JP6251912B2 - 同軸プローブ - Google Patents

同軸プローブ Download PDF

Info

Publication number
JP6251912B2
JP6251912B2 JP2014264559A JP2014264559A JP6251912B2 JP 6251912 B2 JP6251912 B2 JP 6251912B2 JP 2014264559 A JP2014264559 A JP 2014264559A JP 2014264559 A JP2014264559 A JP 2014264559A JP 6251912 B2 JP6251912 B2 JP 6251912B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
movable
outer conductor
shell
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014264559A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016125841A (ja
Inventor
亮 古山
亮 古山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hirose Electric Co Ltd
Original Assignee
Hirose Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hirose Electric Co Ltd filed Critical Hirose Electric Co Ltd
Priority to JP2014264559A priority Critical patent/JP6251912B2/ja
Publication of JP2016125841A publication Critical patent/JP2016125841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6251912B2 publication Critical patent/JP6251912B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Leads Or Probes (AREA)
  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Description

本発明は、携帯通信機器の電気的特性の測定・検査等を行う検査用プローブに使用される同軸プローブに関する。具体的には、同軸プローブの先端側の外部導体及び該外部導体内の中心導体を径方向に揺動可能にし、相手側の同軸レセプタクルとの接続の際に、互いの中心軸のずれを補正し、スムーズに接続することができる同軸プローブに関する。
携帯電話、スマートフォンのような携帯通信機器等の電子機器には、アンテナ特性や高周波特性等の電気的特性を測定するために使用する検査用の小さな同軸レセプタクルが備えられており、当該同軸レセプタクルに検査用同軸プローブを接続することで、電子機器の電気的特性を測定することができる。検査用同軸プローブを差し込まれた同軸レセプタクルは、電子機器内を流れる電気信号の出力先を、検査用同軸プローブの中心端子に出力されるように切換えることができ、検査用同軸プローブに接続された計測機器によって電子機器における高周波回路の高周波特性等の電気的特性を測定することができる。
このような電気的特性の測定は、検査用同軸プローブが取り付けられた検査装置を用いて、自動検査ラインによって順次運ばれてくる検査対象である電子機器に対して、自動的に行われている。自動検査ラインで用いられる検査用同軸プローブの従来例の1つとして、特開2003‐123910号公報(特許文献1)には、相手側レセプタクルとの嵌合部側の外部導体のハウジング内にばね部材を用いて摺動可能に構成された外部導体プランジャと、該外部導体プランジャ内に中心導体とを備えるコンタクトプローブが開示されている。
上記従来例のコンタクトプローブ(検査用同軸プローブ)は、相手側レセプタクルとの嵌合時に、外部導体のハウジング内の外部導体プランジャを摺動させて、中心導体の先端部を露出することで、露出した中心導体の先端部を相手側レセプタクルの中心端子に電気的に接触させることができる。
このような検査用同軸プローブは、同軸レセプタクルとの嵌合時に、外部導体のハウジング内を摺動した外部導体プランジャの後端面を、当該ハウジング内に設けられた段付部に当接させることで、安定したグランド特性を確保することができる。一般に、検査用同軸プローブのグランド特性を安定させるために、外部導体プランジャの後端面と外部導体のハウジング内の段付部とを常に当接させた状態(以下、「トップタッチ」ともいう。)にする必要がある。そのため、検査用同軸プローブに加え続ける荷重を管理する(以下、「荷重管理」ともいう。)ことで、外部導体プランジャの後端面と外部導体のハウジング内の段付部との当接を保つようにしている。
また、検査用同軸プローブは、従来、径方向に揺動可能なフローティング機構を設けた治具(以下、「フローティングユニット」ともいう。)を介して検査装置に固定される。フローティングユニットは、検査用同軸プローブと相手側の同軸レセプタクルとの中心軸のずれを補正して、検査用同軸プローブをスムーズかつ適切に相手側の同軸レセプタクルに接続することができ、自動検査ラインにおける測定作業性を向上させることができる。
特開平2003−123910号公報
検査用同軸プローブは、その外部導体プランジャが相手側の同軸レセプタクルに接触した後に、外部導体プランジャを外部導体のハウジング内を摺動させて、外部導体プランジャの後端面と外部導体のハウジング内の段付部とのトップタッチを確実にするために、一定以上の荷重を検査用同軸プローブに加え続ける必要がある。検査用同軸プローブ内のばね部材や検査用同軸プローブを取り付けるフローティングユニットのばね性(弾性)等を考慮して、検査用同軸プローブに加え続ける荷重を、ある一定以上の値に保つことは難しく、容易に荷重管理を行うことができない。つまり、検査用同軸プローブの荷重管理では、電気的特性の測定に適した一定の荷重を常に加え続けて、グランド特性の安定化のためにトップタッチを確実にするように、検査用同軸プローブを取り付けるフローティングユニット及び検査装置を構成しなければならず、荷重を簡便に管理することが困難である。そして、検査用同軸プローブに加える荷重を視認することはできないから、検査者が荷重を監視することも容易ではない。
また、検査用同軸プローブを取り付けたフローティングユニットは、検査用同軸プローブに接続された同軸ケーブルからの負荷が原因で、検査用同軸プローブが傾いてしまい、相手側の同軸レセプタクルとの接続の際に中心軸のずれを適切に補正できない問題が生じる。
さらに、複数の検査用同軸プローブを使用する場合には、それぞれ独立して径方向に揺動可能に構成するために、1本の検査用同軸プローブに対して1つのフローティングユニットが必要になるが、検査用同軸プローブよりもフローティングユニットは大きいため、複数の検査用同軸プローブ間の間隔を狭くして取り付けることができない。つまり、フローティングユニットに取り付けた検査用同軸プローブの近傍に別の検査用同軸プローブを取り付けることができない。
