JP6247394B2 - 水性エマルジョン - Google Patents
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Description
(メタ)アクロレインジメチルアセタール、(メタ)アクロレインジエチルアセタール、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、2−イソプロペニル−1,3−ジオキソラン等の(メタ)アクロレインのアセタール化物、3−メチル−3−ブテナールジメチルアセタール、3−メチル−3−ブテナールジエチルアセタール、2−(2−メチル−2−プロペニル)−1,3−ジオキソラン等の3−メチル−3−ブテナールのアセタール化物、3−ブテナールジメチルアセタール、3−ブテナールジエチルアセタール、2−(2−プロペニル)−1,3−ジオキソラン等の3−ブテナールのアセタール化物、4−ペンテナールジメチルアセタール、4−ペンテナールジエチルアセタール、2−(3−ブテニル)−1,3−ジオキソラン等の4−ペンテナールのアセタール化物、5−ヘキセナールジメチルアセタール、5−ヘキセナールジエチルアセタール、2−(5−ペンテニル)−1,3−ジオキソラン等の5−ヘキセナールのアセタール化物、6−ヘプテナールジメチルアセタール、6−ヘプテナールジエチルアセタール、2−(6−ヘキセニル)−1,3−ジオキソラン等の6−ヘプテナールのアセタール化物、7−オクテナールジメチルアセタール、7−オクテナールジエチルアセタール、2−(1−ヘプテニル)−1,3−ジオキソラン、2−(6−ヘプテニル)−1,3−ジオキソラン等の7−オクテナールのアセタール化物等のエチレン性不飽和二重結合を有する脂肪族アルデヒドのアセタール化物;
N−(2,2−ジメトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジエトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジメトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジエトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジイソプロポキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジブトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3,3−ジ−t−ブトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジメトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジエトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジイソプロポキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジブトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4,4−ジ−t−ブトキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジメトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジエトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のジアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物;4−{(2,2−ジメトキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸、4−{(2,2−ジエトキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸、4−{(2,2−ジイソプロポキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸、4−{(2、2−ジブトキシエチル)アミノ}−4−オキソ−2−ブテン酸等のジアルコキシ基を有するブテン酸類;5,5−ジメトキシ−3−オキソ−1−ペンテン、5,5−ジエトキシ−3−オキソ−1−ペンテン、5,5−ジイソプロポキシ−3−オキソ−1−ペンテン、5,5−ジブトキシ−3−オキソ−1−ペンテン等のジアルコキシ基を有するペンテン類;3−[N−(2,2−ジメトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[N−(2,2−ジエトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[(N−2,2−ジブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸、3−[N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するプロペン酸系化合物;3−[N−(2,2−ジメトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジエトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジイソプロポキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル、3−[N−(2,2−ジ−t−ブトキシエチル)カルバモイル]プロペン酸メチル等の1分子中に2個のアルコキシ基を有するプロペン酸エステル系化合物;2,2−ジメトキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエトキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジイソプロポキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジブトキシエチル(メタ)アクリレート等のジアルコキシアルキル(メタ)アクリレートのアセタール化物等;又はアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物、ブテン酸類のアセタール化物、マレイン酸類のアセタール化物、イタコン酸類のアセタール化物、ペンテン類のアセタール化物等の不飽和二重結合を有する脂肪族アルデヒドのアセタール化物。前記アルコキシ基の炭素数としては、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。前記アルキル(メタ)アクリルアミド系化合物又はジアルコキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
