実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
窒化物半導体を用いた半導体装置においては、耐圧が高いものが求められており、耐圧を向上させるため、ドレイン電極の端部において電界緩和させるため、いわゆるドレインフィールドプレートを用いた構造の半導体装置がある。
この半導体装置の構造を図1に示す。この半導体装置は、SiまたはSiC等の基板910の上に、バッファ層911、電子走行層921、電子供給層922が形成されており、電子供給層922の上には、ゲート電極941、ソース電極942、ドレイン電極943が形成されている。尚、電子走行層921はGaN等により形成されており、電子供給層922はAlGaN等により形成されており、電子走行層921及び電子供給層922には、素子分離のための素子分離領域930が形成されている。これにより、電子走行層921と電子供給層922との界面近傍における電子走行層921には、2DEG921aが生成される。
また、ソース電極942及びドレイン電極943には、電子供給層922と接する領域にコンタクト金属膜944及び945が形成されている。ゲート電極941及び電子供給層922の上には、窒化シリコン膜951、酸化シリコン膜952が形成されており、ドレインフィールドプレート943bは、酸化シリコン膜952の上に、ドレイン電極943と接して形成されている。このように、ドレインフィールドプレート943bを形成することにより、ドレイン電極943の端部における電界集中を緩和し、耐圧を向上させることができる。
次に、この半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図2に示すように、基板910の上に、MOCVD(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)によるエピタキシャル成長により、バッファ層911、電子走行層921、電子供給層922を積層して形成する。基板910には、SiまたはSiC等の基板が用いられている。バッファ層911は、厚さが数100nmのAlN等により形成されており、電子走行層921は、厚さが数3μmのGaN等により形成されており、電子供給層922は、厚さが数18nmのAlGaN、例えば、Al0.3Ga0.7N等により形成されている。これにより、電子走行層921と電子供給層922との界面近傍における電子走行層921には、2DEG921aが生成される。
次に、図3に示すように、電子供給層922の上に開口部961aを有するレジストパターン961を形成し、電子供給層922及び電子走行層921の一部を除去し、素子分離領域930を形成するための開口部930aを形成する。具体的には、電子供給層922の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部961aを有するレジストパターン961を形成する。この後、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングにより、レジストパターン961の開口部961aにおける電子供給層922及び921の一部を除去することにより、開口部930aを形成する。これにより、素子分離領域930を形成するための開口部930aが形成される。
次に、図4に示すように、レジストパターン961を有機溶剤等により除去した後、開口部962aを有するレジストパターン962を形成し、積層金属膜944aを成膜する。具体的には、レジストパターン961を有機溶剤等により除去した後、電子供給層922の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部962aを有するレジストパターン962を形成する。レジストパターン962の開口部962aは、ソース電極942及びドレイン電極943が形成される領域に形成される。この後、真空蒸着により、TiとAlからなる積層金属膜944aを成膜する。
次に、図5に示すように、電子供給層922の上のソース電極942及びドレイン電極943が形成される領域に、コンタクト金属膜944及び945を形成する。具体的には、レジストパターン962の上に成膜された積層金属膜944aを有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターン962とともに、リフトオフにより除去する。これにより、レジストパターン962の開口部962aにおいて、電子供給層922の上に残存している積層金属膜944aにより、コンタクト金属膜944及び945が形成される。この後、希ガス、窒素、酸素、アンモニア、水素ガスのうちのいずれか1つ、または、これらの混合ガスの雰囲気中において、550℃〜900℃の温度で、180秒以下の時間の熱処理を行うことにより、オーミックコンタクトさせる。
次に、図6に示すように、開口部963aを有するレジストパターン963を形成し、積層金属膜941aを成膜する。具体的には、コンタクト金属膜944及び945、電子供給層922の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部963aを有するレジストパターン963を形成する。レジストパターン963の開口部963aは、ゲート電極941が形成される領域に形成される。この後、真空蒸着により、NiとAlからなる積層金属膜941aを成膜する。
次に、図7に示すように、電子供給層922の上にゲート電極941を形成する。具体的には、レジストパターン963の上に成膜された積層金属膜941aを有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターン963とともに、リフトオフにより除去する。これにより、レジストパターン963の開口部963aにおいて、電子供給層922の上に残存している積層金属膜941aにより、ゲート電極941が形成される。この後、希ガス、窒素、酸素、アンモニア、水素ガスのうちのいずれか1つ、または、これらの混合ガスの雰囲気中において、200℃〜700℃の温度で、180秒以下の時間の熱処理を行うことにより、オーミックコンタクトさせる。
次に、図8に示すように、電子供給層922、コンタクト金属膜944及び945、ゲート電極941等の上に、窒化シリコン(SiN)膜951を形成する。具体的には、電子供給層922、コンタクト金属膜944及び945、ゲート電極941等の上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)により厚さ約360nmの窒化シリコン膜951を成膜することにより形成する。これにより、電子供給層922、コンタクト金属膜944及び945、ゲート電極941は、窒化シリコン膜951により覆われ、開口部930aは、窒化シリコン膜951が埋め込まれることにより素子分離領域930が形成される。
次に、図9に示すように、窒化シリコン膜951の上に、酸化シリコン膜952を形成する。具体的には、窒化シリコン膜951の上に、CVDにより厚さ約600nmの酸化シリコン膜952を成膜することにより形成する。これにより、窒化シリコン膜951は酸化シリコン膜952により覆われる。
次に、図10に示すように、ソース電極942及びドレイン電極943が形成される領域における酸化シリコン膜952及び窒化シリコン膜951を除去し、コンタクト金属膜944及び945の表面を露出させる。具体的には、酸化シリコン膜952の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極942及びドレイン電極943が形成される領域上に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの開口部における酸化シリコン膜952及び窒化シリコン膜951を除去し、コンタクト金属膜944及び945の表面を露出させることにより、開口部942a及び943aを形成する。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。
次に、図11に示すように、コンタクト金属膜944の上にソース電極942を形成し、コンタクト金属膜945の上にドレイン電極943を形成する。具体的には、酸化シリコン膜952等の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極942及びドレイン電極943が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着等によりAl膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜されたAl膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存するAl膜により、コンタクト金属膜944の上にソース電極942が形成され、コンタクト金属膜945の上にドレイン電極943が形成される。この際、酸化シリコン膜952の上には、ドレイン電極943と接続されるドレインフィールドプレート943bも同時に形成される。
以上の工程により、図1に示す構造の半導体装置を製造することができる。図1に示す構造の半導体装置は、ドレインフィールドプレート943bを形成することにより、上述したように、ドレイン電極943における電界集中を緩和することができ、耐圧を向上させることができる。しかしながら、ドレインフィールドプレート943bを形成することにより容量が増加するため、スイッチング速度が遅くなり、周波数特性が低下する。よって、フィールドプレート943bを形成することなく、ドレイン電極943における電界集中を緩和することができ、耐圧を向上させることができる構造の半導体装置が好ましい。
(絶縁膜の影響)
次に、図12に示すように、基板10の上に、不図示のバッファ層、電子走行層21、電子供給層22を形成したものに、絶縁膜50を形成する材料を変えて成膜した試料を作製し、シート抵抗の測定を行った。尚、電子走行層21は、GaNにより形成されており、電子供給層22は、厚さが約10nmのAl0.22Ga0.78Nにより形成されている。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21には、2DEG21aが生成される。作製した試料は、酸窒化アルミニウム(AlON)、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO2)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)により絶縁膜50を形成したものである。尚、絶縁膜50を窒化シリコンにより形成した試料は、成膜条件等を変えて4種類作製し、絶縁膜50を酸化シリコンにより形成した試料は、成膜条件等を変えて2種類作製した。
このように作製した試料について、成膜後の熱処理温度とシート抵抗との関係を図13に示す。尚、図13においては、便宜上、酸化シリコンをSiOと表記し、条件の異なる酸化シリコンの2種類の試料は、SiO−A、SiO−Bで示している。また、酸化アルミニウムはAlOと表記している。また、条件の異なる窒化シリコンの4種類の試料は、SiN−A、SiN−B、SiN−C、SiN−Dで示している。シート抵抗は、非接触式シート抵抗測定器を用いて測定したものであり、2DEG21aが形成されている領域におけるシート抵抗の値を示すものである。
この結果、Siの窒化物、酸化物、酸窒化物は熱処理によりシート抵抗は低下するものの、Alの酸化物、窒化物、酸窒化物と比べて高いことがわかる。即ち、電子供給層22の上に形成される絶縁膜50の材料の種類により、2DEG21aの密度が異なっている。具体的には、絶縁膜50が、Siの窒化物、酸化物、酸窒化物により形成されている場合には、2DEG21aの密度は比較的低く、Alの酸化物、窒化物、酸窒化物により形成されている場合には、2DEG21aの密度は比較的高くなる傾向にある。
図14は、図13に示される試料のうち、特に、シート抵抗の低い、絶縁膜50が、窒化アルミニウムにより形成された試料と、酸化アルミニウムにより形成された試料の熱処理温度とシート抵抗との関係を示す。図14に示されるように、絶縁膜50を窒化アルミニウムにより形成した場合には、熱処理温度は、800℃以下、更には、600℃以上、800℃以下で行うことが好ましい。また、絶縁膜50を酸化アルミニウムにより形成した場合には、熱処理温度は、600℃以上、更には、600℃以上、800℃以下で行うことが好ましい。
図15は、絶縁膜50を窒化アルミニウムにより形成した場合において、絶縁膜50の膜厚を変えて試料を作製した場合における、絶縁膜50である窒化アルミニウムの膜厚とシート抵抗との関係を示すものである。図15に示されるように、AlNの場合、絶縁膜50の膜厚は、30nm以上、100nm以下であることが好ましく、約50nmであることが最も好ましい。絶縁膜50が薄すぎると絶縁膜50を形成したことによる影響が生じにくく、また、絶縁膜50が厚すぎると格子ミスマッチ等により、2DEGの数が減少してしまうからであるものと考えられる。
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について説明する。
本実施の形態における半導体装置は、図16に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123が形成されている。尚、電子走行層121はGaN等により形成されており、電子供給層122はAlGaN等により形成されており、キャップ層123はGaN等により形成されている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。尚、電子走行層121、電子供給層122及びキャップ層123には、素子分離のための素子分離領域130が形成されている。本実施の形態においては、電子走行層121を第1の半導体層と、電子供給層122を第2の半導体層と、キャップ層123を第3の半導体層と記載する場合がある。また、第1の半導体層と第2の半導体層とが積層されたもの、または、第1の半導体層と第2の半導体層と第3の半導体層が積層されたものを含むものを窒化物半導体層と記載する場合がある。
キャップ層123の上において、ゲート電極141が形成される領域には、AlN等によりゲート絶縁膜151が形成されており、ゲート絶縁膜151の上には、TiNによりゲート電極141が形成されている。ゲート電極141の上には、Al等により第1のゲート配線部144が形成されており、第1のゲート配線部144の上には、第2のゲート配線部147が形成されている。尚、本実施の形態においては、ゲート電極141の上には、後述するハードマスク155の一部が残存している。
キャップ層123の上において、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりソース周辺絶縁膜152が形成されている。ソース電極142が形成される領域の中心部分及びソース周辺絶縁膜152の上には、コンタクト膜145が形成されている。コンタクト膜145の上には、Al等によりソース電極142が形成されており、ソース電極142の上には、Al等によりソース配線部148が形成されている。
キャップ層123の上において、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりドレイン周辺絶縁膜153が形成されている。ドレイン電極143が形成される領域の中心部分及びドレイン周辺絶縁膜153の上には、コンタクト膜146が形成されている。コンタクト膜146の上には、Al等によりドレイン電極143が形成されており、ドレイン電極143の上には、Al等によりドレイン配線部149が形成されている。尚、コンタクト膜145、146は、TiまたはTaを含む材料により形成されている。