これらの課題を解決するために、外部導体シェルと、該外部導体シェルの軸方向に摺動可能な状態で収められた可動シェルとを含み、該可動シェルの後端部に形成された複数の接触片と、それぞれの接触片の端部に形成された突起部を更に含む同軸プローブであって、可動シェルの外径よりも外側に突出させて強い応力を持たせた突起部が、外部導体シェルの内壁に強く押し付けることで、同軸プローブのグランド特性を安定させることが可能な同軸プローブを提供する。加えて、同軸プローブの外部導体シェル内に収められた、軸方向に摺動可能な可動シェルを、径方向にも揺動するように構成することで、相手側の同軸レセプタクルとの中心軸のずれを、フローティングユニットを用いずに、同軸プローブ自体で補正することが可能な同軸プローブを提供する。
本発明に係る同軸プローブの1つの実施形態として、同軸プローブは、
後端に嵌合部を有する固定外部導体と、
前記固定外部導体の軸方向に摺動可能な状態で後端部が取り付けられた円筒状の可動外部導体と、
前記固定外部導体と前記可動外部導体との間に設けられ、前記可動外部導体を前記固定外部導体から離れるように付勢する第1のばね部材と、
前記固定外部導体内の第1の絶縁体によって、中心軸上に固定された中心導体と、
を含み、
前記中心導体は、
前記固定外部導体の前記嵌合部が備える固定中心導体と、
前記固定中心導体の軸方向に摺動可能な状態で後端部が取り付けられた可動中心導体と、
前記固定中心導体と前記可動中心導体との間に設けられ、前記可動中心導体を前記固定中心導体から離れるように付勢する第2のばね部材と、
を含み、
前記可動外部導体は、径方向に揺動可能に構成され、
前記可動外部導体の先端部には、前記可動中心導体の先端部との離間距離を保つための第2の絶縁体が内部に配置され、
前記可動外部導体の後端部には、弾性を有する複数の接触片が形成され、
前記接触片は、その弾性により、前記固定外部導体の壁に接触した状態で、前記固定外部導体に取り付けられ、
前記可動外部導体が径方向に揺動した場合に、前記接触片の少なくとも1つは前記固定外部導体の壁に接触し、
前記固定中心導体の先端で係止される前記可動中心導体の後端部は太く、前記固定中心導体から露出する、前記可動中心導体の前方部分は前記後端部よりも細くなるように構成され、前記固定外部導体内にある前記可動中心導体の後端部を支点又は力点とし、前記可動外部導体における前記第2の絶縁体内にある前記可動中心導体の先端部を力点又は支点として撓むように構成されたことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記複数の接触片のそれぞれの厚さは、前記可動外部導体の後端部において前記接触片が形成されていない部分の厚さよりも薄いことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記可動中心導体は、前記固定中心導体内に配置され、
前記固定外部導体の先端に設けられた開口部から、前記可動中心導体の後端部以外の部分を挿通させることを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記第1のばね部材は、前記可動外部導体の内側に配置されたことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記複数の接触片からなる円筒の内径は、前記可動外部導体の後端部において前記接触片が形成されていない部分の内径よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記第1のばね部材は、前記可動外部導体の外側に配置されたことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記複数の接触片のそれぞれの端部には、前記可動外部導体の後端部における最も太い部分の外径よりも突出した突起部が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記複数の接触片からなる円筒の外径は、前記可動外部導体の後端部における最も太い部分の外径よりも小さいことを特徴する。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記固定外部導体の開口部から露出した前記可動外部導体の中央部の外壁に、前記可動外部導体の摺動距離を表す目印となる1以上の溝を設けたことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記可動中心導体は、前記固定中心導体の外側に配置されたことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記可動中心導体の後端部は、前記固定中心導体の内側に配置されたことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記可動中心導体の後端部は、前記固定中心導体の外側に配置されたことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記固定中心導体は、中心導体シェルを含み、前記可動中心導体は、中心導体プランジャを含み、前記可動外部導体は、先端シェルを含み、前記可動中心導体は、前記可動外部導体が径方向に揺動したときに、前記中心導体シェル内にある前記中心導体プランジャの後端部を支点又は力点とし、前記先端シェルにおける前記第2の絶縁体の孔に挿通された前記可動中心導体の先端部を力点又は支点として撓むことを特徴とする。
本発明に係る同軸プローブの好ましい実施形態として、前記可動中心導体の後端部に、球状の揺動部を備え、前記可動外部導体が径方向に揺動したときに、前記可動中心導体は、前記揺動部を支点として径方向に揺動することを特徴とする。
本発明の1つの実施形態に係る同軸プローブは、可動シェル自体が径方向に揺動可能な状態で構成されているので、径方向に揺動可能なフローティング機構を設けた治具(フローティングユニット)を必要とせず、フローティングユニットを介さずに直接計測機器等にプローブ取付部を用いて取り付けることができる。その結果、同軸プローブに接続された同軸ケーブルの重みで、同軸プローブが傾くことを防止し、同軸プローブの近傍に別の同軸プローブを取り付けることができ、同軸プローブの間隔を狭くすることができる。
また、本発明の1つの実施形態に係る同軸プローブは、複数の接触片、又は、複数の接触片の端部に備えた突起部であって、可動シェルの最も太い後端部の外径よりも突出させて強い応力を持たせた突起部が、外部導体シェルの内壁に強く押し付けられるので、上述の従来例のようなトップタッチを要せずに、同軸プローブのグランド特性を安定させることができる。そのため、荷重管理は必要とせず、可動シェルに設けられた摺動距離の目印となる溝を用いて、可動シェルの摺動距離がある一定の値以上となるように、目視で確認することで、当該接続状態の維持を容易に管理することができる。
