以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照しながら説明する。
図1ないし図4を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置としてのプリンター1について説明する。図1はプリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。図2はプリンター1の画像形成部6を模式的に示す断面図である。図3はプリンター1の制御装置8等を示すブロック図である。図4は帯電装置15を模式的に示す断面図である。なお、以下、各図に矢印で示した方向を基準にして説明する。
図1に示すように、プリンター1は、略箱型形状の装置本体2と、装置本体2の下部に設けられる給紙カセット3と、装置本体2の上部に設けられる排紙トレイ4と、を備えている。また、プリンター1は、装置本体2の内部に、給紙部5と、画像形成部6と、定着装置7と、制御装置8と、を備えている。給紙部5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延設される搬送経路10の上流側に設けられている。画像形成部6は、搬送経路10の中間部に設けられている。定着装置7は、搬送経路10の下流側に設けられている。制御装置8は、各部を統括制御するために設けられている。
給紙部5は、給紙カセット3内に収容された用紙Sを搬送経路10に送り出す。なお、給紙カセット3に収納される用紙Sは、紙製に限らず、樹脂フィルムやOHP(Over Head Projector)シート等であってもよい。
画像形成部6は、トナーコンテナ11と、ドラムユニット12と、光走査装置13と、を含んで構成されている。トナーコンテナ11は、補給用のトナー(ブラック)を収容している。ドラムユニット12は、感光体ドラム14上のトナー像を用紙Sに転写してモノクロの画像を形成する。光走査装置13は、走査光を出射して、感光体ドラム14の表面に静電潜像を形成する。なお、トナーは、磁性トナーから成る一成分現像剤でもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤でもよい。
ドラムユニット12は、感光体ドラム14と、帯電装置15と、現像装置16と、転写ローラー17と、クリーニング装置18と、を含んで構成されている。帯電装置15、現像装置16、転写ローラー17およびクリーニング装置18は、感光体ドラム14の周囲に転写プロセス順に配置されている。
図2に示すように、像担持体としての感光体ドラム14は、ドラム素管14aと感光層14bとを含んで構成されている。ドラム素管14aは、導電性材料(アルミニウム等)によって前後方向(図2の紙面奥行き方向)に長い円筒状に形成されている。感光層14bは、ドラム素管14aの外周面に塗工されている。感光層14bは、有害性が低く量産性に優れる正帯電単層有機感光体によって形成されている。なお、感光層14bの層厚は、例えば、20〜30μm程度に設定されている。
感光体ドラム14(ドラム素管14a)は、装置本体2内のフレーム(図示せず)に軸支されている。感光体ドラム14は、光走査装置13からの露光によって形成された静電潜像を担持しつつ、駆動装置20(図3参照)によって回転駆動される。なお、図示は省略するが、駆動装置20は、駆動モーターとギア列等の動力伝達機構とを含んで構成されている。駆動装置20は、図示しない電源からの電力によって駆動される。
帯電装置15は、ケース21と、帯電ローラー22と、ブラシローラー23と、シール部材24と、を含んで構成されている。
ケース21は、感光体ドラム14側に開口部21aを有し、前後方向に長い略矩形箱状に形成されている。ケース21の内部には、帯電ローラー22およびブラシローラー23が軸支されている。
帯電部材としての帯電ローラー22は、帯電シャフト22aと帯電ゴム層22bとを含んで構成されている。帯電シャフト22aは、導電性材料によって前後方向に長い中実円筒状に形成されている。帯電シャフト22aは、感光体ドラム14と平行に配設されている。帯電ゴム層22bは、帯電シャフト22aの外周面に積層されている。帯電ゴム層22bは、例えば、エピクロルヒドリンゴム等にイオン導電剤を配合した導電性材料で形成されている。なお、帯電ゴム層22bの層厚は、例えば、1〜3mm程度に設定されている。
帯電ローラー22は、ケース21の開口部21aから一部を露出させ、感光体ドラム14の表面に接触している。帯電ローラー22は、駆動装置20(図3参照)によって軸周りに回転駆動される。また、帯電ローラー22は、帯電バイアス電源25に接続されている(図3参照)。帯電バイアス電源25は、帯電ローラー22に帯電バイアス(直流電圧)を印加する。これにより、帯電ローラー22は、回転する感光体ドラム14に接触して画像形成時に感光体ドラム14(感光層14b)を帯電させる(帯電動作)。