キャップ層123の上において、ゲート電極141、ソース電極142、ドレイン電極143を除く領域には、AlN等により電極間絶縁膜154が形成されている。また、電極間絶縁膜154の上には、酸化シリコン等により、第1の保護膜161、第2の保護膜162、第3の保護膜163が積層して形成されている。
本実施の形態においては、ゲート電極141とドレイン電極143との間におけるキャップ層123の上には、AlN等により電極間絶縁膜154が形成されており、この領域の直下における2DEG121aを増やすことができる。また、ドレイン電極143の周囲には、SiN等によりドレイン周辺絶縁膜153が形成されているため、ドレイン周辺絶縁膜153が形成されている領域の直下の2DEG121aを減らすことができる。このように、ドレイン周辺絶縁膜153が形成されている領域の直下の2DEG121aを減らすことにより、オン抵抗を高くすることなく、ドレイン電極143の端部における電界集中を緩和し、耐圧を向上させることができる。
本実施の形態においては、電極間絶縁膜154は、Alの窒化物、酸化物、酸窒化物により形成されており、膜厚は30nm以上、100nm以下が好ましい。また、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153は、Siの窒化物、酸化物、酸窒化物により形成されている。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図17に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、MOCVDによるエピタキシャル成長により、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123を積層して形成する。バッファ層111は、厚さが数100nm〜2μmのAlN等を含む膜により形成されている。電子走行層121は、厚さが1μm〜3μmのGaN等により形成されている。電子供給層122は、厚さが数5nm〜30nmであって、Alの組成比が10%〜40%のAlGaNにより形成されている。キャップ層123は、厚さが8nm以下のGaNにより形成されている。尚、本実施の形態における半導体装置においては、キャップ層123を形成しなくともよい場合がある。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。
次に、図18に示すように、キャップ層123の上に開口部171aを有するレジストパターン171を形成し、キャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、素子分離領域130を形成する。具体的には、キャップ層123の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部171aを有するレジストパターン171を形成する。この後、レジストパターン171の開口部171aにおけるキャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンをイオン注入することにより、素子分離領域130を形成する。
次に、図19に示すように、レジストパターン171を有機溶剤等により除去した後、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するための窒化シリコン膜152aを成膜する。具体的には、プラズマCVDによりSiNを20nm〜200nm成膜することにより形成する。
次に、図20に示すように、窒化シリコン膜152aの上に、レジストパターン172を形成し、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域を除く窒化シリコン膜152aを除去する。具体的には、窒化シリコン膜152aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、窒化シリコン膜152aの上において、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン172を形成する。この後、レジストパターン172が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aを、フッ素成分を含む酸をエッチング液として用いたウェットエッチングにより除去し、キャップ層123の表面を露出させる。
次に、図21に示すように、レジストパターン172を有機溶剤等により除去した後、キャップ層123及び残存している窒化シリコン膜152aの上に、ゲート絶縁膜151及び電極間絶縁膜154を形成するための窒化アルミニウム膜151aを形成する。具体的には、窒化アルミニウム膜151aは、ALD(Atomic Layer Deposition)等により、膜厚が10nm〜200nmのAlNを成膜することにより形成する。この後、必要に応じて熱処理を行う。この際行われる熱処理は、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、500℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。尚、窒化アルミニウム膜151aの膜厚は、30nm以上であることが好ましい。また、窒化アルミニウム膜151aに代えて、酸化アルミニウム膜を形成してもよい。酸化アルミニウム膜において熱処理を行う場合には、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、600℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。
次に、図22に示すように、窒化アルミニウム膜151aの上に、ゲート電極141を形成するための導電膜141a及び窒化シリコン膜155aを積層して形成する。具体的には、導電膜141aは、高仕事関数膜または、高仕事関数膜と金属膜との積層膜をスパッタリングにより成膜することにより形成する。高仕事関数膜は、いわゆる仕事関数が4.5eV以上ある高仕事関数材料により形成されている。具体的には、高仕事関数膜は、Au、Ni、Co、TiN(窒素リッチ)、TaN(窒素リッチ)、TaC(カーボンリッチ)、Pt、W、Ru、Ni3Si、Pd等により形成されている。本実施の形態においては、導電膜141aは、厚さが20nm〜500nmのTiNにより形成されており、窒化シリコン膜155aは、CVDにより厚さ50nm〜200nmのSiNを成膜することにより形成されている。
次に、図23に示すように、ゲート電極141が形成される領域の上に、窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。具体的には、窒化シリコン膜155aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、窒化シリコン膜155aにおいてハードマスク層155が形成される領域上にレジストパターン173を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン173が形成されていない領域における窒化シリコン膜155aを除去することにより、導電膜141aの上において、残存する窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。
次に、図24に示すように、レジストパターン173を有機溶剤等により除去した後、SiNにより形成されたハードマスク層155をマスクとして、導電膜141aをRIE等のドライエッチングにより除去する。この際、ハードマスク層155が形成されていない領域においては、オーバーエッチングされ、窒化アルミニウム膜151aの一部が除去されてもよい。これにより、ハードマスク層155が形成されていた領域には、導電膜141aによりゲート電極141が形成され、窒化アルミニウム膜151aによりゲート絶縁膜151が形成される。また、キャップ層123の上において、ゲート絶縁膜151を除く領域には、残存する窒化アルミニウム膜151aにより、電極間絶縁膜154が形成される。
次に、図25に示すように、ハードマスク層155及び電極間絶縁膜154の上に、第1の保護膜161を形成する。具体的には、例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約300nmの酸化シリコンを形成し、第1の保護膜161を形成する。尚、第1の保護膜161は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP(Chemical Mechanical Polishing)等を用いてもよい。
次に、図26に示すように、第1の保護膜161の上に、開口部174aを有するレジストパターン174を形成し、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部161aを形成し、ゲート電極141の表面を露出させる。具体的には、第1の保護膜161の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部174aを有するレジストパターン174を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン174の開口部174aにおける第1の保護膜161及びハードマスク層155を除去することにより開口部161aを形成する。これにより、ゲート電極141の表面を露出させる。
次に、図27に示すように、レジストパターン174を有機溶剤等により除去した後、第1のゲート配線部144を形成するためのTaNとAl等からなる積層金属膜をスパッタリングにより成膜する。これにより、積層金属膜は、ゲート電極141の上にも形成され、開口部161aは積層金属膜により埋め込まれる。この後、積層金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、積層金属膜において、第1のゲート配線部144が形成される領域の上にレジストパターン175を形成する。この後、RIE等によるドライエッチングによりレジストパターン175が形成されていない領域における積層金属膜を除去し、第1の保護膜161を露出させる。これにより、ゲート電極141の上に、第1のゲート配線部144が形成される。
次に、図28に示すように、レジストパターン175を有機溶剤等により除去した後、第1の保護膜161及び第1のゲート配線部144の上に、第2の保護膜162を形成する。具体的には、例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約300nmの酸化シリコンを形成し、第2の保護膜162を形成する。尚、保護膜162は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。
次に、図29に示すように、第2の保護膜162の上に開口部176aを有するレジストパターン176を形成し、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部162aを形成する。具体的には、第2の保護膜162の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部176aを有するレジストパターン176を形成する。この後、レジストパターン176の開口部176aにおける第2の保護膜162及び第1の保護膜161を除去することにより開口部162aを形成する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの上の窒化アルミニウム膜151aの表面を露出させる。
次に、図30に示すように、レジストパターン176を有機溶剤等により除去した後、開口部162aにおける窒化アルミニウム膜151aを除去し、窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。具体的には、第1の保護膜161及び第2の保護膜162をマスクとして、フッ素系のガスを用いてRIE等のドライエッチングにより、開口部162aにおける窒化アルミニウム膜151aを除去する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。
次に、図31に示すように、開口部177aを有するレジストパターン177を形成した後、窒化シリコン膜152aの一部を等方性エッチングにより除去することにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成する。具体的には、第2の保護膜162等の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するためのレジストパターン177を形成する。形成されたレジストパターン177は、ソース電極142が形成される領域の中心部分及びドレイン電極143が形成される領域の中心部分に開口部177aを有している。この後、レジストパターン177が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aをウェットエッチングまたは等方性ドライエッチングによりキャップ層123の表面が露出するまで除去する。これにより、キャップ層123の上の残存する窒化シリコン膜152aにより、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはソース周辺絶縁膜152が形成され、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはドレイン周辺絶縁膜153が形成される。
次に、図32に示すように、レジストパターン177を有機溶剤等により除去した後、開口部162a及び第2の保護膜162の上に、低仕事関数膜145a及び金属膜142aをスパッタリングにより積層して成膜する。これにより、開口部162aにおけるソース周辺絶縁膜152、ドレイン周辺絶縁膜153、キャップ層123の上及び開口部162aの側面には、低仕事関数膜145aが形成される。また、低仕事関数膜145aの上には、開口部162aを埋め込むように金属膜142aが形成される。低仕事関数膜145aは、いわゆる仕事関数が4.5eV未満である低仕事関数材料により形成されている。具体的には、低仕事関数膜145aは、Al、Ti、Ta、Zr、Ag、TiN(メタルリッチ)、TaN(メタルリッチ)、TaC(メタルリッチ)、NiSi2等により形成されている。本実施の形態においては、低仕事関数膜145aは、厚さが1nm〜100nmのTaにより形成されており、金属膜142aは厚さが20nm〜500nmのAlを含む膜により形成されている。