本発明の一実施形態に係る同軸プローブの部品構成を示す分解図である。 同軸プローブと相手側の同軸レセプタクルの接続時の様子を示す図である。 図2に示された同軸プローブの断面図である。 同軸プローブの可動シェルが径方向に揺動した様子を示す断面図である。 同軸プローブの中心導体プランジャを揺動可能に構成した別の実施形態を示す断面図である。 同軸プローブの中心導体プランジャを揺動可能に構成した更に別の実施形態を示す断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る同軸プローブの部品構成を示す分解図である。図1(a)は横方向からみた分解図であり、図1(b)は斜め下方向からみた分解図である。電子機器等の電気的特性の測定・検査用の同軸プローブ1は、計測器(図示せず)に接続された同軸ケーブルを嵌合接続するプローブ固定部10と、内部に中心導体30を備える可動部40とから構成される。プローブ固定部10、中心導体30及び可動部40は、好ましくは軸方向に延在する円筒状の部材であるが、軸方向に延在する部材の形状として、円筒状以外の形状を採用することも可能である。ここで、同軸プローブ1を構成する各部材の説明の際に、同軸プローブ1の先端方向の部分を下部とし、後端方向の部分を上部として表現することもある。
プローブ固定部10は、軸方向に延在する中空筒状の部材であり、上部に同軸ケーブル嵌合部12、下部にプローブ取付部14を備えている。プローブ固定部10は、導電性材料からなる外部導体として機能する。
同軸ケーブル嵌合部12は、円筒状の形状であり、その外周表面に計測機器に接続される同軸ケーブルと嵌合するためのネジ山を有する。プローブ取付部14は、同軸プローブ1の軸直方向に延在する板状の形状であり、その板上にネジ等で計器や治具等に取り付けるための孔を有する。図示しない計測器に接続された同軸ケーブル側の筐体で、計器や治具等に同軸プローブ1を取り付けることができる場合、すなわち、固定部10のプローブ取付部14を使って取り付けを行う必要がない場合には、プローブ取付部14は、固定部10から省くこともできる。
プローブ固定部10は、その内側の空洞部分に、軸方向に延在する中空円筒状の絶縁体20を収容する。プローブ固定部10の同軸ケーブル嵌合部12側の筒の内径は、プローブ取付部14側の筒の内径よりも小さいので、絶縁体20の上部及び下部の外径は、それら内径のサイズに合わせて、絶縁体20をプローブ固定部10に隙間なく収容するように定めることができる。
絶縁体20は、その内側の空洞部分に、軸方向に延在する中心導体30の後端部(中心導体ソケット32の後端部)が収容される。中心導体30は、中心導体ソケット32、ばね部材34、中心導体プランジャ36及び中心導体シェル38を含み、それぞれ軸方向に延在し導電性材料で形成される。プローブ固定部10は、その内部に収容した絶縁体20によって、中心導体ソケット32を電気的に接触することなく保持することができる。中心導体ソケット32の後端部は、プローブ固定部10の同軸ケーブル嵌合部12内に位置して中心導体となり、図示しない同軸ケーブルと電気的に接続される。一方、中心導体ソケット32の先端部は中心導体シェル38と電気的に接続される。
中心導体ソケット32の先端部、ばね部材34及び中心導体プランジャ36の後端部は、中心導体シェル38の内側に収容される。中心導体プランジャ36は、ばね部材34と共に、中空円筒状の中心導体シェル38内に摺動可能な状態で収められ、中心導体ソケット32の先端部を中心導体シェル38の後端部に差し込むことで、中心導体ソケット32と中心導体シェル38とが接合される。中心導体プランジャ36の外径は、中心導体シェル38の内径よりも僅かに小さく、中心導体シェル38内に収容された中心導体プランジャ36の後端部はがたつくことなく摺動可能となる。
中心導体プランジャ36は、中心導体ソケット32と中心導体プランジャ36との間に介在するばね部材34の弾性によって、中心導体シェル38内を摺動することができる。中心導体プランジャ36の太さは、4段階に分かれており、先端部が最も細く、後端部になるについて段々と太くなるように構成することができる。中心導体ソケット32及び中心導体プランジャ36と、ばね部材34との位置関係は、中外逆に構成してもよい。例えば、ばね部材34を、中心導体シェル38の外側に設け、中心導体シェル38をばね部材34の内径内側に設けることができる。
中心導体プランジャ36は、最も太い後端部を除いて、中心導体シェル38の先端部から露出する。中心導体シェル38の先端面には、中心導体プランジャ36を通すための開口部が設けられ、該開口部の内径は、中心導体シェル38の内径よりも小さく、中心導体シェル38の先端部で、中心導体プランジャ36の最も太い後端部を係止するように定めることができる。
可動部40は、絶縁体41、外部導体シェル42、ばね部材43、可動シェル50、絶縁体44、先端シェル45及び外部導体シェル47から構成される。可動部40を構成するそれぞれの部材は、軸方向に延在する円筒状の形状を有する。絶縁体41及び44以外の部材は導電性材料で形成される。
絶縁体41は、その中心に中心導体シェル38を挿入する孔を有する。絶縁体41の上部はプローブ固定部10に収容され、絶縁体41の上面は絶縁体20の底面と重なり合うように当接する。絶縁体41の上部の外径は、プローブ固定部10の下部の内径のサイズに合わせて、絶縁体41をプローブ固定部10に隙間なく収容するように定められている。一方、絶縁体41の下部の外径は、上部の外径のサイズよりも小さく、中空円筒状の外部導体シェル42の内径のサイズに合わせて、絶縁体41を外部導体シェル42に隙間なく収容するように定められている。
外部導体シェル42と外部導体シェル47は、中空円筒状の形状であり、それらの内部に、ばね部材43と共に可動シェル50の後端部を摺動可能な状態で収容する。外部導体シェル42と外部導体シェル47は結合して、1つの外部導体シェルを構成する。外部導体シェル47の先端面には開口部が設けられており、該開口部から可動シェル50の後端部以外の部分、すなわち、先端部からストローク管理溝52が設けられた中央部を露出させる。絶縁体44は、その中心に中心導体プランジャ36の最も細い先端部を挿入する孔を有する。絶縁体44の上部は、中空円筒状の可動シェル50の先端部に隙間なく収容され、絶縁体44の下部は、中空円筒状の先端シェル45に隙間なく収容される。
先端シェル45は、可動シェル50の先端部と結合し、それらの内部に収容された絶縁体41を固定することができる。先端シェル45は、その先端の開口部に、同軸プローブ1との中心軸がずれた場合であっても、ずれを補正して相手側の同軸レセプタクル2との接続を行うために、外側から内側に傾斜したテーパー部46を備えている。可動シェル50は、絶縁体41と可動シェル50との間に介在するばね部材43の弾性によって、外部導体シェル42と外部導体シェル47とが結合された外部導体シェル内を摺動することができる。可動シェル50の後述する後端部の接触片56前方部分の外径と外部導体シェル47の内径の隙間は、中心導体プランジャ36の外径と中心導体シェル38の内径の隙間よりも大きく、可動シェル50は、径方向に揺動することができる。可動シェル50の径方向への揺動の際に、中心導体プランジャ36は、中心導体シェル38との隙間は僅かであり、がたつくことなく中心導体シェル38内に摺動可能に収容されていることから、中心導体シェル38内にある中心導体プランジャ36の後端部を支点(又は力点)とし、先端シェル45における絶縁体44内にある中心導体プランジャ36の先端部を力点(又は支点)として撓むことになる。