P=([η]×104/8.29)(1/0.62)
ICP発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ製、型番:IRIS−AP)にてナトリウム含有量を測定した。
実施例及び比較例で得られた水性エマルジョン500gを60メッシュの金網にてろ過し、ろ過残分を秤量し以下の通り評価した。
○:ろ過残分が1.0%以下である
△:ろ過残分が1.0%より大である
×:重合不安定となり粗粒化のためろ過できない
〔接着条件〕
被着材:ツガ/ツガ(マサ目)
塗布量:150g/m2(両面塗布)
圧締条件:20℃、24時間、圧力10kg/cm2
〔測定条件〕
JIS K 6852(1994年)による圧縮剪断接着強度を測定した。
常態:20℃、7日間養生後そのままの状態で測定した。
耐水性:30℃の水中に3時間浸漬した後、濡れたままの状態で測定した。
耐温水性:60℃の水中に3時間浸漬した後、濡れたままの状態で測定した。
耐煮沸水性:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水中に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で測定した。
接着性評価と同様の試料を作製し、以下の条件で処理を行い圧縮剪断接着強度を測定した。
〔測定条件〕
耐熱性:20℃、7日間養生後、105℃で5hr恒温槽にて加熱後、熱いままで測定した。
実施例及び比較例で得られた水性エマルジョンを20℃、65%RHの条件下でPETフィルム上に流延した。その後、7日間静置することで乾燥させてPETフィルムから剥離し、500μmの乾燥皮膜を得た。この皮膜をステンレス製の金属型枠(20cm×20cmで幅1cmの金属枠)にクリップで固定し、ギアオーブンにて120℃で3時間加熱処理した後の、皮膜の着色性を目視で以下の通り評価した。
○:着色がない
△:やや着色
×:黄色に着色
(Em−1の合成)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300g、「PVA−117」(株式会社クラレ製、けん化度98.5モル%、平均重合度1700)19.5gを仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。さらに、酢酸ナトリウム(NaOAc)を0.2g添加し、混合溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10%水溶液4.4g及び5%過酸化水素水3g(初期仕込みの全単量体に対し、モル比でそれぞれ0.015)をショット添加後、酢酸ビニル26g及びアクロレインジメチルアセタール0.26gを仕込み重合を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニルの残存量が1%未満)を確認した。酒石酸の10%水溶液0.9g及び5%過酸化水素水3gをショット添加後、酢酸ビニル234g及びアクロレインジメチルアセタール2.34gを2時間にわたって連続的に添加し、重合温度を80℃に維持して重合を完結させ、固形分濃度47.2%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン(酢酸ビニルの全量に対しアクロレインジメチルアセタール1質量%)が得られた。このエマルジョンの100質量部(固形分)に対して可塑剤としてフェノキシエタノール5質量部を添加混合した。得られたエマルジョン(Em−1)の重合安定性を評価したところ、ろ過残分が1.0%以下であった。このとき、Em−1に含まれるナトリウム原子の含有量は、エマルジョンの全量に対して300ppmであった。
100質量部の前記水性エマルジョンEm−1に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
(Em−2の合成)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水330g、「PVA−217」(株式会社クラレ製、けん化度88.0モル%、平均重合度1700)17.4gを仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。さらに、酢酸ナトリウム(NaOAc)を0.2g添加し、混合溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10%水溶液3.6g及び5%過酸化水素水2.5g(初期仕込みの全単量体に対し、モル比でそれぞれ0.015)をショット添加後、酢酸ビニル23g及びアクロレインジメチルアセタール0.23gを仕込み重合を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニルの残存量が1%未満)を確認した。酒石酸の10%水溶液0.74g及び5%過酸化水素水2.47gをショット添加後、酢酸ビニル207g及びアクロレインジメチルアセタール2.07gを2時間にわたって連続的に添加し、重合温度を80℃に維持して重合を完結させ、固形分濃度42.0%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン(酢酸ビニルの全量に対しアクロレインジメチルアセタール1質量%)が得られた。このエマルジョンの100質量部(固形分)に対して可塑剤としてフェノキシエタノール5質量部を添加混合した。得られたエマルジョン(Em−2)の重合安定性を評価したところ、ろ過残分が1.0%以下であった。このとき、Em−2に含まれるナトリウム原子の含有量は、エマルジョンの全量に対して300ppmであった。
100質量部の前記水性エマルジョンEm−2に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
(Em−3の合成)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300g、エチレン変性PVA(重合度1700、けん化度95モル%、エチレン変性量5モル%)19.5gを仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。さらに、酢酸ナトリウム(NaOAc)を0.2g添加し、混合溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10%水溶液4.4g及び5%過酸化水素水3g(初期仕込みの全単量体に対し、モル比でそれぞれ0.015)をショット添加後、酢酸ビニル26g及びアクロレインジメチルアセタール0.26gを仕込み重合を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニルの残存量が1%未満)を確認した。酒石酸の10%水溶液0.9g及び5%過酸化水素水3gをショット添加後、酢酸ビニル234g及びアクロレインジメチルアセタール2.34gを2時間にわたって連続的に添加し、重合温度を80℃に維持して重合を完結させ、固形分濃度47.2%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン(酢酸ビニルの全量に対しアクロレインジメチルアセタール1質量%)が得られた。このエマルジョンの100質量部(固形分)に対して可塑剤としてフェノキシエタノール5質量部を添加混合した。得られたエマルジョン(Em−3)の重合安定性を評価したところ、ろ過残分が1.0%以下であった。このとき、Em−3に含まれるナトリウム原子の含有量は、エマルジョンの全量に対して300ppmであった。