ブラシローラー23は、帯電ローラー22を挟んで感光体ドラム14の反対側に配設されている。ブラシローラー23は、前後方向に長い円筒状に形成され、帯電ローラー22の表面に接触している。ブラシローラー23は、駆動装置20(図3参照)によって軸周りに回転駆動される。これにより、ブラシローラー23は、帯電ローラー22の表面の付着物を除去する。
ケース21において感光体ドラム14の回転方向上流側の側壁には、シール部材24が設けられている。シール部材24は、例えば、ウレタン樹脂によって前後方向に長い略矩形板状に形成されている。シール部材24の基端部はケース21の側壁に固定され、シール部材24の先端部は感光体ドラム14の表面に略均一な圧力で接触している。すなわち、シール部材24は、感光体ドラム14とケース21との隙間を閉鎖するように、感光体ドラム14と平行に配設されている。
上記したケース21は、帯電ローラー22と感光体ドラム14との接触部分(放電領域)を覆うように設けられている。また、感光体ドラム14とケース21との隙間は、シール部材24によって閉鎖されている。これにより、当該放電領域の酸素濃度を下げることができ、放電生成物の発生を低減することができる。
図1に示すように、現像装置16は、現像筐体30の内部に軸支される現像ローラー31を含んで構成されている。現像ローラー31は、前後方向に長い円筒状に形成され、感光体ドラム14と平行に配設されている。現像ローラー31は、現像筐体30から一部を露出させ、感光体ドラム14との間に僅かな隙間を形成している。なお、現像筐体30には、パイプ等(図示せず)を介してトナーコンテナ11が接続されている。これにより、トナーコンテナ11から現像筐体30内にトナーが補給される。なお、現像筐体30の内部には、トナーを攪拌しつつ循環させる一対の搬送スクリュー32が設けられている。また、現像ローラー31および一対の搬送スクリュー32は、駆動装置20(図3参照)によって回転駆動される。
また、現像ローラー31は、現像バイアス電源33に接続されている(図3参照)。現像バイアス電源33は、交流電圧と直流電圧とを重畳した現像バイアスを現像ローラー31に印加する。これにより、現像装置16(現像ローラー31)は、感光体ドラム14にトナーを供給して、感光体ドラム14上の静電潜像をトナー像に現像する(現像動作)。
転写ローラー17は、導電性材料によって前後方向に長い円筒状に形成されている。転写ローラー17は、搬送経路10を挟んで感光体ドラム14に対向して設けられている。また、転写ローラー17は、転写バイアス電源34に接続されている(図3参照)。転写バイアス電源34は、転写ローラー17にトナーの極性とは逆極性の転写バイアスを印加する。これにより、転写ローラー17は、感光体ドラム14上のトナー像を用紙Sに転写する(転写動作)。
図1および図2に示すように、クリーニング装置18は、感光体ドラム14の外周面に接触するクリーニングブレード35を含んで構成されている。クリーニングブレード35は、例えば、ウレタン樹脂によって前後方向に長い略矩形板状に形成されている。クリーニングブレード35は、クリーニング筐体(図示せず)の内部に支持され、感光体ドラム14と平行に配設されている。クリーニングブレード35は、感光体ドラム14の回転方向に対してカウンター方向から感光体ドラム14の表面に押圧されている。これにより、クリーニング装置18(クリーニングブレード35)は、転写後の感光体ドラム14の表面に残留したトナーを除去する。なお、クリーニング装置18は、除去されたトナーを回収するための回収スクリュー(図示せず)を有している。
図3に示すように、制御装置8は、CPU40(Central Processing Unit)と、メモリー41と、バス42と、インターフェース43と、を含んで構成されている。CPU40やメモリー41は、バス42によって接続されている。
CPU40は、プロクラム等に従って演算処理を実行する。メモリー41は、CPU40によって実行される画像形成処理に必要なプログラム等を記憶している。インターフェース43には、光走査装置13、駆動装置20、帯電バイアス電源25、現像バイアス電源33、転写バイアス電源34等(以下、「電源等」という。)が接続されている。これにより、制御装置8は、電源等に向けて各種制御信号を送出することができる。
制御装置8は、光走査装置13の露光動作を制御する。また、制御装置8は、駆動装置20を介して、感光体ドラム14や各ローラー17,22,23,31,32等の回転駆動を制御する。さらに、制御装置8は、各バイアス電源25,33,34を介して、帯電装置15の帯電動作、現像装置16の現像動作および転写ローラー17の転写動作を制御する。なお、図示は省略するが、インターフェース43には、プリンター1を構成する各装置が接続され、制御装置8と各装置との間で各種制御信号が送受信される。