可動シェル50の太さは、実質的に3段階に分かれており、後端部になるにつれて段々と太くなるように構成することができる。可動シェル50は、先端シェル45と結合する先端部が最も細く、ストローク管理溝52及びストローク管理端54が設けられた中央部の太さは、先端部よりも太く、接触片56が設けられた後端部よりも細い。可動シェル50の最も細い先端部の円筒内に、中心導体シェル38の先端部から露出した中心導体プランジャ36が摺動可能な状態で収容される。可動シェル50の先端部内に設けられた絶縁体44の円筒内に、中心導体プランジャ36の最も細い先端部が摺動可能な状態で収容される。
可動シェル50の後端部には該後端部の中間から後端に亘って複数のスリットが入れられて、弾性を有する複数の接触片56を形成する。図1に示す実施形態では、接触片56は6枚備えているが、可動シェル50の径方向への揺動を可能にするのであれば、接触片56の枚数は6枚に限定されるものではない。複数の接触片56は、それぞれの弾性力(応力)によって外部導体シェル47の内壁に押し付けられて、可動シェル50は外部導体シェル47と電気的に接続することができ、グランド特性等の電気的特性を安定させることができる。好ましくは、複数の接触片56の端部のそれぞれには、可動シェル50の最も太い後端部の外径よりも外側に突出した突起部58が設けられ、各突起部58は、接触片56の弾性力(応力)によって外部導体シェル47の内壁に押し付けられて、可動シェル50と外部導体シェル47との電気的接続を確実に維持できるように構成することができる。
図1に示される本発明の一実施形態は、組立を容易にするため部品の数が多いが、部品の数を減らして構成することもできる。プラグ固定部10と外部導体シェル42及び47は、同軸プローブ1において動かすことができない固定された部品であるから、本明細書では、それらをまとめて“固定外部導体”とも呼ぶ。本発明の別の実施形態として、固定外部導体を1つの部品にまとめて一体で構成することもできる。このような固定外部導体を構成した場合、該固定外部導体の内部にばね部材43と可動シェル50を固定外部導体に収容した後で、該固定外部導体を構成する外部導体シェル47の先端部を内側に折り曲げて、外部導体シェル47の内径よりも小さい内径の開口部を形成する加工を行う必要がある。
一方、可動シェル50と先端シェル45は、同軸プローブ1において動かすことができる部品であるから、本明細書では、それらをまとめて“可動外部導体”とも呼ぶ。本発明の別の実施形態として、可動外部導体は、1つの部品にまとめて一体で構成することもできる。このような可動外部導体を構成した場合、該可動外部導体の先端部の内側に、絶縁材料を圧入して可動中心導体の先端部(中心導体プランジャ36の先端部)と可動外部導体との電気的な絶縁を確保して、それらの間の距離を維持できるように、絶縁体44を形成することができる。なお、絶縁体44は中心導体プランジャ36の先端部に固着させて可動外部導体の内壁を摺動するようにしてもよい。
また、中心導体ソケット32と中心導体シェル38は、固定外部導体内において固定される部品であるから、本明細書では、それらをまとめて“固定中心導体”とも呼ぶ。一方、中心導体プランジャ36とばね部材34は、可動外部導体及び固定外部導体の少なくとも一方の内側において、動くことができる部品であるから、それらを1つの部品にまとめて“可動中心導体”とも呼ぶ。そうすると、図1に示す中心導体30は、“固定中心導体”(中心導体ソケット32及び中心導体シェル38)と“可動中心端子”(中心導体プランジャ36とばね部材34)とを含むものである。
本発明の別の実施形態として、固定中心導体(中心導体ソケット32及び中心導体シェル38)は、1つの部品にまとめて一体で構成することができる。このような固定中心導体を構成した場合、該固定中心導体の内部に、ばね部材34と中心導体プランジャ36の後端部を収容した後で、中心導体シェル38の先端部を内側に折り曲げて、中心導体シェル38の内径よりも小さい内径の開口部を形成する加工を行う必要がある。一方、可動中心端子(中心導体プランジャ36とばね部材34)も、1つの部品にまとめて一体で構成することができる。
本発明の別の実施形態として、絶縁体20と絶縁体41を1つの絶縁体として構成することもできる。該絶縁体に、中心導体ソケット32の後端部を圧入固定することで、固定外部導体(プラグ固定部10、外部導体シェル42及び47)内において、固定中心導体(中心導体ソケット32及び中心導体シェル38)を実質的に中心軸上に固定することができる。このような絶縁体は、固定中心導体と固定外部導体とを電気的に絶縁し、それらの間の距離を維持するために必須の構成であるが、固定外部導体内であれば、どこに設けてもよい。図1に示す実施形態では、固定外部導体の固定部10内に、絶縁体(絶縁体20及び41)が収容されるが、固定中心導体と固定外部導体との間の距離を維持できるのであれば、絶縁体を収容する位置を別の位置に代えてもよい。
本発明の別の実施形態として、図1に示す部品の数を減らした場合、同軸プローブは、固定外部導体と、該固定外部導体内に、軸方向に摺動可能な状態で後端部が収容された可動外部導体と、前記固定外部導体内に収容され、前記可動外部導体を前記固定外部導体の先端面に設けられた開口部から外側に向けて付勢する第1のばね部材と、前記固定外部導体内の第1の絶縁体によって、実質的に中心軸上に固定された中心導体とを含み、前記中心導体は、前記固定外部導体の前記嵌合部が備える中心導体と電気的に接続する固定中心導体と、前記固定中心導体内に、軸方向に摺動可能な状態で後端部が、第2のばね部材とともに収容された可動中心導体と、前記固定中心導体内に収容され、前記固定中心導体内に収容され、前記可動中心導体を前記固定中心導体の先端面に設けられた開口部から外側に向けて付勢する第2のばね部材を含むように構成することができる。
可動部40に含まれる可動シェル50は、軸方向に摺動して奥まで押し込まれると、中心導体プローブ30に収容されている中心導体プランジャ36の先端部が露出して、レセプタクルとの接続部となる。可動シェル50の中央部に設けられたストローク管理溝52及びストローク管理端54は、同軸プローブ1を相手側の同軸レセプタクルに接続して押し付けた際に、可動シェル50が摺動した距離(すなわち、ストローク量)に基づいて、同軸プローブ1と相手側の同軸レセプタクルとの十分な接続を維持しているか否かを判断するために利用することができる目印である。このような目印として機能するストローク管理溝52及びストローク管理端54は、作業者等の人間が視認することができるので、検索用同軸プローブ1と相手側の同軸レセプタクルとの接続状態を視認することができない荷重で管理することに比べて、容易に当該接続状態を管理することができる。
例えば、検索用同軸プローブ1と相手側の同軸レセプタクルとの十分な接続状態を維持するために、ばね部材43の弾性力を調整して、推奨ストローク量として可動シェル50の摺動距離を、1mmから2mmと設定することができる。その場合に、ストローク管理溝52を1mm摺動したことを示す目印とし、ストローク管理端54を2mm摺動したことを示す目印とすることができる。このような目印となるストローク管理溝52を可動シェル50の外壁に複数設けることができる。
図2は、図1に示された本発明の一実施形態に係る同軸プローブの部品を組み合わせて完成させた同軸プローブの外観を示す。また、図3は、図2に示された本発明の一実施形態に係る同軸プローブの断面図である。同軸ケーブル嵌合部12に接続される計測器からの同軸ケーブル、プローブ取付部14で同軸プローブ1を取り付ける治具、計器等は、説明の簡略化のため図示を省略する。図4及び図5についても同様である。