100質量部の前記水性エマルジョンEm−3に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールの仕込み量を2質量%に変え、さらに添加する酢酸ナトリウムの添加量を調整し、ナトリウム原子の含有量を表2に示す量以外は実施例1と同様にして水性エマルジョン(Em−4)を得た。Em−4に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−4に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールに代えてアクロレインジエチルアセタールを5質量%使用した以外は実施例1と同様にして水性エマルジョン(Em−5)を得た。Em−5に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−5に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールに代えてN−2,2−ジメトキシエチルメタクリルアミドを8質量%使用した以外は実施例1と同様にして水性エマルジョン(Em−6)を得た。Em−6に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−6に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールに代えて2−(6−ヘプテニル)−1,3−ジオキソランを1質量%使用した以外は実施例3と同様にして水性エマルジョン(Em−7)を得た。Em−7に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−7に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールに代えて2−(2−メチル−2−プロペニル)−1,3−ジオキソランを1質量%使用した以外は実施例3と同様にして水性エマルジョン(Em−8)を得た。Em−8に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−8に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールに変えてアリリデンジアセテートを11質量%使用した以外は実施例1と同様にして水性エマルジョン(Em−9)を得た。Em−9に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−9に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
(Em−10の合成)
いかり型攪拌機を備えた内容量1.5リットルのステンレス型オートクレーブに、イオン交換水360g、ポリビニルアルコール「PVA−205」(株式会社クラレ製、けん化度88モル%、平均重合度500)24.3g及び「PVA−217」(株式会社クラレ製、けん化度88モル%、平均重合度1700)2.9gを仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。さらに、酢酸ナトリウム(NaOAc)を0.04g添加した。次に酢酸ビニル350g、アクロレインジメチルアセタール7.29gを仕込み、オートクレーブ内の空気をエチレンで十分に置換した。続いて10%アスコルビン酸水溶液19.5gを仕込み、攪拌下、重合温度を60℃に、エチレン圧を5.0MPaに昇圧した。1%過酸化水素水100gを8時間かけて均一に添加すると共に、酢酸ビニル117gとアクロレインジメチルアセタール2.44gを6時間かけて均一に添加した。エチレン圧は酢酸ビニル及びアクロレインジメチルアセタール添加終了まで5.0MPaを保った。触媒添加終了後に冷却して、消泡剤及びpH調整剤を添加し、水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョン(Em−10)の重合安定性を評価したところ、ろ過残分が1.0%以下であった。このとき、Em−10に含まれるナトリウム原子の含有量は、エマルジョンの全量に対して300ppmであった。
100質量部の前記水性エマルジョンEm−10に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
添加する酢酸ナトリウムの添加量を調整し、ナトリウム原子の含有量を表2に示す内容に変えたこと以外は実施例1と同様にして水性エマルジョン(Em−11〜Em−14)を得た。Em−11〜Em−14に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記各水性エマルジョンに、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
(Em−15の合成)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300g、「PVA−117」(株式会社クラレ製、けん化度98.5モル%、平均重合度1700)19.5gを仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。さらに、酢酸ナトリウム(NaOAc)を0.2g添加し、混合溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10%水溶液4.4g及び5%過酸化水素水3g(初期仕込みの全単量体に対し、モル比でそれぞれ0.015)をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニルの残存量が1%未満)を確認した。酒石酸の10%水溶液0.9g及び5%過酸化水素水3gをショット添加後、酢酸ビニル234g及びN−メチロールアクリルアミド2.6gを2時間にわたって連続的に添加し、重合温度を80℃に維持して重合を完結させ、固形分濃度47.2%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン(酢酸ビニル100の全量に対しN−メチロールアクリルアミド1質量%含有)が得られた。このエマルジョンの100質量部(固形分)に対して可塑剤としてフェノキシエタノール5質量部を添加混合した。得られたエマルジョン(Em−15)の重合安定性を評価したところ、ろ過残分が1.0%以下であった。このとき、Em−15に含まれるナトリウム原子の含有量は、エマルジョンの全量に対して300ppmであった。