次に、図33に示すように、レジストパターン178を形成し、レジストパターン178が形成されていない領域の金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。具体的には、金属膜142aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン178を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン178が形成されていない領域における金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。これにより、金属膜142a及び低仕事関数膜145aにより、ソース電極142が形成される領域には、コンタクト膜145とソース電極142が形成され、ドレイン電極143が形成される領域には、コンタクト膜146とドレイン電極143が形成される。ソース電極142が形成される領域のコンタクト膜145は、ソース電極142が形成される領域の周辺部分に形成されたソース周辺絶縁膜152の上と、中央部分のキャップ層123の上に形成される。また、ソース電極142は、コンタクト膜145の上に形成される。ドレイン電極143が形成される領域のコンタクト膜146は、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分に形成されたドレイン周辺絶縁膜153の上と、中央部分のキャップ層123の上に形成される。また、ドレイン電極143は、コンタクト膜146の上に形成される。
次に、図34に示すように、レジストパターン178を有機溶剤等により除去した後、熱処理を行う。具体的には、この熱処理では、希ガス、窒素、酸素、アンモニア、水素ガスのうちのいずれか1つ、または、これらの混合ガスの雰囲気中において、550℃〜650℃の温度で、180秒以下の時間の熱処理を行う。本実施の形態においては、窒素雰囲気中において、600℃の温度で60秒間熱処理を行った。これにより、コンタクト膜145及び146に含まれている材料と、ソース電極142及びドレイン電極143に含まれているAlとが反応し、キャップ層123との接触抵抗を減らすことができる。
次に、図35に示すように、第3の保護膜163を成膜し、第3の保護膜163に開口部を形成して、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149を形成する。具体的には、第2の保護膜162、ソース電極142及びドレイン電極143の上に、第3の保護膜163を形成する。例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約1000nmの酸化シリコンを形成し、第3の保護膜163を形成する。尚、第3の保護膜163は、他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。この後、第3の保護膜163の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における第3の保護膜163及び第2の保護膜162の一部をRIE等のドライエッチングにより除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンを除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143等の上に、スパッタリング又はメッキ等により金属膜を成膜する。この後、金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における金属膜をRIE等のドライエッチングにより除去し、第3の保護膜163の表面を露出させる。これにより、第1のゲート配線部144の上には第2のゲート配線部147が形成され、ソース電極142の上にはソース配線部148が形成され、ドレイン電極143の上にはドレイン配線部149が形成される。
以上により、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。
最初に、図36に示す構造の半導体装置において、ゲート絶縁膜を形成している絶縁体材料を変えたものを複数作製し、ゲートしきい値電圧Vth及びゲートリーク電流の測定を行った。
この半導体装置は、図36に示すように、SiまたはSiC等の基板210の上に、バッファ層211、電子走行層221、電子供給層222、キャップ層223が形成されている。尚、電子走行層221はGaN等により形成されており、電子供給層222はAlGaN等により形成されており、キャップ層223はGaN等により形成されている。これにより、電子走行層221と電子供給層222との界面近傍における電子走行層221には、2DEG221aが生成される。尚、電子走行層221、電子供給層222及びキャップ層223には、素子分離のための素子分離領域230が形成されている。
キャップ層223の上において、ゲート電極241が形成される領域には、ゲート絶縁膜251が形成されており、ゲート絶縁膜251の上には、ゲート電極241が形成されている。ゲート電極241の上には、Al等によりゲート配線部247が形成されている。
キャップ層223の上において、ソース電極242が形成される領域には、コンタクト膜245を介し、ソース電極242が形成されており、ソース電極242の上には、Al等によりソース配線部248が形成されている。
キャップ層223の上において、ドレイン電極243が形成される領域には、コンタクト膜246を介し、ドレイン電極243が形成されており、ドレイン電極243の上には、Al等によりドレイン配線部249が形成されている。
キャップ層223の上において、ゲート電極241、ソース電極242、ドレイン電極243を除く領域には、第1の保護膜261、第2の保護膜262、第3の保護膜263が積層して形成されている。尚、第1の保護膜261は、窒化シリコン等により形成されており、第2の保護膜262、第3の保護膜263は、酸化シリコン等により形成されている。
次に、図36に示される構造の半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図37に示すように、SiまたはSiC等の基板210の上に、MOCVDによるエピタキシャル成長により、バッファ層211、電子走行層221、電子供給層222、キャップ層223を積層して形成する。バッファ層211は、厚さが数100nm〜2μmのAlN等を含む膜により形成されている。電子走行層221は、厚さが1μm〜3μmのGaN等により形成されている。電子供給層222は、厚さが20nmのAlGaN、例えば、Al0.2Ga0.8N等により形成されている。キャップ層223は、厚さが2nmのGaNにより形成されている。これにより、電子走行層221と電子供給層122との界面近傍における電子走行層221には、2DEG221aが生成される。
次に、図38に示すように、キャップ層223の上に開口部271aを有するレジストパターン271を形成し、キャップ層223、電子供給層222及び電子走行層221の一部に、素子分離領域230を形成する。具体的には、キャップ層223の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部271aを有するレジストパターン271を形成する。この後、レジストパターン271の開口部271aにおけるキャップ層223、電子供給層222及び電子走行層221の一部に、Ar等のイオンをイオン注入することにより、素子分離領域230を形成する。
次に、図39に示すように、レジストパターン271を有機溶剤等により除去した後、キャップ層223の上に、酸化シリコンまたは窒化シリコンにより第1の保護膜261を熱CVD、プラズマCVD、ALDにより形成する。本実施の形態においては、第1の保護膜261は、プラズマCVDにより窒化シリコンを20nm〜500nmの厚さで成膜することにより形成されている。
次に、図40に示すように、第1の保護膜261の上に、開口部272aを有するレジストパターン272を形成し、開口部272aが形成されている領域における第1の保護膜261を除去し、開口部261aを形成する。具体的には、第1の保護膜261の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、保護膜261において開口部261aが形成される領域の上に、開口部272aを有するレジストパターン272を形成する。この後、フッ素を含むエッチング液を用いたウェットエッチングにより、開口部272aが形成されている領域における第1の保護膜261を除去し、キャップ層223の表面を露出させる。これにより、第1の保護膜261に開口部261aを形成する。
次に、図41に示すように、ゲート絶縁膜251を形成するための絶縁膜251aを形成する。絶縁膜251aは、窒化アルミニウムはALDにより成膜し、窒化シリコンはプラズマCVDにより成膜する。
次に、図42に示すように、絶縁膜251aの上に、ゲート電極241を形成するための導電膜241aを形成する。具体的には、導電膜241aは、高仕事関数膜と金属膜との積層膜をスパッタリングにより成膜することにより形成する。高仕事関数膜は、いわゆる仕事関数が4.5eV以上ある高仕事関数材料により形成されている。具体的には、高仕事関数膜は、Au、Ni、Co、TiN(窒素リッチ)、TaN(窒素リッチ)、TaC(カーボンリッチ)、Pt、W、Ru、Ni3Si、Pd等により形成されている。本実施の形態においては、導電膜241aは、厚さが約50nmのTiN膜と厚さが約400nmのAl膜を積層することにより形成されている。
次に、図43に示すように、導電膜241aの上のゲート電極241が形成される領域にレジストパターン273を形成し、導電膜241a及び絶縁膜251aにより、ゲート電極241及びゲート絶縁膜251を形成する。具体的には、導電膜241aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、導電膜241aの上のゲート電極241が形成される領域にレジストパターン273を形成する。この後、レジストパターン273が形成されていない領域における導電膜241a及び絶縁膜251aを除去することにより、残存する導電膜241a及び絶縁膜251aにより、ゲート電極241及びゲート絶縁膜251を形成する。
次に、図44に示すように、レジストパターン273を有機溶剤等により除去した後、第1の保護膜261及びゲート電極241の上に、第2の保護膜262を形成する。具体的には、例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約300nmの酸化シリコンを形成し、第2の保護膜262を形成する。尚、保護膜262は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。
次に、図45に示すように、第2の保護膜262の上に開口部274aを有するレジストパターン274を形成し、ソース電極242及びドレイン電極243が形成される領域に開口部262aを形成する。具体的には、第2の保護膜262の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極242及びドレイン電極243が形成される領域に開口部274aを有するレジストパターン274を形成する。この後、レジストパターン274の開口部274aにおける第2の保護膜262及び第1の保護膜261を除去することにより開口部262aを形成する。これにより、ソース電極242及びドレイン電極243が形成される領域におけるキャップ層223の表面を露出させる。
次に、図46に示すように、レジストパターン274を有機溶剤等により除去した後、開口部262a及び第2の保護膜262の上に、低仕事関数膜245a及び金属膜242aをスパッタリングにより積層して成膜する。これにより、開口部262aにおけるキャップ層223の上及び開口部262aの側面には、低仕事関数膜245aが形成され、低仕事関数膜245aの上には、開口部262aを埋め込むように金属膜242aが形成される。低仕事関数膜245aは、いわゆる仕事関数が4.5eV未満である低仕事関数材料により形成されている。具体的には、低仕事関数膜245aは、Al、Ti、Ta、Zr、Ag、TiN(メタルリッチ)、TaN(メタルリッチ)、TaC(メタルリッチ)、NiSi2等により形成されている。本実施の形態においては、低仕事関数膜245aは、厚さが1nm〜100nmのTaにより形成されており、金属膜242aは厚さが20nm〜500nmのAlを含む膜により形成されている。
次に、図47に示すように、レジストパターン275を形成し、レジストパターン275が形成されていない領域の金属膜242a及び低仕事関数膜245aを除去する。具体的には、金属膜242aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極242及びドレイン電極243が形成される領域にレジストパターン275を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン275が形成されていない領域における金属膜242a及び低仕事関数膜245aを除去する。これにより、金属膜242a及び低仕事関数膜245aにより、ソース電極242が形成される領域には、コンタクト膜245とソース電極242が形成され、ドレイン電極243が形成される領域には、コンタクト膜246とドレイン電極243が形成される。ソース電極242が形成される領域のコンタクト膜245は、キャップ層223の上に形成され、ソース電極242は、コンタクト膜245の上に形成される。ドレイン電極243が形成される領域のコンタクト膜246は、キャップ層223の上に形成され、ドレイン電極243は、コンタクト膜246の上に形成される。
次に、図48に示すように、レジストパターン275を有機溶剤等により除去した後、熱処理を行う。具体的には、この熱処理では、希ガス、窒素、酸素、アンモニア、水素ガスのうちのいずれか1つ、または、これらの混合ガスの雰囲気中において、550℃〜650℃の温度で、180秒以下の時間の熱処理を行う。本実施の形態においては、窒素雰囲気中において、600℃の温度で60秒間熱処理を行った。これにより、コンタクト膜245及び246に含まれている材料と、ソース電極242及びドレイン電極243に含まれているAlとが反応し、キャップ層223との接触抵抗を減らすことができる。
次に、図49に示すように、第3の保護膜263を成膜し、第3の保護膜263に開口部を形成して、ゲート配線部247、ソース配線部248、ドレイン配線部249を形成する。具体的には、第2の保護膜262、ソース電極242及びドレイン電極243の上に、第3の保護膜263を形成する。例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約1000nmの酸化シリコンを形成し、第3の保護膜263を形成する。尚、第3の保護膜263は、他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。この後、第3の保護膜263の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート配線部247、ソース配線部248、ドレイン配線部249が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における第3の保護膜263及び第2の保護膜262の一部をRIE等のドライエッチングにより除去し、ゲート電極241、ソース電極242、ドレイン電極243の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンを除去し、ゲート電極241、ソース電極242、ドレイン電極243等の上に、スパッタリング又はメッキ等により金属膜を成膜する。この後、金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート配線部247、ソース配線部248、ドレイン配線部249が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における金属膜をRIE等のドライエッチングにより除去し、第3の保護膜263の表面を露出させる。これにより、ゲート電極241の上にはゲート配線部247が形成され、ソース電極242の上にはソース配線部248が形成され、ドレイン電極243の上にはドレイン配線部249が形成される。
