以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、ブリスタシートとしてのPTPシート1について説明する。図1及び図2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。
容器フィルム3は、例えば、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する透明又は半透明の熱可塑性樹脂材料によって構成されている。
カバーフィルム4は、例えばポリエステル樹脂等からなるシーラントが表面に塗布された不透明材料(例えば、アルミニウム箔等)により構成されている。
PTPシート1は、平面視略矩形状に形成されており、シート長手方向に沿って配列された5個のポケット部2からなるポケット列が、シート短手方向に2列形成されている。つまり、計10個のポケット部2が形成されている。各ポケット部2には、物品としての錠剤5が1つずつ収容されている(図2参照)。
PTPシート1は、帯状の容器フィルム3及びカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6(図3参照)が打抜かれることで、シート状に製造される。
次に、上記PTPシート1を製造するためのブリスタ包装機としてのPTP包装機10について説明する。PTP包装機10は、図6に示すように、第一装置11と、第二装置12と、第一装置11から第二装置12へとPTPシート1を搬送する搬送排出装置13とを備えている。第二装置12は、搬送排出装置13によって搬送されたPTPシート1を箱詰めする装置などを備えている。
次いで、第一装置11の概略構成について図4を参照して説明する。
第一装置11の最上流側では、帯状の容器フィルム3の原反がロール状に巻回されている。ロール状に巻回された容器フィルム3の引出し端側は、ガイドロール14に案内されている。容器フィルム3は、ガイドロール14の下流側において間欠送りロール15に掛装されている。間欠送りロール15は、間欠的に回転するモータに連結されており、容器フィルム3を間欠的に搬送する。
ガイドロール14と間欠送りロール15との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置16及びポケット部形成装置17が順に配設されている。そして、加熱装置16によって容器フィルム3が加熱されて該容器フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット部形成装置17によって容器フィルム3の所定位置に複数のポケット部2が成形される。ポケット部2の形成は、間欠送りロール15による容器フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
間欠送りロール15から送り出された容器フィルム3は、テンションロール18、ガイドロール19及びフィルム受けロール20の順に掛装されている。フィルム受けロール20は、一定回転するモータに連結されているため、容器フィルム3を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール18は、容器フィルム3を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール15とフィルム受けロール20との搬送動作の相違による容器フィルム3の弛みを防止して容器フィルム3を常時緊張状態に保持する。
ガイドロール19とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、錠剤充填装置21が配設されている。錠剤充填装置21は、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する充填手段としての機能を有する。錠剤充填装置21は、フィルム受けロール20による容器フィルム3の搬送動作と同期して、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が充填される。
さらに、錠剤充填装置21とフィルム受けロール20との間には、シール前検査部22が設けられている。シール前検査部22には、上流側より順に、それぞれ検査手段としての第一検査装置T1、第二検査装置D及び第三検査装置Aが設けられている。これら各検査装置T1,D,Aにより、錠剤5や容器フィルム3(シート部分)に関する異常が検査される。各検査装置T1,D,Aのより詳細な構成に関しては後述する。
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、最上流側においてロール状に巻回されている。
ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、ガイドロール24によって加熱ロール25の方へと案内されている。加熱ロール25は、前記フィルム受けロール20に圧接可能となっており、両ロール20,25間に容器フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール20,25間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3にカバーフィルム4が貼着され、ポケット部2がカバーフィルム4で塞がれる。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造されるようになっている。
フィルム受けロール20から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール27及び間欠送りロール28の順に掛装されている。間欠送りロール28は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール27は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記フィルム受けロール20と間欠送りロール28との搬送動作の相違によるPTPフィルム6の弛みを防止してPTPフィルム6を常時緊張状態に保持する。
フィルム受けロール20とテンションロール27との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、シール後検査部29が設けられている。シール後検査部29には、上流側より順に、それぞれ検査手段としての第四検査装置E及び第五検査装置Sが設けられている。これら検査装置E,Sにより、錠剤5やPTPフィルム6(シート部分)に関する異常が検査される。各検査装置E,Sのより詳細な構成に関しては後述する。
間欠送りロール28から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール31及び間欠送りロール32の順に掛装されている。間欠送りロール32は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール31は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール28,32間でのPTPフィルム6の弛みを防止する。
間欠送りロール28とテンションロール31との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、スリット形成装置33及び刻印装置34が順に配設されている。スリット形成装置33は、PTPフィルム6の所定位置に切離用スリットを形成する機能を有する。刻印装置34は、PTPフィルム6の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す機能を有する。
間欠送りロール32から送り出されたPTPフィルム6は、その下流側においてテンションロール35及び連続送りロール36の順に掛装されている。間欠送りロール32とテンションロール35との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、シート打抜装置37が配設されている。シート打抜装置37は、PTPフィルム6をPTPシート1単位にその外縁を打抜くシート打抜手段としての機能を有する。本実施形態では、シート打抜装置37の1回の動作により、1枚のPTPシート1が得られるようになっている。
シート打抜装置37によって打抜かれたPTPシート1は、取出しコンベア38によって前記搬送排出装置13へと搬送される。
前記連続送りロール36の下流側には、裁断装置41が配設されている。そして、シート打抜装置37による打抜き後に帯状に残った残材部(スクラップ部)を構成する不要フィルム部42は、前記テンションロール35及び連続送りロール36に案内された後、裁断装置41に導かれる。尚、前記連続送りロール36は従動ロールが圧接されており、前記不要フィルム部42を挟持しながら搬送動作を行う。裁断装置41は、不要フィルム部42を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。このスクラップはスクラップ用ホッパ43に貯留された後、別途廃棄処理される。
