JP6243642B2 - ピロロキノリンキノン類を含む分散液 - Google Patents

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Description

本発明は、ピロロキノリンキノン類を含む分散液に関する。
下記式(1)で表される化合物であるピロロキノリンキノン(以下、「PQQ」ともいう。)は、健康補助食品等の食品分野、化粧品分野等において、有用な化合物として注目を集めている。その上、PQQは、補酵素として重要な働きを有し、その他、細胞の増殖促進作用、抗白内障作用、肝臓疾患予防治療作用、創傷治癒作用、抗アレルギ−作用、逆転写酵素阻害作用及びグリオキサラ−ゼI阻害作用−制癌作用等多くの生理活性を有することが明らかにされており、医薬品分野への利用も期待されている。
このPQQは、水溶性化合物であり、水中において精製する方法が知られている(特許文献1)。また、アルカリ金属イオンを1〜3個含むPQQアルカリ金属塩等のPQQ類も水溶性化合物である。これらの化合物は油中には溶けない。
従来、医薬品分野、食品分野、化粧品分野等で用いるために、水溶性化合物を油溶化させることが検討されてきた。例えば、特許文献2では、水溶性化合物の配合量が多い場合でも、水溶性化合物を透明な状態で、かつ長期間安定に油溶化することができる油溶化剤を提供することを目的として、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる水溶性化合物の油溶化剤が開示されている。
また、引用文献3では、粒径が小さくとも、内包物の封入量が多いS/Oエマルジョンを提供することを目的として、W/Oエマルジョンを加熱脱水又は真空脱水することにより、平均粒径20nm〜10μmの粒子として水溶性固体化合物が油相中に分散したS/Oサスペンションを製造する方法が開示されている。
特公平7−113024号公報 特開2007−070576 特許4349639号
ところで、本発明者らの研究によれば、PQQは、上記のように医薬品分野、食品分野、化粧品分野において利用が期待される一方で、体の組織を特定の色に染める(以下、「染色性」ともいう。)という特有の問題を有していることが判明している。例えば、このような染色性を有するPQQを、肌に用いる化粧品や、絆創膏等の医薬品若しくは医薬部外品、飴、ガム等の食品に用いると、体の組織を染色してしまうおそれがある。そのため、従来はPQQの利用可能な用途が制限されている。
しかしながら、特許文献2〜3では、PQQを分散させること、及びPQQの染色性を改善することについては一切検討をしていない。PQQの染色性を改善することができ、かつその上でPQQの各種効果を発揮できる分散剤が得られれば、化粧品分野、医薬品分野、食品分野において、さらに広くPQQを用いることが可能となる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、染色性が抑制され、かつピロロキノリンキノン類の効果を発揮できる、ピロロキノリンキノン類を含む分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、乳化剤を使用して、PQQを油中に分散することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
ピロロキノリンキノン類と、乳化剤と、油と、を含み、
前記ピロロキノリンキノン類が前記油中に分散しており、
前記油中に分散した前記ピロロキノリンキノン類が、2nm〜10μmの平均粒径を有し、
前記乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びグリセリン縮合リシノレイン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む
分散液。
〔2〕
前記乳化剤は、HLB5以下である、前項〔1〕に記載の分散液。
〔3〕
前記乳化剤は、ポリエルカ酸スクロース、ポリオレイン酸スクロース、ポリステアリン酸スクロース、ポリパルミチン酸スクロース、ポリミリスチン酸スクロース、及びポリラウリン酸スクロース、モノグリセリンオレイン酸エステル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、へプタオレイン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルらなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載の分散液。
〔4〕
前記ピロロキノリンキノン類は、ピロロキノリンキノン、ピロロキノリンキノンのアル
カリ金属塩、及びピロロキノリンキノンのアルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少
なくとも1種類を含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔5〕
前記ピロロキノリンキノン類を0.01〜20質量%含み、
前記乳化剤を1〜50質量%含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔6〕
前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の分散液を含む、食品。
〔7〕
前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の分散液を含む、化粧品。
本発明によれば、染色性が抑制され、かつピロロキノリンキノン類の効果を発揮できる、ピロロキノリンキノンの分散液を提供することができる。
(A)は組織への染色性試験において用いた鶏胸肉の写真であり、(B)〜(C)は組織への染色性試験において用いたとり皮の写真である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔分散液〕
本実施形態に係る分散液は、
PQQ類と、乳化剤と、油と、を含み、
前記PQQ類が前記油中に分散した、分散液。
〔PQQ類〕
本実施形態に係る分散液は、PQQ類を含む。PQQ類としては、特に限定されないが、例えば、式(2)で表される酸化型のピロロキノリンキノン、式(3)で表される還元型のピロロキノリンキノン、ピロロキノリンキノンの塩、ピロロキノリンキノンのエステル体、上記化合物の水和物や溶媒和物が挙げられる。また、PQQ類としては、PQQのエステル体とPQQの塩の任意の組み合わせが含まれる。すなわち、モノアルキルエステルジカルボン酸塩、ジアルキルエステルモノカルボン酸塩等も含まれる。