図2(a)及び図3(a)は、同軸プローブ1が相手側の同軸レセプタクル2と接続する前の初期状態を示す。初期状態では、同軸プローブ1の可動シェル50は摺動していないので、ストローク管理溝52を目印として視認することができる。一方、図2(b)及び図3(b)は、同軸プローブ1の先端シェル45が相手側の同軸レセプタクル2の円筒状の嵌合部に接続された状態を示す。この接続状態では、可動シェル50は、ストローク管理端54まで外部導体シェル47内に押し込まれて、目印としてストローク管理溝52を外から見ることはできない。
上述した例のように、推奨ストローク量を1mmから2mmと設定とした場合、1mm摺動したことを示すストローク管理溝52が外から見えなくなるまで、同軸プローブ1を押し込めば、推奨ストローク量を満たすことになるので、相手側の同軸レセプタクル2との接続状態の管理が容易になる。つまり、自動検査ラインにおいて同軸プローブ1を用いて、検査対象である電子機器の電気的特性を計測する際には、同軸プローブ1の外部導体シェル47の先端部が、常にストローク管理溝52とストローク管理端54の間にあるように、可動シェル50を押し込む距離、すなわち、ストローク量を制御すればよい。荷重管理とは異なり、目視により管理状態を把握することができるので管理が容易となる。
図3(a)に示されるように、中心導体シェル38の先端面にある、中心導体プランジャ36を挿通させる開口部の内径は、中心導体シェル38に収容される中心導体プランジャ36の後端部の外径がよりも小さいので、同軸プローブ1の初期状態(未接続の状態)では、中心導体プランジャ36の後端部は、ばね部材34によって付勢されて中心導体シェル38の先端部に係止された状態を保つ。
同様に、外部導体シェル47の先端面にある、可動シェル50を挿通させる開口部の内径は、外部導体シェル47に収容される可動シェル50の後端部の外径よりも小さいので、同軸プローブ1の初期状態では、可動シェル50の後端部は、ばね部材43によって付勢されて外部導体シェル47の先端部に係止された状態を保つ。このように係止される際に、可動シェル50の後端部と外部導体シェル47から露出する可動シェルの中央部との間に設けられた傾斜面は、外部導体シェル47の先端面にある開口部の縁に当たって可動シェル50を滑らすことで、可動シェル50を常に所定の位置(又は姿勢)に案内するように機能する。
先端シェル45は、その先端の開口部に設けられたテーパー部46によって、同軸プローブ1との中心軸のずれを補正して相手側の同軸レセプタクル2との接続を行うことができる。例えば、同軸プローブと相手側の同軸レセプタクル2との中心軸が0.5mm程度ずれたとしても、同軸レセプタクル2の円筒状の開口部の縁が、先端シェル45の開口部に設けられたテーパー部46に当たって、該テーパー部46の傾斜により先端シェル45を滑らすことで、可動シェル50を径方向に揺動させて、中心軸のずれを補正することができる。
図3(a)及び(b)に示されるように、同軸プローブ1と同軸レセプタクル2との接続状態に関らず、可動シェル50は、その後端部に設けられた複数の接触片56の突起部58によって、外部導体シェル47との接触を常に維持することができる。上述したように、突起部58は可動シェル50の最も太い後端部の外径よりも突出しているので、接触片56の弾性力によって外部導体シェル47の内壁に常に押し付けられることになるので、同軸プローブ1のグランド特性を安定させることができる。本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1は、このような構成により、従来例のようなトップタッチを必要としない。その結果として、同軸プローブ1と同軸レセプタクル2との接続状態の維持を荷重で管理せずに、上述したように、視認可能なストローク管理溝52とストローク管理端54をストローク量の目印として用いて、外部導体シェル47内を摺動した可動シェル50のストローク量で、当該接続状態の維持を容易に管理することができる。
接触片56に弾性を持たせるために、接触片56間にスリットを形成することに加え接触片56の板厚を薄くすることができるが、接触片56の弾性力を維持できる範囲で、接触片56の板厚を定めることができる。例えば、図3に示す本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1では、インピーダンスの整合が乱れない範囲において、接触片56の板厚を0.15mm以上と定めることができる。また、接触片56の板厚を薄くすることで、可動シェル50が摺動して傾いたときに、接触片56の内壁とばね部材43との干渉や、接触片56の外壁と外部導体シェル47の内壁との干渉を防ぐことができる。
複数の接触片56からなる円筒の内径は、各接触片56の板厚を内側から薄くし、可動シェル50の後端部において接触片56が形成されていない部分の内径のサイズに比べて、最も大きくなるように定めることができる。これにより、接触片56の内壁が、可動シェル50の径方向への揺動時に、ばね部材43に当たって、可動(摺動又は揺動)の妨げになることを防止することができる。図3に示す本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1では、可動シェル50の可動の妨げにならないように、それぞれの接触片56の厚さを薄くしている。具体的には、それぞれの接触片56の内壁をばね部材43から遠ざけて形成し、複数の接触片56からなる円筒の内径を拡げている。なお、その内径を拡げすぎると、同軸プローブ1のインピーダンス整合が乱れるので、ばね部材43と干渉しない範囲で、当該内径のサイズを定めることができる。
一方、複数の接触片56からなる円筒の外径は、各接触片56の板厚を外側から薄くし、可動シェル50の後端部において接触片56が形成されていない部分の外径のサイズに比べて、小さくなるように定めることができる。これは、図3に示す本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1では、複数の接触片56からなる円筒の外径のサイズを小さくしたことにより、可動シェル50の後端部において、外部導体シェル47の内壁と接触する面積を減らし、外部導体シェル47内を可動シェル50が搖動した状態で摺動する際の外部導体シェル46との干渉を防ぐことができる。これにより、可動シェル50をスムーズに摺動させることができる。
図3(b)に示されるように、中心導体プランジャ36の先端部は、同軸プローブ1と同軸レセプタクル2との接続時に、可動シェル50が外部導体シェル47内に押し込まれて摺動したことに伴って先端シェル45から露出する。露出した中心導体プランジャ36の先端部は、相手側の同軸レセプタクル2の中心端子に押し付けられて接触を維持することができる。つまり、接続時に、中心導体プランジャ36の後端部は、中心導体シェル38内を奥に押し込まれて摺動することで、ばね部材34によって中心導体プランジャ36は付勢されて、その先端部を同軸レセプタクル2の中心端子に押し付けることができる。
中心導体プランジャ36の先端部を同軸レセプタクル2の中心端子に押し付ける力は、中心導体シェル38内のばね部材34の応力に基づくものであるから、中心導体プランジャ36の先端部と同軸レセプタクル2との接触を安定させるためには、ばね部材34の応力を強くする必要がある。ばね部材34の応力を強くするために、ばね部材34として径の太いばねを用いることができる。