ここで、図1および図2を参照して、プリンター1の動作について説明する。制御装置8は、例えば、パーソナルコンピューター(図示せず)等から送信された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
帯電装置15は、帯電バイアスが印加された帯電ローラー22を介して、感光体ドラム14の感光層14bを帯電させる(帯電動作)。光走査装置13は、感光体ドラム14(感光層14b)に画像データに対応した露光(矢印P参照)を行うことで、感光体ドラム14上に静電潜像を形成する(露光動作)。現像装置16は、現像バイアスが印加された現像ローラー31を介して、感光体ドラム14上の静電潜像をトナー像に現像する(現像動作)。一方、用紙Sは、給紙カセット3から搬送経路10を搬送され、感光体ドラム14と転写ローラー17との間を通過する。転写バイアスが印加された転写ローラー17は、搬送される用紙Sに感光体ドラム14上のトナー像を転写する(転写動作)。定着装置7は、搬送される用紙Sを加熱および加圧することで用紙Sにトナー像を定着させる。定着処理後の用紙Sは、排紙トレイ4に排出される。また、転写後の感光体ドラム14の感光層14bに残留したトナーは、クリーニング装置18によって除去される。さらに、感光層14bに残留した電荷は、除電装置(図示せず)によって除去される。
ところで、図2に示すように、第1実施形態に係る帯電装置15のシール部材24は、感光体ドラム14に接触する姿勢でケース21に設けられている。シール部材24は、感光体ドラム14上を相対的に摺動するため、摩擦力によって激しく振動することもある。このようなシール部材24の振動は、装置本体2に伝播・共振して異音を発生させることもある。特に、新品時の感光体ドラム14とシール部材24との間には、大きな摩擦力が生じるため、大きな異音が発生することもあった。そこで、第1実施形態に係る帯電装置15は、最初に画像形成処理を実行する以前に、感光体ドラム14とシール部材24との間に生じる摩擦力を低減させる構成を備えている。
図4に示すように、帯電装置15のシール部材24には、トナー層50が形成されている。トナー層50は、シール部材24の接触端部24aと感光体ドラム14の表面との間で潤滑剤として作用するように構成されている(図2参照)。トナー層50は、感光体ドラム14に対するシール部材24の接触端部24aを含む範囲にトナーを塗布することで形成される。なお、シール部材24の接触端部24aとは、感光体ドラム14に接触するシール部材24の先端部分であって、先端面やエッジ部分を含むものとする。
トナー層50は、感光体ドラム14の回転方向上流側となるシール部材24の表面(左側面24b)に形成されている(図2参照)。詳細には、トナー層50は、少なくともシール部材24の接触端部24aから約2mm離れた位置までの範囲に形成されている。すなわち、トナー層50が形成される高さの範囲は、正面視で、接触端部24aから2mm以上、シール部材24の高さH以下の範囲で設定されている。なお、トナー層50は、少なくとも感光体ドラム14の回転方向上流側となるシール部材24の左側面24bに形成されていればよく、当該左側面24bに加えてシール部材24の右側面や先端面に形成されていてもよい。なお、トナー層50の層厚は、特に設定範囲を定めていないが、潤滑材として機能するように実験的・経験的に設定されることが好ましい。
また、トナー層50は、初回の画像形成が実行される以前に、シール部材24の表面に形成されている。第1実施形態に係るプリンター1では、制御装置8がトナー塗布制御を実行することによって、トナー層50がシール部材24の表面に形成される。
以下、図2、図5ないし図7を参照して、トナー塗布制御について説明する。図5制御装置8が実行するトナー塗布制御のフローチャートである。図6はトナー塗布制御を実行中の帯電装置15等を模式的に示す断面図である。図7はトナー層が形成された状態の帯電装置15等を模式的に示す断面図である。なお、トナー塗布制御の実行前にはトナー層50は形成されていないため、図2では、トナー層50を二点鎖線で図示している。
例えば、作業者は、プリンター1の操作パネル(図示せず)を操作して、制御装置8にトナー塗布制御の実行を指示する。なお、トナー塗布制御は、プリンター1の初回起動時(例えば、工場出荷前または使用場所に設置した後に行う動作確認作業時)に実行されることが好ましい。