(式(2)、(3)中、Rは、互いに独立に、H、Na、K、Mg、Ca、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリメチルアミン塩、リジン塩、アルギニン塩、アルキル基、アラルキル基、アルキルアリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を示す。)
本文では、式(2)においてRがHの時、PQQ固体の例フリー体と記すことがある。
上記PQQの塩としては、特に限定されないが、例えば、PQQに存在する3つのカルボン酸のアルカリ塩であってもよく、ピリジンやピロールの酸塩であってもよい。また、PQQの塩は、例えば、モノカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、トリカルボン酸塩であってもよく、モノカルボン酸塩については、いずれのカルボン酸の塩であってもよく、ジカルボン酸塩については、2つのカルボン酸の塩であれば任意の組み合わせの塩であってもよい。
PQQの塩としては、特に限定されないが、例えば、式(2)、(3)中、Rが、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリメチルアミン塩等の有機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等のものが挙げられる。このなかでも、ピロロキノリンキノンのフリー体、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、ジナトリウム塩がより好ましい。このようなPQQの塩は製造がより容易である。
PQQの塩としては、特に限定されることなく、従来公知の方法により対応する酸又は塩基をPQQに対して適当量加えることにより製造することができるが、製造が容易であることから、PQQのナトリウム塩又はカリウム塩が使用しやすく、より好ましくはジナトリウム塩である。
PQQのエステル体としては、特に限定されないが、例えば、式(2)、(3)中、Rが、アルキル基、アラルキル基、アルキルアリール基、アルケニル基、又はアルキニル基のものが挙げられる。
PQQのトリエステル体は、特に限定されないが、例えば、PQQ又はその塩を酸性条件下でアルコール類と反応させる方法(特開平3−123781号公報、特開平3−145492号公報)や、PQQ又はその塩と、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、ハロゲン化アルキルアリール、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニル等と、を塩基の存在下で反応させる方法等により合成することができる。
また、上記方法によって得られるPQQのトリエステル体を酸性又は塩基性条件下で部分加水分解することで、モノエステル体、ジエステル体を得ることができる。また、エステル形成反応において、部分エステル化してモノエステル体、ジエステル体を得ることもできる。
PQQ類は、PQQ、PQQのアルカリ金属塩、又はPQQのアルカリ土類金属塩を含むことが好ましい。このようなPQQ類であることにより、分散液中の含有率を向上させることが出来る点により優れる傾向にある。また、製造プロセスが簡易であり、安価で入手でき、使用しやすい。
PQQ類の含有量は、分散液全体に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.02〜10質量%がより好ましく、0.05〜5.0質量%がさらに好ましい。含有量が0.01質量%以上であることにより、PQQ類の有する効果がより良好に発揮される傾向にある。また、含有量が20質量%以下であることにより、油中でのPQQ類の分散性がより優れる傾向にある。
〔PQQの製造方法〕
PQQの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、有機化学的方法又は発酵法が挙げられる。このなかで発酵法とは、例えば、メタノール資化性を有し、かつPQQを生産する能力を有する細菌を、炭素源としてメタノールを使用して培養することによりPQQを製造する方法である。PQQのエステル体は、このようにして得られたPQQを出発物質として、常法のエステル化反応に従って合成することができる。
PQQ類又はその塩は、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、又は溶媒抽出法等の通常の方法により、反応液中から分離、精製することができる。また、それらの同定には、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、質量分析等の各種手段が用いられる。
〔乳化剤〕
本実施形態に係る分散液は、乳化剤を含む。乳化剤は、PQQ類の周囲を覆うことでPQQ類を油中に分散させるという役割を果たし、分散液を水と混合した場合でも乳化剤に覆われたPQQが水層へ移動しないように機能する。これにより、本実施形態に係る分散液は、PQQ類の油中分散性と、組織への染色性の低減とを供に達成しうるものとなる。また、驚くべきことに、変色性が抑制されているにもかかわらず、分散液中のPQQ類は各種機能を果たすことができる。
乳化剤のHLB値は、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.5以下がさらに好ましく、3.0以下がよりさらに好ましい。HLB値が5.0以下であることにより、PQQ類と乳化剤とが複合体を形成し、この複合体の油相への分散がより容易となる傾向にある。この理由は、PQQ類−乳化剤の複合体は、中心のPQQ類を、親油性の傾向が強い小さなHLB値を有する乳化剤が覆うように層を形成しているためと推定される。