尚、上記各ロール15,19,20,28,31,32などは、そのロール表面とポケット部2とが対向する位置関係となっているが、各ロール15等の表面には、ポケット部2が収容される凹部が形成されているため、基本的には、ポケット部2が潰れてしまうことがない。また、ポケット部2が各ロール15等の凹部に収容されながら送り動作が行われることで、間欠送り動作や連続送り動作が確実に行われる。
次に、上述した各検査装置T1,D,A,E,Sのより具体的な構成について図5を参照しつつ説明する。
各検査装置T1,D,A,E,Sは、それぞれ照明装置110、カメラ111、処理実行装置112などを備えている。
照明装置110は、ポケット部2の開口部側又は突出部側から、容器フィルム3又はPTPフィルム6のうち最終的にPTPシート1となるシート予定部位(検査対象)に対し所定の光(例えば近赤外光や可視光)を照射可能に構成されている。
本実施形態では、カメラ111として、照明装置110から照射される光の波長領域に感度を有するCCDカメラが採用されている。これに限らず、CMOSカメラを採用してもよい。尚、第三検査装置Aなど一部の検査装置のカメラ111には、色識別可能なようにカラーCCDカメラが採用されている。
そして、カメラ111によって撮像された画像データ(輝度画像データ又はカラー画像データ)は、カメラ111内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で処理実行装置112に入力される。
処理実行装置112は、画像メモリ113、検査結果記憶装置114、判定用メモリ115、データメモリ116、カメラタイミング制御装置117、及び、CPU及び入出力インターフェース118を備えており、二値化処理や塊処理などの各種画像処理や、不良判定処理(検査処理)等を実施可能となっている。
画像メモリ113は、カメラ111から出力される撮像画像の二次元イメージデータ(画像データ)を記憶する。この画像メモリ113に記憶された画像データに基づいて検査が実行される。勿論、検査の実行に際し、画像データに対し加工処理を施してもよい。例えばマスキング処理や、シェーディング補正などの処理を施すことが考えられる。シェーディング補正は、容器フィルム3等の撮像範囲全体を照明装置110の光で均一に照らすことは技術的に限界があることから、位置の相違により生じる光の明度のばらつきを補正するためのものである。尚、検査時において画像データに対し二値化処理が行われた二値化画像データや、マスキング処理が行われたマスキング画像データなども、当該画像メモリ113に記憶される。本実施形態において、画像メモリ113は、記憶手段の一部を構成する。また、本実施形態において、画像メモリ113に記憶された撮像画像は、詳細情報の一部を構成する。
検査結果記憶装置114は、イメージデータに関する座標等のデータ、シート予定部位(検査対象)に対する良否判定結果のデータ、及び、該データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。また、各検査装置T1,D,A,E,Sの検査結果記憶装置114には、図12〜16に示すように、所定の錠剤番号J1〜J10(図17参照)で指し示される各錠剤5の所定の検査項目X1〜X9における良否判定結果を示す情報や、シート予定部位におけるシート部分を複数に分割してなる領域であって、所定の領域番号R1〜R4(図17参照)で指し示される各シート領域の所定の検査項目Y1〜Y4における良否判定結果を示す情報が記憶される。また、良否判定結果を示す情報は、シート予定部位を特定するための通し番号LA1,LA2,LA3・・・(図17参照)とともに記憶される。
錠剤番号は、シート予定部位の各錠剤5に対応して個別に設定される。また、領域番号は、シート予定部位の各シート領域に対応して個別に設定される。本実施形態では、各錠剤番J1〜J10で示される各錠剤5及び各領域番号R1〜R4で示される各シート領域が、構成部に相当する。
尚、検査項目X1〜X9は、錠剤5の良否に関する項目である。検査項目Y1〜Y4は、シート部分(容器フィルム3及びカバーフィルム4)の良否に関する項目である。各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4については、後に詳述する。
判定用メモリ115は、検査に用いられる判定値(閾値等)を記憶するものである。判定値は、検査項目毎に設定される。検査に用いられる判定値には、例えばPTPシート1やポケット部2、錠剤5などの寸法、各種検査領域を画定するための各種ウインドウ枠の形状や寸法、二値化処理に係る閾値、面積判定に係る判定値、色識別検査に係る色基準値などが含まれる。また、判定値の中には、錠剤面積値を検査するための判定値など、過去の検査で良品と判定されたものについての検査計測結果を統計して決定される判定値もある。
データメモリ116は、例えば、ハードディスク装置により構成されている。データメモリ116には、不良判定の日時、画像データ、検査に用いられた検査条件などが記憶される。
さらに、本実施形態において、データメモリ116には、錠剤5の二次元的な位置に対するポケット部2の二次元的な位置に関するデータが予め記憶されている。加えて、データメモリ116には、ポケット部2とPTPシート1との位置関係に関するデータも予め記憶されている。これらデータを用いることで、錠剤5の位置に基づき、容器フィルム3におけるポケット部2の位置、ひいては、容器フィルム3におけるシート予定部位の位置を特定できるようになっている。
カメラタイミング制御装置117は、カメラ111の撮像タイミングを制御する。かかる撮像タイミングはPTP包装機10に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、容器フィルム3又はPTPフィルム6を所定量送るごとにカメラ111による撮像が行われる。
CPU及び入出力インターフェース118は、各検査装置T1,D,A,E,Sにおける各種制御を司る。例えば各種処理プログラムを実行するとともに、後述するコンピュータシステム91との間で各種信号を送受信する機能を有する。また、CPU及び入出力インターフェース118は、画像データにおけるポケット部2や錠剤5の位置に基づいて、容器フィルム3やPTPフィルム6におけるシート予定部位(検査対象)を特定する。そして、特定されたシート予定部位に対し、搬送順序に従った前記通し番号を設定する。シート予定部位の通し番号は、搬送方向上流側に向けて1つずつ増大していく態様となる。
次に、各検査装置T1,D,A,E,Sの構成についてより詳しく説明する。
第一検査装置T1は、シール前に容器フィルム3のポケット部2突出部側(錠剤5の表面側)から検査を行う透過光式の検査装置である。第一検査装置T1では、照明装置110が容器フィルム3のポケット部2開口部側に配置され、カメラ111が容器フィルム3のポケット部2突出部側に設けられている。そして、照明装置110から照射される光(近赤外光)のうち、容器フィルム3を透過した光を二次元撮像する構成となっている。
第一検査装置T1では、錠剤5ごとに検査項目X1〜X6に関する検査が行われる。
検査項目X1は、いわゆる「錠剤割れ」に関する項目であり、この項目では、錠剤5に割れが発生しているか否かが判定される。
検査項目X2は、いわゆる「錠剤破片混入」に関する項目であり、この項目では、ポケット部2内に、錠剤5の破片など、錠剤5以外の異物が存在するか否かが判定される。
検査項目X3は、いわゆる「欠錠」に関する項目であり、この項目では、ポケット部2内に錠剤5が充填されているか否かが判定される。
検査項目X4は、いわゆる「錠剤形状・大きさ違い」に関する項目であり、この項目では、錠剤5の形状や大きさが、製造品種と適合しているか否かが判定される。
検査項目X5は、いわゆる「錠剤欠け」に関する項目であり、この項目では、錠剤5に欠けが発生しているか否かが判定される。
検査項目X6は、いわゆる「錠剤表面剥離」に関する項目であり、この項目では、錠剤5の表面層が剥離しているか否かが判定される。
第二検査装置Dは、シール前に容器フィルム3のポケット部2開口部側(錠剤5の裏面側)から検査を行う反射光式の検査装置である。第二検査装置Dでは、照明装置110及びカメラ111が容器フィルム3のポケット部2開口部側に配置されている。そして、照明装置110から照射される光(近赤外線)のうち、錠剤5に反射した光を二次元撮像する構成となっている。
第二検査装置Dでは、各錠剤5に対し、前記検査項目X1〜X5に加えて、検査項目X7,X8に関する検査が行われる。
検査項目X7は、いわゆる「錠剤上毛髪」に関する項目であり、この項目では、錠剤5上に、毛髪などの線状異物が存在するか否かが判定される。
検査項目X8は、いわゆる「錠剤上異物」に関する項目であり、この項目では、錠剤5上に、大きさが数mm(例えば5mm)以上という大きな異物が存在するか否かが判定される。