図2および図5に示すように、トナー塗布制御が開始されると、制御装置8は、既に説明した通常の画像形成処理を実行するように、感光体ドラム14の回転駆動を制御する(S1)。つまり、感光体ドラム14は、画像形成可能な方向に回転(正回転)する。また、制御装置8は、通常の画像形成処理を実行するように、帯電装置15の帯電動作、光走査装置13の露光動作および現像装置16の現像動作を制御する(S2〜S4)。つまり、帯電動作、露光動作および現像動作が順次実行される。
このとき、光走査装置13は、感光体ドラム14に対して、トナー塗布制御のための専用パターンに対応した露光を実行する。トナー塗布制御のための専用パターンは、トナー像を担持可能な領域において、感光体ドラム14の軸方向全体に亘る帯状に形成されている。したがって、専用パターンに対応した静電潜像を現像すると、帯状のトナー像(以下、「トナー帯T」という。)が形成される。なお、トナー塗布制御のための専用パターンは、制御装置8のメモリー41に予め記憶されている。
図5および図6に示すように、感光体ドラム14上にトナー帯Tが形成された後に、制御装置8は、駆動装置20を制御して、感光体ドラム14の回転駆動を停止させる(S5)。続いて、制御装置8は、駆動装置20を制御して、画像形成時とは逆方向に感光体ドラム14を回転駆動させる(S6)。感光体ドラム14が逆回転することによって、感光体ドラム14上のトナー帯Tは、現像装置16および帯電装置15を通過して、クリーニング装置18(クリーニングブレード35)の手前まで搬送される。トナー帯Tがシール部材24とクリーニングブレード35との間まで搬送されると、制御装置8は、駆動装置20を制御して、感光体ドラム14の回転駆動を停止させる(S7)。なお、制御装置8は、例えば、感光体ドラム14を、一定時間(または一定角度)だけ正逆回転させた後に回転停止するように駆動装置20を制御することが好ましい。
そして、図5および図7に示すように、制御装置8は、駆動装置20を制御して、感光体ドラム14を正回転させる(S8)。トナー帯Tは、正回転する感光体ドラム14によってシール部材24に向けて搬送され、シール部材24の接触端部24aによって塞き止められる。トナー帯Tを構成するトナーは、接触端部24aを含む左側面24bに付着し、トナー層50を形成する。最後に、制御装置8は、駆動装置20を制御して、感光体ドラム14を停止させる(S9)。
以上のように、トナー塗布制御を実行することで、シール部材24にトナー層50が形成される。そして、トナー層50を形成した状態で、通常の画像形成処理が実行される。
以上説明した第1実施形態に係る帯電装置15によれば、シール部材24は、トナー層50を挟んで感光体ドラム14の表面に接触している。トナー層50は、潤滑剤の役割を果たし、感光体ドラム14とシール部材24との間に作用する摩擦力を低減させる。また、トナー層50がシール部材24上に形成された状態で、最初の画像形成処理が実行される。したがって、例えば、感光体ドラム14とシール部材24とが摩擦抵抗の大きな新品時であっても、シール部材24は、感光体ドラム14の表面に接触した状態で円滑に相対移動することができる。これにより、摩擦力によるシール部材24の振動が抑制されるため、当該振動に基づく異音の発生を防止することができる。
なお、トナー層50は、画像形成処理を繰り返し実行することで、徐々に摩耗し、やがて消滅する。トナー層50が消滅する頃には、感光体ドラム14とシール部材24とは、僅かに摩耗して、互いの間に生じる摩擦力が低下している。このため、画像形成処理が繰り返し実行された状態では、大きな異音が発生することは無い。
また、第1実施形態に係る帯電装置15によれば、トナー層50は、感光体ドラム14とシール部材24との接触範囲において最も摩擦抵抗の大きな位置に形成されている。したがって、トナー層50は、感光体ドラム14とシール部材24との間の摩擦力を有効に低減することができる。これにより、異音の発生を有効に防止することができる。なお、本願出願人は、感光体ドラム14の回転方向上流側で、シール部材24の接触端部24aから2mm離れた位置までトナー層50を設けることで、良好な異音防止効果を発揮可能であることを確認している。
第1実施形態に係るプリンター1の制御装置8は、現像装置16から感光体ドラム14に供給したトナーをシール部材24まで搬送してトナー層50を形成するトナー塗布制御を実行する。このようなプリンター1によれば、制御装置8にトナー塗布制御を実行させるだけで、トナー層50がシール部材24に形成される。これにより、プリンター1や帯電装置15の構造に設計変更や追加を行うことなく、簡単且つ迅速にトナー層50を形成することができる。また、例えば、作業者がプリンター1の内部にアクセスし、手作業でシール部材24にトナーを塗布する場合に比べて、トナー層50の形成作業に係る効率を飛躍的に向上させることができる。また、例えば、摩耗した感光体ドラム14やシール部材24を新品に交換した場合も、トナー塗布制御の実行によって、簡単且つ迅速にトナー層を形成することができる。