乳化剤としては、特に限定されないが、具体的には、ポリエルカ酸スクロース、ポリオレイン酸スクロース、ポリステアリン酸スクロース、ポリパルミチン酸スクロース、ポリミリスチン酸スクロース、及びポリラウリン酸スクロース等のショ糖脂肪酸エステル;モノグリセリンオレイン酸エステル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、へプタオレイン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等のグリセリン縮合リシノレイン酸エステル;オレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。これら乳化剤を用いることにより、PQQ類の分散性により優れ、PQQ類の染色性をより抑制でき、かつ、PQQ類の効果をより発揮できる傾向にある。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化剤の含有量は、分散液全体に対して、1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。含有量が1質量%以上であることにより、油中でのPQQ類の分散性がより優れる傾向にある。また、含有量が50質量%以下であることにより、流動性により優れる傾向にある。
PQQ類と乳化剤との混合比率は、PQQ類100質量部に対して、乳化剤が1.0〜50000質量部であることが好ましく、10〜40000質量部であることがより好ましく、100〜20000質量部であることがさらに好ましい。
油中に分散したPQQ類の平均粒径は、2nm〜100μmであることが好ましく、2nm〜10μmであることがより好ましく、2nm〜1.0μmであることがさらに好ましい。平均粒径が100μm以下であることにより、沈降しにくく、均一性に優れる傾向にある。また、粒径が特に2nm〜1μmである場合、溶液が透明に見え、見た目から好ましい。また、この小さな粒子は均一に保持されやすく好ましい。なお、平均粒径は、実施例に記載の方法により測定することができる。ここでいう「油中に分散したPQQ類の平均粒径」とは、油中に分散したPQQ類が乳化剤で覆われている場合には、乳化剤の層分を含めた粒径であり、球体モデルでの粒径を言う。
〔油〕
本実施形態に係る分散液は、油を含む。油は、医薬品分野、食品分野、化粧品分野等で用いるものが好ましい。このような油としては、特に限定されないが、例えば、植物油、動物油、炭化水素油、エステル油、シリコーン油等が挙げられる。なお、油は常温で液状であっても、固形状であってもよい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記植物油としては、特に限定されないが、例えば、大豆油、菜種油、カカオ脂、綿実油、パーム油、ひまし油、ごま油、ホホバ油、オリーブ油、サフラワー油、アーモンド油、アボカド油、椿油等が挙げられる。これら油は、特に限定されないが、例えば、食品分野で特に用いられることが多い。本実施形態に係る分散液が植物油を含む場合には、食品分野で好適に用いられうる分散液となる。
上記動物油としては、特に限定されないが、例えば、牛脂、ラード、魚油、スクワレン、ミンク油、タートル油、卵黄油等が挙げられる。また、トリアセチン、中鎖脂肪酸油も使用できる。これら油は、特に限定されないが、例えば、食品分野、化粧品分野で特に用いられることが多い。本実施形態に係る分散液が動物油を含む場合には、食品分野、化粧品分野で好適に用いられうる分散液となる。食品分野、化粧品分野では、PQQ類を含む分散液は、体組織を染色することなく、例えば細胞活性化等の効果を発揮しうる。
なお、中鎖脂肪酸油としては、炭素数4〜14のものが挙げられる。
上記炭化水素油としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン等が挙げられる。これら油は、特に限定されないが、例えば、医薬品分野、化粧品分野で特に用いられることが多い。本実施形態に係る分散液が炭化水素油を含む場合には、医薬品分野、化粧品分野で好適に用いられうる分散液となる。医薬品分野、化粧品分野では、PQQ類を含む分散液は、体組織を染色することなく、例えば細胞活性化等の効果を発揮しうる。
上記エステル油としては、特に限定されないが、例えば、オクチルデシルミリステート、イソプロピルパルミテート、ブチルステアレート、セチルイソオクタノエート、ネオペンチルグリコールジイソオクチレート、グリセリルトリイソオクチレート等が挙げられる。これら油は、特に限定されないが、例えば、化粧品分野で特に用いられることが多い。本実施形態に係る分散液がエステル油を含む場合には、化粧品分野で好適に用いられうる分散液となる。化粧品分野では、PQQ類を含む分散液は、体組織を染色することなく、例えば細胞活性化等の効果を発揮しうる。
上記シリコーン油としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。これら油は、特に限定されないが、例えば、化粧品分野で特に用いられることが多い。本実施形態に係る分散液がシリコーン油を含む場合には、化粧品分野で好適に用いられうる分散液となる。化粧品分野では、PQQは、PQQ類を含む分散液は、体組織を染色することなく、例えば細胞活性化等の効果を発揮しうる。
〔分散〕
本実施形態に係る分散液は、上記PQQ類が上記油中に分散したものである。ここで、「分散」とは、PQQ類と油との混合液を調製し、調製から48時間経過後に、PQQ類の沈降、PQQ類と油の分離などが観察されず、均一な分散液状態が保たれていることをいう。
分散性は、PQQ類と乳化剤との混合比率、油中に分散したPQQ類の平均粒径、油中に分散したPQQ類の含水量及び/又は含塩量、乳化剤の種類などにより調整することができる。
〔水〕
本実施形態に係る分散液は、水をさらに含んでもよい。水の具体例としては、特に限定されないが、水道水、イオン交換水、精製水等を用いることができる。水を含むことにより、乳化性の向上という効果が期待される。
分散液に含まれる水の含有量は、PQQ類100質量部に対して、0〜300質量部であることが好ましく、1〜250質量部であることがより好ましく、1〜225質量部であることがさらに好ましい。水の含有量が上記範囲内にあることにより、油中でのPQQ類の分散性がより優れ、PQQ類の効果をより良好に発揮できる傾向にある。
〔塩〕
本実施形態に係る分散液は、塩をさらに含んでもよい。塩を含むことにより、PQQ含有量の向上、浸透圧調製、味の調製等の効果が期待される。
分散液に含まれる塩の含有量は、PQQ類100質量部に対して、0〜75質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましく、15〜25質量部であることがさらに好ましい。縁の含有量が上記範囲内にあることにより、PQQ類をより高濃度に油中に分散させることが可能となり、油中でのPQQ類の分散性がより優れ、PQQ類の効果をより良好に発揮できる傾向にある。
