JP2015042518A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグユニットのモジュールケースをシートバックのフレームに対して高い構造強度を発揮させられる状態に取り付けられるようにする。
【解決手段】シートバック2の車両外側の側部にエアバッグユニット10が取り付けられた乗物用シート1である。エアバッグユニット10は、そのエアバッグモジュール11を内包するモジュールケース12の一部がシートバック2のサイドフレーム2Fに外側からボルト締結されて一体的に結合されていると共に、この締結部から離れたモジュールケース12の別の箇所が更にサイドフレーム2Fに一体的に結合された形状出しワイヤ2Ff(別のフレーム部)にシート内周側から引掛けられて当接した状態として設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】シートバック2の車両外側の側部にエアバッグユニット10が取り付けられた乗物用シート1である。エアバッグユニット10は、そのエアバッグモジュール11を内包するモジュールケース12の一部がシートバック2のサイドフレーム2Fに外側からボルト締結されて一体的に結合されていると共に、この締結部から離れたモジュールケース12の別の箇所が更にサイドフレーム2Fに一体的に結合された形状出しワイヤ2Ff(別のフレーム部)にシート内周側から引掛けられて当接した状態として設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートバックの外周部にエアバッグユニットが取り付けられた乗物用シートに関する。
従来、車両用シートにおいて、シートバックの車両外側の側部にエアバッグユニットが備え付けられたものが知られている(特許文献1)。上記エアバッグユニットは、そのエアバッグモジュールを内装するモジュールケースが、ボルトとナットとから成る締結構造によってシートバックの車両外側のサイドフレームの外側部に取り付けられている。
しかし、上記従来技術では、モジュールケースが前後方向に長尺な断面形状となっているにも拘らず、その後側領域のみが上述した締結構造によってシートバックのサイドフレームに締結されており、前側領域の支持強度が十分でない。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、エアバッグユニットのモジュールケースをシートバックのフレームに対して高い構造強度を発揮させられる状態に取り付けられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートバックの外周部にエアバッグユニットが取り付けられた乗物用シートである。エアバッグユニットは、そのエアバッグモジュールを内包するモジュールケースの一部がシートバックのフレームにシート外周側からボルト締結されて一体的に結合されていると共に、この締結部から離れたモジュールケースの別の一部が更にシートバックのフレームと一体を成す別のフレーム部にシート内周側から引掛けられて当接した状態として設けられている。
第1の発明は、シートバックの外周部にエアバッグユニットが取り付けられた乗物用シートである。エアバッグユニットは、そのエアバッグモジュールを内包するモジュールケースの一部がシートバックのフレームにシート外周側からボルト締結されて一体的に結合されていると共に、この締結部から離れたモジュールケースの別の一部が更にシートバックのフレームと一体を成す別のフレーム部にシート内周側から引掛けられて当接した状態として設けられている。
ここで、シートバックのフレームについて、「シート外周側」「シート内周側」とは、それぞれ、シートバックの形状の外を向く側、或いは内を向く側を指しており、シートバックの前後方向或いは幅方向における形状の外を向く側、或いは内を向く側を指している。
この第1の発明によれば、モジュールケースは、そのシートバックのフレームにボルト締結された箇所から離れた別の箇所が更に別のフレーム部にシート内周側から引掛けられて当接した状態とされることにより、上記締結部から離れた別の箇所においてもシートバックのフレームに対してシート外周側に撓みにくい状態に取り付けられた状態となる。このように、モジュールケースを、シートバックのフレームに対して高い構造強度を発揮させられる状態に取り付けることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。別のフレーム部が、シートバックのフレームに結合された別部材によって構成されている。