第三検査装置Aは、シール前に容器フィルム3のポケット部2突出部側及び開口部側(錠剤5の表裏面側)から検査を行う透過光式及び反射光式の両機能を備えた検査装置である。第三検査装置Aでは、照明装置110が容器フィルム3のポケット部2突出部側及び開口部側の両側に1つずつ配置され、2つのカメラ111が容器フィルム3のポケット部2開口部側に設けられている。そして、ポケット部2突出部側の照明装置110から照射される光(可視光)のうち、容器フィルム3を透過した光が一方のカメラ111により二次元撮像され、ポケット部2開口部側の照明装置110から照射される光(可視光)のうち、錠剤5に反射した光が他方のカメラ111(カラーCCDカメラ)により二次元撮像される構成となっている。
第三検査装置Aでは、各錠剤5に対し、前記検査項目X1〜X5に加えて、検査項目X9に関する検査が行われる。また、第三検査装置Aでは、領域番号R1〜R4で示される各シート領域に対し、検査項目Y1,Y3,Y4に関する検査が行われる。
検査項目X9は、いわゆる「錠剤色」に関する項目であり、この項目では、錠剤5の色が、製造品種と適合しているか否かが判定される。
検査項目Y1は、いわゆる「シート上錠剤粉」に関する項目であり、この項目では、容器フィルム3上に、錠剤粉など大きさが数mm(例えば5mm)未満の小さな異物が存在するか否かが判定される。
検査項目Y3は、いわゆる「シート上毛髪」に関する項目であり、この項目では、容器フィルム3上に、毛髪などの線状異物が存在するか否かが判定される。
検査項目Y4は、いわゆる「シート上異物」に関する項目であり、この項目では、容器フィルム3上に、大きさが数mm(例えば5mm)以上という大きな異物が存在するか否かが判定される。
第四検査装置E及び第五検査装置Sは、シール後に容器フィルム3(PTPフィルム6)のポケット部2突出部側(錠剤5の表面側)から検査を行う反射光式の検査装置である。第四検査装置E及び第五検査装置Sでは、それぞれ照明装置110及びカメラ111が容器フィルム3(PTPフィルム6)のポケット部2突出部側に配置されている。そして、第四検査装置E及び第五検査装置Sでは、それぞれ照明装置110から照射される光(近赤外線)のうち、錠剤5に反射した光を二次元撮像する構成となっている。
第四検査装置Aでは、各錠剤5に対し、前記検査項目X1〜X5,X7,X8に関する検査が行われるとともに、領域番号R1〜R4で示される各シート領域に対し、検査項目Y1,Y3,Y4に関する検査が行われる。
第五検査装置Sでは、領域番号R1〜R4で示される各シート領域に対し、検査項目Y2についての検査が行われる。
検査項目Y2は、いわゆる「ノンシール・しわ」に関する項目であり、容器フィルム3に対するカバーフィルム4のシール良否が判定される。
また、各検査装置T1,D,A,E,Sは、コンピュータシステム91と電気的に接続されている。コンピュータシステム91は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAMなどを備えている。
コンピュータシステム91は、各検査装置T1,D,A,E,Sに記憶された各種情報(画像データや検査条件、良否判定結果に関する情報など)を受信可能に構成されている。そして、コンピュータシステム91は、検査装置T1,D,A,E,Sからの情報に基づき、図18に示すように、シート予定部位ごとに、所定の錠剤番号J1〜J10(図17参照)で指し示される各錠剤5及び所定の領域番号R1〜R4で指し示されるシート部分の各シート領域に対する、各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4に関する良否判定結果を特定・把握できるようになっている。さらに、シート予定部位の各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4に関する良否判定結果の情報は、ハードディスク等からなる記憶手段の一部としての記憶装置92(図4参照)に記憶されるようになっている。本実施形態では、これら各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4に関する良否判定結果に関する情報が、詳細情報の一部を構成する。尚、コンピュータシステム91は、必ずしも各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4の良否判定結果に関する情報を記憶装置92へと記憶する必要はない。例えば、各検査装置T1,D,A,E,Sの検査結果記憶装置114に記憶された良否判定結果に関する情報に基づき、各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4の良否判定結果に関する情報を得ることとしてもよい。この場合、検査結果記憶装置114が記憶手段の一部に相当することとなる。
尚、本実施形態では、各検査装置T1,D,A,E,Sにて実行される検査項目の一部が重複しているが、コンピュータシステム91は、重複している検査項目に関しては、少なくとも1つの検査装置T1,D,A,E,Sにて不良と判定されていれば、当該検査項目については不良と特定する。例えば、検査項目X1において、ある錠剤5が、検査装置T1,Dでは良と判定され、検査装置Aでは不良と判定された場合、コンピュータシステム91は、前記錠剤5は検査項目X1において不良と特定する。
さらに、コンピュータシステム91は、例えば上記加熱装置16、ポケット部形成装置17、錠剤充填装置21及び後述する排出用レール64の駆動手段などの各種装置の駆動制御や、フィルム受けロール20などの各種ロールの駆動制御などを司る。また、コンピュータシステム91は、搬送排出装置13の後述するシート搬送装置51に設けられたエンコーダと電気的に接続されており、当該エンコーダから送られる信号に基づき、シート搬送装置51により搬送されているPTPシート1の位置を把握可能となっている。
また、コンピュータシステム91による各種装置の駆動制御は、コンピュータシステム91のROM等に事前に設定された設定データ(各種機構の駆動量のデータなど)や各検査装置T1,D,A,E,Sから受信した情報、エンコーダからの出力信号等に基づき、コンピュータシステム91がPTP包装機10内の各種装置に対し制御信号を出力することにより行われる。例えば、コンピュータシステム91は、シート搬送装置51に設けられたエンコーダからの信号に基づき、上記検査装置T1,D,A,E,Sのいずれかによって不良判定されたPTPシート1である不良シート101(図8等参照)が後述する排出用レール64に到達したこと又は到達する直前であることを把握したとき、排出用レール64を駆動する駆動手段に対し不良品信号を送出するように構成されている。
加えて、コンピュータシステム91は、不良品信号を送出する度に、図19に示すように、当該不良品信号の送出により排出される不良シート101の通し番号と、不良シートカウンタの現在の値である不良シート番号とを関連付けた上で、これらを不良シートテーブルへと記憶する。不良シートカウンタは、初期値が1に設定されており、所定値(例えば、10000)に到達したときに初期値に戻るループカウンダである。不良シートカウンタは、不良シート101の通し番号及び不良シート番号を記憶装置92に対し記憶したときに、1つ増加するように設定されている。さらに、コンピュータシステム91は、不良シートカウンタの値を1つ増加させた直後に、後述する制御装置81に対しても不良品信号を送出するように構成されている。
次いで、搬送排出装置13について説明する。搬送排出装置13は、図6に示すように、シート搬送装置51、搬送手段としての不良シート搬送装置52、及び、これらを覆うカバー53を備えている。
シート搬送装置51は、図7〜10に示すように、PTPシート1の搬送路となる搬送台61と、環状の移動経路に沿って連続的に移動するコンベア62と、当該コンベア62の外周に設けられた複数の搬送爪63とを備えている。
搬送台61は、平行に延びる一対のレールを備えており、PTPシート1は当該レールに載置された状態で搬送される。また、搬送台61の中間部分には、排出用レール64が設けられており、当該排出用レール64は、図示しない駆動手段によって回動可能に支持されている(図8参照)。本実施形態では、排出用レール64及び前記駆動手段が、排出手段に相当する。排出用レール64は、コンピュータシステム91から前記駆動手段への不良品信号が出力されることによって、自身に対し不良シート101が到達したとき又は到達する直前に回動する。これにより、不良シート101は搬送台61から落下し、不良シート搬送装置52上へと案内される。
コンベア62は、搬送台61の上方に設けられており、搬送台61側を向く部位が第一装置11から第二装置12側へと連続的に移動する。
搬送爪63は、コンベア62とともに移動し、前記一対のレール間に配置された状態でPTPシート1を押す。これにより、第一装置11から第二装置12へとPTPシート1が搬送される。
不良シート搬送装置52は、シート搬送装置51と直交する方向に延び、環状の移動経路に沿って一定距離ずつ間欠的に移動するコンベアにより構成されている。不良シート搬送装置52の動作は、コンピュータシステム91によって制御されている。本実施形態において、コンピュータシステム91は、不良品信号の送出後一定時間経過後に、不良シート搬送装置52を制御し、不良シート搬送装置52を一定距離だけ移動させる。これにより、不良シート搬送装置52に載置された不良シート101は、新たな不良シート101が発生する毎に前記一定距離だけ下流側へと搬送されることとなる。