塩としては、特に限定されないが、水に溶けた際、アルカリ性を示す塩が好ましい。例えば、NaOH、KOH、NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、NaPO、KPO、NaHPO、KHPO3、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、NaCl、KCl、CaCO、CaCl、リン酸とアルカリ金属の塩などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔その他の成分〕
本実施形態に係る分散液には必要に応じて上記以外の成分を加えることができる。
乳化剤の補助剤としては、特に限定されないが、例えば、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル及びポリグリセリンオレイン酸エステルが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔分散液の製造方法〕
本実施形態に係る分散液は以下の様にして製造することができる。
PQQ類を溶かす、又は懸濁状態にした水溶液を用意し、乳化剤を加えた油に加える。ホモミキサー等で乳化後、水分を除去して油へ分散した状態を形成する。なお、乳化の際の温度は40〜100℃が好ましく、より好ましくは70〜95℃である。水分の除去はエバポレーター等を使用して減圧すること、又は凍結乾燥することによって行なうことができる。なお、減圧で水分を除去する際の温度は20〜90℃が好ましく、より好ましくは40〜80℃である。また、エバポレーターの代わりの操作として、乳化処理後に溶液に対して窒素ガスを吹きつけ、攪拌しながら温度を例えば200℃まで上げて所定時間維持することで水分を除去することもできる。
〔用途〕
本実施形態に係る分散液は、染色性が抑制され、かつピロロキノリンキノン類の効果を発揮できるため、化粧品分野、医薬品分野、食品分野において、さらに広く用いることが可能である。以下に分散液の用途を例示するが、用途はこれに限定されない。
本実施形態に係る分散液は、栄養補助成分としてビタミン類に混合できる。ビタミン類としては、特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸、トコフェロール、葉酸、コバラミン、コエンザイムQ10、還元型コエンザイムQ10、レシチン等が挙げられる。
また、本実施形態に係る分散液は、マヨネーズ、揚げ物用油、ホイップクリーム、マーガリン、ドレッシング、調味油等の食品に混合することができる。
さらに、本実施形態に係る分散液は、石鹸、シャンプー、クレンジングオイル、乳液、ファンデーション等の化粧品に混合することができる。
本実施形態に係る分散液を製剤に添加することもできる。この場合に製剤の投与形態は、特に限定されないが、例えば、経口投与、又は静脈内、腹膜内、皮下若しくは経皮等の非経口投与を挙げることができる。
剤形としては、特に限定されないが、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤、注射剤、点滴剤、クリーム剤、坐剤等を挙げることができる。
経口剤として製剤化する際には、特に限定されないが、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることができる。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物としては、水、ショ糖、ソルビトール、果糖等の糖類;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油;p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤;パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体;安息香酸ナトリウム等の保存剤;ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤又は顆粒剤等の場合には、特に限定されないが、例えば、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類;バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物;結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等の賦形剤;澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油等の滑沢剤;ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤;脂肪酸エステル等の界面活性剤;グリセリン等の可塑剤等を添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な製剤には、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば食甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が添加されてもよい。経口投与に適当な製剤は、そのまま、又は例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態のものであってもよいし、健康食品、機能性食品、栄養補助食品等の飲食品として用いてもよい。
非経口投与に適当な、例えば注射剤は、好ましくは受容者の血液と等張であるPQQ類又はその塩を含む滅菌水性剤と、塩溶液、ブドウ糖溶液、又は塩溶液とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて調製することができる。また、これら非経口剤においても、特に限定されないが、例えば、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、潤沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等から選択される1種又はそれ以上の補助成分を添加することができる。
