッド
6 エアバッグモジュール
7 空間
10 サイドフレーム
11 側板
12 前縁部
12a バネ係止孔
13 後縁部
20 受圧部材
20a 爪部
21 上部フレーム
21a 沿設部
21b 端部
21c ワイヤ係止孔
22 下部フレーム
23 ピラー支持部
31 第一の力布
32 第二の力布
33 係止部材
34,35,38 辺
36 取付部
37 トリムプレート
40 破断部
41 前面マチ部
42 側面マチ部
50 力布取付部材
51 上部フレーム連結部
51a,55a 開口
52 蓋部
53 サイドフレーム連結部
54 接続部
55 係止部
56 引張力吸収部
60 下部連結部材
61 回動部材
61a 本体部
61b 後縁部
61c 下縁部
61d 係止孔
62 ボルト
63 コイルバネ
64 下部ワイヤ
65 上部ワイヤ
Claims (6)
- エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、
前記シートのサイド部に設けられるサイドフレームと、
前記サイドフレームに少なくとも上方で連結する上部フレームと、
前記サイドフレームに取り付けられる前記エアバッグモジュールと、
前記シートのトリムカバーと、
前記エアバッグの展開時に前記トリムカバーの各端末を離間し得るよう一端部が前記トリムカバーの破断部に取付けられた力布と、
前記力布の他端部に取り付けられ、前記力布を前記サイドフレームに連結するための取付部材と、を有し、
前記取付部材は、前記力布が延びる方向に延出する延出部を備え、
前記延出部は、前記サイドフレームと前記力布の間に配置され、
前記延出部のうち前記力布により被覆される部分は、前記サイドフレームを介して前記エアバッグモジュールと離間していることを特徴とするエアバッグモジュール装備シート。 - エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、
前記シートのサイド部に設けられるサイドフレームと、
前記サイドフレームに少なくとも上方で連結する上部フレームと、
前記サイドフレームに取り付けられる前記エアバッグモジュールと、
前記シートのトリムカバーと、
前記エアバッグの展開時に前記トリムカバーの各端末を離間し得るよう一端部が前記トリムカバーの破断部に取付けられた力布と、
前記力布の他端部に取り付けられ、前記力布を前記サイドフレームに連結するための取付部材と、を有し、
前記取付部材は、前記力布が延びる方向に延出する延出部を備え、
前記延出部は、前記サイドフレームと前記力布の間に配置され、
前記力布の前記他端部は、前記取付部材に形成された溝に係止され、
前記溝の開口は、前記延出部に対して逆側に形成されることを特徴とするエアバッグモジュール装備シート。 - エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、
前記シートのサイド部に設けられるサイドフレームと、
前記サイドフレームに少なくとも上方で連結する上部フレームと、
前記サイドフレームに取り付けられる前記エアバッグモジュールと、
前記シートのトリムカバーと、
前記エアバッグの展開時に前記トリムカバーの各端末を離間し得るよう一端部が前記トリムカバーの破断部に取付けられた力布と、
前記力布の他端部に取り付けられ、前記力布を前記サイドフレームに連結するための取付部材と、を有し、
前記取付部材は、前記力布が延びる方向に延出する延出部を備え、
前記延出部は、前記サイドフレームと前記力布の間に配置され、
前記サイドフレームは、側板の端部を前記シートの内側に屈曲させた縁部を備え、
前記延出部は、前記縁部の表面に略沿う形状であることを特徴とするエアバッグモジュール装備シート。 - 前記力布の前記他端部には、硬質樹脂製の板体が取り付けられ、
前記力布の前記他端部は、前記板体とともに前記溝に係止されることを特徴とする請求項2記載のエアバッグモジュール装備シート。 - エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、
前記シートのサイド部に設けられるサイドフレームと、
前記サイドフレームに少なくとも上方で連結する上部フレームと、
前記サイドフレームに取り付けられる前記エアバッグモジュールと、
前記シートのトリムカバーと、
前記エアバッグの展開時に前記トリムカバーの各端末を離間し得るよう一端部が前記トリムカバーの破断部に取付けられた力布と、
前記力布の他端部に取り付けられ、前記力布を前記サイドフレームに連結するための取付部材と、
前記サイドフレームの前方に設けられたクッションパッドと、を有し、
前記取付部材は、前記力布が延びる方向に延出する延出部を備え、
前記延出部は、前記サイドフレームと前記力布の間に配置され、
前記クッションパッドの裏面は、前記サイドフレームに対し、前記シートの後方内側に向けて傾斜する傾斜面を含み、
前記エアバッグモジュールの前部と、前記クッションパッドの裏面とは離間し、
前記取付部材は、前記傾斜面に沿って傾斜する傾斜部を備えることを特徴とするエアバッグモジュール装備シート。 - エアバッグを格納するエアバッグモジュールを装備したシートであって、
前記シートのサイド部に設けられるサイドフレームと、
前記サイドフレームに少なくとも上方で連結する上部フレームと、
前記サイドフレームに取り付けられる前記エアバッグモジュールと、
前記シートのトリムカバーと、
前記エアバッグの展開時に前記トリムカバーの各端末を離間し得るよう一端部が前記トリムカバーの破断部に取付けられた力布と、
前記力布の他端部に取り付けられ、前記力布を前記サイドフレームに連結するための取付部材と、
左右の前記サイドフレームと、前記左右の前記サイドフレームの上部を連結する前記上部フレームと、前記左右の前記サイドフレームの下部を連結する下部フレームと、を備えるシートバックフレームと、
前記左右の前記サイドフレームの間に配置される受圧部材と、を有し、
前記取付部材は、前記力布が延びる方向に延出する延出部を備え、
前記延出部は、前記サイドフレームと前記力布の間に配置され、
前記受圧部材は、上部ワイヤと、前記上部ワイヤよりも下方に設けられる下部ワイヤにより前記シートバックフレームに取り付けられ、
前記取付部材は、前記シートの上下方向において、前記上部ワイヤと前記下部ワイヤとの間に設けられることを特徴とするエアバッグモジュール装備シート。
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