また、本実施形態において、搬送台61から落下した不良シート101は、不良シート搬送装置52における一定の大きさの領域内に1つずつ載置されるように構成されている。この領域は、不良シート搬送装置52による搬送方向に沿って前記一定距離と同一の長さを有し、かつ、不良シート搬送装置52による搬送方向と直交する方向に沿って不良シート搬送装置52の幅と略同じ長さを有する矩形状の領域であり、不良シート搬送装置52の搬送方向に沿って複数並んで存在している。不良シート搬送装置52が前記一定距離だけ移動させられることで、各領域は1領域分下流側へとシフト移動する。
これら各領域のうち最上流に位置する領域は、落下してきた不良シート101の載置される排出領域HAであり、前記各領域のうち排出領域HA以外の領域は、搬送過程にある不良シート101の載置される対象領域TAである(図9参照)。尚、図9において、不良シート101は、排出領域HA及び各対象領域TAの中心に載置されるとともに、その長手方向と不良シート搬送装置52による搬送方向とが平行となるように示されているが、実際には、その載置位置や向きにある程度のばらつきが生じても差し支えない。
加えて、不良シート搬送装置52は、最終的に図示しない不良品ホッパまで不良シート101を搬送する。そして、当該不良品ホッパに対し不良シート101が順次貯留されるようになっている。
さて、カバー53は、図6及び図9に示すように、シート搬送装置51及び不良シート搬送装置52の四方及び上方を囲むパネル板71を備えており、パネル板71は、板状のパネル本体72と、当該パネル本体72の外縁に設けられた金属製の外枠73とによって構成されている(尚、図においては、外枠73として、不良シート搬送装置52の上方に位置するパネル本体72の外縁に設けられているもののみを示している)。尚、本実施形態では、カバー53のうち不良シート搬送装置52の側方に位置する部位に対し、不良シート搬送装置52により搬送されている不良シート101を取出すための取出孔(図示せず)が設けられている。本実施形態において、前記取出孔は、各対象領域TAに対応して1つずつ設けられている。尚、取出孔を設けないこととしてもよい。
パネル本体72は、アクリル等の透明樹脂又は半透明樹脂によって構成されており、通常、パネル本体72を通してカバー53外からカバー53内のシート搬送装置51及び不良シート搬送装置52を視認可能となっている。本実施形態では、パネル本体72が透視部に相当する。
さらに、本実施形態において、不良シート搬送装置52の上方に位置するパネル本体72の外表面には、図11に示すように、それぞれ薄膜状をなす、入力手段としての入力検知センサ75と、表示手段としての液晶パネル76と、導光板77とが設けられている。入力検知センサ75、液晶パネル76及び導光板77は、この順序で重ねられた状態となっている。
入力検知センサ75は、投影型の静電容量式のタッチセンサであり、薄膜状で、かつ、透明又は半透明を呈している。また、入力検知センサ75は、例えば、x軸方向に延びる複数の電極を備えてなる透明の第一電極膜と、y軸方向に延びる複数の電極を備えてなる透明の第二電極膜と、両電極膜間に介在され両電極膜を絶縁状態とする絶縁膜とが、ガラス製の基板、及び、表面をカバーするための透明カバーにより挟まれることで構成されている。
また、前記両電極膜に設けられた各電極は、前記外枠73によって隠れた状態となっている制御用基板に接続されている。透明カバーに対する接触又は接近により、第一電極膜に設けられた電極と第二電極膜に設けられた電極との間の静電容量が変化すると、入力検知センサ75に入力があった旨の情報、及び、その変化が生じた部分(入力を検知した位置)の座標(x座標及びy座標)情報が前記制御用基板から後述する制御装置81へと出力される。尚、座標情報としては、入力検知センサ75の中心を原点としたものが出力される。また、入力検知センサ75としては、相対する2枚の抵抗膜を備えてなる抵抗膜方式のタッチセンサなどを用いてもよい。
液晶パネル76は、例えば、透明絶縁基板に複数の画素電極が形成されてなるTFT基板と、透明絶縁基板に複数の対向電極が形成されてなる対向基板と、TFT基板及び対向基板間に封入された液晶層と、TFT基板、対向基板及び液晶層を挟み込む2枚の偏光板と、1の偏光板の表面に設けられたカラーフィルタとを備えた薄膜状のものである。液晶パネル76の端縁部には、TFT基板や対向基板に対し、画像信号を送信したり、駆動電力を供給したりするための駆動基板が接続されている。
本実施形態では、通常、駆動基板からTFT基板等に対し駆動電力が供給されることで、液晶パネル76は透明又は半透明を呈している。また、駆動電力が調節されつつ、画像信号がTFT基板等に送信されることで、液晶パネル76の一部又は全部において画像を表示できるようになっている。尚、前記駆動基板は、前記外枠73によって隠れた状態となっている。
また、液晶パネル76は、複数の画素がx軸方向及びy軸方向に並んで配置された状態となっている。そして、画素の位置を示す座標を用いることで、液晶パネル76における画像の表示範囲を特定できるようになっている。
導光板77は、アクリル等の透明樹脂板に多数の溝(ドット)が形成されてなる。外枠73の裏側において上下方向に沿って配置された照明手段としての照明装置78(例えば、LEDや冷陰極管等であり、図9にて散点模様を付した位置に存在する)から導光板77の一側面に対し光が入射されることで、導光板77全体が面発光する。導光板77及び照明装置78は、液晶パネル76のバックライトとして機能する。また、本実施形態における照明装置78は、不良シート搬送装置52及びこれにより搬送される不良シート101を照らす機能も兼ね備えている。
さらに、入力検知センサ75の制御用基板、液晶パネル76の駆動回路及び照明装置78は、制御手段としての制御装置81と電気的に接続されている(図4参照)。
制御装置81は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、演算データ等を長期記憶するためのハードディスクなどを備えている。制御装置81は、入力検知センサ75から座標情報等が入力される。また、制御装置81は、液晶パネル76の駆動基板及び照明装置78の動作を制御することで、液晶パネル76にて様々な画像を表示可能である。尚、本実施形態において、通常、液晶パネル76は透明又は半透明であるため、パネル本体72、入力検知センサ75、液晶パネル76及び導光板77を通してカバー53内を視認可能である。但し、画像を表示させた場合には、液晶パネル76における画像の表示部分が、不透明又はほぼ不透明となる。このため、画像の視認性を高めることができる。
また、制御装置81は、コンピュータシステム91と接続されており、両者間でデータのやり取りが可能となっている。制御装置81は、コンピュータシステム91を介して、記憶装置92に記憶された、シート予定部位の各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4における良否判定結果に関する情報(図18参照)を得ることができるようになっている。加えて、制御装置81は、コンピュータシステム91を介して、各検査装置T1,D,A,E,Sに記憶された撮像画像等も得ることができるようになっている。
さらに、入力検知センサ75における座標と、液晶パネル76における座標との相対位置関係に関する情報は、制御装置81のROMに対し予め記憶されている。制御装置81は、この相対位置関係に関する情報に基づき、入力検知センサ75及び液晶パネル76のうちの一方の座標から、当該一方の座標と重なる位置にある、入力検知センサ75及び液晶パネル76のうちの他方の座標を特定することができるようになっている。
加えて、制御装置81のハードディスクには、シート画像SP、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4及び詳細表示用画像EPのデータが予め記憶されている。
シート画像SPは、図20に示すように、PTPシート1を模した画像であり、シート部分に相当する矩形状部分に対し、ポケット部2に相当する丸形状部分が複数列配置されてなる画像である。
不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4は、不良シート101における不良の発生位置と、不良判定された検査項目とを示すための画像である。不良表示画像には、図21に示すように、シート画像SPにおけるポケット部2に相当する部分と重なる位置にて表示されるポケット用不良表示画像MP1〜MP9と、図22に示すように、シート画像SPにおけるシート領域に相当する部分と重なる位置にて表示されるシート用不良表示画像TP1〜TP4とが存在する。ポケット用不良表示画像MP1〜MP9は、各検査項目X1〜X9に対応して複数種類(本実施形態では、9種類)設けられている。シート用不良表示画像は、各検査項目Y1〜Y4に対応して複数種類(本実施形態では、4種類)設けられている。つまり、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4は、不良判定された検査項目X1〜X9,Y1〜Y4を判別可能な態様とされている。
