JP6923867B2 - 透明分散液 - Google Patents
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Description
例えば、薬剤含有複合体が油相に溶解または分散しているものを含み、且つ当該複合体は、親水性薬剤が界面活性剤により被覆されている固体状のものであることを特徴とする経皮吸収性に優れたS/O(Solid−in−Oil)型外用剤が知られている(特許文献2)。
1. 油相中に、当該油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質と水性成分(但し、前記物質を除く。)とを含む液滴が分散してなる分散液であって、
(1)前記液滴の平均粒径が30〜500nmであり、
(2)前記物質の含有量が分散液中0.5〜10質量%であり、
(3)前記水性成分がa)水又はb)水と水溶性物質との混合液であり、
(4)前記水性成分含有量が分散液中0.2〜12.5質量%であり、
(5)水分含有量が分散液中0.2〜5質量%であり、
(6)分散液における波長660nmの光線透過率が70%以上である、
ことを特徴とする透明分散液。
2. 前記液滴の形態が、a)液体又はb)固体と液体との混合物である、前記項1に記載の透明分散液。
3. 水溶性物質がグリセリン及び水溶性有機溶媒の少なくとも1種である、前記項1に記載の透明分散液。
4. 水溶性有機溶媒が、大気圧での沸点が100℃を超えるものである、前記項3に記載の透明分散液。
5. 水溶性有機溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びエチレングリコールの少なくとも1種である、前記項3に記載の透明分散液。
6. 油相が、油剤及び界面活性剤を含み、かつ、前記界面活性剤の含有量が油相中0.5〜20質量%である、前記項1に記載の透明分散液。
7. 界面活性剤が非イオン系界面活性剤である、前記項6に記載の透明分散液。
8. 非イオン系界面活性剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含む、前記項7に記載の透明分散液。
9. 油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質として、分子量2,000〜6,500,000の高分子化合物を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の透明分散液。
10. 前記高分子化合物がヒアルロン酸類の少なくとも1種である、前記項9に記載の透明分散液。
11. 油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質として、水溶性ビタミン類を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の透明分散液。
12. 前記水溶性ビタミン類がアスコルビン酸類の少なくとも1種である、前記項11に記載の透明分散液。
13. 油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質として、糖質を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の透明分散液。
14. 前記糖質がスクロース及びD−スレイトールの少なくとも1種である、前記項13に記載の透明分散液。
15. 油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質として、タンパク質を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の透明分散液。
16. 前記タンパク質がアルブミンである、前記項15に記載の透明分散液。
17. 油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質として、アミノ酸を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の透明分散液。
18. 前記アミノ酸がグルタミン類の少なくとも1種である、前記項17に記載の透明分散液。
19. 油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質として、酵素を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の透明分散液。
20. 前記酵素がプロテアーゼである、前記項19に記載の透明分散液。
21. 油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質として、無機塩を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の透明分散液。
22. 前記無機塩がメタリン酸ナトリウムである、前記項21に記載の透明分散液。
本発明に係る透明分散液(本発明分散液)は、油相中に、当該油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質と水性成分(但し、前記物質を除く。)とを含む液滴が分散してなる分散液であって、
(1)前記液滴の平均粒径が30〜500nmであり、
(2)前記物質の含有量が分散液中0.5〜10質量%であり、
(3)前記水性成分がa)水又はb)水と水溶性物質との混合液であり、
(4)前記水性成分含有量が分散液中0.2〜12.5質量%であり、
(5)水分含有量が分散液中0.2〜5質量%であり、
(6)分散液における波長660nmの光線透過率が70%以上である、
ことを特徴とする。
油相としては、油剤を含む油相を採用することができる。油剤を主成分とする限りは、油剤からなる油相のほか、油剤と他の添加剤を含む油相であっても良い。添加剤としては、界面活性剤のほか、例えば抗酸化剤、香料、着色料等が挙げられる。特に、本発明では、油剤及び界面活性剤を含む油相を好適に用いることができる。
本発明分散液は、油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質と水性成分(但し、前記物質を除く。)とを含む液滴が油相中に分散している。すなわち、液滴中には、用いる油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質(以下「難溶性物質」という。)と水性成分とが含まれる。通常は、液滴中では、難溶性物質が水性成分に溶解した状態で存在していることが好ましい。
例えば、ヒアルロン酸又はその誘導体(好ましくはヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルヒアルロン酸ナトリウム等)が挙げられる。
b)高分子化合物
例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
c)アスコルビン酸類
例えば、アスコルビン酸又はその誘導体(好ましくはL−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、エチルアスコルビン酸等)が挙げられる。
d)チアミン類
例えば、チアミン又はその誘導体(好ましくはチアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、フルスルチアミン、オクトチアミン、チアミンジスルフィド、リン酸チアミンジスルフィド、硝酸チアミンジスルフィド、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン等)が挙げられる。