以下、実施例及び比較例によって本実施形態をより詳細に説明するが、本実施形態はこれらの例に限定されるものではない。
使用する試薬は特に明記のないものについては、和光純薬社製を使用した。
〔粒径測定〕
実施例及び比較例で得られた分散液中のPQQ類の平均粒径は、分散液0.1mLを中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナードMT)10mLに希釈後、大塚電子社製ELS−Zを使用して動的光散乱法により測定した。なお、比較例では分散状態を維持できなかったため粒径測定は行なわなかった。
〔分散性試験〕
実施例1〜4、比較例3で調製した分散液10mLを室温(25℃)で保管して分散状態を目視にて観察した。調製から48時間経過後に、PQQ類の沈降、PQQ類と油の分離などが観察されず、均一な分散液状態が保たれていれば分散性があると判断した。その結果を表1に示す。比較例2〜4については、すぐに沈降し分散状態を維持できなかったため分散性試験は行なわなかった。
〔油−水分配試験〕
各テストチューブ(イナオプティカ社製、製品名SC−0200)に水1mLと中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、日清オイリオ製ODO)1mLを加えた。ここに実施例1〜4、比較例4で調製した分散液30μLをそれぞれ加えた。テストチューブを上下に入れ替えて15分間混合した。その後、テストチューブ内の液体を遠心分離器にかけ、油層と水層とを分け、水層部分だけを取り出し、水層に含まれるPQQ類量を測定をUVスペクトルメーター(Simazu社製、製品名UV1800)で測定し、水層への分配量を算出した。
なお、比較例1の分散液の油−水分配試験においては、テストチューブに水1mLと、比較例1の分散液100μLと、中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、日清オイリオ製ODO)100μLとを加えたこと以外は、上記と同様の操作を行い、試験結果を得た。なお、比較例2,3については分散状態ではないため油−水分配試験は行なわなかった。
〔製造例:PQQジナトリウム塩及びPQQフリー体の調製〕
特許第2692167号公報に記載の培養法、回収・精製方法に従って、カラム精製後のPQQ溶液を得て、得られたPQQ溶液をpH7に調整し、塩化ナトリウムを加えて赤い固体を得た。この固体を50%エタノール水溶液で洗浄し、過剰の塩化ナトリウムを除去して、含水PQQトリナトリウム塩を得た。
このようにして得られた、含水PQQトリナトリウム塩の固体60g(そのうちPQQ分は20g)を、イオン交換水500mLとエタノール500mLの混合液に加えた。このとき、固体は溶けきっていなかった。ここに、室温下で塩酸を加え、pHを3.5にした。塩酸の添加は約2時間かけてゆっくり行った。塩酸の添加後2日間攪拌した。溶液中に析出した固体を濾過して、含水PQQジナトリウム塩(以下、「NaPQQ」ともいう。)含水結晶を収率99mol%で得た。
このNaPQQ3gを水1Lに溶かし、塩酸を加えてpH1にして、赤い固体を析出させた。これを濾過し、2N塩酸で洗い、水洗した。減圧乾燥してPQQフリー体を収率85mol%で得た。以下の実験はこれらの原料を使用した。
〔実施例1:0.1%PQQMCT〕
製造例で得られたNaPQQ0.08gを水39.92mLに溶かして水溶液を得た。一方で、乳化剤としてポリグリセリンリシノレイン酸エステル(坂本薬品工業社製CRS−75)10gと、油として中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナードMT)50.00gを室温で混合して、油溶液を得た。得られた油溶液に水溶液を加え、プライミクス社製ホモミキサーを使用して乳化後、乳化液をナスフラスコに入れた。ナスフラスコ中の乳化液を温浴の温度を50℃に設定したエバポレーターで減圧して、水分を除去し、赤色の透明な溶液を実施例1の分散液として得た。得られた溶液はNaPQQ0.13質量%、乳化剤16.6質量%、水分0.18質量%を含み、NaPQQが、中鎖脂肪酸グリセリンエステル中に分散した分散液であった。
実施例1の分散液に対し、粒径測定、保存安定性試験、及び保存安定性試験を行なった。分散液の組成と、各結果を表1に示す。
〔実施例2:0.6%PQQMCT〕
表1に示す組成としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2の分散液を得た。実施例2の分散液に対し、粒径測定、保存安定性試験、及び保存安定性試験を行なった。分散液の組成と、各結果を表1に示す。
〔実施例3:1%PQQMCT〕
表1に示す組成としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例3の分散液を得た。実施例3の分散液に対し、粒径測定、保存安定性試験、及び保存安定性試験を行なった。分散液の組成と、各結果を表1に示す。なお、プライミクス社製ホモミキサーを使用し乳化した際に、乳化液は白く濁っており、透明性がなかったが、エバポレーターで減圧して水分を除去したところ赤色の透明な溶液が得られた。
〔実施例4:4.6%PQQMCT〕
表1に示す組成としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例4の分散液を得た。実施例4の分散液に対し、粒径測定、保存安定性試験、及び保存安定性試験を行なった。分散液の組成と、各結果を表1に示す。
なお、上記実施例における油への分散操作中に、PQQが分解及び/又は反応していないことを確認するために、以下の操作によって分散したPQQを回収し、回収量を高速液体クロマトグラフィーで測定した。
まず、実施例4で得られた分散液0.1gを10%食塩水50gと混合して15分間1000回転でホモジナイズした。これから水層を取り出し、水層の溶液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。測定条件は以下の通りとした。その結果、PQQNa 含有量4.4質量%。96%回収され、分解等は生じていなかったことを確認した。他の実施例についても同様の操作によりPQQが分解及び/又は反応していないことを確認した。
装置: 島津製作所、高速液体クロマトグラフィー、LC−20A
カラム:YMC−Pack ODS−TMS(5μm)、150x4.6mm I.D.