以上により、図36に示す構造の半導体装置を作製することができる。
(ゲート絶縁膜の影響)
図36に示される半導体装置において、上述した製造方法により、ゲート絶縁膜251の膜厚及び材料を変えたものを複数作製し、ゲートしきい値Vth及びゲートリーク電流Igを測定した。作製した半導体装置は、厚さ40nmのAlNにより形成したもの、厚さ50nmのAlNにより形成したもの、厚さ60nmのAlNにより形成したもの、厚さ20nmのAlNと厚さ20nmのSiNとの積層膜により形成したものである。
図50は、作製した複数の半導体装置におけるゲートしきい値電圧Vthの分布を示し、図51は、ゲートリーク電流Igの分布を示す。図50は、ソース電極に0V、ドレイン電極に1V印加した状態で測定したゲートしきい値電圧Vthの分布であり、図51は、ソース電極に0V、ドレイン電極に1V、ゲート電極に12V印加した場合におけるゲートリーク電流Igの分布を示す。尚、図50及び図51において、AlN40は、厚さ40nmのAlNにより形成したものの分布であり、AlN50は、厚さ50nmのAlNにより形成したものの分布であり、AlN60は、厚さ60nmのAlNにより形成したものの分布である。また、AlN20+SiN20は、厚さ20nmのAlNと厚さ20nmのSiNとの積層膜により形成したものの分布である。
図50に示されるように、ゲートしきい値Vthは、厚さ40nmのAlNにより形成したものと、厚さ20nmのAlNと厚さ20nmのSiNとの積層膜により形成したものがプラス方向に近くなる。また、図51に示されるように、ゲートリーク電流Igは、厚さ60nmのAlNにより形成したものと、厚さ20nmのAlNと厚さ20nmのSiNとの積層膜により形成したものが低くなる。
よって、厚さ20nmのAlNと厚さ20nmのSiNとの積層膜によりゲート絶縁膜251を形成することにより、ゲートしきい値Vthをプラス方向に近づけることができ、かつ、ゲートリーク電流Igを低くすることができる。
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について説明する。
本実施の形態における半導体装置は、図52に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123が形成されている。尚、電子走行層121はGaN等により形成されており、電子供給層122はAlGaN等により形成されており、キャップ層123はGaN等により形成されている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。尚、電子走行層121、電子供給層122及びキャップ層123には、素子分離のための素子分離領域130が形成されている。
キャップ層123の上において、ゲート電極141が形成される領域には、ゲート絶縁膜350が形成されており、ゲート絶縁膜350の上には、TiNによりゲート電極141が形成されている。ゲート絶縁膜350は、キャップ層123の上に積層された第1のゲート絶縁膜351と第2のゲート絶縁膜352により形成されている。第1のゲート絶縁膜351は、アルミニウムの窒化物、酸化物、酸窒化物により形成されており、第2のゲート絶縁膜352は、シリコンの窒化物、酸化物、酸窒化物により形成されている。本実施の形態においては、第1のゲート絶縁膜351は、厚さが約20nmのAlNにより形成されており、第2のゲート絶縁膜352は、厚さが約20nmのSiNにより形成されている。ゲート電極141の上には、Al等により第1のゲート配線部144が形成されており、第1のゲート配線部144の上には、第2のゲート配線部147が形成されている。尚、本実施の形態においては、ゲート電極141の上には、後述するハードマスク155の一部が残存している。
キャップ層123の上において、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりソース周辺絶縁膜152が形成されている。ソース電極142が形成される領域の中心部分及びソース周辺絶縁膜152の上には、コンタクト膜145が形成されている。コンタクト膜145の上には、Al等によりソース電極142が形成されており、ソース電極142の上には、Al等によりソース配線部148が形成されている。
キャップ層123の上において、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりドレイン周辺絶縁膜153が形成されている。ドレイン電極143が形成される領域の中心部分及びドレイン周辺絶縁膜153の上には、コンタクト膜146が形成されている。コンタクト膜146の上には、Al等によりドレイン電極143が形成されており、ドレイン電極143の上には、Al等によりドレイン配線部149が形成されている。尚、コンタクト膜145、146は、TiまたはTaを含む材料により形成されている。
キャップ層123の上において、ゲート電極141、ソース電極142、ドレイン電極143を除く領域には、AlN等により電極間絶縁膜360が形成されている。また、電極間絶縁膜360の上には、酸化シリコン等により、第1の保護膜161、第2の保護膜162、第3の保護膜163が積層して形成されている。電極間絶縁膜360は、キャップ層123の上に積層形成された第1の電極間絶縁膜361と第2の電極間絶縁膜362とにより形成されている。本実施の形態においては、第1の電極間絶縁膜361は厚さが約10nmのAlNにより形成されており、第2の電極間絶縁膜362は、厚さが約40nmのAlNにより形成されている。よって、電極間絶縁膜360は、厚さが約50nmのAlNにより形成されている。
本実施の形態においては、ゲート絶縁膜350は、厚さが約20nmのAlN等により形成された第1のゲート絶縁膜351と厚さが約20nmのSiN等により形成された第2のゲート絶縁膜352とを積層することにより形成されている。よって、ゲートしきい値Vthをプラス方向に近づけることができ、かつ、ゲートリーク電流Igを低くすることができる。
また、本実施の形態においては、ゲート電極141とドレイン電極143との間におけるキャップ層123の上には、AlN等により電極間絶縁膜360が形成されており、この領域の直下における2DEG121aを増やすことができる。これにより、オン抵抗を低くすることができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図53に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、MOCVDによるエピタキシャル成長により、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123を積層して形成する。バッファ層111は、厚さが数100nm〜2μmのAlN等を含む膜により形成されている。電子走行層121は、厚さが1μm〜3μmのGaN等により形成されている。電子供給層122は、厚さが数5nm〜30nmであって、Alの組成比が10%〜40%のAlGaNにより形成されている。キャップ層123は、厚さが8nm以下のGaNにより形成されている。尚、本実施の形態における半導体装置においては、キャップ層123は形成しなくともよい場合がある。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。
次に、図54に示すように、キャップ層123の上に開口部171aを有するレジストパターン171を形成し、キャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、素子分離領域130を形成する。具体的には、キャップ層123の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部171aを有するレジストパターン171を形成する。この後、レジストパターン171の開口部171aにおけるキャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンをイオン注入することにより、素子分離領域130を形成する。
次に、図55に示すように、レジストパターン171を有機溶剤等により除去した後、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するための窒化シリコン膜152aを成膜する。具体的には、プラズマCVDによりSiNを20nm〜200nm成膜することにより形成する。
次に、図56に示すように、窒化シリコン膜152aの上に、レジストパターン172を形成し、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域を除く窒化シリコン膜152aを除去する。具体的には、窒化シリコン膜152aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、窒化シリコン膜152aの上において、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン172を形成する。この後、レジストパターン172が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aを、フッ素成分を含む酸をエッチング液として用いたウェットエッチングにより除去し、キャップ層123の表面を露出させる。
次に、図57に示すように、レジストパターン172を有機溶剤等により除去した後、キャップ層123、残存している窒化シリコン膜152aの上に、窒化アルミニウム膜351a及び窒化シリコン膜352aを形成する。尚、窒化アルミニウム膜351aは、第1のゲート絶縁膜351及び第1の電極間絶縁膜361を形成するためのものであり、窒化シリコン膜352aは、第2のゲート絶縁膜352を形成するためのものである。具体的には、ALD等により、膜厚が20nmの窒化アルミニウム膜351a、膜厚が20nmの窒化シリコン膜352aを成膜することにより形成する。ALD等により成膜された窒化アルミニウム膜は多結晶、または、アモルファス状態の膜となる。この後、必要に応じて熱処理を行う。この際行われる熱処理は、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、500℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。また、窒化アルミニウム膜151aに代えて、酸化アルミニウム膜を形成してもよい。酸化アルミニウム膜において熱処理を行う場合には、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、600℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。
次に、図58に示すように、窒化シリコン膜352aの上に、ゲート電極141を形成するための導電膜141a及び窒化シリコン膜155aを積層して形成する。具体的には、導電膜141aは、高仕事関数膜または、高仕事関数膜と金属膜との積層膜をスパッタリングにより成膜することにより形成する。高仕事関数膜は、いわゆる仕事関数が4.5eV以上ある高仕事関数材料により形成されている。具体的には、高仕事関数膜は、Au、Ni、Co、TiN(窒素リッチ)、TaN(窒素リッチ)、TaC(カーボンリッチ)、Pt、W、Ru、Ni3Si、Pd等により形成されている。本実施の形態においては、導電膜141aは厚さが20nm〜500nmのTiNにより形成されている。窒化シリコン膜155aは、CVDにより厚さ50nm〜200nmのSiNを成膜することにより形成されている。
次に、図59に示すように、ゲート電極141が形成される領域の上に、窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。具体的には、窒化シリコン膜155aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、窒化シリコン膜155aにおいてハードマスク層155が形成される領域上にレジストパターン173を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン173が形成されていない領域における窒化シリコン膜155aを除去することにより、導電膜141aの上において、残存する窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。
次に、図60に示すように、レジストパターン173を有機溶剤等により除去した後、SiNにより形成されたハードマスク層155をマスクとして、導電膜141a、窒化シリコン膜352aをRIE等のドライエッチングにより除去する。この際、ハードマスク層155が形成されていない領域においては、オーバーエッチングされ、窒化アルミニウム膜351aの一部が除去されてもよい。これにより、ハードマスク層155が形成されていた領域には、導電膜141aによりゲート電極141が形成され、窒化アルミニウム膜351aにより第1のゲート絶縁膜351が形成され、窒化シリコン膜352aにより第2のゲート絶縁膜352が形成される。尚、本実施の形態においては、第1のゲート絶縁膜351と第2のゲート絶縁膜352とにより、ゲート絶縁膜350が形成される。また、キャップ層123の上において、第1のゲート絶縁膜351を除く領域には、残存する窒化アルミニウム膜351aにより、第1の電極間絶縁膜361が形成される。
次に、図61に示すように、ハードマスク層155及び第1の電極間絶縁膜361の上に、厚さが約40nmの第2の電極間絶縁膜362を形成するための窒化アルミニウム膜362aをALDにより形成する。尚、第2の電極間絶縁膜362は、ゲート電極141等が形成されていない領域におけるキャップ層123の上において、第1の電極間絶縁膜361を介して形成されている窒化アルミニウム膜362aにより形成される。これにより、ゲート電極141等が形成されていない領域におけるキャップ層123の上において、第1の電極間絶縁膜361と窒化アルミニウム膜362aにより形成される第2の電極間絶縁膜362により電極間絶縁膜360が形成される。第1の電極間絶縁膜361と第2の電極間絶縁膜362とにより形成される電極間絶縁膜360の膜厚は、30nm以上、100nm以下が好ましく、本実施の形態においては、電極間絶縁膜360の膜厚が約50nmとなるように形成されている。この後、必要に応じて熱処理を行う。この際行われる熱処理は、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、600℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。また、第2の電極間絶縁膜362については、窒化アルミニウム膜362aに代えて、酸化アルミニウム膜を用いてもよい。酸化アルミニウム膜において熱処理を行う場合には、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、600℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。