詳細表示用画像EPは、図23に示すように、各検査装置T1,D,A,E,Sにより得られた撮像画像を表示するための検査画像表示領域EP1と、各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4の良否判定結果に関する詳細情報を表示するための検査詳細表示領域EP2とを備えたものである。また、詳細表示用画像EPには、画像を消去する際に利用される「×」の記号が記された消去用ボタン領域BSと、「1」〜「5」の数字が記され、検査画像表示領域EP1にて表示されている撮像画像を変更するための変更用ボタン領域CSとが設けられている。尚、上述した各画像の態様は一例であって、適宜変更可能である。
また、制御装置81には、液晶パネル76における、不良シート搬送装置52の前記各対象領域TAと相対する領域である表示領域DA1,DA2,DA3(図34等参照)の座標範囲がそれぞれ記憶されている。表示領域DA1〜DA3は、不良シート搬送装置52による搬送方向に沿った上流側から下流側に向けてこの順序で並んで設けられている。
そして、制御装置81は、液晶パネル76等を制御することで、表示領域DA1〜DA3において、不良シート搬送装置52に載置されている不良シート101の良否判定結果に関する情報を表示させる(図36,37等参照)。本実施形態では、シート画像SPを表示させるとともに、良否判定結果に関する情報として、シート画像SPのうち不良判定された検査位置に対応する位置にて不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4を表示させる。不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4が表示されることで、良品の錠剤5及びシート領域と、不良品の錠剤5及びシート領域とを区別することができるようになっている。
さらに、制御装置81は、図24に示すように、表示領域DA1〜DA3と、各表示領域DA1〜DA3にて良否判定結果に関する情報が表示されている不良シート101の不良シート番号とを関連付けた上で、これらを表示対象テーブルに記憶している。表示対象テーブルにおいては、不良シート番号と関連付けて、錠剤番号や領域番号で表される不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の表示位置に関する情報、及び、表示すべき不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の種別を示す情報も合わせて記憶されている。尚、表示対象テーブルは、初期状態(例えば、不良シート101が1枚も排出されていない段階)において、各表示領域DA1〜DA3に対応する不良シート番号がそれぞれ所定の初期値(例えば0)に設定されている。
加えて、制御装置81は、図25及び図26に示すように、入力検知センサ75の座標範囲と、この座標範囲へと入力があった場合に実行される入力時処理とを関連付けた上で、これらを入力時処理テーブルに記憶している。また、入力時処理テーブルにおいては、入力時処理において用いられる不良シート番号、及び、錠剤番号や領域番号で表される位置情報も合わせて記憶されている。
次いで、制御装置81において行われる各処理について、フローチャートを参照して説明する。尚、制御装置81のROMやハードディスクには、以下の各処理を実現するためのプログラムが予め記憶されている。
まず、制御装置81において所定時間(例えば、100ms)毎に行われる通常処理について説明する。通常処理では、図27に示すように、まず、ステップS101において、不良シート101が排出されたか否かを判定する。この判定は、コンピュータシステム91から制御装置81に対し、不良品信号が入力されたか否かを判定することにより行われる。
ステップS101にて否定判定された場合、すなわち、前回の通常処理から今回の通常処理までの間に、制御装置81に対して不良品信号が入力されていない場合には、ステップS103に移行する。一方、ステップS101にて肯定判定された場合、すなわち、前回の通常処理から今回の通常処理までの間に、制御装置81へと不良品信号が入力された場合には、ステップS102に移行し、排出時処理を実行する。
次いで、排出時処理について説明する。排出時処理においては、図28に示すように、まず、ステップS201において、表示対象テーブルにおける不良シート番号を1つずつシフトする。具体的には、表示領域DA1に対応する不良シート番号を表示領域DA2に対応するものとし、表示領域DA2に対応する不良シート番号を表示領域DA3に対応するものとする。尚、表示領域DA3に対応する不良シート番号は消去される。
次いで、ステップS202において、コンピュータシステム91から現在の不良シートカウンタの値を取得するとともに、表示対象テーブルにおける表示領域DA1に対応する不良シート番号を、取得した不良シートカウンタの値に設定する。そして、続くステップS203において、表示対象テーブルに基づき不良シート番号が1以上に設定されている表示領域DA1〜DA3を特定するとともに、特定した表示領域DA1〜DA3に対応して表示フラグをオンに設定する。表示フラグは、各表示領域DA1〜DA3に対応して複数(本実施形態では、3つ)存在する。尚、各表示フラグは、初期状態においてオフとされている。
続くステップS204では、検査結果表示処理を実行し、本処理を終了する。
次いで、検査結果表示処理について説明する。検査結果表示処理では、図29に示すように、まず、ステップS301において、各表示領域DA1〜DA3にて表示されている画像等を一旦消去する。さらに、ステップS302において、入力時処理テーブルの内容をリセットする。
次いで、ステップS303において、対応する表示フラグがオンとされている表示領域DA1〜DA3において、シート画像SPを表示させる。尚、シート画像SPは、その中心が表示領域DA1〜DA3の中心座標と一致した状態で表示される。
次のステップS304では、表示対象テーブルにある不良シート番号で示される不良シート101の各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4における良否判定結果を取得する。具体的には、制御装置81からコンピュータシステム91に対し、表示対象テーブルにて記憶されている不良シート番号を通知するとともに、この不良シート番号で示される不良シート101の良否判定結果に関する情報を出力するように指示を出す。この指示を受けたコンピュータシステム91は、不良シートテーブル(図19参照)を参酌して、通知された不良シート番号が示すPTPシート1の通し番号を得る。その上で、得られた通し番号に対応するPTPシート1の各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4における良否判定結果に関する情報を、記憶装置92から得るとともに、制御装置81へと出力する。これにより、制御装置81は、表示領域テーブルにある不良シート番号で示される不良シート101の各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4における良否判定結果に関する情報を取得する。
続くステップS305では、得られた各不良シート101の良否判定結果に関する情報に基づき、シート画像SP中における不良判定された部位に対応する部分を、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の表示位置として決定する。例えば、不良判定された部位が錠剤番号J3で示される錠剤5であった場合、シート画像SP中における錠剤番号J3で示される錠剤5に対応する位置を不良表示画像MP1〜MP9の表示位置として決定する。尚、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の表示位置は、不良シート101ごとに決定されるとともに、不良シート番号と関連付けられた上で、表示対象テーブル(図24参照)に記憶される。
次いで、ステップS306では、ステップS305にて決定した表示位置のそれぞれに対し、表示すべき不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4を選択する。例えば、錠剤番号J3で示される錠剤5が、検査項目X1,X2,X3,X5で不良判定されている場合、検査項目X1,X2,X3,X5に対応する不良表示画像MP1,MP2,MP4,MP5をそれぞれ選択する。選択された不良表示画像は、表示順を示す数値(表示順数値)とともに、不良シート番号と関連付けられた上で、表示対象テーブルに記憶される。