測定温度:40℃
検出:260nmにおける吸光度
溶離液:100mM CHCOOH/100mM CHCOONH (30/70,pH5.1)
溶出速度:1.5mL/min
〔比較例1:4.6%PQQaq)〕
製造例で得られたNaPQQ4.6gを水96mLに加え、攪拌し、赤色の懸濁液を得た。得られた懸濁液中のNaPQQは一日経過後には沈降しており、均一な分散液は得られなかった。
〔比較例2:1%PQQnonS〕
製造例で得られたNaPQQ1.63gと炭酸カリウム0.29gとを水63.08mLに溶かし水溶液を調整した。この水溶液と、中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナ−ドMT)35.00gとを混合し、混合液をプライミクス社製ホモミキサーを使用して乳化後、乳化液をナスフラスコに入れた。ナスフラスコ中の乳化液をエバポレーターで減圧して水分を除去したところ、ナスフラスコの壁面に赤い結晶が析出して付着し、均一な分散液を調製できなかった。
〔比較例3:11.6%MCT(4.6%PQQMCTnonWater)〕
実施例4(4.6%PQQMCT)より水を用いない例として行なった。製造例で得られたNaPQQ4.6gと、ポリグリセリンリシノレイン酸エステル(坂本薬品工業社製CRS−75)5.00gとを、中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナ−ドMT)30.00gに混合した。混合液をプライミクス社製ホモミキサーを使用して乳化し、赤色の懸濁液を得た。得られた懸濁液中のNaPQQは懸濁液の調整から一日後には沈降し、均一な分散液は得られなかった。
〔比較例4:1%MCTnonS〕
製造例で得られたNaPQQ0.1gと、中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナ−ドMT)9.9gとを混合し混合液を得た。得られた混合液中のNaPQQはすぐに沈降し、均一な分散液は得られなかった。
[PQQフリー体を用いた高濃度分散液の製造例]
〔実施例5−1:0.08%PQQfreeMCT〕
製造例で得たPQQフリー体0.04gを水50gに加熱溶解して水溶液を調製した。一方で、乳化剤としてポリグリセリンリシノレイン酸エステル(坂本薬品工業社製CRS−75)10gと、油として中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナードMT)40gとを混合して油溶液を調製した。得られた水溶液と油溶液とを混合しプライミクス社製ホモミキサーを使用して乳化後、乳化液をナスフラスコに入れた。ナスフラスコ中の乳化液を温浴の温度を50℃に設定したエバポレーターで減圧して、水分を除去し、紫色の透明な溶液を分散液として得た。得られた溶液は、PQQフリー体0.08質量%を含み、PQQフリー体が中鎖脂肪酸グリセリンエステル中に分散した分散液であった。分散液中に分散した粒子の平均粒径は31.5nmであった。
〔実施例5−2:0.16%PQQfreeMCT〕
PQQフリー体0.04gを水50gに溶解した水溶液を調製した。得られた水溶液と油溶液として実施例5−1で得た分散液50gとを混合し、プライミクス社製ホモミキサーを使用して乳化後、該乳化液をナスフラスコに入れた。ナスフラスコ中の乳化液を温浴の温度を50℃に設定したエバポレーターで減圧して、水分を除去し、赤色の透明な溶液を得た。得られた溶液は、PQQフリー体0.16質量%を含み、PQQフリー体が中鎖脂肪酸グリセリンエステル中に分散した分散液であった。分散液中に分散した粒子の平均粒径は75nmであった。
〔実施例5−3:0.24%PQQfreeMCT〕
実施例5−2で得た分散液を使用し、上記と同様の操作を繰り返した。赤色のわずかに濁った溶液を得た。得られた溶液は、PQQフリー体0.24質量%を含み、PQQフリー体が中鎖脂肪酸グリセリンエステル中に分散した分散液であった。分散液中に分散した粒子の平均粒径は142nmであった。
〔実施例5−4:0.32%PQQfreeMCT〕
実施例5−3で得た分散液を使用し、上記と同様の操作を繰り返した。赤色のわずかに濁った溶液を得た。得られた溶液は、PQQフリー体0.32質量%を含み、PQQフリー体が中鎖脂肪酸グリセリンエステル中に分散した分散液であった。分散液中に分散した粒子の平均粒径は105nmであった。
〔実施例5−5:0.40%PQQfreeMCT〕
実施例5−4で得た分散液を使用し、上記と同様の操作を繰り返した。赤色のわずかに濁った溶液を得た。得られた溶液は、PQQフリー体0.40質量%を含み、PQQフリー体が中鎖脂肪酸グリセリンエステル中に分散した分散液であった。分散液中に分散した粒子の平均粒径は129nmであった。
〔比較例5−1:0.08%PQQfreeaq〕
製造例で得られたPQQフリー体0.08gを水99.92mLに加え、攪拌し、赤色の懸濁液を得た。得られた懸濁液中のPQQフリー体は一日経過後には沈降しており、均一な分散液は得られなかった。
〔比較例5−2:0.4%PQQfreeaq〕
製造例で得られたPQQフリー体0.4gを水99.6mLに加え、攪拌し、赤色の懸濁液を得た。得られた懸濁液中のPQQフリー体は一日経過後には沈降しており、均一な分散液は得られなかった。
実施例5−1〜5−5より、PQQフリー体も油溶化できることが示された。また、実施例で得られた分散液を油溶液として用いることにより、より高濃度のPQQ類を含む分散液が得られることが示された。