次に、図62に示すように、窒化アルミニウム膜362aの上に、第1の保護膜161を形成する。具体的には、例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約300nmの酸化シリコンを形成し、第1の保護膜161を形成する。尚、第1の保護膜161は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。
次に、図63に示すように、第1の保護膜161の上に、開口部174aを有するレジストパターン174を形成し、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部161aを形成し、ゲート電極141の表面を露出させる。具体的には、第1の保護膜161の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部174aを有するレジストパターン174を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン174の開口部174aにおける第1の保護膜161、窒化アルミニウム膜362a及びハードマスク層155を除去することにより開口部161aを形成する。これにより、ゲート電極141の表面を露出させる。
次に、図64に示すように、レジストパターン174を有機溶剤等により除去した後、第1のゲート配線部144を形成するためのTaNとAl等からなる積層金属膜をスパッタリングにより成膜する。これにより、積層金属膜は、ゲート電極141の上にも形成され、開口部161aは積層金属膜により埋め込まれる。この後、積層金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、積層金属膜において、第1のゲート配線部144が形成される領域の上にレジストパターン175を形成する。この後、RIE等によるドライエッチングによりレジストパターン175が形成されていない領域における積層金属膜を除去し、第1の保護膜161を露出させる。これにより、ゲート電極141の上に、第1のゲート配線部144が形成される。
次に、図65に示すように、レジストパターン175を有機溶剤等により除去した後、第1の保護膜161及び第1のゲート配線部144の上に、第2の保護膜162を形成する。具体的には、例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約300nmの酸化シリコンを形成し、第2の保護膜162を形成する。尚、保護膜162は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。
次に、図66に示すように、第2の保護膜162の上に開口部176aを有するレジストパターン176を形成し、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部162aを形成する。具体的には、第2の保護膜162の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部176aを有するレジストパターン176を形成する。この後、レジストパターン176の開口部176aにおける第2の保護膜162及び第1の保護膜161を除去することにより開口部162aを形成する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの上に形成されている窒化アルミニウム膜362aの表面を露出させる。
次に、図67に示すように、レジストパターン176を有機溶剤等により除去した後、開口部162aにおける窒化アルミニウム膜362a及び351aを除去し、窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。具体的には、第1の保護膜161及び第2の保護膜162をマスクとして、フッ素系のガスを用いてRIE等のドライエッチングにより、開口部162aにおける窒化アルミニウム膜362a及び351aを除去する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。
次に、図68に示すように、開口部177aを有するレジストパターン177を形成した後、窒化シリコン膜152aの一部を等方性エッチングにより除去することにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成する。具体的には、第2の保護膜162等の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するためのレジストパターン177を形成する。形成されたレジストパターン177は、ソース電極142が形成される領域の中心部分及びドレイン電極143が形成される領域の中心部分に開口部177aを有している。この後、レジストパターン177が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aをウェットエッチングまたは等方性ドライエッチングによりキャップ層123の表面が露出するまで除去する。これにより、キャップ層123の上の残存する窒化シリコン膜152aにより、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはソース周辺絶縁膜152が形成され、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはドレイン周辺絶縁膜153が形成される。
次に、図69に示すように、レジストパターン177を有機溶剤等により除去した後、開口部162a及び第2の保護膜162の上に、低仕事関数膜145a及び金属膜142aをスパッタリングにより積層して成膜する。これにより、開口部162aにおけるソース周辺絶縁膜152、ドレイン周辺絶縁膜153、キャップ層123の上及び開口部162aの側面には、低仕事関数膜145aが形成される。また、低仕事関数膜145aの上には、開口部162aを埋め込むように金属膜142aが形成される。低仕事関数膜145aは、いわゆる仕事関数が4.5eV未満である低仕事関数材料により形成されている。具体的には、低仕事関数膜145aは、Al、Ti、Ta、Zr、Ag、TiN(メタルリッチ)、TaN(メタルリッチ)、TaC(メタルリッチ)、NiSi2等により形成されている。本実施の形態においては、低仕事関数膜145aは、厚さが1nm〜100nmのTaにより形成されており、金属膜142aは厚さが20nm〜500nmのAlを含む膜により形成されている。
次に、図70に示すように、レジストパターン178を形成し、レジストパターン178が形成されていない領域の金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。具体的には、金属膜142aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン178を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン178が形成されていない領域における金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。これにより、金属膜142a及び低仕事関数膜145aにより、ソース電極142が形成される領域には、コンタクト膜145とソース電極142が形成され、ドレイン電極143が形成される領域には、コンタクト膜146とドレイン電極143が形成される。ソース電極142が形成される領域のコンタクト膜145は、ソース電極142が形成される領域の周辺部分に形成されたソース周辺絶縁膜152の上と、中央部分のキャップ層123の上に形成される。また、ソース電極142は、コンタクト膜145の上に形成される。ドレイン電極143が形成される領域のコンタクト膜146は、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分に形成されたドレイン周辺絶縁膜153の上と、中央部分のキャップ層123の上に形成される。また、ドレイン電極143は、コンタクト膜146の上に形成される。
次に、図71に示すように、レジストパターン178を有機溶剤等により除去した後、熱処理を行う。具体的には、この熱処理では、希ガス、窒素、酸素、アンモニア、水素ガスのうちのいずれか1つ、または、これらの混合ガスの雰囲気中において、550℃〜650℃の温度で、180秒以下の時間の熱処理を行う。本実施の形態においては、窒素雰囲気中において、600℃の温度で60秒間熱処理を行った。これにより、コンタクト膜145及び146に含まれている材料と、ソース電極142及びドレイン電極143に含まれているAlとが反応し、キャップ層123との接触抵抗を減らすことができる。
次に、図72に示すように、第3の保護膜163を成膜し、第3の保護膜163に開口部を形成して、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149を形成する。具体的には、第2の保護膜162、ソース電極142及びドレイン電極143の上に、第3の保護膜163を形成する。例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約1000nmの酸化シリコンを形成し、第3の保護膜163を形成する。尚、第3の保護膜163は、他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。この後、第3の保護膜163の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における第3の保護膜163及び第2の保護膜162の一部をRIE等のドライエッチングにより除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンを除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143等の上に、スパッタリング又はメッキ等により金属膜を成膜する。この後、金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における金属膜をRIE等のドライエッチングにより除去し、第3の保護膜163の表面を露出させる。これにより、第1のゲート配線部144の上には第2のゲート配線部147が形成され、ソース電極142の上にはソース配線部148が形成され、ドレイン電極143の上にはドレイン配線部149が形成される。
以上により、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ノーマリーオフとなる半導体装置である。
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について説明する。
本実施の形態における半導体装置は、図73に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122が形成されている。尚、電子走行層121はGaN等により形成されており、電子供給層122はAlGaN等により形成されている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。尚、電子走行層121及び電子供給層122には、素子分離のための素子分離領域130が形成されている。
電子供給層122の上において、ゲート電極141が形成される領域には、p−GaN等によりp型層420が形成されており、p型層420の上には、TiNによりゲート電極141が形成されている。p型層420を形成することにより、p型層420の直下における2DEG122aを減少または消失させることができ、ノーマリーオフにすることができる。
ゲート電極141の上には、Al等により第1のゲート配線部144が形成されており、第1のゲート配線部144の上には、第2のゲート配線部147が形成されている。尚、本実施の形態においては、ゲート電極141の上には、後述するハードマスク155の一部が残存している。
電子供給層122の上において、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりソース周辺絶縁膜152が形成されている。ソース電極142が形成される領域の中心部分及びソース周辺絶縁膜152の上には、コンタクト膜145が形成されている。コンタクト膜145の上には、Al等によりソース電極142が形成されており、ソース電極142の上には、Al等によりソース配線部148が形成されている。
電子供給層122の上において、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりドレイン周辺絶縁膜153が形成されている。ドレイン電極143が形成される領域の中心部分及びドレイン周辺絶縁膜153の上には、コンタクト膜146が形成されている。コンタクト膜146の上には、Al等によりドレイン電極143が形成されており、ドレイン電極143の上には、Al等によりドレイン配線部149が形成されている。尚、コンタクト膜145、146は、TiまたはTaを含む材料により形成されている。
電子供給層122の上において、ゲート電極141、ソース電極142、ドレイン電極143を除く領域には、AlN等により電極間絶縁膜450が形成されている。また、電極間絶縁膜450の上には、酸化シリコン等により、第1の保護膜461、第2の保護膜462が積層して形成されている。本実施の形態においては、電極間絶縁膜450は厚さが約50nmのAlNにより形成されており、p型層420は電極間絶縁膜450と接している。
また、本実施の形態においては、ゲート電極141とドレイン電極143との間における電子供給層122の上には、AlN等により電極間絶縁膜450が形成されており、この領域の直下における2DEG121aを増やすことができる。これにより、オン抵抗を低くすることができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図74に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、MOCVDによるエピタキシャル成長により、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122、p型膜420aを積層して形成する。バッファ層111は、厚さが数100nm〜2μmのAlN等を含む膜により形成されている。電子走行層121は、厚さが1μm〜3μmのGaN等により形成されている。電子供給層122は、厚さが数5nm〜30nmであって、Alの組成比が10%〜40%のAlGaNにより形成されている。p型膜420aは、厚さが40〜200nm以下のp−GaNにより形成されている。p型膜420aは、GaNにp型となる不純物元素としてMgを2×1018cm−3〜2×1019cm−3ドープすることにより形成されている。尚、p型膜420aは、AlGaNにMg等のp型となる不純物元素をドープしたものであってもよい。
次に、図75に示すように、p型膜420aの上に開口部471aを有するレジストパターン471を形成し、p型膜420a、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、素子分離領域130を形成する。具体的には、p型膜420aの上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部471aを有するレジストパターン471を形成する。この後、レジストパターン471の開口部471aにおけるp型膜420a、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンをイオン注入することにより、素子分離領域130を形成する。