この第2の発明によれば、モジュールケースの上記締結部から離れた別の箇所を、シートバックのフレームに対して、より自由に高い構造強度を発揮させられる最適な位置に引掛けることができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成とされているものである。エアバッグユニットは、シートバックの側部に設けられてエアバッグをシート前方側に膨張展開させる構成となっている。モジュールケースは、シート前後方向に長尺な横断面形状となっており、その後側領域部がシートバックのサイドフレームにボルト締結されて固定され、前側領域部に形成されたフック片がサイドフレームに一体的に結合されてシート前方側に突出して設けられた支持フレームにシート幅方向の内側から引掛けられて当接した状態として設けられている。
この第3の発明によれば、モジュールケースのボルト締結された後側の領域部から前方側に離間した前側領域部のシート幅方向の外側への撓みを適切に抑えることができる。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図2を用いて説明する。図1に示すように、本実施例のシート1は、自動車の助手席として構成されており、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、シートバック2の上部に形成された頭凭れとなるヘッドレスト部4と、を備えた構成となっている。上述したシートバック2の図示向かって右側となる車両外側の側部には、車両の側面衝突発生時に乗員を衝突から保護するエアバッグユニット10が付設されている。このエアバッグユニット10は、車両の側面衝突発生時に、その内部に設けられたエアバッグモジュール11が車両のECUからの電気信号を受けてインフレータにて火薬を点火させ、エアバッグを着座乗員の側方部に向けて膨らませるように展開させる、公知のサイドエアバッグの構成となっている。
上述したエアバッグユニット10は、シートバック2の車両外側の側部の骨格を成すサイドフレーム2Fの外側の面部2Faに取り付けられて設けられている(図2参照)。具体的には、エアバッグユニット10は、そのエアバッグモジュール11を内包する樹脂製のモジュールケース12が、上述したサイドフレーム2Fの外側の面部2Faに外側から取り付けられて設けられている。上述したモジュールケース12は、縦長な箱型形状に形成されており、図2に示すように前後方向に長尺な横断面形状をもつ形に形成されている。
上述したモジュールケース12のサイドフレーム2Fへの取り付けは、モジュールケース12の内側の壁部12Bの後側領域部に一体的に取り付けられた高さ方向に並ぶ2個のスタッドボルト12Fをそれぞれサイドフレーム2Fの外側の面部2Faに通した後、その通された各スタッドボルト12Fの先にそれぞれナット12Gをサイドフレーム2Fの内側から締結することによって行われている。
詳しくは、上述したモジュールケース12は、上記の締結に際して、その内側の壁部12Bの前側の縁部に形成された2個のフック片12Dを、それぞれ、サイドフレーム2Fの前部に一体的に結合された形状出しワイヤ2Ffの掛部2Ff1にシート幅方向の内側から引掛けて当接させた状態として上記の締結がされた構成とされている。これにより、モジュールケース12は、その横断面形状が前後方向に長尺な箱型形状とされて、後側の領域部のみが上述した締結構造によってサイドフレーム2Fに締結された構成となっていても、この締結部から前方側に離間した前側の領域部もサイドフレーム2Fに対してシート幅方向の外側に撓みにくいように支持された状態として設けられた状態とされている。ここで、「形状出しワイヤ」が本発明の「別のフレーム部」及び「支持フレーム」に相当する。
以下、上述したモジュールケース12のサイドフレーム2Fへの取り付け構造について、シートバック2の基本構造と合わせて詳しく説明していく。先ず、シートバック2の構成について説明する。シートバック2は、図2に示すように、その内部の骨格を成す図示しない金属製のバックフレーム(一部のサイドフレーム2Fのみ図示)と、バックフレームの前部に覆い被せられるように組み付けられて着座乗員の荷重を和らげて受け止める発泡ウレタン製のバックパッド2Pと、バックパッド2Pの表面全体を覆うように前方側から被せ付けられた布製のバックカバー2Cと、シートバック2の背面を覆うように後側から取り付けられた樹脂製のバックボード2Bと、によって構成されている。
上述したバックフレーム(一部のサイドフレーム2Fのみ図示)は、シートバック2の外周形状に沿った骨格を成す正面視逆U字状に組まれた構成となっており、その図示されたシートバック2の車両外側の側部の骨格を成すサイドフレーム2F(外周部)に対し、上述したエアバッグユニット10が取り付けられている。上述したサイドフレーム2Fは、一枚の縦長状の鋼板材によって形成されており、その前側の縁部と後側の縁部とがそれぞれシート内側に2段階に折り曲げられることで、それらのエッジがシート形状の外側に向かって立たないようにシート形状の内側に向かって折り込まれた形に形成されている。