e)ピリドキシン類
例えば、ピリドキシン又はその誘導体(好ましくはピリドキシン塩酸塩、リン酸ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサール塩酸塩、リン酸ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキサミン塩酸塩、リン酸ピリドキサミン)が挙げられる。
f)コバラミン類
例えば、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン等が挙げられる。
g)育毛促進成分
例えば、ミノキシジル、タカナール、D−パンテノール等が挙げられる。
h)ポリフェノール類
例えば、アントシアニン、カテキン等のポリフェノール等が挙げられる。
i)糖質
例えば、グルコース、フルクトース、スクロース、D−スレイトール等が挙げられる。
j)タンパク質
例えば、アルブミン、コラーゲン等が挙げられる。
k)アミノ酸類
例えば、グルタミン、グルタミン酸、ポリグルタミン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
l)酵素
例えば、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ等が挙げられる。
m)無機塩類
例えば、塩化ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等の無機塩が挙げられる。
n)その他
動物、植物等の生体の分泌物、抽出物等が挙げられる。
本発明分散液は、例えば下記の製造方法によって好適に製造することができる。すなわち、油相中に、当該油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質と、水性成分(但し、前記物質を除く。)としてa)水又はb)水と水溶性物質との混合液とを含む液滴が分散してなる透明分散液を製造する方法であって、
(1)前記物質及び水性成分を含む液滴が油相中に分散してなるエマルション型前駆体を調製する工程(前駆体調製工程)、
(2)前記エマルション型前駆体中の水分を除去することにより分散液を得る工程(脱水工程)を含み、
(3)得られる透明分散液中の水性成分含有量が0.2〜12.5質量%となり、かつ、その水分含有量が0.2〜5質量%となるように、前記各工程及びその前後のいずれかの時点で水性成分を含有させることを特徴とする製造方法を好適に採用することができる。
前駆体調製工程では、難溶性物質及び水性成分を含む液滴が油相中に分散してなるエマルション型前駆体を調製する。ここでは、特にいわゆるW/Oエマルションを調製することが望ましい。
脱水工程では、エマルション型前駆体中の水分を脱水することにより分散液を得る。脱水工程では、W/Oエマルション型前駆体の液滴中の水分の一部が脱水されても良いし、実質的に水分の全部が脱水されても良い。すなわち、この工程で得られる分散粒子は、固体成分からなる微細粒子、水性液体成分からなる微細粒子、これらの混合物からなる微細粒子のいずれであっても良い。
紫外可視分光光度計((株)島津製作所製、UV−1800)を用いて波長660nmの光線透過率を測定した。リファレンスとして蒸留水を用いた。
(2)分散粒子(液滴)の平均粒径
動的光散乱光度計(大塚電子(株)製、ELSZ−2)を用いてキュムラント法解析による平均値を測定した。
(3)水分含有量
カールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製、MKA−610)を用いて分散液に含まれる水分含有量を測定した。
水相としてヒアルロン酸ナトリウム1質量%水溶液((株)資生堂製、分子量:137万〜153万)80gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)4gをオリーブ油(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液80g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度50℃及び圧力5.0×103Paで上記エマルション型前駆体を70分間脱水することにより、ヒアルロン酸ナトリウムを含んだ微細液滴が油中に分散した分散液を得た。さらに、上記分散液20gに対し、水性成分として水を40μL添加し、マグネチックスターラーにより300rpm×30分間攪拌することにより、透明分散液(ヒアルロン酸ナトリウム濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:67nm、光線透過率:99.6%、水分含有量:0.39質量%であった。
水相としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、分子量:207万〜658万)1gを水に溶解させた水溶液100gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)4.95gをオリーブ油(日本サーファクタント工業(株)製)に溶解させて得られた溶液99g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力2.0×103Paで上記エマルション型前駆体を75分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、ポリアクリル酸ナトリウムを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(ポリアクリル酸ナトリウム濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:171nm、光線透過率:93.4%、水分含有量:0.76質量%であった。
水相としてポリビニルピロリドン(和光純薬工業(株)製、分子量:4万)1g及び水性成分としてN,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)9.8gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液98g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、ポリビニルピロリドンを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(ポリビニルピロリドン濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:206nm、光線透過率:93.7%、水分含有量:1.07質量%であった。
水相として加水分解ヒアルロン酸(キユーピー(株)製、分子量:1万)5gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)14.25g及びショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、ER−290)4.75gを流動パラフィン(和光純薬工業(株)製)に溶解させて得られた溶液95g(前記2種の界面活性剤合計濃度:20質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を70分間脱水することにより、加水分解ヒアルロン酸の微細粒子(分散粒子)が油中に分散した分散液を得た。さらに、上記分散液10gに対し、水を150μL添加し、マグネチックスターラーにより300rpm×30分間攪拌することにより、透明分散液(加水分解ヒアルロン酸濃度:5質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:158nm、光線透過率:99.9%、水分含有量:1.94質量%であった。