続くステップS307では、表示対象テーブルを参酌し、ステップS305にて決定された表示位置に対し、ステップS306にて選択された不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4を表示する。尚、1の表示位置に対して表示すべき不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4が複数選択されている場合には、複数の不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4のうち、最も小さい表示順数値に対応するものを表示する。
次いで、ステップS308において、表示領域DA1〜DA3ごとに、入力検知センサ75のうち、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4と重なる部分の座標範囲〔例えば、(x1〜x2,y1〜y2)、(x3〜x4,y3〜y4)、(x5〜x6,y5〜y6)・・・〕をそれぞれ特定する。さらに、続くステップS309において、特定した各座標範囲に対し、この座標範囲に対応する不良シート番号と、位置情報としての錠剤番号J1〜J10や領域番号R1〜R4とを関連付ける。例えば、不良シート番号が「1」とされた不良シート101の良否判定結果を示す表示領域において、錠剤番号J3で示される錠剤5に対応する位置に不良表示画像MP1〜MP9が表示されている場合、当該不良表示画像MP1〜MP9と重なる部分の座標範囲に対し、不良シート番号の「1」、及び、位置情報としての錠剤番号J3とが関連付けられる。その後、ステップS310において、不良シート番号、位置情報及び座標範囲と、座標範囲に対応する表示領域DA1〜DA3を示す情報と、入力時処理としての後述する詳細表示処理とをそれぞれ関連付けた上で、これらを入力時処理テーブル(図25,26参照)に記憶する。
続くステップS311において、タイマーを設定し(タイマーによるカウントをスタートし)、本処理を終了する。尚、タイマーは、通常処理における表示更新処理(ステップS106)を行うか否かを判定するために用いられる。
次いで、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の表示位置に対し入力があった場合に実行される処理である、詳細表示処理について説明する。詳細表示処理では、図30に示すように、まず、ステップS401において、入力時処理テーブルを参酌して、入力のあった座標範囲に関連付けられている位置情報を取得する。例えば、図25の例では、入力検知センサ75の(x1〜x2,y1〜y2)の座標範囲へと入力があった場合、錠剤番号J3が位置情報として取得される。
続くステップS402では、入力時処理テーブルを参酌して、入力のあった部分に対応する不良シート番号を把握するとともに、コンピュータシステム91を介して、把握した不良シート番号で示される不良シート101の各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4における良否判定結果に関する情報を取得する。例えば、図25の例において、入力検知センサ75における(x1〜x2,y1〜y2)の座標範囲に対し入力があった場合、不良シート番号が「3」とされた不良シート101における良否判定結果に関する情報を取得する。尚、ステップS304で得られた良否判定結果に関する情報を利用することで、ステップS402の処理を省略してもよい。
続くステップS403では、コンピュータシステム91を介して、ステップS402にて良否判定結果に関する情報を得た不良シート101の検査時における撮像画像を得る。具体的には、制御装置81からコンピュータシステム91に対し撮像画像を送信する旨の命令及び不良シート番号を通知することで、コンピュータシステム91は、通知された不良シート番号に対応するPTPシート1の撮像画像を各検査装置T1,D,A,E,S(画像メモリ113)から得る。その上で、コンピュータシステム91から制御装置81に対し得られた撮像画像が送られることで、不良シート101の撮像画像が得られる。尚、1の不良シート101に対する撮像画像は、検査装置T1,D,A,E,Sごとに少なくとも1つずつ存在し、この処理により、各検査装置T1,D,A,E,Sによって得られた撮像画像がそれぞれ取得される。
次いで、ステップS404において、表示領域DA3に表示されている画像を消去する。さらに、ステップS405において、入力時処理テーブルにおける表示領域DA3に対応するデータをリセット(消去)する。
続くステップS406では、表示領域DA3において、詳細表示用画像EPを表示する。さらに、ステップS407では、ステップS402において得られた良否判定結果に関する情報を検査詳細表示領域EP2にて表示させる。例えば、検査詳細表示領域EP2において、各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4の良否判定結果に関する情報を個別に表示させる。
続くステップS408では、ステップS403において得られた撮像画像において、ステップS401にて取得された位置情報に対応する位置及びその近傍部分を拡大した画像を検査画像表示領域EP1にて表示させる。例えば、ステップS401にて位置情報として錠剤番号J3が得られている場合、錠剤番号J3に対応する位置及びその近傍部分の拡大画像が表示される。尚、ステップS403において撮像画像は複数得られるが、本実施形態では、第一検査装置T1により得られた撮像画像の拡大画像が検査画像表示領域EP1にて表示される。
次いで、ステップS409において、入力検知センサ75のうち、消去用ボタン領域BSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x7〜x8,y7〜y8)〕を特定する。その上で、ステップS410において、特定した座標範囲、及び、入力時処理としての検査結果表示処理を関連付けた上で、これらを入力時処理テーブルに記憶する(図26参照)。
続くステップS411では、入力検知センサ75のうち、各変更用ボタン領域CSと重なる部分の座標範囲〔例えば、(x9〜x10,y9〜y10)、(x11〜x12,y11〜y12)、(x13〜x14,y13〜y14)、(x15〜x16,y15〜y16)、(x17〜x18,y17〜y18)〕をそれぞれ特定する。その上で、ステップS412において、特定した各座標範囲に対し、入力時処理としての画像変更処理を関連付けた上で、これらを入力時処理テーブルに記憶する(図26参照)。尚、画像変更処理については、後述する。
そして、ステップS413において、制御装置81のRAMに対し、拡大対象位置情報として、ステップS401にて取得された位置情報を記憶することで、本処理を終了する。尚、拡大対象位置情報は、上書き更新されることなる。
図27に戻り、ステップS101で否定判定された場合、又は、ステップS102の排出時処理に続いて、ステップS103において、入力検知センサ75に対する入力の有無を判定する。入力がなかった場合(ステップS103:NO)には、ステップS105に移行する。一方、入力があった場合(ステップS103:YES)には、ステップS104に移行し、操作時処理を実行する。操作時処理については、後述する。
ステップS103で否定判定された場合、又は、ステップS104の操作時処理の後、ステップS105において、タイマーの値が所定値T0よりも大きいか否かを判定する。所定値T0は、表示されている不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4が変更される時間間隔に対応するものであり、例えば、3秒に設定される。ステップS105で否定判定された場合には、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の変更タイミングに至っていないため、本処理を終了する。一方、ステップS105で肯定判定された場合には、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の変更タイミングであるため、ステップS106に移行し、表示変更処理を実行する。
表示変更処理では、表示対象テーブルを参酌し、現在表示されている不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4に対応する表示順数値(例えば、1)を得るとともに、現在表示されている不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4に代えて、得られた表示順数値の次の表示順数値(例えば、2)に対応する不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4を表示する。尚、得られた表示順数値の次の表示順数値に対応する不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4が存在しない場合には、最も小さい表示順数値に対応する不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4が再表示される。
表示変更処理に続き、ステップS107において前記タイマーをリセットすることで、通常処理を終了する。