具体的には、サイドフレーム2Fは、シート外側に面を向ける外側の面部2Faと、この外側の面部2Faの前側の縁からシート内側に折り曲げられた前側の面部2Fbと、外側の面部2Faの後側の縁からシート内側に折り曲げられた後側の面部2Fcと、を有する形に形成されている。上記前側の面部2Fbは、外側の面部2Faの前側の縁からシート内側にシート前側を向く斜めの角度まで折り曲げられた後、更にその途中箇所がシート後側を向く斜めの角度まで折り曲げられた、2段階に山折りされた形に形成されている。これにより、前側の面部2Fbは、その2段目の折り曲げられた先のシート内側前方を向く斜めの面部によって、後述するバックパッド2Pの着座乗員の身体を外側から斜め支持する面部(サイドサポート部2Ps)を斜め後方側から真っ直ぐに面で支持することができる形に形成されている。そして、前側の面部2Fbは、その折り曲げられた先の縁部が、シート内側後方に向けられた状態として、シート形状の外側に向かってエッジを立たせないようにシート形状の内側に向かって折り込まれた形に形成されている。
一方、後側の面部2Fcは、上述した外側の面部2Faの後側の縁からシート内側に略直角に折り曲げられた後、更にその折り曲げられた先の末端箇所がシート前側を向く斜めの角度まで折り曲げられた、2段階に谷折りされた形に形成されている。上述した後側の面部2Fcは、その1段目の折り曲げられた箇所から2段目の折り曲げられた箇所までの幅長が、上述した前側の面部2Fbの幅長よりも長い形状となっており、この部分においてシート後方側から受ける外力を広く受け止めて支持することができるようになっている。また、後側の面部2Fcは、その折り曲げられた先の縁部(後側の縁部)が、シート内側前方に向けられた状態として、シート形状の外側に向かってエッジを立たせないようにシート形状の内側に向かって折り込まれた形に形成されている。
ここで、上述した「シート形状」の内側・外側とは、シート形状の幅方向の内側・外側を意味している他、シート形状の前後方向の内側・外側も意味している。すなわち、上述した車両外側のサイドフレーム2Fを例に説明すると、同サイドフレーム2Fにおけるシート形状の内側とは、図2で見て、サイドフレーム2Fの幅方向の最も外側に位置している外側の面部2Faから図示右側の領域(反対側のサイドフレーム(図示省略)との間に挟まれた領域)が、シート形状の幅方向の内側となり、サイドフレーム2Fの前後方向の最も外側に位置している前側の面部2Fbと後側の面部2Fcとの間に挟まれた領域が、シート形状の前後方向の内側となる。それ以外の領域が、上記サイドフレーム2Fにおけるシート形状の外側となる。
バックパッド2Pは、軟質ポリウレタンフォーム原料を発泡成形して形成したものであり、上述した図示しないバックフレーム(一部のサイドフレーム2Fのみ図示)の前部にセットされた後、その表面全体を覆うように布製のバックカバー2Cが前方側から被せ付けられて張設されることにより、このバックカバー2Cの張設力によってバックフレームの前部に位置決めされた状態にセットされた状態とされている。
上記バックパッド2Pは、そのバックフレームの左右のサイドフレーム(車両外側のサイドフレーム2Fのみ図示)の前部に掛けられる部位が、着座乗員の背部を両外側から支持できるように前方側に山状に大きく膨らんだサイドサポート部2Psとして形成されている。これらサイドサポート部2Psは、バックフレームの左右のサイドフレーム(車両外側のサイドフレーム2Fのみ図示)の前部に結合された前方側に張り出す形の形状出しワイヤ2Ff(図1参照)によって各サイドフレーム(車両外側のサイドフレーム2Fのみ図示)よりも前方側に張り出した位置で後方側から支えられた状態とされている。これら形状出しワイヤ2Ffによる支持により、各サイドサポート部2Psは、着座乗員の背部を両外側から強く支えることができるようになっている。上述した各形状出しワイヤ2Ffのうち、エアバッグユニット10が配設された車両外側の形状出しワイヤ2Ffは、その前方側に張り出す形状部分の高さ方向の2箇所の部位が、前述したエアバッグユニット10のモジュールケース12に形成された各フック片12Dを引掛けるための掛部2Ff1として、後方側に凹む形に折り曲げられた構成とされている。