水相としてヒアルロン酸ナトリウム1質量%水溶液((株)資生堂製、分子量:137万〜153万)を水で2倍希釈した水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるソルビタントリオレイン酸エステル(和光純薬工業(株)製、Span85相当品)4.95gを大豆油(和光純薬工業(株)製)に溶解させて得られた溶液99g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度35℃及び圧力2.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、ヒアルロン酸ナトリウムを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(ヒアルロン酸ナトリウム濃度:0.5質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:129nm、光線透過率:99.4%、水分含有量:0.41質量%であった。
水相としてポリエチレングリコール(和光純薬工業(株)製、分子量:2000)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)0.495gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液99g(前記界面活性剤濃度:0.5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、ポリエチレングリコールを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(ポリエチレングリコール濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:231nm、光線透過率:100%、水分含有量:0.34質量%であった。
水相としてL−アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)5gをオリーブ油(日本サーファクタント工業(株)製)に溶解させて得られた溶液100g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、L−アスコルビン酸を含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(L−アスコルビン酸濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:183nm、光線透過率:87.1%、水分含有量:0.82質量%であった。
水相としてL−アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)1g及び水性成分としてジメチルスルホキシド(和光純薬工業(株)製)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)9.8gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液98g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、L−アスコルビン酸を含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(L−アスコルビン酸濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:148nm、光線透過率:89.5%、水分含有量:1.60質量%であった。
水相としてL−アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)1g及び水性成分であるグリセリン(和光純薬工業(株)製)10gを水に溶解させた水溶液60gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)8.9gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液89g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、L−アスコルビン酸を含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(L−アスコルビン酸濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:406nm、光線透過率:93.8%、水分含有量:2.67質量%であった。
水相としてL−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(和光純薬工業(株)製)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)5gをオリーブ油(日本サーファクタント工業(株)製)に溶解させて得られた溶液100g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩を含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:181nm、光線透過率:97.7%、水分含有量:0.75質量%であった。
水相としてスクロース(和光純薬工業(株)製)10gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)8gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液80g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、スクロースを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(スクロース濃度:10質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:191nm、光線透過率:100%、水分含有量:2.79質量%であった。
水相としてアルブミン(和光純薬工業(株)製)1g及び水性成分としてエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)5gをオリーブ油(日本サーファクタント工業(株)製)に溶解させて得られた溶液100g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を70分間脱水することにより、アルブミンを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(アルブミン濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:150nm、光線透過率:73.9%、水分含有量:0.20質量%であった。