図3に示す本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1では、径の太いばねをばね部材34として用いた場合、ばね部材34を収容する中心導体シェル38の外径も太くなり、それに伴い、可動シェル50の外径、外部導体シェル42及び47の外径も太くすることで、同軸プローブ1のインピーダンスの整合をとることができる。また、可動シェル50の外径、外部導体シェル42及び47の内径を太くすることは、可動シェル50の径方向への揺動時に、中心導体プランジャ36や中心導体シェル38等の中心導体と可動シェル50の内壁とが接触してショートすることを防止することができる。
その他の実施形態として、可動シェルと外部導体シェルとの位置関係を中外逆に構成して、外部導体シェルの外側に可動シェルを備えるように構成することができる。例えば、図3の断面図に示された本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1において、外部導体シェル47の内側にある可動シェル50を、外部導体シェル47の外側に備えるように構成を変更することができる。図示しないが、このように構成を変更した場合、可動シェル50の後端部の接触片56(又は、接触片56の内壁に設けた突起部58)は、外部導体シェル47の外壁に接触する。可動シェル50の内部に収容されたばね部材43は、可動シェル50の後端部内側の底面(後端部と中央部との間にある段部)と、外部導体シェル47の先端部との間に設けられて、先端側に向けて可動シェル50を付勢することができる。そして、外側に可動シェル50を備えた外部導体シェル47は、可動シェル50が抜けないようにするために、外壁に突起等の係止部を設けることができる。このように構成を変更した場合でも、外部導体シェル47の外壁に、可動シェル50の後端部の接触片56の内壁(又は、接触片56の内壁に設けた突起部58)が電気的に接触しつつ、可動シェル50の摺動及び揺動を可能にする。
また、中心導体シェルと中心導体プランジャとの位置関係を中外逆に構成して、中心導体シェルの外側に中心導体プランジャを備えるように構成することもできる。例えば、図3の断面図に示された本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1において、中心導体シェル38の内側にある中心導体プランジャ36を、中心導体シェル38の外側に備えるように構成を変更することができる。図示しないが、このように構成を変更した場合、中心導体プランジャ36の後端部を中空筒状に成形し、当該後端部に弾性を有する接触片を複数設けて、当該複数の接触片(又は、当該複数の接触片の内壁にそれぞれ設けた突起部)が中心導体シェル38の外壁に接触する。中心導体プランジャ36は、中心導体シェル38の外側にあるので、中心導体シェル38の内側を空洞に成形する必要はなく、中心導体シェル38の先端部に開口部を設ける必要がない。中心導体プランジャ36の後端部の中空筒状の内側に収容されたばね部材34は、中心導体プランジャ36の後端部内側の底面と、中心導体シェル38の先端部との間に設けられて、先端側に向けて中心導体プランジャ36を付勢することができる。そして、外側に中心導体プランジャ36を備えた中心導体シェル38は、中心導体プランジャ36が抜けないようにするために、外壁に突起等の係止部を設けることができる。このように構成を変更した場合でも、中心導体シェル38の外壁に、中心導体プランジャ36の後端部に設けられた複数の接触片の内壁(又は、当該複数の接触片の内壁にそれぞれ設けた突起部)が電気的に接触しつつ、中心導体プランジャ36の摺動及び揺動を可能にする。
図4は、本発明の1つ実施形態に係る同軸プローブが径方向に揺動した様子を示す断面図である。同軸プローブ1と相手側の同軸レセプタクル2との中心軸に多少のずれ(例えば、0.5mm程度のずれ)が生じた場合であっても、上述したように、先端シェル45の開口部の傾斜面46に、相手側の同軸レセプタクル2の円筒状の開口部の縁が当たり、該開口部の中心に位置する中心端子に、中心導体プランジャ36の先端が案内されるように、先端シェル45を滑らせることで、図4に示されるように、可動シェル50を径方向に揺動させることができる。このような構成により、同軸プローブ1と同軸レセプタクル2との中心軸に多少のずれが生じた場合であっても、中心軸のずれを補正して接続を確実に行うことができる。
可動シェル50の径方向への揺動は、外部導体シェル47に収容された可動シェル50の後端部の外壁が外部導体シェル47の内壁に接触することで規制される。可動シェル50の後端部の外壁と外部導体シェル47の内壁と隙間(すなわち、可動シェル50の後端部の外径と外部導体シェル47の内径)を調整することで、可動シェル50の径方向への揺動の範囲を変えることができる。図4に示す本発明の一実施形態の同軸プローブ1では、可動シェル50の径方向への揺動の範囲を、中心軸から0.5mm程度とすることができる。
図4に示されるように、可動シェル50が径方向に揺動した場合であっても、上述したように、可動シェル50の最も太い後端部の外径よりも突出している突起部58は、接触片56の弾性力によって外部導体シェル47の内壁に常に押し付けられるので、同軸プローブ1のグランド特性を安定させることができる。また、接触片56は、上述したように、接触片56の内壁をばね部材43から遠ざけて形成し、複数の接触片56からなる円筒の内径を拡げているので、摺動時であっても接触片56の内壁は、ばね部材43と干渉しないし、接触片56の外壁を外部導体シェルの内壁から遠ざけているので同様に干渉しない。
さらに、中心導体プランジャ36は、可動シェル50が径方向に揺動した際に、中心導体シェル38内にある中心導体プランジャ36の後端部を支点(又は力点)とし、先端シェル45における絶縁体44内にある中心導体プランジャ36の先端部を力点(又は支点)として、弓なりに曲がる(すなわち、撓む)ように弾性を有する導電性部材で形成することができる。中心導体プランジャ36が撓んだ場合であっても、上述したように、可動シェル50の外径を太くしたことに伴い可動シェル50の内径を拡げたことにより、中心導体プランジャ36と可動シェル50の内壁とが接触してショートすることを防ぐことができる。
このように、同軸プローブ1は、それ自体が径方向に揺動可能なように構成されているので、同軸プローブ1は、径方向に揺動可能なフローティング機構を設けた治具(フローティングユニット)を必要とせず、フローティングユニットを介さずに直接計測機器等にプローブ取付部14を用いて取り付けることができる。これにより、フローティングユニットを用いた際に生じ得る問題、すなわち、検査用同軸プローブに接続された同軸ケーブルの重みで、フローティングユニットが初めから傾いた状態で検査用同軸プローブを保持してしまい、相手側の同軸レセプタクルとの接続の際に中心軸のずれを適切に補正できない問題を解消することができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る同軸プローブ1は、同軸プローブ1全体をフロートさせる様な比較大きなフローティングユニットを用いる必要がないので、同軸プローブ1を複数用いる場合に、同軸プローブ1を取り付ける間隔を狭くして、測定機器等に直接取り付けることができる。つまり、同軸プローブ1に近接させて別の同軸プローブ1を取り付けることができる。これにより、自動検査ラインにおいてより効率的に電子機器等の電気的特性を測定することができる。