次に、図76に示すように、レジストパターン471を有機溶剤等により除去した後、p型膜420aの上に、ゲート電極141を形成するための導電膜141a及び窒化シリコン膜155aを積層して形成する。具体的には、導電膜141aは、高仕事関数膜または、高仕事関数膜と金属膜との積層膜をスパッタリングにより成膜することにより形成する。高仕事関数膜は、いわゆる仕事関数が4.5eV以上ある高仕事関数材料により形成されている。具体的には、高仕事関数膜は、Au、Ni、Co、TiN(窒素リッチ)、TaN(窒素リッチ)、TaC(カーボンリッチ)、Pt、W、Ru、Ni3Si、Pd等により形成されている。本実施の形態においては、導電膜141aは厚さが20nm〜500nmのTiNにより形成されている。窒化シリコン膜155aは、CVDにより厚さ50nm〜200nmのSiNを成膜することにより形成されている。
次に、図77に示すように、ゲート電極141が形成される領域の上に、窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。具体的には、窒化シリコン膜155aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、窒化シリコン膜155aにおいてハードマスク層155が形成される領域上にレジストパターン472を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン472が形成されていない領域における窒化シリコン膜155aを除去することにより、導電膜141aの上において、残存する窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。
次に、図78に示すように、レジストパターン472を有機溶剤等により除去した後、SiNにより形成されたハードマスク層155をマスクとして、導電膜141a、p型膜420aをRIE等のドライエッチングにより除去する。これにより、ハードマスク層155が形成されていた領域には、導電膜141aによりゲート電極141が形成され、p型膜420aによりp型層420が形成される。これにより、p型膜420aの除去された領域の直下においては、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。一方、p型層420が形成されている領域の直下においては、2DEG121aは消失等しているため、ノーマリーオフにすることができる。
次に、図79に示すように、電子供給層122及びハードマスク層155の上に、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するための窒化シリコン膜152aを成膜する。具体的には、プラズマCVDによりSiNを20nm〜200nm成膜することにより形成する。
次に、図80に示すように、窒化シリコン膜152aの上に、レジストパターン473を形成し、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域を除く窒化シリコン膜152aを除去する。具体的には、窒化シリコン膜152aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、窒化シリコン膜152aの上において、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン473を形成する。この後、レジストパターン473が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aを、フッ素成分を含む酸をエッチング液として用いたウェットエッチングにより除去し、電子供給層122の表面を露出させる。
次に、図81に示すように、レジストパターン473を有機溶剤等により除去した後、電子供給層122、ハードマスク層155、残存している窒化シリコン膜152aの上に、窒化アルミニウム膜450aを形成する。具体的には、ALD等により、膜厚が約50nmの窒化アルミニウム膜450aを成膜することにより形成する。ALD等により成膜された窒化アルミニウム膜は多結晶、または、アモルファス状態の膜となる。成膜される窒化アルミニウム膜450aは、厚さが10nm〜200nmであることが好ましく、更には、30nm〜100nmであることが好ましい。この後、必要に応じて熱処理を行う。この際行われる熱処理は、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、500℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。また、窒化アルミニウム膜450に代えて、酸化アルミニウム膜を形成してもよい。酸化アルミニウム膜において熱処理を行う場合には、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、600℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。本実施の形態においては、ゲート電極141とドレイン電極143との間、ゲート電極141とソース電極142との間における電子供給層122の上に形成されている窒化アルミニウム膜450aを電極間絶縁膜450と記載する場合がある。
次に、図82に示すように、窒化アルミニウム膜450aの上に、開口部474aを有するレジストパターン474を形成し、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部451aを形成し、ゲート電極141の表面を露出させる。具体的には、窒化アルミニウム膜450aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部474aを有するレジストパターン474を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン474の開口部474aにおける窒化アルミニウム膜450a及びハードマスク層155を除去することにより開口部451aを形成する。これにより、ゲート電極141の表面を露出させる。
次に、図83に示すように、レジストパターン474を有機溶剤等により除去した後、第1のゲート配線部144を形成するためのTaNとAl等からなる積層金属膜をスパッタリングにより成膜する。これにより、積層金属膜は、ゲート電極141の上に形成され、開口部451aは積層金属膜により埋め込まれる。この後、積層金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、積層金属膜において、第1のゲート配線部144が形成される領域の上にレジストパターン475を形成する。この後、RIE等によるドライエッチングによりレジストパターン475が形成されていない領域における積層金属膜を除去し、窒化アルミニウム膜450aを露出させる。これにより、ゲート電極141の上に、第1のゲート配線部144が形成される。
次に、図84に示すように、レジストパターン475を有機溶剤等により除去した後、第1の保護膜461を形成する。具体的には、例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約300nmの酸化シリコンを形成し、第1の保護膜461を形成する。尚、第1の保護膜461は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。
次に、図85に示すように、第1の保護膜461の上に開口部476aを有するレジストパターン476を形成し、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部461aを形成する。具体的には、第1の保護膜461の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部476aを有するレジストパターン476を形成する。この後、レジストパターン476の開口部476aにおける第1の保護膜461を除去することにより開口部461aを形成する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの上の窒化アルミニウム膜450aの表面を露出させる。
次に、図86に示すように、レジストパターン476を有機溶剤等により除去した後、開口部461aにおける窒化アルミニウム膜450aを除去し、窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。具体的には、第1の保護膜461をマスクとして、フッ素系のガスを用いてRIE等のドライエッチングにより、開口部461aにおける窒化アルミニウム膜450aを除去する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。
次に、図87に示すように、開口部477aを有するレジストパターン477を形成した後、窒化シリコン膜152aの一部を等方性エッチングにより除去することにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成する。具体的には、第1の保護膜461等の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するためのレジストパターン477を形成する。形成されたレジストパターン477は、ソース電極142が形成される領域の中心部分及びドレイン電極143が形成される領域の中心部分に開口部477aを有している。この後、レジストパターン477が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aをウェットエッチングまたは等方性ドライエッチングにより電子供給層122の表面が露出するまで除去する。これにより、電子供給層122の上の残存する窒化シリコン膜152aにより、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはソース周辺絶縁膜152が形成され、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはドレイン周辺絶縁膜153が形成される。
次に、図88に示すように、レジストパターン477を有機溶剤等により除去した後、開口部461a及び第1の保護膜461の上に、低仕事関数膜145a及び金属膜142aをスパッタリングにより積層して成膜する。これにより、開口部461aにおけるソース周辺絶縁膜152、ドレイン周辺絶縁膜153、電子供給層122の上及び開口部461aの側面には、低仕事関数膜145aが形成される。また、低仕事関数膜145aの上には、開口部461aを埋め込むように金属膜142aが形成される。低仕事関数膜145aは、いわゆる仕事関数が4.5eV未満である低仕事関数材料により形成されている。具体的には、低仕事関数膜145aは、Al、Ti、Ta、Zr、Ag、TiN(メタルリッチ)、TaN(メタルリッチ)、TaC(メタルリッチ)、NiSi2等により形成されている。本実施の形態においては、低仕事関数膜145aは、厚さが1nm〜100nmのTaにより形成されており、金属膜142aは厚さが20nm〜500nmのAlを含む膜により形成されている。
次に、図89に示すように、レジストパターン478を形成し、レジストパターン478が形成されていない領域の金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。具体的には、金属膜142aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン478を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン478が形成されていない領域における金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。これにより、金属膜142a及び低仕事関数膜145aにより、ソース電極142が形成される領域には、コンタクト膜145とソース電極142が形成され、ドレイン電極143が形成される領域には、コンタクト膜146とドレイン電極143が形成される。ソース電極142が形成される領域のコンタクト膜145は、ソース電極142が形成される領域の周辺部分に形成されたソース周辺絶縁膜152の上と、中央部分の電子供給層122の上に形成される。また、ソース電極142は、コンタクト膜145の上に形成される。ドレイン電極143が形成される領域のコンタクト膜146は、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分に形成されたドレイン周辺絶縁膜153の上と、中央部分の電子供給層122の上に形成される。また、ドレイン電極143は、コンタクト膜146の上に形成される。
次に、図90に示すように、レジストパターン478を有機溶剤等により除去した後、熱処理を行う。具体的には、この熱処理では、希ガス、窒素、酸素、アンモニア、水素ガスのうちのいずれか1つ、または、これらの混合ガスの雰囲気中において、550℃〜650℃の温度で、180秒以下の時間の熱処理を行う。本実施の形態においては、窒素雰囲気中において、600℃の温度で60秒間熱処理を行った。これにより、コンタクト膜145及び146に含まれている材料と、ソース電極142及びドレイン電極143に含まれているAlとが反応し、電子供給層122との接触抵抗を減らすことができる。
次に、図91に示すように、第2の保護膜462を成膜し、第2の保護膜462に開口部を形成して、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149を形成する。具体的には、第1の保護膜461、ソース電極142及びドレイン電極143の上に、第2の保護膜462を形成する。例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約1000nmの酸化シリコンを形成し、第2の保護膜462を形成する。尚、第2の保護膜462は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。この後、第2の保護膜462の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における第2の保護膜462及び第1の保護膜461の一部をRIE等のドライエッチングにより除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンを除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143等の上に、スパッタリング又はメッキ等により金属膜を成膜する。この後、金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における金属膜をRIE等のドライエッチングにより除去し、第2の保護膜462の表面を露出させる。これにより、第1のゲート配線部144の上には第2のゲート配線部147が形成され、ソース電極142の上にはソース配線部148が形成され、ドレイン電極143の上にはドレイン配線部149が形成される。
以上により、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ノーマリーオフとなる半導体装置である。