次いで、操作時処理について説明する。操作時処理は、表示画像における特定の部分(具体的には、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4、消去用ボタン領域BS及び変更用ボタン領域CS)に対し入力があった場合に行われるものである。操作時処理では、図31に示すように、まず、ステップS501において、入力時処理テーブルを参酌し、入力検知センサ75に対する入力座標が、入力時処理テーブルに記憶された各座標範囲内に含まれるか否かを判定する。ステップS501にて否定判定された場合には、本処理を終了する。
一方、ステップS501にて肯定判定された場合には、ステップS502に移行し、入力時処理テーブルを参酌し、ステップS501において入力座標を含むと判定された座標範囲に関連付けられている入力時処理を実行し、本処理を終了する。
入力時処理には、上述した詳細情報表示処理及び検査結果表示処理に加えて、画像変更処理が存在する。次いで、画像変更処理について説明する。
画像変更処理は、表示領域DA3において詳細表示用画像EPが表示されている状態で、入力検知センサ75のうち、変更用ボタン領域CSと重なる部分のいずれかに対して入力があった場合に行われる処理である。画像変更処理では、図32に示すように、まず、ステップS601において、検査画像表示領域EP1に表示されている拡大画像を消去する。
次いで、ステップS602において、入力のあった変更用ボタン領域CSの種類に基づき、ステップS403において得られた複数の撮像画像から表示すべき撮像画像を選択する。例えば、入力のあった変更用ボタン領域CSに記されている数値が「1」である場合には、第一検査装置T1により撮像された撮像画像を選択し、入力のあった変更用ボタン領域CSに記されている数値が「2」である場合には、第二検査装置Dにより撮像された撮像画像を選択する。
続くステップS603では、ステップS413にて記憶された拡大対象位置情報から位置情報を得る。その上で、ステップS604において、ステップS602にて選択された撮像画像において、ステップS603にて取得された位置情報に対応する位置及びその近傍部分を拡大した画像を検査画像表示領域EP1にて表示させる。ステップS604の後、本処理を終了する。
次に、不良シート101が排出されたり、作業者が操作したりしたときにおける、不良シート搬送装置52の動作や、カバー53における表示の変化などについて説明する。
不良シート搬送装置52に対し不良シート101が排出されると、排出された不良シート101は、不良シート搬送装置52に載置されるとともに、不良シート搬送装置52によって前記一定距離だけ下流側に搬送される。これにより、図33に示すように、排出された不良シート101は、不良シート搬送装置52のうち最上流に位置する対象領域TAに載置される。
また、不良シート101の搬送とほぼ同時に、制御装置81において排出時処理が実行される。これにより、図34に示すように、カバー53の表示領域DA1において、シート画像SPと、不良部分の位置及び不良内容を示す不良表示画像(図34に示す例では、不良表示画像MP1)とが表示される。すなわち、本実施形態では、カバー53のうち、不良シート搬送装置52により搬送方向される不良シート101と対応する位置において、当該不良シート101の良否判定結果に関する情報が表示される。
さらに、不良判定された検査項目が複数存在する場合には、前記所定値T0と同じ時間が経過する度に現在の不良表示画像の表示位置と同じ位置において、表示対象テーブルに記憶されている不良表示画像が順次表示されていく。このように不良表示画像が順次変更されることで、作業者は、特別な操作を行うことなく、不良判定された検査項目を全て認識することができる。
また、不良シート101が排出される度に、不良シート搬送装置52により、不良シート101が前記一定距離だけ下流側に搬送される。これにより、図35に示すように、不良シート101は、不良シート搬送装置52において、排出された順序で並べられた状態となる。また、不良シート101が排出される度に、排出時処理が実行されることで、図36及び図37に示すように、カバー53において、シート画像SP及び不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4(つまり、不良シート101の良否判定結果に関する情報)は、不良シート101の並び順に対応する順序に並べられた状態で表示される。さらに、不良シート101が排出される度に、表示されたシート画像SP及び不良表示画像(良否判定結果)は、その並び方向に沿って不良シート101の搬送位置に応じて移動表示される。
さらに、入力検知センサ75のうち、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の表示位置と重なる位置に対し入力を行うと、図38(図38は、表示領域DA1の不良表示画像MP1と重なる位置に入力があった場合を示す)に示すように、表示領域DA3において、詳細表示用画像EPが表示される。また、検査画像表示領域EP1において、入力のあった部分に対応する撮像画像の拡大画像が表示されるとともに、検査詳細表示領域EP2において、入力のあった部分に対応する不良シート101の良否判定結果に関する情報が表示される。
この状態において、入力検知センサ75のうち変更用ボタン領CSと重なる部分へと入力を行うと、検査画像表示領域EP1にて表示されている拡大画像を変更することができる。例えば、「3」と記された変更用ボタン領域CSと重なる部分へと入力を行うと、第三検査装置Aにより得られた撮像画像の拡大画像が、検査画像表示領域EP1で表示されることとなる。
また、入力検知センサ75のうち消去用ボタン領域BSと重なる部分へと入力を行うと、検査結果表示処理が実行され、表示領域DA3において詳細表示用画像EPが消去されるとともに、各表示領域DA1〜DA3において、シート画像SP及び不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4が再度表示されることとなる。尚、本実施形態では、詳細表示用画像EPの表示中に不良シート101が新たに排出された場合においても、詳細表示用画像EPが消去され、各表示領域DA1〜DA3においてシート画像SP等が再表示されることとなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、不良シート搬送装置52により搬送されている不良シート101の良否判定結果に関する情報(不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4)が、不良シート搬送装置52を覆うカバー53において表示される。従って、不良シート101及び良否判定結果の対応関係をより容易に把握することができる。その結果、不良シート101における実際の不良内容の特定や、各検査装置T1,D,A,E,Sによる検査が正常に行われているか否かの確認等をより容易に行うことができ、使い勝手をより高めることができる。
さらに、良否判定結果に関する情報は、不良シート搬送装置52の上方に位置するカバー53において、不良シート搬送装置52における不良シート101の搬送順と同じ順序で並べて表示され、かつ、不良シート101の搬送に合わせて移動表示される。従って、不良シート101と良否判定結果との対応関係を一層容易に把握することができる。また、各不良シート101における良否判定結果に関する情報を容易に比較することができる。さらに、移動表示される情報に基づき、不良シート101の排出状況や搬送状況を知ることができる。加えて、搬送中の不良シート101をカバー53に載せた上で、当該不良シート101と当該不良シート101における良否判定結果とを比較することができる。これらの結果、使い勝手をより一層向上させることができる。
また、本実施形態では、良否判定結果に関する情報として、シート画像SPのうち不良判定された部分と対応する位置に不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4が表示される。従って、不良シート101における不良の生じた部分を一目で把握することができ、さらに、カバー53における表示内容に基づき、どのような不良がどのような順序で発生しているのかを極めて容易に把握することができる。その結果、使い勝手をさらに向上させることができる。
加えて、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4は、各検査項目X1〜X9,Y1〜Y4に対応してそれぞれ異なるものとされている。従って、表示されている不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4に基づいて不良判定された検査項目を知ることができ、使い勝手をより向上させることができる。
さらに、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の表示部分へと接触等を行うことにより、その不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4に対応する不良シート101の詳細情報が表示される。従って、不良シート101の良否判定結果に関する情報を確認しつつ、その場で、さらにその不良シート101に関する詳細な情報を得ることができる。これにより、一層良好な使い勝手を実現することができる。