100質量部の前記水性エマルジョンEm−15に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールを使用しないこと以外は実施例1と同様にして水性エマルジョン(Em−16)を得た。Em−16に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−16に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールを使用しないこと以外は実施例2と同様にして水性エマルジョン(Em−17)を得た。Em−17に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−17に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
アクロレインジメチルアセタールを使用しないこと以外は実施例3と同様にして水性エマルジョン(Em−18)を得た。Em−18に含まれるナトリウム原子の含有量、及び重合安定性の評価結果を表1に示す。100質量部の前記水性エマルジョンEm−18に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
(Em−19の合成)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300g、エチレン変性PVA(重合度1700、けん化度95モル%、エチレン変性量5モル%)15.2gを仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却し、ポリアクリル酸の20%水溶液(商品名ジュリマーAC20H(日本純薬(株)製))21.7gを加えた。さらに、酢酸ナトリウム(NaOAc)を0.2g添加した。この水溶液を窒素置換後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10%水溶液4.4g及び5%過酸化水素水3g(初期仕込みの全単量体に対し、モル比でそれぞれ0.015)をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニルの残存量が1%未満)を確認した。酒石酸の10%水溶液0.9g及び5%過酸化水素水3gをショット添加後、酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に添加し、重合温度を80℃に維持して重合を完結させ、固形分濃度47.2%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョンの100質量部(固形分)に対して可塑剤としてフェノキシエタノール5質量部を添加混合した。得られたエマルジョン(Em−19)の重合安定性を評価したところ、ろ過残分が1.0%以下であった。このとき、Em−19に含まれるナトリウム原子の含有量は、エマルジョンの全量に対して300ppmであった。
100質量部の前記水性エマルジョンEm−19に、pH調整剤として10%硫酸1質量部を添加したものを用いて、上記方法に従って、接着性(常態、耐水性、耐温水性、耐煮沸水性)の評価、耐熱性評価、及び皮膜の耐着色性の評価を行った。結果を表2に示す。
特表2003−517499号の実施例5の参照番号5.2に従いエマルジョンを作製した。得られたエマルジョンは、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリルアミドアセトアルデヒドジメチル=33/61.3/5.7共重合体粒子が45%であった。得られたエマルジョンを10%塩酸にてpHを2に調整し、耐熱性評価を実施した。結果、接着強度は7kg/cm2であり、耐熱性は不十分であった。
Claims (7)
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)の存在下、エチレン性不飽和単量体(B)と、下記式(I)又は(II)で表される単量体(C)とを共重合して得られ、エチレン性不飽和単量体(B)が、ビニルエステル系単量体であることを特徴とする水性エマルジョン。
- 式(I)又は(II)において、Xが−(CH2)n−である請求項1に記載の水性エマルジョン。
- 前記ビニルエステル系単量体が、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、桂皮酸ビニル、クロトン酸ビニル、デカン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、オクタン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、トリメチル酢酸ビニル、4−tert−ブチルベンゼン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、及び安息香酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性エマルジョン。
- 前記式(I)又は(II)で表される単量体(C)の使用量が、エチレン性不飽和単量体(B)に対して0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性エマルジョン。
- アルカリ金属化合物(アルカリ金属換算)をエマルジョン(固形換算)の全重量に対して、100〜15000ppm含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)の存在下、エチレン性不飽和単量体(B)と、下記式(I)又は(II)で表される単量体(C)とを共重合する工程を有し、エチレン性不飽和単量体(B)が、ビニルエステル系単量体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性エマルジョンの製造方法。
- 前記式(I)又は(II)で表される単量体(C)の使用量が、エチレン性不飽和単量体(B)に対して0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項6に記載の水性エマルジョンの製造方法。
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