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について説明する。
本実施の形態における半導体装置は、図92に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122が形成されている。尚、電子走行層121はGaN等により形成されており、電子供給層122はAlGaN等により形成されている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。尚、電子走行層121及び電子供給層122には、素子分離のための素子分離領域130が形成されている。
電子供給層122の上において、ゲート電極141が形成される領域には、p−GaN等によりp型層420が形成されており、p型層420の上には、TiNによりゲート電極141が形成されている。p型層420を形成することにより、p型層420の直下における2DEG122aを減少または消失させることができ、ノーマリーオフにすることができる。
ゲート電極141の上には、Al等により第1のゲート配線部144が形成されており、第1のゲート配線部144の上には、第2のゲート配線部147が形成されている。尚、本実施の形態においては、ゲート電極141の上には、後述するハードマスク155の一部が残存している。
電子供給層122の上において、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりソース周辺絶縁膜152が形成されている。ソース電極142が形成される領域の中心部分及びソース周辺絶縁膜152の上には、コンタクト膜145が形成されている。コンタクト膜145の上には、Al等によりソース電極142が形成されており、ソース電極142の上には、Al等によりソース配線部148が形成されている。
電子供給層122の上において、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはSiN等によりドレイン周辺絶縁膜153が形成されている。ドレイン電極143が形成される領域の中心部分及びドレイン周辺絶縁膜153の上には、コンタクト膜146が形成されている。コンタクト膜146の上には、Al等によりドレイン電極143が形成されており、ドレイン電極143の上には、Al等によりドレイン配線部149が形成されている。尚、コンタクト膜145、146は、TiまたはTaを含む材料により形成されている。
電子供給層122の上において、ゲート電極141、ソース電極142、ドレイン電極143を除く領域には、AlN等により電極間絶縁膜450が形成されている。また、電極間絶縁膜450の上には、酸化シリコン等により、第1の保護膜461、第2の保護膜462が積層して形成されている。本実施の形態においては、電極間絶縁膜450は厚さが約50nmのAlNにより形成されている。また、p型層420、ゲート電極141、ハードマスク155の一部を覆うように、SiN等によりゲート側部絶縁体膜452が形成されている。これにより、p型層420及びゲート電極141と電極間絶縁膜450との間には、ゲート側部絶縁体膜452が形成されており、p型層420及びゲート電極141と電極間絶縁膜450とは接触していない。
また、本実施の形態においては、ゲート電極141とドレイン電極143との間における電子供給層122の上には、AlN等により電極間絶縁膜450が形成されており、この領域の直下における2DEG121aを増やすことができる。これにより、オン抵抗を低くすることができる。
(ゲートリーク電流)
第3の実施の形態における半導体装置と第4の実施の形態における半導体装置を作製し、ゲートリーク電流Igを測定した。図93は、ソース電極に0V、ドレイン電極に1V、ゲート電極に6V印加した場合におけるゲートリーク電流Igの分布を示す。図93に示されるように、第3の実施の形態における半導体装置におけるゲートリーク電流Igは、平均が約1×10−2A/mmであるのに対し、第4の実施の形態における半導体装置におけるゲートリーク電流Igは、平均が約1×10−7A/mmであった。よって、第4の実施の形態における半導体装置は、第3の実施の形態における半導体装置よりもゲートリーク電流Igを5桁程低くすることができる。
第4の実施の形態における半導体装置においては、p型層420及びゲート電極141と電極間絶縁膜450との間にゲート側部絶縁体膜452を形成し、p型層420及びゲート電極141と電極間絶縁膜450とが接触しない構造としたことにより、第3の実施の形態における半導体装置において、p型層420及びゲート電極141と電極間絶縁膜450が接触する構造とした場合に比べて、ゲートリーク電流Igを低減させることができることが確認された。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
最初に、図94に示すように、SiまたはSiC等の基板110の上に、MOCVDによるエピタキシャル成長により、バッファ層111、電子走行層121、電子供給層122、p型膜420aを積層して形成する。バッファ層111は、厚さが数100nm〜2μmのAlN等を含む膜により形成されている。電子走行層121は、厚さが1μm〜3μmのGaN等により形成されている。電子供給層122は、厚さが数5nm〜30nmであって、Alの組成比が10%〜40%のAlGaNにより形成されている。p型膜420aは、厚さが40〜200nm以下のp−GaNにより形成されている。p型膜420aは、GaNにp型となる不純物元素としてMgを2×1018cm−3〜2×1019cm−3ドープすることにより形成されている。尚、p型膜420aは、AlGaNにMg等のp型となる不純物元素をドープしたものであってもよい。
次に、図95に示すように、p型膜420aの上に開口部471aを有するレジストパターン471を形成し、p型膜420a、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、素子分離領域130を形成する。具体的には、p型膜420aの上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部471aを有するレジストパターン471を形成する。この後、レジストパターン471の開口部471aにおけるp型膜420a、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンをイオン注入することにより、素子分離領域130を形成する。
次に、図96に示すように、レジストパターン471を有機溶剤等により除去した後、p型膜420aの上に、ゲート電極141を形成するための導電膜141a及び窒化シリコン膜155aを積層して形成する。具体的には、導電膜141aは、高仕事関数膜または、高仕事関数膜と金属膜との積層膜をスパッタリングにより成膜することにより形成する。高仕事関数膜は、いわゆる仕事関数が4.5eV以上ある高仕事関数材料により形成されている。具体的には、高仕事関数膜は、Au、Ni、Co、TiN(窒素リッチ)、TaN(窒素リッチ)、TaC(カーボンリッチ)、Pt、W、Ru、Ni3Si、Pd等により形成されている。本実施の形態においては、導電膜141aは厚さが20nm〜500nmのTiNにより形成されている。窒化シリコン膜155aは、CVDにより厚さ50nm〜200nmのSiNを成膜することにより形成されている。
次に、図97に示すように、ゲート電極141が形成される領域の上に、窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。具体的には、窒化シリコン膜155aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、窒化シリコン膜155aにおいてハードマスク層155が形成される領域上にレジストパターン472を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン472が形成されていない領域における窒化シリコン膜155aを除去することにより、導電膜141aの上において、残存する窒化シリコン膜155aによりハードマスク層155を形成する。
次に、図98に示すように、レジストパターン472を有機溶剤等により除去した後、SiNにより形成されたハードマスク層155をマスクとして、導電膜141a、p型膜420aをRIE等のドライエッチングにより除去する。これにより、ハードマスク層155が形成されていた領域には、導電膜141aによりゲート電極141が形成され、p型膜420aによりp型層420が形成される。これにより、p型膜420aの除去された領域の直下においては、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。一方、p型層420が形成されている領域の直下においては、2DEG121aは消失等しているため、ノーマリーオフにすることができる。
次に、図99に示すように、電子供給層122及びハードマスク層155の上に、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するための窒化シリコン膜152aを成膜する。具体的には、プラズマCVDによりSiNを20nm〜200nm成膜することにより形成する。
次に、図100に示すように、窒化シリコン膜152aの上において、ゲート側部絶縁体膜452、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に、レジストパターン480を形成する。具体的には、窒化シリコン膜152aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、窒化シリコン膜152aの上において、ゲート側部絶縁体膜452、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン480を形成する。
次に、図101に示すように、レジストパターン480が形成されていない領域の窒化シリコン膜152aを除去する。具体的には、レジストパターン480が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aを、フッ素成分を含む酸をエッチング液として用いたウェットエッチングにより除去し、電子供給層122の表面を露出させる。これにより、ゲート側部絶縁体膜452、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に窒化シリコン膜152aを残存させる。
次に、図102に示すように、レジストパターン480を有機溶剤等により除去した後、電子供給層122、残存している窒化シリコン膜152aの上に、窒化アルミニウム膜450aを形成する。具体的には、ALD等により、膜厚が約50nmの窒化アルミニウム膜450aを成膜することにより形成する。ALD等により成膜された窒化アルミニウム膜は多結晶、または、アモルファス状態の膜となる。成膜される窒化アルミニウム膜450aは、厚さが10nm〜200nmであることが好ましく、更には、30nm〜100nmであることが好ましい。この後、必要に応じて熱処理を行う。この際行われる熱処理は、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、500℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。また、窒化アルミニウム膜450aに代えて、酸化アルミニウム膜を形成してもよい。酸化アルミニウム膜において熱処理を行う場合には、希ガスまたは窒素ガス雰囲気中において、600℃〜800℃の温度で、180秒以下の時間で行う。本実施の形態においては、ゲート電極141とドレイン電極143との間、ゲート電極141とソース電極142との間における電子供給層122の上に形成されている窒化アルミニウム膜450aを電極間絶縁膜450と記載する場合がある。
次に、図103に示すように、窒化アルミニウム膜450aの上に、開口部474aを有するレジストパターン474を形成し、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部451aを形成し、ゲート電極141の表面を露出させる。具体的には、窒化アルミニウム膜450aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1のゲート配線部144が形成される領域に開口部474aを有するレジストパターン474を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン474の開口部474aにおける窒化アルミニウム膜450a、窒化シリコン膜152a及びハードマスク層155を除去することにより開口部451aを形成する。これにより、ゲート電極141の表面を露出させる。これにより、p型層420及びゲート電極141の側壁には、窒化シリコン膜152aによりゲート側部絶縁体膜452が形成され、p型層420と電極間絶縁膜450との間は、ゲート側部絶縁体膜452により隔てられている。
次に、図104に示すように、レジストパターン474を有機溶剤等により除去した後、第1のゲート配線部144を形成するためのTaNとAl等からなる積層金属膜をスパッタリングにより成膜する。これにより、積層金属膜は、ゲート電極141の上に形成され、開口部451aは積層金属膜により埋め込まれる。この後、積層金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、積層金属膜において、第1のゲート配線部144が形成される領域の上にレジストパターン475を形成する。この後、RIE等によるドライエッチングによりレジストパターン475が形成されていない領域における積層金属膜を除去し、窒化アルミニウム膜450aを露出させる。これにより、ゲート電極141の上に、第1のゲート配線部144が形成される。
次に、図105に示すように、レジストパターン475を有機溶剤等により除去した後、第1の保護膜461を形成する。具体的には、例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約300nmの酸化シリコンを形成し、第1の保護膜461を形成する。尚、第1の保護膜461は、他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。
次に、図106に示すように、第1の保護膜461の上に開口部476aを有するレジストパターン476を形成し、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部461aを形成する。具体的には、第1の保護膜461の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部476aを有するレジストパターン476を形成する。この後、レジストパターン476の開口部476aにおける第1の保護膜461を除去することにより開口部461aを形成する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの上の窒化アルミニウム膜450aの表面を露出させる。