水相としてL−グルタミン(和光純薬工業(株)製)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)9.9gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液99g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度35℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、L−グルタミンを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(L−グルタミン濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:204nm、光線透過率:93.4%、水分含有量:1.11質量%であった。
水相としてL−グルタミン酸ナトリウム一水和物(和光純薬工業(株)製)1gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)9.9gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液99g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度35℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、L−グルタミン酸ナトリウム一水和物を含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(L−グルタミン酸ナトリウム一水和物濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:216nm、光線透過率:94.2%、水分含有量:0.95質量%であった。
水相としてプロテアーゼ(和光純薬工業(株)製)0.5gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)5gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液50g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度35℃及び圧力2.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、プロテアーゼを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(プロテアーゼ濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:143nm、光線透過率:93.9%、水分含有量:0.44質量%であった。
水相としてメタリン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.5gを水に溶解させた水溶液25gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)2.5gをオリーブ油(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液50g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度37℃及び圧力3.0×103Paで上記エマルション型前駆体を40分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなっていることを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、メタリン酸ナトリウムを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(メタリン酸ナトリウム濃度:1質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:171nm、光線透過率:100%、水分含有量:0.20質量%であった。
水相としてD−スレイトール((株)エーピーアイコーポレーション製)10gを水に溶解させた水溶液50gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)9gをパルミチン酸イソオクチル(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液90g(前記界面活性剤濃度:10質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度35℃及び圧力2.0×103Paで上記エマルション型前駆体を50分間脱水した時点で分散液の透明度が高くなったことを目視で確認できたため、ここで脱水を停止し、D−スレイトールを含んだ微細液滴が油中に分散した透明分散液(D−スレイトール濃度:10質量%)を得た。得られた透明分散液は、液滴の平均粒径:397nm、光線透過率:85.7%、水分含有量:3.57質量%であった。
水相としてヒアルロン酸ナトリウム1質量%水溶液((株)資生堂製、分子量:137万〜153万)80gを用い、油相として界面活性剤であるヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(日光サーファクタント工業(株)製、PR−15)4gをオリーブ油(日光ケミカルズ(株)製)に溶解させて得られた溶液80g(前記界面活性剤濃度:5質量%)を用い、これら水相及び油相をホモミキサーにより15000rpm×1分間、24000rpm×30秒間の順に撹拌乳化することによって、エマルション型前駆体を調製した。次に、エバポレーターを用いて、水が沸騰する条件である温度50℃及び圧力5.0×103Paで上記エマルション型前駆体を70分間脱水することにより、ヒアルロン酸ナトリウムの微細粒子(分散粒子)が油中に分散した分散液を得た。得られた分散液は、分散粒子の平均粒径:157nm、光線透過率:35.2%、水分含有量:0.15質量%であった。
Claims (6)
- 油相中に、当該油相に対して難溶性ないしは不溶性の物質と水性成分(但し、前記物質を除く。)とを含む液滴が分散してなる分散液であって、
(1)前記液滴の平均粒径が30〜500nmであり、
(2)前記油相が、油剤と非イオン系界面活性剤とを含み、
(3)前記物質の含有量が分散液中1〜10質量%であり、
(4)前記水性成分がa)水又はb)グリセリン及び大気圧での沸点が100℃を超える水溶性有機溶媒の少なくとも1種と水との混合液であり、
(5)前記水性成分含有量が分散液中0.2〜12.5質量%であり、
(6)水分含有量が分散液中0.2〜1.94質量%であり、
(7)分散液における波長660nmの光線透過率が70%以上である、
ことを特徴とする透明分散液。 - 前記液滴の形態が、a)液体又はb)固体と液体との混合物である、請求項1に記載の透明分散液。
- 非イオン系界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル系及びソルビタン脂肪酸エステル系の少なくとも1種の界面活性剤である、請求項1に記載の透明分散液。
- 水溶性有機溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びエチレングリコールの少なくとも1種である、請求項1に記載の透明分散液。
- 非イオン系界面活性剤の含有量が油相中0.5〜20質量%である、請求項1に記載の透明分散液。
- 前記物質は、当該油剤に対する溶解度(20℃)が0.1g/L以下である、請求項1に記載の透明分散液。
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