上述したバックパッド2Pの各サイドサポート部2Psは、各サイドフレーム(車両外側のサイドフレーム2Fのみ図示)の両外側の面部2Faも外側から覆った状態となるようにシート後方側に曲げ返された形に形成されている。しかし、エアバッグユニット10が装着される側となる車両外側のサイドサポート部2Psは、そのサイドフレーム2Fを外側から覆う領域の一部が、エアバッグユニット10の装着領域を空けるように部分的に幅方向(厚さ方向)に貫通する形に刳り貫かれた形状とされている(貫通孔2Pa)。
バックカバー2Cは、図2に示すように、上述したバックパッド2Pの表面全体を覆い被せるようにバックパッド2Pに前方側から被せ付けられた後、その周縁部が後方側に引き込まれてバックフレーム(車両外側のサイドフレーム2Fのみ図示)に止着されることにより、バックパッド2Pの表面全体に広く密着するように左右両側と上下両側とからそれぞれ引張り込まれた状態に張設された状態とされている。詳しくは、バックカバー2Cの左右両側の縁部は、各縁部に取り付けられた止着用のフック2Caを各サイドフレームの後側の縁部(車両外側のサイドフレーム2Fの後側の縁部のみ図示)に引掛けることにより、各サイドフレームに止着された状態とされている。
また、上述したバックカバー2Cのエアバッグユニット10が装着される側となる車両外側の側面部に被せられる部位には、バックカバー2Cがエアバッグユニット10の装着領域にかからないように、上述したバックパッド2Pに形成された貫通孔2Paと同様に、エアバッグユニット10の装着領域を空けるように部分的に幅方向に貫通する形に切り抜かれた切抜き部2Cbが形成されている。
バックボード2Bは、図2に示すように、後述するエアバッグユニット10が車両外側のサイドフレーム2Fに取り付けられた後に、図示しないバックフレーム(一部のサイドフレーム2Fのみ図示)の所々の箇所にクリップを用いて後側から差し込まれて装着された状態とされている。上述したバックボード2Bは、その左右両側の縁部2Baがシート前方側に湾曲した形に形成されており、各サイドフレーム(車両外側のサイドフレーム2Fのみ図示)を両外側から覆うバックパッド2Pの各サイドサポート部2Psの後側の周縁部2Ba(を覆うバックカバー2C)に後側から押し付けられた状態に設けられた状態とされている。これにより、バックボード2Bは、その左右両側の縁部2Baとバックパッド2P(を覆うバックカバー2C)との間に隙間が生じないように見栄え良く設けられた状態とされている。
次に、エアバッグユニット10のモジュールケース12の構成について説明する。図1に示すように、モジュールケース12は、内部にエアバッグモジュール11を収容する縦長な箱型形状に形成されており、図2に示すように、その内部のエアバッグモジュール11が膨張展開する際に破断して開く外側の壁部12Aとは反対側の内側の壁部12Bの後側領域部に、シート内側に向かって突出するスタッドボルト12Fが高さ方向の2箇所の位置に一体的に結合されて設けられた構成となっている。上述したモジュールケース12は、上述した各スタッドボルト12Fをサイドフレーム2Fに差し込んでそれぞれナット12Gにより締結することにより、その内側の壁部12Bがサイドフレーム2Fの外側の面部2Faに広く面当接した状態に固定されて設けられた状態とされている。
そして、上記モジュールケース12は、上記のようにサイドフレーム2Fに組み付けられた状態となることにより、その箱型形状の前外側の縁部に形成された前方側に張り出す形の突起片12Eが、バックパッド2Pの車両外側のサイドサポート部2Psに覆い被されたバックカバー2Cに外側からあてがわれた状態となる。これにより、バックカバー2Cの切抜き部2Cbの縁が上記突起片12Eによって外部に露呈しないように外側から見栄え良く被覆された状態とされるようになっている。上記取り付けられたモジュールケース12は、図2の仮想線状態で示すように、エアバッグモジュール11からエアバッグが膨張展開されると、その展開圧によって外側の壁部12Aがその後側の壁部12Cとの繋ぎ部を支点に前側の壁部との繋ぎ目の破断部12A1を破断させて外側に押し開かれるようになっている。