また、本実施形態では、パネル本体72、入力検知センサ75及び液晶パネル76等を介して外部から不良シート搬送装置52や不良シート101を容易に視認することができる。その結果、不良シート101の排出状況などを適宜確認することができ、使い勝手を一層向上させることができる。
さらに、照明装置78は、液晶パネル76に対し光を照射する機能とともに、搬送される不良シート101を照らす機能を備えている。従って、液晶パネル76に光を照射するための手段と、不良シート101を照らすための手段とを別々に設ける必要がなく、装置の小型化や各種コストの低減を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、良否判定結果に関する情報として不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4を表示するように構成されているが、良否判定結果に関する情報として、文字情報や数値情報などを表示するように構成してもよい。
(b)上記実施形態では、対象領域TAにおける不良シート101の載置位置に関わらず、表示領域DA1〜DA3の中心においてシート画像SP等が表示されるように構成されている。これに対し、カバー53のうち不良シート101の載置位置に応じた位置(例えば、不良シート101と重なる位置)に、シート画像SPや不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4(つまり、良否判定結果に関する情報)を表示させるように構成してもよい。例えば、対象領域TAにおける不良シート101の載置位置を検出可能な位置検出センサ(例えば、光電センサ)を設けるとともに、当該位置検出センサから制御装置81へと載置位置に関する情報を出力するように構成する。そして、制御装置81が、入力された情報に基づき、シート画像SP等の表示位置を設定するように構成することで、カバー53のうち不良シート101の載置位置に応じた位置に、シート画像SP等を表示させることができる。このように構成した場合には、不良シート101とその良否判定結果との対応関係をより一層容易に把握することができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
(c)上記実施形態では、カバー53のうち不良シート搬送装置52の上方に位置する部位にて良否判定結果に関する情報が表示されているが、カバー53におけるその他の部位(例えば、不良シート搬送装置52の側方に位置する部位)にて良否判定結果に関する情報を表示することとしてもよい。
(d)上記実施形態において、不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4は、各検査項目に対応してそれぞれ異なるものとされているが、不良表示画像については必ずしもこのように異なるものとする必要はない。従って、例えば、一種類の不良表示画像のみを用いることとしてもよい。
(e)上記実施形態では、入力検知センサ75のうち不良表示画像MP1〜MP9,TP1〜TP4の表示位置と重なる部分に入力があった場合に、不良シート101の詳細情報が表示されるように構成されている。これに対し、入力検知センサ75のうちシート画像SPの表示位置と重なる部分に入力があった場合に、そのシート画像SPに対応する不良シート101の詳細情報を表示するように構成してもよい。また、入力検知センサ75のうちシート画像SPの表示位置の近傍へと入力があった場合においても、そのシート画像SPに対応する不良シート101の詳細情報が表示されるように構成してもよい。
(f)上記実施形態では、表示領域DA3において詳細情報(詳細表示用画像EP)が表示されるように構成されているが、入力のあった位置と重なる表示領域にて詳細情報を表示させるように構成してもよい。この場合には、表示されている詳細情報が、どの不良シート101に関するものであるのかをより容易に把握することができる。
また、詳細情報を、液晶パネル76の全域にて表示させることとしてもよい。この場合には、より多くの情報を一度に表示することができ、使い勝手をさらに高めることができる。
さらに、カバー53とは別に、詳細情報を表示可能な詳細情報表示部(例えば、液晶パネルやスクリーン等)を設け、当該詳細情報表示部において詳細情報を表示することとしてもよい。尚、詳細情報表示部における表示内容は、制御装置81により制御される。
(g)上記実施形態では、不良シート101が排出される度に、表示領域にて表示されているシート画像SP等を1つ下流側の表示領域にて再表示させることで、シート画像SP等の移動表示が実現されているが、不良シート101の搬送に合わせて、シート画像SP等が連続的に移動しているように表示させることで、シート画像SP等の移動表示を実現してもよい。これは、排出時処理におけるステップS204の処理前の段階において、カバー53にて現在表示されている画像を移動表示させる処理を設けることで実現可能である。
(h)上記実施形態では、詳細表示用画像EPの表示中に不良シート101が排出されると、詳細表示用画像EPが消去されるように構成されている。これに対し、詳細表示用画像EPの表示中には、不良シート101が排出されても、詳細表示用画像EPが消去されないように構成してもよい。
(i)上記実施形態では、不良シート101の排出に伴いシート画像SP等が必ず移動表示されるように構成されているが、必要に応じて、不良シート101が排出されても移動表示が行われないように構成してもよい。この場合、良否判定結果に関する情報の確認作業をより確実に行うことができる。尚、移動表示が行われないようにした場合においては、不良シート101の排出に伴い不良シート101が搬送されるように構成してもよいし、不良シート101が排出されても不良シート101が搬送されないように構成してもよい。
但し、後者の場合、不良シート搬送装置52の排出領域HAに対し複数の不良シート101が配置されてしまい、結果として、1の対象領域TAに複数の不良シート101が配置されてしまうことが考えられる。この場合、不良シート101と表示領域にて表示されている良否判定結果に関する情報との対応関係にずれが生じてしまうおそれがある。そこで、このような不具合の発生を防止すべく、排出用レール64と不良シート搬送装置52との間に、不良シート101をその排出順に重ねた状態で一時的に貯留するバッファ機構を設け、当該バッファ機構から排出領域HAに対し1の不良シート101のみが配置されるように構成してもよい。
(j)上記実施形態では、表示手段として液晶パネル76が用いられるとともに、照明手段としての照明装置78から照射された光が液晶パネル76へと照射されることで、カバー53において各種画像を表示させるように構成されている。
これに対し、液晶パネル76及び照明装置78に代えて、カバー53から離間した位置に設けられた、表示手段及び照明手段としてのプロジェクタを用いることとしてもよい。尚、プロジェクタは、液晶パネルや照明手段に相当するランプ等を内部に備えており、カバー53の外表面に画像を投影させて表示するものである。また、制御装置81によりプロジェクタを制御することで、カバー53における表示内容を変更することができる。
(k)上記実施形態において、不良シート101は、一列に並んだ状態で搬送されているが、複数列に並んだ状態で搬送されることとしてもよい。また、不良シート101の搬送態様に合わせて、カバー53における表示態様を適宜変更してもよい。
(l)シール前検査部22やシール後検査部29の構成、各検査装置T1,D,A,E,Sの構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、シール前検査部22やシール後検査部29を1つの装置として一体に設けた構成としてもよい。
また、各検査装置T1,D,A,E,Sによる検査項目や検査内容に関しても、上記実施形態に限定されるものではない。
(m)上記実施形態において、PTPフィルム6は、その幅方向に沿って1シート分に対応する数のポケット部2が配列された構成となっているが、これに限定されるものではなく、例えば、その幅方向に沿って複数シート分に対応する数のポケット部2が配列された構成であってもよい。この場合には、シート打抜装置37の1回の動作により、複数のPTPシート1を一度に打抜くこととしてもよい。
(n)上記実施形態では、物品が錠剤5である場合について具体化しているが、物品の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品、カプセル等、物品が錠剤5とは異なるものであってもよい。
(o)上記実施形態では、容器フィルム3がPPやPVC等の熱可塑性樹脂材料等により形成され、カバーフィルム4がアルミニウム箔等を基材として形成されているが、各フィルム3,4の材料は、これらに限定されるものではなく、他の材質のものを採用してもよい。