[実施例6〜9:各種乳化剤を使用した分散液の調製]
製造例で得られたNaPQQ0.08g、炭酸カリウム0.03gを水10mLに溶かして水溶液を得た。一方で、表3に示す各種乳化剤10gと、油として中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナードMT)70gとを混合して、油溶液を得た。得られた油溶液と水溶液とを混合し、95℃でプライミクス社製ホモミキサーを使用して乳化後、乳化液をナスフラスコに入れた。ナスフラスコ中の乳化液をエバポレーターで減圧して、80℃で水分の除去を1度行った。その結果を以下の表3に示す。
実施例6〜9より、各種乳化剤によりPQQ類を油溶化できることがわかった。
〔組織への染色性試験〕
実施例3、5−1、5−5、6〜9の分散液、比較例1の分散液(4.6%PQQaq)を水で希釈した、1質量%NaPQQ水溶液(1.0%PQQaq)及び0.1質量%NaPQQ水溶液(0.1%PQQaq)、並びに、比較例5−1及び5−2の分散液、を用いて染色性試験を行なった。
鶏胸肉に指でくぼみを作製し、そこに分散液及び水溶液100μLをそれぞれ載せた。その鶏胸肉を37℃で1時間保管した後、水道水で洗浄した。また、とり皮にも指でくぼみを作製し、そこに分散液及び水溶液100μLをそれぞれ載せた。そのとり皮を37℃で1時間保管した後、水道水で洗浄した。
図1(A)に、実施例3の分散液と1質量%NaPQQ水溶液とを用いて組織への染色性試験を行なった鶏胸肉の写真を示し、(B)〜(C)に、実施例3の分散液と1質量%NaPQQ水溶液を用いて組織への染色性試験を行なったとり皮の写真を示す。図1(A)、(B)に示されるように、実施例3の分散液を用いた場合には、鶏肉、とり皮どちらも変色せず染まっていないことが示された。一方で、図1(A)、(C)に示されるように、1質量%NaPQQ水溶液を用いた場合には、鶏肉、とり皮どちらも黄色く変色していたことが示された。
上記のように評価をした組織への染色性試験の結果を以下の表4に示す。
1質量%NaPQQ水溶液及び0.1質量%NaPQQ水溶液、並びに、比較例5−1及び5−2の分散液は、濃度が低くても組織を染色することが分かった。これに対し、実施例3、5−1、5−5、6〜9の分散液は、濃度や、PQQフリー体かPQQジナトリウムのいかんや、乳化剤の種類にかかわらず、いずれも組織を染色しないことが分かった。
〔有機溶媒への溶解試験〕
実施例1〜4及び比較例3で得られた各液100μLと、表5に示す有機溶媒1000μLと、を混合して、実施例1〜4及び比較例3で得られた各液が各有機溶媒に溶解するか否かを確認した。その結果を表5に示す。
表5に示されるよう、実施例1,3〜4の各分散液は他の有機溶媒にも均一に分散できることが示された。これにより、このような溶媒を使用する分野においても有用な技術であることが示された。
〔細胞増殖性試験〕
細胞増殖性試験では、特に断りがない限りGIBCO社から購入した試薬を使用した。また、牛胎児血清(FBS)はニッスイ社製を使用した。
(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を使用した試験)
チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を使用して細胞増殖性試験を行なった。培地として、α−MEM培地にウシ胎児血清(FBS)を10%添加したものを使用した。CHO細胞の培養は、5%CO、飽和水蒸気下37℃で行なった。
実施例1、3、4の分散液、比較例1の分散液、及びポリグリセリンリシノレイン酸エステル(坂本薬品工業社製CRS−75)と中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナードMT)との混合溶液Cを、表6に記載の希釈倍率となるよう培地でそれぞれ希釈した(以下、「各希釈液」ともいう。)。
CHO細胞濃度1×10cell/mLである細胞懸濁液を、0.4mLずつ24ウェルプレートの各ウェルに撒き、付着細胞を介してCHO細胞をウェルの底に単層で付着させた。1日培養した後、ウェル内の培地を、新たな各希釈液に入れ替えて、さらに1日培養した。その後、ウェルから、培地を抜き、リン酸バッファーで洗い、トリプシンでCHO細胞をウェルの底からはがした。CHO細胞がはがれた状態のウェルに培地をさらに加えてCHO細胞懸濁液を作製し、該懸濁液を遠心分離チューブに移した。その後、遠心分離によりCHO細胞を分画して、0.4mLに再懸濁した。際懸濁した溶液を顕微鏡で観察し、細胞濃度を計測した。1つの条件につき3個のウェルで細胞濃度を計測した。その結果を表6に示す。
実施例の分散液を用いた試験結果では、コントロールと比べ細胞濃度が2.5倍以上となった。これにより、PQQを含む分散液による細胞増殖を促進する効果が非常に高く、効果的であることが示された。
〔ヒトリンパ球細胞(Jurkat細胞)を使用した実験〕
ヒトリンパ球細胞(Jurkat細胞)を使用して細胞増殖性試験を行なった。培地として、RPMI1640にウシ胎児血清(FBS)を10%添加したものを使用した。浮遊細胞であるJurkat細胞は、培地内を浮遊した状態で増殖させた。Jurkat細胞の培養は、5%CO、飽和水蒸気下37℃で行なった。