また、上述したモジュールケース12の内側の壁部12Bには、その前側の縁部の高さ方向の2箇所の位置に、断面L字状に内前側に折れ曲がった形となって延びるフック片12Dが一体的に形成された状態とされている。これらフック片12Dは、前述したように、モジュールケース12を車両外側のサイドフレーム2Fにスタッドボルト12Fによって締結する際に、先に形状出しワイヤ2Ffの掛部2Ff1に後側から通されて掛部2Ff1のシート幅方向の内側に引掛けられて当接した状態となるように組み付けられる部分となっている。これらフック片12Dの形状出しワイヤ2Ffへの組み付けにより、モジュールケース12は、その後側領域部が上述したスタッドボルト12Fの締結によってサイドフレーム2Fに対して強固に一体的に結合されて支持された状態とされると共に、前側領域部も上記フック片12Dの引掛け構造によってサイドフレーム2F(形状出しワイヤ2Ff)に対してシート幅方向の外側に撓みにくくなるように強く支持された状態とされている。これにより、モジュールケース12は、その横断面形状が前後方向に長尺な形となって形成されていても、その前側領域部や後側領域部がサイドフレーム2Fに対してシート幅方向の外側に撓むことがないように強く結合された状態に設けられた状態とされている。これにより、モジュールケース12に外部から力がかけられたり車両の振動が伝達されたりしても、モジュールケース12が撓んでその周りを覆うバックカバー2Cとの間に隙間が形成されたりすることなく、見栄えの良い状態を維持することができるようになっている。
このように、エアバッグユニット10は、そのエアバッグモジュール11を内包するモジュールケース12の一部がシートバック2のサイドフレーム2F(フレーム)に外側(シート外周側)からボルト締結されて一体的に結合されていると共に、この締結部から離れたモジュールケース12の別の箇所(フック片12D)が更にシートバック2のサイドフレーム2Fと一体を成す別のフレーム部(形状出しワイヤ2Ff)に内側(シート内周側)から引掛けられて当接した状態として設けられた構成となっている。このような構成となっていることにより、モジュールケース12が、上記締結部から離れた別の箇所においても、シートバック2のサイドフレーム2Fに対して外側に撓みにくい状態に取り付けられた状態となるため、モジュールケース12をシートバック2のサイドフレーム2Fに対して高い構造強度を発揮させられる状態に取り付けた状態とすることができる。
また、上記「別のフレーム部」が、シートバック2のサイドフレーム2Fに結合された別部材(形状出しワイヤ2Ff)によって構成されている。このような構成となっていることにより、モジュールケース12の上記締結部から離れた別の箇所を、シートバック2のサイドフレーム2Fに対して、より自由に高い構造強度を発揮させられる最適な位置に引掛けることができる。
また、エアバッグユニット10は、シートバック2の側部に設けられてエアバッグをシート前方側に膨張展開させる構成となっている。モジュールケース12は、シート前後方向に長尺な横断面形状となっており、その後側領域部がシートバック2のサイドフレーム2Fにボルト締結されて固定され、前側領域部に形成されたフック片12Dがサイドフレーム2Fに一体的に結合されてシート前方側に突出して設けられた形状出しワイヤ2Ff(支持フレーム)にシート幅方向の内側から引掛けられて当接した状態として設けられている。このような構成となっていることにより、モジュールケース12のボルト締結された後側の領域部から前方側に離間した前側領域部のシート幅方向の外側への撓みを適切に抑えることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「乗物用シート」は、自動車の助手席を構成するシートの他にも、鉄道車両等の自動車以外の車両に適用されるシートであってもよく、また、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
また、エアバッグユニットは、シートバックの外周部において、上記実施例で示したようにシートバックの外形に収まる形に設置されるものの他、シートバックの外形の外側に張り出すように設けられるものであってもよい。また、エアバッグユニットは、シートバックの外周部に設けられていればよく、シートバックの車両内側の側部に設けられてエアバッグを着座乗員の側方部に向けて膨らませるように展開させるものや、シートバックの背面部の上部側寄りの箇所や下部側寄りの箇所等に設けられてエアバッグを後部側座席に座る乗員に向けて膨らませるように展開させるものであってもよい。なお、エアバッグユニットが取り付けられるシートバックのフレームは、その取付位置によってどのフレームに取り付けられるものであってもよい。
また、モジュールケースのボルト締結部と別のフレーム部に引掛けられる部位との位置関係は、特に限定されるものでない。例えば、上記実施例で示した構成を例に説明すると、モジュールケースの前側領域部がシートバックのサイドフレームにボルト締結され、後側領域部がシートバックのフレームと一体を成す別のフレーム部に引掛けられるものであってもよい。また、上記の位置関係は、モジュールケースの形やモジュールケースのシートバックへの取り付け位置、取り付けられるフレームの形状等によって適宜定められるものであり、別のフレーム部への引掛けによってモジュールケースのボルト締結部から離れた別の箇所の支持剛性を上げられるようになっていればよい。