次に、図107に示すように、レジストパターン476を有機溶剤等により除去した後、開口部461aにおける窒化アルミニウム膜450aを除去し、窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。具体的には、第1の保護膜461をマスクとして、フッ素系のガスを用いてRIE等のドライエッチングにより、開口部461aにおける窒化アルミニウム膜450aを除去する。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域における窒化シリコン膜152aの表面を露出させる。
次に、図108に示すように、開口部477aを有するレジストパターン477を形成した後、窒化シリコン膜152aの一部を等方性エッチングにより除去することにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成する。具体的には、第1の保護膜461等の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース周辺絶縁膜152及びドレイン周辺絶縁膜153を形成するためのレジストパターン477を形成する。形成されたレジストパターン477は、ソース電極142が形成される領域の中心部分及びドレイン電極143が形成される領域の中心部分に開口部477aを有している。この後、レジストパターン477が形成されていない領域における窒化シリコン膜152aをウェットエッチングまたは等方性ドライエッチングにより電子供給層122の表面が露出するまで除去する。これにより、電子供給層122の上の残存する窒化シリコン膜152aにより、ソース電極142が形成される領域の周辺部分にはソース周辺絶縁膜152が形成され、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分にはドレイン周辺絶縁膜153が形成される。
次に、図109に示すように、レジストパターン477を有機溶剤等により除去した後、開口部461a及び第1の保護膜461の上に、低仕事関数膜145a及び金属膜142aをスパッタリングにより積層して成膜する。これにより、開口部461aにおけるソース周辺絶縁膜152、ドレイン周辺絶縁膜153、電子供給層122の上及び開口部461aの側面には、低仕事関数膜145aが形成される。また、低仕事関数膜145aの上には、開口部461aを埋め込むように金属膜142aが形成される。低仕事関数膜145aは、いわゆる仕事関数が4.5eV未満である低仕事関数材料により形成されている。具体的には、低仕事関数膜145aは、Al、Ti、Ta、Zr、Ag、TiN(メタルリッチ)、TaN(メタルリッチ)、TaC(メタルリッチ)、NiSi2等により形成されている。本実施の形態においては、低仕事関数膜145aは、厚さが1nm〜100nmのTaにより形成されており、金属膜142aは厚さが20nm〜500nmのAlを含む膜により形成されている。
次に、図110に示すように、レジストパターン478を形成し、レジストパターン478が形成されていない領域の金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。具体的には、金属膜142aの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域にレジストパターン478を形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターン478が形成されていない領域における金属膜142a及び低仕事関数膜145aを除去する。これにより、金属膜142a及び低仕事関数膜145aにより、ソース電極142が形成される領域には、コンタクト膜145とソース電極142が形成され、ドレイン電極143が形成される領域には、コンタクト膜146とドレイン電極143が形成される。ソース電極142が形成される領域のコンタクト膜145は、ソース電極142が形成される領域の周辺部分に形成されたソース周辺絶縁膜152の上と、中央部分の電子供給層122の上に形成される。また、ソース電極142は、コンタクト膜145の上に形成される。ドレイン電極143が形成される領域のコンタクト膜146は、ドレイン電極143が形成される領域の周辺部分に形成されたドレイン周辺絶縁膜153の上と、中央部分の電子供給層122の上に形成される。また、ドレイン電極143は、コンタクト膜146の上に形成される。
次に、図111に示すように、レジストパターン478を有機溶剤等により除去した後、熱処理を行う。具体的には、この熱処理では、希ガス、窒素、酸素、アンモニア、水素ガスのうちのいずれか1つ、または、これらの混合ガスの雰囲気中において、550℃〜650℃の温度で、180秒以下の時間の熱処理を行う。本実施の形態においては、窒素雰囲気中において、600℃の温度で60秒間熱処理を行った。これにより、コンタクト膜145及び146に含まれている材料と、ソース電極142及びドレイン電極143に含まれているAlとが反応し、電子供給層122との接触抵抗を減らすことができる。
次に、図112に示すように、第2の保護膜462を成膜し、第2の保護膜462に開口部を形成して、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149を形成する。具体的には、第1の保護膜461、ソース電極142及びドレイン電極143の上に、第2の保護膜462を形成する。例えば、スピンコートにより酸化シリコンを含む塗布型絶縁材料を塗布した後、キュアにより固化させることにより、厚さが約1000nmの酸化シリコンを形成し、第2の保護膜462を形成する。尚、第2の保護膜462は他の成膜方法で成膜してもよく、表面を平坦化させるためCMP等を用いてもよい。この後、第2の保護膜462の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における第2の保護膜462及び第1の保護膜461の一部をRIE等のドライエッチングにより除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143の表面を露出させる。この後、不図示のレジストパターンを除去し、第1のゲート配線部144、ソース電極142、ドレイン電極143等の上に、スパッタリング又はメッキ等により金属膜を成膜する。この後、金属膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2のゲート配線部147、ソース配線部148、ドレイン配線部149が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されていない領域における金属膜をRIE等のドライエッチングにより除去し、第2の保護膜462の表面を露出させる。これにより、第1のゲート配線部144の上には第2のゲート配線部147が形成され、ソース電極142の上にはソース配線部148が形成され、ドレイン電極143の上にはドレイン配線部149が形成される。
以上により、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板の上に窒化物半導体により形成された窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層の上に形成されたゲート電極と、
前記窒化物半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記窒化物半導体層の上において、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に形成された第1電極間絶縁膜と、
前記窒化物半導体層と前記ドレイン電極の周辺部分との間に形成されたドレイン周辺絶縁膜と、
を有し、
前記窒化物半導体層は、前記基板の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層、第2の半導体層を順に積層することにより形成されており、
前記ドレイン周辺絶縁膜は、シリコンの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されており、
前記第1電極間絶縁膜は、アルミニウムの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記窒化物半導体層と前記ゲート電極との間には、ゲート絶縁膜が形成されており、
前記ゲート絶縁膜は、アルミニウムの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記ゲート絶縁膜は、前記第1電極間絶縁膜と同一の材料により形成されていることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記窒化物半導体層と前記ゲート電極との間には、窒化物半導体により第1の導電型層が形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記5)
前記第1の導電型は、p型であることを特徴とする付記4に記載の半導体装置。
(付記6)
前記第1電極間絶縁膜の膜厚は、30nm以上、100nm以下であることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7)
前記窒化物半導体層の上において、前記ゲート電極と前記ソース電極との間に形成された第2電極間絶縁膜と、
前記窒化物半導体層と前記ソース電極の周辺部分との間に形成されたソース周辺絶縁膜を有し、
前記ソース周辺絶縁膜は、シリコンの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記8)
前記ドレイン周辺絶縁膜は、窒化シリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の半導体装置。
(付記9)
前記電極間絶縁膜は、窒化アルミニウムを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の半導体装置。
(付記10)
基板の上に窒化物半導体により形成された窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層の上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
前記窒化物半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記窒化物半導体層は、前記基板の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層、第2の半導体層を順に積層することにより形成されており、
前記ゲート絶縁膜は、前記窒化物半導体層の上に、第1のゲート絶縁膜、第2のゲート絶縁膜の順に積層することにより形成されており、
前記第1のゲート絶縁膜は、アルミニウムの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されており、
前記第2のゲート絶縁膜は、シリコンの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記11)
前記窒化物半導体層の上において、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に形成された電極間絶縁膜を有し、
前記電極間絶縁膜は、アルミニウムの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする付記10に記載の半導体装置。
(付記12)
前記電極間絶縁膜は、前記第1のゲート絶縁膜と同一の材料により形成されていることを特徴とする付記11に記載の半導体装置。
(付記13)
前記電極間絶縁膜の膜厚は、30nm以上、100nm以下であることを特徴とする付記11または12に記載の半導体装置。
(付記14)
前記電極間絶縁膜の厚さは、前記第1のゲート絶縁膜よりも厚いことを特徴とする付記11から13のいずれかに記載の半導体装置。
(付記15)
前記窒化物半導体層と前記ドレイン電極の周辺部分との間に形成されたドレイン周辺絶縁膜を有し、
前記ドレイン周辺絶縁膜は、シリコンの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする付記10から14のいずれかに記載の半導体装置。
(付記16)
前記第1のゲート絶縁膜は、窒化アルミニウムを含む材料により形成されており、
前記第2のゲート絶縁膜は、窒化シリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする付記10から15のいずれかに記載の半導体装置。
(付記17)
前記電極間絶縁膜は、窒化アルミニウムを含む材料により形成されていることを特徴とする付記10から16のいずれかに記載の半導体装置。
(付記18)
基板の上に窒化物半導体により形成された窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層の上に窒化物半導体により形成された形成された第1の導電型層と、
前記第1の導電型層の上に形成されたゲート電極と、
前記窒化物半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記窒化物半導体層の上において、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に形成された電極間絶縁膜と、
前記第1の導電型層と前記電極間絶縁膜との間に形成された絶縁体膜と、
を有し、
前記窒化物半導体層は、前記基板の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層、第2の半導体層を順に積層することにより形成されており、
前記電極間絶縁膜は、アルミニウムの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されており、
前記絶縁体膜は、シリコンの窒化物、酸化物、酸窒化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記19)
前記絶縁体膜は、前記第1の導電型層及び前記ゲート電極の側部の少なくとも一部を覆うように形成されていることを特徴とする付記18に記載の半導体装置。
(付記20)
前記第1の導電型は、p型であることを特徴とする付記18または19に記載の半導体装置。
(付記21)
前記電極間絶縁膜の膜厚は、30nm以上、100nm以下であることを特徴とする付記18から20のいずれかに記載の半導体装置。
(付記22)
前記絶縁体膜は、窒化シリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする付記18から21のいずれかに記載の半導体装置。
(付記23)
前記電極間絶縁膜は、窒化アルミニウムを含む材料により形成されていることを特徴とする付記18から22のいずれかに記載の半導体装置。
(付記24)
前記窒化物半導体層は、前記基板の上に、前記第1の半導体層、前記第2の半導体層、第3の半導体層の順に積層することにより形成されたものであることを特徴とする付記1から23のいずれかに記載の半導体装置。
(付記25)
前記第3の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記24に記載の半導体装置。
(付記26)
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から25のいずれかに記載の半導体装置。
(付記27)
前記第2の半導体層は、AlGaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から26のいずれかに記載の半導体装置。