Jurkat細胞濃度12.5×10cell/mLである細胞懸濁液を、24ウェルプレートの各ウェルに撒き、実施例3の分散液又は水にPQQジナトリウムを1質量%懸濁した液(1%PQQaq)を培地で希釈して表7の希釈倍率になるようにウェルにそれぞれ添加した。4日後、ウェル中の細胞培養液をトリパンブルーで染色して顕微鏡観察により生細胞数を算出した。その結果を表7に示す。
なお、1%PQQaqは、製造例で得られたNaPQQ1.0gを水99mLに加え、攪拌し、赤色の懸濁液として得た。得られた懸濁液中のNaPQQはすぐに沈降し、均一な分散液は得られなかった。
実施例のPQQを含む分散液を用いてJurkat細胞を培養した場合には、培養細胞が高濃度となった場合に生じる細胞障害を生じずに、細胞増殖をすることが分かった。これにより、PQQを含む分散液による濃度障害を防止する効果が高く、効果的であることが示された。
〔ヒト女性皮膚繊維芽細胞LotDFM110310Bを使用した実験〕
ヒト女性皮膚繊維芽細胞を使用して細胞増殖性試験を行なった。培地として、培地DFM100を使用した。ヒト女性皮膚繊維芽細胞の培養は、5%CO、飽和水蒸気下37℃で行なった。この細胞は正常細胞で繊維状の形態でシャーレに付着する。
ヒト女性皮膚繊維芽細胞の細胞懸濁液を、細胞2500個/Wellになるように96ウェルプレートの各ウェルに撒いた。1日後、NaPQQの濃度(μmg/mL)が表8に記載の濃度となるように実施例3の分散液又は水にPQQジナトリウムを1質量%懸濁した水溶液(1%PQQaq)を培地で希釈したサンプルをそれぞれのウェルに加えた。また、コントロールとして、ポリグリセリンリシノレイン酸エステル(坂本薬品工業社製CRS−75)と、中鎖脂肪酸グリセリンエステル(MCT、花王社製ココナードMT)との混合溶液Dを培地で同様の倍率で希釈したサンプルを加えたウェルも用意した。3日後に培地を入れ替え、同仁化学製cell counting kit8で細胞数を測定した。このキットでは450nmの吸光度と細胞数とが比例する。プレートリーダーで450nmの吸光度を測定し、コントロールの吸光度を100として以下の表8に表した。
他の細胞増殖性試験の結果と同様、PQQを含む分散液は、細胞増殖を促進する能力があり、コントロールと比べて35%以上の促進効果があった。PQQを含む分散液の効果のあった領域(NaPQQ:125〜500μg/mL)では、1%PQQaqを添加したウェルの細胞は死んでいた。1%PQQaqを添加したウェルでは細胞へのPQQの過剰取り込みがあったと推察される。これより、PQQを含む分散液は、PQQの活性を奏するばかりでなく、PQQの過剰の取り込みを抑制し、細胞増殖能を上げる効果があることが分かった。
このように、PQQを含む分散液を用いることにより、細胞の種類は関係なく、PQQの有する高い増殖促進効果が認められる。また、PQQを高濃度で使用しても細胞への障害は表れておらず、PQQを含む分散液は過剰な取り込みによる障害を防ぐ効果があることが示された。PQQを含む分散液は培地中に油的として存在することで増殖促進、細胞障害抑制を行っていると考えられる。
本発明のPQQ類を含む分散液は、医薬品分野、食品分野、化粧品分野等において産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. ピロロキノリンキノン類と、乳化剤と、油と、を含み、
    前記ピロロキノリンキノン類が前記油中に分散しており、
    前記油中に分散した前記ピロロキノリンキノン類が、2nm〜10μmの平均粒径を有し、
    前記乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びグリセリン縮合リシノレイン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む
    分散液。
  2. 前記乳化剤は、HLB5以下である、請求項1に記載の分散液。
  3. 前記乳化剤は、ポリエルカ酸スクロース、ポリオレイン酸スクロース、ポリステアリン酸スクロース、ポリパルミチン酸スクロース、ポリミリスチン酸スクロース、及びポリラウリン酸スクロース、モノグリセリンオレイン酸エステル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、へプタオレイン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルらなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む、請求項1又は2に記載の分散液。
  4. 前記ピロロキノリンキノン類は、ピロロキノリンキノン、ピロロキノリンキノンのアルカリ金属塩、及びピロロキノリンキノンのアルカリ土類金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の分散液。
  5. 前記ピロロキノリンキノン類を0.01〜20質量%含み、
    前記乳化剤を1〜50質量%含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の分散液。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の分散液を含む、食品。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の分散液を含む、化粧品
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