図5は、本発明の別の実施形態に係る同軸プローブの断面図である。図5に示す実施形態では、中心導体プランジャ36の後端部に、球状の揺動部37がスリットで弾性を有して設けられている。図5に示されるように、可動シェル50の径方向への揺動に伴って、中心導体プランジャ36は、揺動部37を支点として径方向に揺動することができる。このように構成した場合でも、上述したような本発明の作用効果を達成することができる。
図6は、本発明のさらに別の実施形態に係る同軸プローブの断面図である。図6に示す実施形態では、図3から5に示す実施形態とは異なり、可動シェルとばね部材との位置関係を中外逆に構成して、可動シェル51の外側にばね部材48を備える。このように、可動外部導体(可動シェル51)の弾性を付与するばね部材48の配置位置を可動シェル51の外側下方にしたことにより、接触片56とばね部材48を完全に隔離することができ、互いの干渉を防止することができる。可動シェル51は、外部導体シェル49と可動シェル50の外壁に設けられた突起部59との間に介在するばね部材48の弾性によって、外部導体シェル60と外部導体シェル49とが結合された外部導体シェル内を摺動することができる。
可動シェル51の突起部59の外径と外部導体シェル60の内径の隙間は、中心導体プランジャ36の外径と中心導体シェル38の内径の隙間よりも大きく、可動シェル51は、径方向に揺動することができる。可動シェル51の径方向への揺動の際に、中心導体プランジャ36は、中心導体シェル38との隙間は僅かであり、がたつくことなく中心導体シェル38内に摺動可能に収容されていることから、中心導体シェル38内にある中心導体プランジャ36の後端部を支点(又は力点)とし、先端シェル45における絶縁体44内にある中心導体プランジャ36の先端部を力点(又は支点)として撓むことになる。このように構成した場合でも、上述したような本発明の作用効果を達成することができる。
本発明に係る同軸プローブは、携帯電話、スマートフォンのような携帯通信機器等の電子機器のアンテナ特性や高周波特性等の電気的特性を測定する分野において利用することができる。
1 同軸プローブ
2 同軸レセプタクル
10 プローブ固定部
12 同軸ケーブル嵌合部
14 プローブ取付部
20 絶縁体
30 中心導体
32 中心導体ソケット
34 ばね部材
36 中心導体プランジャ
37 揺動部
38 中心導体シェル
40 可動部
41 絶縁体
42 外部導体シェル
43 ばね部材
44 絶縁体
45 先端シェル
46 テーパー部
47 外部導体シェル
48 ばね部材
49 外部導体シェル
50 可動シェル
51 可動シェル
52 ストローク管理溝
54 ストローク管理端
56 接触片
58 突起部
59 突起部
60 外部導体シェル

Claims (11)

  1. 後端に嵌合部を有する固定外部導体と、
    前記固定外部導体の軸方向に摺動可能な状態で後端部が取り付けられた円筒状の可動外部導体と、
    前記固定外部導体と前記可動外部導体との間に設けられ、前記可動外部導体を前記固定外部導体から離れるように付勢する第1のばね部材と、
    前記固定外部導体内の第1の絶縁体によって、中心軸上に固定された中心導体と、
    を含み、
    前記中心導体は、
    前記固定外部導体の前記嵌合部が備える固定中心導体と、
    前記固定中心導体の軸方向に摺動可能な状態で後端部が取り付けられた可動中心導体と、
    前記固定中心導体と前記可動中心導体との間に設けられ、前記可動中心導体を前記固定中心導体から離れるように付勢する第2のばね部材と、
    を含み、
    前記可動外部導体は、径方向に揺動可能に構成され、
    前記可動外部導体の先端部には、前記可動中心導体の先端部との離間距離を保つための第2の絶縁体が内部に配置され、
    前記可動外部導体の後端部には、弾性を有する複数の接触片が形成され、
    前記接触片は、その弾性により、前記固定外部導体の壁に接触した状態で、前記固定外部導体に取り付けられ、
    前記可動外部導体が径方向に揺動した場合に、前記接触片の少なくとも1つは前記固定外部導体の壁に接触し、
    前記固定中心導体の先端で係止される前記可動中心導体の後端部は太く、前記固定中心導体から露出する、前記可動中心導体の前方部分は前記後端部よりも細くなるように構成され、前記固定外部導体内にある前記可動中心導体の後端部を支点又は力点とし、前記可動外部導体における前記第2の絶縁体内にある前記可動中心導体の先端部を力点又は支点として撓むように構成されたことを特徴とする同軸プローブ。
  2. 前記複数の接触片のそれぞれの厚さは、前記可動外部導体の後端部において前記接触片が形成されていない部分の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の同軸プローブ。
  3. 前記可動中心導体は、前記固定中心導体内に配置され、
    前記固定外部導体の先端に設けられた開口部から、前記可動中心導体の後端部以外の部分を挿通させることを特徴とする請求項1又は2に記載の同軸プローブ。
  4. 前記第1のばね部材は、前記可動外部導体の内側に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の同軸プローブ。
  5. 前記複数の接触片からなる円筒の内径は、前記可動外部導体の後端部において前記接触片が形成されていない部分の内径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の同軸プローブ。
  6. 前記第1のばね部材は、前記可動外部導体の外側に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の同軸プローブ。
  7. 前記複数の接触片のそれぞれの端部には、前記可動外部導体の後端部における最も太い部分の外径よりも突出した突起部が形成されていることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の同軸プローブ。
  8. 前記複数の接触片からなる円筒の外径は、前記可動外部導体の後端部における最も太い部分の外径よりも小さいことを特徴する請求項7に記載の同軸プローブ。
  9. 前記固定外部導体の開口部から露出した前記可動外部導体の中央部の外壁に、前記可動外部導体の摺動距離を表す目印となる1以上の溝を設けたことを特徴とする請求項3から8のいずれか1項に記載の同軸プローブ。
  10. 前記可動中心導体の後端部は、前記固定中心導体の内側に配置されたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の同軸プローブ。
  11. 前記固定中心導体は、中心導体シェルを含み、
    前記可動中心導体は、中心導体プランジャを含み、
    前記可動外部導体は、先端シェルを含み、
    前記可動中心導体は、前記可動外部導体が径方向に揺動したときに、前記中心導体シェル内にある前記中心導体プランジャの後端部を支点又は力点とし、前記先端シェルにおける前記第2の絶縁体の孔に挿通された前記可動中心導体の先端部を力点又は支点として撓むことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の同軸プローブ。