また、モジュールケースのボルト締結部から離れた別の箇所が引掛けられる「別のフレーム部」は、シートバックのフレームと一体を成すものであればよく、モジュールケースが取り付けられるフレームから延長されたり切り起こされたりして形成されたものや、乗員の背凭れ荷重を広く面で受け止められるようにするためにサイドフレームの前面部に一体的に結合された状態で設けられる支持板等、モジュールケースが取り付けられるフレームに何らかの目的のために一体的に結合されたものであってもよい。また、モジュールケースは、金属製であってもよい。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
2F サイドフレーム
2Fa 外側の面部
2Fb 前側の面部
2Fc 後側の面部
2Ff 形状出しワイヤ(別のフレーム部、支持フレーム)
2Ff1 掛部
2P バックパッド
2Ps サイドサポート部
2Pa 貫通孔
2C バックカバー
2Ca 止着用のフック
2Cb 切抜き部
2B バックボード
2Ba 縁部
3 シートクッション
4 ヘッドレスト部
10 エアバッグユニット
11 エアバッグモジュール
12 モジュールケース
12A 外側の壁部
12A1 破断部
12B 内側の壁部
12C 後側の壁部
12D フック片
12E 突起片
12F スタッドボルト
12G ナット
2 シートバック
2F サイドフレーム
2Fa 外側の面部
2Fb 前側の面部
2Fc 後側の面部
2Ff 形状出しワイヤ(別のフレーム部、支持フレーム)
2Ff1 掛部
2P バックパッド
2Ps サイドサポート部
2Pa 貫通孔
2C バックカバー
2Ca 止着用のフック
2Cb 切抜き部
2B バックボード
2Ba 縁部
3 シートクッション
4 ヘッドレスト部
10 エアバッグユニット
11 エアバッグモジュール
12 モジュールケース
12A 外側の壁部
12A1 破断部
12B 内側の壁部
12C 後側の壁部
12D フック片
12E 突起片
12F スタッドボルト
12G ナット
Claims (3)
- シートバックの外周部にエアバッグユニットが取り付けられた乗物用シートであって、
前記エアバッグユニットは、そのエアバッグモジュールを内包するモジュールケースの一部が前記シートバックのフレームにシート外周側からボルト締結されて一体的に結合されていると共に、該締結部から離れた前記モジュールケースの別の一部が更に前記シートバックのフレームと一体を成す別のフレーム部にシート内周側から引掛けられて当接した状態として設けられていることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記別のフレーム部が、前記シートバックのフレームに結合された別部材によって構成されていることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記エアバッグユニットは、前記シートバックの側部に設けられてエアバッグをシート前方側に膨張展開させる構成となっており、
前記モジュールケースは、シート前後方向に長尺な横断面形状となっており、その後側領域部が前記シートバックのサイドフレームにボルト締結されて固定され、前側領域部に形成されたフック片が前記サイドフレームに一体的に結合されてシート前方側に突出して設けられた支持フレームにシート幅方向の内側から引掛けられて当接した状態として設けられていることを特徴とする乗物用シート。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108501856A (zh) * | 2017-02-22 | 2018-09-07 | 高田股份公司 | 用于机动车的车辆座椅 |
JP2019031136A (ja) * | 2017-08-04 | 2019-02-28 | テイ・エス テック株式会社 | 車両用シート |
-
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- 2013-08-26 JP JP2013174387A patent/JP2015042518A/ja active Pending
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JP6993566B2 (ja) | 2017-08-04 | 2022-02-15 | テイ・エス テック株式会社 | 車両用シート |
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