なお、駆動装置20は、感光体ドラム14や複数のローラー等を回転駆動させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、感光体ドラム14、帯電装置15、現像装置16および転写ローラー17を各々回転駆動させために、複数の駆動装置(モーター等)を備えていてもよい。
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る帯電装置60について説明する。図8は帯電装置60およびこれを支持する治具61を模式的に示す断面図である。なお、上記した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
上記した第1実施形態に係る帯電装置15では、制御装置8がトナー塗布制御を実行することによって、シール部材24にトナー層50が形成されていた。これに対して、第2実施形態に係る帯電装置60では、装置本体2に組み込む前に、シール部材24にトナー層50が形成される点が異なっている。具体的には、第2実施形態に係る帯電装置60のトナー層50は、治具61を用いて形成される。なお、第2実施形態に係る帯電装置60の構造は、第1実施形態に係る帯電装置15と同一であるため、その説明は省略する。
治具61は、第1実施形態に係るプリンター1の現像装置16と略同様の構造を備えている。治具61は、筐体62の内部に軸支される現像ローラー63を含んで構成されている。詳細は後述するが、治具61には、組み立て済みの帯電装置60(トナー層50は未形成)がセットされる。
筐体62は、上部右側に開口部62aを有し、前後方向に長い略矩形箱状に形成されている。筐体62には、パイプ等(図示せず)を介してトナー供給源70が接続されている。これにより、トナー供給源70から筐体62内にトナーが補給される。現像ローラー63は、前後方向に長い円筒状に形成され、筐体62の開口部62aから一部を露出させている。現像ローラー63は、現像バイアスを印加するための電源(図示せず)に接続されている。なお、筐体62の内部には、トナーを攪拌しつつ循環させる一対のスクリュー64が設けられている。現像ローラー63および一対のスクリュー64は、駆動装置(図示せず)によって回転駆動される。
また、筐体62の前後両端部には、それぞれ、支持部65が設けられている。前後一対の支持部65は、筐体62の開口部62aを前後両側から挟んで対向するように配設されている。前後一対の支持部65は、筐体62の開口部62aに配置された帯電装置60のケース21に係合するように構成されている。
次に、治具61の作用について説明する。作業者は、前後一対の支持部65の間に帯電装置60(トナー層50は未形成)を進入させ、開口部62aから筐体62内にシール部材24を進入させる。この状態で、帯電装置60は、シール部材24の左側面24bを現像ローラー63の表面に接触させた状態で、前後一対の支持部65に支持されている。なお、このとき、シール部材24の左側面24bと、現像ローラー63に対するシール部材24の接触部分における接線との成す角度θは、30度以上60度以下であることが好ましい。
次に、作業者は、所定の操作を行って治具61を駆動させる。すなわち、現像バイアスを印加した現像ローラー63や各スクリュー64を回転駆動させる。現像ローラー63の表面に担持されたトナーは、シール部材24に向けて搬送され、シール部材24の接触端部24aによって塞き止められる。これにより、シール部材24の接触端部24aを含む左側面24bには、トナー層50が形成される。
次に、作業者は、帯電装置60を治具61から取り外し、プリンター1の装置本体2に組み込む。
以上説明した第2実施形態に係る帯電装置60によれば、第1実施形態に係る帯電装置15と同様に、トナー層50が、感光体ドラム14とシール部材24との間に作用する摩擦力を低減させる。これにより、摩擦力によるシール部材24の振動が抑制されるため、当該振動に基づく異音の発生を防止することができる。
なお、上記した治具61には、帯電装置60がセットされていたが、これに代えて、例えば、シール部材24のみが治具61にセットされてもよい。この場合、シール部材24は、トナー層50を形成された後に、ケース21に取り付けられる。
なお、本実施形態では、一例として、本発明をモノクロのプリンター1に適用した場合を説明したが、これに限らず、例えば、複合機、ファクシミリ、カラープリンター等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。