JP2014264559A 2014-12-26 2014-12-26 同軸プローブ Expired - Fee Related JP6251912B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014264559A JP6251912B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 同軸プローブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014264559A JP6251912B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 同軸プローブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016125841A JP2016125841A (ja) 2016-07-11
JP6251912B2 true JP6251912B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=56359198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014264559A Expired - Fee Related JP6251912B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 同軸プローブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6251912B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6711469B2 (ja) * 2017-10-06 2020-06-17 株式会社村田製作所 プローブ
JP7070699B2 (ja) * 2018-11-13 2022-05-18 株式会社村田製作所 プローブ
KR102028292B1 (ko) * 2018-11-21 2019-10-02 주식회사 기가레인 무선 신호를 검사하기 위한 동축 커넥터
WO2020122006A1 (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 株式会社村田製作所 プローブ
KR102158735B1 (ko) * 2019-02-15 2020-09-22 피닉슨컨트롤스 주식회사 플로팅 구조의 프로브 장치
DE202019106213U1 (de) * 2019-11-08 2020-09-15 Ingun Prüfmittelbau Gmbh Innenleiteranordnung und Hochfrequenz-Prüfstift
KR102200219B1 (ko) * 2020-04-09 2021-01-08 주식회사 메가터치 전지 테스트용 프로브 및 그 내부 플런저
CN115224521A (zh) * 2021-04-19 2022-10-21 上海莫仕连接器有限公司 浮动连接器及其组合

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60123666U (ja) * 1984-01-30 1985-08-20 株式会社ヨコオ 回路基板等の検査装置
US5769652A (en) * 1996-12-31 1998-06-23 Applied Engineering Products, Inc. Float mount coaxial connector
JP2003123910A (ja) * 2001-10-12 2003-04-25 Murata Mfg Co Ltd コンタクトプローブ及びこれを用いた通信装置の測定装置
JP2005009927A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Tesu Hanbai Kk スプリングプローブ
US7077697B2 (en) * 2004-09-09 2006-07-18 Corning Gilbert Inc. Snap-in float-mount electrical connector
EP2180326B1 (en) * 2008-10-24 2017-05-03 Tyco Electronics Services GmbH Test probe
JP2010216859A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Ricoh Co Ltd コンタクトプローブ、回路基板検査方法及び回路基板検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016125841A (ja) 2016-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6251912B2 (ja) 同軸プローブ
US10197598B2 (en) Probe
US8043118B1 (en) Coaxial connector with a housing with a contact member and a conductor coaxial with the housing
US8668521B2 (en) Coaxial connector
US20060194465A1 (en) Gimbling electronic connector
US9673568B2 (en) Plug connector
JP2014123482A (ja) 検査用同軸コネクタ
JP2003123910A (ja) コンタクトプローブ及びこれを用いた通信装置の測定装置
US10431943B2 (en) Coaxial inspection connector
JP2019032267A (ja) 同軸プローブ
JP7226520B2 (ja) プローブ素子およびプローブユニット
JP2012099246A (ja) 検査用同軸コネクタ及びプローブ
JPWO2020122006A1 (ja) プローブ
JP5071587B2 (ja) 検査用同軸コネクタ
JP6447635B2 (ja) カセット及び検査ユニット
KR20100095142A (ko) 검사용 소켓
US10436816B2 (en) Test coaxial connector
CN215866830U (zh) 探针
JP7243925B2 (ja) 導体接続構造および該導体接続構造を備えるプローブ
JP7364063B2 (ja) 同軸コネクタ
JPWO2018221110A1 (ja) L型同軸コネクタおよび同軸ケーブル付きl型同軸コネクタ
JP2010009751A (ja) 電気コネクタ
CS197878B1 (cs) Styková součást středního vodiče koaxiálního "T" adaptoru

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6251912

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees